JP5918588B2 - 風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
地球環境保護の観点から、風力発電機が注目されている。風力発電機は、一般に、支柱と、該支柱に回転自在に支持されるブレード(羽根)とを備えており、風力によりブレードが回転し、該回転力により電力を発生させている。このような風力発電機において、ブレードには、風力に耐え得る強度と共に、風力を効率よく電力に変換するため、大型化が求められている。
特開2009−275536号公報には、全体形を発泡樹脂成形体で形成し、表面を熱可塑性樹脂被覆材で被覆した風力発電機用風車の羽根が開示されている。しかし、このような羽根は強度が十分でなく、強風により破損しやすい。
特開2009−275536号公報
本発明者等は、強度の高い風力発電機ブレードを得るため、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物について検討を行ったところ、硬化物の強度の点では優れているものの、樹脂組成物のポットライフが短く、成形作業性に劣るため、大型の風力発電機ブレード製造用の樹脂組成物としては適していないことが分かった。
従って、本発明の目的は、ポットライフが長く、しかも強度の高い硬化物の得られる風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記特性に加え、さらに、低粘度で取扱性、作業性に優れる風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物、上記特性に加え、さらに、靱性の高い硬化物の得られる風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定構造を有するエポキシ化合物とアミン硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物によれば、ポットライフが長い(室温での安定性が高い)上、硬化により高強度の硬化物が得られ、風力発電機ブレードの大型化への対応が可能となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(D1)エポキシ基が脂環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ化合物と、(B)アミン硬化剤とを含むか、又は、さらに(C)硬化促進剤を含む風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物(以下、「第1の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物」と称する場合がある)を提供する。
前記第1の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、さらに、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物を含むエポキシ化合物(D2)を含んでいてもよい。
本発明は、また、(A)環を構成する炭素原子にエポキシ基が単結合により結合している脂環を分子内に2個以上有するエポキシ化合物(A1)及び分子内に2個以上のジエン骨格と2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物と、(B)アミン硬化剤とを含むか、又は、さらに(C)硬化促進剤を含む風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物(以下、「第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物」と称する場合がある)を提供する。
前記第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、さらに、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物[但し、前記(A1)及び(A2)を除く](D)を含んでいてもよい。
前記エポキシ化合物(D)は、エポキシ基が脂環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ化合物(D1)及び芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物であってもよい。
前記第1又は第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物において、前記アミン硬化剤(B)は、イソホロンジアミン等の環状脂肪族ポリアミンであるのが好ましい。
本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物によれば、ポットライフが長く室温での安定性に優れるとともに、高い強度及び弾性率を有する硬化物を得ることができる。そのため、大型の風力発電機ブレードに対応可能である。また、本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物によれば、上記特性に加え、低粘度で取扱性に優れる。また、高い靱性を有する硬化物を得ることができる。さらにまた、本発明によれば、実用上十分な耐熱性を有する硬化物を得ることができる。
本発明の第1の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、(D1)エポキシ基が脂環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ化合物と、(B)アミン硬化剤とを含むか、又は、さらに(C)硬化促進剤を含んでいる。また、本発明の第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、(A)環を構成する炭素原子にエポキシ基が単結合により結合している脂環を分子内に2個以上有するエポキシ化合物(A1)及び分子内に2個以上のジエン骨格と2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物と、(B)アミン硬化剤とを含むか、又は、さらに(C)硬化促進剤を含んでいる。
[エポキシ化合物(A)]
本発明の第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物においては、エポキシ化合物(A)として、環を構成する炭素原子にエポキシ基が単結合により結合している脂環を分子内に2個以上有するエポキシ化合物(A1)及び分子内に2個以上のジエン骨格と2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物を用いる。
[エポキシ化合物(A1)]
エポキシ化合物(A1)は、環を構成する炭素原子にエポキシ基の炭素原子が単結合により結合している脂環(エポキシ基が直接単結合で結合した脂肪族環状骨格)を分子内に2個以上有するエポキシ化合物である。エポキシ化合物(A1)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
このような化合物として、例えば、下記式(1)
Figure 0005918588
(式中、Rはq価のアルコール[R−(OH)q]からq個のOHを除した基、pは1〜50の整数、qは1〜10の整数を示す。q個の括弧内の基において、pはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい)
で表される化合物が挙げられる。
前記pは好ましくは1〜30である。前記qは好ましくは2〜6である。q価のアルコール[R−(OH)q]としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等の1価のアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS等の2価のアルコール;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどの3価以上のアルコールが挙げられる。前記アルコールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等であってもよい。前記アルコールとしては、炭素数1〜10の脂肪族アルコールが好ましく、特に、トリメチロールプロパン[=2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール]等の炭素数2〜10の脂肪族多価アルコールが好ましい。
式(1)で表される化合物は、例えば、前記q価のアルコール[R−(OH)q]を開始剤にして、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドを開環重合させることによって得られるポリエーテル樹脂、すなわち、ビニル基側鎖を有するポリシクロヘキセンオキシドのビニル基側鎖を過酸(過酢酸など)等の酸化剤でエポキシ化することにより製造することができる。なお、式(1)で表される化合物は、分子内に未反応のビニル基や反応に用いる原料等に由来する基を含んでいてもよい。
式(1)で表される化合物として市販品を用いることができる。市販品として、例えば、商品名「EHPE3150」(ダイセル化学工業株式会社製)などがある。
[エポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)]
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)は、分子内に2個以上のジエン骨格と2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化ポリブタジエン樹脂である。エポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
前記エポキシ化ポリブタジエン樹脂の末端基は、水素原子のほか、水酸基、シアノ基などであってもよい。末端基としては、特に、水素原子、水酸基が好ましい。
前記エポキシ化ポリブタジエン樹脂は、ポリブタジエン樹脂にエポキシ化剤を反応させることによって得ることができる。原料であるポリブタジエン樹脂において、二重結合部位の立体構造は、シス−1,4、トランス−1,4、トランス−1,2、シス−1,2のいずれであってもよい。また、それらの比率は任意でよい。エポキシ化剤としては、過酢酸、過ギ酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸、過プロピオン酸などの有機過酸類、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなどの有機ヒドロパーオキサイド類などを使用できる。有機過酸としては、目的物のオキシラン酸素濃度を高めるため、実質的に水を含まないもの(例えば、水分含有量で0.8重量%以下)が好ましい。上記エポキシ化剤の中でも、工業的に安価に入手でき、且つ安定度の高い点から、過酢酸が特に好ましい。
前記エポキシ化ポリジエン樹脂の数平均分子量は、例えば、500〜50000、好ましくは2500〜30000、さらに好ましくは3500〜20000である。エポキシ化ポリジエン樹脂のオキシラン酸素濃度は、例えば、3〜15%、好ましくは5〜12%である。1分子中のエポキシ基の数は5個以上(例えば、5〜200個)が好ましく、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは20個以上である。
前記エポキシ化ポリジエン樹脂として市販品を用いることができる。市販品として、例えば、商品名「EPL PB3600」(ダイセル化学工業株式会社製)などがある。
[エポキシ化合物(D)]
本発明の第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ化合物(A)に加えて、必要に応じて、さらに、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物[但し、前記(A1)及び(A2)を除く](D)を含んでいてもよい。エポキシ化合物(D)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
エポキシ化合物(D)としては、特に限定されず、例えば、(D1)エポキシ基が脂環(環状脂肪族骨格)を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基を2以上有するエポキシ化合物、(D2)芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物、(D3)脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテル、(D4)その他のエポキシ化合物などを使用できる。
エポキシ基が脂環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基を2以上有するエポキシ化合物(D1)として、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005918588
上記式(2)で表される脂環式エポキシ化合物は、対応する脂環式オレフィン化合物を脂肪族過カルボン酸等によって酸化することにより製造され、実質的に無水の脂肪族過カルボン酸を用いて製造されたものが高いエポキシ化率を有する点で好ましい。
上記式(2)において、Yは単結合又は連結基を示す。連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びこれらが複数個連結した基などが挙げられる。上記2価の炭化水素基としては、炭素数1〜18(特に1〜6)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基や2価の脂環式炭化水素基(特に2価のシクロアルキレン基)等が好ましく例示される。前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基などが挙げられる。また、2価の脂環式炭化水素基としては、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、シクロペンチリデン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン、シクロヘキシリデン基などが挙げられる。Yとしては、特に、エステル結合と2価の炭化水素基を含む連結基、及び単結合が好ましい。
式(2)で表される脂環式エポキシ化合物としては、具体的には下記の化合物が例示される。
Figure 0005918588
上記式中、nは1〜30の整数である。
芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル;両末端にグリシジルエーテル基を有する、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの縮合生成物等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ビスフェノールFジグリシジルエーテル;両末端にグリシジルエーテル基を有する、ビスフェノールFとエピクロロヒドリンとの縮合生成物等)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(ビスフェノールSジグリシジルエーテル;両末端にグリシジルエーテル基を有する、ビスフェノールSとエピクロロヒドリンとの縮合生成物等)などのビスフェノール型ジエポキシ樹脂のほか、4,4′−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンとフェノールの付加物のグリシジルエーテル、9,9′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテル(D3)としては、特に限定されず、広範な脂肪族グリシジルエーテル型エポキシ化合物を使用できる。該脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテルにおける「脂肪族多価アルコール」としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価のアルコール;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコールが挙げられる。
脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテルの代表的な例として、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
その他のエポキシ化合物(D4)としては、例えば、下記式で表される化合物や、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレン−ビスベンズアミンなどのポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。下記式中、a、b、c、d、e、fは、それぞれ、0〜30の整数である。
Figure 0005918588
エポキシ化合物(D)としては、上記の中でも、(D1)エポキシ基が脂環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基を2以上有するエポキシ化合物、(D2)芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物が特に好ましい。
なお、本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記以外のエポキシ化合物を含んでいてもよい。
本発明の第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ化合物(A)の総量は、該硬化性エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ化合物の量に対して、通常、3重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、7重量%以上であってもよい。また、本発明の第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ化合物(A)とエポキシ化合物(D)の総量は、該硬化性エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ化合物の量に対して、70重量%以上が好ましく、より好ましくは85重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
本発明の第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ化合物(A)として前記エポキシ化合物(A1)を用いると、従来の芳香族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物と比較して、樹脂組成物のポットライフが著しく長くなり、取扱性、成形作業性が大幅に向上する。また、硬化物の強度及び弾性率も優れている。エポキシ化合物(A)として前記エポキシ化合物(A1)を用いる場合、エポキシ化合物(A1)の総量は、該熱硬化性エポキシ樹脂組成物中のエポキシ化合物の総量に対して、例えば、5重量%以上(5〜100重量%)、より好ましくは10重量%以上(10〜100重量%)、さらに好ましくは30重量%以上(30〜100重量%)である。なお、エポキシ化合物(A)として前記エポキシ化合物(A1)を用いる場合、エポキシ化合物(A1)とともに、前記エポキシ化合物(D1)及び/又は芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)を用いてもよい。この場合、エポキシ化合物(A1)とエポキシ化合物(D1)の比率(重量比)は、前者/後者=1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは30/70〜70/30である。また、この場合、(A1)と(D1)と(D2)の総量は、該硬化性エポキシ樹脂組成物中のエポキシ化合物の総量に対して、例えば、70重量%以上(70〜100重量%)、より好ましくは85重量%以上(85〜100重量%)、さらに好ましくは95重量%以上(95〜100重量%)である。
本発明の第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ化合物(A)として前記エポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)を用いると、従来の芳香族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物と比較して、樹脂組成物のポットライフが長くなり、取扱性、成形作業性が向上するとともに、特に、硬化物の靱性が大幅に改善される。また、硬化物の強度及び弾性率も優れている。エポキシ化合物(A)として前記エポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)を用いる場合、エポキシ化合物(A2)の総量は、該硬化性エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ化合物の量に対して、例えば、3重量%以上(3〜80重量%)、より好ましくは5重量%以上(5〜50重量%)、さらに好ましくは7重量%以上(7〜30重量%)である。なお、エポキシ化合物(A)として前記エポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)を用いる場合、エポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)とともに、前記エポキシ化合物(D1)及び/又は芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)を用いてもよい。この場合、エポキシ化合物(A1)と芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)の比率(重量比)は、前者/後者=1/99〜99/1、好ましくは3/97〜70/30、さらに好ましくは5/95〜50/50である。また、この場合、(A2)と(D1)と(D2)の総量は、該硬化性エポキシ樹脂組成物中のエポキシ化合物の総量に対して、例えば、70重量%以上(70〜100重量%)、より好ましくは85重量%以上(85〜100重量%)、さらに好ましくは95重量%以上(95〜100重量%)である。
本発明の第1の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、前述したように、エポキシ化合物として、上記(D1)エポキシ基が脂環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ化合物を含んでいる。このような硬化性エポキシ樹脂組成物は、従来の芳香族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物と比較して、樹脂組成物のポットライフが著しく長くなり、且つ粘度も大幅に低下して、取扱性、成形作業性が著しく向上するとともに、硬化物の弾性率が大幅に向上する。
本発明の第1の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、さらに、上記芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)を含んでいてもよい。エポキシ化合物としてエポキシ化合物(D1)と(D2)とを含む硬化性エポキシ樹脂組成物では、上記特性に加えて、硬化物の曲げ強度や靱性がより向上する。
本発明の第1の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ化合物(D1)と(D2)の総量は、該硬化性エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ化合物の量に対して、通常、50重量%以上、より好ましくは70重量%以上であり、90重量%以上であってもよい。
本発明の第1の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ化合物(D2)とエポキシ化合物(D1)の比率(重量比)は、通常、前者/後者=0/100〜99/1(例えば、1/99〜99/1)、好ましくは前者/後者=0/100〜95/5(例えば、30/70〜95/5)、さらに好ましくは前者/後者=0/100〜90/10(例えば、50/50〜90/10)である。特に樹脂組成物のポットライフを長くしたい場合には、エポキシ化合物(D2)とエポキシ化合物(D1)の比率(重量比)は、好ましくは、前者/後者=0/100〜10/90、より好ましくは前者/後者=0/100〜50/50、さらに好ましくは前者/後者=0/100〜70/30である。
本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物(第1の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物及び第2の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物)において用いるエポキシ化合物は、調合時及び繊維強化複合材料を製造する際の作業性を向上させる観点から、0〜50℃の何れかの温度[例えば、室温(25℃)]で液状であることが好ましい。ただし、単体としては固形のエポキシ化合物であっても、各成分を配合した後の硬化性エポキシ樹脂組成物の粘度(25℃)として、例えば150000mPa・s以下になるものであれば使用可能である。エポキシ化合物(使用する全てのエポキシ化合物の混合物)の粘度(25℃)は、例えば、150000mPa・s以下、好ましくは100000mPa・s以下、より好ましくは50000mPa・s以下、さらに好ましくは10000Pa・s以下、特に好ましくは6000mPa・s以下である。この粘度が大きすぎると、成形作業性等が低下しやすくなる。特に、エポキシ化合物(D1)を用いると、全エポキシ化合物の混合物の粘度を低下させることができる。
[アミン硬化剤(B)]
アミン硬化剤(B)としては、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として知られているものの中から任意に選択して使用することができる。アミン硬化剤(B)として、ポリアミンを好適に使用できる。ポリアミンとしては、常温で液状のものが好ましい。常温で固体のポリアミンを使用する場合は、常温で液状のポリアミンに溶解させ、常温で液状の混合物として使用することが好ましい。アミン硬化剤(B)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリアミンの具体例として、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン;N−アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、4,4′−メチレンビスシクロヘキシル、4,4′−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどの環状脂肪族ポリアミン(脂環式ポリアミン);ポリエーテルポリアミン;m−キシリレンジアミン、4,4′−メチレンジアニリン、4,4′−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−イソプロピルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−クロロアニリン)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−ブロモ6−エチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(N−メチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(N−エチルアニリン)、4,4′−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−シクロヘキシリデンジアニリン、4,4′−(9−フルオレニリデン)ジアニリン、4,4′−(9−フルオレニリデン)ビス(N−メチルアニリン)、4,4′−ジアミノベンズアニリド、4,4′−オキシジアニリン、2,4−ビス(4−アミノフェニルメチル)アニリン、4−メチル−m−フェニレンジアミン、2−メチル−m−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−m−フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン(2,4−ジエチル−6−メチル−m−フェニレンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−m−フェニレンジアミンの混合物など)、ビス(メチルチオ)トルエンジアミン[6−メチル−2,4−ビス(メチルチオ)−m−フェニレンジアミンと2−メチル−4,6−ビス(メチルチオ)−m−フェニレンジアミンの混合物等]、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、α,α−ビス(4−アミノフェイル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(m−アミノフェニル)ベンゼン等の芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
このうち、耐熱性に優れ、且つ弾性率の高い硬化物を得るという点からは、ポリアミンとして、芳香族ポリアミンを用いるのが好ましい。また、低粘度で取扱性、成形作業性に優れ、しかも靱性、弾性率の高い硬化物を得るという点からは、ポリアミンとして、環状脂肪族ポリアミンを用いるのが好ましい。特に好ましいポリアミンは、例えば、イソホロンジアミンなどの環状脂肪族ポリアミンである。
アミン硬化剤(B)の配合量は、その種類によっても異なるが、一般に、エポキシ化合物(A)[エポキシ化合物(A)とともにエポキシ化合物(D)を用いる場合はそれらの総量]100重量部(又は、組成物中のエポキシ化合物の総量100重量部)に対して、1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部、さらに好ましくは10〜70重量部である。特に、アミン硬化剤(B)は、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物中のエポキシ化合物におけるエポキシ基1当量当たり、0.5〜1.5のアミン当量となるような割合で使用することが好ましい。
[硬化促進剤(C)]
硬化促進剤(C)としては、アミン硬化剤を用いてエポキシ化合物を硬化させる際の硬化速度を促進させるために一般に使用される硬化促進剤であれば特に制限はなく、例えば、第三級アミン、第三級アミン塩、イミダゾール類、有機リン系化合物、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩、第三級スルホニウム塩、第三級セレノニウム塩、第二級ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩等のオニウム塩、強酸エステル、ルイス酸と塩基の錯体、有機金属塩等を用いることができる。硬化促進剤(C)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。なお、強酸のオニウム塩、強酸エステル、ルイス酸と塩基の錯体等は潜在性酸触媒とも称される。
第三級アミンとしては、例えば、ラウリルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)などが挙げられる。
第三級アミン塩としては、例えば、前記第三級アミンのカルボン酸塩、スルホン酸塩、無機酸塩などが挙げられる。カルボン酸塩としては、オクチル酸塩等の炭素数1〜30(特に、炭素数1〜10)のカルボン酸の塩(特に、脂肪酸の塩)などが挙げられる。スルホン酸塩としては、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩などが挙げられる。第三級アミン塩の代表的な例として、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)の塩(例えば、p−トルエンスルホン酸塩、オクチル酸塩)などが挙げられる。
イミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
有機リン系化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニルなどが挙げられる。
第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。また、第四級アンモニウム塩としては、カウンターイオンとして、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホネートイオン(p−トルエンスルホネートイオン、ベンゼンスルホネートイオン、4−クロロベンゼンスルホネートイオン、ドデシルベンゼンスルホネートイオン、メタンスルホネートイオン、トリフルオロメタンスルホネートイオン等)、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ヘキサフルオロアンチモネートイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等を有する第四級アンモニウム塩を用いることもできる。
第四級ホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、テトラブチルホスホニウムラウリン酸塩、テトラブチルホスホニウムミリスチン酸塩、テトラブチルホスホニウムパルミチン酸塩、テトラブチルホスホニウムカチオンとビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸及び/又はメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸のアニオンとの塩、テトラブチルホスホニウムカチオンと1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸のアニオンとの塩などが挙げられる。また、第四級ホスホニウム塩としては、カウンターイオンとして、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホネートイオン(p−トルエンスルホネートイオン、ベンゼンスルホネートイオン、4−クロロベンゼンスルホネートイオン、ドデシルベンゼンスルホネートイオン、メタンスルホネートイオン、トリフルオロメタンスルホネートイオン等)、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ヘキサフルオロアンチモネートイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等を有する第四級ホスホニウム塩を用いることもできる。
第四級アルソニウム塩、第三級スルホニウム塩、第三級セレノニウム塩、第二級ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩としては、それぞれ、カウンターイオンとして、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホネートイオン(p−トルエンスルホネートイオン、ベンゼンスルホネートイオン、4−クロロベンゼンスルホネートイオン、ドデシルベンゼンスルホネートイオン、メタンスルホネートイオン、トリフルオロメタンスルホネートイオン等)、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ヘキサフルオロアンチモネートイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等を有する第四級アルソニウム塩、第三級スルホニウム塩、第三級セレノニウム塩、第二級ヨードニウム塩又はジアゾニウム塩が挙げられる。
強酸エステルとしては、例えば、硫酸エステル、スルホン酸エステル、りん酸エステル、ホスフィン酸エステル、ホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ルイス酸と塩基の錯体としては、例えば、高温で解離してルイス酸を生成するものが挙げられる。ルイス酸としては、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素等のハロゲン化ホウ素、五フッ化りん、五フッ化アンチモンなどが好ましい。また、塩基としては、有機アミンが好ましい。ルイス酸と塩基の錯体の代表的な例として、三フッ化ホウ素・アニリン錯体、三フッ化ホウ素・p−クロロアニリン錯体、三フッ化ホウ素・エチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・イソプロピルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ベンジルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジメチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジブチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素・ジベンジルアミン錯体、三塩化ホウ素・ジメチルオクチルアミン錯体等が挙げられる。
有機金属塩としては、例えば、オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛、ジラウリン酸ジブチルスズ、アルミニウムアセチルアセトン錯体などが挙げられる。
これらの硬化促進剤の中でも、カウンターイオンとして、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホネートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ヘキサフルオロアンチモネートイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等を有する、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩、第三級スルホニウム塩、第三級セレノニウム塩、第二級ヨードニウム塩又はジアゾニウム塩;強酸エステル;ルイス酸と塩基の錯体などの潜在性酸触媒が好ましく、特に、三フッ化ホウ素・ピペリジン錯体、三塩化ホウ素・ジメチルオクチルアミン錯体などのルイス酸と塩基との錯体が好ましい。
硬化促進剤(C)の配合量は、アミン硬化剤(B)の種類によっても異なるが、通常、アミン硬化剤(B)100重量部に対して、0.1〜60重量部、好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは5〜40重量部である。また、硬化促進剤(C)の配合量は、エポキシ化合物(A)[エポキシ化合物(A)とともにエポキシ化合物(D)を用いる場合はそれらの総量]100重量部(又は、組成物中のエポキシ化合物の総量100重量部)に対して、例えば、0.2〜20重量部、好ましくは1〜16重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。なお、硬化物の靱性を向上させるためには、硬化促進剤(C)の配合量を、エポキシ化合物(A)[エポキシ化合物(A)とともにエポキシ化合物(D)を用いる場合はそれらの総量]100重量部(又は、組成物中のエポキシ化合物の総量100重量部)に対して、例えば、0〜5重量部、好ましくは0〜3重量部、さらに好ましくは0〜2重量部の範囲とするのが望ましい。
本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記の成分のほか、硬化物の物性に悪影響を与えない範囲で各種の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、界面活性剤、内部離型剤、着色剤、難燃剤、消泡剤、シランカップリング剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。これら各種の添加剤の配合量は該硬化性エポキシ樹脂組成物に対して、重量基準で10%以下(特に、5%以下)であるのが好ましい。従って、本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物において、全エポキシ化合物とアミン硬化剤と硬化促進剤の総量は、全体の90重量%以上であることが好ましく、95重量%以上であることが特に好ましい。
本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化温度は、エポキシ化合物の種類によっても異なるが、例えば、20〜250℃、好ましくは40〜220℃である。硬化は硬化温度を変えて多段階で行ってもよい。例えば、硬化は、20〜140℃(好ましくは40〜120℃)、0.1〜8時間(好ましくは0.3〜4時間)の条件で硬化させる工程と、その後、140℃を超える温度〜250℃(好ましくは150〜220℃)、0.1〜8時間(好ましくは0.3〜4時間)の条件で硬化させる工程とを含む工程により行うことができる。
本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物(例えば、110℃で2時間、且つ180℃で2時間硬化させて得られる硬化物)のガラス転移温度[熱機械測定装置(TMA)による測定値]は、例えば50℃以上、好ましくは60℃以上である。また、本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物(例えば、80℃で2時間、且つ200℃で2時間硬化させて得られる硬化物)のガラス転移温度[熱機械測定装置(TMA)による測定値]は、例えば90℃以上、好ましくは100℃以上である。
また、本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物(例えば、110℃で2時間、且つ180℃で2時間硬化させて得られる硬化物)の曲げ強度は、例えば、70MPa以上、好ましくは80MPa以上である。また、本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物(例えば、80℃で2時間、且つ200℃で2時間硬化させて得られる硬化物)の曲げ強度は、例えば、90MPa以上、好ましくは100MPa以上である。さらに、本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物(例えば、110℃で2時間、且つ180℃で2時間硬化させて得られる硬化物、或いは80℃で2時間、且つ200℃で2時間硬化させて得られる硬化物)の曲げ弾性率は、例えば、1600MPa以上、好ましくは2000MPa以上、さらに好ましくは2500MPa以上である。特に、エポキシ化合物(A)としてエポキシ化合物(A1)を用いた場合や、エポキシ化合物(D1)を用いた場合などには、該曲げ弾性率を2800MPa以上(さらには、3500MPa以上)とすることが可能である。
また、本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物(例えば、110℃で2時間、且つ180℃で2時間硬化させて得られる硬化物、或いは80℃で2時間、且つ200℃で2時間硬化させて得られる硬化物)、特に、エポキシ化合物(A)としてエポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)を用いて得られる硬化物や、エポキシ化合物(D1)とエポキシ化合物(D2)とを用いて得られる硬化物は、極めて高い靱性を示し、曲げ弾性率測定において、変位21mmまでの測定で破断しない。
本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は風力発電機ブレード製造用として用いられる。風力発電機ブレードとしては、強度等の観点から、強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料で形成することが好ましい。本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は繊維強化複合材料のマトリックス樹脂の原料(硬化前の前駆体)として有用である。なお、マトリックス樹脂(硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物)の熱特性及び機械的特性は繊維強化複合材料の物性に反映される。すなわち、マトリックス樹脂のガラス転移温度が高ければ、繊維強化複合材料の耐熱性が向上する。また、マトリックス樹脂の曲げ強度が高ければ、繊維強化複合材料の曲げ強度も高くなり、マトリックス樹脂の弾性率が高ければ、繊維強化複合材料の圧縮強度や引張強度が向上する。さらに、マトリックス樹脂の靱性が高ければ高いほど、繊維強化複合材料の強じん性が増加する。
繊維強化複合材料の製造方法としては、ハンドレイアップ法、プリプレグ法、RTM法、プルトルージョン法、フィラメントワインディング法、スプレーアップ法などの公知の方法がいずれも好ましく適用できる。好ましい製造法の一つであるRTM法とは、型内に設置した強化繊維基材に液状の熱硬化性樹脂を注入し、硬化して繊維強化複合材料を得る方法である。強化繊維基材としては、強化繊維からなる織物、ニット、マット、ブレイドなどをそのまま用いてもよく、これらの基材を積層、賦形し、結着剤やステッチなどの手段で形態を固定したプリフォームを用いてもよい。
強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維などが挙げられる。これらのなかでも、炭素繊維、ガラス繊維が特に好ましい。繊維は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。前記炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維などを用いることができる。ガラス繊維としては、樹脂強化用に通常用いられるガラス繊維を使用できる。
型は、剛体からなるクローズドモールドを用いてもよく、剛体の片面型と可撓性のフィルム(バッグ)を用いる方法も可能である。後者の場合、強化繊維基材は剛体片面型と可撓性フィルムの間に設置する。剛体の型材としては、例えば金属(鉄、スチール、アルミニウムなど)、FRP、木材、石膏など既存の各種のものが用いられる。可撓性のフィルムとしては、ナイロン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などのフィルムが用いられる。剛体のクローズドモールドを用いる場合は、加圧して型締めし、液状エポキシ樹脂組成物を加圧して注入することが通常行われる。このとき、注入口とは別に吸引口を設け、真空ポンプに接続して吸引することも可能である。吸引を行い、かつ、特別な加圧手段を用いず、大気圧のみで液状エポキシ樹脂を注入することも可能である。
剛体の片面型と可撓性フィルムを用いる場合は、通常、吸引と大気圧による注入を用いる。大気圧による注入で、良好な含浸を実現するためには、米国特許第4902215号公報に示されるような、樹脂拡散媒体を用いることが有効である。また、型内には、強化繊維基材以外にフォームコア、ハニカムコア、金属部品などを設置し、これらと一体化した複合材を得ることも可能である。特にフォームコアの両面に炭素繊維基材を配置して成型して得られるサンドイッチ構造体は、軽量で大きな曲げ剛性を持つので、例えば自動車や航空機などの外板材料として有用である。さらに、強化繊維基材の設置に先立って、剛体型の表面に後述のゲルコートを塗布することも好ましく行われる。
樹脂注入が終了した後、適切な加熱手段を用いて加熱硬化を行い、脱型する。脱型後にさらに高温で後硬化を行うことも可能である。
繊維強化複合材料は、RTM法以外にも、前述のように、フィラメントワインディング法や、プルトルージョン法などの液状エポキシ樹脂組成物を用いる公知の繊維強化複合材料の製造法により製造することができる。
本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物を用いることで、軽量、高強度、高剛性、高靱性で耐熱性に優れた風力発電機ブレード用の繊維強化複合材料を工業的に効率よく安価に製造することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、実施例3、実施例4、及び実施例5は、本願に含まれないものであるが、参考例として記載する。
実施例、比較例で得られた液状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の評価は、以下のようにして行った。
[ポットライフ]
ポットライフは、安田精機製作所製「ゲルタイムテスター」を用いて、50℃におけるゲルタイムを測定することで評価した。
[耐熱性試験]
実施例、比較例で得られた熱硬化性エポキシ樹脂組成物を熱硬化させた試験片(長さ10mm、幅5mm、厚さ5mm)を、熱機械測定装置(TMA)[セイコーインスツルメント(株)製]でガラス転移温度(Tg、℃)を測定して耐熱性の指標とした。
[曲げ強度試験(曲げ弾性率、曲げ強度)]
曲げ強度試験用の試験片は、熱硬化させて得られた硬化物を、5mm×10mm×80mmの大きさに加工して作製した。曲げ強度試験はJIS K 6911に準拠して、曲げ速度1mm/分で行った。なお、たわみの上限は21mmとした。
実施例1
エポキシ化合物(A1)として、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物[ダイセル化学工業(株)製、商品名「EHPE3150」]50重量部、エポキシ化合物(D1)として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート[ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」]50重量部、アミン硬化剤(B)として、イソホロンジアミン[エボニック デグサ ジャパン(株)製、商品名「ベスタミン IPD」]28.2重量部、硬化促進剤(C)として、三フッ化ホウ素ピペリジン[ステラ ケミファ(株)製]0.5重量部を用いた。
これらを、シンキー(株)製の「あわとり練太郎」を用いて、室温下で20分間攪拌しながら混合することによって配合し、液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
得られた液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物の50℃におけるゲルタイムは、180分以上であった。また、110℃で2時間+180℃で2時間の条件で熱硬化させ、それぞれの物性を測定した結果、得られた樹脂硬化物は、ガラス転移温度が113℃、曲げ弾性率が3835MPa、曲げ強度が90MPaであり、優れた耐熱性、曲げに対する特性を有していた。
実施例2
エポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)として、エポキシ化ポリブタジエン[ダイセル化学工業(株)製、商品名「EPL PB3600」]10重量部、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[新日鐵化学(株)製、商品名「エポトートYD128」]90重量部、アミン硬化剤(B)として、イソホロンジアミン[エボニック デグサ ジャパン(株)製、商品名「ベスタミン IPD」]22.9重量部を用いた。
これらを、シンキー(株)製の「あわとり練太郎」を用いて、室温下で20分間攪拌しながら混合することによって配合し、液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
得られた液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物の50℃におけるゲルタイムは、48分であった。また、110℃で2時間+180℃で2時間の条件で熱硬化させ、それぞれの物性を測定した結果、得られた樹脂硬化物は、ガラス転移温度が137℃、曲げ弾性率が2275MPa、曲げ強度が100MPaであり、優れた耐熱性、曲げに対する特性を有していた。また、たわみ21mmまでの測定で破断しなかった。このように実用的な耐熱性と、優れた靱性を有していた。
実施例3
エポキシ化合物(D1)として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート[ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」]30重量部、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[新日鐵化学(株)製、商品名「エポトートYD128」]70重量部、アミン硬化剤(B)として、イソホロンジアミン[エボニック デグサ ジャパン(株)製、商品名「ベスタミン IPD」]25.3重量部を用いた。
これらを、シンキー(株)製の「あわとり練太郎」を用いて、室温下で20分間攪拌しながら混合することによって配合し、液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
得られた液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物の50℃におけるゲルタイムは、95分であった。また、110℃で2時間+180℃で2時間の条件で熱硬化させ、それぞれの物性を測定した結果、得られた樹脂硬化物は、ガラス転移温度が79℃、曲げ弾性率が3047MPa、曲げ強度が120MPaであり、優れた耐熱性、曲げに対する特性を有していた。また、たわみ21mmまでの測定で破断しなかった。このように実用的な耐熱性と、優れた靱性を有していた。
比較例1
芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[新日鐵化学(株)製、商品名「エポトートYD128」]100重量部、アミン硬化剤(B)として、イソホロンジアミン[エボニック デグサ ジャパン(株)製、商品名「ベスタミン IPD」]23重量部を用いた。
これらを、シンキー(株)製の「あわとり練太郎」を用いて、室温下で20分間攪拌しながら混合することによって配合し、液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
得られた液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物の50℃におけるゲルタイムは、27分と短かった。また、110℃で2時間+180℃で2時間の条件で熱硬化させ、それぞれの物性を測定した結果、得られた樹脂硬化物は、硬くて脆いものであり、ガラス転移温度が158℃、曲げ弾性率が2376MPa、曲げ強度が106MPaであった。また、たわみ21mmまでの測定で破断してしまった。
実施例4
エポキシ化合物(D1)として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート[ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」]100重量部、アミン硬化剤(B)として、イソホロンジアミン[エボニック デグサ ジャパン(株)製、商品名「ベスタミン IPD」]32.8重量部、硬化促進剤(C)として、三フッ化ホウ素ピペリジン[ステラ ケミファ(株)製]2重量部を用いた。
これらを、シンキー(株)製の「あわとり練太郎」を用いて、室温下で20分間攪拌しながら混合することによって配合し、液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
得られた液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物の50℃におけるゲルタイムは、191分以上であった。また、80℃で2時間+200℃で2時間の条件で熱硬化させ、それぞれの物性を測定した結果、得られた樹脂硬化物は、ガラス転移温度が159℃、曲げ弾性率が3476MPa、曲げ強度が105MPaであり、優れた耐熱性、曲げに対する特性を有していた。
実施例5
エポキシ化合物(D1)として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート[ダイセル化学工業(株)製、商品名「セロキサイド2021P」]30重量部、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[新日鐵化学(株)製、商品名「エポトートYD128」]70重量部、アミン硬化剤(B)として、イソホロンジアミン[エボニック デグサ ジャパン(株)製、商品名「ベスタミン IPD」]25.9重量部、硬化促進剤(C)として、三フッ化ホウ素ピペリジン[ステラ ケミファ(株)製]2重量部を用いた。
これらを、シンキー(株)製の「あわとり練太郎」を用いて、室温下で20分間攪拌しながら混合することによって配合し、液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
得られた液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物の50℃におけるゲルタイムは、35分であった。また、80℃で2時間+200℃で2時間の条件で熱硬化させ、それぞれの物性を測定した結果、得られた樹脂硬化物は、ガラス転移温度が144℃、曲げ弾性率が3151MPa、曲げ強度が131MPaであり、優れた耐熱性、曲げに対する特性を有していた。
比較例2
芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[新日鐵化学(株)製、商品名「エポトートYD128」]100重量部、アミン硬化剤(B)として、イソホロンジアミン[エボニック デグサ ジャパン(株)製、商品名「ベスタミン IPD」]23重量部を用いた。
これらを、シンキー(株)製の「あわとり練太郎」を用いて、室温下で20分間攪拌しながら混合することによって配合し、液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
得られた液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物の50℃におけるゲルタイムは、27分と短かった。また、80℃で2時間+120℃で2時間の条件で熱硬化させ、それぞれの物性を測定した結果、得られた樹脂硬化物は、硬くて脆いものであり、ガラス転移温度が138℃、曲げ弾性率が2731MPa、曲げ強度が120MPaであった。また、たわみ21mmまでの測定で破断してしまった。
実施例及び比較例の結果を表1にまとめて示す。表1において、各成分の欄の数字は重量部を示す。
表1に示されるように、実施例1〜5の熱硬化性エポキシ樹脂組成物はポットライフが長く、該樹脂組成物から得られる硬化物は、高い強度及び弾性率を有する。また、特に、実施例2、3の熱硬化性エポキシ樹脂組成物から得られた硬化物は、高い靱性を有する。さらに、実施例3、4の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は粘度が著しく低く、取扱性、成形作業性に優れる。
Figure 0005918588
本発明の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物は、ポットライフが長いため、大型製品の注型・成形が容易となる上、熱硬化させて得られる硬化物は、高強度、高弾性率を有する。また、実用的な耐熱性を有し、靱性が高い。このため、大型複合材料用途、とりわけ大型のブレードを持つ風力発電機ブレード用樹脂組成物として有用である。

Claims (4)

  1. (A)環を構成する炭素原子にエポキシ基が単結合により結合している脂環を分子内に2個以上有するエポキシ化合物(A1)及び分子内に2個以上のジエン骨格と2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化ポリブタジエン樹脂(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物と、(B)アミン硬化剤とを含むか、又は、さらに(C)硬化促進剤を含み、さらに、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物[但し、前記(A1)及び(A2)を除く](D)を含み、前記(A)の総量が、硬化性エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ化合物の量に対して、3重量%以上であり、前記(A)と前記(D)の総量が、硬化性エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ化合物の量に対して、70重量%以上である風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ化合物(D)が、エポキシ基が脂環を構成する隣接する2つの炭素原子を含んで形成されている脂環エポキシ基を分子内に2個以上有するエポキシ化合物(D1)及び芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物(D2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物である請求項1記載の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記アミン硬化剤(B)が環状脂肪族ポリアミンである請求項1又は2に記載の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記アミン硬化剤(B)がイソホロンジアミンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の風力発電機ブレード用硬化性エポキシ樹脂組成物。
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