JP4524027B2 - エチリデンテトラシクロドデセンの連続的製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエチリデンテトラシクロドデセン(以下、EdTCDと称することがある)の製造プロセスに関する。詳しくは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(以下、EBHと称することがある)とシクロペンタジエンとをディールス−アルダー反応させ、未反応のEBHを高純度で回収、循環、再使用するEdTCDの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学特性、高透明性、耐熱性および吸油性等に優れるシクロオレフィン(コ)ポリマーが注目されており、それらは、有機金属錯体触媒による環状オレフィンの重合によって製造される。そのため、テトラシクロドデセンに代表される環状オレフィンはシクロオレフィン(コ)ポリマーの原料として極めて有用である。
EdTCDは環状オレフィンのひとつであり、種々の製造方法が開示されている。特開昭47−31970号公報では、EBHとシクロペンタジエン(以下、CPDと称することがある)および/またはジシクロペンタジエン(以下、DCPDと称することがある)の加熱混合によるEdTCDの製造方法が開示されている。特開昭63−203635号公報では、5−ビニル−2−ノルボルネン(以下、VBHと称することがある)とCPDおよび/またはDCPDを120℃以上で加熱混合し、付加反応とオレフィンの異性化反応とを同時に行なわせるEdTCDの製造方法が開示されており、また、生成物の精製が容易であるとの理由から、VBH中に不純物として含まれるビニルシクロヘキセンやテトラヒドロインデン(以下、THIと称することがある)を除いた方が好ましいとの記載がある。
【0003】
EdTCDの製造において、高収率化、低コスト化、廃棄物処理などの点から、反応混合液中に存在する原料成分を循環再利用する方法が有効であるが、EBHを原料として用い、またこれを循環再利用する場合、EBH中に不純物として含まれる5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンや5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネン等が悪影響を及ぼすおそれがある。すなわち、これらの不純物はノルボルネン部位のオレフィンが3置換オレフィンであるためディールス−アルダー反応性が低く、また沸点がEBHと近いため分離が困難であり、循環再利用するEBHに混入して系内に蓄積する可能性がある。さらにEBHが新しく供給されることによって、これらの不純物の反応系内への蓄積量が増大することが避けられない。
【0004】
これまで、EBHを原料としたEdTCDの製造方法において、未反応のEBHを循環再利用する際に、5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンや5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネン等の不純物が蓄積するおそれのない製造方法は示されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、EBHとCPDおよび/またはDCPDの加熱混合によるEdTCDの製造において、未反応のEBHを高純度で回収、循環し、再び原料として再使用し、高純度のEdTCDを高収率で得ることができるプロセスを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであり、下記工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする下記式[4]で表されるエチリデンテトラシクロドデセンの連続的製造方法である。
(1)不純物として下記式[1]で示される5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび/または下記式[2]で示される5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンを含む下記式[3]で示される5−エチリデン−2−ノルボルネンと、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエンとを反応器に供給して反応させ、少なくとも下記式[4]で示されるエチリデンテトラシクロドデセンを含む反応混合液を製造する工程、
【化5】
Figure 0004524027
【化6】
Figure 0004524027
【化7】
Figure 0004524027
【化8】
Figure 0004524027
(2)前記工程(1)で得られる反応混合液から、5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび/または5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンの少なくとも一部が分離、除去された5−エチリデン−2−ノルボルネンを分離、回収する工程、
(3)前記工程(2)において分離、回収した5−エチリデン−2−ノルボルネンの少なくとも一部を前記反応器に循環する工程、
(4)前記工程(3)の後において反応混合液からエチリデンテトラシクロドデセンを分離、回収する工程。
【0007】
本発明の方法によれば、原料のEBH中に含まれる5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび/または5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンの少なくとも一部を、回収、循環、再使用するEBHから分離、除去することにより、反応系内にこれらの不純物が蓄積するのを防止し、その結果、EdTCDを高純度で得ることが可能で連続的な安定運転ができるようになる。
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明において原料として使用するEBHは、ブタジエンとCPDのディールス−アルダー反応付加体であるVBHを、強塩基により末端オレフィンから内部オレフィンに異性化させることによって工業的に製造される。この際、CPDの原料としては工業用のDCPDが使用されるが、DCPDにはメチルシクロペンタジエンとCPDの付加体が含まれている。したがって、VBH中にはメチルシクロペンタジエンとブタジエンのディールス−アルダー反応付加体(以下、MeEBHと称することがある)が含まれており、EBH中にも含まれる。なお、EBHには2種類の異性体があるがいずれも使用できる。
【0009】
MeEBHとしては、式[1]で表される5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンや式[2]で表される5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンのほか、下記式[5]で表される6−エチリデン−1−メチル−2−ノルボルネンや下記式[6]で表される5−エチリデン−1−メチル−2−ノルボルネンがある。
【化9】
Figure 0004524027
【化10】
Figure 0004524027
式[5]および式[6]で表されるMeEBHはノルボルネン部位のオレフィンが2置換であり、ディールス−アルダー反応性がEBHと同等であるため、反応で消費されて反応系内に残留することはない。しかしながら式[1]および式[2]で表されるMeEBHはノルボルネン部位のオレフィンが3置換であり、ディールス−アルダー反応性がEBHよりも低く、反応で消費されず反応系内に残留する。
【0010】
本発明では、原料であるEBHを反応器に供給するとともに、反応液に残存するEBHを分離、回収、循環して再使用するが、その際、反応系内に残存する式[1]および式[2]で表されるMeEBHはEBHと沸点が近いため、回収、循環、再使用されるEBHに混入しやすい。そして、回収されるEBHに混入して循環されると、反応系内に蓄積してしまう。
【0011】
MeEBHとEBHを完全に分離するためには、還流比を増大したり高段数カラムを使用する必要があるが、これらの方法は工業的に有利とはいえない。
本発明では、MeEBHがEBHよりも沸点が高いことを利用し、EBHの一部とともに蒸留ボトムに残すことによって、回収して循環使用するEBHから式[1]および式[2]で表されるMeEBHの大部分を分離することができる。その際、反応系に供給されるEBHから新たに生成する量以上のMeEBHを、循環するEBHから分離して系外に排出することが肝要である。またMeEBHは、EBH、DCPD、後述するメチルテトラヒドロインデン(以下、MeTHIと称することがある)、EdTCDから選ばれる少なくとも1成分とともに系外へ排出される。
【0012】
また、MeEBHはCPD等との付加反応による副生物を生成する可能性があるが、前述のように式[1]および式[2]で表されるMeEBHはディールス−アルダー反応性が低いので、系内に存在する量が少なければ副生物が生成する割合も少なく、大きな問題にはならない。もちろん、副生物の生成割合は反応温度や滞留時間によって変化するが、目的物であるEdTCDの純度に影響を与えない範囲であれば、EBH中に式[1]および式[2]で表されるMeEBHが存在しても問題はない。そのようなMeEBHの濃度としては、反応系に供給されるEBHと回収、循環、再使用されるEBHの合計に対して、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
【0013】
本発明では、EBHの他に原料としてシクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエンを用いる。CPDとしては、あらかじめDCPDを熱分解蒸留したものが好ましい。また、本発明における通常の反応条件下では、DCPDの熱分解によってCPDが生成するので、DCPDをそのまま使用することができる。DCPDとしては、工業的に大量に製造され入手が容易で安価なことから、ナフサ等の熱分解油から回収されるものが好ましいが、市販品にはMeTHI等の不純物を含むことが多いので注意が肝要である。
【0014】
MeTHIや(イソ)プロピリデンノルボルネンを含むDCPDを使用した場合は、(イソ)プロピリデンノルボルネンは熱によりMeTHIに異性化する。そしてMeTHIはディールス−アルダー反応性が低いため、反応液中に残留、蓄積しやすい。従って、反応液および回収、循環するEBHから蒸留などによりMeTHIを分離、除去することが好ましく、前述の式[1]および式[2]で表されるMeEBHと同時に分離することが非常に好ましい。
【0015】
本発明においては、EBHとCPDおよび/またはDCPDの反応混合液を製造する(工程(1))。この際、EBH/DCPD(CPDを一部または全部使用した場合はDCPDに換算する)のモル比は、0.1〜20、好ましくは0.5〜17、より好ましくは1〜15である。下限値より小さい場合は重質分などの副生物が多く生成し、上限値より大きい場合はEdTCDの生成効率が低くなる。
【0016】
反応温度は100〜300℃、好ましくは120〜280℃、より好ましくは140〜270℃である。下限よりも低温では、DCPDを使用した場合にCPDへの解離が少なくなるためEdTCDの製造効率が低くなる。また上限よりも高温では、重質分等の生成量の増加やEdTCDの分解が起こる。
また、反応圧力は常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜8MPa、より好ましくは常圧〜5MPaである。
【0017】
滞留時間はバッチ式、連続式いずれにおいても1分〜24時間、好ましくは10分〜12時間、より好ましくは15分〜2時間である。下限よりも短い時間ではEdTCDの製造効率が低くなり、上限よりも長い時間では重質分の増加やEdTCDの分解が起こるので好ましくない。
【0018】
反応器は完全混合型、ピストンフロー型いずれのタイプも使用可能である。ピストンフロー型反応器としては、市販のノリタケカンパニー(株)製「スタティックミキサー」、住友重機械工業(株)製「スルーザーミキサー」、櫻製作所(株)製「スケヤミキサー」などが挙げられる。反応器は一段構造あるいは二段以上の多段構造とすることが可能であり、多段で行う場合は、完全混合型またはピストンフロー型の反応器を直列または並列で組み合わせて使用することもできる。
【0019】
反応混合液は反応器から連続的に抜き出され、次に蒸留工程に導かれる。
まず最初に、反応で生成したCPDおよび/またはDCPDの不純物に由来するイソプレン、ピペリレン等を蒸留塔塔頂から抜き出して分離するが、この工程は任意工程であり、次のEBHの分離、回収工程において同時に行うこともできる。ここでの分離は10〜500kPa程度の圧力で行われ、また、蒸留塔を使用してもフラッシュするだけでもよい。ここで分離したCPDは原料として再利用することもできる。この塔底から得られる液は次の蒸留塔へと送られる。
【0020】
次にEBHを分離、回収する工程(2)に移る。ここでは、反応液中に存在する式[1]および式[2]で表されるMeEBHの少なくとも一部と分離されたEBHを塔頂から抜き出して回収する。ここでの分離は1kPa〜常圧程度の圧力で行われ、回収したEBHは循環して再利用される(工程(3))。また前述のように、前記イソプレン等の抜き出し工程がない場合は塔頂からEBHとともにCPD、イソプレン、ピペリレン等を抜き出す。または、塔頂からCPD、イソプレン、ピペリレンを抜き出し、蒸留塔の中ほどよりEBHを抜き出してもよい。いずれの場合も、ここで分離、回収されるEBH中の式[1]および式[2]で表されるMeEBH含有量は、循環、再使用されるEBHと新たに供給されるEBHの合計に対して、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下にすることが肝要である。この塔底から得られる液は次の蒸留塔へと送られる。
【0021】
次に、反応液中に存在する式[1]および式[2]で表されるMeEBHとDCPDおよび/またはMeTHIを分離、除去する工程に入るが 、この工程も任意工程である。それらは0.1〜100kPaの圧力にて塔頂から抜き出される。あるいは塔頂から式[1]および式[2]で表されるMeEBH、塔中からDCPDおよび/またはMeTHIを抜き出してもよい。この塔底から得られる液は、次の蒸留塔へと送られる。
【0022】
前記工程がある場合には、0.01〜100kPaにて、塔頂から目的物であるEdTCDを抜き出す(工程(4))。前記工程がない場合には、塔頂から式[1]および式[2]で表されるMeEBHとDCPDおよび/またはMeTHIを抜き出し、蒸留塔の中ほどからEdTCDを抜き出して回収する(工程(4))。
【0023】
各蒸留塔では分離効率を高めるために、各種充填物を充填したり還流させたりすることができる。理論段数は1〜100段、好ましくは2〜50段、より好ましくは3〜30段である。還流比は各蒸留塔の分離状態により決定されるものであるが、1〜50が適当である。
【0024】
本発明においては、炭化水素化合物を反応溶媒として使用することができる。ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素も使用可能であるが、環境や人体に対する安全性が高く溶解力も大きいことから、脂環族炭化水素または分枝脂肪族炭化水素が好ましく用いられる。具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン、エチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、ノルマルオクタン、メチルヘプタン、ジメチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、ノルマルデカン、アルキレートガソリンなどが挙げられる。アルキレートガソリンとは、硫酸ジルコニア、硫酸、弗化水素などの(超)強酸を触媒にして、イソブタンをブテンでアルキル化したものであり、アルキル化成分のうちトリメチルペンタンを主成分とする留分である。これらの溶媒を使用することにより、低い圧力で実質的に気相の存在しない条件が達成されるので、目的物であるEdTCDの収率を向上させることも可能である。
炭化水素溶媒の使用量は任意であるが、(循環、再使用するEBHと新たに供給されるEBHの合計)/(炭化水素溶媒)のモル比が0.1〜10となる範囲が好ましい。
【0025】
また本発明においては、適宜、酸化防止剤、重合禁止剤を原料に添加することができる。例えば、ハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4−メトキシフェノール等のフェノール系化合物、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等のヒドロキシルアミン化合物などが好適に用いられる。その添加量は、反応器中に供給される原料の全量に対して、通常は10〜10,000ppm、好ましくは50〜5,000ppmである。もちろん製品としてのEdTCDにもそれらを添加することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
図1に示す装置でエチリデンテトラシクロドデセンの連続製造を行った。EBHおよびDCPDはEBHタンク1およびDCPDタンク2より移送ポンプ3により反応器4に供給される。この際、循環EBHと新たに供給するEBHの合計10モルに対して、1モルのDCPDを混合しながら、連続的に反応器4に張り込んで反応を行った。なお、新たに供給するEBHの純度は99.3%で、5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンを1,000ppm含んでいた。また、のDCPDの純度は95.5%で、(イソ)プロペニルノルボルネンおよびMeTHIを0.2%含んでいた。
空間速度は2h−1、反応温度は230℃、反応圧力は5MPaとして連続運転させた。
第1蒸留塔5は、理論段数が20段であり、100kPaの圧力下で塔頂からCPDを主とする成分を連続的に抜き出して分離した。
第1蒸留塔5の塔底から抜き出された混合液を理論段数30段の第2蒸留塔6に送り、20kPaにて塔頂からEBHを回収した。このEBHの純度は99.5%であり、5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンは100ppm含まれていた。ここで回収されたEBHは循環ライン9を通じて、EBHタンク1およびDCPDタンク2から新たに供給されるEBHおよびDCPDと混合され、移送ポンプ3で反応器4に供給される。
第2蒸留塔6の塔底より抜き出された混合液を理論段数30段の第3蒸留塔7に送り、3kPaの圧力で連続運転を行い、塔頂より5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネン、MeTHIを主成分とする留分を連続的に抜き出して除去した。ここで得られた5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンは、新たに供給されるEBH中に含まれるVBHに相当する量であった。
第3蒸留塔7の塔底より抜き出された混合液を理論段数30段の第4蒸留塔8に送り、2kPaの圧力で連続運転を行い、塔頂から純度99.3%のエチリデンテトラシクロドデセンを連続的に抜き出して回収した。
なお、DCPDの転化率は99%で、エチリデンテトラシクロドデセン選択率は97%であった。
【0027】
(比較例1)
実施例1において、第3蒸留塔を使用せず、第2蒸留塔で分離される循環用EBH中に、5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンが含まれるようにした以外は実施例1と同様に行なった。反応器内には5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンおよび5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンが蓄積し、運転時間の経過とともにその濃度が高くなった。またそれと同時に、エチリデンテトラシクロドデセンの純度の低下が認められた。
【0028】
【発明の効果】
本発明のエチリデンテトラシクロドデセンの製造方法においては、回収、循環し再使用するEBHと新たに供給するEBHとの合計に対して、5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネン量を規定することにより、高純度のエチリデンテトラシクロドデセンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一例を示した工程図である。
【符号の説明】
1 EBHタンク
2 DCPDタンク
3 移送ポンプ
4 反応器
5 第1蒸留塔
6 第2蒸留塔
7 第3蒸留塔
8 第4蒸留塔
9 回収、循環ライン

Claims (1)

  1. 下記工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする下記式[4]で表されるエチリデンテトラシクロドデセンの連続的製造方法。
    (1)不純物として下記式[1]で示される5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび/または下記式[2]で示される5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンを含む下記式[3]で示される5−エチリデン−2−ノルボルネンと、シクロペンタジエンおよび/またはジシクロペンタジエンを反応器に供給して反応させ、少なくとも下記式[4]で示されるエチリデンテトラシクロドデセンを含む反応混合液を製造する工程、
    Figure 0004524027
    Figure 0004524027
    Figure 0004524027
    Figure 0004524027
    (2)前記工程(1)で得られる反応混合液から蒸留により5−エチリデン−2−ノルボルネンを分離回収する際、5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび/または5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンを5−エチリデン−2−ノルボルネンの一部とともに蒸留ボトムに残すことにより、5−エチリデン−2−メチル−2−ノルボルネンおよび/または5−エチリデン−3−メチル−2−ノルボルネンの少なくとも一部が分離、除去された5−エチリデン−2−ノルボルネンを分離、回収する工程、
    (3)前記工程(2)において分離、回収した5−エチリデン−2−ノルボルネンの少なくとも一部を前記反応器に循環する工程、
    (4)前記工程(3)の後において反応混合液からエチリデンテトラシクロドデセンを分離、回収する工程。
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