JP5226223B2 - 透明封止材料及び透明封止物 - Google Patents
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Description
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として18%以下である脂環式ジエポキシ化合物(A1)(前記異性体を含む)95〜40重量%、及び、前記脂環式ジエポキシ化合物(A1)以外の2官能以上のエポキシ樹脂(A2)5〜60重量%からなるエポキシ樹脂[(A1)と(A2)の合計は100重量%]100重量部に対して、硬化剤50〜150重量部、硬化促進剤0.05〜3.0重量部を配合した透明封止材料(以下、「第1の透明封止材料」と称することがある)を提供する。
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として15%以下である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる脂環式ジエポキシ化合物(A1′)(前記異性体がエポキシ化されたものを含む)95〜40重量%、及び、前記脂環式ジエポキシ化合物(A1′)以外の2官能以上のエポキシ樹脂(A2)5〜60重量%からなるエポキシ樹脂[(A1′)と(A2)の合計は100重量%)100重量部に対して、硬化剤50〜150重量部、硬化促進剤0.05〜3.0重量部を配合した透明封止材料(以下、「第2の透明封止材料」と称することがある)を提供する。
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として18%以下である脂環式ジエポキシ化合物(A1)(前記異性体を含む)95〜40重量%、及び、前記脂環式ジエポキシ化合物(A1)以外の2官能以上のエポキシ樹脂(A2)5〜60重量%からなるエポキシ樹脂[(A1)と(A2)の合計は100重量%]100重量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜12重量部を配合した透明封止材料(以下、「第3の透明封止材料」と称することがある)を提供する。
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として15%以下である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる脂環式ジエポキシ化合物(A1′)(前記異性体がエポキシ化されたものを含む)95〜40重量%、及び、前記脂環式ジエポキシ化合物(A1′)以外の2官能以上のエポキシ樹脂(A2)5〜60重量%からなるエポキシ樹脂[(A1′)と(A2)の合計は100重量%)100重量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜12重量部を配合した透明封止材料(以下、「第4の透明封止材料」と称することがある)を提供する。
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として18%以下である脂環式ジエポキシ化合物(A1)(前記異性体を含む)を少なくとも含む2官能以上のエポキシ樹脂(A)95〜40重量%、及び、数平均分子量が400以上のポリオール(B)5〜60重量%からなる混合物[(A)と(B)の合計は100重量%]100重量部に対して、硬化剤(ポリオール(B)を除く)50〜150重量部、硬化促進剤0.05〜3.0重量部を配合した透明封止材料(以下、「第5の透明封止材料」と称することがある)を提供する。
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として15%以下である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる脂環式ジエポキシ化合物(A1′)(前記異性体がエポキシ化されたものを含む)を少なくとも含む2官能以上のエポキシ樹脂(A′)95〜40重量%、及び、数平均分子量が400以上のポリオール(B)5〜60重量%からなる混合物[(A′)と(B)の合計は100重量%]100重量部に対して、硬化剤(ポリオール(B)を除く)50〜150重量部、硬化促進剤0.05〜3.0重量部を配合した透明封止材料(以下、「第6の透明封止材料」と称することがある)を提供する。
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として18%以下である脂環式ジエポキシ化合物(A1)(前記異性体を含む)を少なくとも含む2官能以上のエポキシ樹脂(A)95〜40重量%、及び、数平均分子量が400以上のポリオール(B)5〜60重量%からなる混合物[(A)と(B)の合計は100重量%]100重量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜12重量部を配合した透明封止材料(以下、「第7の透明封止材料」と称することがある)を提供する。
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として15%以下である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる脂環式ジエポキシ化合物(A1′)(前記異性体がエポキシ化されたものを含む)を少なくとも含む2官能以上のエポキシ樹脂(A′)95〜40重量%、及び、数平均分子量が400以上のポリオール(B)5〜60重量%からなる混合物[(A′)と(B)の合計は100重量%]100重量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜12重量部を配合した透明封止材料(以下、「第8の透明封止材料」と称することがある)を提供する。
本発明は、さらに、前記の各透明封止材料を硬化して得られる透明封止物を提供する。
本発明における脂環式ジエポキシ化合物(A1)は、前記式(1)で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、不純物として含まれている該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として20%以下である。
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:300℃
昇温パターン(カラム):100℃で2分保持、5℃/分で300℃まで昇温、30 0℃で10分保持
スプリット比:100
サンプル:1μl(エポキシ化合物:アセトン=1:40)
で表される4,4′−ジヒドロキシビシクロヘキシル化合物を、有機溶媒中、脱水触媒の存在下、副生する水を留去しながら脱水反応を行うことにより得られる。
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ60m、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:2.6ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):60℃で5分保持、10℃/分で300℃まで昇温
スプリット比:100
サンプル:1μl
本発明において、2官能以上のエポキシ樹脂(A2)[単に、「エポキシ樹脂(A2)」と称することがある]とは、分子内に2以上のエポキシ基を有する化合物であって、前記脂環式ジエポキシ化合物(A1)[又は(A1′)]以外の化合物を意味する。脂環式ジエポキシ化合物(A1)又は(A1′)とエポキシ樹脂(A2)とを組み合わせることにより、硬化物の強度などを向上させることができる。
で表される化合物が挙げられる。
本発明の透明封止材料においては、硬化物の機械的強度を高めるため、各種ポリオールを配合することができる。上記のエポキシ樹脂[脂環式ジエポキシ化合物(A1)又は(A1′)、エポキシ樹脂(A2)]とポリオール(B)とは、カチオン重合により、共重合体(硬化物)を形成する。本発明においては、高硬度、密着性、耐水性、耐溶剤性等の特性を有するエポキシ樹脂に対して、ポリオール成分を加えることによって強靱性等を向上させることができる。ポリオール(B)は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明においては、硬化剤として酸無水物が好適に用いられる。硬化剤として使用する酸無水物としては、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として慣用されているものの中から任意に選択して使用することができる。酸無水物としては、常温で液状のものが好ましい。具体的には、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。また、本発明の透明封止材料の含浸性に悪影響を与えない範囲で、常温で固体の酸無水物、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等を使用することができる。常温で固体の酸無水物を使用する場合には、常温で液状の酸無水物に溶解させ、常温で液状の混合物として使用することが好ましい。
本発明では、上記硬化剤とともに硬化促進剤を使用してもよい。硬化促進剤は、エポキシ化合物が酸無水物により硬化する際、硬化反応を促進する機能を有する化合物である。硬化促進剤は、一般に使用されるものであれば特に制限されないが、ジアザビシクロウンデセン系硬化促進剤(ジアザビシクロアルケン類)、リン酸エステル、ホスフィン類などのリン系硬化促進剤や、3級アミンもしくは4級アンモニウム塩などのアミン系硬化促進剤が挙げられる。
本発明において用いる熱カチオン重合開始剤は、加熱によりカチオン重合を開始させる物質を放出する成分であり、硬化触媒として機能する。
本発明の透明封止材料においては、必要に応じて水酸基を有する化合物(数平均分子量400未満の低分子量のポリオール等を含む)を添加することで反応を緩やかに進行させることができる。水酸基を有する化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
本発明の透明封止材料は、前記脂環式ジエポキシ化合物と上記各成分を、ブレンダーのようなミキサー等によって撹拌、混合することにより調製される。撹拌、混合の際の温度は、配合する硬化剤や硬化触媒の種類等によっても異なるが、通常、10〜60℃程度に設定されるのが好ましい。調製時の設定温度が10℃未満では、粘度が高すぎて均一な撹拌、混合作業が困難になる場合があり、逆に、調製時の温度が高すぎると、硬化反応が起き、正常なエポキシ樹脂組成物が得られない場合があるので、好ましくない。撹拌、混合する際には、減圧装置を備えた1軸または多軸エクストルーダー、ニーダー、ディソルバーのような汎用の機器を使用し、例えば10〜30分間程度撹拌、混合することにより調製してもよい。
本発明の透明封止物は、上記本発明の透明封止材料を硬化させることにより得られる。硬化手段として熱等を使用できる。熱カチオン重合開始剤を用いて熱硬化させる際の硬化温度は、例えば30〜240℃、好ましくは35〜200℃である。硬化を2段階以上で行ってもよい。例えば、熱カチオン重合開始剤を用いて熱硬化させる場合には、30〜100℃(好ましくは30〜80℃)の温度で一次硬化させた後、110〜240℃(好ましくは120〜200℃)の温度で二次硬化させることにより、透明性や耐熱性等の物性の良好な硬化物が得られる。
(1)ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン及びその異性体のガスクロマトグラフィー(GC分析)
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ60m、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:2.6ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):60℃で5分保持、10℃/分で300℃まで昇温
スプリット比:100
サンプル:1μl
ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンとその異性体との比は次のようにして求めた。すなわち、上記条件でGC分析を行い、保持時間20.97分付近に出る最大ピーク(ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン)の面積と、その直前に現れる20.91分付近のピーク(異性体)の面積に基づいて、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンに対する異性体の含有比を求めた。すなわち、異性体比率(%)は、異性体面積÷(異性体面積+ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン面積)×100で算出される。
測定装置:HP6890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−5、長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.32mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:300℃
昇温パターン(カラム):100℃で2分保持、5℃/分で300℃まで昇温、30 0℃で10分保持
スプリット比:100
サンプル:1μl(エポキシ化合物:アセトン=1:40)
3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルとその異性体との比は次のようにして求めた。すなわち、上記条件でGC分析を行い、保持時間19.8分から20.0分付近に出る最大ピーク2本[3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル(2本のピークは立体異性体の存在による)]の合計面積と、その直前に現れる19.1分から19.5分付近のピーク3本(異性体)の合計面積に基づいて、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルに対する異性体の含有比を求めた。すなわち、異性体比率(%)は、異性体合計面積÷(異性体合計面積+3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル合計面積)×100で算出される。
測定装置:ヒューレットパッカード社製、HP6890(GC部)、5973(MS 部)
カラム:HP−5MS、長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.25mm
液相 5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
昇温パターン(カラム):100℃で2分保持、5℃/分で300℃まで昇温、30 0℃で18分保持
注入口温度:250℃
MSDトランスファーライン温度:280℃
キャリアガス:ヘリウム
キャリアガス流量:0.7ml/分(コンスタントフロー)
スプリット比:スプリットレス
サンプル注入量:1.0μl
測定モード:EI
イオン源温度:230℃
四重極温度:106℃
MS範囲:m/z=25〜400
サンプル調製:サンプル0.1gをアセトン3.0gに溶解
合成例1で得られた脂環式ジエポキシ化合物をGC−MS分析に付した。その結果(ガスクロマトグラムと各成分のMSスペクトル)を図5〜14に示す。保持時間17.73分、17.91分、18.13分のピークが3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルの異性体のピークであり、18.48分、18.69分のピークが3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルのピークである。上記GC分析の場合と分析条件が若干異なるので各ピークの保持時間は異なるが、出現する順序は同じである。図5はガスクロマトグラムと保持時間17.73分のピークのMSスペクトルであり、図6はその拡大図である。図7はガスクロマトグラムと保持時間17.91分のピークのMSスペクトルであり、図8はその拡大図である。図9はガスクロマトグラムと保持時間18.13分のピークのMSスペクトルであり、図10はその拡大図である。図11はガスクロマトグラムと保持時間18.48分のピークのMSスペクトルであり、図12はその拡大図である。図13はガスクロマトグラムと保持時間18.69分のピークのMSスペクトルであり、図14はその拡大図である。MSスペクトルによれば、上記何れの成分もm/z=194の分子イオンピークを有している。
表1に従い調製した実施例1〜3、比較例1〜2の樹脂組成物(透明封止材料)を45℃で2時間一次硬化させた後、150℃で1時間二次硬化を行ってサンプルを調製した。この硬化物をTMA(熱機械分析)にて昇温速度5℃/minの条件でガラス転移点Tg(℃)の測定を行った。測定装置は、「TMA/SS6000」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いた。寸法安定性については、樹脂組成物の液比重と硬化物の比重を比較し、1−(硬化物の比重/樹脂組成物の液比重)の百分率を寸法安定性とした。熱分解温度については、「TG/DTA6200」(セイコーインスツルメンツ社製)にて、昇温速度3℃/分の条件で測定した。
表2に従い調製した実施例4〜8、比較例3の樹脂組成物(透明封止材料)を100℃で3時間一次硬化させた後、150℃で3時間二次硬化を行ってサンプルを調製した。この硬化物をTMA(熱機械分析)にて昇温速度5℃/minの条件でガラス転移点Tg(℃)の測定を行った。測定装置は、「TMA/SS6000」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いた。寸法安定性については、樹脂組成物の液比重と硬化物の比重を比較し、1−(硬化物の比重/樹脂組成物の液比重)の百分率を寸法安定性とした。熱分解温度については、「TG/DTA6200」(セイコーインスツルメンツ社製)にて、昇温速度3℃/分の条件で測定した。
実施例及び比較例で調製した各樹脂組成物(透明封止材料)を、上記(4)又は(5)と同一の条件で熱硬化させ、試験片(厚さ3mm)を作製した。これについて、波長400nmにおける光線透過率(T%)を、分光光度計(島津(株)製「UV−2450」)を用いて測定し、透明性の指標とした。
実施例及び比較例で調製した各樹脂組成物(透明封止材料)を、それぞれ、上記(4)又は(5)と同一の条件で熱硬化させ、試験片(長さ80mm、幅10mm、厚み5mm)を作製した。曲げ強度試験は、オリエンテック社製テンシロン「RTC−1350A」を用いて、JIS K 6911に準拠し、曲げ速度1mm/分で行った。
95重量%硫酸70g(0.68モル)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)55g(0.36モル)を撹拌混合して脱水触媒を調製した。
撹拌機、温度計、および脱水管を備え且つ保温された留出配管を具備した3リットルのフラスコに、下記式(3a)
得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン(異性体を含む)243g、酢酸エチル730gを反応器に仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、脂環式エポキシ化合物270gを得た。このときの収率は93%であった。粘度(25℃)を測定したところ、84mPa・sであった。得られた脂環式エポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は15.0重量%であった。また1H−NMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、下記式(1a)
異性体比率=(2262+1715+5702)÷(2262+1715+5702 +28514+74587)×100=9%
撹拌機、温度計、および脱水管を備え且つ保温された留出配管を具備した3リットルのフラスコに、水添ビフェノール840g(4.24モル)、リン酸170g(1.73モル)、ウンデカン2350gを入れ、フラスコを加熱した。内温が110℃を超えたあたりから水の生成が確認された。さらに昇温を続けてウンデカンの沸点まで温度を上げ(内温189〜194℃)、常圧で脱水反応を行った。副生した水は留出させ、脱水管により系外に排出した。なお、p−トルエンスルホン酸は反応条件下において反応液に完全に溶解していた。5時間半経過後、ほぼ理論量の水(150g)が留出したため反応終了とした。反応終了液を10段のオールダーショウ型の蒸留塔を用い、ウンデカンを留去した後、内部圧力10Torr(1.33kPa)、内温138〜141℃にて蒸留し、474.2gのビシクロヘキシル−3,3′−ジエンを得た。GC分析の結果、得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン中には異性体が含まれており、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンと異性体の含有比は87:13であった。
得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン(異性体を含む)243g、酢酸エチル730gを反応器に仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、脂環式エポキシ化合物261gを得た。このときの収率は90%であった。粘度(25℃)を測定したところ、75mPa・sであった。得られた脂環式エポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は15.0重量%であった。また1H−NMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルであることが確認された。GC分析の結果、得られた脂環式エポキシ化合物中には3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルとその異性体が含まれており、異性体比率は14%であった(図2参照)。異性体比率は次式により算出した。
異性体比率=(2821+2108+6988)÷(2821+2108+6988 +20792+54602)×100=14%
撹拌機、20段の蒸留塔、温度計を備えている10リットルの四つ口フラスコに、水添ビフェノール6kgと硫酸水素カリウム620gを加えた。続いて、フラスコを180℃に加熱し、水添ビフェノールを融解後、撹拌を開始した。蒸留塔の塔頂より副生水を留出させながら反応を続け、3時間経過後、反応系内を10Torr(1.33kPa)に減圧し、水とビシクロヘキシル−3,3′−ジエンを蒸留塔の最上段より連続的に系外に留出させた。系外に留去させた水とビシクロヘキシル−3,3′−ジエンはデカンターで二層に分離させ、上層液のみを取り出した。その後、4時間かけて反応温度を220℃まで上げ、水とビシクロヘキシル−3,3′−ジエンの留去が無くなった時点で反応終了とした。ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンの留出粗液の収量は4507gであった。上記ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンの留出粗液4500gを撹拌機、20段の蒸留塔、温度計を備えている5リットルの四つ口フラスコに入れ、オイルバスで180℃に昇温した。その後、反応系内を10Torr(1.33kPa)に減圧し、水を留去してから蒸留塔の最上段の温度を145℃に維持し、還流比1で5時間かけてビシクロヘキシル−3,3′−ジエンを蒸留精製し、無色透明の液体を得た。収量は4353gであった。前記液体についてGC分析を行った結果、得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン中には異性体が含まれており、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエンと異性体の含有比は80:20であった。
得られたビシクロヘキシル−3,3′−ジエン(異性体を含む)243g、酢酸エチル730gを反応器に仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、脂環式エポキシ化合物267gを得た。このときの収率は92%であった。粘度(25℃)を測定したところ、63mPa・sであった。得られた脂環式エポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は14.9重量%であった。また1H−NMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルであることが確認された。GC分析の結果、得られた脂環式エポキシ化合物には3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシルとその異性体が含まれており、異性体比率は21%であった(図3参照)。異性体比率は次式により算出した。
異性体比率=(5404+3923+13067)÷(5404+3923+130 67+23563+60859)×100=21%
表1及び表2に記載されている配合比で樹脂組成物(透明封止材料)を調製して、上記各物性を測定した。各成分の配合は、シンキー社製の「泡取り練り太郎」を用いて室温下、20分撹拌しながら混合することにより行なった。結果を表1及び表2に示す。
CEL−2021P:ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)
EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)製「EHPE3150」(多官能脂環式エポキシ化合物)
SI−60L:三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」(スルホニウム塩系のカチオン重合開始剤)
PCL410D:ダイセル化学工業(株)製「プラクセル410D」(ポリエステルポリオール)
YX−8034:ジャパンエポキシレジン社製「YX−8034」(水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
YD−128:東都化成工業(株)製「YD−128」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
MH−700:新日本理化(株)製「MH−700」(液状酸無水物)
TBAB:テトラブチルアンモニウムブロミド
PX−4ET:日本化学工業(株)製「PX−4ET」(リン系硬化促進剤)
Claims (10)
- 下記式(1)
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として18%以下である脂環式ジエポキシ化合物(A1)(前記異性体を含む)95〜40重量%、及び、前記脂環式ジエポキシ化合物(A1)以外の2官能以上のエポキシ樹脂(A2)5〜60重量%からなるエポキシ樹脂[(A1)と(A2)の合計は100重量%]100重量部に対して、硬化剤50〜150重量部、硬化促進剤0.05〜3.0重量部を配合した透明封止材料。 - 下記式(2)
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として15%以下である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる脂環式ジエポキシ化合物(A1′)(前記異性体がエポキシ化されたものを含む)95〜40重量%、及び、前記脂環式ジエポキシ化合物(A1′)以外の2官能以上のエポキシ樹脂(A2)5〜60重量%からなるエポキシ樹脂[(A1′)と(A2)の合計は100重量%)100重量部に対して、硬化剤50〜150重量部、硬化促進剤0.05〜3.0重量部を配合した透明封止材料。 - 下記式(1)
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として18%以下である脂環式ジエポキシ化合物(A1)(前記異性体を含む)95〜40重量%、及び、前記脂環式ジエポキシ化合物(A1)以外の2官能以上のエポキシ樹脂(A2)5〜60重量%からなるエポキシ樹脂[(A1)と(A2)の合計は100重量%]100重量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜12重量部を配合した透明封止材料。 - 下記式(2)
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として15%以下である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる脂環式ジエポキシ化合物(A1′)(前記異性体がエポキシ化されたものを含む)95〜40重量%、及び、前記脂環式ジエポキシ化合物(A1′)以外の2官能以上のエポキシ樹脂(A2)5〜60重量%からなるエポキシ樹脂[(A1′)と(A2)の合計は100重量%)100重量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜12重量部を配合した透明封止材料。 - 下記式(1)
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として18%以下である脂環式ジエポキシ化合物(A1)(前記異性体を含む)を少なくとも含む2官能以上のエポキシ樹脂(A)95〜40重量%、及び、数平均分子量が400以上のポリオール(B)5〜60重量%からなる混合物[(A)と(B)の合計は100重量%]100重量部に対して、硬化剤(ポリオール(B)を除く)50〜150重量部、硬化促進剤0.05〜3.0重量部を配合した透明封止材料。 - 下記式(2)
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として15%以下である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる脂環式ジエポキシ化合物(A1′)(前記異性体がエポキシ化されたものを含む)を少なくとも含む2官能以上のエポキシ樹脂(A′)95〜40重量%、及び、数平均分子量が400以上のポリオール(B)5〜60重量%からなる混合物[(A′)と(B)の合計は100重量%]100重量部に対して、硬化剤(ポリオール(B)を除く)50〜150重量部、硬化促進剤0.05〜3.0重量部を配合した透明封止材料。 - 下記式(1)
で表される3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物であって、該3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物の異性体の含有量が、3,4,3′,4′−ジエポキシビシクロヘキシル化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として18%以下である脂環式ジエポキシ化合物(A1)(前記異性体を含む)を少なくとも含む2官能以上のエポキシ樹脂(A)95〜40重量%、及び、数平均分子量が400以上のポリオール(B)5〜60重量%からなる混合物[(A)と(B)の合計は100重量%]100重量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜12重量部を配合した透明封止材料。 - 下記式(2)
で表されるビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物であって、該ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物の異性体の含有量が、ビシクロヘキシル−3,3′−ジエン化合物とその異性体の総和に対して、ガスクロマトグラフィーによるピーク面積の割合として15%以下である脂環式ジエン化合物をエポキシ化することにより得られる脂環式ジエポキシ化合物(A1′)(前記異性体がエポキシ化されたものを含む)を少なくとも含む2官能以上のエポキシ樹脂(A′)95〜40重量%、及び、数平均分子量が400以上のポリオール(B)5〜60重量%からなる混合物[(A′)と(B)の合計は100重量%]100重量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜12重量部を配合した透明封止材料。 - 硬化させることにより得られる透明封止物の、TMA(熱機械分析)にて昇温速度5℃/分の条件で測定されるガラス転移点Tgが206℃以上である請求項1〜8の何れか1項に記載の透明封止材料。
- 請求項1〜9の何れか1項に記載の透明封止材料を硬化して得られる透明封止物。
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