JP4701737B2 - 芳香族液晶ポリエステル及びその用途 - Google Patents

芳香族液晶ポリエステル及びその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP4701737B2
JP4701737B2 JP2005038854A JP2005038854A JP4701737B2 JP 4701737 B2 JP4701737 B2 JP 4701737B2 JP 2005038854 A JP2005038854 A JP 2005038854A JP 2005038854 A JP2005038854 A JP 2005038854A JP 4701737 B2 JP4701737 B2 JP 4701737B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic liquid
liquid crystal
crystal polyester
mol
structural unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005038854A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005272819A (ja
Inventor
朋也 細田
敏 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2005038854A priority Critical patent/JP4701737B2/ja
Publication of JP2005272819A publication Critical patent/JP2005272819A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4701737B2 publication Critical patent/JP4701737B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、芳香族液晶ポリエステル及びその用途に関する。
近年、芳香族液晶ポリエステルはその優れた低吸水性、耐熱性、薄肉成形性などにより、コネクターなどの表面実装の電子部品に幅広く用いられている。また最近では、この電子部品分野などにおいて、フィルム状の芳香族液晶ポリエステルが求められている。
そこで我々は、この要求に応え得るものとして、既に種々の提案をしている。
例えば、コンデンサー用フィルムに適したものとして、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位と、芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位と、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位等から実質的になる芳香族液晶ポリエステルを提案している(例えば、特許文献1参照)。
さらに、誘電損失が一層抑制されたフィルムを与えるものとして、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位と、芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位と、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位から実質的になる芳香族液晶ポリエステル(例えば、特許文献2参照)、熱による膨張が抑制されたフィルムを与えるものとして、パラヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位と、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来する繰り返し構造単位と、ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位から実質的になる芳香族液晶ポリエステル(例えば、特許文献3参照)等を提案している。
特開2002−359145号公報 特開2004−196930号公報 特開2004−244452号公報
本発明者等は、その後、芳香族液晶ポリエステルの組成について、さらに詳細に検討を重ねた結果、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位として、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来するという繰り返し構造単位を有し、かつ芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位として、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位とフェニレン系ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位とを有するという特定の芳香族液晶ポリエステルが、誘電損失が抑制され、耐熱性に優れたフィルムを与えるのみならずフルム加工性に優れることを見出すとともに、なかでも重量平均分子量Mwが25000以上という特定分子量の上記組成の芳香族液晶ポリエステルがとりわけ優れたフィルム加工性を示し、安定的に連続フィルムを与えることを見出し、本発明を完成した。
本発明の目的は、誘電損失が抑制され、耐熱性に優れたフィルムを与えるのみならずフルム加工性にも優れる芳香族液晶ポリエステル、及びフィルム加工性に一層優れ、安定的に連続フィルムを与える芳香族液晶ポリエステル等を提供することにある。
すなわち本発明は、[1]2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位(I)、下式(1)で示されるフェニレン系ジオールに由来する繰り返し構造単位(II)、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位(III)および下式(2)で示されるフェニレン系ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位(IV)を含有し、
Figure 0004701737
(式中、m、nは独立に0〜3の数値を表わす。)
これら(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して(I)の繰り返し構造単位が40〜74.8モル%、(II)の繰り返し構造単位が12.6〜30モル%、(III)+(IV)の繰り返し構造単位が12.6〜30モル%であり、かつ(III)/{(III)+(IV)}≧0.5の関係を満たす芳香族液晶ポリエステルを提供するものである。
また本発明は、[2](IV)の繰り返し構造単位が0.2〜15モル%であることを特徴とする上記[1]のポリエステル、
[3]重量平均分子量Mwが25000以上であることを特徴とする上記[1]、[2]のポリエステル、
[4]上記[1]〜[3]のポリエステルを、溶融押し出し成形してなることを特徴とする芳香族液晶ポリエステルフィルム、
[5]上記[3]のポリエステルを、インフレーション成形してなることを特徴とする芳香族液晶ポリエステルフィルム、
[6]上記[4]、[5]のフィルムと金属層とを有することを特徴とする積層体
等を提供するものである。
さらに本発明は、[7]上記[1]〜[3]のポリエステル100重量部に対し、充填剤0.1〜400重量部含有することを特徴とする芳香族液晶ポリエステル組成物、
[8]上記[7]のポリエステル組成物を、射出成形してなることを特徴とする芳香族液晶ポリエステル成形体
等をも提供するものである。
本発明によれば、芳香族液晶ポリエステルが、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位として、特定の繰り返し構造単位を有し、かつ芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位として、特定の2つの繰り返し構造単位とを有することにより、誘電損失が抑制され、耐熱性に優れたフィルムを与えるのみならずフィルム加工性にも優れるので、本発明は工業的に有利である。
さらに本発明によれば、芳香族液晶ポリエステルとして、特定の分子量を有する上記の芳香族液晶ポリエステルを用いることにより、フィルム加工性が一層向上し、安定的に連続フィルムを与えるので、本発明は工業的に極めて有利となる。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリエステルは、下記(I)〜(IV)の繰り返し構造単位を含有することを特徴とする。
(I)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位
(II)下式(1)で示されるフェニレン系ジオールに由来する繰り返し構造単位
(III)2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位
(IV)下式(2)で示されるフェニレン系ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位
Figure 0004701737
(式中、m、nは独立に0〜3の数値を表わす。)
また本発明における繰り返し構造単位は、(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して、(I)の繰り返し構造単位を40〜74.8モル%、(II)の繰り返し構造単位を12.6〜30モル%、(III)+(IV)の繰り返し構造単位を12.6〜30モル%含有し、かつ(III)/{(III)+(IV)}≧0.5の関係を満たすことが好ましい。
ここで、(I)の繰り返し構造単位が40モル%未満の場合や、(II)の繰り返し構造単位が30モル%を超える場合や、(III)+(IV)の繰り返し構造単位が30モル%を超える場合などは、芳香族液晶ポリエステルが液晶性を発現しにくくなる傾向にある。
一方、(I)の繰り返し構造単位が74.8モル%を超える場合や、(II)の繰り返し構造単位が12.6モル%未満の場合や、(III)+(IV)の繰り返し構造単位が12.6モル%未満の場合などは、芳香族液晶ポリエステルが溶融しにくくなり加工性が低下する傾向にある。また(III)/{(III)+(IV)}の値が0.5未満の場合は、芳香族液晶ポリエステルの誘電損失の抑制効果が減少する傾向にあり、いずれの場合も好ましくない。
繰り返し構造単位(I)は、(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して、40〜65モル%であることがより好ましく、一層好ましくは50〜60モル%である。
一方、繰り返し構造単位(II)及び(III)+(IV)は、いずれも(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して、30〜17.5モル%であることがより好ましく、一層好ましくは20〜25モル%である。
また繰り返し構造単位(IV)は0.2〜15モル%であることが好ましく、(III)/{(III)+(IV)}は0.4以上であることがより好ましい。
また繰り返し構造単位(II)の式(1)で示されるフェニレン系ジオールに由来する繰り返し構造単位としては、例えばハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン等に由来する構造単位が挙げられる。
なかでもハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等に由来する構造単位が好ましく、このことにより耐熱性をより向上し得る。より好ましくはハイドロキノンに由来する構造単位である。
繰り返し構造単位(IV)の式(2)で示されるフェニレン系ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位としては、例えばテレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ビス(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)ベンゼン等に由来する構造単位が挙げられる。なかでもテレフタル酸に由来する構造単位であることが好ましく、これにより耐熱性をより向上し得、またフィルム加工時における溶融状態での張力を向上し得、成形性を向上せしめることができる。
また本発明における各繰り返し構造単位は、いずれも置換基を有していても良く、その置換基としては例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基が挙げられる。この場合において、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等で代表される炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等で代表される炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
また本発明の芳香族液晶ポリエステルは、その重量平均分子量Mwが25000以上であることが好ましく、このことにより芳香族液晶ポリエステルの溶融張力が著しく増大する結果、フィルム加工性が一層向上し、安定的に連続フィルムが得られる。
重量平均分子量Mwは、25000〜300000であることがより好ましく、より一層好ましくは、30000〜280000、最も好ましくは50000〜150000である。
なお、重量平均分子量Mwは、通常、芳香族液晶ポリエステルを3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノールに60〜80℃程度の温度で1mg/ml程度の濃度になるように溶解させて、60℃でGPCにより測定される。
本発明の芳香族液晶ポリエステルは、上記のような繰り返し構造単位を含有するものである。
その製造方法としては、例えば、上記のような繰り返し構造単位に対応するモノマーやそのエステル形成誘導体を用い、溶融重縮合する公知の方法により比較的低分子量の芳香族液晶ポリエステル(以下、「プレポリマー」と略記する)を得(特開2002−146003号公報)、次いでこのプレポリマーを粉末とし、加熱することにより固相重合する方法が挙げられる。この固相重合により重合が進行して、高分子量化を図ることができる。なお、フェニレン系ジオール成分とジカルボン酸成分(2,6−ナフタレンジカルボン酸成分とフェニレン系ジカルボン酸成分の和)の使用モル比は、85/100〜100/85の範囲で変更し得る。
ここで、エステル形成誘導体として、原料がフェノール性水酸基を有する場合は、例えばカルボン酸類とのエステルであって、エステル交換反応によりポリエステルを生成するような誘導体が挙げられ、またカルボン酸を有する場合は、例えば酸塩化物、酸無水物などの反応活性が高くポリエステルを生成する反応を促進するような誘導体、アルコール類やエチレングリコール等とのエステルであって、エステル交換反応によりポリエステルを生成するような誘導体が挙げられる。
なかでもフェノール性水酸基を脂肪酸無水物等でアシル化したエステル形成性誘導体が好ましく用いられる。
具体的には2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、フェニレン系ジオール等のフェノール性水酸基を、脂肪酸無水物でアシル化したエステル形成性誘導体が好ましく用いられる。
ここで、脂肪酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸、これら2種以上の混合物等が挙げられる。 価格と取り扱い性の観点から脂肪酸無水物は、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸が好ましく使用され、無水酢酸がより好ましく使用される。
このような脂肪酸無水物は、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸および芳香族ジオールのフェノール性水酸基の合計モル数に対し、通常1〜1.2倍当量使用される。
1倍当量未満の場合には、アシル化反応時の平衡が脂肪酸無水物側にずれてポリエステルへの重合時に未反応の芳香族ジオールまたは芳香族ジカルボン酸が昇華し、反応系が閉塞する傾向があり、また1.2倍当量を超える場合には、得られる芳香族液晶ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
脂肪酸無水物の使用量は、成形品からのアウトガス抑制、成形品の耐ハンダブリスター性向上などの観点からは、1〜1.05倍当量がより好ましく、1.03〜1.05倍当量がさらに好ましい。また、衝撃強度向上の観点からは、1.05〜1.17倍当量が好ましく、1.05〜1.15倍当量がさらに好ましい。
脂肪酸無水物を用いるアシル化反応は、通常130℃〜180℃程度の温度で30分〜20時間程度の時間で実施される。好ましくは、140〜160℃程度の温度で1〜5時間程度である。かかる反応条件等は、特開2002−220444号公報および特開2002−146003号公報に記載の方法が推奨される。
かくして、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸および芳香族ジオールのフェノール性水酸基を脂肪酸無水物等でアシル化したエステル形成性誘導体が得られる。
本発明の芳香族液晶ポリエステルは、このようなエステル形成性誘導体のアシル基と、2,6-ナフタレンジカルボン酸、フェニレン系ジカルボン酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のアシル化物等におけるカルボキシル基とを反応させて、エステル交換反応により重縮合せしめることにより得ることができる。
そこで次にこのエステル交換反応について説明する。
エステル交換反応は、通常130〜330℃の範囲で0.1〜50℃/分の割合で昇温させながら反応させる。150〜320℃の範囲で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら反応させることが好ましい。反応を330℃以上で行うと、芳香族液晶ポリエステルの高溶融粘度、高融点化が促進され反応装置からのプレポリマーの全量排出がしにくくなる傾向にあるため好ましくない。なおそのようなプレポリマーを目的とする場合は、バッチ式繰り返し重合法により実施し、生産性の低下を防止することもできる。
また反応により副生する脂肪酸、未反応の脂肪酸無水物等は、蒸発させて系外へ留去することが好ましい。この場合、留出する脂肪酸の一部を還流させて反応器に戻すことによって、脂肪酸と同伴して蒸発または昇華する原料などを凝縮または逆昇華し、反応器に戻すこともでき、例えば析出したカルボン酸を脂肪酸とともに反応器に戻すことができる。
なお、アシル化反応、エステル交換は、触媒の存在下に行ってもよい。該触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N−ジメチルアミノピリジン、1―メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。
このような触媒は、通常、アシル化時に共存させ、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しないままエステル交換を行うことができる。
これらの触媒の中で、N,N−ジメチルアミノピリジン、1−メチルイミダゾールなどの窒素原子を2個以上含む複素環状有機塩基化合物が好ましく使用される。
該窒素原子を2個以上含む複素環状化合物を用いた芳香族液晶ポリエステルの製造方法としては、特開2002−146003号公報に記載の方法が推奨される。
上記のようなエステル交換反応により得られたプレポリマーは、通常、固相重合に供される。固相重合させるには、得られたプレポリマーを粉末とし、加熱すればよい。加熱によって、微粉状態のまま芳香族液晶ポリエステルの重合が進行して、その重合度が向上し、高重合度の芳香族液晶ポリエステルを得ることができる。
ここで、プレポリマーを粉末とするには、例えばプレポリマーを冷却固化した後に粉砕すればよい。粉末の粒子径は、通常0.05〜3mm程度である。0.05〜1.5mm程度であることが好ましく、これにより芳香族液晶ポリエステルの高重合度化が促進される。0.1〜1.0mm程度であることがより好ましく、これにより粉末の粒子間のシンタリングを生じることなく芳香族液晶ポリエステルの高重合度化が促進される。
固相重合における加熱は、通常昇温しながら行われ、例えば室温からプレポリマーの流動開始温度より20℃以上低い温度まで昇温させる。このときの昇温時間は、特に限定されるものではないが、反応時間の短縮といった観点から1時間以内で行うことが好ましい。
次いで、プレポリマーの流動開始温度より20℃以上低い温度から300〜350℃の温度まで、0.3℃/分以下の昇温速度で昇温させる。当該昇温速度は、好ましくは0.1〜0.15℃/分である。昇温速度が0.3℃/分以下であれば、粉末の粒子間のシンタリングが生じにくいため高分子量の芳香族液晶ポリエステルの製造が容易となるので好ましい。
最後に300〜400℃の範囲で30以上熱保持させることにより、高分子量の芳香族液晶ポリエステルを得ることができる。とりわけ300〜350℃の範囲で4〜30時間程度保持させることが好ましく、これにより一層高分子量の、例えば重量平均分子量(Mw)が25000以上の芳香族液晶ポリエステルを製造し得る。
熱保持は、芳香族液晶ポリエステルの熱安定性の点からは、300〜340℃で4〜20時間程度であることが好ましく、より好ましくは305〜335℃で4〜15時間程度である。
かくして本発明の芳香族液晶ポリエステルが得られる。これを成膜して、芳香族液晶ポリエステルフィルムを製造するに当っては、溶融押出し成形法が採用される。その具体方法としては、例えば、芳香族液晶ポリエステルを押し出し機で溶融混練し、Tダイを通して押し出した溶融樹脂を巻き取り機の方向(長手方向)に延伸しながら巻き取って一軸配向フィルムを得る方法、後述の二軸延伸フィルムを得る方法、円筒形のダイから押し出した溶融体シートをインフレーション法で成膜してインフレーションフィルムを得る方法などが挙げられる。
ここで、一軸配向フィルムの製造時の押し出し機の設定温度は、芳香族液晶ポリエステルのモノマー組成に応じて異なるが、通常280〜400℃程度、好ましくは320〜380℃程度である。シリンダーの設定温度が280〜400℃程度であると、芳香族液晶ポリエステルの熱分解を抑制し得、成膜が容易になる。
Tダイのスリット間隔は、通常0.1〜2mm程度であり、また一軸配向フィルムのドラフト比は、通常、1.1〜45程度の範囲である。ここでいうドラフト比とは、Tダイスリットの断面積を長手方向のフィルム断面積で除した値をいう。ドラフト比が1.1以上であると、フィルム強度が向上する傾向があり、ドラフト比が45以下であると、フィルムの表面平滑性に優れる傾向がある。ドラフト比は、押し出し機の設定条件、巻き取り速度などにより調整することができる。
また二軸延伸フィルムは、一軸配向フィルムと同様の押し出し機の設定条件、即ちシリンダーの設定温度が、通常、280〜400℃程度、好ましくは320〜380℃程度であり、Tダイのスリット間隔は、通常、0.1〜2mmの範囲で溶融押し出しを行う。
二軸延伸方法としては、Tダイから押し出した溶融体シートを長手方向および長手方向と垂直方向(横手方向)に同時に延伸する方法、Tダイから押し出した溶融体シートをまず長手方向に延伸し、ついでこの延伸シートを同一工程内で100〜400℃の高温下でテンターより横手方向に延伸する逐次延伸の方法などが挙げられる。
二軸延伸フィルムの延伸比は、長手方向に1.1〜20倍、横手方向に1.1〜20倍の範囲であることが好ましい。延伸比が上記の範囲内であると、得られるフィルムの強度に優れ、均一な厚みのフィルムを得ることが容易になる。
またインフレーションフィルムは、芳香族液晶ポリエステルを環状スリットのダイを備えた溶融混練押し出し機に供給し、シリンダー設定温度を、通常、280〜400℃程度、好ましくは320〜380℃程度に保持して溶融混練を行って、押し出し機の環状スリットから筒状の芳香族ポリエステルフィルムを上方または下方へ押し出す。環状スリットの間隔は、通常、0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mm、環状スリットの直径は、通常、20〜1000mm、好ましくは25〜600mmである。
溶融押し出された筒状の溶融樹脂フィルムに、長手方向(MD)にドラフトをかけるとともに、この筒状溶融樹脂フィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば、窒素ガス等を吹き込むにより、長手方向と直角な横手方向(TD)にフィルムを膨張延伸させる。
ここで、ブローアップ比(最終チューブ径と初期径の比)は、通常、1.5〜10である。
MD延伸倍率は、通常、1.5〜40であり、この範囲内であると厚さが均一でしわのない高強度の芳香族液晶ポリエステルフィルムを得ることができる。
膨張延伸させたフィルムは、空冷または水冷させた後、ニップロールを通過させて引き取る。
またインフレーション成膜に際しては、芳香族液晶ポリエステルの組成に応じて、筒状の溶融体フィルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条件を選択することが好ましい。
以上のようにして得られた本発明の芳香族液晶ポリエステルフィルムの厚みは、製膜性や機械特性の観点から、通常、0.5〜500μmであり、取り扱い性の観点から1〜300μmであることが好ましい。
また本発明の芳香族液晶ポリエステルフィルムは、本発明の目的を損なわない範囲で、フィラー、添加剤等を含有することもできる。
ここで、フィラーとしては、例えば、エポキシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、スチレン樹脂などの有機系フィラー、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、カオリン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウムなどの無機フィラーなどが挙げられる。
添加剤としては、例えば、カップリング剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などが挙げられる。
さらに本発明の芳香族液晶ポリエステルフィルムは、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテルおよびその変性物、ポリエーテルイミドなどの熱可塑性樹脂、グリシジルメタクリレートとポリエチレンの共重合体などのエラストマーなどを一種または二種以上を含有することもできる。
また、本発明の芳香族液晶ポリエステルフィルムには、金属層を積層することもできる。金属層を積層するにあたって、芳香族液晶ポリエステルフィルムの金属層を積層する面には、接着力を高めるためコロナ放電処理、紫外線照射処理、またはプラズマ処理を実施してもよい。
ここで、本発明の芳香族液晶ポリエステルフィルムに金属層を積層する方法としては、例えば、
(1)芳香族液晶ポリエステルフィルムを加熱圧着により金属箔に貼付する方法、
(2)芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属箔とを接着剤により貼付する方法、
(3)芳香族液晶ポリエステルフィルムに金属層を蒸着により形成する方法
等が挙げられる。
中でも、(1)の積層方法は、プレス機または加熱ロールを用いて芳香族液晶ポリエステルフィルムの流動開始温度付近で金属箔と圧着する方法であり、容易に実施できることから推奨される。
また(2)の積層方法において使用される接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤、ポリウレタン接着剤などが挙げられる。中でもエポキシ基含有エチレン共重合体などが接着剤として好ましく使用される。
(3)の積層方法としては、例えば、イオンビームスパッタリング法、高周波スパッタリング法、直流マグネトロンスパッタリング法、グロー放電法などが挙げられる。中でも高周波スパッタリング法が好ましく使用される。
金属層を積層するに当り使用される金属としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなどが挙げられる。タブテープ、プリント配線板用途では銅が好ましく、コンデンサー用途ではアルミニウムが好ましい。
また積層体の構造としては、例えば、芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属層との二層構造、芳香族液晶ポリエステルフィルム両面に金属層を積層させた三層構造、芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属層を交互に積層させた多層構造などが挙げられる。 該積層体には、高強度発現の目的で、必要に応じて、熱処理を行ってもよい。
以上のように、本発明の芳香族液晶ポリエステルは、耐熱性とフィルム加工性のバランスに優れ、誘電損失の小さいフィルムが得られるので、該芳香族液晶ポリエステルを溶融成形して得られる芳香族液晶ポリエステルフィルムは、好適にフレキシブルプリント配線板やリジッドプリント配線板、モジュール基盤などの電子基盤用の基板材料、層間絶縁材料及び表面保護フィルムなどに使用される。また、該芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属層との積層体は、コンデンサーや電磁波シールド材として使用される。
また本発明の芳香族液晶ポリエステルは、これに充填剤等を含有せしめることにより芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物とすることもできる。
ここで、充填剤としては、例えば、ミルドガラスファイバー、チョップドガラスファイバー等のガラス繊維、ガラスビーズ、中空ガラス球、ガラス粉末、マイカ、タルク、クレー、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウム、ウォラスナイト、炭酸カルシウム(重質、軽質、膠質等)、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸ソーダ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、けい酸カルシウム、けい砂、けい石、石英、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄グラファイト、モリブデン、アスベスト、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、石膏繊維、炭素繊維、カーボンブラック、ホワイトカーボン、けいそう土、ベントナイト、セリサイト、シラス、黒鉛等の無機充填剤;チタン酸カリウムウイスカー、アルミナウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、炭化けい素ウイスカ、窒化けい素ウイスカ等の金属または非金属系ウイスカ類、これら2種以上の混合物等が挙げられる。中でもガラス繊維、ガラス粉末、マイカ、タルク、炭素繊維等が好適である。
また充填剤は、表面処理がなされたものであってもよい。 表面処理剤としてはシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ボラン系カップリング剤等の反応性カップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の潤滑剤等が挙げられる。
これら充填剤の使用量は、芳香族液晶ポリエステル100重量部に対し、通常、0.1〜400重量部の範囲であり、好ましくは、10〜400重量部、より好ましくは、10〜250重量部の範囲である。
また本発明の芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物は、前記の充填剤の他に芳香族液晶ポリエステル以外の熱可塑性樹脂や添加剤などを含有してもよい。
ここで、添加剤としては、例えば、フッ素樹脂、金属石鹸類などの離型改良剤、核剤、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、着色防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、潤滑剤および難燃剤などが挙げられる。
また熱可塑性樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等が挙げられる。
本発明の芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物は、例えば、前記のようして得られた芳香族液晶ポリエステルと上記のような充填剤、必要に応じて使用される熱可塑性樹脂や添加剤等を混合することにより製造し得る。混合は、乳鉢、ヘンシェルミキサー、ボールミル、リボンブレンダー等を用いても良いし、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、ニーダー等の溶融混練機を用いても良い。
かくして得られる芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物は、例えば押出成形機、射出成形機、圧縮成形機、ブロー成形機等の成形機により成形体を製造し得る。なかでも射出成形における溶融成形性に優れ、この方法によれば耐熱性にも一層優れ、誘電損失も一層抑制された成形体が得られる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
流動開始温度は下記の方法で測定した。
フローテスター〔島津製作所社製、「CFT−500型」〕を用いて試料量約2gを内径1mm、長さ10mmのダイスを取付けた毛細管型レオメーターに充填させる。9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下において昇温速度4℃/分で芳香族ポリエステルをノズルから押出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポイズ)を示す温度を流動開始温度とした。
重量平均分子量Mwは下記の方法で測定した。
試料10mgを入れたサンプル瓶に溶剤として3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノールを加えて濃度1mg/mlとし、内温60〜80℃における温度範囲において試料を溶解させる。試料溶解後、溶液を0.45μmフィルターにてろ過し、ろ過した試料についてGPC法によりRI、粘度両検出器を用いて標準ポリスチレン換算の分子量を算出した。
フィルム特性は下記の方法で評価した。
誘電率、誘電損失は、ヒューレットパッカード(株)製インピーダンス・マテリアルアナライザーにより測定した。
ハンダ耐熱性(フィルムの耐発泡性(ブリスター))は、フィルムを280℃のH60Aハンダ(スズ60%、鉛40)に120秒浸漬し、発泡が見られない場合を○とした。
フィルム加工性は下記の方法で評価した。
芳香族ポリエステルの粉末を、一軸押し出し機(スクリュー径50mm)内で溶融し、その押し出し機先端のTダイ(リップ長さ300mm、リップクリアランス1mm、ダイ温度360℃)より、ドラフト比4の条件でフィルム状に押し出し、冷却して厚さ250μmの芳香族液晶ポリエステルフィルムを製造する。30分間連続的にフィルムが得られた場合は○、30分以内でフィルムが切れてしまった場合は×とした。
芳香族ポリエステルの溶融張力(MT)は下記の方法で評価した。
東洋精機株式会社製キャピログラフを用いた。使用したシリンダーバレル径は1mmφでMT測定時のストランド引取り速度は20m/分である。測定温度については加工温度近傍である345±5℃に設定しそれぞれのMT測定値(g)を算出した。またMT測定時に芳香族ポリエステルの固化速度が速いためMT測定が困難であった場合は×とした。固化速度が速くMT測定が困難な場合はその測定温度でのフィルム加工性が低下する傾向にある。
実施例1(参考)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸940.9g(5.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル512.08g(2.75モル、0.25モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸497.24g(2.3モル)、テレフタル酸33.23g(0.2モル)、無水酢酸1179.14(11.5モル)および触媒としての1−メチルイミダゾール0.198gを加え、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度で攪拌しながら1時間保温し、1−メチルイミダゾール5.94gを追加した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度で2時間10分保温してプレポリマーを得た。このプレポリマーを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、プレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
この粉末についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、273℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から325℃まで10時間かけて昇温し、次いで同温度で12時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末について、フローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、335℃であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1に示した。
実施例2(参考)
実施例1において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルの代わりにハイドロキノン302.8g(2.75モル、0.25モル過剰に使用。)用い、無水酢酸を1232.74g(12.08モル)用い、1−メチルイミダゾールを0.17g用いる以外は、実施例1と同様に、室温攪拌、昇温、保温した。
次いで、1−メチルイミダゾールを追加することなしに、副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら実施例1と同様に昇温し、保温を2時間することによりプレポリマーを得た。
次いで、実施例1と同様にしてプレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。流動開始温度は277℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は326℃であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1に示した。
実施例3(参考)
実施例1において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルの代わりにハイドロキノン302.8g(2.75モル、0.25モル過剰に使用。)用い、2,6−ナフタレンジカルボン酸を432.38g(2.0モル)、テレフタル酸を83.07g(0.5モル)、無水酢酸を1232.74(12.08モル)、1−メチルイミダゾールを0.17g用いる以外は、実施例1と同様に、室温攪拌、昇温、保温した。
次いで、1−メチルイミダゾールを追加することなしに、副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら実施例1と同様に昇温し、保温を2時間15分することによりプレポリマーを得た。
次いで、実施例1と同様にしてプレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。流動開始温度は264℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で5時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は338℃であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1に示した。
実施例4(参考)
実施例1において、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を1034.99g(5.5モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルの代わりにハイドロキノンを272.52g(2.475モル、0.225モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸を443.19g(2.05モル)、テレフタル酸を33.23g(0.2モル)、無水酢酸を1226.87(12.1モル)、1−メチルイミダゾールを0.17g用いる以外は、実施例1と同様に、室温攪拌、昇温、保温した。
次いで、1−メチルイミダゾールを追加することなしに、副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら実施例1と同様に昇温し、保温を3時間することによりプレポリマーを得た。
次いで、実施例1と同様にしてプレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。流動開始温度は282℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は349℃であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1に示した。
実施例5(参考)
実施例1において、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を1034.99g(5.5モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルの代わりにハイドロキノンを272.52g(2.475モル、0.225モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸を378.33g(1.75モル)、テレフタル酸を83.07g(0.5モル)、無水酢酸を1226.87(11.9モル)、1−メチルイミダゾールを0.17g用いる以外は、実施例1と同様に、室温攪拌、昇温、保温した。
次いで、1−メチルイミダゾールを追加することなしに、副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら実施例1と同様に昇温し、保温を3時間することによりプレポリマーを得た。
次いで、実施例1と同様にしてプレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。流動開始温度は261℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は330℃であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1、2に示した。
実施例6(参考)
実施例1において、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を1129.08g(6.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルの代わりにハイドロキノンをハイドロキノン242.24g(2.2モル、0.2モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸を389.14g(1.8モル)、テレフタル酸を33.23g(0.2モル)、無水酢酸を1221g(11.96モル)、1−メチルイミダゾールを0.17g用いる以外は、実施例1と同様に、室温攪拌、昇温、保温した。
次いで、1−メチルイミダゾールを追加することなしに、副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら実施例1と同様に昇温し、保温を3時間することによりプレポリマーを得た。
次いで、実施例1と同様にしてプレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。流動開始温度は272℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は347℃であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1に示した。
実施例7(参考)
実施例1において、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を1129.08g(6.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルの代わりにハイドロキノンをハイドロキノン242.24g(2.2モル、0.2モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸を324.29g(1.5モル)、テレフタル酸を83.07g(0.5モル)、無水酢酸を1221g(11.96モル)、1−メチルイミダゾールを0.17g用いる以外は、実施例1と同様に、室温攪拌、昇温、保温した。
次いで、1−メチルイミダゾールを追加することなしに、副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら実施例1と同様に昇温し、保温を1時間15分することによりプレポリマーを得た。
次いで、実施例1と同様にしてプレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。流動開始温度は263℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は334℃であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1に示した。
比較例1
実施例1において、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の代わりにp―ヒドロキシ安息香酸を911g(6.6モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを409g(2.2モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸の代わりにイソフタル酸を91g(0.55モル)、テレフタル酸を274g(1.65モル)、無水酢酸を1235g(12.1モル)用い、1−メチルイミダゾールは用いない以外は、実施例1と同様に、室温攪拌、昇温、保温した。
次いで、1−メチルイミダゾールを追加することなしに、副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら実施例1と同様に昇温し、保温を1時間することによりプレポリマーを得た。
次いで、実施例1と同様にしてプレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。流動開始温度は255℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から290℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は336℃
であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1、2に示した。
比較例2
実施例1において、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を987.95g(5.25モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを486.47g(2.612モル、0.237モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸を513.45g(2.375モル)、無水酢酸を1174.04(11.5モル)、1−メチルイミダゾールを0.194g用い、テレフタル酸を用いない以外は、実施例1と同様に、室温攪拌、昇温、保温した。
次いで、1−メチルイミダゾールを5.83g追加して、副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら実施例1と同様に昇温し、保温を2時間することによりプレポリマーを得た。
次いで、実施例1と同様にしてプレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。流動開始温度は273℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から325℃まで10時間かけて昇温し、次いで同温度で12時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は349℃であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1に示した。
比較例3
実施例1において、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を1034.99g(5.5モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを460.87g(2.475モル、0.225モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸を486.43g(2.25モル)、無水酢酸を1174.04(11.5モル)、1−メチルイミダゾールを0.194g用い、テレフタル酸を用いない以外は、実施例1と同様に、室温攪拌、昇温、保温した。
次いで、1−メチルイミダゾールを5.82g追加して、副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら実施例1と同様に昇温し、保温を2時間することによりプレポリマーを得た。
次いで、実施例1と同様にしてプレポリマーの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。流動開始温度は273℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から325℃まで10時間かけて昇温し、次いで同温度で12時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は352℃であった。各種特性の評価結果もとりまとめて表1に示した。
Figure 0004701737
表1中の略号の説明
POB:p―ヒドロキシ安息香酸
BON:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸
DOD:4,4’−ジヒドロキシビフェニル
HQ:ハイドロキノン
NDCA:2,6−ナフタレンジカルボン酸
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
NI:1−メチルイミダゾール
実施例8
実施例5で得られたプレポリマーの粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から305℃まで10時間かけて昇温し、次いで同温度で12時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は342℃であった。このもののフィルム加工性評価結果、得られたフィルムの物性評価結果を表2に示した。
実施例9
実施例5で得られたプレポリマーの粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から310℃まで10時間かけて昇温し、次いで同温度で12時間保温して固相重合させた後、冷却することにより、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。この粉末の流動開始温度は348℃であった。このもののフィルム加工性評価結果、得られたフィルムの物性評価結果を表2に示した。
Figure 0004701737

Claims (7)

  1. 2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位(I)、下式(1)で示されるフェニレン系ジオールに由来する繰り返し構造単位(II)、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位(III)およびテレフタル酸に由来する繰り返し構造単位(IV)を含有し、
    Figure 0004701737
    (式中、mは0又は1を表わす。)
    これら(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して(I)の繰り返し構造単位が5060モル%、(II)の繰り返し構造単位が2025モル%、(III)+(IV)の繰り返し構造単位が2025モル%であり、かつ(III)/{(III)+(IV)}≧0.5の関係を満たし、重量平均分子量が25000以上であることを特徴とする芳香族液晶ポリエステル。
  2. (IV)の繰り返し構造単位が、(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して、0.2〜15モル%であることを特徴とする請求項1に記載芳香族液晶ポリエステル。
  3. 請求項1又は2に記載の芳香族液晶ポリエステルを、溶融押し出し成形してなることを特徴とする芳香族液晶ポリエステルフィルム。
  4. 請求項1又は2に記載の芳香族液晶ポリエステルを、インフレーション成形してなることを特徴とする芳香族液晶ポリエステルフィルム。
  5. 請求項又は4に記載の芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属層とを有することを特徴とする積層体。
  6. 請求項1又は2に記載の芳香族液晶ポリエステル100重量部に対し、充填剤0.1〜400重量部含有することを特徴とする芳香族液晶ポリエステル組成物。
  7. 請求項記載の芳香族液晶ポリエステル組成物を、射出成形してなることを特徴とする芳香族液晶ポリエステル成形体。
JP2005038854A 2004-02-27 2005-02-16 芳香族液晶ポリエステル及びその用途 Active JP4701737B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005038854A JP4701737B2 (ja) 2004-02-27 2005-02-16 芳香族液晶ポリエステル及びその用途

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004053330 2004-02-27
JP2004053330 2004-02-27
JP2005038854A JP4701737B2 (ja) 2004-02-27 2005-02-16 芳香族液晶ポリエステル及びその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005272819A JP2005272819A (ja) 2005-10-06
JP4701737B2 true JP4701737B2 (ja) 2011-06-15

Family

ID=35172812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005038854A Active JP4701737B2 (ja) 2004-02-27 2005-02-16 芳香族液晶ポリエステル及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4701737B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007154169A (ja) * 2005-11-08 2007-06-21 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル樹脂組成物及び電子部品用成形品
JP5281751B2 (ja) * 2006-02-13 2013-09-04 住友化学株式会社 液晶性ポリマー組成物及びその製造方法、並びに、これを用いた成形品及び平面状コネクター
JP2008075063A (ja) * 2006-08-22 2008-04-03 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶性ポリマー成形体
JP2009108179A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶性ポリエステル樹脂組成物および当該樹脂組成物からなるコネクター
JP5032958B2 (ja) * 2007-11-28 2012-09-26 ポリプラスチックス株式会社 全芳香族ポリエステル及びポリエステル樹脂組成物
JP2010043380A (ja) 2008-08-13 2010-02-25 Sumitomo Chemical Co Ltd 繊維製造用材料並びにこれを用いた繊維及び不織布
JP5276561B2 (ja) * 2008-09-30 2013-08-28 住友化学株式会社 液晶ポリエステルの製造方法
JP2011042740A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Sumitomo Chemical Co Ltd 耐光性部材
JP2012116906A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂含浸シート及び導電層付き樹脂含浸シート
JP2020193261A (ja) * 2019-05-27 2020-12-03 上野製薬株式会社 液晶ポリマー組成物
WO2021124966A1 (ja) 2019-12-19 2021-06-24 住友化学株式会社 液晶性ポリエステルの製造方法及び液晶性ポリエステル

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5610526A (en) * 1979-07-02 1981-02-03 Celanese Corp Melttworkable polyester of 66hydroxyy22naphthoic acid* aromatic diol and aromatic pyrooacid
JPH0269517A (ja) * 1988-09-02 1990-03-08 Sumitomo Chem Co Ltd 芳香族ポリエステルの製造方法
JPH08509020A (ja) * 1993-05-14 1996-09-24 イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 液晶ポリマー組成物
JP2001011163A (ja) * 1999-07-01 2001-01-16 Nippon Mitsubishi Oil Corp 液晶性ポリエステル組成物
JP2002359145A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Sumitomo Chem Co Ltd コンデンサー用芳香族液晶ポリエステルフィルム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5610526A (en) * 1979-07-02 1981-02-03 Celanese Corp Melttworkable polyester of 66hydroxyy22naphthoic acid* aromatic diol and aromatic pyrooacid
JPH0269517A (ja) * 1988-09-02 1990-03-08 Sumitomo Chem Co Ltd 芳香族ポリエステルの製造方法
JPH08509020A (ja) * 1993-05-14 1996-09-24 イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 液晶ポリマー組成物
JP2001011163A (ja) * 1999-07-01 2001-01-16 Nippon Mitsubishi Oil Corp 液晶性ポリエステル組成物
JP2002359145A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Sumitomo Chem Co Ltd コンデンサー用芳香族液晶ポリエステルフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005272819A (ja) 2005-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4701737B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステル及びその用途
KR101164840B1 (ko) 방향족 액정 폴리에스테르
JP4470390B2 (ja) 液晶性ポリエステル溶液組成物
JP4269675B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステルおよびそのフィルム
JP4639756B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステルおよびそのフィルムならびにそれらの用途
JP4466217B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステルフィルムおよび積層体
JP2007106107A (ja) 液晶ポリエステル銅張積層板
TW202128857A (zh) 電路基板用lcp樹脂組合物、電路基板用lcp膜及其製造方法
JP2008100528A (ja) 芳香族液晶ポリエステルおよびそのフィルム
JPWO2021106764A1 (ja) 回路基板用lcpフィルムの製造方法、及び回路基板用tダイ溶融押出lcpフィルム
JP2011096471A (ja) シールド層付き携帯電話用ケーブル
JP4479355B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステルフィルム積層体およびそれを用いてなるフレキシブルプリント配線板
JP4946066B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステル及びそれから得られるフィルム
JP2011157533A (ja) 液晶ポリエステル組成物及びそのフィルム
JP4306268B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステルおよびそのフィルム
WO2011071002A1 (ja) ラベル
JP5684689B2 (ja) ポリエステル樹脂およびそれを用いたポリエステルフィルム
WO2011071003A1 (ja) 電磁コイル用絶縁フィルムおよびそれを備えたモーターおよびトランス
JP4207676B2 (ja) 芳香族ポリエステルおよびそのフィルム
JP2009292852A (ja) 全芳香族ポリエステル
JP5274761B2 (ja) 全芳香族ポリエステル
JP2009280831A (ja) 液晶性ポリエステル溶液組成物
JP5492569B2 (ja) ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いた二軸配向ポリエステルフィルム
JP2012169535A (ja) タブ用キャリアテープ及びタブテープ
JP2005200495A (ja) 接着用液晶性樹脂組成物およびそれからなる成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080111

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080131

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110221

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4701737

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350