JP5087958B2 - 液晶性樹脂組成物からなる成形品 - Google Patents

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本発明は、表面外観に優れかつ摺動性に優れた液晶性樹脂組成物からなる成形品に関するものである。
近年、プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶性樹脂は、優れた流動性、耐熱性、低ガス性および機械的性質を有する点で注目されている。
そして、液晶性樹脂は、上記の特徴を生かして、近年急速に薄くかつ小さくなりつつある高機能製品の部品として使用される傾向にある。このような高機能部品の中には、駆動部分をもったものがあり、特にシグナルリレーや光ピックアップレンズフォルダー、あるいはオートフォーカスカメラレンズ部品などは、液晶樹脂の良流動性を活かして薄肉形状を形成し、軽量化を図ることで応答性に優れるとして、使用される割合が高まっている。そのため、寸法安定性や摺動性の確保のため、粒状充填材を添加する方法(例えば、特許文献1および特許文献2および特許文献3参照)などがすでに知られているが、従来の粒状充填材では不十分であった。
また、粒状充填材としてタルクを用いること、さらには粒子径が非常に小さいタルクは広く知られていたものの、取扱いが難しく、充填時に分散が不十分で凝集する場合が多く、かえって摺動性が低下するなどの問題が多かった。
特開昭63−146958号公報 特開2000−273320号公報 特開2001−106923号公報
本発明は、かかる従来技術における問題点に鑑み、表面外観に優れかつ摺動性に優れた液晶性樹脂組成物からなる成形品を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の成形品は、(A)液晶性樹脂100重量部に対して、(B)体積平均粒子径0.01〜1.0μmのタルク5〜200重量部を含有してなることを特徴とする液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品であって、該成形品の摩擦係数変動率が25%以下である、二つ以上の部品が動的に接触する成形品である。
また、本発明に用いられる液晶性樹脂組成物の好ましい態様は、
1.かかる液晶性樹脂組成物に、さらに(C)繊維状充填材を含有してなること、
2.前記繊維状充填剤が、針状ホウ酸アルミニウムウィスカーおよびウォラストナイトから選ばれる少なくとも1種であること
ある。
本発明によれば、表面外観に優れかつ摺動性に優れた液晶性樹脂成形品が得られるため、製品同士が動的に接触する部品、つまり高機能摺動機構部品に好適に使用することができる成形品を提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり表面外観に優れかつ摺動性に優れた液晶性樹脂組成物について、鋭意検討し、液晶性樹脂に、体積平均粒子径の特定なタルクという特定な充填剤を添加してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明で用いる(A)液晶性樹脂としては、異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルおよび液晶性ポリエステルアミドなどが挙げられ、その具体例としては、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、および上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミドが挙げられる。
前記異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルの例としては、好ましくは下記の(I)、(II)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、および、(I)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
Figure 0005087958
(ただし式中のR1 は、
Figure 0005087958
から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は、
Figure 0005087958
から選ばれた一種以上の基を示す。
また、式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(III)の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
上記構造単位(I)は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III )は、エチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)は、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
Figure 0005087958
であり、R2が
Figure 0005087958
であるものが特に好ましい。
また、液晶性ポリエステルアミドの例としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、p−アミノフェノールとテレフタル酸から生成した液晶性ポリエステルアミド、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸、p−アミノ安息香酸およびポリエチレンテレフタレートから生成した液晶性ポリエステルアミド(特開昭64−33123号公報)などが挙げられる。
本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(I)、(II)および(IV)からなる共重合体、または、(I)、(II)、(III) および(IV)からなる共重合体であり、上記構造単位(I)、(II)、(III) および(IV)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点から次の共重合量であることが好ましい。
すなわち、上記構造単位(III) を含む場合は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から、上記構造単位(I)および(II)の合計は、構造単位(I),(II)および(III) の合計に対して60〜95モル%が好ましく、75〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(III) は、構造単位(I),(II)および(III) の合計に対して40〜5モル%が好ましく、25〜7モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の構造単位(II)に対するモル比[(I)/(II)]は、耐熱性と流動性のバランスの点から好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は、構造単位(II)および(III) の合計と実質的に等モルであるのが好ましい。
一方、上記構造単位(III) を含まない場合は、流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(II)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、特に好ましくは60〜88モル%である。また、構造単位(IV)は、構造単位(II)と実質的に等モルであるのが好ましい。
なお、上記において「実質的に等モル」とは、末端を除くポリマ主鎖を構成するユニットとしてはジオキシ単位とジカルボニル単位が等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
なお、本発明で好ましく使用できる上記液晶性ポリエステルを重縮合する際には、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどの芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式ジオール、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸などを、本発明の目的を損なわない程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
また、液晶性ポリエステルアミドとしては、上記好ましい液晶性ポリエステルに、さらにp−アミノフェノールおよび/またはp−アミノ安息香酸を共重合したものも好ましく使用される。
本発明における液晶性樹脂の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造することができる。
例えば、上記の好ましく用いられる液晶性ポリエステルの製造において、上記構造単位(III)を含まない場合は、下記(1)および(2)の製造方法が、また、構造単位(III)を含む場合は、下記(3)の製造方法が好ましく採用される。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、4,4’−ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で、(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
これらの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいときもある。
本発明における(A)液晶性樹脂は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能なものもあり、その際には、0.1g/dlの濃度で60℃で測定したときの対数粘度としては、0.5dl/g以上が好ましく、特に上記構造単位(III) を含む場合は1.0〜3.0dl/gが好ましく、上記構造単位(III) を含まない場合は2.0〜10.0dl/gが好ましい。
また、本発明における(A)液晶性樹脂の溶融粘度は、1〜2,000Pa・sが好ましく、特に2〜1,000Pa・sがより好ましい。
なお、上記の溶融粘度は、液晶性樹脂の融点(Tm)+10℃の条件で、ズリ速度1,000/秒の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
ここで、融点(Tm)とは、示差熱量測定によりポリマを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度Tm1 の観測後、Tm1 +20℃の温度まで昇温させ、同温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を指す。
本発明で用いる(B)タルクは、体積平均粒子径が、0.01〜1.0μmであることが重要であり、好ましくは0.01〜0.8μmであり、より好ましくは0.1〜0.7μmである。粒子径が上記範囲よりも大きいほど表面外観が低下し、小さすぎると加工性が低下し好ましくない。
また粒子径の小さいタルクを用いる場合、その取扱いが非常に難しく、充填時に分散が不十分で凝集する場合が多く、かえって摺動性が低下するなどの問題があり、従来からの使用はない。
本発明の(B)タルクは(A)液晶性樹脂100重量部に対し、5〜200重量部用いられることが重要であり、好ましくは10〜150重量部、より好ましくは20〜100重量部用いられる。(B)タルクが上記範囲よりも少なすぎると成形加工性が低下し、多すぎると機械特性が低下し好ましくない。
本発明の液晶性樹脂組成物には、さらに(C)繊維状充填材を含有させることにより、機械特性を向上せしめることが可能であり、具体例としては、ガラス繊維、ミルドガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石こう繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカ、石こうウィスカ、ウォラストナイトなどを使用することができ、これらのうち、ホウ酸アルミニウムウィスカーおよびウォラストナイトが特に好ましく使用される。
本発明の(C)繊維状充填材は、(A)液晶性樹脂100重量部に対して好ましくは200重量部以下で用いられ、より好ましくは150重量部以下、特に好ましくは100重量部以下で用いられる。かかる(C)繊維状充填材が上記範囲よりも多すぎると摺動性が低下し好ましくない。
本発明の液晶性樹脂成形品は、上記の液晶性樹脂組成物に、目的を損なわない範囲で、
酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂(フッ素樹脂など)を添加して、所定の特性を付与することができる。この場合、白色度を阻害しやすいものは好ましくないので、種類および添加量に注意が必要である。
本発明の液晶性樹脂組成物は溶融混練により製造することが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用いることができる。
これらのうち、本発明の液晶性樹脂組成物は、(B)タルクおよび(C)繊維状充填材の混練を良好にする必要があることから、押出機を用いることが好ましく、二軸押出機を用いることがより好ましく、なかでも中間添加口を有する二軸押出機を用いることが特に好ましい。
溶融混練方法は、原料供給口から(A)液晶性樹脂を二軸押出機に供給し、(A)液晶性樹脂を溶融させ、該溶融状態の(A)液晶性樹脂に中間添加口から(B)タルクと(C)無機充填材を供給するのが好ましい。
かくして得られる本発明の液晶性樹脂組成物は表面外観にすぐれ、かつ摺動特性も損なうことがないため、射出成形、押出成形、シート成形、ブロー成形などの成形法により各種成形品に成形されるが、その優れた摺動性を活かして、射出成形することが好ましい。
また本発明の液晶性樹脂組成物は、その優れた表面外観、摺動性を活かして、二つ以上の部品が動的に接触するような成形品に好適に使用することができ、電気、電子、自動車、機械、雑貨などの用途に限定なく、FPCコネクター、カードコネクタ、スライドスイッチ、シグナルリレー、光ピックアップレンズフォルダー、オートフォーカスカメラレンズ、ボリュームコントローラーなどの部品に使用することできる。
以下、実施例により本発明をさらに詳述する。
[参考例1]
p−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部、ハイドロキノン89重量部、テレフタル酸292重量部、イソフタル酸157重量部および無水酢酸1367重量部(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃で昇温しながら2時間反応させ、145℃から320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃、1.0時間で133Paに減圧し、さらに約1.5時間攪拌を続け重縮合を行った。p−オキシベンゾエート単位がp−オキシベンゾエート単位、4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル当量、4,4’−ジオキシビフェニル単位が4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル当量、テレフタレート単位がテレフタレート単位およびイソフタレート単位の合計に対して65モル当量からなる融点314℃、溶融粘度25Pa・s(324℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A1)を得た。
[参考例2]
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル168重量部、テレフタル酸150重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート173重量部および無水酢酸1011重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250から335℃まで1.5時間で昇温させた後、335℃、1.5時間で6.5×10−3Paまで減圧し、さらに約0.25時間撹拌を続け重縮合を行った。芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位10モル当量、エチレンジオキシ単位10モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点328℃、溶融粘度18Pa・s(338℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A2)を得た。
[参考例3]
特開昭54−77691号公報に従って、p−アセトキシ安息香酸921重量部と6−アセトキシ−ナフトエ酸435重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重縮合を行った。p−アセトキシ安息香酸から生成した構造単位57モル当量および6−アセトキシ−ナフトエ酸から生成した構造単位22モル当量からなる融点283℃溶融粘度30Pa・s(293℃,オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A3)を得た。
[実施例1〜5,比較例1〜5]
シリンダー設定温度を液晶性樹脂の融点+10℃、スクリュウ回転数を250rpmに設定した、44mm直径の中間添加口を有する2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて、参考例1〜3で得た(A)液晶性樹脂100重量部に対し、(B)タルクおよび(C)繊維状充填材を表1に示す割合で原料供給口から添加して、吐出量30kg/時間で溶融混練してペレットを得た。このペレットを用いて下記の各特性を評価した。その結果を表1に示す。
なお、(B)タルク、(C)繊維状充填剤としては、それぞれ下記のものを使用した。
B1:タルク(イミファビ社製HTP−ultra5C 体積平均径0.5μm)
B2:タルク(富士タルク社製LMS−200 体積平均径5.0μm)
B3:タルク(富士タルク社製NK−64 体積平均径23μm)
C1:ホウ酸アルミニウムウィスカー(四国化成工業社製YS3A) 体積平均径5.3μm)
C2:ウォラストナイト(NYCO社製NYAD5000 体積平均径2.4μm)
なお、各充填材の平均粒子径および平均繊維長については、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製LA−920)により測定したものである。
[特性の測定法]
(1)機械特性
・引張強さ:ASTM D638にしたがい測定した。引張強さが80MPa以上のものを「良好」(○)、それ以下のものを「劣る」(×)とした。
(2)成形加工性
・計量時間:住友重機械社製SE−30D成形機を用いて、成形温度は液晶性樹脂の融点+20℃、金型温度は130℃の条件で連続成形(射出時間/冷却時間=2.0/10.0秒、スクリュウ回転数100rpm、背圧1MPa、サックバック5mm)を行い、図1に示した、中空円筒状成形品(外径25.6mm,内径20.0mm,高さ30mm)を成形した。その際の51ショット目から100ショット目までの計量時間の平均を測定した。計量時間の小さいものほど、成形加工性は良く、計量時間が10秒以下のものを「良好」(○)、それ以上のものを「劣る」(×)とした。
(3)摺動性
・摩擦係数:図1に示した中空円筒状成形品を鈴木式磨耗試験機(ORIENTEC社製FRICTION AND WEAR TESTER MODEL EFM−III−EN)にて、初期(5分後)および経時(60分)後の摩擦係数を測定した(測定条件は、P=4.0kg,V=50cm/分)。相手側は、金属板(材質は、S45Cで、縦30mm,横30mm,厚み3mm)を用いた。一般的に摺動性が劣る場合は、摺動により樹脂が削られ、摩擦係数が大きくなる傾向にある。そこで、摩擦係数の増加量を初期の摩擦係数で除したものを摩擦係数変動率として求めると、この変動率が小さいものほど摺動性は良く、変動率が25%以下のものを「良好」(○)、それ以上のものを「劣る」(×)とした。
(4)表面外観
図1に示した中空円筒状成形品の表面をSEM写真(写真1〜4)にとり、表面外観を比較した。実施例で示した試験片の表面状態は、比較例で示した試験片の表面状態と比較して、表面の凹凸が少なく、非常に滑らかな面を示していることが明確にわかる。これらの結果を表1に示した。
Figure 0005087958
以上の結果から、本発明の液晶性樹脂組成物は、比較例の樹脂組成物と比較して、機械強度、成形加工性、摺動性に優れ、かつ成形品の表面外観が非常に綺麗な組成物であることがわかる。
本発明の液晶性樹脂組成物からなる成形品は、機械強度、成形加工性、摺動性に優れ、かつ成形品の表面外観が非常に綺麗であるため、製品同士が動的に接触する部品に好適に使用することができる。
実施例における中空円筒状成形品の概略図である。 実施例1で得られた中空円筒状成形品の外観を示すSEM写真である。 比較例1で得られた中空円筒状成形品の外観を示すSEM写真である。 比較例2で得られた中空円筒状成形品の外観を示すSEM写真である。 比較例3で得られた中空円筒状成形品の外観を示すSEM写真である。
符号の説明
G1,G2 成形時のゲート位置
a 摺動面およびSEM写真観察面

Claims (4)

  1. (A)液晶性樹脂100重量部に対して、(B)体積平均粒子径0.01〜1.0μmのタルク5〜200重量部を含有してなることを特徴とする液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品であって、該成形品の摩擦係数変動率が25%以下である、二つ以上の部品が動的に接触する成形品。
  2. 請求項1において、液晶性樹脂組成物がさらに(C)繊維状充填材を含有してなることを特徴とする成形品。
  3. 前記繊維状充填剤が、針状ホウ酸アルミニウムウィスカーおよびウォラストナイトから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載の成形品。
  4. スライドスイッチ、オートフォーカスカメラレンズまたはボリュームコントローラーの部品である請求項1〜3のいずれか記載の成形品。
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