JP5289713B2 - 硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、脂環式エポキシ樹脂と、ポリエーテルポリオールを除く常温で液状のポリオールと、ゴム成分を少なくとも含む硬化性樹脂組成物、及びその硬化物、並びに前記硬化性樹脂組成物又は硬化物を含む樹脂製品に関する。前記硬化性樹脂組成物及びその硬化物は、接着剤、半導体封止材、積層板、レジスト、インク、塗料、コーティング材、ガラス繊維強化複合材、炭素繊維複合材、透明基材、透明封止材、光造形、光導波路、絶縁材料などの用途を含む様々な方面で有用である。
分子内に2個の脂環骨格を持つエポキシ樹脂は、現在様々な種類のものが市販されている。例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「CEL2021P」)、1,2,8,9−ジエポキシリモネン(ダイセル化学工業(株)製、商品名「CEL3000」)、ε−カプロラクトンオリゴマーの両端に、それぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸がエステル結合したもの(ダイセル化学工業(株)製、商品名「CEL2081」)等がある。これらエポキシ樹脂は種々の硬化剤又は硬化触媒の下で反応させることにより硬化物が得られる。このエポキシ樹脂硬化物は、脂環骨格を持つ化合物を用いた樹脂の特徴である耐熱性、透明性、良好な誘電特性、低粘度を有しており、コーティング、接着剤、インク、封止材、複合材の成分、又は医薬品や医療用品を含む種々の最終用途に有用な他の化合物を製造するための中間体等として有用である。
しかしながら、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名「CEL2021P」)に代表されるような脂環式エポキシ樹脂の硬化物は、脂環骨格を持つがゆえに耐熱性、透明性に優れるものの非常に脆く靭性に劣るという問題があった。
そこで、脂環骨格に可とう性成分を挿入したような化合物が検討された。ε−カプロラクトンオリゴマーを用い、その両端にそれぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸がエステル結合した化合物は、脂環式エポキシ樹脂の脆さを改善することはできるが、特徴であった耐熱性が低下してしまい、高いレベルで耐熱性と靭性を両立させることはできなかった(特許文献1参照)。
脂環式エポキシ樹脂に限らず、エポキシ樹脂の耐熱性と靭性を高いレベルで両立させる試みは行われており、可とう性成分でエポキシ樹脂を変性する以外に、ゴム成分、熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂に配合することが行われてきた。例えば、Tgが高い熱可塑性樹脂を配合する場合は靭性と耐熱性向上に寄与するものの、組成物粘度が極端に高くなり作業性が低下してしまったり、複雑な形状の成形ができないというような問題が生じた。ゴム成分として架橋ゴム粒子を用いたエポキシ樹脂組成物、あるいは架橋ゴム粒子とポリエーテルポリオールを含むエポキシ樹脂組成物は、その硬化物の靭性は向上するものの耐衝撃性、屈曲性等の靭性は各用途の要求を十分満たすまでには至らなかった(特許文献2、特許文献3参照)。
特許3090351号公報 特開2005−255822号公報 特開平11−240939号公報
本発明の目的は、脂環式エポキシ樹脂硬化物の靭性改良に関して、上記のような従来技術が有する種々の問題点を解決し、脂環式エポキシ樹脂の持つ耐熱性、透明性、低粘度を保持したまま、優れた靭性を有する脂環式エポキシ樹脂の硬化性樹脂組成物および硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、その硬化物および硬化性樹脂組成物を含む接着剤、半導体封止材、積層板、レジスト、インク、塗料、コーティング材、ガラス繊維強化複合材、炭素繊維複合材、透明基材、透明封止材、光造形、光導波路、絶縁材料などの樹脂製品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、以下の知見を得た。すなわち、脂環式エポキシ樹脂(A)と、ポリオールからなる樹脂組成物にゴム成分(C)を分散させてなる硬化性樹脂組成物は、低粘度であるにもかかわらずその硬化物の靭性を向上させることができる。そのポリオールの中でも、ポリオール成分の主鎖にエーテル結合が含まれる場合には、硬化物が熱分解しやすくなるため高温で硬化させる場合や、硬化物を高温高湿の環境下で使用する際に安定性が低下することと、他の結合様式のポリオールと比較して耐衝撃性や耐屈曲性という靭性に劣ることが分かった。このため、ポリオール(B)は、主鎖にエーテル結合を含まない構造であることが求められ、脂環式エポキシ樹脂(A)と、ポリエーテルポリオールを除く常温で液状のポリオール(B)からなる樹脂組成物にゴム成分(C)を分散させてなる樹脂組成物を少なくとも含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂の持つ耐熱性、透明性、低粘度を保持したまま、耐衝撃性、耐屈曲性という優れた靭性を付与することができることを見い出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、脂環式エポキシ樹脂(A)と、ポリエーテルポリオールを除く数平均分子量が400以上で且つ常温で液状のポリオール(B)とからなる樹脂組成物に、架橋ゴム粒子からなるゴム成分(C)を分散させてなるゴム分散樹脂組成物を含む硬化性樹脂組成物であって、前記脂環式エポキシ樹脂(A)が、下記式(5)
Figure 0005289713
(式中、Yは連結基(単結合を含む)を示す。2つのシクロヘキサン環はそれぞれ、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、及び置換基を有していてもよいアルコキシ基から選択された置換基を有していてもよい)
で表される化合物である硬化性樹脂組成物を提供する。
この硬化性樹脂組成物において、脂環式エポキシ樹脂(A)とポリエーテルポリオールを除く数平均分子量が400以上で且つ常温で液状のポリオール(B)の合計量100重量部に対して、脂環式エポキシ樹脂(A)の配合量が20〜95重量部、ポリオール(B)の配合量が5〜80重量部、架橋ゴム粒子からなるゴム成分(C)の配合量が0.5〜20重量部であるのが好ましい。
脂環式エポキシ樹脂(A)には、下記式(1)
Figure 0005289713
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す)
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物が含まれる。
3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物における該化合物の異性体の含有量は、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%以下であるのが好ましい。
脂環式エポキシ樹脂(A)には、また、下記式(3)
Figure 0005289713
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す)
で表される4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物を、有機溶媒中、脱水触媒の存在下、副生する水を留去しながら脱水反応を行うことにより得られる下記式(2)
Figure 0005289713
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、前記に同じ)
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%未満である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物が含まれる。
前記ポリエーテルポリオールを除く常温で液状のポリオール(B)として、炭素−炭素結合からなる主鎖を有するポリオール(B1)、ポリエステルポリオール(B2)及びポリカーボネートポリオール(B3)から選択された少なくとも1種のポリオールを使用できる。
前記ポリエーテルポリオールを除く数平均分子量が400以上で且つ常温で液状のポリオール(B)として、炭素−炭素結合からなる主鎖を有するポリオール(B1)、ポリエステルポリオール(B2)及びポリカーボネートポリオール(B3)から選択された少なくとも1種のポリオールを使用できる。
ポリエステルポリオール(B2)として、例えば、カプロラクトン共重合体が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール(B3)として、1,6−ヘキサンジオールとHO−R20−OHで表されるその他のジオール(R20は2価の有機基を示す)、及びカーボネート成分からなり、1,6−ヘキサンジオールとその他のジオールのモル比が9:1〜1:9である化合物が挙げられる。
上記硬化性樹脂組成物は、さらに、前記ゴム分散樹脂組成物100重量部に対して、可とう性エポキシ樹脂、低粘度エポキシ樹脂、オキセタン樹脂及びビニルエーテル樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂を1〜100重量部含んでいてもよい。
架橋ゴム粒子からなるゴム成分(C)の屈折率と、架橋ゴム粒子からなるゴム成分(C)が分散するマトリクスを構成する樹脂組成物の屈折率との差が0.05以下であるのが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物は、硬化剤(但し、ポリエーテルポリオールを除く数平均分子量が400以上で且つ常温で液状のポリオール(B)に該当するものを除く)及び/又は硬化触媒を含有していてもよい。
本発明は、前記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供する。
本発明は、さらに、上記硬化性樹脂組成物又は上記硬化物を含有する樹脂製品を提供する。
なお、本明細書には、上記発明のほか、脂環式エポキシ樹脂(A)と、ポリエーテルポリオールを除く数平均分子量が400以上で且つ常温で液状のポリオール(B)とからなる樹脂組成物に、架橋ゴム粒子からなるゴム成分(C)を分散させてなるゴム分散樹脂組成物を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物についても記載する。
本発明の硬化性樹脂組成物によれば、脂環式エポキシ樹脂(A)とポリエーテルポリオールを除く液状のポリオール(B)からなる樹脂組成物にゴム成分(C)を分散させた樹脂組成物(ゴム分散樹脂組成物)を少なくとも含有するので、低粘度で加工性に優れるとともに、硬化物が耐熱性と靭性という各々相反する特性を高い次元で兼備することができる。特に、脂環式エポキシ化合物(A)として式(1)で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物(とりわけ、R1〜R18が水素原子である3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル)を用いると、組成物粘度は1,000mPa・s/25℃以下と低いながらも、300℃までTgが観測されず優れた耐熱性を有し、耐屈曲性、耐衝撃性等の靭性にも優れている。
さらに、可とう性のエポキシ樹脂や反応性希釈剤、樹脂の屈折率を調整可能な他の有機化合物、無機化合物なども添加することができるが、この添加剤によってエポキシマトリクス相の屈折率をゴム成分の屈折率に近づけ、硬化物の透明度を向上させることもできる。
よって、本発明の硬化性樹脂組成物及びその硬化物は、接着剤、半導体封止材、積層板、レジスト、インク、塗料、コーティング材、ガラス繊維強化複合材、炭素繊維複合材、透明基材、透明封止材、光造形、光導波路、絶縁材料に用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂(A)と、ポリエーテルポリオールを除く常温で液状のポリオール(B)とからなる樹脂組成物にゴム成分(C)を分散させてなるゴム分散樹脂組成物を少なくとも含む樹脂組成物である。この硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、屈折率調整用のフッ素や硫黄、芳香環、ハロゲン含有の添加剤を含有するのが好ましい。また、可とう性エポキシ樹脂、低粘度エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル樹脂を含有するのも好ましい。その他にも、本発明の効果を阻害しない範囲内で、消泡剤、レベリング剤、サイジング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃化剤、酸拡散制御剤、反応性希釈剤、光増感剤、脱水剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、シルセスキオキサン類化合物、可塑剤や滑剤、イオン吸着体、着色剤、低応力化剤、顔料、染料、ガラスビーズ、ガラスフィラー、酸化チタン、酸化ジルコニア、酸化亜鉛、シリカ、タルク、アルミナ、クレー等の無機微粒子を含む無機フィラー、ポリイミド樹脂やナイロン樹脂などの有機フィラーなどの各種の添加剤を含有していてもよい。
[脂環式エポキシ樹脂(A)]
本発明の硬化性樹脂組成物に用いられる脂環式エポキシ樹脂(A)は、分子内に環状脂肪族骨格および1個以上のエポキシ基を有する。エポキシ基は分子内に1個以上含まれていればよく、特に限定されないが、好ましくは2個以上(例えば2個)のエポキシ基を含むのが好ましく、特に、該2個以上のエポキシ基のうち少なくとも2個のエポキシ基は環状脂肪族骨格を構成する2つの炭素原子を含んで形成されているのが好ましい。このようなエポキシ樹脂(A)としては、例えば、下記のような構造式を有する化合物が挙げられる。
Figure 0005289713
(式中、Yは連結基を示す。2つのシクロヘキサン環はそれぞれ置換基を有していてもよい)
上記式(5)で表される化合物は、対応する脂環式オレフィン化合物を脂肪族過カルボン酸等によって酸化させることにより製造される。中でも、実質的に無水の脂肪族過カルボン酸を用いて製造されたものが高いエポキシ化率を有する点で好ましい(例えば、特開2002−275169号公報参照)。
上記式(5)において、Yは連結基を示し、例えば、単結合、アルキレン基、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、及びこれらが複数個連結した基などが挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜18が好ましく、メチレン、メチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基などの直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基や、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、シクロペンチリデン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン、シクロヘキシリデン基などの2価の脂環式炭化水素基(特に2価のシクロアルキレン基)等が例示される。Yとしては、特に、単結合、−COOCH2−、−CH2−が好ましい。
2つのシクロヘキサン環が有していてもよい置換基として、例えば、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基などが挙げられる。ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が含まれる。「酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基」における炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが2以上結合した基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基(例えば、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜5程度のアルキル基);ビニル、アリル基等のアルケニル基(例えば、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜5程度のアルケニル基);エチニル基等のアルキニル基(例えば、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜5程度のアルキニル基)などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロアルケニル基;橋架け環式基などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル基等が挙げられる。酸素原子を有する炭化水素基としては、例えば、前記炭化水素基の炭素鎖中に酸素原子が介在している基(例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等)などが挙げられる。ハロゲン原子を有する炭化水素基としては、例えば、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロフェニル基等の前記炭化水素基の有する水素原子の1又は2以上がハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子)により置換された基が挙げられる。「置換基を有していてもよいアルコキシ基」におけるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ基等の炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜5)程度のアルコキシ基などが挙げられる。アルコキシ基の置換基としては、例えば、前記ハロゲン原子などが挙げられる。
式(5)で表される化合物の代表的な例として、前記式(1)で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物[式(5)中のYが単結合である化合物]が挙げられる。式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基としては前記のものが挙げられる。式(1)で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物のなかでも、R1〜R18がすべて水素原子である3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルが特に好ましい。
式(1)で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物は、前記のように対応する脂環式オレフィン化合物(脂環式ジエン化合物)をエポキシ化することにより得られるが、通常異性体を含有している。本発明においては、特に、前記式(1)で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、不純物として含まれている該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%以下であるもの(以下、「脂環式エポキシ樹脂(A1)」と称する場合がある)が好ましい。
3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体とは、沸点等の物性が近似しているため、一般的なガスクロマトグラフィーの装置では分離できないことが多い。そのため、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の定量分析は、より分離能が高いキャピラリーカラムを用いたガスクロマトグラフィーにより行うのが望ましい。3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物及びその異性体のガスクロマトグラフィーによる定量分析は下記の測定条件で行うことができる。なお、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の構造は、例えば、NMR、GC−MS、GC−IR等によって確認することができる。
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:300℃
昇温パターン(カラム):100℃で2分保持、5℃/分で300℃まで昇温、30 0℃で10分保持
スプリット比:100
サンプル:1μl(エポキシ化合物:アセトン=1:40)
脂環式エポキシ樹脂(A1)では、不純物として含まれている3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物(主化合物)とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%以下(好ましくは18%以下、さらに好ましくは16%以下)である。このような脂環式ジエポキシ化合物は、前記異性体の含有量が20%を超えるものと比較して、硬化反応速度が著しく速く、しかも硬化後の硬化物のガラス転移温度が大幅に高くなり、耐熱性、透明性、色相、寸法安定性等の物性が著しく向上する。
このような脂環式エポキシ樹脂(A1)は、例えば、前記式(2)で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体(二重結合の位置の異なる異性体)の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%未満(例えば19.5%以下、好ましくは15%以下)の脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより製造できる。なお、この製造法により得られる脂環式エポキシ樹脂を「脂環式エポキシ樹脂(A1′)」と称する。式(2)中、R1〜R18は前記に同じである。
ここで原料として用いられる異性体含有量の少ない式(2)で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物は、例えば、前記式(3)で表される4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物を、有機溶媒中、脱水触媒の存在下、副生する水を留去しながら脱水反応を行うことにより得られる。
より詳細には、例えば、前記式(3)で表される4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物を、(i)有機溶媒中、反応条件下において液状又は反応液に溶解する脱水触媒の存在下、20Torr(2.67kPa)を超える圧力下で130〜200℃の温度に加熱し、副生する水を留去しながら脱水反応を行う工程と、(ii)前記工程(i)に続いて、反応混合液を200Torr(26.7kPa)以下の圧力下で100〜220℃の温度に加熱して、生成した式(2)で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物を留出させる工程とを経ることにより製造することができる。この方法について、以下に説明する。
式(3)で表される化合物の代表的な例として、4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル(水添ビフェノール)が挙げられる。
前記工程(i)で使用する有機溶媒としては、反応条件下で不活性な溶媒であれば特に限定されないが、25℃において液体であって、沸点が120〜200℃程度のものが好ましい。好ましい有機溶媒の代表的な例として、例えば、キシレン、クメン、プソイドクメンなどの芳香族炭化水素;ドデカン、ウンデカンなどの脂肪族炭化水素などが挙げられる。有機溶媒として、副生水を簡易に分離除去するため、水と共沸し且つ水と分液可能な有機溶媒を用いてもよい。ケトンやエステル等の酸の存在下で反応する溶媒は沸点が上記範囲であっても好ましくない。また、アルコールは脱水反応を起こす可能性があるため好ましくない。
有機溶媒の使用量は、操作性や反応速度等を考慮して適宜選択できるが、通常、基質である4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物100重量部に対して、50〜1000重量部程度であり、好ましくは80〜800重量部程度、さらに好ましくは100〜500重量部程度である。
工程(i)で用いる脱水触媒としては、脱水活性を有し、反応条件下において液状のもの又は反応液に溶解するもの(後述する使用量で完全に溶解するもの)であれば特に限定されないが、反応溶媒に対して活性が無いか又はできるだけ低いものが好ましい。反応条件下において液状である脱水触媒は反応液中に微分散するものが好ましい。脱水触媒としては、通常、リン酸や硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類などの酸、又はそれらの塩、特に前記酸の有機塩基による完全中和塩又は部分中和塩が使用される。脱水触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
酸の有機塩基による中和塩を使用する場合、酸と有機塩基とを反応させて得られる反応混合物から中和塩(完全中和塩又は部分中和塩)を単離精製して用いることもできるが、酸と有機塩基とを反応させて得られる反応混合物(完全中和塩及び/又は部分中和塩を含んでいる)をそのまま使用することもできる。後者の場合、この反応混合物中には遊離の酸が含まれていてもよい。また、後者の場合、酸と有機塩基との混合割合は、例えば、酸1当量に対して、有機塩基が0.01〜1当量程度、好ましくは0.05〜0.5当量程度、さらに好ましくは0.1〜0.47当量程度である。特に、硫酸と有機塩基との反応混合物を使用する場合、硫酸と有機塩基との混合割合は、硫酸1モルに対して、有機塩基が好ましくは0.02〜2モル、さらに好ましくは0.1〜1.0モル、特に好ましくは0.2〜0.95モル程度である。また、酸の有機塩基による中和塩を使用する場合、酸と有機塩基とを別々に添加して、系内で中和塩を形成してもよい。
前記有機塩基としては塩基性を示す有機化合物であればよく、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ベンジルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類(特に、第3級アミン類);ピリジン、コリジン、キノリン、イミダゾールなどの含窒素芳香族複素環化合物;グアニジン類;ヒドラジン類などが挙げられる。これらの中でも、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン類(特に、環状アミン類)、グアニジン類、ヒドラジン類が好ましく、特に、DBU、DBN、トリエチレンジアミン、トリエチルアミンが好ましい。また、有機塩基としては、pKa11以上のものが好ましく、また沸点が150℃以上のものが好ましい。
脱水触媒として硫酸水素カリウム等の硫酸のアルカリ金属塩を用いると、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによる面積の割合として20%未満のものが得られない。なお、脱水触媒として硫酸水素アンモニウムを用いた場合には、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として19%程度のものが得られる。
したがって、脱水触媒としては、スルホン酸類(p−トルエンスルホン酸等)、リン酸、硫酸、スルホン酸類(p−トルエンスルホン酸等)の有機塩基による完全中和塩又は部分中和塩、リン酸の有機塩基による完全中和塩又は部分中和塩、硫酸の有機塩基による完全中和塩又は部分中和塩が好ましい。なかでも、スルホン酸類(特に、p−トルエンスルホン酸)、該スルホン酸類の有機塩基による完全中和塩又は部分中和塩、硫酸の有機塩基による完全中和塩又は部分中和塩が好ましく、特に、硫酸の有機塩基による完全中和塩又は部分中和塩(とりわけ部分中和塩)が好ましい。
脱水触媒の使用量は、原料である式(3)で表される4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物1モルに対して、例えば0.001〜0.5モル、好ましくは0.001〜0.3モル、さらに好ましくは0.005〜0.2モルである。
前記工程(i)と工程(ii)とでは圧力が異なる。工程(i)の反応液中には、未反応の4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物、該4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物におけるヒドロキシル基が結合した2つのシクロヘキサン環のうち1つのみが分子内脱水してシクロヘキセン環に変化した反応中間体、目的のビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物、副生水、脱水触媒、及び反応溶媒が共存している。この工程(i)においては副生水を留出させるが、このとき前記反応中間体を留出させることは以下の点から望ましくない。すなわち、(1)前記反応中間体は、さらに分子内脱水することにより目的化合物に変換できるため、これを留出させると目的化合物の収率の低下を招く、(2)前記反応中間体は一般に昇華性の固体であるため、蒸留塔を使用する場合には、副生水の留出経路に固体が析出することによって該留出経路が閉塞して反応器内部の圧力上昇を招き、反応容器の破裂、破損、反応液の飛散等のトラブルの原因となる。したがって、工程(i)では、前記反応中間体が留出しないように、20Torr(2.67kPa)を超える圧力下で、副生水を留去しながら脱水反応を行う。圧力は、好ましくは20Torrより高く常圧以下(2.67kPaより高く0.1MPa以下)、より好ましくは100Torrより高く常圧以下(13.3kPaより高く0.1MPa以下)、さらに好ましくは200Torrより高く常圧以下(26.7kPaより高く0.1MPa以下)であり、操作性の点からは、特に常圧が好ましい。工程(i)における温度(反応温度)は130〜200℃であり、好ましくは140〜195℃、さらに好ましくは150〜195℃である。温度が高すぎると副反応が起こり収率が低下する。また温度が低すぎると反応速度が遅くなる。反応時間は、例えば3L程度の合成スケールであれば、1〜10時間、好ましくは2〜6時間程度である。
一方、工程(ii)では、副生水を留出させた後の反応混合液から目的のビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物を留出させる。なお、工程(i)で得られた反応混合液は、そのまま工程(ii)に供してもよいが、必要に応じて、前記反応混合液に対して抽出、水洗、液性調整等の適宜な処理を施した後に工程(ii)に供してもよい。また、反応に用いた有機溶媒の沸点が目的のビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の沸点より低い場合には、通常、該有機溶媒を留去した後にビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物を留出させる。
この工程(ii)では、前記反応中間体はほとんど存在しないので圧力を低くしても留出経路の閉塞等の問題は起こらず、また圧力が高いと目的化合物の留出に時間を要するため、200Torr(26.7kPa)以下の圧力で操作する。工程(ii)の圧力は、工程(i)の圧力より低くするのが好ましい。例えば、工程(i)の圧力と工程(ii)の圧力の差(前者−後者)は、例えば100Torr以上(13.3kPa以上)、好ましくは200Torr以上(26.7kPa以上)、さらに好ましくは500Torr以上(66.7kPa以上)である。工程(ii)の圧力は、好ましくは3〜200Torr(0.40〜26.7kPa)、より好ましくは3〜100Torr(0.40〜13.3kPa)、さらに好ましくは3〜20Torr(0.40〜2.67kPa)程度である。工程(ii)の温度は100〜220℃であり、好ましくは120〜180℃、さらに好ましくは130〜150℃未満程度である。温度が高すぎると副反応が起こりやすくなりビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の回収率が低下する。また温度が低すぎると留出速度が遅くなる。
ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物などを留出させるため、例えば反応器等に蒸留装置を付随させる場合には、該蒸留装置として、充填塔、オールダーショウ型蒸留装置など一般に使用されている蒸留装置で還流比の取れるものであれば特に限定されることなく使用できる。
工程(ii)で留出したビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物は、必要に応じてさらに精製することができる。精製法としては、微量の水を含む場合は比重差を利用して分離することも可能であるが、一般には蒸留による精製が好ましい。
このような方法によれば、原料の4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物を有機溶媒中、反応条件下において液状又は反応液に溶解する脱水触媒の存在下、特定の反応条件で副生水を留去しつつ反応させた後、生成したビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物を特定の条件で留出させるので、比較的低い温度で且つ比較的短時間で反応を行うことができ、異性化等の副反応を抑制できるとともに、反応中間体の留出によるロス・昇華による閉塞等を防止できるため、不純物含量の少ない高純度のビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物を簡易に且つ高い収率で効率よく得ることができる。すなわち、式(2)で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%未満(例えば19.5%以下、好ましくは15%以下)の脂環式ジエン化合物を得ることができる。
なお、従来の方法、例えば、特開2000−169399号公報に記載の方法では、長い反応時間を必要とするので、異性化等の副反応により望ましくない副生物が多量に生成する。副生した異性体は沸点や溶媒溶解性等の物性が目的化合物と近似しているので、一旦生成すると分離が極めて困難となる。このような副生物を多量に含む環状オレフィン化合物を、エポキシ化して硬化性樹脂として使用すると、硬化の際に反応性が低い上、耐熱性等の物性に優れる硬化物が得られない。なお、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体とは、沸点等の物性が極めて近似しているため、一般的なガスクロマトグラフィーの装置では分離できず、これまでの文献ではビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の収率及び純度が高めに記載されている。ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の分析は、分離能が高いキャピラリーカラムを用いたガスクロマトグラフィーにより行うのが望ましい。
ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物及びその異性体のガスクロマトグラフィーによる定量分析は下記の測定条件で行うことができる。なお、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の構造は、例えば、NMR、GC−MS、GC−IR等によって確認することができる。
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ60m、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:2.6ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):60℃で5分保持、10℃/分で300℃まで昇温
スプリット比:100
サンプル:1μl
ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物のエポキシ化法は特に制限はなく、例えば、酸化剤(エポキシ化剤)として有機過カルボン酸を用いる方法、t−ブチルハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシドとモリブデン化合物等の金属化合物とを用いる方法等の何れであってもよいが、安全性、経済性、収率等の観点から有機過カルボン酸を用いる方法が好ましい。以下、この方法について説明する。
有機過カルボン酸としては、例えば、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過イソ酪酸、トリフルオロ過酢酸などを使用できる。有機過カルボン酸のうち、特に過酢酸は、反応性が高く、しかも安定度が高いことから好ましいエポキシ化剤である。なかでも、実質的に水分を含まない、具体的には、水分含有量0.8重量%以下、好ましくは0.6重量%以下の有機過カルボン酸を使用することが高いエポキシ化率を有する化合物が得られるという点で好ましい。実質的に水分を含まない有機過カルボン酸は、アルデヒド類、例えば、アセトアルデヒドの空気酸化により製造されるものであり、例えば、過酢酸についてはドイツ公開特許公報1418465号や特開昭54−3006に記載された方法により製造される。この方法によれば、過酸化水素から有機過カルボン酸を合成し、溶媒により抽出して有機過カルボン酸を製造する場合に比べて、連続して大量に高濃度の有機過カルボン酸を合成できるために、実質的に安価に得ることができる。
エポキシ化剤の量には厳密な制限がなく、それぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポキシ化剤やビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の反応性等によって決まる。エポキシ化剤の量は、例えば、不飽和基1モルに対して、1.0〜3.0モル、好ましくは1.05〜1.5モル程度である。経済性及び副反応の問題から、3.0倍モルを超えることは通常不利である。
エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じて溶媒使用の有無や反応温度を調節して行う。溶媒としては、原料粘度の低下、エポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で使用することができ、過酢酸の場合であればエステル類、芳香族化合物、エーテル類などを用いることができる。特に好ましい溶媒は、酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン等であり、とりわけ、酢酸エチルが好ましい。反応温度は用いるエポキシ化剤とビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の反応性によって定まる。例えば、過酢酸を使用する場合の反応温度は20〜70℃が好ましい。20℃未満では反応が遅く、70℃を超える温度では過酢酸が発熱を伴って分解するので、好ましくない。
反応で得られた粗液の特別な操作は必要なく、例えば粗液を1〜5時間撹拌し、熟成させればよい。得られた粗液からのエポキシ化合物の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、エポキシ化合物を熱水中に撹拌下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒する方法、蒸留精製により単離する方法などにより行うことができる。
このようにして、式(1)で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量(異性体比率)が、式(1)で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%以下(好ましくは18%以下、さらに好ましくは16%以下)である脂環式ジエポキシ化合物を得ることができる。
前記式(5)で表される化合物のうち前記式(1)で表される化合物以外の代表的な例として、下記の化合物が例示される。
Figure 0005289713
なお、上記sは、1〜30の整数である。
脂環式エポキシ樹脂(A)としては、上記のほか、2個のエポキシ基のうち1個のみが環状脂肪族骨格を構成する2つの炭素原子を含んで形成されている化合物(例えば、リモネンジエポキシド等)であってもよい。また、エポキシ基が環状脂肪族骨格を構成する炭素原子を含まない化合物、例えば以下のようなグリシジルエーテルも使用可能である。
Figure 0005289713
また、その他にも、3以上のエポキシ基を有する以下のような多官能エポキシ化合物や、エポキシ基を1つのみしか有しないモノエポキシ化合物も用いることも可能である。さらに、複素環とエポキシ基とを有する化合物を用いることもできる。
Figure 0005289713
なお、上記l、p、qは、1〜30の整数であり、上記a、b、c、d、e、f、mは、0〜30の整数である。また、R21、R22は水素原子、アルキル基(メチル基、エチル基などの炭素数1〜4のアルキル基等)またはアリール基(フェニル基、ナフチル基等)を示す。
本発明において、脂環式エポキシ樹脂(A)は、1種類のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、前記式(5)で表される脂環式エポキシ樹脂のうちYが単結合、−COOCH2−又は−CH2−である少なくとも1種の脂環式エポキシ樹脂と、それ以外の脂環式エポキシ樹脂の1種又は2種以上とを組み合わせて用いることができる。このように組み合わせて用いることにより、樹脂組成物の取扱性(低粘度性)、硬化物の耐熱性及び靱性をバランスよく具備させることができる。
本発明における脂環式エポキシ樹脂(A)は、市場でも入手することが可能で、例えば、「セロキサイド2000、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、エポリードGT301、エポリードGT401、エポリードGT403、エポリードPB3600、エポリードPB4700、EHPE3150、セロキサイド3000」[以上、ダイセル化学工業(株)製]や、「ERL−4221、ERL−4299、UVR−6105、UVR−6128」[以上、ダウケミカル(株)製]が好ましく例示される。
本発明における脂環式エポキシ樹脂(A)は液状が好ましい。なお、本明細書にいう「液状」とは、25℃で測定した粘度が100,000mPa・s以下(好ましくは、50,000mPa・s以下)であることをいう。また、粘度(70℃)は3000mPa・s以下が好ましく、より好ましくは500mPa・s以下である。2種以上のエポキシ樹脂を混合して用いる場合には混合した後に上記の粘度を満たせばよい。混合した後に固体状やペースト状の場合や高粘度な場合には、そのまま用いる場合に作業性が低下したり、ポリオール(B)との混和性が低下して、硬化物の透明性が低下する場合がある。
[ポリエーテルポリオールを除く常温で液体のポリオール(B)]
本発明で用いられるポリオール(B)は、1分子内に水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオールを除く常温(例えば25℃)で液状の化合物である。本発明のポリオール(B)は、炭素−炭素結合からなる主鎖を有するポリオール(B1)、ポリエステルポリオール(B2)、ポリカーボネートポリオール(B3)から選ばれた少なくとも1つのポリオールである。なお、本明細書では、ポリオール(B)には水酸基を複数個有する液状ゴムは含まれない。このような水酸基を複数個有する液状ゴムは、ゴム成分(C)に含まれる。
例えば、ポリオール成分の主鎖にエーテル結合が含まれる場合には、硬化物が熱分解しやすくなるため、硬化物を高温の環境下で使用する際に安定性が低下する。また、他の結合様式に比較して耐衝撃性や耐屈曲性に劣る。このため、ポリオール(B)は、主鎖にエーテル結合を含まない構造であることが求められ、そのようなポリオール(B)としては、主鎖が炭素−炭素結合を主成分として構成されるポリオール(B1)、若しくは、ポリエステルポリオール(B2)、ポリカーボネートポリオール(B3)を用いることができる。
ポリオール(B)の数平均分子量は、一般に400以上(例えば、400〜10,000)であり、好ましくは480〜10,000、より好ましくは1,000〜10,000、さらに好ましくは1,500〜5,000である。ポリオール(B)の分子量が400未満である場合には、樹脂(A)のエポキシ基に対する水酸基の量が相対的に多くなりすぎるため、親水化し、水分をとりこみやすくなる。この水分が硬化阻害を引き起こすため、硬化度が低下する。このため、硬化物の靭性が低下するため、用途によっては使用不可能となる。また、分子量が10,000を超える場合には、液状でなくなり、粘性が高く取り扱い性が低下することがある。また、脂環式エポキシ樹脂(A)のエポキシ基に対する水酸基の量が相対的に少なくなり、硬化反応の速度が遅くなり生産性が低下する。
前記主鎖が炭素−炭素結合を主成分として構成されるポリオール(B1)としては、両末端に水酸基を有するビニルエーテル系オリゴマーが好ましく、例えば、前記式(4)に示されるビニルエーテル系オリゴマーを用いることができる。前記式(4)において、R19は水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、nは1〜50の整数である。なお、ここでいうアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル、ナフチル基などが挙げられる。アリール基の芳香環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
上記主鎖が炭素−炭素結合を主成分として構成されるポリオール(B1)としては、例えば、協和発酵ケミカル(株)製「TOE−2000H」が市販品として入手可能である。
本発明におけるポリオール(B)がポリエステルポリオール(B2)である場合、ポリエステルポリオールは、ポリオール成分とカルボン酸成分から構成され、脱水エステル化反応、エステル交換反応、ラクトンの開環重合など、またはその組み合わせによって合成することができる。上記、ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,12−ドデカンジオール、ポリブタジエンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ジヒドロキシアセトン、ヘキシレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。カルボン酸成分としては、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、クエン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シトララコン酸、1,10−デカンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、乳酸、りんご酸、グリコール酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などが挙げられる。ラクトン類としては、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
上記の中でも、ポリエステルポリオール(B2)として、特に好ましくは、ポリカプロラクトンポリオールである。ポリカプロラクトンポリオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、グリセリン等の公知の多価アルコールの存在下で、ε−カプロラクトンを開環付加重合して得られるポリカプロラクトンポリオールなどが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。ポリエステルポリオール(B2)としては、特にカプロラクトン共重合体が好ましい。
本発明におけるポリエステルポリオール(B2)の水酸基の個数は、耐衝撃性と耐屈曲性、耐熱性を両立させる観点から2個以上が好ましい。分子量も同じ観点から400以上3,000以下が好ましく、より好ましくは600以上2,000以下である。
上記のポリエステルポリオール(B2)としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製「プラクセル205、205H、205U、205BA、208、210、210CP、210BA、212、212CP、220、220CPB、220NP1、220BA、220ED、220EB、220EC、230、230CP、240、240CP、210N、220N、L205AL、L208AL、L212AL、L220AL、L230AL、220ED、220EB、220EC、205BA、210BA、220BA、305、308、312、L312AL、320、L320AL、L330AL、410、410D、610、P3403、CDE9P」などが市販品として入手可能である。
上記ポリカーボネートポリオール(B3)としては、通常のポリカーボネートポリオールを製造する方法と同じくホスゲン法または、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートのようなジアルキルカーボネートまたはジフェニルカーボネートを用いるカーボネート交換反応(特開昭62−187725号、特開平2−175721号、特開平2−49025号、特開平3−220233号、特開平3−252420号公報等)などで合成される。
ジアルキルカーボネート等と共にカーボネート交換反応で用いられるポリオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,12−ドデカンジオール、ポリブタジエンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
上記のポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ダイセル化学工業(株)製「プラクセルCD205PL、CD205HL、CD210PL、CD210HL、CD220PL、CD220HL」、宇部興産(株)製「UH−CARB50、UH−CARB100、UH−CARB300、UH−CARB90(1/3)、UH−CARB90(1/1)、UC−CARB100」。旭化成ケミカルズ(株)製「PCDL T4671、T4672、T5650J、T5651、T5652」などが市販品として入手可能である。
本発明におけるポリカーボネートポリオール(B3)は、上記の中でも、柔軟化効果や製造コストなどの観点から、1,6−ヘキサンジオール成分、化学式HO−R20−OHで表されるその他のジオール成分、及び、カーボネート成分から構成されるオリゴマーである場合に、脂環式エポキシ樹脂(A)との相溶性の観点で、特に好ましい。また、上記の場合に、1,6−ヘキサンジオール成分とその他のジオール成分のモル比は、9:1〜1:9が好ましく、より好ましくは、7:3〜3:7である。なお、R20は2価以上の有機基を示す。R20の炭素数は、例えば、2〜14であり、酸素、窒素、硫黄原子を含んでいてもよく、また、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。さらに、1〜3個の環状構造を有していてもよく、環内に酸素、窒素、硫黄原子を含んでいてもよい。中でも、R20として酸素原子が介在していてもよい炭素数2〜14の2価の炭化水素基(特にアルキレン基、シクロアルキレン基又はこれらの結合した基)が好ましい。
本発明において、脂環式エポキシ樹脂(A)とポリオール(B)の配合量は、用途等に応じて適宜選択できるが、脂環式エポキシ樹脂(A)とポリオール(B)の合計量(100重量部とする)に対して、好ましくは、脂環式エポキシ樹脂(A)の配合量が20〜95重量部、ポリオール(B)の配合量が5〜80重量部であり、さらに好ましくは、脂環式エポキシ樹脂(A)の配合量が30〜85重量部、ポリオール(B)の配合量が15〜70重量部である。ポリオール(B)の配合量が5重量部未満の場合には、ポリオールの添加効果が小さく、靱性を充分に発揮させることができず、硬化物の耐屈曲性や耐衝撃性が低下する場合がある。また、ポリオール(B)の配合量が80重量部を超える場合には、充分に硬化されず強度、耐熱性、透明性が低下する場合がある。
[ゴム成分(C)]
本発明の硬化性樹脂組成物に用いられるゴム成分(C)としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーン変性樹脂、ブタジエンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、架橋ゴム粒子、液状ゴムなどが挙げられる。
シリコーンオイルとしては、シリコーンの重合度が10以上で反応性基を備えたオイルが挙げられる。「KF6001、KF8010、X−22−162C、KF105、X−22−164A、X−22−167B、X−22−168AS、X−22−170BX、X−22−173BX、X−22−176DX、X−22−2404」(信越化学工業(株)製)、「BY16−150S、BY16−201、BY16−750、BY16−799、BY16−848、BY16−005」(東レ・ダウコーニング(株)製)などが市販品として入手可能である。
シリコーン変性樹脂としては、シリコーンの重合度が10以上で反応性モノマーあるいはオリゴマーと共重合したアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂が挙げられる。「X−22−4952、X−22−1824B」(信越化学工業(株)製)などが市販品として入手可能である。
ブタジエンゴムとしては、「Nipol BR1220、Nipol BR1242」(日本ゼオン(株)製)、「UBEPOL−BR 14H、UBEPOL−BR 15HB、UBEPOL−BR 23H」(宇部興産(株)製)などが市販品として入手可能である。
アクリルゴムとしては、「Nipol AR31、Nipol AR32、Nipol AR54」(日本ゼオン(株)製)などが市販品として入手可能である。
アクリロニトリルブタジエンゴムとしては、カルボキシル基を有するものも含め、「Nipol DN003、Nipol 1041、Nipol 1042、Nipol DN225、Nipol DN2850、Nipol DN401、Nipol 1312、Nipol HF01、Nipol 1072J、Nipol DN631」(日本ゼオン(株)製)、「HYCAR CTBN1300×13、HYCAR CTBN1300×13CL」(宇部興産(株)製)などが市販品として入手可能である。
架橋ゴム粒子は、ゴム成分をコアに配置した、いわゆるコアシェルポリマーであり、「メタブレンS−2001、メタブレンW−450A、メタブレンE−901、メタブレンC−303A」(三菱レイヨン(株)製)、「スタフィロイドAC3355、スタフィロイドAC3871」(ガンツ化成(株)製)、「XER−91、FX−602」(JSR(株)製)、「アクリセットBPA328、アクリセットBPF307」(日本触媒(株)製)、「パラロイドEXL2655、パラロイドEXL2315、パラロイドKM330」((株)クレハ製)、「EXL−2611、EXL−3387」(Rohm & Haas製)、「KM330」((株)クレハ製)、「カネエースMX−120、カネエースMX−125、カネエースMX−130、カネエースMX−210、カネエースMX−411、カネエースMX−550、カネエースMX−940、カネエースMX−715」((株)カネカ製)などが市販品として入手可能である。
架橋ゴム粒子の粒子径は小さいほど好ましく、直径10μm以下のものが好ましく、特に0.05〜5μmのものが好ましい。
液状ゴムとしては、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリジエン系ポリオールまたはポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエンポリオール、該ポリブタジエンポリオールの主鎖の二重結合の一部がエポキシ化されたエポキシ化ポリブタジエンポリオール、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリジエン系ポリオールに水素添加して得られるポリオレフィン系ポリオールなどが挙げられる。
上記の液状ゴムとしては、「Poly bd R−45HT」、「Poly bd R−15HT」、「Poly ip」、「エポール」(いずれも出光興産(株)製)、「エポリードPB3600」、「エポリードPB4700」(ダイセル化学工業(株)製)、「デナレックスR−45EPT」(ナガセケムテックス(株)製)などが市販品として入手可能である。
ゴム成分(C)の配合量は、脂環式エポキシ樹脂(A)とポリエーテルポリオールを除く常温で液状のポリオール(B)の合計量(100重量部とする)に対して、0.5〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15重量部である。ゴム成分(C)の配合量が0.5重量部よりも少ないと靭性を充分に発揮させることができなくなる場合がある。また、ゴム成分(C)の配合量が20重量部を超えると、透明性が低下し、粘度上昇が起こり、作業性が悪くなったり、強度が不足する場合がある。
[他の添加物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、屈折率の調整、その他の物性の向上のため、必要に応じて、可とう性エポキシ樹脂、低粘度エポキシ樹脂、オキセタン樹脂及びビニルエーテル樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含んでいてもよい。これらの樹脂の総配合量は、ゴム分散樹脂組成物100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部程度である。
可とう性エポキシ樹脂としては、例えば、「エピコート871、エピコート872」(ジャパンエポキシレジン(株)製)や、「デナコールEX−192、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−321、デナコールEX−411、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−841、デナコールEX−941、デナレックスR−45EPT」(ナガセケムテックス(株)製)、「リカレジンBPO−20E、リカレジンBPO−60E」(新日本理化(株)製)などが市販品として入手可能である。
低粘度エポキシ樹脂としては、25℃での粘度が100mPa・s以下であるエポキシ樹脂が挙げられ、「YED111N、YED111AN、YED122、YED205、YED216、YED216M」(ジャパンエポキシレジン(株)製)、「デナコールEX−111、デナコールEX−121、デナコールEX−141、デナコールEX−145、デナコールEX−146、デナコールEX−192、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−321」(ナガセケムテックス(株)製)、「リカレジンL−200」(新日本理化(株)製)などが市販品として入手可能である。
オキセタン樹脂としては、分子内にオキセタン環を有し、硬化可能な化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン等が挙げられる。これらの化合物は、例えば、宇部興産(株)製「エタナコールEHO、エタナコールOXMA、エタナコールOXTP、エタナコールOXBP」、東亞合成(株)製「アロンオキセタンOXT−101、アロンオキセタンOXT−121、アロンオキセタンOXT−211、アロンオキセタンOXT−221、アロンオキセタンOXT−212、アロンオキセタンOXT−610、他にもOX−SQ、PNOX−1009」などが市販品として入手可能である。
ビニルエーテル樹脂としては、硬化可能なビニルエーテル化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、n-プロピルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。これらの化合物は、例えば、日本カーバイド工業(株)製「NPVE、IPVE、NBVE、IBVE、EHVE、ODVE、CHVE、ALLVE、HEVE、HBVE、HNVE、HCHVE、CHMVE、TEGMVE、BDVE、NDVE、CHODVE、CHDVE、TEGVE、TMPVE、PEVE」、丸善石油化学(株)製「HEVE、HBVE、DEGV」等の市販品が入手可能である。
[硬化剤、硬化促進剤、硬化触媒]
本発明の硬化性樹脂組成物において用いられる硬化剤としては、加熱することによりエポキシ基と反応するものであれば特に限定されないが、アミン系硬化剤は硬化後の耐熱性が不良であるため望ましくない。硬化後の耐熱性がよいものとしては、例えば多塩基酸無水物が挙げられ、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、水素化メチルナジック酸無水物、4−(4−メチル−3−ペンテニル)テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、無水マレイン酸、無水セバシン酸、無水ドデカン二酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、アルキルスチレン無水マレイン酸共重合体等がある。また、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌレート、2−フェニルイミダゾリウムイソシアヌレート、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−s−トリアジン等のイミダゾール系硬化剤、BF3 −n−ヘキシルアミン、BF3 −モノエチルアミン、BF3 −ベンジルアミン、BF3 −ジエチルアミン、BF3 −ピペリジン、BF3 −トリエチルアミン、BF3−アニリン、BF4 −n−ヘキシルアミン、BF4 −モノエチルアミン、BF4−ベンジルアミン、BF4 −ジエチルアミン、BF4 −ピペリジン、BF4 −トリエチルアミン、BF4 −アニリン、PF5 −エチルアミン、PF5 −イソプロピルアミン、PF5 −ブチルアミン、PF5 −ラウリルアミン、PF5 −ベンジルアミン、AsF5 −ラウリルアミン等のルイス酸−アミン錯体系硬化剤、ジシアンジアミド及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリルとその誘導体、アミンイミド等の硬化剤も挙げられる。これらの硬化剤は単独で用いてもよいし、これらの混合物として用いてもよい。
本発明では、硬化剤と共に硬化促進剤を用いることもできる。硬化促進剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等の第3級アミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシ)ホスフィン等のホスフィン類、アルミニウムアセチルアセトン錯体等の金属キレート、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の四級アンモニウム塩、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の有機酸金属塩、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−オクチル酸塩等のジアザビシクロアルケン有機酸塩類、三フッ化ホウ素、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のホウ素化合物などが挙げられる。これらの硬化促進剤は単独でも2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物において用いられる硬化触媒としては、光カチオン重合開始剤と熱カチオン重合開始剤があるが、前者は活性エネルギー線によりカチオン種を発生してエポキシ化合物のカチオン重合を開始させる化合物であり、後者は加熱によりカチオン種を発生してエポキシ化合物のカチオン重合を開始させる化合物である。例えば、ヘキサフルオロアンチモネート、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート、ヘキサフルオロホスフェートをカウンターアニオンとするヨードニウム塩、スルホニウム塩、及びその他のカチオン重合開始剤を挙げることができる。
カチオン重合開始剤としては市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、「UVI−6976、UVI−6992」(ダウケミカル製)、「UVACURE1590」(ダイセルサイテック(株)製)、「サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−180L(三新化学工業(株)製)、「OPTMER CP、OPTMER SP−150、OPTMER SP−152、OPTMER SP−170、OPTMER SP−172」(旭電化工業(株)製)、「R−genBF−1172」(ダブルボンドケミカル製)、「Rhodorsil2074」(ローディア製)、「IRGACURE250」(チバスペシャルティーケミカルズ製)、DEUTERON UV1240、DEUTERON UV1241、DEUTERON UV2257(DEUTERON製)、「PP−33、CP−66、CP−77」(旭電化工業(株)製)、「FC−509」(スリーエム社製)、「CG−24−61」(チバガイギー社製)などを挙げることができる。
また、これらオニウム塩系のカチオン重合触媒以外にアルミニウム又はチタンとベータジケトン類とのキレート化合物とシラノール基を持つ化合物またはビスフェノールSとの組み合わせによりカチオン重合を行う方法も使用できる。アルミ又はチタンに配位するベータジケトン類としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等が挙げられる。これらキレート化合物の商品名としては、「ALCH−TR」(川研ファインケミカル(株)製)、「DAICAT EX−1」(ダイセル化学工業(株)製)が挙げられる。
上記に挙げた硬化触媒は単独で用いてもよいし、異なる硬化触媒を混合して用いてもよい。また、上記に挙げた硬化剤と硬化触媒を混合して使用してもよい。
また、上記硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、屈折率調整用のフッ素や硫黄、芳香環、ハロゲン含有の添加剤を含有すると好ましい。その他にも、本発明の効果を損なわない範囲で、消泡剤、レベリング剤、サイジング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃化剤、酸拡散制御剤、反応性希釈剤、光増感剤、脱水剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、シルセスキオキサン類化合物、可塑剤や滑剤、イオン吸着体、着色剤、低応力化剤、顔料、染料、ガラスビーズ、ガラスフィラー、酸化チタン、酸化ジルコニア、酸化亜鉛、シリカ、タルク、アルミナ、クレー等の無機微粒子を含む無機フィラー、ポリイミド樹脂やナイロン樹脂などの有機フィラーという各種の添加剤が含有されていてもよい。これらの添加剤は、単独で用いてもよいし、これらの混合物として用いてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物においては、ゴム成分(C)の屈折率と、ゴム成分(C)が分散するマトリクスを構成する樹脂組成物の屈折率との差が0.05以下であるのが好ましい。この値が0.05を超える場合、分散相の界面で光が散乱するために透明性が低下し、透明性が必要な用途では好ましくない。可とう性のエポキシ樹脂や反応性希釈剤、樹脂の屈折率を調整可能な他の有機化合物、無機化合物などを添加することによって、エポキシマトリクス相の屈折率をゴム成分の屈折率に近づけ、硬化物の透明度を向上させることができる。
[硬化性樹脂組成物の製造]
本発明の硬化性樹脂組成物は、以上に述べた各成分を混合し、ゴム成分(C)が細かく分散した樹脂組成物となるように撹拌分散することにより調製することができる。例えば、各成分を混合し、必要に応じて加温(例えば40℃程度)し、ディソルバー、ホモジナイザー、ビーズミル、3本ローラーミル、ローリングミル、ロッキングミル、ニーダー、押出機、振動ミキサー、高速ミキサー、スタティックミキサー、超音波分散機、自転公転ミキサーなどの撹拌機にて均一になるまで、例えば5分から1時間程度撹拌、混合、分散することにより調製することができる。
[硬化物]
本発明の硬化物は、上記本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる。硬化手段は、熱、光等の何れであってもよい。光カチオン重合開始剤を用いた光カチオン硬化での紫外線のような活性エネルギー線の照射条件は、硬化性樹脂組成物の種類や膜厚等に応じて適宜変えることができる。照射する紫外線の波長としては、通常、200〜600nmの範囲内が適当であり、光カチオン重合開始剤の種類等に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。
紫外線の照射源としては、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光、LEDランプなどを挙げることができる。照射量は、硬化性樹脂組成物の種類、厚み、光カチオン重合開始剤の種類等に応じて適宜選択して使用することができるが、通常、線量が10〜10,000mJ/cm2、特に50〜5,000mJ/cm2となる範囲内が適している。活性エネルギー線としては、紫外線以外に電子線を使用することもできる。
また、活性エネルギー線照射後、必要に応じて組成物を加熱してもよい。加熱によって樹脂中の未反応物の低減および活性エネルギー線照射による塗膜の硬化性や成形加工によって発生した歪みの緩和を行なうことができる。この加熱によって樹脂の硬度や密着性の向上を行なうことができる場合がある。上記加熱は、通常、100〜200℃の雰囲気温度で1〜300分間の条件で行なうことができる。
熱カチオン重合開始剤を用いた熱カチオン硬化および硬化剤を用いた熱硬化の条件は、30〜250℃、好ましくは45〜220℃の温度下で30分〜12時間程度の加熱で行なうことができる。また、同一温度で加熱するだけでなく、2段階、3段階に温度を変化させたり、徐々に温度を上げたりすることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物、硬化物は、低粘度で加工性に優れ、その硬化物は、優れた耐熱性を有し、耐屈曲性、耐衝撃性等の靭性にも優れている。そのため、種々の樹脂製品の材料として使用できる。該樹脂製品として、例えば、接着剤、半導体封止材、積層板、レジスト、インク、塗料、コーティング材、ガラス繊維強化複合材、炭素繊維複合材、透明基材、透明封止材、光造形、光導波路、絶縁材料などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例5〜7は参考例として記載するものである。
[物性等の測定方法]
(1)粘度
E型粘度計を用いて、25℃の粘度(mPa・s)を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
実施例、比較例に記載の処方に従い硬化性樹脂組成物を調製し、その硬化性樹脂組成物を型に注型し、オーブンにて45℃2時間、続いて150℃4時間加熱し、直径8mm、高さ5mmの硬化させた試験片を作製した。
この試験片をTMA(熱機械分析)にて昇温速度5℃/minの条件で330℃まで昇温させ、ガラス転移温度Tg(℃)の測定を行った。測定装置は、「TMA/SS6000」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いた。
下記の評価基準で耐熱性を評価した。
◎:Tg250℃以上
○:120℃以上250℃未満
×:120℃未満
(3)耐屈曲性
実施例、比較例に記載の処方に従い硬化性樹脂組成物を調製し、その硬化性樹脂組成物をワイヤーバーを用いてアルミ板上に12μmの厚みで塗布後、45℃のオーブンで2時間加熱した後に150℃で4時間加熱して目的の試験片を作製した。試験片は、硬化後に23℃、55%RHの環境で調湿し測定を行った。
JIS K 5400に準拠して屈曲試験用の冶具に試験片をセットし、心棒直径10mmから8mm、6mm、4mm、3mm、2mmの順で測定し、塗膜が割れたり剥がれたりクラックを生じなかった最小の心棒サイズを記録した。心棒サイズが小さいほど、耐屈曲性に優れている。下記の評価基準で耐屈曲性を評価した。
◎:φ2mm
○:φ3mm
×:φ4mm〜φ10mm
××:φ10mmで割れる
(4)デュポン衝撃
実施例、比較例に記載の処方に従い硬化性樹脂組成物を調製し、その硬化性樹脂組成物をワイヤーバーを用いてアルミ板上に12μmの厚みで塗布後、45℃のオーブンで2時間加熱した後に150℃で4時間加熱して目的の試験片を作製した。試験片は、硬化後に23℃、55%RHの環境で調湿し測定を行った。
デュポン式衝撃試験機に塗膜を上方に向けて試験片をセットし、先端球面R=1/2inchの撃芯が塗膜に接触するように乗せる。300gあるいは1kgの錘を測定下限の50mmから50mmずつ徐々に高くして最大高さ500mmから落下させ、塗膜の割れや剥がれ、クラックが生じない錘の最大落下高さを記録した。使用した錘が重く、割れない落下高さが高いほど耐衝撃性に優れている。下記の評価基準で耐衝撃性を評価した。
◎:500mm
○:250〜450mm
×:50〜200mm
××:50mmで割れる
(5)ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン及びその異性体のガスクロマトグラフィー(GC分析)
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ60m、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:2.6ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):60℃で5分保持、10℃/分で300℃まで昇温
スプリット比:100
サンプル:1μl
ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンとその異性体との比は次のようにして求めた。すなわち、上記条件でGC分析を行い、保持時間20.97分付近に出る最大ピーク(ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン)の面積と、その直前に現れる20.91分付近のピーク(異性体)の面積に基づいて、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンに対する異性体の含有比を求めた。すなわち、異性体比率(%)は、異性体面積÷(異性体面積+ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン面積)×100で算出される。
(6)3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル及びその異性体のガスクロマトグラフィー(GC分析)
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:300℃
昇温パターン(カラム):100℃で2分保持、5℃/分で300℃まで昇温、30 0℃で10分保持
スプリット比:100
サンプル:1μl(エポキシ化合物:アセトン=1:40)
3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルとその異性体との比は次のようにして求めた。すなわち、上記条件でGC分析を行い、保持時間19.8分から20.0分付近に出る最大ピーク2本[3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル(2本のピークは立体異性体の存在による)]の合計面積と、その直前に現れる19.1分から19.5分付近のピーク3本(異性体)の合計面積に基づいて、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルに対する異性体の含有比を求めた。すなわち、異性体比率(%)は、異性体合計面積÷(異性体合計面積+3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル合計面積)×100で算出される。
(7)3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル及びその異性体のGC−MS分析
測定装置:ヒューレットパッカード社製、HP6890(GC部)、5973(MS 部)
カラム:HP−5MS、長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.25mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
昇温パターン(カラム):100℃で2分保持、5℃/分で300℃まで昇温、30 0℃で18分保持
注入口温度:250℃
MSDトランスファーライン温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム
キャリアガス流量:0.7ml/分(コンスタントフロー)
スプリット比:スプリットレス
サンプル注入量:1.0μl
測定モード:EI
イオン源温度:230℃
四重極温度:106℃
MS範囲:m/z=25〜400
サンプル調製:サンプル0.1gをアセトン3.0gに溶解
合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物をGC−MS分析に付した。その結果(ガスクロマトグラムと各成分のMSスペクトル)を図4〜13に示す。保持時間17.73分、17.91分、18.13分のピークが3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルの異性体のピークであり、18.48分、18.69分のピークが3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルのピークである。上記GC分析の場合と分析条件が若干異なるので各ピークの保持時間は異なるが、出現する順序は同じである。図4はガスクロマトグラムと保持時間17.73分のピークのMSスペクトルであり、図5はその拡大図である。図6はガスクロマトグラムと保持時間17.91分のピークのMSスペクトルであり、図7はその拡大図である。図8はガスクロマトグラムと保持時間18.13分のピークのMSスペクトルであり、図9はその拡大図である。図10はガスクロマトグラムと保持時間18.48分のピークのMSスペクトルであり、図11はその拡大図である。図12はガスクロマトグラムと保持時間18.69分のピークのMSスペクトルであり、図13はその拡大図である。MSスペクトルによれば、上記何れの成分もm/z=194の分子イオンピークを有している。
合成例1(異性体比率9%)
95重量%硫酸70g(0.68モル)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)55g(0.36モル)を撹拌混合して脱水触媒を調製した。
撹拌機、温度計、および脱水管を備え且つ保温された留出配管を具備した3リットルのフラスコに、下記式(3a)
Figure 0005289713
で表される水添ビフェノール(=4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル)1000g(5.05モル)、上記で調製した脱水触媒125g(硫酸として0.68モル)、プソイドクメン1500gを入れ、フラスコを加熱した。内温が115℃を超えたあたりから水の生成が確認された。さらに昇温を続けてプソイドクメンの沸点まで温度を上げ(内温162〜170℃)、常圧で脱水反応を行った。副生した水は留出させ、脱水管により系外に排出した。なお、脱水触媒は反応条件下において液体であり反応液中に微分散していた。3時間経過後、ほぼ理論量の水(180g)が留出したため反応終了とした。反応終了液を10段のオールダーショウ型の蒸留塔を用い、プソイドクメンを留去した後、内部圧力10Torr(1.33kPa)、内温137〜140℃にて蒸留し、731gのビシクロヘキシル−3,3′−ジエンを得た。GC分析の結果、得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン中にはその異性体が含まれており(GC−MS分析により確認)、下記式(2a)
Figure 0005289713
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエンとその異性体の含有比は91:9であった(図3参照)。
得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン(異性体を含む)243g、酢酸エチル730gを反応器に仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、脂環式エポキシ化合物270gを得た。このときの収率は93%であった。粘度(25℃)を測定したところ、84mPa・sであった。得られた脂環式エポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は15.0重量%であった。また1H−NMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、下記式(1a)
Figure 0005289713
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルであることが確認された。GC分析の結果、得られた脂環式エポキシ化合物中には3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルとその異性体が含まれており、異性体比率は9%であった(図1参照)。なお、異性体比率は次式により算出した。
異性体比率=(2262+1715+5702)÷(2262+1715+5702 +28514+74587)×100=9%
合成例2(異性体比率21%)
撹拌機、20段の蒸留塔、温度計を備えている10リットルの四つ口フラスコに、水添ビフェノール6kgと硫酸水素カリウム620gを加えた。続いて、フラスコを180℃に加熱し、水添ビフェノールを融解後、撹拌を開始した。蒸留塔の塔頂より副生水を留出させながら反応を続け、3時間経過後、反応系内を10Torr(1.33kPa)に減圧し、水とビシクロヘキシル−3,3′−ジエンを蒸留塔の最上段より連続的に系外に留出させた。系外に留去させた水とビシクロヘキシル−3,3′−ジエンはデカンターで二層に分離させ、上層液のみを取り出した。その後、4時間かけて反応温度を220℃まで上げ、水とビシクロヘキシル−3,3′−ジエンの留去が無くなった時点で反応終了とした。ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンの留出粗液の収量は4507gであった。上記ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンの留出粗液4500gを撹拌機、20段の蒸留塔、温度計を備えている5リットルの四つ口フラスコに入れ、オイルバスで180℃に昇温した。その後、反応系内を10Torr(1.33kPa)に減圧し、水を留去してから蒸留塔の最上段の温度を145℃に維持し、還流比1で5時間かけてビシクロヘキシル−3,3′−ジエンを蒸留精製し、無色透明の液体を得た。収量は4353gであった。前記液体についてGC分析を行った結果、得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン中には異性体が含まれており、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンと異性体の含有比は80:20であった。
得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン(異性体を含む)243g、酢酸エチル730gを反応器に仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、脂環式エポキシ化合物267gを得た。このときの収率は92%であった。粘度(25℃)を測定したところ、63mPa・sであった。得られた脂環式エポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は14.9重量%であった。また1H−NMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルであることが確認された。GC分析の結果、得られた脂環式エポキシ化合物には3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルとその異性体が含まれており、異性体比率は21%であった(図2参照)。異性体比率は次式により算出した。
異性体比率=(5404+3923+13067)÷(5404+3923+130 67+23563+60859)×100=21%
実施例1
ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」を100重量部、ダイセル化学工業(株)製「プラクセルCD220PL」を30重量部、(株)カネカ製「カネエースMX−125」を25重量部(架橋ゴム粒子としては6.25重量部含む)、東亞合成(株)製アロンオキセタンOXT−211を40重量部、BYK CHEMIE社製「BYK−361N」を0.5重量部、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」を0.6重量部計量混合し硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は、740mPa・sであった。
この硬化性樹脂組成物を型に注型し、オーブンにて45℃2時間、続いて150℃4時間加熱し硬化させ、直径8mm、高さ5mmの試験片を作製した。この試験片をTMA(熱機械分析)にてガラス転移温度Tg(℃)の測定を行った。Tgが250℃以上を◎、120℃以上250℃未満を○、120℃未満を×と評価をつけ、実施例1は○であった。
この硬化性樹脂組成物をワイヤーバーによりアルミ板上に12μmの厚みで塗布し、硬化させて試験片を作製した。屈曲試験用の冶具に試験片をセットし耐屈曲性を評価した。心棒は、直径2mm、3mm、4mm、6mm、8mm、10mmあり、塗膜が割れない最小心棒直径が2mmの場合を◎、3mmを○、4mmから10mmを×、10mmでも割れる場合を××とした。実施例1は◎であった。
耐屈曲性と同様に試験片を作製しデュポン衝撃試験を行った。錘は300gと1kgを用い、最低高さ50mmから50mm刻みで最大500mmまで測定を行った。塗膜の割れやクラック、剥がれが起きない最大高さを次のように評価した。500mmでも割れなかった場合を◎、250mmから450mmの場合を○、50mmから200mmの場合を×、50mmでも割れ、クラック、剥がれが生じる場合は××とした。実施例1は、錘300g、1kgともに◎であった。
実施例2
合成例1の化合物を100重量部、協和発酵ケミカル(株)製「TOE−2000H」を30重量部、(株)カネカ製「カネエースMX−125」を25重量部(架橋ゴム粒子としては6.25重量部含む)、東亞合成(株)製アロンオキセタンOXT−211を40重量部、BYK CHEMIE社製「BYK−361N」を0.5重量部、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」を0.6重量部計量混合し硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は、493mPa・sであった。
以下、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。Tgは◎、耐屈曲性は◎、デュポン衝撃試験は錘300gと1kgともに◎であった。
実施例3
液状ポリオールをダイセル化学工業(株)製「プラクセルL220AL」に変更した以外は実施例2と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は339mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は◎、デュポン衝撃試験は錘300gと1kgともに◎であった。
実施例4
液状ポリオールをダイセル化学工業(株)製「プラクセルCD220PL」に変更した以外は実施例2と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は481mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は◎、デュポン衝撃試験は錘300gと1kgともに◎であった。
実施例5
ゴム成分を東レ・ダウコーニング(株)製の変性シリコンオイル「BY16−848」に変更し、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」を0.5重量部に変更した以外は実施例4と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は285mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は○、デュポン衝撃試験は錘300gは◎、錘1kgは○であった。
実施例6
ゴム成分を宇部興産(株)製のカルボキシル基変性NBR「HYCAR CTBN1300×13CL」に変更した以外は実施例5と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は345mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は○、デュポン衝撃試験は錘300g、1kgともに◎であった。
実施例7
ゴム成分を出光興産(株)製の液状ゴム「Poly bd R−45HT」に変更した以外は実施例6と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は323mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は○、デュポン衝撃試験は錘300g、1kgともに◎であった。
実施例8
脂環式エポキシを合成例2の化合物に変更した以外は実施例4と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は479mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は◎、デュポン衝撃試験は錘300g、1kgともに◎であった。
実施例9
液状ポリオールの配合量を10重量部、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」を0.5重量部に変更した以外は実施例4と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は228mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は◎、デュポン衝撃試験は錘300gが◎、錘1kgが○であった。
実施例10
液状ポリオールの配合量を50重量部に変更した以外は実施例4と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は903mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は◎、デュポン衝撃試験は錘300g、1kgともに◎であった。
実施例11
(株)カネカ製「カネエースMX−125」を14重量部(架橋ゴム粒子としては3.5重量部含む)、東亞合成(株)製アロンオキセタンOXT−211を20重量部、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」を0.5重量部に変更した以外は実施例4と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は537mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は○、デュポン衝撃試験は錘300g、1kgともに◎であった。
実施例12
(株)カネカ製「カネエースMX−125」を47重量部(架橋ゴム粒子としては11.75重量部含む)、東亞合成(株)製アロンオキセタンOXT−211を50重量部、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」を0.7重量部に変更した以外は実施例4と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は543mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は◎、デュポン衝撃試験は錘300g、1kgともに◎であった。
実施例13
東亞合成(株)製アロンオキセタンOXT−211を配合せず、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」を0.4重量部に変更した以外は実施例11と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は1,090mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は◎、デュポン衝撃試験は錘300g、1kgともに◎であった。
比較例1
ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2081」を100重量部、トリスエチルアセトアセテートアルミニウム:ジフェニルジメトキシシランを1:2の割合で調合した硬化触媒を0.15重量部を混合し硬化性樹脂組成物を調製した。この硬化性樹脂組成物を型に注型し、オーブンにて140℃で5時間加熱し硬化させ、直径8mm、高さ5mmの試験片を作製し、実施例1と同様に物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は322mPa・sであった。Tgは×、耐屈曲性は◎、デュポン衝撃試験は錘300g、1kgともに◎であった。
比較例2
液状ポリオールを配合しない以外は実施例9と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は129mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は×、デュポン衝撃試験は錘300gが◎、錘1kgは×であった。
比較例3
液状ポリオールとゴム成分と東亞合成(株)製アロンオキセタンOXT−211を配合せず、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」を0.3重量部に変更した以外は実施例9と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は77mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は××、デュポン衝撃試験は錘300gが×、錘1kgは××であった。
比較例4
液状ポリオールを旭化成せんい(株)製「PTXG」というポリエーテルポリオールに変更した以外は実施例9と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は164mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は×、デュポン衝撃試験は錘300gが◎、錘1kgは○であった。
比較例5
液状ポリオールを旭化成せんい(株)製「PTXG」というポリエーテルポリオールに変更した以外は実施例13と同じ処方で硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に硬化させて試験片を作製し物性を評価した。硬化性樹脂組成物の25℃での粘度は410mPa・sであった。Tgは◎、耐屈曲性は×、デュポン衝撃試験は錘300gが◎、錘1kgは○であった。
以上の結果を表1、表2に示した。なお、表中の略号は以下の通りである。
脂環式エポキシ(A-1):ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)
脂環式エポキシ(A-2):ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2081」
脂環式エポキシ(A-3):式(1)においてR1〜R18が水素原子である化合物(合成例2;異性体比率21%)
脂環式エポキシ(A-4):式(1)においてR1〜R18が水素原子である化合物(合成例1;異性体比率9%)
液状ポリオール(B-1):旭化成せんい(株)製「PTXG」(変性ポリテトラメチレングリコール;分子量1800)
液状ポリオール(B-2):協和発酵ケミカル(株)製「TOE−2000H」
液状ポリオール(B-3):ダイセル化学工業(株)製「プラクセルL220AL;分子量2000」
液状ポリオール(B-4):ダイセル化学工業(株)製「プラクセルCD220PL;分子量2000」
ゴム成分(C-1):東レ・ダウコーニング(株)製「BY16−848」(変性シリコーンオイル)
ゴム成分(C-2):宇部興産(株)製「HYCAR CTBN 1300×13CL」(カルボキシル基変性NBR)
ゴム成分(C-3):(株)カネカ製「カネエース MX−125」に25重量%含まれる架橋ゴム粒子(残りの75重量%はビスフェノールA型液状エポキシ樹脂である)
ゴム成分(C-4):出光興産(株)製「Poly bd R−45HT」(液状ゴム)
反応性希釈剤:東亞合成(株)製「アロンオキセタン OXT−211」[3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン]
添加剤:BYK CHEMIE社製「BYK−361N」
硬化触媒(1):三新化学工業(株)製「サンエイド SI−60L」(組成物に対して0.3phr)
硬化触媒(2):トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム:ジフェニルジメトキシシラン=1:2(組成物に対して0.15phr)
硬化条件(1):45℃*2hr+150℃*4hr
硬化条件(2):140℃*5hr
Figure 0005289713
Figure 0005289713
合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC分析のチャートである。 合成例2で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC分析のチャートである。 合成例1において得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエンのGC分析のチャートである。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラム(上図)と保持時間17.73分のピークのMSスペクトル(下図)である。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラムの拡大図(上図)と保持時間17.73分のピークのMSスペクトルの拡大図(下図)である。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラム(上図)と保持時間17.91分のピークのMSスペクトル(下図)である。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラムの拡大図(上図)と保持時間17.91分のピークのMSスペクトルの拡大図(下図)である。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラム(上図)と保持時間18.13分のピークのMSスペクトル(下図)である。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラムの拡大図(上図)と保持時間18.13分のピークのMSスペクトルの拡大図(下図)である。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラム(上図)と保持時間18.48分のピークのMSスペクトル(下図)である。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラムの拡大図(上図)と保持時間18.48分のピークのMSスペクトルの拡大図(下図)である。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラム(上図)と保持時間18.69分のピークのMSスペクトル(下図)である。 合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物のGC−MS分析におけるガスクロマトグラムの拡大図(上図)と保持時間18.69分のピークのMSスペクトルの拡大図(下図)である。

Claims (14)

  1. 脂環式エポキシ樹脂(A)と、ポリエーテルポリオールを除く数平均分子量が400以上で且つ常温で液状のポリオール(B)とからなる樹脂組成物に、架橋ゴム粒子からなるゴム成分(C)を分散させてなるゴム分散樹脂組成物を含む硬化性樹脂組成物であって、前記脂環式エポキシ樹脂(A)が、下記式(5)
    Figure 0005289713
    (式中、Yは連結基(単結合を含む)を示す。2つのシクロヘキサン環はそれぞれ、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、及び置換基を有していてもよいアルコキシ基から選択された置換基を有していてもよい)
    で表される化合物である硬化性樹脂組成物。
  2. 脂環式エポキシ樹脂(A)とポリエーテルポリオールを除く数平均分子量が400以上で且つ常温で液状のポリオール(B)の合計量100重量部に対して、脂環式エポキシ樹脂(A)の配合量が20〜95重量部、ポリオール(B)の配合量が5〜80重量部、架橋ゴム粒子からなるゴム成分(C)の配合量が0.5〜20重量部である請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 脂環式エポキシ樹脂(A)が、下記式(1)
    Figure 0005289713
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す)
    で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物である請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物における該化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%以下である請求項3記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 脂環式エポキシ樹脂(A)が、下記式(3)
    Figure 0005289713
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す)
    で表される4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物を、有機溶媒中、脱水触媒の存在下、副生する水を留去しながら脱水反応を行うことにより得られる下記式(2)
    Figure 0005289713
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、前記に同じ)
    で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%未満である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物である請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  6. ポリエーテルポリオールを除く数平均分子量が400以上で且つ常温で液状のポリオール(B)が、炭素−炭素結合からなる主鎖を有するポリオール(B1)、ポリエステルポリオール(B2)及びポリカーボネートポリオール(B3)から選択された少なくとも1種のポリオールである請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 炭素−炭素結合からなる主鎖を有するポリオール(B1)が、下記式(4)
    Figure 0005289713
    (式中、R19は水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、nは1〜50の整数である)
    で表される両末端に水酸基を有するビニルエーテル系オリゴマーである請求項6記載の硬化性樹脂組成物。
  8. ポリエステルポリオール(B2)が、カプロラクトン共重合体である請求項6記載の硬化性樹脂組成物。
  9. ポリカーボネートポリオール(B3)が、1,6−ヘキサンジオールとHO−R20−OHで表されるその他のジオール(R20は2価の有機基を示す)、及びカーボネート成分からなり、1,6−ヘキサンジオールとその他のジオールのモル比が9:1〜1:9である請求項6記載の硬化性樹脂組成物。
  10. さらに、ゴム分散樹脂組成物100重量部に対して、可とう性エポキシ樹脂、低粘度エポキシ樹脂、オキセタン樹脂及びビニルエーテル樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂を1〜100重量部含む請求項1〜9の何れかの項に記載の硬化性樹脂組成物。
  11. 架橋ゴム粒子からなるゴム成分(C)の屈折率と、架橋ゴム粒子からなるゴム成分(C)が分散するマトリクスを構成する樹脂組成物の屈折率との差が0.05以下である請求項1〜10の何れかの項に記載の硬化性樹脂組成物。
  12. 硬化剤(但し、ポリエーテルポリオールを除く数平均分子量が400以上で且つ常温で液状のポリオール(B)に該当するものを除く)及び/又は硬化触媒を含有する請求項1〜11の何れかの項に記載の記載の硬化性樹脂組成物。
  13. 請求項12記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
  14. 請求項1〜12の何れかの項に記載の硬化性樹脂組成物又は請求項13に記載の硬化物を含有する樹脂製品。
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