JP2005255914A - 金属接着性にすぐれた液晶ポリエステル - Google Patents

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和彦 竹内
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順一 杉山
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Abstract

【課題】 金属接着性に優れた液晶ポリエステル及びその用途を提供する。
【解決手段】 分子主鎖中に該主鎖構成化合物成分として少なくとも芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及びジオール成分を含有する液晶ポリエステルであって、該主鎖中に特定燐化合物を0.01〜10モル%含有させたことを特徴とする液晶ポリエステル。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属に対する接着性にすぐれた液晶ポリエステル、該液晶ポリエステルからなる成形体及び該液晶ポリエステルフィルムと金属層との積層体からなるプリント配線基板に関するものである。
液晶ポリエステル、特にそのフィルムの金属に対する接着性は非常に低いことが知られている。従来、液晶ポリエステルの金属箔への融着強度を向上させる手段として、樹脂の融点を低くする分子設計が行われている(いわゆるII型、III型)(「液晶ポリマーの開発」小出直之、シーエムシー出版)。しかし、液晶ポリエステルフィルムをプリント基板材料として用いるためには、鉛フリーはんだが使用できるレベルの高耐熱性が必要となる(いわゆるI型)。すなわち、プリント基板材料用途に液晶ポリエステルフィルムを使用するためには、I型液晶ポリエステルであり、なおかつ、金属箔との密着性が高いものが望まれる。
一方、液晶ポリエステルフィルムの表面密着性を向上させる方法として空気雰囲気下でのプラズマ処理(特開平10−324967号公報)、コロナ放電による処理(特開平10−1550号公報)、紫外線照射による処理(特開平9−124810号公報)、火炎処理(日本接着学会誌 2000, vol.36, pp.39〜42)などの乾式法がある。しかし、これらの方法で充分な改質効果を得る為には長時間の処理が必要となり、生産性が低い点が問題となる。
また、ヒドラジン等の窒素原子を有する化合物の存在下で放電加工処理、紫外線照射する方法が特開2003‐246033号公報、特開2003‐221456号公報に開示されている。この方法は高価な装置を必要とすると言う欠点があり、ヒドラジンは発ガン性、易燃性を有する為、環境汚染、安全を考えると使用しないほうが望ましい化合物である。
酸やアルカリ等の薬液によってポリマー表面に酸素含有基を導入したり、ポリマー表面を加水分解する湿式法(日本接着学会誌2001, vol.37, pp.75−83)は、良く知られている方法である。この方法は、化学安定性の高い全芳香族ポリエステルに対しては十分な改質効果を与えない。さらに、この方法ではポリマーの表面にはある程度の厚みを有する強度の劣る変質層を形成する。接着物の破壊はこの強度が劣る変質層で起こる為、処理効果が認められない。
特開平10‐316777号公報、特開2003‐55419号公報、特開2002−166514号公報、特開平9‐216962号公報には、ポリマー表面にカップリング剤、接着剤を塗布する方法あるいは易接着層を形成する方法が開示されている。これらの方法は、接着層の耐熱性が基材である液晶ポリエステルに比べて劣っている為に本発明の使用用途に適さない。
最近、超臨界二酸化炭素中でのポリマーの表面処理が特開2003−2994号公報、Macromolecules 1998, vol.31, pp.4791−4797に発表された。この方法は、高価な装置を使用すること、工程が繁雑であること等の問題があり、未だ実験段階であり実用化されていない。
本発明は、金属接着性に優れた液晶ポリエステル及びその用途を提供することをその課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、液晶ポリエステル分子鎖に燐化合物を導入させることによって、液晶ポリエステルフィルムの対金属密着性が向上し得ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、下記に示される液晶ポリエステル、成形体、プリント配線基板が提供される。
(1)分子主鎖中に該主鎖構成化合物成分として少なくとも芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及びジオール成分を含有する液晶ポリエステルであって、該主鎖中に下記一般式(1)〜(6)で表される燐化合物を0.01〜10モル%含有させたことを特徴とする液晶ポリエステル。
Figure 2005255914
(式中、R、R、Rは炭化水素基を示す)
(2)分子主鎖中に該主鎖構成化合物成分として少なくとも芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及びジオール成分を含有する液晶ポリエステルであって、該主鎖末端に下記一般式(7)〜(9)で表される燐化合物を0.01〜10モル%含有させたことを特徴とする液晶ポリエステル。
Figure 2005255914
(式中、R、R、Rは炭化水素基を示す)
(3)液晶ポリエステルからなる成形体であって、該液晶ポリエステルが、前記(1)又は(2)に記載の液晶ポリエステルであることを特徴とする液晶ポリエステル成形体。
(4)該成形体がフィルムである前記(3)に記載の液晶ポリエステル成形体。
(5)前記(1)又は(2)に記載の液晶ポリエステルからなるフィルムと金属との積層体からなることを特徴とするプリント配線基板。
(6)該金属が銅である前記(5)に記載のプリント配線基板。
本発明によれば、金属、特に銅箔に対して高い接着性を有する液晶ポリエステルが提供される。
本発明による高接着性液晶ポリエステルを用いて作製したフィルムは従来のものに比べて銅箔接着力に優れるため、例えばプリント配線基板、高密度実装用多層基板、高機能電子材料、フレキシブル基板、高周波基板用途等に有用である。
本発明の液晶ポリエステルは、従来公知の液晶ポリエステルに対し、下記一般式(1)〜(9)で表される燐化合物を含有させた構造を有する。
Figure 2005255914
(前記式中、R、R、R、Rは炭化水素基を示す)
前記R、R、R、Rを構成する炭化水素基において、その炭素数は1〜20程度である。また、この炭化水素基には、芳香族炭化水素及び脂肪族炭化水素が包含される。
該芳香族炭化水素において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜12である。脂肪族炭化水素において、その炭素数は1〜20、好ましくは1〜10である。脂肪族炭化水素基には、鎖状構造のもの及び環状構造のものが包含される。
該R、R、Rは2価炭化水素基を構成するが、このようなものとしては、2価芳香族基(フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基等)や、2価脂肪族基(エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、ドデシレン基、シクロヘキシレン基等)等が挙げられる。
該Rは1価炭化水素基を構成するが、このようなものとしては、1価芳香族基(フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等)や、1価脂肪族基(エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル等)等が挙げられる。
一般的に、液晶ポリエステルは、その主鎖構成化合物成分として、p−ヒドロキシ安息香酸に代表される芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸とジオール成分をその主鎖中に含有する。該芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
該ジオール成分としては、例えば、ヒドロキノン、4,4−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、ビスフェノールS等等が挙げられる。
従来広く用いられている液晶ポリエステルとしては、例えば、芳香族ジオール、芳香族
カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等のモノマーから合成される、溶融時に液晶性を示す芳香族ポリエステルがあり、その代表的なものとしては、p−ヒドロキシ安息香酸(PHB)とテレフタル酸と4,4’−ビフェニルジオールからなる第1のタイプのもの(下記式a)、PHBと6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなる第2のタイプのもの(下記式b)、PHBとテレフタル酸とエチレングリコールからなる第3のタイプのもの(下記式c)がある。
Figure 2005255914
Figure 2005255914
Figure 2005255914
本発明の液晶ポリエステルは、前記した如き液晶ポリエステルの合成に際して、下記一般式(10)〜(18)で表される燐化合物を反応原料中に含有させることによって容易に製造することができる。
Figure 2005255914
前記式中、R、R、R、Rは前記と同じ意味を有し、Xはアセチル基または水素を示す。
前記一般式(10)〜(15)で表される燐化合物を用いる場合、該燐化合物は、液晶ポリエステルの分子主鎖中に主鎖構成化合物成分として含有される。この場合の該燐化合物の含有量は、主鎖中に含まれる主鎖構成化合物成分の合計量(モル数)に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.05〜2モル%、より好ましくは0.1〜1.5モル%である。
該燐化合物の含有量が低すぎるとその添加効果が不十分となり、一方、高すぎると合成時に炭化火反応が起こり良好なポリマーが得られない。また、得られたポリマーの流動性が低く、後工程でのポリマーの成形加工に支障をきたす等の問題を生じるので好ましくない。
前記一般式(16)〜(18)で表される燐化合物を用いる場合、該燐化合物は、液晶ポリエステルの主鎖構成化合物成分として含有される。この場合の該燐化合物の含有量は、主鎖中に含まれる主鎖構成化合物成分の合計量(モル数)に対して0.01〜10モル%、好ましくは0.05〜2モル%、より好ましくは0.1〜1.5モル%である。
該燐化合物の含有量が低すぎるとその添加効果が不十分となり、一方、高すぎると合成時に炭化火反応が起こり良好なポリマーが得られない。また、得られたポリマーの流動性が低く、後工程でのポリマーの成形加工に支障をきたす等の問題を生じるので好ましくない。
本発明の液晶ポリエステルは、慣用のエステル交換法により製造することもできる。この方法によれば、従来公知の液晶ポリエステルを原料として用い、これに対して、前記一般式(10)〜(18)で表される燐化合物をエステル交換反応させればよい。
本発明の液晶ポリエステルにおいて、その平均分子量は、5000〜100000、好ましくは10000〜50000であり、その融点は200〜400℃、好ましくは300〜370℃である。
本発明の液晶ポリエステルは、従来公知の成形方法により、フィルムや繊維、ブロック、ロッド等の各種形状の成形体とすることができる。
本発明の液晶ポリエステルは、好ましくはフィルムに成形される。このようなフィルムは、接着性、特に金属に対する接着性にすぐれたものであることから、その表面に金属を層状に積層することにより、プリント配線基板として有利に用いることができる。この場合の金属には、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、スズ、鉛、チタン等が包含される。
液晶ポリエステルフィルムに対する金属層の形成は、従来公知の方法、例えば、ラミネート法やめっき法、スパッタリング法、CVD法等によって行うことができる。
本発明の液晶ポリエステルからなるフィルムは、金属に対してすぐれた接着性を有することから、プリント配線基板の他、高密度実装用多層基板、高機能電子材料、フレキシブル基板、高周波基板等の用途に好ましく適用することができる。
本発明による液晶ポリエステルと金属とを積層させた積層体は、プリント配線基板として有利に用いることができる。このプリント配線基板において、そのフィルムの厚さは3〜300μm、好ましくは9〜125μmであり、その金属層の厚さは0.1〜100μm、好ましくは9〜35μmである。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例における銅箔ピール強度の測定方法を次に示す。以下の実施例で得られた高密着性液晶ポリエステルを凍結粉砕し、電気オーブンにて良く乾燥させた(120℃×5時間)。乾燥後の粉体ポリマーを銅箔の上に載せて真空熱プレスを用いて加圧(40kg/cm、327℃×15分間)することで、銅/高密着性液晶ポリエステルラミネートシートを得た。得られたラミネートシートを短冊状(幅5mm、長さ100mm)に切り抜き、島津製作所製オートグラフにてピール強度を測定した(試験速度50mm/min)。銅箔ピール強度のピーク点−試験力は剥離力の極大点を示し、凹凸平均−試験力は全ての極大・極小剥離力の平均値を示す。
以下の参考例1から4に高密着性液晶ポリエステル合成に用いた燐含有化合物の合成方法を例示する。
参考例1
下記式Aで表される燐化合物[ビス(p−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフェート]の合成
Figure 2005255914
(式中、Xは水素を示す)
500mL容二口丸底フラスコにジムロート冷却管、マグネチックスターラーを取り付け、ヒドロキノン(120mmol,13.21g)を添加した。フラスコを窒素置換した。フラスコの中に乾燥ジクロロメタン(200mL)、トリエチルアミン(120mmol,12.14g)をこの順番で攪拌しながら添加した。フラスコを0℃に冷却し、攪拌しながら二塩化フェニルスルホン酸(60mmol,11.70g)を滴下した。0℃にて10分間、室温にて30分間攪拌した。この溶液を3時間還流、攪拌する。反応混合物の入ったフラスコを0℃に冷却し、蒸留水(100mL)を加えて、ジクロロメタンで数回抽出した。ジクロロメタン抽出溶液を合わせて、10%硫酸水溶液で数回洗った後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を取り除き、bis(p−hydroxyphenyl)phenylphosphate(19.91g,97%)を得た。
参考例2
ビス(p−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフェートジアセテート(前記式(A)において、X=アセチル)の合成
100mL容丸底フラスコにマグネチックスターラーを取り付け、ピリジン(30mL)、ビスp−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフェート(20mmol,6.84g)、ジメチルアミノピリジン(5mg)を添加した。フラスコを0℃に冷却し、攪拌しながら無水酢酸(30mL)を添加した。添加後、室温にて2時間攪拌した。反応混合物の入ったフラスコを0℃に冷却し、蒸留水(80mL)を加えて、ジエチルエーテルで数回抽出した。ジエチルエーテル抽出溶液を合わせて、10%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順番で洗浄した。ジエチルエーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を取り除き、bis(p−hydroxyphenyl)phenylphosphate diacetate(7.84g,92%)を得た。
参考例3
下記式(B)で表される燐化合物[ビス(p−ヒドロキシフェノキシ)フェニルホスフィン]
Figure 2005255914
(式中、Xは水素を示す)
500mL容二口丸底フラスコにジムロート冷却管、マグネチックスターラーを取り付け、ヒドロキノン(120mmol,13.21g)モレキュラーシーブス3A(10g)を添加した。フラスコを窒素置換した。フラスコの中に乾燥トルエン(200mL)を添加した。二塩化ベンゼンホスホニル(60mmol,10.74g)を攪拌しながら添加し、48時間還流した。反応混合物を室温に冷却し、モレキュラーシーブス3Aを濾別した。ロータリーエバポレーターによって溶媒を留去し、bis(p−hydroxyphenoxy)phenylphosphine(17.41g,89%)を得た。
参考例4
ビス(p−ヒドロキシフェノキシ)フェニルホスフィン(式(B)におけるX=アセチル)の合成
100mL容丸底フラスコにマグネチックスターラーを取り付け、ピリジン(30mL)、Bis(p−hydroxyphenoxy)phenylphosphine(20mmol,6.52g)、ジメチルアミノピリジン(5mg)を添加した。フラスコを0℃に冷却し、攪拌しながら無水酢酸(30mL)を添加した。添加後、室温にて2時間攪拌した。反応混合物の入ったフラスコを0℃に冷却し、蒸留水(80mL)を加えて、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル抽出溶液を合わせて、10%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順番で洗浄した。ジエチルエーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、ロータリーエバポレーターによって溶媒を取り除き、bis(p−hydroxyphenoxy)phenylphosphine diacetate(7.22g,89%)を得た。
実施例1〜12、比較例1
(共重合法による高密着性液晶ポリエステルの合成法)
重合管に4−アセトキシ安息香酸(120mmol,25.67g)、テレフタル酸(60mmol,9.97g)、4,4’‐ジアセトキシビフェニル(60mmol,16.22g)、燐含有化合物(任意量)を添加した。反応混合物の入った重合管にダイヤフラムポンプ、マノメーターを取り付け、減圧下、電気炉にて加熱した(180mmHg,350℃×2時間)。反応後の重合管を割り、高密着性液晶ポリエステルを取り出した。
表1にリン含有化合物としてbis(p−hydroxyphenyl)phenylphosphate又はbis(p−hydroxyphenyl)phenylphosphate diacetate(式(A))を用いたときの銅箔ピール強度を示す。
Figure 2005255914
表2に燐化合物としてbis(p−hydroxyphenoxy)phenylphosphine又はbis(p−hydroxyphenoxy)phenylphosphine diacetate(一般式(B))を用いたときの銅箔ピール強度を示す。
Figure 2005255914
上記の表1から明らかな様に、燐化合物を未添加の液晶ポリエステル(比較例1)に比べ、燐化合物(式(A);X=アセチル)を添加した液晶ポリエステル(実施例3、4)は銅箔ピール強度が向上していることが認められる。その銅箔ピール強度は燐化合物を添加するほど向上した。特に、実施例3は、燐含有化合物の添加により銅箔ピール強度が最大約1.8倍程度まで向上した。
燐化合物(式(A);X=アセチル)を添加した場合と同様に、燐化合物(一般式(A);X=水素)においても燐含有化合物を添加するほど銅箔ピール強度が向上する傾向が得られた。実施例5において、0.5mol%の燐含有化合物の添加により銅箔ピール強度が最大約1.8倍程度まで向上した。
表2は、燐化合物(式(B))を用いた表1と同様の実験を行った結果である。燐化合物を添加するほど銅箔ピール強度が向上する傾向は、燐含有化合物(式(A))を用いた時と同様である。ただし、燐化合物(式(A))の添加では銅箔ピール強度が最大約1.8倍程度まで向上したのに対し、燐化合物(式(B);X=アセチル)の添加では最大約1.5倍程度までしか向上しなかった(実施例7)。同様に、燐化合物(式(B);X=水素)の添加においても最大約1.6倍程度までしか向上しなかった(実施例11)。
実施例13
液晶ポリエステルと燐化合物(例えば、大八化学工業(株)製、Daigard−600)(燐原子に酸素と炭化水素基が結合した燐化合物)とのエステル交換反応によっても高接着性液晶ポリエステルを合成することができる。そのエステル交換反応は、混練機((株)東洋精機製作所製ラボプラストミル)を用いて液晶ポリエステルと燐含有化合物とを液晶ポリエステルの融点以上の温度で混練することによって行われる。
(エステル交換法による高密着性液晶ポリエステルの合成法)
混練機に市販液晶ポリエステル(50g)、前記燐化合物(Daigard−600:任意量)を添加し、5分間混練した(360℃、50rpm)。反応混合物を1時間混練する(360℃、50rpm)。反応後の高密着性液晶ポリエステルを混練機から取り出した。
表3にエステル交換法により市販液晶ポリエステル分子鎖にDaigard−600を導入した場合の銅箔ピール強度を示す。
Figure 2005255914
上記表3から明らかな様に、未処理の市販液晶ポリマー(entry1)に比べて、Daigard−600を0.3重量%添加した液晶ポリエステル(entry6)の銅箔ピール強度は約1.25倍程度まで向上した。

Claims (6)

  1. 分子主鎖中に該主鎖構成化合物成分として少なくとも芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及びジオール成分を含有する液晶ポリエステルであって、該主鎖中に下記一般式(1)〜(6)で表される燐化合物を0.01〜10モル%含有させたことを特徴とする液晶ポリエステル。
    Figure 2005255914
    (式中、R、R、Rは炭化水素基を示す)
  2. 分子主鎖中に該主鎖構成化合物成分として少なくとも芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及びジオール成分を含有する液晶ポリエステルであって、該主鎖末端に下記一般式(7)〜(9)で表される燐化合物を0.01〜10モル%含有させたことを特徴とする液晶ポリエステル。
    Figure 2005255914
    (式中、R、R、Rは炭化水素基を示す)
  3. 液晶ポリエステルからなる成形体であって、該液晶ポリエステルが、請求項1又は2に記載の液晶ポリエステルであることを特徴とする液晶ポリエステル成形体。
  4. 該成形体がフィルムである請求項3に記載の液晶ポリエステル成形体。
  5. 請求項1又は2に記載の液晶ポリエステルからなるフィルムと金属との積層体からなることを特徴とするプリント配線基板。
  6. 該金属が銅である請求項5に記載のプリント配線基板。
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