JP5829893B2 - 硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、上記硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化してなる、高い光反射性を有し、耐熱性及び耐光性に優れ、なおかつ強靭であり、光反射性が経時で低下しにくい硬化物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、経時での光の輝度低下が抑制された光半導体装置を得ることができる光反射用硬化性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、経時で光の輝度が低下しにくく、信頼性の高い光半導体装置を提供することにある。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、脂環式エポキシ化合物(A)と、アルミナ(B)と、25℃における粘度が8000mPa・s以上の脂肪族ポリグリシジルエーテル(C)と、白色顔料(D)とを必須成分として含む樹脂組成物である。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、さらに、硬化剤(E)及び硬化促進剤(F)、又は、硬化触媒(G)を含むことが好ましい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を構成する脂環式エポキシ化合物(A)は、分子内(1分子内)に脂環(脂肪族環)構造とエポキシ基とを少なくとも有する化合物であり、(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(「脂環エポキシ基」と称する場合がある)を有する化合物、又は、(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物である。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物におけるアルミナ(B)は、特に、硬化物の耐クラック性を向上させる役割を担う。アルミナ(B)としては、特に限定されず、公知慣用のアルミナ(酸化アルミニウム)粒子を用いることができる。アルミナ(B)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における脂肪族ポリグリシジルエーテル(C)は、特に、硬化物の耐クラック性を向上させる役割を担う。本発明における脂肪族ポリグリシジルエーテル(C)は、脂肪族ポリオールの水酸基の一部又は全部がグリシジルエーテル化された化合物である。なお、上記「脂肪族ポリオール」とは、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)の炭化水素の2以上の水素原子を、水酸基(アルコール性水酸基)に置換した化合物をいう。上記脂肪族ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ソルビトール、キシリトール、マンニトールなどが挙げられる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物における白色顔料(D)は、特に、上記硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物に対し、高い光反射性を発揮させる役割を担う。白色顔料(D)としては、公知乃至慣用の白色顔料を使用することができ、特に限定されないが、例えば、ガラス、クレー、雲母、タルク、カオリナイト(カオリン)、ハロイサイト、ゼオライト、酸性白土、活性白土、ベーマイト、擬ベーマイト、無機酸化物、アルカリ土類金属塩等の金属塩などの無機白色顔料;スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、尿素−ホルマリン系樹脂、メラミン−ホルマリン系樹脂、アミド系樹脂等の樹脂顔料などの有機白色顔料(プラスチックピグメントなど);中空構造(バルーン構造)を有する中空粒子などが挙げられる。これらの白色顔料は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、白色顔料(D)として、上述のアルミナ(B)を使用することもできる(例えば、白色顔料(D)とアルミナ(B)とが同じものであってもよい)。
硬化剤(E)は、エポキシ基を有する化合物を硬化させる働きを有する化合物である。硬化剤(E)としては、エポキシ樹脂用硬化剤として周知慣用の硬化剤を使用することができる。硬化剤(E)としては、中でも、25℃で液状の酸無水物が好ましく、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。また、常温(25℃)で固体状の酸無水物(例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物など)は、常温(25℃)で液状の酸無水物に溶解させて液状の混合物とすることで、硬化剤(E)として使用することもできる。硬化剤(E)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化促進剤(F)は、エポキシ基を有する化合物が硬化剤(E)により硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物である。硬化促進剤(F)としては、周知慣用の硬化促進剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、及びその塩(例えば、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、4級アンモニウム塩、ヨードニウム塩);ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどの3級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール;リン酸エステル、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレートなどのホスホニウム化合物;オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛などの有機金属塩;金属キレートなどが挙げられる。硬化促進剤(F)は単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における硬化触媒(G)は、硬化性エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基を有する化合物の重合を開始させる働きを有する。硬化触媒(G)としては、紫外線照射又は加熱処理を施すことによりカチオン種を発生して、脂環式エポキシ化合物(A)の重合を開始させるカチオン重合開始剤が好ましい。硬化触媒(G)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、さらに、ゴム粒子を含んでいてもよい。上記ゴム粒子としては、例えば、粒子状NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、反応性末端カルボキシル基NBR(CTBN)、メタルフリーNBR、粒子状SBR(スチレン−ブタジエンゴム)などのゴム粒子が挙げられる。上記ゴム粒子としては、ゴム弾性を有するコア部分と、該コア部分を被覆する少なくとも1層のシェル層とからなる多層構造(コアシェル構造)を有するゴム粒子が好ましい。上記ゴム粒子は、特に、(メタ)アクリル酸エステルを必須モノマー成分とするポリマー(重合体)で構成されており、表面に脂環式エポキシ化合物(A)などのエポキシ基を有する化合物と反応し得る官能基としてヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基(ヒドロキシル基及びカルボキシル基のいずれか一方又は両方)を有するゴム粒子が好ましい。上記ゴム粒子の表面にヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基が存在しない場合、硬化物にクラックが生じやすくなる場合がある。
本発明における芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物には、脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ化合物、及び、芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物を核水添した化合物が含まれる。但し、上記芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物には、上記の脂肪族ポリグリシジルエーテル(C)は含まれないものとする。上記芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物としては、例えば、商品名「EPICLON703」、「EPICLON707」、「EPICLON720」、「EPICLON725」(以上、DIC(株)製)、商品名「YH−300」、「YH−315」、「YH−324」、「PG−202」、「PG−207」、「サントートST−3000」(以上、新日鐵化学(株)製)、商品名「リカレジンDME−100」、「リカレジンHBE−100」(以上、新日本理化(株)製)、商品名「デナコールEX−212」、「デナコールEX−321」(以上、ナガセケムテックス(株)製)、商品名「YX8000」、「YX8034」(以上、三菱化学(株)製)等の市販品を好ましく使用することができる。なお、芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における25℃で液状を呈するポリオール化合物には、ポリエーテルポリオール以外のポリオール化合物が含まれ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが含まれる。但し、上記25℃で液状を呈するポリオール化合物には、上記の脂肪族ポリグリシジルエーテル(C)は含まれないものとする。なお、25℃で液状を呈するポリオール化合物は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ゴム粒子分散エポキシ化合物は、上記ゴム粒子を脂環式エポキシ化合物(A)に分散させることによって得られる。なお、上記ゴム粒子分散エポキシ化合物における脂環式エポキシ化合物(A)は、硬化性エポキシ樹脂組成物を構成する脂環式エポキシ化合物(A)の全量であってもよいし、一部の量であってもよい。同様に、上記ゴム粒子分散エポキシ化合物におけるゴム粒子は、硬化性エポキシ樹脂組成物を構成するゴム粒子の全量であってもよいし、一部の量であってもよい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、加熱により、及び/又は、紫外線などの光を照射して硬化させることにより、硬化物とすることができる。硬化の際の加熱温度(硬化温度)や加熱時間(硬化時間)は、特に限定されないが、例えば、後述のリフレクター形成の際の条件を採用することができる。
本発明の光反射用硬化性エポキシ樹脂組成物は、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物からなる。なお、本明細書において「光反射用硬化性樹脂組成物」とは、硬化させることにより、高い光反射性を有する硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物を意味し、具体的には、例えば、波長450nmの光に対する反射率が80%以上である硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物を意味する。本発明の光反射用硬化性樹脂組成物を用いることにより、例えば、光反射性、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性などの諸物性に優れた硬化物により形成されたリフレクターを備えた光半導体装置を得ることができる。上記リフレクターは、経時で反射率が低下しにくいため、該リフレクターを備えた光半導体装置は、特に、高出力、高輝度の光半導体素子を備える場合であっても光度が経時で低下しにくく、高い信頼性を発揮できる。
本発明の光半導体装置は、光源としての光半導体素子と、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物(光反射用硬化性樹脂組成物)の硬化物からなるリフレクターとを少なくとも備える光半導体装置である。なお、上記リフレクターとは、光半導体装置において光半導体素子から発せられた光を反射させて、光の指向性及び輝度を高め、光の取り出し効率を向上させるための部材である。図1は、本発明の光反射用硬化性樹脂組成物の硬化物より形成されたリフレクターを有する光半導体装置(本発明の光半導体装置)の一例を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図を表す。図1における1はリフレクター、2は金属配線、3は光半導体素子(LED素子)、4はボンディングワイヤ、5は封止樹脂、6はパッケージ樹脂を示す。上記リフレクター1は、封止樹脂5の周囲を環状に取り囲み、上方に向かってその環の径が拡大するように傾斜した形状を有している。図1に示す光半導体装置においては、光半導体素子3から発せられた光をリフレクター1の表面(反射面)で反射することによって、高い効率で光半導体素子3からの光を取り出すことができる。
(ゴム粒子の製造)
還流冷却器付きの1L重合容器に、イオン交換水500g、及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.68gを仕込み、窒素気流下に撹拌しながら、80℃に昇温した。ここに、コア部分を形成するために必要とする量の約5重量%分に該当するアクリル酸ブチル9.5g、スチレン2.57g、及びジビニルベンゼン0.39gからなる単量体混合物を、一括添加し、20分間撹拌して乳化させた後、ペルオキソ二硫酸カリウム9.5mgを添加し、1時間撹拌して最初のシード重合を行い、続いて、ペルオキソ二硫酸カリウム180.5mgを添加し、5分間撹拌した。ここに、コア部分を形成するために必要とする量の残り(約95重量%分)のアクリル酸ブチル180.5g、スチレン48.89g、ジビニルベンゼン7.33gにジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.95gを溶解させてなる単量体混合物を2時間かけて連続的に添加し、2度目のシード重合を行い、その後、1時間熟成してコア部分を得た。
次いで、ペルオキソ二硫酸カリウム60mgを添加して5分間撹拌し、これに、メタクリル酸メチル60g、アクリル酸1.5g、及びアリルメタクリレート0.3gにジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.3gを溶解させてなる単量体混合物を30分かけて連続的に添加し、シード重合を行った。その後、1時間熟成し、コア部分を被覆するシェル層を形成した。
次いで、室温(25℃)まで冷却し、目開き120μmのプラスチック製網で濾過することにより、コアシェル構造を有するゴム粒子を含むラテックスを得た。得られたラテックスをマイナス30℃で凍結し、吸引濾過器で脱水洗浄した後、60℃で一昼夜送風乾燥してゴム粒子を得た。得られたゴム粒子の平均粒子径は254nm、最大粒子径は486nmであった。
(ゴム粒子分散エポキシ化合物の製造)
製造例1で得られたゴム粒子10重量部を、窒素気流下、60℃に加温した状態でディゾルバー(1000rpm、60分間)を使用して、セロキサイド2021P(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製)80重量部に分散させ、真空脱泡して、ゴム粒子分散エポキシ化合物(25℃での粘度:512mPa・s)を得た。
なお、製造例2で得られたゴム粒子分散エポキシ化合物(ゴム粒子10重量部をセロキサイド2021P((株)ダイセル製)80重量部に分散させたもの)の粘度(25℃における粘度)は、デジタル粘度計(商品名「DVU−EII型」、(株)トキメック製)を使用して測定した。
(硬化剤を少なくとも含む硬化剤組成物(以下、「K剤」と称する)の製造)
硬化剤(酸無水物)(新日本理化(株)製、商品名「リカシッド MH−700」)、硬化促進剤(サンアプロ(株)製、商品名「U−CAT 18X」)、添加剤(和光純薬工業(株)製、エチレングリコール)を、表1、表2に示す配合処方(配合割合)に従って、自公転式攪拌装置((株)シンキー製、商品名「あわとり練太郎AR−250」)を使用して均一に混合し、脱泡してK剤を得た。
(硬化性エポキシ樹脂組成物の製造)
アルミナ((株)アドマテックス製、商品名「AO−802」)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(CVC Thermoset Specialties製、商品名「ERISYS GE60」)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製、商品名「YX8034」)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(新日鐵化学(株)製、商品名「YH300」)、ポリカーボネートジオール((株)ダイセル製、商品名「CD220PL(プラクセル CD220PL)」)、ポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製、商品名「L220AL(プラクセル L220AL)」)、脂環式エポキシ化合物((株)ダイセル製、商品名「セロキサイド2021P」、商品名「EHPE3150」)、製造例2で得られたゴム粒子分散エポキシ化合物、トリスグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業(株)製、商品名「TEPIC−PAS B26」)を、表1、表2に示す配合処方(配合割合)(単位:重量部)に従って、自公転式撹拌装置(商品名「あわとり練太郎AR−250」、シンキー(株)製)を使用して均一に混合し(2000rpm、5分間)、脱泡して、エポキシ樹脂(混合物)を得た。
次いで、上記エポキシ樹脂と白色顔料(酸化チタン;堺化学工業(株)製、商品名「TCR−52」)とを、表1、表2に示す配合処方(配合割合)(単位:重量部)に従って、ディゾルバーを使用して均一に混合し、ロールミルによって所定条件下(ロールピッチ:0.2mm、回転数:25ヘルツ、3パス)で混練した。続いて、混練後の組成物と、製造例3で得られたK剤、硬化触媒(三新化学工業(株)製、商品名「サンエイド SI−100L」)とを、表1、表2に示す配合処方(配合割合)(単位:重量部)に従って、自公転式攪拌装置((株)シンキー製、商品名「あわとり練太郎AR−250」)を使用して均一に混合し(2000rpm、5分間)、脱泡して、硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
上記硬化性エポキシ樹脂組成物を金型に注型し、オーブン(商品名「GPHH−201」、エスペック(株)製)に入れて、120℃で5時間加熱することによって、硬化物を得た。
実施例及び比較例で得られた硬化物について、下記の評価を実施した。
実施例及び比較例で得られた硬化物を切削加工して、厚み3mmの試験片を作製した。次いで、分光光度計(商品名「分光光度計 UV−2450」、(株)島津製作所製)を用いて、波長450nmの光に対する各試験片の反射率を測定した(「初期反射率」とする)。結果を表1、表2の「初期反射率」の欄に示した。
初期反射率を測定した試験片(厚み3mm)を、120℃で250時間加熱した後、波長450nmの光に対する反射率を測定した(「加熱エージング後の反射率」とする)。そして、下記式により、反射率保持率(加熱エージング前後)を算出した。結果を表1、表2の「反射率保持率 加熱エージング前後」の欄に示した。
[反射率保持率(加熱エージング前後)(%)]=([加熱エージング後の反射率]/[初期反射率])×100
初期反射率を測定した試験片(厚み3mm)に対し、強度10mW/cm2の紫外線を250時間照射した後、波長450nmの光に対する反射率を測定した(「紫外線エージング後の反射率」とする)。そして、下記式により、反射率保持率(紫外線エージング前後)を算出した。結果を表1、表2の「反射率保持率 紫外線エージング前後」の欄に示した。
[反射率保持率(紫外線エージング前後)(%)]=([紫外線エージング後の反射率]/[初期反射率])×100
実施例及び比較例で得られた硬化物を切削加工することによって、幅5mm×長さ5mm×厚さ3mmの試験片を作製した。上記硬化物の切削加工には、マイクロ・カッティング・マシン(商品名「BS−300CL」、メイワフォーシス(株)製)を使用し、切削加工の際に硬化物にクラックが生じたか否かを、デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−900」、(株)キーエンス製)を用いて観察し、確認した。表1、表2の「切削加工時のクラック数」の欄には、1サンプルにつき10個の試験片を作製し、そのうちクラックの発生が確認された試験片の個数[個](「クラック数」と称する)を評価結果として示した。なお、表1、表2においては、クラックの発生が確認された試験片の個数(クラック数)がn個である場合を、「n/10」のように示した。
上記切削加工により得られた試験片(幅5mm×長さ5mm×厚さ3mm)に対し、リフロー炉(商品名「UNI−5016F」、日本アントム(株)製)を用いて、260℃を最高温度として5秒間、全リフロー時間を90秒としてリフロー処理を施した。その後、当該リフロー処理により試験片にクラックが生じたか否かを、デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX−900」、(株)キーエンス製)を用いて観察し、確認した。表1、表2の「リフロー時のクラック数」の欄には、1サンプルにつき10個の試験片のリフロー処理を行い、そのうちクラックの発生が確認された試験片の個数[個](クラック数)を評価結果として示す。なお、表1、表2においては、クラックの発生が確認された試験片の個数(クラック数)がn個である場合を、「n/10」のように示した。
初期反射率が90%以上のもので、耐熱性試験において反射率保持率が90%以上、耐光性試験において反射率保持率が90%以上、切削加工時のクラック有無評価(強靭性評価)、及びリフロー時のクラック有無評価(強靭性評価)においてクラック数が0個となったものを、総合判定○(良好)とした。一方、これ以外のものを総合判定×(不良)とした。結果を表1、表2の「総合判定」の欄に示す。
CEL2021P(セロキサイド2021P):3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製
AO−802:アルミナ(平均粒径:0.7μm、形状:真球状、製造方法:VMC法)、(株)アドマテックス製
ERISYS GE60:ソルビトールポリグリシジルエーテル(粘度(25℃):13000mPa・s)、CVC Thermoset Specialties製
YX8034:水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製
YH−300:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(粘度(25℃):140mPa・s)、新日鐵化学(株)製
CD220PL(プラクセル CD220PL):ポリカーボネートジオール、(株)ダイセル製
L220AL(プラクセル L220AL):ポリカプロラクトンジオール、(株)ダイセル製
EHPE3150:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、(株)ダイセル製
TEPIC−PAS B26:トリスグリシジルイソシアヌレート、日産化学工業(株)製
白色顔料:酸化チタン(商品名「TCR−52」)、堺化学工業(株)製
MH−700(リカシッド MH−700):4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30、新日本理化(株)製
18X(U−CAT 18X):硬化促進剤、サンアプロ(株)製
エチレングリコール:和光純薬工業(株)製
サンエイド SI−100L:アリールスルホニウム塩、三新化学工業(株)製
一方、本発明の規定を満たさない硬化性エポキシ樹脂組成物より形成した硬化物(比較例)は、加熱エージング後に光反射性が低下し、耐熱性に劣っていた。また、切削加工時にクラックが生じ、靭性に劣っていた。
2:金属配線
3:光半導体素子
4:ボンディングワイヤ
5:封止樹脂
6:パッケージ樹脂
Claims (11)
- 脂環式エポキシ化合物(A)と、アルミナ(B)と、25℃における粘度が8000mPa・s以上の脂肪族ポリグリシジルエーテル(C)と、白色顔料(D)(但し、アルミナを除く)とを含むことを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物。
- さらに、硬化剤(E)及び硬化促進剤(F)、又は硬化触媒(G)を含む請求項1に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤(E)が、25℃で液状の酸無水物である請求項2に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 硬化触媒(G)が、紫外線照射又は加熱処理を施すことによりカチオン種を発生するカチオン重合開始剤である請求項2又は3に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- さらに、芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物(但し、脂肪族ポリグリシジルエーテル(C)を除く)及び/又は25℃で液状を呈するポリオール化合物(但し、ポリエーテルポリオール及び脂肪族ポリグリシジルエーテル(C)を除く)を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 前記芳香環を有しないグリシジルエーテル系エポキシ化合物が、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物である請求項5に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- さらに、ゴム粒子を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 脂肪族ポリグリシジルエーテル(C)が、ソルビトールポリグリシジルエーテルである請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物からなる光反射用硬化性樹脂組成物。
- 光半導体素子と、請求項10に記載の光反射用硬化性樹脂組成物の硬化物からなるリフレクターとを備えることを特徴とする光半導体装置。
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