JP3257097B2 - 均質性の改良された共重合ポリエステル - Google Patents

均質性の改良された共重合ポリエステル

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JP3257097B2 JP34462692A JP34462692A JP3257097B2 JP 3257097 B2 JP3257097 B2 JP 3257097B2 JP 34462692 A JP34462692 A JP 34462692A JP 34462692 A JP34462692 A JP 34462692A JP 3257097 B2 JP3257097 B2 JP 3257097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融重合のみで得ら
れ、優れた溶融流動性、光学異方性を有し、通常の成形
方法により優れた耐熱性および機械的性質を有する成形
品を与え得る均質性の改良された共重合ポリエスエルに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規機能性を有するポリマ
が数多く開発されており、なかでも光学異方性の液晶ポ
リマが優れた機械的性質を有する点で注目されている
(特開昭51−8395号公報、特開昭49−7239
3号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記液晶ポリマとして
は例えばp−ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフ
タレートを共重合した液晶ポリマが知られている(特開
昭49−72393号公報)。しかしながらこのポリマ
は耐熱性が十分でなかったり、機械物性が不良であると
いう欠点を有し、このポリマからは両者の特性を満足す
る射出成形品が得られないことがわかった。しかも耐熱
性を向上させるにはp−ヒドロキシ安息香酸の量を80
モル%以上必要とするが、この際重合時に固化が起こ
り、固相重合が必要であることもわかった。
【0004】一方、このようなポリマの流動性を向上さ
せて、溶融成形性を改良し、さらに機械的性質を向上さ
せる手段としては、例えば特開昭51−8395号公報
に記載されているように、ポリエチレンテレフタレート
にp−アシルオキシ安息香酸と芳香族ジカルボン酸およ
び芳香族ジオールを共重合する方法が提案されている
が、この方法とて得られる射出成形品の機械的性質は向
上するが耐熱性が不十分であることがわかった。
【0005】よって、本発明は上記の問題を解決し、溶
融重合のみで得られ、優れた溶融流動性、光学異方性を
有し、通常の成形方法により優れた耐熱性および機械的
性質を有する成形品を与え得る均質性の改良された共重
合ポリエステルを得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記構造単位(I) 、(II)、(III) からなり、融点(Tm,
℃)が(1)式を満足し、示差熱量測定より求められる
融点幅が30℃以下である対数粘度が0.4〜3.0d
l/gであることを特徴とする均質性の改良された共重
合ポリエステルを提供するものである。
【0007】
【化3】 (ただし、式中R1
【化4】 から選ばれた一種以上の基を示す。また式中Xは水素原
子または塩素原子を示し、構造単位(II)と構造単位(II
I) は実質的に等モルである)。
【0008】 −10<Tm−0.0769x2 +8.20x−401.5<15 …(1) (ただし(1)式中のxは構造単位(II)の構造単位(I)
および(II)に対する割合(モル%)を示す)。
【0009】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単
位(II)はエチレングリコールから生成した構造単位を、
構造単位(III) はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4
´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4
´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4´−ジカルボン酸および4,4’−
ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族ジ
カルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらの
うちR1 が
【化5】 であるものが特に好ましい。
【0010】上記構造単位(I) 、(II)および(III) の共
重合量は任意である。しかし、流動性の点から次の共重
合量であることが好ましい。
【0011】すなわち、上記構造単位(I) は構造単位
(I)および(II)]の合計に対して30〜95モル%が好
ましく、60〜95モル%がより好ましい。また、構造
単位(III) は構造単位(II)と実質的に等モルである。
【0012】上記構造単位(I) 〜(III) を構成する成分
以外に3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,2´−
ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、4,4´−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスル
フィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン等の芳
香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シク
ロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ
安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族
ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p
−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度
の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0013】本発明の共重合ポリエステルの製造方法
は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に
準じて製造できる。
【0014】例えば、上記好ましく用いられる共重合ポ
リエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙
げられる。
【0015】(1)p−アセトキシ安息香酸およびポリ
エチレンテレフタレ―トなどのポリエステルのポリマ、
オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタ
レートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシ
エチル)エステルから脱酢酸重縮合反応によって製造す
る方法。
【0016】(2)p−ヒドロキシ安息香酸、無水酢酸
およびポリエチレンテレフタレ―トなどのポリエステル
のポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β
−ヒドロキシエチル)エステルとを脱酢酸重縮合反応に
よって製造する方法。
【0017】(3)(1)または(2)の製造方法にお
いて出発原料の一部に特開平3−59024号公報のよ
うに1,2−ビス(4−ヒドロキシベンゾイル)エタン
などの化合物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸
を用いる方法。
【0018】本発明の共重合ポリエステルの融点(T
m,℃)は下記(1)式を満足することが必要である。
【0019】 −10<Tm−0.0769x2 +8.20x−401.5<15 …(1) ここで(1)式中のxは構造単位(II)の構造単位(I)お
よび(II)の合計に対する割合(モル%)を示す。
【0020】構造単位(I) 〜(III) の組成比が上記の条
件を満足する場合であっても、ポリマの組成分布、均質
性の違いにより上記(1)式の融点をはずれる場合には
流動性、成形品の機械特性が不良になったり、高温時の
ポリマの分解が起こりやすく、加熱減量が大きいため好
ましくない。
【0021】また本発明の共重合ポリエステルは融点幅
が30℃以下または/および複素粘性率の温度依存性曲
線から求められる流動開始温度と融解終了温度の温度差
が25℃以下であることがポリマの均質性の観点から好
ましい。
【0022】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から40℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )のピークを指す。また、融
点幅とは吸熱ピーク(Tm2 )前後においてそれぞれ最
も傾きの絶対値が大きい点からの接線とベースラインと
の交点の温度差のことを指す。
【0023】また、Tm1 とTm2 の間には|Tm1
Tm2 |≦10℃の関係があるのが好ましく、|Tm1
−Tm2 |≦6℃がより好ましい。この温度差が10℃
より大きい時にはポリマの均質性が十分とは言えず好ま
しくない。
【0024】ここでいう流動開始温度と融解終了温度の
温度差とは以下の方法により求められたものである。回
転粘度計の平板−平板(または平板−円錐)間に試料を
のせ、融点以上に加熱して試料を設置する。試料の結晶
化温度以下に冷却し、2℃/分の速度で昇温し、複素粘
性率を測定する。得られた複素粘性率の温度依存性曲線
において、溶融粘度が急激に低下し始める温度を流動開
始温度、溶融粘度の低下が終わる温度を融解終了温度と
し、両者の温度差を求めた。実際には固体状態および溶
融状態での複素粘性率に対して接線を引き、さらに転移
状態についても接線を引き、これらの接線の交点から各
々の温度を決定した。なお、複素粘性率は試料に微小の
正弦的歪を与える動的粘弾性測定から求めた複素剛性率
をiωで割ることにより複素剛性率を求めることができ
る(ただし、i2 =−1)。
【0025】本発明の目的を達成するには、構造単位(I
I)の構造単位(I)および(II)の合計に対する割合が30
モル%以下の場合には、ポリエチレンテレフタレートと
p−ヒドロキシ安息香酸とをテレフタル酸の残基とp−
ヒドロキシ安息香酸の残基のモル比が30/70〜70
/30となる割合で混合し無水酢酸によりp−ヒドロキ
シ安息香酸をアセチル化した後、加熱溶融しアシドリシ
ス反応を行ない、その後、目的とする共重合ポリエステ
ルを形成するに不足したp−アセトキシ安息香酸または
p−ヒドロキシ安息香酸と無水酢酸を添加し、アセチル
化、アシドリシス反応をさらに行なったのちに重合させ
ることが好ましい。さらに、脱酢酸重縮合反応で、第1
の容器内(以下反応缶と呼ぶ)でアセチル化を主体とし
た反応を行い、この反応物を移液口を通して第2の容器
内(以下重合缶と呼ぶ)に移し、重合缶内で重合を行う
場合、反応缶から留出する留出液量が理論留出液量の8
0%以上留出してから、重合缶へ反応物を移すことが好
ましい。そして、最終重合温度で減圧する際に100〜
600Torrの間で、好ましくは200〜500To
rrの間で30分以上その減圧度を保持することが好ま
しい。また、溶融ポリマを吐出した後、次回の原料を同
じ重合缶に投入して重合を繰り返すバッチ式連続重合法
において、ポリマを吐出する際、缶残ポリマ量を重合缶
の内容積1m3 当り30kg以下にし、次回の原料を投
入することが好ましい。
【0026】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウ
ムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグ
ネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいとき
もある。
【0027】本発明に好ましく使用できる上記共重合ポ
リエステルは、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度
を測定することが可能なものもあり、その際には0.1
g/dlの濃度で60℃で測定した値で0.4〜3.0
dl/gが好ましく、0.5〜3.0dl/gが特に好
ましい。
【0028】また、本発明の共重合ポリエステルの分子
量分布は、例えば高分子論文集45巻531頁(198
8)に記載されている方法で測定可能であるが、分子量
分布を示す重量平均分子量(MW)と数平均分子量(M
N)の比MW/MNの値が3.0未満が好ましく、2.
9未満がより好ましい。この値よりも大きくなると均質
性が十分とは言えず好ましくない。
【0029】また、本発明における共重合ポリエステル
は10〜20,000ポイズが好ましく、特に20〜1
0,000ポイズがより好ましい。
【0030】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0031】特に、本発明の共重合ポリエステルに対し
て有機難燃剤を添加することにより良好な難燃性を付与
することが可能である。
【0032】本発明において使用できる有機難燃剤とは
有機臭素化合物および/または有機リン化合物などであ
る。
【0033】有機臭素化合物は、分子中に臭素原子を有
するものであり、特に臭素含量20重量%以上のものが
好ましい。具体的には、デカブロモジフェニルエーテ
ル、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)など
の低分子量有機臭素化合物、臭素化ポリカーボネート
(例えば臭素化ビスフェノールAを原料として製造され
たポリカーボネートオリゴマーあるいはそのビスフェノ
ールAとの共重合物)、臭素化エポキシ化合物(例えば
臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応
によって製造されるジエポキシ化合物や臭素化フェノー
ル類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモ
ノエポキシ化合物)、ポリ(臭素化ベンジルアクリレー
ト)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェ
ノールA、塩化シアヌルおよび臭素化フェノールの縮合
物、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、架
橋臭素化ポリα−メチルスチレン等のハロゲン化された
ポリマーやオリゴマーあるいは、これらの混合物が挙げ
られ、なかでもエチレンビス−(テトラブロモフタルイ
ミド)、臭素化エポキシオリゴマーまたはポリマー、臭
素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポ
リフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが
好ましく、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミ
ド)、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネートが
特に好ましく使用できる。
【0034】これらの有機臭素化合物の添加量は、共重
合ポリエステル100重量部当り0.2〜30重量部が
好ましく、0.5〜20重量部がより好ましいが、難燃
性は共重合ポリエステルの前記構造単位(II)の共重合量
と密接な関係があるため、次のような添加量にするのが
好ましい。すなわち有機臭素化合物の添加量は共重合ポ
リエステル中の構造単位(II)の100重量部に対して6
0〜280重量部が好ましく、100〜200重量部が
特に好ましい。
【0035】一方、有機リン化合物は、分子中にリン原
子を有するものであり、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸
から合成される化合物、ホスフィン、ホスフィンオキシ
ド、ホスホランなどの化合物や下記構造式の化合物およ
びこれら化合物を少なくとも一成分として含有するポリ
マーである。
【0036】
【化6】 (ここでR2 は炭素数1〜6の1価の脂肪族炭化水素基
および/または炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素
基を示す)。
【0037】このポリマーとしては下記構造単位からな
るポリマーを挙げることができる。
【化7】 (ここでR2 は上記化6と同様のものを示し、R3 は炭
素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基および/または炭
素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基を示し、Arは
炭素数6〜20の3価の芳香族炭化水素基を示す)。
【0038】そしてこれらのうち最も好ましい有機リン
化合物は下記ポリマーである。
【0039】
【化8】 (ここでR2 およびR3 は上記化6〜7と同様のものを
示す。)なお、これらの有機リン化合物は一部が金属塩
であってもよい。
【0040】これらの有機リン化合物の添加量は、共重
合ポリエステル100重量部当り0.2〜30重量部、
好ましくは0.5〜15重量部であり、構造単位(II)の
100重量部に対して2〜150重量部が好ましく、1
0〜110重量部がより好ましい。
【0041】また、本発明において有機リン化合物が下
記構造単位からなるポリマのように臭素原子を含有した
有機リン化合物であってもよい。
【0042】
【化9】 また、本発明の共重合ポリエステルに対して強化剤、充
填剤を添加することにより、機械的特性、耐熱性をいっ
そう改善することができる。
【0043】強化剤、充填剤を添加する場合、その添加
量は共重合ポリエステル100重量部に対して200重
量部以下が好ましく、15〜150重量部が特に好まし
い。
【0044】本発明において用いることができる強化
剤、充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅
繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミック繊
維、ボロンウィスカー繊維、アスベスト繊維、グラファ
イト、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラ
スビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、
クレー、ワラステナイト、酸化チタン、二硫化モリブデ
ン、等の繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無機フィラ
ーが挙げられる。又、これらの強化剤、充填剤について
もシラン系、チタネート系などのカップリング剤、その
他の表面処理剤で処理されたものを用いてもよい。
【0045】更に、本発明の共重合ポリエステルには、
本発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤お
よび熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロ
キノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、
紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレー
ト、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤
および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステ
ル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステ
アラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(た
とえばニトロシンなど)および顔料(たとえば硫化カド
ミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなど)を含
む着色剤、可塑剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他
の熱可塑性樹脂を添加して、所定の特性を付与すること
ができる。
【0046】これらを添加する方法は溶融混練すること
が好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることがで
きる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、
ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、200
〜350℃の温度で溶融混練して組成物とすることがで
きる。
【0047】かくしてなる本発明の均質性の改良された
共重合ポリエステルは溶融重合法のみで得られ、優れた
溶融流動性、光学異方性を有し、射出成形、押出成形、
ブロー成形などの通常の成形方法により優れた耐熱性お
よび機械的性質を有する三次元成形品、フィルム、容
器、ホースなどに加工することが可能である。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0049】実施例1 縦と横の比が2.5の内容積0.1m3 の重合装置に掻
き下げ方向のヘリカルリボン翼を0.035m3 の高さ
まで取り付けた撹拌翼を設けた反応缶と重縮合用の重合
缶を使い、次のように重合した。
【0050】反応缶にp−ヒドロキシ安息香酸6.2k
g、ポリエチレンテレフタレート5.8kgおよび無水
酢酸5.0kgを仕込み、5時間かけて130〜250
℃にし、250℃で30分撹拌を続けた。この時点まで
の留出液量は4.8kgであり、理論留出量の82%で
あった。その後反応物を重合缶に移液して、2時間かけ
て缶内温度を250〜280℃にし、缶内温度を280
℃に保ったまま1時間撹拌を行なった。その後、撹拌を
続けながら200℃まで缶内温度を冷却した後、p−ア
セトキシ安息香酸22.5kgを加え、さらに1時間2
00℃で撹拌を続けた。その後、5時間かけて缶内温度
を200〜300℃にし、重合缶を70分かけて250
Torrまで減圧し、減圧度を250Torrに保った
まま1時間撹拌を続けた。その後50分かけて1Tor
rまで減圧し、1時間撹拌を続け重縮合を完了した。
【0051】得られた共重合ポリエステルの理論構造式
は次のとおりである。
【0052】
【化10】 k/l/m=85/15/15 この共重合ポリエステルをパーキンエルマー社製のDS
C−7型を用いて、前述の条件で融点および融点幅を測
定したところ、Tm1 のピーク温度は300℃、Tm2
のピーク温度は297℃で、Tm2 の融点幅は28℃で
あった。Tm2をTmとし下式(2)を計算したところ
1.2℃となった。
【0053】 Tm−0.0769x2 +8.20x−401.5 … (2) また、レオロジ社製のMR−3 ソリキッドメータを用
いて、流動開始温度と融解終了温度の温度差を測定した
ところ、21℃であった。
【0054】なお、このポリマの対数粘度は0.72d
l/g(0.1g/dlの濃度でペンタフルオロフェノ
ール中、60℃で測定)であった。
【0055】このポリマを100重量部に対して、繊維
径約9μm、繊維長3mmのガラス繊維45重量部をド
ライブレンドした後、30mmφ二軸押出機により30
0℃で溶融混練−ペレタイズした。
【0056】得られたペレットを住友ネスタール射出成
形機プロマット(住友重機械工業(株)製)に供し、シ
リンダー温度310℃、金型温度90℃の条件で曲げ試
験片および荷重たわみ温度(HDT)測定用試験片(1
/8”×1/2”×5”)を成形した。そしてASTM
D648に従いHDT(18.56kgf/cm2 )
の測定を行った。また、流動性の評価として上記の成形
機を用いて射出速度99%、射出圧力500kgf/c
2 の条件で0.5mm厚×12.7mm幅の試験片の
流動長さ(棒流動長)を求めた。
【0057】その結果、曲げ強度は1821kgf/c
2 、HDTは238℃、棒流動長は110mmとな
り、良好な流動性、耐熱性および機械物性を示した。
【0058】比較例1 実施例1と同一装置を用い、同一組成で次の条件で脱酢
酸重合を行った。まず、反応缶にp−ヒドロキシ安息香
酸23.5kg、ポリエチレンテレフタレート5.8k
gおよび無水酢酸19.1kgを仕込み、5時間かけて
130〜230℃にした。この時点までの留出液量は1
6.4kgであり、理論留出量の74%であった。その
後反応物を重合缶に移液して、2時間かけて缶内温度を
230〜300℃にし、重合缶を90分かけて1Tor
rまで減圧した。その後1時間撹拌を続け重縮合を完了
した。
【0059】得られた共重合ポリエステルのTm1 のピ
ーク温度は327℃、Tm2 のピーク温度は316℃
で、Tm2 の融点幅は36℃であった。Tm2 をTmと
して実施例1の(2)式を用いて計算したところ20℃
となった。また、流動開始温度と融解終了温度の温度差
を測定したところ32℃であった。
【0060】このポリマを押出温度を315℃とする以
外は実施例1と同様にガラス繊維混入−ペレタイズし、
シリンダ温度を325℃とし実施例1と同様に曲げ強
度、HDT、棒流動長を求めた。その結果、曲げ強度は
1630kgf/cm2 、HDTは185℃、棒流動長
は82mmとなり、流動性、耐熱性および機械物性が大
きく低下した。
【0061】
【発明の効果】本発明の共重合ポリエステルは良好な流
動性、耐熱性および機械的特性を示す成形品を与えるた
め金属代替プラスチック成形品等の種々の用途に使用す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造単位(I) 、(II)、(III) からな
    り、融点(Tm,℃)が(1)式を満足し、示差熱量測
    定より求められる融点幅が30℃以下である対数粘度が
    0.4〜3.0dl/gであることを特徴とする均質性
    の改良された共重合ポリエステル。 【化1】 (ただし、式中R1は 【化2】 から選ばれた一種以上の基を示す。また式中Xは水素原
    子または塩素原子を示し、構造単位(II)と構造単位(II
    I) は実質的に等モルである)。 −10<Tm−0.0769x2 +8.20x−401.5<15 …(1) (ただし(1)式中のxは構造単位(II)の構造単位(I)
    および(II)の合計に対する割合(モル%)を示す)。
  2. 【請求項2】 複素粘性率の温度依存性曲線から求めら
    れる流動開始温度と融解終了温度との温度差が25℃以
    下となる請求項1記載の共重合ポリエステル。
  3. 【請求項3】 上記構造単位(I) 、(II)、(III) からな
    り、構造単位(I) が構造単位(I)および(II)の合計に対
    して60〜95モル%、構造単位(II)が構造単位(I)お
    よび(II)の合計に対して40〜5モル%である請求項1
    または請求項2記載の共重合ポリエステル。
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