JP2016093970A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶ポリマー自体が優れた金属密着性を有することにより、金属層との密着性に優れた積層体を提供すること。
【解決手段】液晶ポリマーのモノマー成分として、ジヒドロキシテレフタル酸およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体を使用し、これを他の重合性単量体と共重合させることにより、液晶ポリマーの金属密着性を向上させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ポリマー層と金属層とから構成される積層体に関する。
液晶ポリマーは、耐熱性、剛性等の機械物性、耐薬品性、寸法精度等に優れているため、成形品用途のみならず、繊維やフィルムといった各種用途にその使用が拡大しつつある。特にパーソナル・コンピューターや携帯電話等の情報・通信分野においては、部品の高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が急速に進んでおり0.5mm以下の非常に薄い肉厚部が形成されるケースが多く、液晶ポリマーの優れた成形性、すなわち、流動性が良好であり、かつバリが出ないという他の樹脂にない特徴を活かして、その使用量が大幅に増大している。
かかる液晶ポリマーからなる液晶ポリマーフィルムは、高周波領域(GHz帯)での電機特性(低誘電率、低誘電損失)に優れ、回路での電送損失が少ないなどの特徴から、フレキシブルプリント配線(FPC)基材等の材料として注目されている。
このように液晶ポリマーは、多くの電気電子部品の小型化に寄与している。かかる電気電子部品は、回路パターンや電磁波シールドなどに導電性を付与するために、フィルムまたは成形品の表面に直接金属膜を密着させる必要がある。しかし、液晶ポリマーは、金属薄膜との密着性が低く、電気電子部品として十分な品質を確保しにくいものであった。
このような、液晶ポリマーと金属薄膜との密着性の問題を改善するために、従来、液晶ポリマーの表面をエッチングなどの方法により粗面化することや、液晶ポリマーの表面に種々のプラズマ処理を行うことにより、その表面を改質した後に、金属薄膜を形成する方法がとられていた(特許文献1〜3および非特許文献1を参照)。
たとえば、特許文献1には、液晶性ポリエステル樹脂組成物を用いて成形してなる成形品の表面をエッチング処理した後に、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着のいずれかの方法により表面金属被覆処理することが開示されている。この方法は、液晶性ポリエステル樹脂組成物の成形品の表面を粗面化し、粗面の凹凸に対する機械的アンカー効果に基づいて密着力を得ようとするものである。しかし、この方法では得られる成形品の表面の粗度が高すぎ、成形品表面に形成する回路の精密細線化が困難になるという問題があった。
また特許文献2には、半芳香族液晶性ポリエステル成形品の表面にプラズマ処理を施した後、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングのいずれかの方法にて金属膜を形成する方法が開示されている。しかしこの方法によると、成形品の表面と金属膜との密着強度は改善されるものの実用上十分であるとはいえず、未だ改良の余地があるものであった。
さらに特許文献3には、液晶ポリマーフィルム表面に酸素ガス圧力0.6〜2.5Pa雰囲気下で放電プラズマ処理を施した後、スパッタリング法により金属シード層を形成する方法が開示されている。
また、非特許文献1には、液晶ポリマーフィルム表面を各種プラズマにより処理し、フィルム表面の水接触角を38〜60°程度に改質(親水化)することにより、液晶ポリマーフィルム表面と銅薄膜との密着強度を改善する方法が開示されている。しかし、いずれの方法においても、液晶ポリマーフィルムと金属薄膜の密着強度は実用上十分なものとはいえなかった。
このような背景から、金属層との密着性に優れた液晶ポリマーの開発が望まれていた。
特公平7−24328号公報 特開2003−268089号公報 特開2005−297405号公報
N.Inagaki,Yong Woo Park,Kazuo Narushima,K Miyazaki,J.Adhes.Sci.Technol.,Vol.18,No.12,pp1427〜1447(2004)
本発明は、液晶ポリマー自体が優れた金属密着性を有することにより、金属層との密着性に優れた積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、液晶ポリマーと金属層との密着性の改善について鋭意検討した結果、液晶ポリマーのモノマー成分として、ジヒドロキシテレフタル酸(以下、DHTAとも称する)およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体を使用し、これを他の重合性単量体と共重合させることにより、得られる液晶ポリマーの金属密着性が著しく向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、液晶ポリマー層と金属層とから構成される積層体であって、液晶ポリマーが、式(I)で表されるジヒドロキシテレフタル酸およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)を、他の重合性単量体(B)と共重合させて成る積層体を提供する。
Figure 2016093970
本発明によれば、液晶ポリマー自体が優れた金属密着性を有することから、表面が平滑な液晶ポリマー層上においても優れた密着強度で金属層を形成することができる。したがって、本発明の積層体は、回路の精密細線化が要求されるプリント配線基板等に極めて有用である。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーは、異方性溶融相を形成するポリエステルまたはポリエステルアミドであり、当該技術分野においてサーモトロピック液晶ポリエステル又はサーモトロピック液晶ポリエステルアミドと呼ばれるものであれば特に限定されない。
異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージにのせた試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施することができる。本発明の液晶ポリマーは光学的に異方性を示すもの、即ち、直交偏光子の間で検査したときに光を透過させるものである。試料が光学的に異方性であると、たとえ静止状態であっても偏光は透過する。
本発明において、重合性単量体の「反応性誘導体」とは、目的とする構成単位を導入できる反応性を有する単量体の誘導体を言うものとする。本発明において用い得る好適なジヒドロキシテレフタル酸の反応性誘導体としては、ジヒドロキシテレフタル酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、アシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体、ならびにこれら置換体のアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が例示される。置換基としてのアルキル基またはアルコキシ基としては、炭素数6までのものが好適に用いられる。式(I)で表されるジヒドロキシテレフタル酸およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)として、1種のみの化合物を用いてもよく、2種以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、「芳香族」とは縮合環数が4までの芳香族基を含む化合物を意味するものとする。また、「脂肪族」とは、炭素原子数2〜12の、分岐を有していてもよい飽和または不飽和の炭化水素鎖を含む化合物を意味するものとする。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーに用いる、式(I)で表されるジヒドロキシテレフタル酸およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)は、他の重合性単量体(B)100モル部に対して、0.5〜2.5モル部であることが好ましく、0.7〜2.3モル部であることがより好ましく、1〜2モル部であることがさらに好ましい。重合性単量体(A)が他の重合性単量体(B)100モル部に対して2.5モル部を超えると、生成するポリマーが架橋しやすくなり、液晶性が損なわれる傾向がある。重合性単量体(A)が他の重合性単量体(B)100モル部に対して0.5モル部未満であると、生成するポリマーにおいて所望の金属密着性が得られない傾向がある。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーに用いる他の重合性単量体(B)としては、従来の液晶ポリマーに用いられる単量体、例えば芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。これら化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
他の重合性単量体(B)として、前記化合物の1種以上が結合してなるオリゴマーを、式(I)で表されるジヒドロキシテレフタル酸およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)との共重合に供してもよい。なお、本発明における、他の重合性単量体(B)の量については、「重合性単量体」をオリゴマーとして用いる場合であっても、当該オリゴマーを構成する単量体ユニット毎にカウントするものとする。
芳香族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−5−ナフトエ酸、2―ヒドロキシ―7―ナフトエ酸、2―ヒドロキシ―3―ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、4−ヒドロキシ安息香酸または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を単独で、あるいは両者を組み合わせて用いることが得られる液晶ポリマーの耐熱性や機械強度、融点を調節し易いという点でより好ましい。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、3,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’’−ジカルボキシターフェニル、ビス(4−カルボキシフェニル)エーテル、ビス(4−カルボキシフェノキシ)ブタン、ビス(4−カルボンキシフェニル)エタン、ビス(3−カルボキシフェニル)エーテルおよびビス(3−カルボキシフェニル)エタン、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸が好適に用いられ、特に得られる液晶ポリマーの耐熱性を効果的に高められる点で、テレフタル酸が好ましい。
芳香族ジオールの具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェノールエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンおよび2,2’−ジヒドロキシビナフチル、およびこれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
これらの中でも、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレンが好適に用いられ、特に重合時の反応性に優れる点において、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルまたは2,6−ジヒドロキシナフタレンが好ましい。
芳香族アミノカルボン酸の具体例としては、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミンの具体例としては、4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルエーテル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルメタン、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルスルフィドおよび2,2’−ジアミノビナフチル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、4−アミノフェノールが得られる液晶ポリマーの耐熱性および機械強度のバランスをとりやすいことから好ましく用いられる。
芳香族ジアミンの具体例としては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体が挙げられる。
脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ならびにそれらのアシル化物が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートや、ポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオールを含有するポリマーを、前記の芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させてもよい。
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、フマル酸、マレイン酸およびヘキサヒドロテレフタル酸が挙げられる。これらの中でも、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸およびドデカン二酸が重合時の反応性に優れることから好ましく用いられる。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、チオエステル結合を含むものであってもよい。このような結合を与える単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの単量体は、他の重合性単量体(B)に対して10モル%以下であるのが好ましい。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーには、式(I)で表されるジヒドロキシテレフタル酸およびその反応性誘導体からなる群より選択される重合性単量体(A)と共に、3以上の官能基を有する他の多官能重合性単量体を用いてもよい。他の多官能重合性単量体としては、4−ヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、トリメリット酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸およびピロメリット酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
他の重合性単量体(B)として、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸からなる群から選択される2種以上の化合物を併用することは、本発明の好ましい態様の一つである。上記態様には、他の重合性単量体(B)として、2種以上の芳香族ヒドロキシカルボン酸を用いる場合も包含される。
これら重合性単量体のうち、芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む組合せがより好適に用いられ、2種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の混合物が、高強度および高靭性を示す点から好ましい。
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールを含む組合せがさらに好適に用いられ、1種以上の芳香族ヒドロキシカルボン酸、1種以上の芳香族ジカルボン酸および1種以上の芳香族ジオールの混合物が高耐熱性を示す点から好ましい。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーに用いる、他の重合性単量体(B)の具体例としては、例えば下記の組合わせからなる混合物が挙げられる。
1)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、
2)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
3)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
4)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン、
5)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/ハイドロキノン、
6)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン、
7)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
8)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
9)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン、
10)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
11)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
12)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン、
13)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン、
14)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン、
15)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
16)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール、
17)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール、
18)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール、
19)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル /4−アミノフェノール、
20)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール、
21)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール、
22)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/エチレングリコール、
23)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール、
24)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル。
以下、本発明の積層体を構成する液晶ポリマーの製造方法について説明する。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーに用いるジヒドロキシテレフタル酸は、従来公知のいずれの方法によって得られたものであってもよい。一例として、特開2013−10741号公報に記載の方法に従い、ジヒドロキシテレフタル酸を得ることができる。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーを製造する方法に特に制限はなく、本発明の式(I)で表されるジヒドロキシテレフタル酸およびその反応性誘導体からなる群より選択される重合性単量体(A)ならびに他の重合性単量体(B)を、エステル結合またはアミド結合を形成させる公知の縮重合方法、たとえば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などに供することにより液晶ポリマーを得ることができる。
溶融アシドリシス法は、本発明の積層体を構成する液晶ポリマーを製造するのに好ましい方法である。この方法は、最初に重合性単量体を加熱して反応物質の溶融溶液を形成し、次いで縮重合反応を続けて溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合の最終段階で副生する揮発物(たとえば酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。
スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で重合性単量体を反応させる方法であって、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。
溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいずれの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用される重合性単量体(A)ならびに他の重合性単量体(B)は、いずれも、常温において、ヒドロキシル基および/またはアミノ基をアシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。
低級アシル基は炭素原子数2〜5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。特に好ましくは前記重合性単量体の成分のアセチル化物を反応に用いる方法が挙げられる。
重合性単量体の低級アシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリマーの製造時に重合性単量体に無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。
溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれの場合においても、重合反応は、温度150〜400℃、好ましくは250〜370℃で、常圧および/または減圧下で行うのがよく、必要に応じて触媒を用いてもよい。
触媒の具体例としては、ジアルキルスズオキシド(たとえばジブチルスズオキシド)、ジアリールスズオキシドなどの有機スズ化合物;二酸化チタンなどの金属酸化物;三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物;アルコキシチタンシリケート、チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物;カルボン酸のアルカリおよびアルカリ土類金属塩(たとえば酢酸カリウム);ルイス酸(たとえば三フッ化硼素)、ハロゲン化水素(たとえば塩化水素)などの気体状酸触媒などが挙げられる。
触媒を使用する場合、該触媒の量は他の重合性単量体(B)全量に対し、好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは2〜100ppmである。
このようにして重縮合反応されて得られた本発明の液晶ポリマーは、通常、溶融状態で重合反応槽より抜き出された後に、ペレット状、フレーク状、または粉末状に加工される。
ペレット状、フレーク状、または粉末状の液晶ポリマーは、分子量を高め耐熱性を向上させる目的などで、減圧下、真空下、または窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下において、実質的に固相状態で熱処理を行ってもよい。
固相状態において行う熱処理の温度は、液晶ポリマーが溶融しない限り特に限定されないが、260〜350℃、好ましくは280〜320℃で行うのがよい。
このようにして得られた液晶ポリマーには、無機または有機充填材、以下に説明するその他の添加剤、および他の樹脂成分から選択される一種以上を配合して、液晶ポリマー組成物としてもよい。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーに配合してもよい無機または有機充填材は、繊維状、板状または粒状のものであってよく、たとえばガラス繊維、ミルドガラス、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、ウォラストナイト、タルク、マイカ、グラファイト、炭酸カルシウム、ドロマイト、クレイ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、硫酸バリウム、および酸化チタンが挙げられる。これらの中では、ガラス繊維が物性とコストのバランスが優れている点で好ましい。これら充填材は、2種以上を併用してもよい。
液晶ポリマー組成物における、無機または有機充填材は、液晶ポリマー100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは5〜100重量部である。前記の無機または有機充填材が液晶ポリマー100重量部に対して200重量部を超える場合には、液晶ポリマー組成物の成形加工性が低下する傾向や、成形機のシリンダーや金型の磨耗が大きくなる傾向がある。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーには、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えば高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、炭素原子数10〜25のものをいう)、ポリシロキサン、フッ素樹脂などの離型改良剤;染料、顔料などの着色剤;酸化防止剤;熱安定剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;界面活性剤などを配合してもよい。これらの添加剤は1種のみを配合してもよく、または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
液晶ポリマー組成物における他の添加剤は、液晶ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。他の添加剤が液晶ポリマー100重量部に対して10重量部を超える場合には、液晶ポリマー組成物の成形加工性が低下する傾向や、熱安定性が悪くなる傾向がある。
また、本発明の積層体を構成する液晶ポリマーもしくは液晶ポリマー組成物を成形するに際し、上記他の添加剤のうち高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の外部滑剤効果を有する添加剤を、予め、液晶ポリマーのペレット表面に付着せしめてもよい。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマーには、他の樹脂成分を添加してもよい。他の樹脂成分としては、たとえばポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、およびその変性物、ならびにポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。他の樹脂成分は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。他の樹脂成分の配合量は特に限定的ではなく、液晶ポリマーの用途や目的に応じて適宜定めればよい。一つの典型的な例において、他の樹脂は、液晶ポリマー100重量部に対して0.1〜100重量部、特に0.1〜80重量部である。
本発明の積層体を構成する液晶ポリマー組成物は、無機または有機充填材、他の添加剤および他の樹脂成分等を液晶ポリマー中に添加し、これをバンバリーミキサー、ニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリマーの結晶融解温度近傍から結晶融解温度プラス100℃までの温度範囲で溶融混練して得ることができる。
上記の通り得られた液晶ポリマーは、一般的に要求される液晶ポリマーの物性値を十分に達成するものであり、好ましくは、融点が250℃〜350℃、荷重たわみ温度が150℃〜300℃、引張強度が200MPa〜300MPa、曲げ強度150MPa〜200MPa、曲げ弾性率が9GPa〜18GPa、Izod衝撃強度が300J/m〜600J/mおよびピール強度が8N/cm以上である。
このようにして得られた液晶ポリマーは、公知の方法によって、液晶ポリマーを含むフィルムに成形され、本発明の積層体の液晶ポリマー層に用いることができる。
尚、本発明において使用される液晶ポリマーを含むフィルムは任意の厚みであってもよく、板状またはシート状のものも包含する。
本発明の液晶ポリマーを含むフィルムを成形する方法は、特に限定されないが、例えば、Tダイから溶融した液晶ポリマーを押し出し巻き取るTダイ法、環状ダイスを設置した押し出し機から溶融した液晶ポリマーを円筒状に押し出し、冷却し巻き取るインフレーション製膜法、射出成形法や押し出し法で得られた液晶ポリマーをさらに一軸延伸する方法、液晶ポリマーを溶剤に溶解した後、溶剤を除く溶液キャスト法などが挙げられる。これらの中で、Tダイから溶融した液晶ポリマーを押し出し巻き取るTダイ法、環状ダイスを設置した押し出し機から溶融した液晶ポリマーを円筒状に押し出し、冷却し巻き取るインフレーション製膜法が好ましい。
溶液キャスト法でフィルムを製造する場合に使用される溶剤は、液晶ポリマーを溶解することができれば特に限定されないが、溶解性の観点から、ハロゲン置換フェノールが好ましく使用される。ハロゲン置換フェノールとしては、例えば、3,5−ビストリフルオロメチルフェノール、ペンタフロオロフェノール、テトラフルオロフェノール、パラクロルフェノールなどが挙げられる。
本発明に用いるフィルムは、必要に応じて表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、スパッタリング処理、溶剤処理、UV処理、プラズマ処理等が挙げられる。
このようにして得られた液晶ポリマーを含むフィルムからなる液晶ポリマー層上に、加熱圧着や接着剤による金属箔の貼付あるいはスパッタリング法、CVD法、めっき法などによる金属膜の形成により金属層を積層し、本発明の積層体が構成される。
本発明で使用される金属層は、例えば、金、銀、銅、ニッケル、ステンレス、マグネシウム合金およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属から構成され、好ましくは銅から構成される。
本発明の積層体を構成する金属層は、いわゆる金属箔から構成されることが好ましい。
本発明の積層体は、液晶ポリマー層と金属層の少なくとも二層を含む積層体であり、例えば、液晶ポリマー層と金属層との二層構造、液晶ポリマー層の両面に金属層を積層させた三層構造、または液晶ポリマー層と金属層を交互に積層させた五層構造などが挙げられる。
本発明の積層体における液晶ポリマー層の各層の厚さは、3〜1000μmであるのが好ましく、5〜800μmであるのがより好ましく、10〜500μmであるのが特に好ましい。
本発明の積層体における金属層の各層の厚さは、0.1〜300μmであるのが好ましく、1〜150μmであるのがより好ましく、3〜100μmであるのが特に好ましい。
また、本発明の積層体には、高強度を賦与する目的で、必要に応じて、熱処理を行なってもよい。
このような液晶ポリマー層と金属層とから構成される本発明の積層体は、密着強度が高いことから、プリント配線基板、高密度実装用多層基板、高機能電子材料、フレキシブル基板、高周波基板などの用途に使用することができ、特にプリント配線基板に好適に使用される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例における特性値は以下の方法によって測定した。
〈荷重たわみ温度〉
射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH1000−110)を用いて、短冊状試験片(長さ12.7mm×幅12.7mm×厚さ3.2mm)を成形し、これを用いてASTM D648に準拠し、荷重1.82MPa、昇温速度2℃/分で所定たわみ量(2.54mm)になる温度を測定した。
〈引張強度〉
型締め圧15tの射出成形機(住友重機械工業(株)製 MINIMAT M26/15)を用いて融点+20〜40℃のシリンダー温度、金型温度70℃で射出成形し、ダンベル状引張試験片(長さ63.5mm×幅3.5mm×厚さ2.0mm)を作製した。
INSTRON5567(インストロンジャパン カンパニイリミテッド社製万能試験機)を用いて、スパン間距離25.4mm、引張速度5mm/minで測定した。
〈曲げ強度、曲げ弾性率〉
引張強度測定に用いた成形片と同条件にし、短冊状曲げ試験片(長さ65mm×幅12.7mm×厚さ2.0mm)を作製した。曲げ試験は、3点曲げ試験をINSTRON5567(インストロンジャパンカンパニイリミティッド社製万能試験機)を用いて、スパン間距離40.0mm、圧縮速度1.3mm/minで行った。
〈Izod衝撃強度〉
曲げ強度測定に用いた試験片と同じ試験片を用いて、ASTM D256に準拠して測定した。
〈ピール強度〉
0.5mm厚の平滑な成形片を作製し、成形片と0.05mm厚の銅箔を真空プレス機により接着することによりピール強度測定用サンプルを得た。INSTRON5567(インストロンジャパンカンパニイリミティッド社製万能試験機)を用いて、引き剥がし幅10mm、引き剥がし速度25mm/min、引き剥がし角度90度でピール強度を測定した。サンプル数を8個として、それらのピール強度の平均値を求めた。
実施例1
下記化合物を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に40〜170℃の間を1時間かけて昇温し、170℃で30分保った後、330℃まで7時間かけて昇温し、さらに330℃で10分反応させた後、330℃で減圧を行った。次いで1.5時間かけて10torrまで減圧し、所定の攪拌トルクに達成した時点で重縮合を完結させた。反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量はほぼ理論量どおりであった。このポリマーの溶融粘度は17Pa・s(温度320℃、せん断速度1000s−1における測定値)であり、また融点は276℃であった。得られたペレットについて、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度およびピール強度を測定した。結果を表1に示す。

4−ヒドロキシ安息香酸: 73モル部
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸: 27モル部
ジヒドロキシテレフタル酸: 1モル部
無水酢酸: 102モル部
実施例2
下記化合物を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、実施例1と同様の手順で液晶ポリマーのペレットを得た。このポリマーの溶融粘度は、19Pa・s(温度320℃、せん断速度1000s−1における測定値)であり、また融点は279℃であった。得られたペレットについて、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度およびピール強度を測定した。結果を表1に示す。

4−ヒドロキシ安息香酸: 73モル部
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸: 27モル部
ジヒドロキシテレフタル酸: 0.5モル部
無水酢酸: 101.5モル部
実施例3
下記化合物を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、実施例1と同様の手順で液晶ポリマーのペレットを得た。このポリマーの溶融粘度は、23Pa・s(温度320℃、せん断速度1000s−1における測定値)であり、また融点は267℃であった。得られたペレットについて、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度およびピール強度を測定した。結果を表1に示す。

4−ヒドロキシ安息香酸: 73モル部
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸: 27モル部
ジヒドロキシテレフタル酸: 2.0モル部
無水酢酸: 103モル部
比較例1
下記化合物を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、実施例1と同様の手順で液晶ポリマーのペレットを得た。このポリマーの溶融粘度は、25Pa・s(温度320℃、せん断速度1000s−1における測定値)であり、また融点は279℃であった。得られたペレットについて、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度およびピール強度を測定した。結果を表1に示す。

4−ヒドロキシ安息香酸: 73モル部
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸: 27モル部
無水酢酸: 101モル部
Figure 2016093970
表1より、ジヒドロキシテレフタル酸をモノマー成分として用いた実施例1〜3の液晶ポリマーは、ジヒドロキシテレフタル酸をモノマー成分として用いなかった比較例1の液晶ポリマーと比べてピール強度が向上し、金属層と液晶ポリマー層との密着性に優れることが理解される。また、実施例1〜3の液晶ポリマーは、積層体の液晶ポリマー層に用いるために十分な融点、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率およびIzod衝撃強度をも有する。
実施例4
下記化合物を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に40〜170℃の間を1時間かけて昇温し、170℃で30分保った後、330℃まで7時間かけて昇温し、さらに330℃で10分反応させた後、330℃で減圧を行った。次いで1.5時間かけて10torrまで減圧し、所定の攪拌トルクに達成した時点で重縮合を完結させた。反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量はほぼ理論量どおりであった。このポリマーの溶融粘度は、23Pa・s(温度320℃、せん断速度1000s−1における測定値)であり、また融点は320℃であった。得られたペレットについて、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度およびピール強度を測定した。結果を表2に示す。

4−ヒドロキシ安息香酸: 70モル部
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸: 2モル部
ハイドロキノン: 14モル部
2,6−ナフタレンジカルボン酸: 14モル部
ジヒドロキシテレフタル酸: 1モル部
無水酢酸: 106.1モル部
比較例2
下記化合物を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、実施例3と同様の手順で液晶ポリマーのペレットを得た。このポリマーの溶融粘度は、16Pa・s(温度320℃、せん断速度1000s−1における測定値)であり、また融点は326℃であった。得られたペレットについて、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度およびピール強度を測定した。結果を表2に示す。

4−ヒドロキシ安息香酸: 70モル部
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸: 2モル部
ハイドロキノン: 14モル部
2,6−ナフタレンジカルボン酸: 14モル部
無水酢酸: 105モル部
Figure 2016093970
表2より、ジヒドロキシテレフタル酸をモノマー成分として用いた実施例4の液晶ポリマーは、ジヒドロキシテレフタル酸をモノマー成分として用いなかった比較例2の液晶ポリマーと比べてピール強度が向上し、金属層との液晶ポリマー層との密着性に優れることが理解される。また、実施例4の液晶ポリマーは、積層体の液晶ポリマー層に用いるために十分な融点、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率およびIzod衝撃強度をも有する。
実施例5
下記化合物を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に40〜170℃の間を1時間かけて昇温し、170℃で30分保った後、330℃まで7時間かけて昇温し、さらに330℃で10分反応させた後、330℃で減圧を行った。次いで1.5時間かけて10torrまで減圧し、所定の攪拌トルクに達成した時点で重縮合を完結させた。反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量はほぼ理論量どおりであった。このポリマーの溶融粘度は、19Pa・s(温度320℃、せん断速度1000s−1における測定値)であり、また融点は331℃であった。得られたペレットについて、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度およびピール強度を測定した。結果を表3に示す。

4−ヒドロキシ安息香酸: 42モル部
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸: 16モル部
ハイドロキノン: 21モル部
テレフタル酸: 21モル部
ジヒドロキシテレフタル酸: 1モル部
無水酢酸: 104モル部
比較例3
下記化合物を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、実施例5と同様の手順で液晶ポリマーのペレットを得た。このポリマーの溶融粘度は、16Pa・s(温度320℃、せん断速度1000s−1における測定値)であり、また融点は326℃であった。得られたペレットについて、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、Izod衝撃強度およびピール強度を測定した。結果を表3に示す。

4−ヒドロキシ安息香酸: 42モル部
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸: 16モル部
ハイドロキノン: 21モル部
テレフタル酸: 21モル部
無水酢酸: 103モル部
Figure 2016093970
表3より、ジヒドロキシテレフタル酸をモノマー成分として用いた実施例5の液晶ポリマーは、ジヒドロキシテレフタル酸をモノマー成分として用いなかった比較例3の液晶ポリマーと比べてピール強度が向上し、金属層との液晶ポリマー層との密着性に優れることが理解される。また、実施例5の液晶ポリマーは、積層体の液晶ポリマー層に用いるために十分な融点、荷重たわみ温度、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率およびIzod衝撃強度をも有する。

Claims (15)

  1. 液晶ポリマー層と金属層とから構成される積層体であって、
    前記液晶ポリマー層は、式(I)で表されるジヒドロキシテレフタル酸およびその反応性誘導体からなる群から選択される重合性単量体(A)を、他の重合性単量体(B)と共重合させて成る液晶ポリマーを含む、積層体。
    Figure 2016093970
  2. 前記液晶ポリマーにおいて、重合性単量体(A)は、他の重合性単量体(B)100モル部に対して0.01〜10モル部である、請求項1に記載の積層体。
  3. 他の重合性単量体(B)が、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸からなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 芳香族ヒドロキシカルボン酸が、4−ヒドロキシ安息香酸および/または2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸である、請求項3に記載の積層体。
  5. 芳香族ジカルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項3または4に記載の積層体。
  6. 芳香族ジオールが、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよび2,6−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項3〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 他の重合性単量体(B)は、芳香族ヒドロキシカルボン酸を含む、請求項3〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 他の重合性単量体(B)は、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールを含む、請求項3〜6のいずれかに記載の積層体。
  9. 他の重合性単量体(B)は、2種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の混合物である、請求項1または2に記載の積層体。
  10. 他の重合性単量体(B)は、1種以上の芳香族ヒドロキシカルボン酸、1種以上の芳香族ジカルボン酸および1種以上の芳香族ジオールの混合物である、請求項1または2に記載の積層体。
  11. 液晶ポリマー層は、無機充填材または有機充填材を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の積層体。
  12. 金属層は、金、銀、銅、ニッケル、ステンレス、マグネシウム合金およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属から構成される、請求項1〜11のいずれかに記載の積層体。
  13. 金属層は、銅から構成される、請求項12に記載の積層体。
  14. 液晶ポリマーを含むフィルムからなる液晶ポリマー層の表面に金属箔からなる金属層が接着されている、請求項1〜13のいずれかに記載の積層体。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の積層体を含んでなるプリント配線基板。
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