JP3118842B2 - 液晶ポリマ樹脂組成物 - Google Patents

液晶ポリマ樹脂組成物

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JP3118842B2 JP03007406A JP740691A JP3118842B2 JP 3118842 B2 JP3118842 B2 JP 3118842B2 JP 03007406 A JP03007406 A JP 03007406A JP 740691 A JP740691 A JP 740691A JP 3118842 B2 JP3118842 B2 JP 3118842B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた耐熱性、成形性お
よび機械的特性を有し、とりわけ耐摩耗特性、耐ヒート
エージング性および耐加水分解性に優れた成形品を与え
得る液晶ポリマ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが
数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖
の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優
れた流動性と機械的性質を有する点で注目されている。
これら異方性溶融相を形成するポリマとしては、例えば
p−ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフタレート
を共重合した液晶ポリエステル(特開昭49−7239
3号公報)、p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸を共重合した液晶ポリエステル(特開
昭54−77691号公報)、また、p−ヒドロキシ安
息香酸に4,4´−ジヒドロキシビフェニルとテレフタ
ル酸、イソフタル酸を共重合した液晶ポリエステル(特
公昭57−24407号公報)などが知られている。
【0003】しかしながらこれらの液晶ポリマは、機械
的異方性が大きく、流動方向に直角の方向の機械的強度
が低いことが知られており、例えばガラス繊維などの強
化剤や充填剤を添加することにより異方性が小さくなる
ことも知られている(ラバーダイジェスト27巻,8
号,7〜14頁、1975)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
異方性減少に有効な充填剤として知られているものを液
晶ポリマに充填せしめた樹脂組成物は、多くの場合、衝
撃強度の低下や外観の劣化をきたし、耐摩耗性も必ずし
も十分ではないことがわかった。さらに、充填剤と液晶
ポリマの界面の親和性が必ずしも十分でないために、例
えば特開昭49−72393号公報に開示されているよ
うなエチレンジオキシ単位を含む液晶ポリマの場合に
は、耐ヒートエージング性や、耐加水分解性が不良であ
るという問題があることが分かった。
【0005】よって本発明は、上述の問題を解消し、耐
熱性、成形性および機械的特性を有し、とりわけ耐摩耗
特性、耐ヒートエージング性および耐加水分解性に優れ
た成形品を与え得る液晶ポリマ樹脂組成物を得ることを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、(A)異方性溶融相
を形成する液晶ポリエステルおよび/または液晶ポリエ
ステルアミド100重量部に対して、(B)平均繊維径
(D)が3〜10μm、平均繊維長(L)が20〜65
0μmであり、かつ、アスペクト比(L/D)が2〜2
00であるロックウール繊維2〜200重量部を配合し
てなる液晶ポリマ樹脂組成物および、前記(A)の液晶
ポリエステルが下記(I)、(II)、(IV)または
(I)、(II)、(III)、(IV)の構造単位からなる
液晶ポリエステルである前記の液晶ポリマ樹脂組成物を
提供するものである。
【0008】
【化4】
【0009】(ただし式中の 1
【0010】
【化5】
【0011】から選ばれた一種以上の基を示し、 2
【0012】
【化6】
【0013】から選ばれた一種以上の基を示す。また、
式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(II)
および(III) の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルで
ある。)本発明においては、液晶ポリエステルおよび/
または液晶ポリエステルアミドに対し、ロックウール繊
維を配合することが重要であり、これにより、耐摩耗特
性、耐ヒートエージング性および耐加水分解性などに優
れた樹脂組成物が得られるのである。
【0014】本発明でいう液晶ポリエステルとは、異方
性溶融相を形成するポリエステルであり、芳香族オキシ
カルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボ
ニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造
単位からなるポリエステルであり、液晶ポリエステルア
ミドとは、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単
位、芳香族ジイミノ単位、ジイミノ単位などから選ばれ
た構造単位からなる異方性溶融相を形成するポリエステ
ルアミドである。
【0015】液晶ポリエステルの好ましい例としては、
好ましくは上記の(I) 、(II)、(IV)または(I) 、(II)、
(III) 、(IV)の構造単位からなるポリエステルである。
【0016】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単
位(II)は4,4´−ジヒドロキシビフェニル、3,3
´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシ
ビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノ
ン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナ
フタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4
´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた芳香
族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単
位(III )はエチレングリコールから生成した構造単位
を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、
4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸およびジフ
ェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族ジカル
ボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうち
1
【0017】
【化7】
【0018】であり、 2
【0019】
【化8】
【0020】であるものが特に好ましい。
【0021】また、液晶ポリエステルアミドポリマとし
ては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、p−アミノフ
ェノールとテレフタル酸から生成した液晶ポリエステル
アミド(特開昭57−172921号公報)、p−ヒド
ロキシ安息香酸、4,4´−ジヒドロキシビフェニルと
テレフタル酸、p−アミノ安息香酸およびポリエチレン
テレフタレートから生成した液晶ポリエステルアミド
(特開昭64−33123号公報)などが挙げられる。
【0022】本発明に好ましく使用できる液晶ポリエス
テルは上記構造単位(I) 、(II)、(IV)または(I) 、(I
I)、(III) 、(IV)からなる共重合体であり、上記構造単
位(I) 、(II)、(III) および(IV)の共重合量は任意であ
る。しかし、流動性の点から次の共重合量であることが
好ましい。
【0023】すなわち、上記構造単位(III) を含む場合
は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から上記構造
位(I)および(II)の合計構造単位(I)、(II)および(I
II)の合計に対して60〜95モル%が好ましく、82
〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(III) は
構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して40〜5
モル%が好ましく、18〜7モル%がより好ましい。
【0024】また、構造単位(I)と(II)のモル比[(I) /
(II)]は耐熱性と流動性のバランスの点から好ましくは
75/25〜95/5であり、より好ましくは78/2
2〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(I
I)および(III) の合計と実質的に等モルである。
【0025】一方、上記構造単位(III) を含まない場合
は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および
(II)の合計の40〜90モル%であることが好ましく、
60〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位
(IV)は構造単位(II)と実質的に等モルである。
【0026】なお、本発明で好ましく使用できる上記液
晶ポリエステルを重縮合する際には上記構造単位(I) 〜
(IV)を構成する成分以外に3,3´−ジフェニルジカル
ボン酸、2,2´−ジフェニルジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロ
ルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4´−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4´−ジヒドロ
キシジフェニルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールお
よびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフ
トエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−ア
ミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の目
的を損なわない程度の少割合の範囲でさらに共重合せし
めることができる。
【0027】本発明において好ましく使用できる上記液
晶ポリエステルおよび/または液晶ポリエステルアミド
の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルま
たはポリエステルアミドの重縮合法に準じて製造でき
る。
【0028】例えば、上記好ましく用いられる液晶ポリ
エステルの製造において、上記構造単位(III) を含まな
い場合は(1)および(2)、構造単位(III) を含む場
合は(3)の製造方法が好ましく挙げられる。
【0029】(1)p−アセトキシ安息香酸および4,
4´−ジアセトキシビフェニル、パラジアセトキシベン
ゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と
テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮
合反応によって製造する方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4´−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸
に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル
化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0030】(3)ポリエチレンテレフタレ―トなどの
ポリエステルポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロ
キシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸の
ビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で
(1)または(2)の方法により製造する方法。
【0031】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウ
ムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグ
ネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいとき
もある。
【0032】本発明における液晶ポリエステルおよび/
または液晶ポリエステルアミドは、ペンタフルオロフェ
ノール中で対数粘度を測定することが可能なものもあ
り、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定し
た値で0.5dl/g以上が好ましく、特に上記構造単
位(III) を含む場合は1.0〜3.0dl/gが好まし
く、上記構造単位(III) を含まない場合は2.0〜1
0.0dl/gが好ましい。
【0033】また、本発明における液晶ポリエステルお
よび/または液晶ポリエステルアミドの溶融粘度は10
〜20,000ポイズが好ましく、特に20〜10,0
00ポイズがより好ましい。
【0034】なお、この溶融粘度は上記構造単位(III)
を含む場合には融点(Tm)+10℃の条件で、上記構
造単位(III) を含まない場合には液晶開始温度+40℃
で、いずれもずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0035】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
m1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0036】また、液晶開始温度は偏光顕微鏡の試料台
にのせて、昇温加熱し、ずり応力下で乳白光を発する温
度である。
【0037】本発明必須成分として使用するロックウー
ル繊維(B)とは、SiO2 30〜50重量%、Al2
3 5〜20重量%、CaO 20〜45重量%その他
MgO、MnOなどの金属酸化物を含有した鉱物繊維で
ある。本発明でいうロックウール繊維とは、玄武岩、安
山岩、輝緑岩などの自然石から製造される狭義のロック
ウールまたは岩綿と呼ばれるもの、あるいは、製鉄の際
に生ずる高炉スラグから製造されるスラグウールと呼ば
れるものである。
【0038】ロックウール繊維の製造方法は特に限定さ
れるものではないが、通常、玄武岩、安山岩、輝緑岩な
どの自然石や、製鉄の際に生ずる高炉スラグを溶融炉で
溶融し、流出させ遠心力などで吹き飛ばして繊維化し、
得られた繊維を場合によってはさらに粉砕などの方法で
調製するなどの方法で製造される。
【0039】本発明で使用するロックウール繊維として
は上記のうち自然石から製造される狭義のロックウール
が好ましい。
【0040】本発明に使用するロックウール繊維の平均
繊維径(D)は3〜10μm、平均繊維長(L)は2
〜650μm、好ましくは40〜300μmである。ま
た、アスペクト比(L/D)は2〜200のものが好ま
しく、4〜100のものがより好ましい。
【0041】アスペクト比が2未満では本発明の効果が
顕著ではなく、アスペクト比が200を越えると、成形
時の流動性が不良となったり、成形品の外観が損なわれ
るため好ましくない。
【0042】上記ロックウール繊維(B)の添加量は、
液晶ポリエステルおよび/または液晶ポリエステルアミ
ド(A)100重量部に対して2〜200重量部、好ま
しくは5〜100重量部である。添加量が2重量部未満
では耐摩耗性の改良効果が期待できず、200重量部を
越えると、成形品外観が損なわれるばかりか、衝撃強度
が低下するためいずれの場合も好ましくない。
【0043】なお、本発明に使用する上記ロックウール
繊維はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラ
ン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤)な
どで処理して用いることもできる。
【0044】なお、本発明の組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲で他の強化剤、充填剤を併用すること
もできる。他の充填剤、強化剤の例としては、ガラス繊
維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチー
ル繊維、セラミック繊維、ボロンウィスカー繊維、マイ
カ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、
ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワ
ラステナイト、酸化チタン等の繊維状、粉状、粒状ある
いは板状の無機フィラーが挙げられる。又、これらの充
填剤、強化剤についてもシラン系、チタネート系などの
カップリング剤、その他の表面処理剤で処理されたもの
を用いてもよい。
【0045】また、本発明の液晶ポリマ樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止
剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒ
ドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体な
ど)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシ
レート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、
滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエス
テル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ス
テアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料
(たとえばニグロシンなど)および顔料(たとえば硫化
カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなど)
を含む着色剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤
などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、所
定の特性を付与することができる。
【0046】本発明の液晶ポリマ樹脂組成物は溶融混練
により製造することが好ましく、溶融混練には公知の方
法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサ
ー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機
などを用い、200〜400℃の温度で溶融混練して組
成物とすることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0048】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレ
ンテレフタレ―ト216重量部を撹拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行っ
た。
【0049】まず、窒素ガス雰囲気下に100〜250
℃で5時間、250〜300℃で1.5時間反応させた
後、315℃、1時間で0.5mmHgに減圧し、さらに
2.25時間反応させ、重縮合を完結させたところ、ほ
ぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を有する樹
脂(a)を得た。
【0050】
【化4】
【0051】 k/l/m/n=80/7.5/12.5/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温して、光学異方性の確認を行なった結果、液晶開始
温度は293℃であり、良好な光学異方性を示した。ま
た、融点(Tm)は314℃であった。このポリエステ
ルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフルオロ
フェノール中、60℃で測定)は1.98dl/gであ
り、324℃、ずり速度1000/秒での溶融粘度は7
80ポイズであった。
【0052】参考例2 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル222重量部、2,6−ジアセトキ
シナフタレン147重量部、無水酢酸1078重量部お
よびテレフタル酸299重量部を撹拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に100〜25
0℃で5時間、250〜330℃で2.5時間反応させ
た後、330℃、1.5時間で1.0mmHgに減圧し、さ
らに0.75時間反応させ、重縮合を完結させたとこ
ろ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記構造式を有する樹
脂(b)を得た。
【0053】
【化5】
【0054】 K/l/m/n=80/13.3/6.7/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温して光学異方性の確認を行なったところ、液晶開始
温度は296℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリエステルの対数粘度(参考例1と同一の条件で測
定)は5.8であった。また、336℃、ずり速度10
00/秒での溶融粘度は920ポイズであった。
【0055】実施例1〜4、比較例1〜 参考例1、2で得た液晶ポリマ、表1に示したD、Lお
よびL/Dを有するロックウール繊維および充填剤を、
それぞれ表1に示した割合でドライブレンドした後、3
0mmφの2軸押出機を用いて310〜330℃で溶融
混練してペレットとした。なお、実施例におけるロック
ウール繊維としては、ロックウールラピナス社製の“ラ
ピナス”ロックフィルを使用した。また、比較例におけ
るガラス繊維としては、日本電気硝子社製のEガラス繊
維を、チタン酸カリウムウィスカとしては、大塚化学社
製の“ティスモ”を、マイカとしては、山口雲母工業所
社製のマイカパウダーを、それぞれ使用した。さらに、
比較例6のロックウール繊維としては、ロックウールラ
ピナス社製の“ラピナス”FIBRE 816を使用し
た。このペレットを住友ネスタール射出成形機プロマッ
ト40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリ
ンダー温度320〜340℃、金型温度90℃で、1/
8”厚のASTM1号ダンベル、30×30×3.2m
mおよび70×70×2mmの角板を成形した。
【0056】得られた1/8”厚のASTM1号ダンベ
ルを200℃に保った熱風乾燥機に入れ60日間耐ヒ−
トエ−ジング試験を行った。また、1/8”厚のAST
M1号ダンベルをイオン交換水の入った3m3 の耐圧容
器に入れ、100℃に保った熱風乾燥機で60日間耐加
水分解試験を行った。
【0057】そして、摩耗試験は、30×30×3.2
mmの角板を用いスラスト摩耗試験機(鈴木式摩耗試験
機)で次の条件で行った。
【0058】P=5kgf/cm2 V=20 m/min 相手材:鋼S−45C さらに、70×70×2mmの角板から樹脂の流動方向
(MD)および直角方向に各々1/2”幅に切り出し、
ASTM D−790規格に従って曲げ弾性率を測定
し、MD/TDの曲げ弾性率の比を機械的異方比として
求めた。これらの結果を併せて第1表に示した。
【0059】
【表1】
【0060】液晶ポリマにロックウ−ル繊維を配合した
本発明の樹脂組成物から得られる成形品は機械的異方性
が小さく、耐摩耗特性、耐ヒ−トエ−ジング性および耐
加水分解性が比較例に比べ優れている事が表1から明ら
かである。
【0061】
【発明の効果】本発明の液晶ポリマ組成物は機械的異方
性が小さく、耐摩耗特性、耐ヒ−トエ−ジング性および
耐加水分解性などの長期特性に優れるためエンジニアリ
ングプラスチックとして種々の用途に供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 C08L 77/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)異方性溶融相を形成する液晶ポリ
    エステルおよび/または液晶ポリエステルアミド100
    重量部に対して、 (B)平均繊維径(D)が3〜10μm、平均繊維長
    (L)が20〜650μmであり、かつ、アスペクト比
    (L/D)が2〜200であるロックウール繊維2〜2
    00重量部を配合してなる液晶ポリマ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、(A)の液晶ポリエ
    ステルが下記(I) 、(II)、(IV)または(I) 、(II)、(II
    I) 、(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステルである
    請求項1記載の液晶ポリマ樹脂組成物。 【化1】 (ただし式中の 1 は 【化2】 から選ばれた一種以上の基を示し、 2 は 【化3】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(III)
    の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
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