JP2520955B2 - 4,4”―ジヒドロキシ―3―フェニル―p―タ―フェニル誘導体及びポリエステル - Google Patents

4,4”―ジヒドロキシ―3―フェニル―p―タ―フェニル誘導体及びポリエステル

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JP2520955B2 JP1034584A JP3458489A JP2520955B2 JP 2520955 B2 JP2520955 B2 JP 2520955B2 JP 1034584 A JP1034584 A JP 1034584A JP 3458489 A JP3458489 A JP 3458489A JP 2520955 B2 JP2520955 B2 JP 2520955B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は4,4″−ジヒドロキシ−3−フェニル−p−
ターフェニル誘導体と,その化合物を構成成分として製
造されたポリエステルに関する。
本発明によって提供される新規な化合物は,高性能の
有機高分子化合物のモノマーとして,又従来の高分子化
合物の添加剤として優れた改質能を有するものとして,
極めて注目されるものである。
また,その化合物を構成成分として得られる高分子化
合物の一例であるポリエステルは,具体的には,高度の
耐熱性と成型性を有する塗料,成型品又は繊維用の樹脂
として有用である。
(従来の技術) テレフタル酸,イソフタル酸又は炭酸などの二塩基酸
とビスフェノールA(2,2−プロピリデン−4,4′−ビフ
ェノール),ビスフェノールS(4.4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン)又は4.4′−ジヒドロキシビフェ
ニルなどの芳香族ジヒドロキシ化合物との重縮合体はポ
リアリレートないしは全芳香族ポリエステルと称され,
既に実用化されている。一方,芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸,とりわけパラヒドロキシ安息香酸の単独重縮合体
である芳香族ポリエステルは極めて高い耐熱性と機械的
強度を有する事が既に知られてはいたが,実際的な成型
加工が困難なために,広く実用化される事はなかった。
しかし,最近になって,パラヒドロキシ安息香酸に重
縮合体の融点を低下させるような成分を適当な割合で共
重合させると,溶融時に異方性(サーモトロピック液晶
性)を示して,成型加工が容易になるばかりでなく,流
動方向に高分子鎖が配向するので,高い弾性率と機械的
強度をもったポリエステルの得られる事が見出された。
そして,これら溶融異方性のポリエステルの実用化はよ
うやく緒についたばかりであって,今後の技術的な発展
が期待されるところである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は耐熱性及び機械的強度がすぐれ,溶融
異方性を有し,成型加工性のよい高分子化合物が得られ
る,その構成成分としての4,4″−ジヒドロキシ−3−
フェニル−p−ターフェニル誘導体とポリエステルを提
供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の4,4″−ジヒドロキシ−3−フェニル−p−
ターフェニル誘導体は,一般式(I) で表され,そのことにより上記目的が達成される。
また,本発明のポリエステルは,式(A) で示される構造単位を有し,そのことにより上記目的が
達成される。
本発明の一般式(I)で表される化合物は,具体的に
は4,4″−ジヒドロキシ−3−フェニル−p−ターフェ
ニル,4,4″−ジメトキシ−3−フェニル−p−ターフェ
ニル,4,4″−ジアセトキシ−3−フェニル−p−ターフ
ェニル,ジ(ヒドロキシアルキル)化4,4″−ジヒドロ
キシ−3−フェニル−p−ターフェニル等である。
下式(II)で表される4,4″−ジメトキシ−3−フェ
ニル−p−ターフェニル(以下PT−OMeと略す)は とをNi触媒(たとえばNiCl2(dppp))(dppp:bis(dip
henylphosphino)propane)の共存下,グリニャールカ
ップリング反応を行うとこにより得ることができる。
PT−OMeをBBr3またはHBrと反応させて4,4″−ジヒド
ロキシ−3−フェニル−p−ターフェニル(以下PT−OH
と略す)が得られる(下式(III))。
上記PT−OHを無水酢酸と反応させて4,4″−ジアセト
キシ−3−フェニル−p−ターフェニル(以下PT−OAc
と略す)が得られる(下式(IV))。
上記PT−OHを,ヒドロキシアルキル化剤と適当な触媒
又は酸捕獲剤の共存下で反応させてジ(ヒドロキシアル
キル)化−PT−OHが得られる。ここで,アルキル基は低
級アルキル基が好ましく,エチル基又はプロピル基がよ
り好ましく,直鎖状又は分岐していてもよい。
例えば,PT−OHを,ヒドロキシエチル化剤,例えばエ
チレンカーボネート,エチレンオキシド又は2−ハロエ
タノールと適当な触媒又は酸捕獲剤の共存下で反応させ
てジ(ヒドロキシエチル)化−PT−OH(以下PT−EOと略
記する)が得られる。
また同様にPT−OHを,ヒドロキシプロピル化剤,例え
ばプロピレンカーポネート,プロピレンオキシド,又は
2−ハイプロパノールと適当な触媒又は酸捕獲剤の共存
下で反応させて,ジ(ヒドロキシプロピル)化−PT−OH
(以下PT−POと略記する)が得られる。
それらの反応式を次に示す。
(反応式(3)及び(6)でXはハロゲン原子,Aは酸捕
獲剤を表わす) (1)式の反応は通常不活性溶媒中でPT−OHと2モル
以上のエチレンカーボネートとを触媒の共存下に加熱す
ることにより行われる。(2)式の反応は,通常不活性
溶媒中でPT−OHと2モル以上のエチレンオキシドとを密
閉反応器中で触媒(有機又は無機塩基)の共存下に加熱
することにより行われる。(3)式の反応は,通常不活
性溶媒中でPT−OHと2モル以上の2−ハロエタノールと
を密閉反応器中で酸捕獲剤(有機又は無機塩基)の共存
下に加熱することにより行われる。また,(4)式の反
応については通常不活性溶媒中でPT−OHと2モル以上の
プロピレンカーボネートを触媒(有機又は無機塩基)の
共存下に加熱することにより行われる。(5)式の反応
は,通常,不活性溶媒中でPT−OHと2モル以上のプロピ
レンオキシドを触媒(有機又は無機塩基)の共存下に加
熱することにより行われる。(6)式の反応は,通常不
活性溶媒中でPT−OHと2モル以上の2−ハロプロパノー
ルとを密閉反応器中で酸捕獲剤(有機又は無機塩基)の
共存下に加熱することにより行われる。
上記6種の反応において,(2)式の反応はエチレン
オキシドの付加モル数の制御が困難であり(3)式及び
(6)式の反応は反応速度が遅く,副反応(特にX−CH
2CH2OH, の閉環又は自己重合反応)の発生が大きい。これに対し
て,(1)式,(4)及び(5)式の反応は反応速度が
早く,付加モル数の制御も容易で,特にm=n=1であ
るPT−EOすなわち次式(Ia),及びPT−POすなわち次式
(Ib) で表される化合物の製造に適している。
本発明のポリエステルは,上記化合物(I)を構成成
分とし,(A)式で表される構造単位を有するものであ
る。すなわち,本発明のポリエステルは,ジヒドロキシ
化合物とジカルボン酸の2者,またはこの2者とヒドロ
キシカルボン酸を主たる構成成分とする重縮合体におい
て,上式(I)で表される四環式の芳香族ジヒドロキシ
化合物を上記ジヒドロキシ化合物の一成分としたもので
ある。上記ジヒドロキシ化合物の他の構成成分としては
上記化合物(I)以外の芳香族ジヒドロキシ化合物及び
脂肪族ジヒドロキシ化合物があげられ,上記ジカルボン
酸としては,芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン
酸があげられ,又ヒドロキシカルボン酸としては,芳香
族ヒドロキシカルボン酸及び脂肪族ヒドロキシカルボン
酸があげられる。
上記一般式(I)以外の芳香族ジヒドロキシ化合物と
しては,レゾルシン,ヒドロキノン,クロロヒドロキノ
ン,ブロモヒドロキノン,メチルヒドロキノン,フェニ
ルヒドロキノン(2,5−ジヒドロキシビフェニル),メ
トキシヒドロキノン,フェノキシヒドロキノン,4,4′−
ジヒドロキシビフェニル,4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル,4,4′−ジヒドロキシジフェニルサルファイ
ド,4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン,4,4′−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン,4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルメタン,ビスフェノールA,1,1−ジ(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン,1,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェノキシ)エタン,1,4−ジヒドロキシナフタレン,
又は2,6−ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。
上記芳香族ジカルボン酸としては,テレフタル酸,イ
ソフタル酸,5−スルホイソフタル酸の金属塩,4,4′−ジ
カルボキシビフェニル,4,4′−ジカルボキシジフェニル
エーテル,4,4′−ジカルボキシジフェニルサルファイ
ド,4,4′−ジカルボキシジフェニルスルホン,4,4′−ジ
カルボキシベンゾフェノン,1,2−ビス(4−カルボキシ
フェノキシ)エタン,1,4−ジカルボキシナフタレン又は
2,6−ジカルボキシナフタレンなどが挙げられる。
上記芳香族ヒドロキシカルボン酸としては,メタヒド
ロキシ安息香酸,パラヒドロキシ安息香酸,3−クロロ−
4−ヒドロキシ安息香酸,3−ブロモ−4−ヒドロキシ安
息香酸,3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸,3−フェニ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸,3−メトキシ−4−ヒドロ
キシ安息香酸,4−ヒドロキシ−4′−カルボキシビフェ
ニル又は2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレンな
どが挙げられる。
上記脂肪族ジヒドロキシ化合物としては,エチレング
リコール,プロピレングルコール,ブチレングリコール
等の一般式HO−(CH2−OH(nは2〜10の整数)で
表されるアルキレングリコール,プロピレン−1,2−ジ
オール,ブタン−1,2−ジオール,ブタン−1,3−ジオー
ル,ネオペンチルグリコール,ポリエチレングリコー
ル,ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
上記脂肪族ジカルボン酸としては,シュウ酸,マロン
酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸等の一般式HOOC
−(CH2−COOH(nは0〜10の整数)で表されるジ
カルボン酸,メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソ
ープロピル基等のアルキル基,メトキシ基,エトキシ基
等のアルコキシ基,ブロム基等のハロゲン基等で置換さ
れた脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
これらの各構成成分のうちで芳香族ジカルボン酸や芳
香酸ヒドロキシカルボン酸を多く重縮合すると結晶性,
耐熱性にすぐれた高強度のポリエステルが得られ,脂肪
族ジカルボン酸や脂肪族ヒドロキシカルボン酸を多く重
縮合すると耐熱性は少し低下するが柔軟なポリエステル
が得られる。
上記した重縮合体の構成成分のうちジヒドロキシ化合
物とジカルボン酸はほぼ等しいモル比,ヒドロキシカル
ボン酸は任意のモル比で高分子量の重縮合体を形成す
る。各構成成分はそのまま加熱して重縮合させる事は困
難であり,通常,構成成分のヒドロキシ基をアセチル化
してから重縮合反応を行わせるのが好ましい。重縮合反
応は200℃〜350℃の温度で行う事ができる。重縮合反応
によって生成する酢酸は最初に常圧で,終りに減圧で反
応系から除去するのが好ましい。反応系が特に結晶性で
不均一な場合には加圧下に酢酸を取り出し最後に減圧す
ると系がより均一になりよい結果が得られる。重縮合体
の分子量の大きさの調節は構成成分のジヒドロキシ化合
物とジカルボン酸のモル比の調節によっても可能である
が,これは分子量の比較的に低い場合に良い結果が得ら
れる。分子量の高い範囲では,重縮合体の溶融粘度を目
安にしながら反応を行って分子量の大きさを調節する方
法がとられる。
本発明のポリエステルの構成成分に前述の高結晶性の
化合物(I)が組み込まれると,重縮合体は溶融異方性
になることが多い。溶融異方性は通常の偏光顕微鏡を用
いる偏光技術で確認し得る。更に具体的には,加熱ステ
ージ上に1ミリメートル以下の厚さに調製された試験片
を置き,窒素雰囲気下で5℃/分の昇温速度で加熱して
いき,偏光子を直交させた状態の偏光顕微鏡で40倍,も
しくは100倍の倍率で観測することにより容易に確認す
ることができる。
本発明のポリエステルには,その実用性を損なわない
範囲で,耐熱性,剛性等の向上のために,ガラス繊維,
炭素繊維,ウィスカー,ウオラストナイトなどの強化材
を加えてもよい。また,結晶化促進剤として,タルク,
硫酸バリウム,アルミナ,酸化珪素などの無機物,ステ
アリン酸ナトリウム,ステアリン酸バリウム,パルミチ
ン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩,ベンジルアルコー
ル,ベンゾフェノンなどの有機化合物,あるいは高結晶
化したポリエチレンテレフタレート,ポリトランス−シ
クロヘキサンジメタノールテレフタレートなど公知の核
化剤を加えてもよい。さらに,ホスファイト等の安定剤
や難熱剤,帯電防止剤,離型剤など所望に応じて加えて
もよい。
本発明のポリエステルは,各種成形品の成形材料とし
て最適である。また,フィルム,繊維,接着剤や塗料な
どに使用することもできる。さらに,本発明のポリエス
テルは,他の熱可塑性樹脂,例えばポリオレフィン,変
性ポリオレフィン,ポリスチレン,ポリアミド,ポリカ
ーボネート,ポリスルフォン,ポリエステル等と混合
し,あるいはゴム成分と混合してその性質を改質して使
用してもよい。
(実施例) 次に,本発明を実施例に基づいて説明する。
なお,NiCl2(dppp)は,熊田ら,Bulletin of the
Chemical Society of JAPAN 49(7),1958−1969
(1976)を参考にした。
実施例1 等圧ロート,ジムロート型冷却器を備えた300ml三ツ
口フラスコにグリニヤール用マグネシウム3.16g(130mm
ol)をとり,真空下,ドライヤーで加熱して活性化させ
た。系内を窒素雰囲気とし,等圧ロートより上記化合物
(a)28.94g(110mmol)の50mlテトラヒドロフラン(T
HF)溶液を約1ml滴下した。マグネティックスターラー
チップで撹拌を行ったが,反応が進行しにくかったの
で,よう素をスパチュラにひとさじ程度加え,反応を開
始させた。約1時間かけてTHF溶液全量を滴下した後,
さらに3時間撹拌し,反応を続けた。
等圧ロート,ジムロート型冷却器を備えた別の500ml
三ツ口フラスコを窒素雰囲気とし,上記化合物(b)2
6.31g(100mmol)及びTHF150mlを入れ,マグネティック
スターラで撹拌し,少し加熱すると溶解した。これにNi
Cl2(dppp)0.11gを加えた。系は赤色透明溶液となり,
等圧ロートに先のグリニャール試薬を定量的に移した。
約30分かけてこのグリニャール試薬を滴下したが,系内
の様子は滴下に伴い,赤色透明溶液→黄色透明溶液→黄
色不透明溶液(析出物あり)→褐色不透明溶液(同左)
と変化した。全量滴下した後,80℃のウォーターバスに
より加熱し,還流下で15時間反応を行った。
反応混合物を冷却後,吸引濾過し,THFで洗い,さらに
水洗した後,100℃で約2時間減圧乾燥して白色の結晶2
1.8g(59mmol)を得た。この白色結晶は融点が194℃,
元素分析値は次の通りであった。
元素分析値 C(%) H(%) 測定値 84.65 5.29 理論値 85.22 6.05 (C26H22O2として) また,第1図に示したこの結晶のNujol法による赤外
線吸収スペクトル及び第2図に示した1H−NMRスペクタ
ルより,このものがPT−OMeであることが同定された。1 H−NMR(DMSO−d6,270MHz) δ=3.82(s,6H,OCH3) =7.03(d,2H,Ha) =7.21(d,1H,Hb) =7.30〜7.90(m,13H,aromatic) 実施例2 等圧ロート,ジムロート型冷却器を備えた300ml三ツ
口フラスコを窒素雰囲気とし,PT−OMe0.1615g(25mmo
l)を入れた。これにCH2Cl2100mlを加えた。等圧ロート
にはBBr38.4g(33mmol)の30mlCH2Cl2溶液を仕込んだ。
マグネットスターラーチップで撹拌しながら約1時間か
けてBBr3のCH2Cl2溶液を全量滴下した。その後,ウォー
ターバスにて40〜50℃に加熱し,還流下,6時間反応を続
けた。反応に伴い白色不透明溶液であった系が淡紫色不
透明溶液となった。反応混合物を放冷した後,多量の純
水中に注ぎ,白色沈澱を吸引濾過により単離した。水洗
後,100℃で約2時間減圧乾燥した。白色粉末7.11g(21m
mol)を得た。
この白色粉末は融点が185℃,元素分析値は次の通り
であった。
元素分析値 C(%) H(%) 測定値 84.55 4.48 理論値 85.18 5.36 (C24H18O2として) また,第3図に示したこの結晶の赤外線吸収スペクト
ル及び第4図に示した1H−NMRスペクトルより,このも
のがPT−OHであることが同定された。
IR(Nujol) νOH=3400cm-1(broad)1 H−NMR(DMSO−d6,270MHz) δ=6.87(d.2H,Ha) =7.05(d,1H,Hb) =7.20〜7.80(m,13H,aromatic) =9.37(s,2H,OH) 実施例3 ジムロート冷却器を備えた1フラスコを窒素雰囲気
とし,PT−OH26.5g(78mmol),スルホラン400ml,無水酢
酸200mlを仕込んだ。
オイルバスにより約160℃に加熱し,還流下6時間反
応を続けた。反応混合物を放冷した後,析出物を吸引濾
過により単離した。エタノールで洗浄後,80℃で約2時
間減圧乾燥した。白色結晶13.26g(31mmol)を得た。
この白色結晶は融点が316℃,元素分析値は次の通り
であった。
元素分析値 C(%) H(%) 測定値 78.89 4.43 理論値 86.60 5.25 (C28H22O4として) また,第5図に示したこの結晶の赤外線吸収スペクト
ルより,このものがPT−OAcであることが同定された。
IR(Nujol) ν=1760cm-1 実施例4 スパイラル型のかき混ぜ機,温度計,ガス吹き込み口
及び蒸留口のついた内容積100mlの硬質ガラス製三口フ
ラスコに, 4,4″−ジアセトキシ−3−フェニル−p−ターフェニ
ル(PT−OAc) 8.4496g(0.02mol) テレフタル酸 3.3266g(0.02mol) パラアセトキシ安息香酸 3.6032g(0.02mol) を仕込み,フラスコをシリコンオイルのバスに入れガス
吹き込み口から窒素ガスを吹き込みながらバスの温度を
上げた。バスの温度が上昇し内容物の温度が240℃程度
になると重縮合反応が始まり,生成する酢酸が蒸留口か
ら留出し始めた。これから約3時間かけて内容物の温度
を300℃まで昇温した。300℃になってさらに1時間たっ
てから蒸留口を真空器につなぎ,フラスコ内を次第に減
圧にして1メートル以下にした。1メートル以下になっ
てから,さらに1時間反応すると,フラスコの中は極め
て粘稠な液になったので,フラスコをバスから引き上げ
て冷却した。生成物が冷却固化した後,フラスコを破壊
して取り出した。得られた生成物は淡褐色の不透明な芳
香族ポリエステルであった。偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ172℃以上で溶融異方性を有していた。又,熱変形温
度は162℃(JIS K7207に準拠,18.5kg f/cm2)であり,24
0℃における溶融粘度は5.2×104poiseであった。尚,溶
融粘度はフローテスターにより100kg fの荷重で測定し
た。
実施例5,6 表1に示すように,芳香族ポリエステルの各構成成分
の組成を変えた他は,実施例1と同様の方法で芳香族ポ
リエステルを合成した。得られた芳香族ポリエステルに
ついて,実施例1と同様の方法でその液晶転移温度,熱
変形温度および溶融粘度をそれぞれ測定した。結果を表
1にまとめて示す。
(発明の効果) 本発明の化合物は,有機高分子化合物,例えばポリエ
ステル,ポリウレタン,ポリエーテル,ポリカーボネー
ト,液晶性樹脂等のモノマーとして使用され,高耐熱
性,難燃性,耐溶剤性,耐候性その他化学的,物理的性
質に優れた樹脂を与え,又その他の樹脂に添加して優れ
た化学的物理的の改良効果を発揮する。
また,本発明のポリエステルによれば,成型性と耐熱
性に優れたポリエステルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル,第2図はその1H−NMRスペクトル,第3図は実施
例2で得られた化合物の赤外線吸収スペクトル,第4図
はその1H−NMRスペクトル,第5図は実施例3で得られ
た化合物の赤外線吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 63/193 NNP C08G 63/193 NNP NPS NPS (72)発明者 斉藤 寅之助 大阪府茨木市山手台5丁目17番21号 (72)発明者 角町 博記 大阪府茨木市大手町7番20号 (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目11番20号 (56)参考文献 特開 昭63−105026(JP,A) 特開 昭61−261319(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) で表される4,4″−ジヒドロキシ−3−フェニル−p−
    ターフェニル誘導体。
  2. 【請求項2】式(A) で示される構造単位を有するポリエステル。
JP1034584A 1989-02-13 1989-02-13 4,4”―ジヒドロキシ―3―フェニル―p―タ―フェニル誘導体及びポリエステル Expired - Lifetime JP2520955B2 (ja)

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JPS63105026A (ja) * 1986-10-22 1988-05-10 Sanko Kaihatsu Kagaku Kenkyusho:Kk 芳香族ポリエステルスルホン

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JPH02212449A (ja) 1990-08-23

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