JP2001072746A - 新規なポリエステル重合体とその製造法 - Google Patents
新規なポリエステル重合体とその製造法Info
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- JP2001072746A JP2001072746A JP25367499A JP25367499A JP2001072746A JP 2001072746 A JP2001072746 A JP 2001072746A JP 25367499 A JP25367499 A JP 25367499A JP 25367499 A JP25367499 A JP 25367499A JP 2001072746 A JP2001072746 A JP 2001072746A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性、低吸水性、光学的特性に優れ、しか
も成形性に優れたポリエステル重合体を得る。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるアダマンタンジオール類を含むジオー
ル成分と、下記式(2) 【化2】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分との縮合により得られるポリエステル
重合体。該ポリエステル重合体には、例えば、1,3−
ジヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタンを含むジ
オール成分と、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を
含むジカルボン酸成分との縮合により得られるポリエス
テル重合体などが挙げられる。ポリエステル重合体の数
平均分子量は、例えば1,000〜150,000、好
ましくは3,000〜100,000程度である。
も成形性に優れたポリエステル重合体を得る。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるアダマンタンジオール類を含むジオー
ル成分と、下記式(2) 【化2】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分との縮合により得られるポリエステル
重合体。該ポリエステル重合体には、例えば、1,3−
ジヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタンを含むジ
オール成分と、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を
含むジカルボン酸成分との縮合により得られるポリエス
テル重合体などが挙げられる。ポリエステル重合体の数
平均分子量は、例えば1,000〜150,000、好
ましくは3,000〜100,000程度である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリエステ
ル重合体及びその製造法に関し、さらに詳細には、耐熱
性、低吸水性を有し、光学的異方性が小さく、成形性に
優れたポリエステル重合体及びその製造法に関する。こ
のポリエステル重合体は、光学材料、電子情報材料、医
療器具材料などとして有用である。
ル重合体及びその製造法に関し、さらに詳細には、耐熱
性、低吸水性を有し、光学的異方性が小さく、成形性に
優れたポリエステル重合体及びその製造法に関する。こ
のポリエステル重合体は、光学材料、電子情報材料、医
療器具材料などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、光学材料、電子情報材料、医療器
具材料などにプラスチックを用いる研究や開発が精力的
に行われている。光学材料や電子情報材料においては、
透明性、低吸水性及び耐熱性のほか、光学的異方性の小
さいことが要求される。また、医療器具材料では、血液
適合性、機械的強度、耐加水分解性等が要求される。
具材料などにプラスチックを用いる研究や開発が精力的
に行われている。光学材料や電子情報材料においては、
透明性、低吸水性及び耐熱性のほか、光学的異方性の小
さいことが要求される。また、医療器具材料では、血液
適合性、機械的強度、耐加水分解性等が要求される。
【0003】光学材料としては、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、非晶性ポリオレフィンなどが
使用されている。しかし、ポリメチルメタクリレートは
透明性に優れ光学異方性が小さいものの、吸湿性が高い
ため、反り等の変形を起こしやすく、また耐熱性も十分
とは言えない。ポリカーボネートは耐熱性に優れるもの
の、光学的異方性が大きい。また、非晶性ポリオレフィ
ンは光学的異方性が小さく、耐熱性にも優れるが、成形
性、接着性などに問題がある。
ート、ポリカーボネート、非晶性ポリオレフィンなどが
使用されている。しかし、ポリメチルメタクリレートは
透明性に優れ光学異方性が小さいものの、吸湿性が高い
ため、反り等の変形を起こしやすく、また耐熱性も十分
とは言えない。ポリカーボネートは耐熱性に優れるもの
の、光学的異方性が大きい。また、非晶性ポリオレフィ
ンは光学的異方性が小さく、耐熱性にも優れるが、成形
性、接着性などに問題がある。
【0004】一方、ポリエステルを光学材料や電子情報
材料として応用する試みもなされている。例えば、特開
平1−138225号公報には、側鎖に芳香環を有する
ジオール又はジカルボン酸を用いたポリエステル樹脂が
開示されている。特開平2−38428号公報には、ジ
カルボン酸成分としてジフェニルジカルボン酸を用いた
ポリエステル共重合体が開示されている。また、特開平
11−35665号公報には、2,2−ノルボルナンジ
メタノール誘導体とテレフタル酸などとからなるポリエ
ステルが開示されている。しかし、これらの樹脂は耐熱
性、低吸水性、光学的特性の点で必ずしも十分であると
は言えない。
材料として応用する試みもなされている。例えば、特開
平1−138225号公報には、側鎖に芳香環を有する
ジオール又はジカルボン酸を用いたポリエステル樹脂が
開示されている。特開平2−38428号公報には、ジ
カルボン酸成分としてジフェニルジカルボン酸を用いた
ポリエステル共重合体が開示されている。また、特開平
11−35665号公報には、2,2−ノルボルナンジ
メタノール誘導体とテレフタル酸などとからなるポリエ
ステルが開示されている。しかし、これらの樹脂は耐熱
性、低吸水性、光学的特性の点で必ずしも十分であると
は言えない。
【0005】また、アダマンタン骨格を有するポリエス
テルも知られている。例えば、特公昭46−34628
号公報には、アダマンタンジオールを含むジオール成分
と不飽和カルボン酸の無水物を含むジカルボン酸無水物
成分とを反応させる線状ポリエステルの製法が開示され
ている。しかし、この方法により得られる樹脂は硬化さ
せることによって加水分解安定性と溶媒安定性とを付与
できるものの、耐熱性や透明性が不十分である。特開昭
50−21090号公報には、ジヒドロキシアダマンタ
ン類と芳香族ジカルボン酸類などとを縮重合させてポリ
エステル重合体を得る方法が開示されている。しかし、
前記ポリエステル重合体は成形性に優れるものの、低吸
水性、光学的特性の点で必ずしも十分とは言えない。
テルも知られている。例えば、特公昭46−34628
号公報には、アダマンタンジオールを含むジオール成分
と不飽和カルボン酸の無水物を含むジカルボン酸無水物
成分とを反応させる線状ポリエステルの製法が開示され
ている。しかし、この方法により得られる樹脂は硬化さ
せることによって加水分解安定性と溶媒安定性とを付与
できるものの、耐熱性や透明性が不十分である。特開昭
50−21090号公報には、ジヒドロキシアダマンタ
ン類と芳香族ジカルボン酸類などとを縮重合させてポリ
エステル重合体を得る方法が開示されている。しかし、
前記ポリエステル重合体は成形性に優れるものの、低吸
水性、光学的特性の点で必ずしも十分とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、耐熱性、低吸水性、光学的特性に優れ、しかも成形
性に優れた新規なポリエステル重合体及びその製造法を
提供することにある。
は、耐熱性、低吸水性、光学的特性に優れ、しかも成形
性に優れた新規なポリエステル重合体及びその製造法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する
ポリエステル樹脂が、耐熱性、低吸水性、光学的特性及
び成形性に優れることを見出し、本発明を完成した。
を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する
ポリエステル樹脂が、耐熱性、低吸水性、光学的特性及
び成形性に優れることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、下記式(1)
【化5】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるアダマンタンジオール類を含むジオー
ル成分と、下記式(2)
よい)で表されるアダマンタンジオール類を含むジオー
ル成分と、下記式(2)
【化6】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分との縮合により得られるポリエステル
重合体を提供する。本発明は、また、前記式(1)で表
されるアダマンタンジオール類を含むジオール成分と、
前記式(2)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸類
を含むジカルボン酸成分又はその反応性誘導体とを重縮
合させることを特徴とするポリエステル重合体の製造法
を提供する。
よい)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分との縮合により得られるポリエステル
重合体を提供する。本発明は、また、前記式(1)で表
されるアダマンタンジオール類を含むジオール成分と、
前記式(2)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸類
を含むジカルボン酸成分又はその反応性誘導体とを重縮
合させることを特徴とするポリエステル重合体の製造法
を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル重合体を構
成するジオール成分には、前記式(1)で表されるアダ
マンタンジオール類が含まれている。前記式(1)にお
いて、環を構成する炭素原子(橋頭位又は非橋頭位の炭
素原子、特に橋頭位の炭素原子)が有していてもよい置
換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル基な
どのアルキル基(例えば、C1-10アルキル基、好ましく
はC1-4アルキル基);シクロペンチル、シクロヘキシ
ル基などのシクロアルキル基;フェニル、ナフチル基な
どのアリール基;メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ
基などのアルコキシ基(例えば、C1-4アルコキシ
基);メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソ
プロポキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基
(例えば、C 1-4アルコキシ−カルボニル基);アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル基などのアシ
ル基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;ニトロ基;置
換又は無置換アミノ基;ハロゲン原子;オキソ基などが
挙げられる。
成するジオール成分には、前記式(1)で表されるアダ
マンタンジオール類が含まれている。前記式(1)にお
いて、環を構成する炭素原子(橋頭位又は非橋頭位の炭
素原子、特に橋頭位の炭素原子)が有していてもよい置
換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル基な
どのアルキル基(例えば、C1-10アルキル基、好ましく
はC1-4アルキル基);シクロペンチル、シクロヘキシ
ル基などのシクロアルキル基;フェニル、ナフチル基な
どのアリール基;メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ
基などのアルコキシ基(例えば、C1-4アルコキシ
基);メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソ
プロポキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基
(例えば、C 1-4アルコキシ−カルボニル基);アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル基などのアシ
ル基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;ニトロ基;置
換又は無置換アミノ基;ハロゲン原子;オキソ基などが
挙げられる。
【0010】前記式(1)で表されるアダマンタンジオ
ール類のなかでも、1,3−アダマンタンジオール、
1,3−ジヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン
などが好ましく、特に、1,3−ジヒドロキシ−5,7
−ジメチルアダマンタンが好ましい。
ール類のなかでも、1,3−アダマンタンジオール、
1,3−ジヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン
などが好ましく、特に、1,3−ジヒドロキシ−5,7
−ジメチルアダマンタンが好ましい。
【0011】式(1)で表されるアダマンタンジオール
類は、対応するアダマンタン類(少なくとも2つの橋頭
位の炭素原子に水素原子が結合しているアダマンタン化
合物)を酸化してアダマンタン環の橋頭位に2つのヒド
ロキシル基を導入することにより製造できる。アダマン
タン類の酸化方法としては公知乃至慣用の酸化方法を使
用できるが、反応収率及び操作性などの点から、N−ヒ
ドロキシイミド系化合物を触媒として分子状酸素により
酸化する方法が好ましい(特開平9−327626号公
報参照)。
類は、対応するアダマンタン類(少なくとも2つの橋頭
位の炭素原子に水素原子が結合しているアダマンタン化
合物)を酸化してアダマンタン環の橋頭位に2つのヒド
ロキシル基を導入することにより製造できる。アダマン
タン類の酸化方法としては公知乃至慣用の酸化方法を使
用できるが、反応収率及び操作性などの点から、N−ヒ
ドロキシイミド系化合物を触媒として分子状酸素により
酸化する方法が好ましい(特開平9−327626号公
報参照)。
【0012】より具体的には、前記アダマンタン類をN
−ヒドロキシフタルイミド等のN−ヒドロキシイミド系
触媒と、必要に応じてコバルト化合物(例えば、酢酸コ
バルト、コバルトアセチルアセトナト等)などの金属系
助触媒の存在下、酸素と接触させることにより、アダマ
ンタン環の橋頭位に2つのヒドロキシル基を導入でき
る。この方法において、N−ヒドロキシイミド系触媒の
使用量は、アダマンタン類1モルに対して、例えば0.
0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モル
程度である。また、金属系助触媒の使用量は、アダマン
タン類1モルに対して、例えば0.0001〜0.7モ
ル、好ましくは0.001〜0.5モル程度である。酸
素としては、純粋な酸素を用いてもよく、また不活性ガ
スで希釈した酸素や空気を用いてもよい。酸素はアダマ
ンタン類に対して過剰量用いる場合が多い。反応は、例
えば、酢酸などの有機酸、アセトニトリルなどのニトリ
ル類、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素などの
溶媒中、常圧又は加圧下、0〜200℃程度、好ましく
は30〜150℃程度の温度で行われる。生成したアダ
マンタンジオール類は、濃縮、濾過、抽出、晶析、再結
晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の慣用の分離精
製手段を用いて分離精製できる。
−ヒドロキシフタルイミド等のN−ヒドロキシイミド系
触媒と、必要に応じてコバルト化合物(例えば、酢酸コ
バルト、コバルトアセチルアセトナト等)などの金属系
助触媒の存在下、酸素と接触させることにより、アダマ
ンタン環の橋頭位に2つのヒドロキシル基を導入でき
る。この方法において、N−ヒドロキシイミド系触媒の
使用量は、アダマンタン類1モルに対して、例えば0.
0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モル
程度である。また、金属系助触媒の使用量は、アダマン
タン類1モルに対して、例えば0.0001〜0.7モ
ル、好ましくは0.001〜0.5モル程度である。酸
素としては、純粋な酸素を用いてもよく、また不活性ガ
スで希釈した酸素や空気を用いてもよい。酸素はアダマ
ンタン類に対して過剰量用いる場合が多い。反応は、例
えば、酢酸などの有機酸、アセトニトリルなどのニトリ
ル類、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素などの
溶媒中、常圧又は加圧下、0〜200℃程度、好ましく
は30〜150℃程度の温度で行われる。生成したアダ
マンタンジオール類は、濃縮、濾過、抽出、晶析、再結
晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の慣用の分離精
製手段を用いて分離精製できる。
【0013】本発明では、式(1)で表されるアダマン
タンジオール類から1種の化合物のみを選択して使用し
てもよく、複数の化合物を併用してもよい。また、本発
明のポリエステル重合体を構成するジオール成分とし
て、前記式(1)で表されるアダマンタンジオール類と
ともに、他のジオール成分を併用することもできる。こ
のようなジオール成分としては、一般のポリエステルの
原料として使用されるジオール、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリメチルレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、
1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,1−シクロ
ヘキサンジオール、2−メチル−1,1−シクロヘキサ
ンジオール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカン
ジメタノール、2,2−ノルボルナンジメタノール、3
−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、2,3
−ノルボルナンジメタノール、パーヒドロ−1,4:
5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールな
どの脂環式ジオール;ヒドロキノン、カテコール、レゾ
ルシン、ナフタレンジオール、キシリレンジオール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのエチレ
ンオキシド付加物などの芳香族ジオール;ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ジプロピレングリコールなどのエーテルグリコ
ールなどが挙げられる。これらの中でも、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール類などが
好ましい。上記ジオール成分は1種又は2種以上混合し
て使用できる。
タンジオール類から1種の化合物のみを選択して使用し
てもよく、複数の化合物を併用してもよい。また、本発
明のポリエステル重合体を構成するジオール成分とし
て、前記式(1)で表されるアダマンタンジオール類と
ともに、他のジオール成分を併用することもできる。こ
のようなジオール成分としては、一般のポリエステルの
原料として使用されるジオール、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリメチルレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、
1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,1−シクロ
ヘキサンジオール、2−メチル−1,1−シクロヘキサ
ンジオール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカン
ジメタノール、2,2−ノルボルナンジメタノール、3
−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、2,3
−ノルボルナンジメタノール、パーヒドロ−1,4:
5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールな
どの脂環式ジオール;ヒドロキノン、カテコール、レゾ
ルシン、ナフタレンジオール、キシリレンジオール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのエチレ
ンオキシド付加物などの芳香族ジオール;ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ジプロピレングリコールなどのエーテルグリコ
ールなどが挙げられる。これらの中でも、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール類などが
好ましい。上記ジオール成分は1種又は2種以上混合し
て使用できる。
【0014】本発明のポリエステル重合体を構成する全
ジオール成分中の前記式(1)で表されるアダマンタン
ジオール類の割合は任意に変えることができるが、通常
1〜100モル%、好ましくは10〜100モル%、さ
らに好ましくは15〜100モル%程度である。
ジオール成分中の前記式(1)で表されるアダマンタン
ジオール類の割合は任意に変えることができるが、通常
1〜100モル%、好ましくは10〜100モル%、さ
らに好ましくは15〜100モル%程度である。
【0015】本発明のポリエステル重合体を構成するジ
カルボン酸成分には、前記式(2)で表されるシクロヘ
キサンジカルボン酸類が含まれている。前記式(2)に
おいて、環を構成する炭素原子が有していてもよい置換
基としては、例えば、前記式(1)で表される化合物に
おいてアダマンタン環を構成する炭素原子が有していて
もよい置換基と同様のものが挙げられる。式(2)で表
されるシクロヘキサンジカルボン酸類の中でも、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸などが好ましい。特に好ましいジカルボン酸成分は
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。
カルボン酸成分には、前記式(2)で表されるシクロヘ
キサンジカルボン酸類が含まれている。前記式(2)に
おいて、環を構成する炭素原子が有していてもよい置換
基としては、例えば、前記式(1)で表される化合物に
おいてアダマンタン環を構成する炭素原子が有していて
もよい置換基と同様のものが挙げられる。式(2)で表
されるシクロヘキサンジカルボン酸類の中でも、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸などが好ましい。特に好ましいジカルボン酸成分は
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。
【0016】式(2)で表されるシクロヘキサンジカル
ボン酸類は、公知乃至慣用の方法により得ることができ
る。
ボン酸類は、公知乃至慣用の方法により得ることができ
る。
【0017】本発明では、上記シクロヘキサンジカルボ
ン酸類から1種の化合物のみを選択して使用してもよ
く、複数の化合物を併用してもよい。また、シクロヘキ
サンジカルボン酸類には、cis体とtrans体とが
存在しうるが、これらの異性体のうち一方のみを用いて
もよく、混合物を用いてもよい。cis体とtrans
体との比率は、前者/後者(モル比)=0/100〜1
00/0である。
ン酸類から1種の化合物のみを選択して使用してもよ
く、複数の化合物を併用してもよい。また、シクロヘキ
サンジカルボン酸類には、cis体とtrans体とが
存在しうるが、これらの異性体のうち一方のみを用いて
もよく、混合物を用いてもよい。cis体とtrans
体との比率は、前者/後者(モル比)=0/100〜1
00/0である。
【0018】本発明のポリエステル重合体を構成するジ
カルボン酸成分として、前記シクロヘキサンジカルボン
酸類とともに、他のジカルボン酸成分を併用することも
できる。このようなジカルボン酸成分としては、ポリエ
ステルの原料として一般に使用されるジカルボン酸、例
えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカ
ルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′−ジ
フェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ジフ
ェノキシエタン−4′,4′′−ジカルボン酸、アント
ラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、
ジフェニルケトンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;
2,3−ノルボルナンジカルボン酸、パーヒドロ−1,
4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジカルボン
酸、トリシクロデカンジカルボン酸、1,3−アダマン
タンジカルボン酸、1,3−ジメチル−5,7−アダマ
ンタンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙
げられる。これらの中でも、脂環式ジカルボン酸類など
が好ましい。上記のジカルボン酸成分は1種又は2種以
上組み合わせて使用できる。
カルボン酸成分として、前記シクロヘキサンジカルボン
酸類とともに、他のジカルボン酸成分を併用することも
できる。このようなジカルボン酸成分としては、ポリエ
ステルの原料として一般に使用されるジカルボン酸、例
えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカ
ルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン
酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′−ジ
フェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ジフ
ェノキシエタン−4′,4′′−ジカルボン酸、アント
ラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、
ジフェニルケトンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;
2,3−ノルボルナンジカルボン酸、パーヒドロ−1,
4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジカルボン
酸、トリシクロデカンジカルボン酸、1,3−アダマン
タンジカルボン酸、1,3−ジメチル−5,7−アダマ
ンタンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙
げられる。これらの中でも、脂環式ジカルボン酸類など
が好ましい。上記のジカルボン酸成分は1種又は2種以
上組み合わせて使用できる。
【0019】本発明のポリエステル重合体を構成する全
ジカルボン酸成分中の前記式(2)で表されるシクロヘ
キサンジカルボン酸類の割合は任意に変えることができ
るが、通常1〜100モル%、好ましくは10〜100
モル%、さらに好ましくは15〜100モル%程度であ
る。
ジカルボン酸成分中の前記式(2)で表されるシクロヘ
キサンジカルボン酸類の割合は任意に変えることができ
るが、通常1〜100モル%、好ましくは10〜100
モル%、さらに好ましくは15〜100モル%程度であ
る。
【0020】本発明のポリエステル重合体は、ジカルボ
ン酸成分として重合性二重結合を有する成分を含まない
ポリエステル重合体であることが好ましく、特に、重合
性二重結合を有しないジカルボン酸成分及びジオール成
分からなる飽和ポリエステル(熱可塑性ポリエステル)
であるのが好ましい。ポリエステル重合体の数平均分子
量は、例えば1,000〜150,000程度、好まし
くは3,000〜100,000程度である。
ン酸成分として重合性二重結合を有する成分を含まない
ポリエステル重合体であることが好ましく、特に、重合
性二重結合を有しないジカルボン酸成分及びジオール成
分からなる飽和ポリエステル(熱可塑性ポリエステル)
であるのが好ましい。ポリエステル重合体の数平均分子
量は、例えば1,000〜150,000程度、好まし
くは3,000〜100,000程度である。
【0021】本発明のポリエステル重合体の還元粘度
は、成形物としたときの機械特性の点から、フェノール
/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶液(重量
比4/6)中、濃度1.2g/dl、温度35℃の条件
での測定値として、0.5程度以上であることが好まし
い。
は、成形物としたときの機械特性の点から、フェノール
/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶液(重量
比4/6)中、濃度1.2g/dl、温度35℃の条件
での測定値として、0.5程度以上であることが好まし
い。
【0022】本発明のポリエステル重合体は、前記式
(1)で表されるアダマンタンジオール類を含むジオー
ル成分と、前記式(2)で表されるシクロヘキサンジカ
ルボン酸類を含むジカルボン酸成分を含むジカルボン酸
成分又はその反応性誘導体とを重縮合させることにより
製造できる。
(1)で表されるアダマンタンジオール類を含むジオー
ル成分と、前記式(2)で表されるシクロヘキサンジカ
ルボン酸類を含むジカルボン酸成分を含むジカルボン酸
成分又はその反応性誘導体とを重縮合させることにより
製造できる。
【0023】上記ジカルボン酸成分の反応性誘導体とし
ては、例えば、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無
水物、ジカルボン酸ハロゲン化物(ジカルボン酸塩化物
等)などを使用できる。ジカルボン酸エステル、ジカル
ボン酸無水物、ジカルボン酸ハロゲン化物は、対応する
ジカルボン酸から慣用の方法により誘導できる。
ては、例えば、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸無
水物、ジカルボン酸ハロゲン化物(ジカルボン酸塩化物
等)などを使用できる。ジカルボン酸エステル、ジカル
ボン酸無水物、ジカルボン酸ハロゲン化物は、対応する
ジカルボン酸から慣用の方法により誘導できる。
【0024】本発明のポリエステル重合体の製造の実施
形態としては、一般的なポリエステルの製造法を適用す
ることができる。例えば、遊離のジカルボン酸又はジカ
ルボン酸無水物を原料として使用する場合には、ジオー
ル成分とジカルボン酸又はジカルボン酸無水物とを反応
器に入れて加熱し、反応により生成する水を系外に留去
させることによりポリエステル重合体を製造できる。こ
の反応は、必ずしも触媒を必要としないが、触媒を用い
ることにより反応を促進させることができる。触媒とし
ては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜
鉛、チタン、コバルト、マンガンなどの金属の酢酸塩、
炭酸塩、水酸化物、アルコキシドなどが挙げられる。反
応温度は120〜300℃程度、好ましくは160〜3
00℃程度である。反応圧力は、通常常圧であるが、水
の留去を促進させるため減圧下でエステル化反応を行っ
てもよい。ジオール成分とジカルボン酸又はジカルボン
酸無水物とのモル比は約1であってもよいが、高分子量
のポリエステルを得るため、ジオール成分を過剰量用い
てもよい。
形態としては、一般的なポリエステルの製造法を適用す
ることができる。例えば、遊離のジカルボン酸又はジカ
ルボン酸無水物を原料として使用する場合には、ジオー
ル成分とジカルボン酸又はジカルボン酸無水物とを反応
器に入れて加熱し、反応により生成する水を系外に留去
させることによりポリエステル重合体を製造できる。こ
の反応は、必ずしも触媒を必要としないが、触媒を用い
ることにより反応を促進させることができる。触媒とし
ては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜
鉛、チタン、コバルト、マンガンなどの金属の酢酸塩、
炭酸塩、水酸化物、アルコキシドなどが挙げられる。反
応温度は120〜300℃程度、好ましくは160〜3
00℃程度である。反応圧力は、通常常圧であるが、水
の留去を促進させるため減圧下でエステル化反応を行っ
てもよい。ジオール成分とジカルボン酸又はジカルボン
酸無水物とのモル比は約1であってもよいが、高分子量
のポリエステルを得るため、ジオール成分を過剰量用い
てもよい。
【0025】また、ジカルボン酸エステルを原料として
用いる場合には、ジオール成分とジカルボン酸エステル
と触媒とを反応器に仕込み、反応で生成するアルコール
を系外に留去させることによりポリエステル重合体を製
造できる。ジカルボン酸エステルとしては、ジカルボン
酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、ブチルエステルなどを使用できるが、反応の容易さ
及びコストの点でメチルエステルが特に好ましい。前記
触媒としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、亜鉛、鉛、チタン、コバルト、マンガン、スズ、ア
ンチモン、ゲルマニウムなどの金属のカルボン酸塩、炭
酸塩、水酸化物、アルコキシド、酸化物などが挙げられ
る。反応温度は120〜300℃程度、好ましくは16
0〜300℃程度である。反応圧力は、常圧であっても
よいが、アルコールの留去を促進させるため減圧下でエ
ステル化反応を行ってもよい。また、ジオール成分とジ
カルボン酸エステルとのモル比は約1であってもよい
が、高分子量のポリエステルを得るため、ジオール成分
を過剰量用いてもよい。
用いる場合には、ジオール成分とジカルボン酸エステル
と触媒とを反応器に仕込み、反応で生成するアルコール
を系外に留去させることによりポリエステル重合体を製
造できる。ジカルボン酸エステルとしては、ジカルボン
酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、ブチルエステルなどを使用できるが、反応の容易さ
及びコストの点でメチルエステルが特に好ましい。前記
触媒としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、亜鉛、鉛、チタン、コバルト、マンガン、スズ、ア
ンチモン、ゲルマニウムなどの金属のカルボン酸塩、炭
酸塩、水酸化物、アルコキシド、酸化物などが挙げられ
る。反応温度は120〜300℃程度、好ましくは16
0〜300℃程度である。反応圧力は、常圧であっても
よいが、アルコールの留去を促進させるため減圧下でエ
ステル化反応を行ってもよい。また、ジオール成分とジ
カルボン酸エステルとのモル比は約1であってもよい
が、高分子量のポリエステルを得るため、ジオール成分
を過剰量用いてもよい。
【0026】ジカルボン酸塩化物などのジカルボン酸ハ
ロゲン化物を原料に用いてポリエステル重合体を得る方
法としては、(i)ジオール成分とジカルボン酸ハロゲ
ン化物とを高温無溶媒下で反応させ、生成するハロゲン
化水素を留去する方法、(ii)ジオール成分とジカルボ
ン酸ハロゲン化物とを溶媒中低温で反応させ、生成する
ハロゲン化水素を留去するか又は塩基性物質により中和
する方法などが挙げられる。反応温度は0〜280℃程
度の範囲から適宜選択できる。
ロゲン化物を原料に用いてポリエステル重合体を得る方
法としては、(i)ジオール成分とジカルボン酸ハロゲ
ン化物とを高温無溶媒下で反応させ、生成するハロゲン
化水素を留去する方法、(ii)ジオール成分とジカルボ
ン酸ハロゲン化物とを溶媒中低温で反応させ、生成する
ハロゲン化水素を留去するか又は塩基性物質により中和
する方法などが挙げられる。反応温度は0〜280℃程
度の範囲から適宜選択できる。
【0027】前記(ii)の方法において用いる溶媒とし
ては、反応に不活性であれば特に限定されず、例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル類;アセトニトリルなどのニトリル
類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミ
ド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;1,
3−ジメチル−2−イミダゾリンなどのイミダゾリン
類;ヘキサメチルホスホルアミドなどが例示できる。ま
た、前記塩基性物質としては、例えば、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリンなど
の第3級アミン;ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリ
ン、γ−ピコリン、キノリンなどの塩基性含窒素複素環
化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアル
カリ金属水酸化物;酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウムなど
のアルカリ金属塩などが挙げられる。なお、前記N−メ
チル−2−ピロリドンなどの溶媒は塩基性物質としても
機能する。重合により生成したポリエステル重合体は、
濾過、濃縮、沈殿、晶析、冷却固化などの慣用の方法に
より単離できる。
ては、反応に不活性であれば特に限定されず、例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル類;アセトニトリルなどのニトリル
類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミ
ド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;1,
3−ジメチル−2−イミダゾリンなどのイミダゾリン
類;ヘキサメチルホスホルアミドなどが例示できる。ま
た、前記塩基性物質としては、例えば、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリンなど
の第3級アミン;ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリ
ン、γ−ピコリン、キノリンなどの塩基性含窒素複素環
化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアル
カリ金属水酸化物;酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウムなど
のアルカリ金属塩などが挙げられる。なお、前記N−メ
チル−2−ピロリドンなどの溶媒は塩基性物質としても
機能する。重合により生成したポリエステル重合体は、
濾過、濃縮、沈殿、晶析、冷却固化などの慣用の方法に
より単離できる。
【0028】
【発明の効果】本発明のポリエステル重合体は、耐熱
性、低吸水性、光学的特性及び成形性に優れている。そ
のため、光ディスク、レンズ、光コネクターなどの各種
光学・電子情報材料、輸液キット、カテーテル、シリン
ジ、真空採血管などの医療器具材料などとして有用であ
る。
性、低吸水性、光学的特性及び成形性に優れている。そ
のため、光ディスク、レンズ、光コネクターなどの各種
光学・電子情報材料、輸液キット、カテーテル、シリン
ジ、真空採血管などの医療器具材料などとして有用であ
る。
【0029】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0030】実施例1 50mlのフラスコに、1,3−ジヒドロキシ−5,7
−ジメチルアダマンタン1.96g、及び乾燥したN−
メチル−2−ピロリドン5mlを仕込み、これに攪拌し
ながら、室温で1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ク
ロライド[cis/trans=49.7/50.3]2.09gと乾燥N
−メチル−2−ピロリドン5mlの混合溶液を15分間
滴下した。滴下終了後、混合溶液を100℃で3時間反
応させた。重合終了後、反応混合液を500mlのメタ
ノール中に少量ずつ滴下し、生成したポリマーを沈殿さ
せた。このポリマーを濾過して洗浄した後、真空乾燥し
て、白色のポリエステル重合体を3.4g得た。得られ
たポリマーの数平均分子量と分子量分布(Mw/Mn)
をGPCで測定した結果、それぞれ5,380と2.1
4であった。また、このポリマーのTg(ガラス転移温
度)、Tm(融点)をDSC(示差走査熱量測定装置)
で測定した結果、それぞれ159.7℃、264.1℃
であった。さらに、このポリマーの熱分解温度は42
0.2℃であった。得られたポリマーの1H−NMRス
ペクトル(溶媒:CDCl3)を図1に示す。
−ジメチルアダマンタン1.96g、及び乾燥したN−
メチル−2−ピロリドン5mlを仕込み、これに攪拌し
ながら、室温で1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ク
ロライド[cis/trans=49.7/50.3]2.09gと乾燥N
−メチル−2−ピロリドン5mlの混合溶液を15分間
滴下した。滴下終了後、混合溶液を100℃で3時間反
応させた。重合終了後、反応混合液を500mlのメタ
ノール中に少量ずつ滴下し、生成したポリマーを沈殿さ
せた。このポリマーを濾過して洗浄した後、真空乾燥し
て、白色のポリエステル重合体を3.4g得た。得られ
たポリマーの数平均分子量と分子量分布(Mw/Mn)
をGPCで測定した結果、それぞれ5,380と2.1
4であった。また、このポリマーのTg(ガラス転移温
度)、Tm(融点)をDSC(示差走査熱量測定装置)
で測定した結果、それぞれ159.7℃、264.1℃
であった。さらに、このポリマーの熱分解温度は42
0.2℃であった。得られたポリマーの1H−NMRス
ペクトル(溶媒:CDCl3)を図1に示す。
【0031】実施例2 50mlのフラスコに、1,3−ジヒドロキシ−5,7
−ジメチルアダマンタン1.01g、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール[cis/trans=27.1/72.9]0.73
g及び乾燥したN−メチル−2−ピロリドン5mlを仕
込み、これに攪拌しながら、室温で1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸クロライド[cis/trans=49.7/50.3]
2.09gと乾燥N−メチル−2−ピロリドン5mlの
混合溶液を15分間滴下した。滴下終了後、混合溶液を
100℃で3時間反応させた。重合終了後、反応混合液
を500mlのメタノール中に少量ずつ滴下し、生成し
たポリマーを沈殿させた。このポリマーを濾過して洗浄
した後、真空乾燥して、白色のポリエステル重合体を
2.6g得た。得られたポリマーの数平均分子量と分子
量分布(Mw/Mn)をGPCで測定した結果、それぞ
れ4,860と1.92であった。また、このポリマー
のTg(ガラス転移温度)をDSC(示差走査熱量測定
装置)で測定した結果、105.3℃であった。
−ジメチルアダマンタン1.01g、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール[cis/trans=27.1/72.9]0.73
g及び乾燥したN−メチル−2−ピロリドン5mlを仕
込み、これに攪拌しながら、室温で1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸クロライド[cis/trans=49.7/50.3]
2.09gと乾燥N−メチル−2−ピロリドン5mlの
混合溶液を15分間滴下した。滴下終了後、混合溶液を
100℃で3時間反応させた。重合終了後、反応混合液
を500mlのメタノール中に少量ずつ滴下し、生成し
たポリマーを沈殿させた。このポリマーを濾過して洗浄
した後、真空乾燥して、白色のポリエステル重合体を
2.6g得た。得られたポリマーの数平均分子量と分子
量分布(Mw/Mn)をGPCで測定した結果、それぞ
れ4,860と1.92であった。また、このポリマー
のTg(ガラス転移温度)をDSC(示差走査熱量測定
装置)で測定した結果、105.3℃であった。
【図1】実施例1で得られたポリマーの1H−NMRス
ペクトルである。
ペクトルである。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるアダマンタンジオール類を含むジオー
ル成分と、下記式(2) 【化2】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分との縮合により得られるポリエステル
重合体。 - 【請求項2】 1,3−ジヒドロキシ−5,7−ジメチ
ルアダマンタンを含むジオール成分と、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸を含むジカルボン酸成分との縮合
により得られる請求項1記載のポリエステル重合体。 - 【請求項3】 数平均分子量が1,000〜150,0
00である請求項1又は2記載のポリエステル重合体。 - 【請求項4】 数平均分子量が3,000〜100,0
00である請求項1又は2記載のポリエステル重合体。 - 【請求項5】 下記式(1) 【化3】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるアダマンタンジオール類を含むジオー
ル成分と、下記式(2) 【化4】 (式中、環を構成する炭素原子は置換基を有していても
よい)で表されるシクロヘキサンジカルボン酸類を含む
ジカルボン酸成分又はその反応性誘導体とを重縮合させ
ることを特徴とするポリエステル重合体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25367499A JP2001072746A (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 新規なポリエステル重合体とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25367499A JP2001072746A (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 新規なポリエステル重合体とその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001072746A true JP2001072746A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17254598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25367499A Withdrawn JP2001072746A (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 新規なポリエステル重合体とその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001072746A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108610608A (zh) * | 2018-04-21 | 2018-10-02 | 湖南辰砾新材料有限公司 | 一种高强度环保塑胶材料及其制备方法 |
-
1999
- 1999-09-07 JP JP25367499A patent/JP2001072746A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108610608A (zh) * | 2018-04-21 | 2018-10-02 | 湖南辰砾新材料有限公司 | 一种高强度环保塑胶材料及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060831 |