JP2855752B2 - 強化液晶樹脂組成物 - Google Patents

強化液晶樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、耐熱性、成形性、機械特性、とりわけアイ
ゾット衝撃強度、異方性に優れたガラス繊維併用強化液
晶樹脂組成物に関するものである。
<従来の技術> 近年プラスチックの高性能化に対する要求がますます
高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発さ
れ、市場に供されているが、なかでも特に分子鎖の平行
な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリマが優れた機
械的性質を有する点で注目されている。
異方性溶融相を形成するポリマとしてはたとえばp−
ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフタレート共重
合をした液晶ポリマ(特開昭49−72393号公報)、p−
ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
を共重合した液晶ポリマ(特開昭54−77691号公報)、
またp−ヒドロキシ安息香酸に4,4′−ジヒドロキシビ
フェニルとテレフタル酸、イソフタル酸を共重合した液
晶ポリマ(特公昭57−24407号公報)などが知られてい
る。
また、液晶ポリマの耐熱性と機械的強度を向上させる
目的でガラス繊維を配合することが知られている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、この液晶ポリマとしてこれまで知られ
ているものは荷重たわみ温度が190℃未満と低く、耐熱
性が不十分であったり、荷重たわみ温度は190℃以上と
耐熱性は良好であるが液晶開始温度が高すぎて400℃以
上でないと成形できず、溶融粘度も高いなど耐熱性と成
形性のバランスを有した液晶ポリマを得ることは困難で
あった。
また、液晶ポリマにガラス繊維を入れると機械的強
度、耐熱性は向上するが流動性が低下するなどの問題が
あり、流動性を改良するためにエチレンジオキシ単位を
含有したモノマを共重合する方法があるが、耐熱性が低
下するなどの問題があった。しかもこれら液晶ポリマに
ガラス繊維を入れても必ずしも異方性が十分に低いとは
いえないことがわかった。
よって本発明は上記の問題を解決し、耐熱性、機械的
特性が優れ、成形性に優れた異方性の少ない強化液晶樹
脂組成物を得ることを課題とする。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、 (1)下記構造単位(I)、(II)、(III)および(I
V)からなる溶融成形可能な液晶ポリエステル樹脂100重
量部に対して平均繊維径が3μm以上10μm未満のガラ
ス繊維と平均繊維径が10μm以上20μm未満のガラス繊
維を併用して5〜200重量部充填して得られる強化液晶
樹脂組成物および (ただし式中のR1 から選ばれた1種以上の基を、R2 から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中のXは水
素原子または塩素原子を示す。) (2)前記液晶ポリエステル100重量部に対してさらに
有機難燃剤0.2〜30重量部を含有せしめた上記(1)記
載の強化液晶ポリエステル組成物を提供するものであ
る。
本発明はまた、 (3)上記(1)または(2)記載の強化液晶樹脂組成
物を成形してなる成形品、および (4)成形品がウエルド部を有するものである上記
(3)記載の成形品を提供するものである。
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生
成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4′−ジヒ
ドロキシビフェニルから生成した構造単位であり、構造
単位(III)はハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフ
タレン、t−ブチルハイドロキノン、3,3′,5,5′−テ
トラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、フェニ
ルハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテルおよびエチレングリコールから選ばれた1種以上
のジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単
位(IV)からテレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フ
ェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン
酸および4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸から
選ばれた1種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構
造単位を各々示す。
これらのうち、R1としては −CH2CH2−が、R2としては 特に好ましい。
上記構造単位(I)〜(IV)のうち、前記構造単位
(III)においてR1がCH2CH2−のときは、構造単位
(I)、(II)の合計は構造単位(I)、(II)および
(III)の合計に対して75〜95モル%が好ましく、82〜9
3モル%がより好ましく、85〜90モル%が特に好まし
い。
また構造単位(III)は構造単位(I)、(II)およ
び(III)の合計に対して25〜5モル%であり、好まし
くは18〜7モル%、さらに好ましくは15〜10モル%であ
る。構造単位(I)および(II)の合計が構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して95モル%
より大きいと溶融流動性が低下して重合時に固化し、75
モル%より小さいと耐熱性が不良となり好ましくない。
また、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(I
I)]は75/25〜95/5であり、好ましくは78/22〜93/7で
ある。75/25未満であったり、95/5より大きい場合には
耐熱性、流動性が不良となり、本発明の目的を達成する
ことができない。また、構造単位(IV)は構造単位(I
I)および(III)の合計と実質的に等モルである。
また、前記構造単位(III)のR1が−CH2CH2−以外の
場合は、前記構造単位(I)は構造単位(I)、(II)
および(III)の合計に対して40〜90モル%が好まし
く、より好ましくは60〜88モル%、特に好ましくは70〜
85モル%である。構造単位(III)が(I)、(II)お
よび(III)の合計に対して90モル%より大きいと溶融
流動性が低下して重合時に固化して、40モル%よりも小
さいと耐熱性が不良となり好ましくない。
また、前記構造単位(II)と(III)のモル比[(I
I)/(III)]は1/9〜9/1が好ましく、より好ましくは
7.5〜2.5〜2.5/7.5、特に好ましくは7.5/2/5〜4/6であ
る。1/9未満であったり、9/1より大きい場合には、耐熱
性、流動性が不良となり、本発明の目的を達成しにく
い。
また構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)
の合計と実質的に等モルである。
本発明に用いる液晶ポリエステルの製造方法について
は特に限定するものではなく、公知のポリエステルの重
縮合方法に準じて製造できる。
また本発明で使用する液晶ポリエステルの溶融粘度は
10〜15,000ポイズが好ましく、特に20〜5,000ポイズが
より好ましい。
なお、この溶融粘度は(融点(Tm)+10℃)でずり速
度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによ
って測定した値である。ここで、融点(Tm)とは示走査
差熱量計により、昇温速度20℃/分で測定した際に観測
される吸熱ピーク温度、後述のTm2を指す。
すなわち、重合を完了したポリマを室温から融点以上
の温度まて20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後Tm1+20℃の温度で5
分間保持した後−20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷
却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測
される吸熱ピーク温度(Tm2)を示す。
一方、この液晶ポリエステルの対数粘度は0.1g/dl濃
度、60℃のペンタフルオロフェノール中で測定可能であ
り、0.5〜10dl/gが好ましく、特に構造単位(III)とし
て−CH2CH2−を含む場合は1.0〜3.0dl/gが特に好まし
い。
なお、本発明で使用する液晶ポリエステルを重縮合す
る際には上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以
外に3,3′−ジフェニルジカルボン酸、2,2′−シフェニ
ルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸など
の脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸など
の脂環式ジカルボン酸、クロムハイドロキノン、メチル
ハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスル
フィド、4,4′−ジヒドロキシヘンゾフェノンなどの芳
香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの
脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香
酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキ
シカルボン酸あるいは芳香族イミド化合物などを本発明
の目的を損なわない程度の少割合でさらに共重合せしめ
ることができる。
本発明に用いるガラス繊維は好ましくは弱アルカリ性
のものが機械的強度の点で優れており、液晶ポリエステ
ル樹脂の強化用といて適している。
ガラス繊維は繊維平均径が、(a)3μm以上10μm
未満の範囲であるものと(b)繊維平均径10μm以上20
μm未満の範囲のものを併用することを必須とし、ガラ
ス繊維(a)として好ましくは、繊維平均径4〜9.8μ
mである。繊維長さは30〜104μmが好ましく、さらに
好ましくは1000〜4000μmである。
ガラス繊維(b)として好ましくは、繊維平均径10〜
16μmである。繊維長さは30〜104μmが好ましく、さ
らに好ましくは1000〜4000μmである。
ガラス繊維(a)および(b)の合計の充填量
[(a)+(b)]は、液晶ポリエステル100重量部に
対して5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部であ
る。
また、前記ガラス繊維(a)と(b)の重量比
[(a)+(b)]は、好ましくは1/9〜9/1であり、さ
らに好ましくは3/7〜7/3である。
ガラス繊維(a)を単独で用いた場合、Izod衝撃強度
の低下があり、ガラス繊維(b)を単独で用いた場合に
は、異方性の減少効果が小さい。
ガラス繊維(a)として繊維平均径が3μm未満のも
のを用いると補強効果が小さいために機械的強度の向上
が少なく、ガラス繊維(b)として繊維平均径20μm以
上のものを用いると流動性が悪くなるため好ましくな
い。
また、この樹脂組成物に有機難燃剤を添加すれば、難
燃性が付与されるのみではなく、この異方性減少効果が
さらに向上し好ましい。
上述の径を有するガラス繊維の作り方については、特
に限定されるものではないが、紡糸された径の均一な長
繊維を粉砕および切断したものが好ましい。
ガラス繊維はシラン系のカップリング剤処理を施して
あるものが好ましく用いられとりわけエポキシシラン系
が好ましい。また、エポキシ系の収束剤に処理されてい
ることが好ましい。
本発明において難燃性を付与するために前記構造単位
(III)のR1が−CH2CH2−である場合には、有機難燃剤
を添加することがより好ましい。有機難燃剤とは有機臭
素化合物および/または有機リン化合物などであり有機
臭素化合物は分子中に臭素原子を有するものであり、特
に臭素含量20重量%以上のものが好ましい。具体的には
デカブロモジフェニルエーテル、エチレンビス−(テト
ラブロモフタルイミド)などの低分子量有機臭素化合
物、臭素化ポリカーボネート(たとえば臭素化ビスフェ
ノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリ
ゴマーあるいはそのビスフェノールAとの共重合物)、
臭素化エポキシ化合物(たとえば臭素化ビスフェノール
Aとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ
エポキシ化合物や臭素化フェノール類とエピクロルヒド
リンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物)、
ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェ
ニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌ
ルおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化ポリスチレ
ン、架橋臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリ−α−メ
チルスチレンなどのハロゲン化されたポリマやオリゴマ
ーあるいは、これらの混合物が挙げられ、なかでもエチ
レンビス−(テトラブロモフタルイミド)、臭素化エポ
キシオリゴマーまたはポリマ、臭素化ポリスチレン、架
橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル
および臭素化ポリカーボネートが好ましく、特にエチレ
ンビス−(テトラブロモフタルイミド)、臭素化ポリス
チレン、臭素化ポリカーボネートが特に好ましく使用で
きる。
これらの有機難燃剤の添加量は液晶ポリエステル100
重量部あたり、0.2〜30重量部が好ましく、より好まし
くは1〜20重量部であるが、難燃性は液晶ポリエステル
の前記構造単位(III)のうちの−OCH2CH2O−の共重合
量と密接な関係があるため、次のような添加量にするの
が好ましい。すなわち有機臭素化合物の添加量は液晶ポ
リエステル中のエチレンジオキシ単位の100重量部に対
して60〜280重量部が好ましく、100〜200重量部が特に
好ましい。
一方、本発明において用いられる有機リン化合物は、
分子中にリン原子を有するものであり、リン酸、亜リン
酸、ホスホン酸などから合成される化合物、ホスフィ
ン、ホスフィンオキシド、ホスホランなどの化合物や下
記構造式の化合物およびこれら化合物を少なくとも一成
分として含有するポリマである。
このポリマとしては下記構造単位からなるポリマを挙
げることができる。
そしてこれらのうち最も好ましい有機リン化合物は下
記ポリマである。
(式中R1は水素または1価の有機基を示し、R2は2価の
有機基を示す。
なお、これらの有機リン化合物は一部が金属塩であっ
てもよい。この有機リン化合物の添加量構造式(I)、
(II)、(III)および(IV)からなる液晶ポリエステ
ル100重量部に対して0.2〜30重量部、好ましくは0.5〜1
5重量部であり、液晶ポリエステル中の構造単位(III)
の100重量部に対して2〜150重量部が好ましく、10〜10
0重量部が特に好ましい。
また、本発明において有機臭素化合物、好ましくは臭
素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート、臭素化エ
ポキシポリマ、臭素化ポリフェニレンエーテルを少量併
用してもよく、有機リン化合物が下記構造単位からなる
ポリマのように臭素を含有した有機リン化合物であって
もよい。
構造単位(III)のR1が−CH2CH2−である場合は構造
単位(III)が、構造単位[(I)+(II)+(III)]
の5〜25モル%であるため、前記の難燃剤添加量でUL94
規格の垂直型燃焼テスト(ASTM D790規格)で1/32″厚
みでV−0にすることができる。構造単位(III)が5
モル%未満では、液晶ポリエステルの融点が高くなるた
め難燃剤によって溶融時に液晶ポリエステルが分解し重
合度低下が起こり、充填剤を添加しても機械物性が低下
したり、燃焼時に成形品がドリップしたりして好ましく
ない。一方、構造単位(III)が25モル%より多いと荷
重たわみ温度などの耐熱性が大きく低下するのみなら
ず、難燃性を付与するには多量の有機臭素化合物や有機
リン化合物を添加する必要があったり、アンチモン化合
物などの難燃助剤をさらに添加する必要があるため機械
的特性が大きく低下するため好ましくない。
本発明においてさらに下記充填剤を含有させることも
でき、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリ
ウム繊維、石コウ繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、ス
チール繊維、セラミックス繊維、ボロンウイスカ繊維、
マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビー
ズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレ
ー、ワラステナイト、酸化チタンなどの繊維状、粉状、
粒状あるいは板状の無機フィラーが挙げられる。
さらに、本発明の組成物には、本発明の目的を損なわ
ない程度の範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たとえ
ばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト
類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤)たとえ
ばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤(モンタ
ン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステ
ル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエ
チレンワックスなど)、染料(たとえばニトロシンな
ど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシア
ニン、カーボンブラックなど)を含む着色剤、可塑剤、
帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を添
加して、所定の特性を付与することができる。
本発明の樹脂組成物は溶融混練することが好ましく、
溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえ
ば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単
軸もしくは二軸押出機などを用い、200〜350℃の温度で
溶融混練して組成物とすることができる。
<実施例> 以下、実施例により本発明を詳述する。
参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4′−ジヒドロ
キシビフェニル126重量部、無水酢酸960重量部、テレフ
タル酸112重量部および固有粘度が約0.6dl/gのポリエチ
レンテレフタレート216重量部を撹拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、次の条件で脱酢酸重縮合を行っ
た。
まず、窒素ガス雰囲気下に100〜150℃で5時間、250
〜320℃で1.5時間反応させたのち、320℃、1時間で0.5
mmHgに減圧し、さらに2.25時間反応させ、重縮合を完結
させたところ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論
構造式を有する樹脂(a)を得た。
k/l/m/n=80/7.5/12.5/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にの
せ、昇温して、光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は294℃であり、良好な光学異方性を示した。こ
のポリマの融点をパーキンエルマー社製DSC−7型を用
いて、昇温速度20℃/分の条件で測定したところ、Tm2
のピーク温度は312℃であった。このポリエステルの対
数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフルオロフェノール
中、60℃で測定)は1.80dl/gであり、322℃、ずり速度
1,000(1/秒)での溶融粘度は800ポイズであった。
実施例1 参考例1の液晶ポリエステル(A)100重量部に対し
て繊維径6μm、長さ3000μmのガラス繊維30重量部と
繊維径13μm、長さ3000μmのガラス繊維20重量部をリ
ボンブレンダーで混合後、40mmφベント付押出機を使用
し320℃で溶融混練−ペレット化した。次に得られたペ
レットを住友ネスタール射出成形機プロマット(住友重
機械工業(株)製)に供し、シリンダー温度320℃、金
型温度90℃の条件で、IZod衝撃測定用試験片(1/4″×1
/2″×2.5″)、2mm厚×70mm×70mmの角板を、さらにAS
TM No.4ダンベルを成形した。
ASTM No.4ダンベルは、ゲートがダンベルの両端にあ
るウェルド金型を用いた。
これらの試験片について、ASTM D256規格にしたがい
IZod衝撃テストを行った。一方、角板を用いて流動方向
に直角の成形収納率を測定し、角板を流動方向、直角方
向に14mm幅に切り出して、ひずみ速度1mm/分、スパン間
距離40mmの条件で曲げ弾性率を測定し、その比を異方性
の目安として用いた。また、ASTM D638規格にしたが
い、ASTM No.4ダンベルの破断強度を測定した。
実施例2 参考例1の液晶ポリエステル(A)100重量部に対し
て、繊維径6μm、長さ3,000μmのガラス繊維30重量
部と繊維径13μm、長さ3,000μmのガラス繊維20重量
部と、さらに臭素化ポリスチレン(日産フェロー(株)
製“パイロチェック"68PB)8.5重量部をリボンブレンダ
ーで混合後、40mmφベント付押出機を使用し、320℃で
溶融混練−ペレット化した。次に得られたペレットを住
友ネスタール射出成形機プロマット(住友重機械工業
(株)製)に供し、シリンダー温度320℃、金型温度90
℃の条件で燃焼試験片(1/32″および1/8″×1/2″×
5″)、IZod衝撃測定用試験片(1/4″×1/2″×2.
5″)、2mm厚×70mm×70mmの角板を、さらにASTM No.4
ダンベルを成形した。
ASTM No.4ダンベルは、ゲートがダンベルの両端にあ
るウェルド金型を用いた。
これらの試験片についてUL94規格にしたがい垂直型燃
焼テストを行った結果V−0であった。さらに、ASTM
D256規格にしたがいIZod衝撃テストを行った。一方、角
板を用いて流動方向に直角の成形収縮率を測定し、角板
を流動方向、直角方向に14mm幅に切り出して、ひずみ速
度1mm/分、スパン間距離40mmの条件で曲げ弾性率を測定
し、その比を異方性の目安として用いた。また、ASTM
D638規格にしたがい、ASTM No.4ダンベルの破断強度を
測定した。
比較例1〜4 参考例1の液晶ポリエステル(A)にガラス繊維
(B)、難燃剤(C)を表1に示した種類と割合で添加
し、リボンブレンダーで混合後40mmφベント付押出機を
使用し、260〜320℃で溶融混練−ペレット化した、次に
得られたペレットを住友ネスタール射出成形機プロマッ
ト40〜25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダ
ー温度260〜320℃、金型温度40〜90℃の条件で実施例1
と同様の成形品を得た。
これらの成形品について実施例1と同様の評価を行っ
た。
これらの結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の液晶ポリエステル
組成物からなる成形品は、比較例1、2、3、4に比べ
ウェルド強度が高く、2つの種類の太さのガラス繊維の
長所をあわせもつことがわかる。
<発明の効果> 本発明の強化液晶樹脂組成物から耐熱性、成形性、機
械的特性とりわけIZod衝撃強度、異方性、ウェルド強度
に優れた、成形品が得られる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/00 - 67/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造単位(I)、(II)、(III)お
    よび(IV)からなる溶融成形可能な液晶ポリエステル樹
    脂100重量部に対して平均繊維径が3μm以上10μm未
    満のガラス繊維と平行繊維径が10μm以上20μm未満の
    ガラス繊維を併用して5〜200重量部充填して得られる
    強化液晶樹脂組成物。 (ただし式中のR1 から選ばれた1種以上の基を、R2 から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中のXは水
    素原子または塩素原子を示す。)
  2. 【請求項2】前記液晶ポリエステル100重量部に対して
    さらに有機難燃剤0.2〜30重量部に含有せしめた請求項
    (1)記載の強化液晶樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項(1)または(2)記載の強化液晶
    樹脂組成物を成形してなる成形品。
  4. 【請求項4】成形品がウエルド部を有するものである請
    求項(3)記載の成形品。
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