JP4274444B2 - オレフィン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン化合物の製造方法に関し、詳しくは、アルコール化合物を無溶媒もしくは溶媒中で、脱水触媒を用いて分子内脱水することによるオレフィン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
濃硫酸やリン酸等の無機酸を用いた、アルコールの脱水反応によるオレフィン化合物の製造方法は、既に知られている(Org.Synth.coll. vol.2、151(1943)等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら公知の濃硫酸やリン酸等の無機酸を用いたアルコール化合物の脱水反応では、従来必ずしも満足な結果は得られていなかった。即ち、リン酸などでは酸性度が弱いため、反応時間の長時間化や反応温度の高温化が必要とされ、他方濃硫酸などでは逆に酸性度が強すぎるため、好ましくない副反応が生じ、収率を低下させ、分離困難な副生成物の生成が起こってしまうという問題があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、副反応が極めて少なく、収率が良好で、かつ実用的な反応時間で得られるアルコールの脱水反応によるオレフィン化合物の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の脱水触媒を使用することによって高収率、高純度で効率よくオレフィン化合物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明のオレフィン化合物の製造方法は、分子中に、水酸基の結合したシクロヘキサン環を少なくとも2つ以上含有するアルコール化合物を、式MHSO(但し、MはLi、Na、K又はNHを示す)で表される脱水触媒を用い、沸点が60〜250℃の範囲内の炭化水素系溶媒またはハロゲン炭化水素系溶媒を使用して、分子内脱水することを特徴とするものである。
【0007】
以下、本発明のオレフィン化合物の製造方法を詳述する。本発明に使用される出発物質としてのアルコールは分子中に水酸基の結合したシクロヘキサン環を、少なくとも2つ以上含有する化合物である場合、従来技術に比して本発明の効果がより顕著に現れるため、このようなアルコール化合物を出発物質とする場合、本発明は特に有効である。
【0010】
このような分子中にシクロヘキサン環を有し、且つ、該シクロヘキサン環に結合した水酸基を少なくとも1つ以上含有する化合物としては、例えば、シクロヘキサノール、4−ターシャリブチルシクロヘキサノール、アダマンタノール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、シクロヘキサンジプロパノール、シクロヘキサンジターシャリブタノール、水添ビフェノール、ビス(シクロヘキサノール)メタン、ビス(ジメチルシクロヘキサノール)メタン、1,2−ビス(シクロヘキサノール)エタン、1,3−ビス(シクロヘキサノール)プロパン、1,4−ビス(シクロヘキサノール)ブタン、1,5−ビス(シクロヘキサノール)ペンタン、1,6−ビス(シクロヘキサノール)ヘキサン、2,2’−ビス(シクロヘキサノール)プロパン、ビス(シクロヘキサノール)フェニルメタン、α,α−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−ヒドロキシ−α,α−ジメチルシクロヘキシル)−エチルベンゼン、3,3’−ビス(シクロヘキサノール)ペンタン、5,5’−ビス(シクロヘキサノール)ヘプタン、ドデカヒドロフルオレンジオール、トリス(シクロヘキサノール)メタン、トリス(シクロヘキサノール)エタン、1,3,3’−トリス(シクロヘキサノール)ブタン、テトラキス(シクロヘキサノール)エタン、2,2’−ビズ〔4,4’−ビス(シクロヘキサノール)シクロヘキシル〕プロパン、水添ポリフェノール等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0011】
更に、分子中に水酸基の結合したシクロヘキサン環を、少なくとも2つ以上含有する化合物の脱水反応に対しては、上記と同様の理由から本発明は特に有効である。分子中に水酸基の結合したシクロヘキサン環を、少なくとも2つ以上含有する化合物としては、例えば、水添ビフェノール、アダマンタノール、ジシクロヘキサノールメタン、ビス(ジメチルシクロヘキサノール)メタン、1,2−ビス(シクロヘキサノール)エタン、1,3−ビス(シクロヘキサノール)プロパン、1,4−ビス(シクロヘキサノール)ブタン、1,5−ビス(シクロヘキサノール)ペンタン、1,6−ビス(シクロヘキサノール)ヘキサン、2,2’−ビス(シクロヘキサノール)プロパン、ビス(シクロヘキサノール)フェニルメタン、α,α−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−ヒドロキシ−α,α−ジメチルシクロヘキシル)−エチルベンゼン、3,3’−ビス(シクロヘキサノール)ペンタン、5,5’−ビス(シクロヘキサノール)ヘプタン、ドデカヒドロフルオレンジオール、トリス(シクロヘキサノール)メタン、トリス(シクロヘキサノール)エタン、1,3,3’−トリス(シクロヘキサノール)ブタン、テトラキス(シクロヘキサノール)エタン、2,2’−ビス〔4,4’−ビス(シクロヘキサノール)シクロヘキシル〕プロパン、水添ポリフェノール等及びこれらの混合物が挙げられる。
【0012】
本発明に使用される脱水触媒は式MHSO(但し、MはLi、Na、K又はNHを示す)で表される化合物であり、Mの種類はこれらのうち、経済的にはNaまたはKが好ましく、これらの脱水触媒は単一化合物を使用してもよいし、複数の化合物を併用することもできる。
【0013】
上記脱水触媒化合物のアルコールに対する使用量は特に限定されるものではないが、好ましくは0.1〜20モル%、特に好ましくは5〜15モル%がよい。
【0014】
0.1モル%より添加量が少ない場合は脱水反応が遅くなることがあり、一方20モル%より添加量が多い場合は、副生成物が生成し易くなる。
【0015】
本発明に使用する脱水触媒は、式MSO(但し、MはLi、Na、K又はNHを示す)と硫酸とから容易に合成できるので、予め合成したものを固体または水溶液(ただし、水溶液の濃度が極端に薄いと生成物の分離操作などに時間ががかるので、水分は極力少ない方が好ましい)として使用することができる。また、脱水反応の直前に同じ反応装置内で脱水触媒を合成して、その後連続して脱水反応を行ってもよい。
【0016】
本発明における脱水反応は、無溶媒中で行なうことができるが、出発物質のアルコールが固体である場合や、反応条件の安定化を希望する場合などは溶媒中で行なうこともできる。溶媒としては、反応条件下で液体であり、望ましくない副反応を全くもしくは非常に少ない程度しか生じないものであれば特に制限無く使用することができる。好ましくは、多種の未置換の、もしくは置換された炭化水素系有機溶媒またはハロゲン化炭化水素系有機溶媒が好ましく、また、複数の炭化水素類又はハロゲン化炭化水素類の混合物も使用することができる。
【0017】
このような炭化水素類及びハロゲン化炭化水素類の例としては、脂肪族あるいは脂環式炭化水素類、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、2,3−ジメチルヘプタン、シクロデカン、トリデカン、テトラデカン、ぺンタデカン、ヘキサデカン、芳香族炭化水素類、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、キシレン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、ビフェニル、エチルトルエン、トリメチルベンゼン、ハロゲン化炭化水素類、例えば、フロロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、炭化水素類の混合物、例えば、商品名ソルベッソ−100、ソルベッソ−150、ソルベッソ−200、アイソパーG、アイソパーH(エクソン化学社製)等が挙げられる。
【0018】
これらのなかでも沸点が60℃〜250℃である溶媒は生成するオレフィン化合物を分離しやすいので好ましく、更に、脱水により生成する水分や、脱水触媒が水溶液で供給された場合の水分などを分水しやすい点で、沸点範囲100℃〜210℃の溶媒が最も好ましい。
【0019】
このような溶媒としては、例えば、脂肪族あるいは脂環式炭化水素類、例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、2,3−ジメチルヘプタン、シクロデカン、トリデカン、テトラデカン、芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、キシレン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、ビフェニル、エチルトルエン、トリメチルベンゼン、ハロゲン化炭化水素類、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、炭化水素類の混合物、例えば、商品名ソルベッソ−100、ソルベッソ−150、ソルベッソ−200、アイソパーG、アイソパーH(エクソン化学社製)等が挙げられる。
【0020】
本発明における反応温度は、実質的に上記式で示される脱水触媒による分子内脱水が起こる温度であればよいが、好ましくは60℃〜250℃、より好ましくは100℃〜210℃であり、かかる好適温度範囲内であると反応時間、少副生成物の点で好ましい。
【0021】
本発明における脱水反応は種々の圧力で行うことができ、使用するアルコール、溶媒、生成オレフィンの性質などを勘案して自由に設定することができるが、常圧もしくは減圧下で実施するのが工業的には好ましい。
【0022】
本発明により製造されたオレフィン化合物は公知の方法で容易に単離することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
実施例1
スタラー、分水管付き冷却管、温度計、窒素導入管を備えている1リットルの4つ口フラスコに、脱水触媒を溶解するための水30g、硫酸ナトリウム7.10g(0.05mol)、95%硫酸5.16g(0.05mol)を加え、撹拌し、硫酸水素ナトリウムの25%水溶液を調製した。次に、これに2,2−ビス(シクロヘキサノール)プロパン204.38g(1.00mol)、ソルベッソ−150(エクソン化学社製)205gを加え、オイルバスで100℃に昇温し、最初に加えた水(硫酸水素ナトリウム水溶液の水分)を分水管を通じて系外へ留出させた。その後温度を上昇させ、130℃〜205℃に約8時間かけて上昇させた。この間に分子内脱水反応により、水が系外へ留出し、水の留出が無くなった時点で反応終了とした。反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、99%の収率で2,2−ビス(シクロヘキセニル)プロパンが生成していた。得られた反応液を、1リットルの分液ロートを用いて、300ミリリットルの水で3回洗浄した後、減圧蒸留して無色透明液状の2,2−ビス(シクロヘキセニル)プロパン198.41g(回収率98%)を得た。
【0024】
実施例2
スタラー、分水管付き冷却管、温度計、窒素導入管を備えている1リットルの4つ口フラスコに、脱水触媒を溶解するための水40g、硫酸カリウム8.71g(0.05mol)、95%硫酸5.16g(0.05mol)を加え、撹拌し、硫酸水素カリウムの25%水溶液を調製した。次に、これにトリス(シクロヘキサノール)メタン310.48g(1.00mol)、ソルベッソ−150(エクソン化学社製)300gを加え、オイルバスで100℃に昇温し、最初に加えた水(硫酸水素ナトリウム水溶液の水分)を分水管を通じて系外へ留出させた。その後温度を上昇させ、140℃〜200℃に約8時間かけて上昇させた。この間に分子内脱水反応により、水が系外へ留出し、水の留出が無くなった時点で反応終了とした。反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、95%の収率でトリス(シクロヘキセニル)メタンが生成していた。また、2%が1,1’−ビス(シクロヘキセニル)−1−シクロヘキサノールメタンであり、3%は原料の分解物及びオレフィンの重合物であった。
【0025】
参考例1
スタラー、分水管付き冷却管、温度計、窒素導入管を備えている1リットルの4つ口フラスコに、脱水触媒を溶解するための水40g、硫酸カリウム8.71g(0.05mol)、95%硫酸5.16g(0.05mol)を加え、撹拌し、硫酸水素カリウムの25%水溶液を調製した。次に、これに4−フェニル−1−ブタノール150.22g(1.00mol)、キシレン150gを加え、オイルバスで100℃に昇温し、最初に加えた水(硫酸水素ナトリウム水溶液の水分)を分水管を通じて系外へ留出させた。その後温度を上昇させ、100℃〜150℃に約7時間かけて上昇させた。その間、分子内脱水により、水が系外へ留出し、水の留出が無くなった時点で反応終了とした。反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、85%の収率で4−フェニル−1−ブテンが生成していた。また、5%が未反応の原料であり、10%が原料の分解物や重合物等の副生成物であった。
【0026】
参考例2
スタラー、分水管付き冷水管、温度計、窒素導入管を備えている1リットルの4つ口フラスコに、脱水触媒を溶解するための水30g、硫酸ナトリウム7.10g(0.05mol)を加え、攪拌し、硫酸水素ナトリウムの25%水溶液を調製した。次に、これに4−ターシャリーブチルシクロヘキサノール156.27g(1.00mol)、ソルベッソー100(エクソン化学社製)150gを加え、オイルバスで100℃に昇温し、最初に加えた水(硫酸水素ナトリウム水溶液の水分)を分水管を通じて系外へ留出させた。その後温度を上昇させ、100℃〜165℃に約5時間かけて昇温した。その間、分子内脱水により水が系外へ留出し、水の留去が無くなった時点で反応終了とした。反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、90%の収率で4−ターシャリブチルシクロヘキセンが生成していた。また、3%が未反応の原料であり、7%が原料の分解物や重合物等の副生成物であった。
【0027】
参考例3
スタラー、分水管付き冷却管、温度計、窒素導入管を備えている200ミリリットルの4つ口フラスコに、脱水触媒を溶解するための水30g、硫酸ナトリウム7.10g(0.05mol)、95%硫酸5.16g(0.05mol)を加え、撹拌し、硫酸水素ナトリウムの25%水溶液を調製した。次に、これにシクロヘキサノール100.06g(1.00mol)を加え、オイルバスで昇温し、90℃に約6時間保持した。この間、最初に加えた水(硫酸水素ナトリウム水溶液の水分)及び分子内脱水による水が分水管に溜まり、適宜除去した。水の留去が無くなった時点で反応終了とした。反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、90%の収率でシクロヘキセンが生成していた。また、残りの10%が未反応の原料であった。
【0028】
実施例3
実施例1において、脱水触媒を硫酸水素リチウム、硫酸水素アンモニウム、及び硫酸水素ナトリウムと硫酸水素カリウムとの混合触媒に代えた以外は実施例1と同様にして、3種類の脱水反応を行ったところ、表1及び表2に示す結果を得た。
【0029】
実施例4
実施例1において、硫酸水素ナトリウムの添加量を表1に示す如く変えた以外は実施例1と同様にして、4種類の脱水反応を行ったところ、表2に示す結果を得た。
【0030】
参考例4
参考例2において、反応溶媒を、脂肪族炭化水素(ノナン)、芳香族炭化水素(キシレン)、ハロゲン化炭化水素(1,2−ジクロロベンゼン)及び無溶媒に代えた以外は実施例4と同様にして、4種類の脱水反応を行ったところ、表3に示す結果を得た。
【0031】
比較例1
スタラー、分水管付き冷却管、温度計、窒素導入管を備えている1リットルの4つ口フラスコに、98%硫酸5.00g(0.05mol)を加え、撹拌した。次に、これに2,2−ビス(シクロヘキサノール)プロパン204.38g(1.00mol)、ソルベッソ−150(エクソン化学社製)205gを加え、オイルバスで130℃に昇温するとアルコールは融解し、同時に徐々に分子内脱水が始まった。その後約4時間かけて200℃に昇温し、水が系外へ流出した。それと並行して反応液が濃茶褐色に着色してきた。水の留去が無くなり反応終了とした。反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、2,2−ビス(シクロヘキセニル)プロパンが収率40%で得られたが、それ以外に多量の高分子量体の生成が認められた。
【0032】
比較例2
スタラー、分水管付き冷却管、温度計、窒素導入管を備えている1リットルの4つ口フラスコに、85%リン酸23.04g(0.20mol)を加え、撹拌した。次に、これに2,2−ビス(シクロヘキサノール)プロパン204.40g(1.00mol)、ソルベッソ−150(エクソン化学社製)205gを加え、オイルバスで100℃に昇温し、最初に加えた水(リン酸中の水分)を分水管を通じて系外へ留出した。反応液温度を130℃に昇温するとアルコールは融解した。その後およそ180℃にすると徐々に分子内脱水が始まり、水が系外へ流出した。その後も徐々に反応液の温度を上昇したが、脱水反応が始まってから12時間を経て、反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、2,2−ビス(シクロヘキセニル)プロパンは10%しか生成しておらず、残りは2,2−ビス(シクロヘキサノール)プロパン及び、2−シクロヘキサノール,2−シクロヘキセニルプロパンであった。また脱水生成した2,2−ビス(シクロヘキセニル)プロパンには多量の異性体の生成が認められた。
【0033】
【表1】
Figure 0004274444
【0034】
【表2】
Figure 0004274444
【0035】
【表3】
Figure 0004274444
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によるアルコールの脱水反応においては、副反応が極めて少なく、収率が良好で、実用的な反応時間でオレフィン化合物を製造することができる。

Claims (3)

  1. 分子中に、水酸基の結合したシクロヘキサン環を少なくとも2つ以上含有するアルコール化合物を、式MHSO(但し、MはLi、Na、K又はNHを示す)で表される脱水触媒を用い、沸点が60〜250℃の範囲内の炭化水素系溶媒またはハロゲン炭化水素系溶媒を使用して、分子内脱水することを特徴とするオレフィン化合物の製造方法。
  2. 前記脱水触媒を前記アルコール化合物に対して0.1〜20モル%使用する請求項記載の製造方法。
  3. 反応温度が60〜250℃の範囲内である請求項1または2記載のオレフィン化合物の製造方法。
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