JPH0586266A - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物

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JPH0586266A
JPH0586266A JP5385392A JP5385392A JPH0586266A JP H0586266 A JPH0586266 A JP H0586266A JP 5385392 A JP5385392 A JP 5385392A JP 5385392 A JP5385392 A JP 5385392A JP H0586266 A JPH0586266 A JP H0586266A
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liquid crystal
crystal polyester
acid
polyester resin
composition
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JP5385392A
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Inventor
Fumio Akiyama
文男 秋山
Akihiko Watanabe
昭彦 渡邊
Toru Yamanaka
亨 山中
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、流動性および機械物性に優れた液晶
ポリエステル樹脂組成物を得ようとするものである。 【構成】(A)異方性溶融相を形成する液晶ポリエステ
ル樹脂1〜99重量%と (B)ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレ
ンオキシド、ポリアリーレンサルファイドから選ばれた
1種以上の熱可塑性樹脂99〜1重量%からなる樹脂組
成物100重量部に対して、 (C)分子内に2つ以上のグリシジルエステル基を持た
ないエポキシ化合物0.01〜20重量部を添加してな
る液晶ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気・電子機器部品、自
動車部品、機械部品などとして有用な機械物性および成
形性に優れた液晶ポリエステルと熱可塑性樹脂およびエ
ポキシ化合物からなる新規な組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマー
が数多く開発されているが、中でも分子鎖の平行な配列
を特徴とする光学異方性の液晶ポリマーが優れた流動性
と機械物性を有する点で注目されている。しかしなが
ら、分子鎖配向方向と垂直な方向では成形収縮率や機械
物性が異なり、さらに価格が高いなどの理由で用途が制
限されているのが現状である。
【0003】一方、多くの熱可塑性ポリマーは液晶ポリ
マーと比較して、機械物性および成形時の流動性に劣
り、耐熱性も必ずしも十分でないことが知られている。
【0004】そこで、両者のもつ欠点を解決するため
に、液晶ポリエステルと熱可塑性樹脂のブレンドが注目
されている(たとえば、特開昭57−25354号広
報)。しかしながら、両ポリマーを単純にブレンドして
も相溶性が十分でないことから大きな物性向上が見られ
ず、また成形品外観も十分であるとはいえない。また、
ブレンド物の流動性は、ある程度改善されるものの十分
なものとはいえないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題を
解決し、流動性および機械特性に優れた液晶ポリエステ
ル樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ化合物を添加す
ると、機械物性が向上し、また溶融粘度は(A)液晶ポ
リエステルおよび(B)熱可塑性樹脂のみからなる場合
と同等またはそれより低下し流動性が大きく改善される
ことがわかり、本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は (A)異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル樹脂1
〜99重量%と (B)ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレ
ンオキシド、ポリアリーレンサルファイドから選ばれた
1種以上の熱可塑性樹脂99〜1重量%からなる樹脂組
成物100重量部に対して、 (C)分子内に2つ以上のグリシジルエステル基を持た
ないエポキシ化合物0.01〜20重量部を添加してな
る液晶ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
【0008】以下、具体的に本発明に用いる化合物につ
いて詳述する。
【0009】本発明で用いる液晶ポリエステル(A)と
は、異方性溶融相を形成するポリエステルであり、p−
ヒドロキシ安息香酸/ポリエチレンテレフタレート系液
晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸系液晶ポリエステル、p−ヒドロ
キシ安息香酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/テ
レフタル酸/イソフタル酸系液晶ポリエステル等が挙げ
られるが、中でも下記構造単位(I)、(II)、(IV)
または(I)、(II)、(III) 、(IV)からなる液晶ポ
リエステルが好ましい。
【0010】
【化4】 (ただし式中R1
【化5】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2
【化6】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
原子または塩素原子を示し、構造単位[(II)+(III)
]と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)上記
構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した
ポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’、5,5’−
テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハ
イドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ
化合物から生成した構造単位を、構造単位(III) はエチ
レングリコールから生成した構造単位を、構造単位(I
V)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェ
ニルカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカル
ボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン
−4,4’−ジカルボン酸および4、4’−ジフェニル
エーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸
から生成した構造単位を各々示す。これらのうち特に構
造単位(III) を含む場合は、R1
【化7】 であるものが構造単位(II)の70モル%以上を、R2
【化8】 であるものが構造単位(IV)の70モル%以上を占める
ものが特に好ましい。
【0011】上記構造単位(I)、(II)、(III) およ
び(IV)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点
から次の共重合量であることが好ましい。すなわち、上
記構造単位(III) を含む場合は、耐熱性および機械特性
の点から上記構造単位[(I)+(II)]は[(I)+
(II)+(III) ]の60から95モル%が好ましく、8
2〜92モル%がより好ましい。また、構造単位(III)
は[(I)+(II)+(III) ]の40〜5モル%が好ま
しく、18〜8モル%がより好ましい。また、構造単位
(I)/(II)のモル比は流動性と機械物性のバランス
の点から好ましくは75/25〜95/5であり、より
好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単
位(IV)は構造単位[(II)+(III) ]と実質的に等モ
ルである。
【0012】一方、上記構造単位(III) を含まない場合
は、流動性の点から上記構造単位(I)は[(I)+
(II)]の40〜90モル%であることが好ましく、6
0〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位
(IV)は構造単位(II)と実質的に等モルである。
【0013】なお、上記好ましい液晶ポリエステルを縮
重合する際には、上記構造単位(I)〜(IV)を構成す
る成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,
2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロロハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン
等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒド
ロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの
芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノー
ル、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわな
い程度の量を共重合してもよい。
【0014】本発明における(A)液晶ポリエステルの
製造方法は特に制限がなく、公知のポリエステルの縮重
合法に準じて製造できる。例えば、好ましく用いること
ができる液晶ポリエステルのうち、上記構造単位(III)
を含まない場合は(1)〜(4)、構造単位(III) を含
む場合は(5)の製造法が好ましい。
【0015】(1)p−アセトキシ安息香酸および4,
4’−ジアセトキシビフェニル、パラアセトキシベンゼ
ンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテ
レフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合
反応によって製造する方法。
【0016】(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの
芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水
酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造
する方法。
【0017】(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニル
エステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とテレフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステル
から脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0018】(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレ
フタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニ
ルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエス
テルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、
脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0019】(5)ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン
酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在化で
(1)または(2)の方法により製造する方法。
【0020】重縮合反応に使用する触媒としては、酢酸
第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウム、三酸
化アンチモン、酢酸ナトリウムなどの金属化合物および
マグネシウムなどが代表的であり、特に脱フェノール重
縮合の際に有効である。
【0021】本発明に使用する(A)液晶ポリエステル
は、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定する
ことが可能なものであり、その際には0.1g/dlの
濃度で60℃で測定した値が0.5以上であることが好
ましく、特に上記構造単位(III) を含む場合は、1.0
〜3.0dl/gが好ましい。
【0022】また、本発明に使用する(A)液晶ポリエ
ステルの溶融粘度は10から20,000ポイズが好ま
しく、特に20〜10,000ポイズがより好ましい。
なお、この溶融粘度は上記構造単位(III) を含む場合に
は融点(Tm)+10℃の条件で、上記構造単位(III)
を含まない場合には液晶開始温度+40℃で、いずれも
せん断速度1,000/秒の条件下で高圧式毛管粘度計
により測定した値である。
【0023】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分
の昇温条件で測定した際に観察される吸熱ピーク温度
(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保
持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し
た後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観察さ
れる吸熱ピーク温度(Tm2)を指す。また、液晶開始
温度は、偏光顕微鏡の試料台に乗せて、昇温加熱し、せ
ん断応力下で乳白光を発する温度である。
【0024】本発明で用いる(B)熱可塑性樹脂とは、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレンオキ
シド、ポリアリーレンサルファイドから選ばれた1種以
上のものを示す。好ましい具体例としては下記のものが
挙げられる。
【0025】熱可塑性ポリエステルとしては、熱可塑性
であり、かつ芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエ
ステルで、芳香族ジカルボン酸(あるいはそのエステル
形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成
性誘導体)を主成分とする縮合反応により得られる重合
体ないしは共重合体である。ここでいうジカルボン酸と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p
−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボ
ン酸、4,4’−ビフェニルカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(p−カ
ルボキシフェノキシ)エタン、あるいはそのエステル形
成性誘導体などが挙げられる。なお、30モル%以下で
あればアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカ
ンジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸などの脂環族カルボン酸で置換し
てもよい。また、ジオール成分としては炭素数2〜10
までの脂肪族ジオールすなわちエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5−ペ
ンタングリコール、デカメチレングリコール、3−メチ
ル−1,3−プロペンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオ
ールなどが挙げられるが、これらに限定されるわけでは
ない。好ましいポリエステルの具体例としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4’−ジカルボキシレート、ポリエチレン−2,6
−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチ
レンテレフタレートなどおよびポリエチレンテレフタレ
ート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/
イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/セバケ
ート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキ
シレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテ
レフタレート/イソフタレートなどの共重合ポリエステ
ルが挙げられる。これらのなかで特に好ましいポリエス
テルとしてはポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、およびポリ−1,4−シクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレートが挙げられる。中でもポリ
ブチレンテレフタレートが最も好ましい。
【0026】本発明の組成物に用いるポリブチレンテレ
フタレートの対数粘度は0.9〜1.3であることが好
ましく、さらに好ましくは0.92〜1.25である。
なお、ポリブチレンテレフタレートの対数粘度は、25
℃で0.5%オルトクロロフェノール溶液を用いて求め
た相対粘度の対数を濃度で割って求めた。
【0027】ポリカーボネートとしては、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)、ビス(3,5−ジアルキル−4−
ヒドロキシフェニル)またはビス(3,5−ジハロ−4
−ヒドロキシフェニル)置換を有する炭化水素誘導体を
ベースとするポリカーボネートが好ましく、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノー
ルA)をベースとするポリカーボネートが特に好まし
い。
【0028】ポリアリーレンオキシドとしては、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、
2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチル
フェノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/
2,3,6−トリエチルフェノール共重合体などが挙げ
られる。ポリアリーレンオキシドには、ポリスチレン、
耐衝撃ポリスチレンなどのスチレン系樹脂を添加するこ
とができる。
【0029】ポリアリーレンスルフィドは、芳香環と硫
黄が結合したものである。好ましいポリアリーレンスル
フィドとしてはポリパラフェニレンスルフィドが挙げら
れ、これは部分的に分岐していても良い。
【0030】本発明に用いるエポキシ化合物(C)とは
エポキシ基を1つ以上有する化合物であり必ずしも限定
されるものではないが、ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、オルトフェニルフェノールグリシジルエーテ
ルなど、フェノール類とエピクロルヒドリンから合成さ
れるグリシジルエーテル類、p−ヒドロキシ安息香酸の
グリシジルエステル・エーテルなどのヒドロキシカルボ
ン酸とエピクロルヒドリンからなるグリシジルエステル
・エーテル類、N−グリシジルフタルイミドなどのエポ
キシ化イミド化合物、エポキシ化ポリブタジエンおよび
メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基を有する不飽
和単量体とエチレンなどの他の不飽和単量体からなるエ
ポキシ基含有共重合体あるいは、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランなど、通常シランカップリング
剤として用いられるエポキシシラン類などが挙げられ
る。これらのエポキシ化合物は、一種だけでなく二種以
上を併用してもよい。
【0031】上記エポキシ化合物のうち好ましい具体例
としては、以下に示すビスフェノールA型ジエポキシ化
合物およびポリエチレングリコール型ジエポキシ化合物
が好ましい。また、分子量は比較的大きいエポキシ化合
物が好ましい。
【0032】
【化9】 本発明組成物における(C)エポキシ化合物の量は、
(A)液晶ポリエステルと(B)熱可塑性ポリエステル
からなる樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜
20重量部であるが、好ましくは0.1〜10重量部の
範囲である。0.01重量部未満の場合、両ポリエステ
ル間の界面での結合力が弱く機械物性の改良は著しく小
さく、逆に20重量部を越えた場合には、熱可塑性樹脂
組成物の機械物性および流動性が大きく低下し、いずれ
も好ましくない。
【0033】本発明における樹脂組成物では、(A)液
晶ポリエステルと(B)熱可塑性樹脂のみからなる組成
物よりも溶融粘度は低下する。このブレンド物の溶融粘
度は、(A)と(B)のみからなる組成物の100〜3
0%であるが、好ましくは95〜35%、より好ましく
は90〜40%である。100%を越えるとエポキシ化
合物の添加により組成物は増粘したことを意味し、流動
性の改良はなく、成形性がより悪くなるため好ましくな
い。なお、溶融粘度の測定はある一定温度(量の多い成
分が溶融する温度)で高圧式毛管粘度計により測定する
ことができる。この場合のせん断速度は、10〜100
0(1/秒)であることが好ましい。
【0034】なお、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成
物を製造するにあたり、従来から公知のポリエステルの
重合触媒、耐熱剤、耐候剤、帯電防止剤、染料、着色
剤、結晶核剤、難燃剤などの添加剤や、タルク、クレ
ー、雲母、メタケイ酸カルシウム、ケイ砂、ガラスビー
ズ、ガラスフレーク、チタン酸カリウイスカー、石コウ
繊維などの無機充填剤、ガラス繊維、アスベスト繊維、
炭素繊維などの補強剤、ポリエステルおよびポリアミド
以外の熱可塑性ポリマーなどを添加することも可能であ
る。
【0035】液晶ポリエステル、熱可塑性樹脂およびエ
ポキシ化合物を混合する方法としては各種の方法が適用
可能である。溶融混合する装置としては混合ロール、バ
ンバリーミキサー、ニーダー、押出機などが挙げられる
が、なかでも押出機が好ましい。押出機としては単軸、
または二軸以上のスクリューを有するものいずれも使用
可能であるが、特に二軸押出機を使用するのが好まし
い。
【0036】本発明の樹脂組成物から成形品を得る場
合、射出成形、押出成形、ブロー成形などの通常の方法
が適用可能であり、得られた成形品は良好な性能を発揮
する。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、これらの例は本発明の適応範囲を限定するも
のではない。なお、実施例中の部は重量部を表す。
【0038】
【参考例1】p−ヒドロキシ安息香酸870重量部、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル168重量部、無水
酢酸914重量部、テレフタル酸150重量部および固
有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレー
ト259重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕
込み、次の反応条件で脱酢酸重縮合を行なった。
【0039】まず、窒素ガス雰囲気化に100〜250
℃で1.5時間反応させた後、290℃、2時間で0.
5mmHgに減圧し、さらに1.0時間反応させ、重縮
合を完結させたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下
記の理論構造式を有する液晶ポリエステルを得た。
【0040】
【化10】 k/l/m/n=70/10/20/30 このポリエステルの融点は267℃、対数粘度(0.1
g/dlの濃度でペンタフルオロフェノール中、60℃
で測定)は1.62dl/gであり、270℃、せん断
速度1000/秒での溶融粘度は710ポイズであっ
た。
【0041】
【参考例2】p−ヒドロキシ安息香酸932重量部、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル210重量部、2,
6−ジアセトキシナフタレン274重量部、テレフタル
酸374重量部および無水酢酸1010重量部を攪拌
翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次の条件で脱酢
酸重縮合を行なった。
【0042】まず、窒素ガス雰囲気下に100〜250
℃で5時間、250〜330℃で1.5時間反応させた
後、310℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し、
さらに1.0時間反応させ、重縮合を完結させたとこ
ろ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を有
する液晶ポリエステルを得た。
【0043】
【化11】 k/l/m/n=75/12.5/12.5/25この
ポリエステルの融点は282℃、対数粘度(0.1g/
dlの濃度でペンタフルオロフェノール中、60℃で測
定)は4.88dl/gであり、300℃、せん断速度
1000/秒での溶融粘度は910ポイズであった。
【0044】実施例1〜9、比較例1〜4 (A)液晶ポリエステルA−1またはA−2、(B)ポ
リブチレンテレフタレート(PBT、対数粘度1.02
dl/g)および下記(C)エポキシ化合物をそれぞれ
所定量秤取し、ドライブレンドした。270〜320℃
に設定した30mmφ二軸押出機で溶融押出し、水冷後
ペレット化した。液晶ポリエステルA−1のブレンド物
については270℃で、液晶ポリエステル(B)のブレ
ンド物については300℃で高圧式毛管粘度計により溶
融粘度を測定した。溶融粘度値は、せん断速度1000
/秒の時の値を示す。また、この乾燥ペレットを用いて
シリンダー温度270〜320℃、金型温度120℃に
設定した射出成形機で、1/8”厚×1/2”幅×5”
長のテストピースおよび1/8”厚のASTM No.
1ダンベルを成形した。曲げ強度は1/8”厚×1/
2”幅×5”長のテストピースを用い、東洋ボールドウ
ィン社製テンシロンUTM−200でひずみ速度1mm
/分、スパン間距離50mmの条件で測定を行なった。
さらに、ASTMD638に従ってASTM No.1
ダンベルの引張強度の測定を行なった。これらの試験結
果を表1に示す。
【0045】使用したエポキシ化合物
【化12】
【表1】 上記表1の結果より、相溶化剤としてエポキシ化合物を
用いると、(A)と(B)のみからなる組成物の場合よ
りも溶融粘度が低下し、引張強度および曲げ強度ともに
改善されることがわかる。
【0046】実施例10〜13、比較例5〜8 (A)液晶ポリエステルA−1 70部、表2記載の
(B)熱可塑性樹脂30部および(C)エポキシ化合物
(2,2−ビス(p−(β,γ−エポキシプロポキシ)
フェニル)プロパン2部それぞれ所定量秤取し、ドライ
ブレンドした。270〜320℃に設定した30mmφ
二軸押出機で溶融押出し、水冷後ペレット化した。ペレ
ットを乾燥させ、300℃で高圧式毛管粘度計による溶
融粘度測定を行ない、さらに上記と同様に成形試験片を
用いて引張強度と曲げ強度を測定した。
【0047】
【表2】 上記表2の結果より、相溶化剤としてエポキシ化合物を
用いると、(A)と(B)のみからなる組成物の場合よ
りも溶融粘度が低下し、引張強度および曲げ強度ともに
改善されることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明による液晶ポリエステル樹脂組成
物から得られる成形品は、耐熱性、機械物性、および成
形性に優れており、電気および電子機器部品、自動車部
品などの用途において幅広く使用することが可能であ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】ポリアリーレンスルフィドは、芳香環と硫
黄が結合したものである。好ましいポリアリーレンスル
フィドとしてはポリパラフェニレンスルフィドが挙げら
れ、これは部分的に分岐していても良い。(A)液晶ポリエステルと(B)熱可塑性樹脂のブレン
ド組成は、1〜99/99〜1であるが、より好ましく
は5〜50/95〜50である。さらに好ましくは5〜
40/95〜60である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】使用したエポキシ化合物
【化12】
【表1】 上記表1の結果より、相溶化剤としてエポキシ化合物を
用いると、(A)と(B)のみからなる組成物の場合よ
りも溶融粘度が低下し、引張強度および曲げ強度ともに
改善されることがわかる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】実施例10〜13、比較例5〜8 (A)液晶ポリエステルA−1 30部、表2記載の
(B)熱可塑性樹脂70部および(C)エポキシ化合物
(2,2−ビス(p−(β,γ−エポキシプロポキシ)
フェニル)プロパン2部それぞれ所定量秤取し、ドライ
ブレンドした。270〜320℃に設定した30mmφ
二軸押出機で溶融押出し、水冷後ペレット化した。ペレ
ットを乾燥させ、300℃で高圧式毛管粘度計による溶
融粘度測定を行ない、さらに上記と同様に成形試験片を
用いて引張強度と曲げ強度を測定した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】
【表2】 上記表2の結果より、相溶化剤としてエポキシ化合物を
用いると、(A)と(B)のみからなる組成物の場合よ
りも溶融粘度が低下し、引張強度および曲げ強度ともに
改善されることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 81/02 LRG 7167−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)異方性溶融相を形成する液晶ポリエ
    ステル樹脂1〜99重量%と (B)ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリーレ
    ンオキシド、ポリアリーレンサルファイドから選ばれた
    1種以上の熱可塑性樹脂99〜1重量%からなる樹脂組
    成物100重量部に対して、 (C)分子内に2つ以上のグリシジルエステル基を持た
    ないエポキシ化合物0.01〜20重量部を添加してな
    る液晶ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)〜(C)からなる組成物の溶融粘度
    が(A)と(B)のみからなる組成物の100〜30%
    となる液晶ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】下記構造単位(I)、(II)、(IV)また
    は(I)、(II)、(III) 、(IV)からなる異方性溶融
    相を形成する液晶ポリエステル樹脂を液晶ポリエステル
    樹脂として含有する請求項1記載の液晶ポリエステル樹
    脂組成物。 【化1】 (ただし、式中R1 は 【化2】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は 【化3】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位[(II)+(III)
    ]と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
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US9394430B2 (en) 2012-04-13 2016-07-19 Ticona Llc Continuous fiber reinforced polyarylene sulfide

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