JP7053980B2 - 発光装置 - Google Patents
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図1は、実施形態の発光装置の構成を示す概略断面図である。
実施形態の発光装置は、表面実装型の発光装置であり、例えば、凹部10aを有する基体10と、互いに異なるピーク波長の光を発光する第1発光素子4と第2発光素子5とを含む。第1発光素子4は、ピーク波長が400nm以上、420nm以下の第1の光を発光する。第2発光素子5は、ピーク波長が420nm以上、470nm以下でありかつ第1の光のピーク波長より長波長側にある第2の光を発光する。基体10は、導電部材2を含むベース部20と、ベース部20の上面の発光素子が実装される実装領域を囲むようにベース部20上面に設けられた反射構造体1とを含む。ここで実装領域とは凹部10aの底面となる領域を指す。反射構造体1は、光拡散材を含む樹脂組成物が硬化されてなる。また、基体10において、導電部材2は、第1リード2aと第2リード2bとを含み、第1リード2aと第2リード2bとが絶縁分離部3によって絶縁された状態で保持されて、ベース部20が構成される。反射構造体1は、実装領域に第1リード2aの表面と第2リード2bの表面とが露出するようにベース部20上面に設けられる。
尚、反射構造体1を構成する樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂組成物以外の樹脂組成物を含んでいても良いが、分子内に芳香族成分を有しないものが好ましい。例えば、樹脂硬化物は、芳香族成分が全樹脂組成物中10wt%以下であり、5wt%以下が好ましく、1wt%以下が特に好ましい。芳香族成分を所定の範囲以下とすることで、熱や光に強い反射構造体1を製造することができる。
以下、本実施形態の発光装置に含まれる具体的な構成について説明する。
尚、実施形態の発光装置は、以下の構成に限定されるものではない。
実施形態1の発光装置は、(a)400nm~420nmにピーク波長を有する第1の光を発光する第1発光素子4と、(b)420nm~470nmにピーク波長を有する第2の光を発光する第2発光素子5と、(c)第1発光素子4が発光する第1の光には励起されにくく、第2発光素子5が発光する第2の光により励起されて黄色の光を発光する蛍光体8と、を含み、該蛍光体8が第2の光の一部により励起されるように構成された発光装置である。
この実施形態1の発光装置は、第1の光と、第2の光と、第2の光の一部により励起された蛍光体8が発光する第3の光と、の混合により例えば白色の光を発する。
第1の光によりほとんど励起されることなく、第2の光によって励起される蛍光体として、Y3Al5O12:Ceが挙げられる。ここで第1の光によりほとんど励起されないとは、可視光領域における励起効率において50%以下のことを意味し、励起効率が0%のことを意味するものではない。
実施形態1の発光装置では、蛍光体が第2の光の一部により励起されるように構成したが、蛍光体が第2の光の大部分により励起されるように構成しても良い。ここで第2の光の大部分とは、第2の光の80%以上の光が蛍光体に照射され、励起されることを意味する。蛍光体の励起効率が100%でないため、蛍光体で反射された第2の光もある。この場合は、第2の光が実質的に外部に放出されることはなく、第1の光と蛍光体が発光する第3の光の混色により例えば発光色が設定される。
また、第2の光の一部又は全部により励起されて第2の光とは異なりかつ互いに発光色が異なる光を発する複数種の蛍光体を含むようにしてもよい。
実施形態2の発光装置は、(a)400nm~420nmにピーク波長を有する第1の光を発光する第1発光素子4と、(b)420nm~470nmにピーク波長を有する第2の光を発光する第2発光素子5と、(c)第1発光素子4が発光する第1の光及び第2発光素子5が発光する第2の光により励起されて、第1の光及び第2の光とは異なる色の光を発光する複数種の蛍光体8と、を含み、各蛍光体8がそれぞれ、第1発光素子4が発光する第1の光の一部及び第2発光素子5が発光する第2の光の一部により励起されて発光する。
この実施形態2の発光装置は、蛍光体を励起することなく、若しくは、蛍光体に吸収されることなく、外部に放射される第1の光と、蛍光体を励起することなく、若しくは、蛍光体に吸収されることなく、外部に放射される第2の光と、第1の光の一部及び第2の光の一部により励起された蛍光体がそれぞれ発光する第3の光と、の混合により例えば白色の光を発する。例えば、第3の光は、緑色の光、青色の光、赤色の光のいずれかを発するものを使用することができる。
例えば、
・第1の光及び第2の光により励起されて、緑色に発光する蛍光体としては、(Si,Al)6(N,O)8:Euが挙げられ、
・第1の光及び第2の光により励起されて、青色に発光する蛍光体としては、Sr4Al14O25:Euが挙げられ、
・第1の光及び第2の光により励起されて、赤色に発光する蛍光体としては、CaAlSiN3:Euが挙げられる。
ここで例示した蛍光体を、第1発光素子4及び第2発光素子5と組み合わせて使用することにより、演色性の良好な白色に発光する発光装置を提供することができる。
実施形態2の発光装置では、複数種の蛍光体を含むように構成したが、一種類の蛍光体により構成してもよい。
実施形態3の発光装置は、(a)400nm~420nmにピーク波長を有する第1の光を発光する第1発光素子4と、(b)420nm~470nmにピーク波長を有する第2の光を発光する第2発光素子5と、(c)第1発光素子4及び第2発光素子5より長波長の光を発光する1種又は2種以上の第3発光素子と、を含み、第1発光素子4の第1の光、第2発光素子5の第2の光及び第3発光素子が発光する光、の混合により、例えば白色の光を発する。
図2は実施形態4の発光装置の構成を示す断面図である。
実施形態4の発光装置は実施形態1と透光性封止部材中の光反射性部材及び蛍光体の配置が異なる以外はほぼ同じである。
透光性封止部材7は、扁平状の光反射性部材9が含有されており、透光性封止部材7の表面付近の光反射性部材9の含有量よりも、基体10の凹部の底面付近の光反射性部材9の含有量の方が5倍以上多く、10倍以上が好ましく、特に20倍以上が好ましい。このように凹部の底面や側面に光反射性部材9が配置されることで基体10の劣化を抑制することができる。特に扁平状の光反射性部材9を使用することで、第1発光素子4及び第2発光素子5から直接、凹部の底面や側面に照射される光量を少なくすることができる。
この透光性封止部材7中における光反射性部材9の濃度差をつける場合、例えば、透光性封止部材7よりも比重の大きい光反射性部材9を用い、光反射性部材9を沈降させることもできる。また、光反射性部材9が含有された透光性封止部材7を遠心沈降させることにより強制的に光反射性部材9を凹部の底面側に配置することもできる。
蛍光体8は第1発光素子4や第2発光素子5の近傍に配置することが好ましい。第1発光素子4等からの光の強度が高いからである。例えば、透光性封止部材7中における蛍光体8の濃度の高い部分を凹部の側面付近、底面付近に配置することが好ましい。これにより第1発光素子4、第2発光素子5からの光が基体に直接照射されるのを低減できるとともに、蛍光体に照射される第1発光素子4、第2発光素子5からの光量を多くすることで光変換効率を高めることができる。
蛍光体の比重は光反射性部材9の比重よりも軽く、透光性封止部材7の比重よりも大きいことが好ましい。これにより光反射性部材9を蛍光体8よりも凹部の側面側や底面側に配置することができるからである。特に光反射性部材9や蛍光体8を遠心沈降させる場合、光反射性部材9や蛍光体8が層状となりやすいためである。これにより第1発光素子4、第2発光素子5からの光が蛍光体8に照射されるとともに、第1発光素子4、第2発光素子5及び蛍光体8からの光量の大部分が光反射性部材9に照射され、基体に直接照射される光量を減らすことができる。
図3は実施形態5の発光装置の構成を示す断面図である。
実施形態5の発光装置は実施形態1と透光性封止部材中の光反射性部材及び蛍光体の配置が異なる以外はほぼ同じである。
透光性封止部材7において蛍光体が主に下層、光反射性部材9が主に上層となるように配置する。ここで蛍光体8及び光反射性部材9は同時に遠心沈降又は沈降されるため、2層に明確に分かれるのではなく、一部混合されている状態であり、蛍光体8の層に光反射性部材9が分散されていてもよく、光反射性部材9の層に蛍光体8が分散されていてもよい。ただし蛍光体8に光反射性部材9よりも比重の大きい部材を使用するため、蛍光体8が光反射性部材9よりも下層に配置される。また、光反射性部材9は透光性封止部材7よりも比重の大きい部材を使用する。蛍光体8及び光反射性部材9は遠心沈降又は強制沈降により配置する。
蛍光体8として、YAG系蛍光体を使用する。YAGは380nm~410nmあたりの光の大部分を反射する一方、440nm以上500nm以下の光を吸収し、異なる波長の光を放出する。そのため、YAG系蛍光体は第1発光素子4からの光の大部分を反射し、第2発光素子5からの光を吸収し、例えば黄色等を発光する。
ここでYAG系蛍光体を光反射性部材9よりも下側に配置する。光反射性部材9がYAG系蛍光体よりも下側に配置される場合に比べて、第2発光素子5からの光は先にYAG系蛍光体に照射されるため、光変換効率が高くなる。またYAG系蛍光体が基体に近い側に配置されているため、YAG系蛍光体で発生した熱が基体に伝わりやすくなり放熱性が高くなる。また、透光性封止部材7の界面で反射された光が光反射性部材9に照射され、光反射性部材9の間をすり抜けた光であってもYAG系蛍光体で反射されるため、基体に到達する光量を少なくすることができる。
以上の実施形態1~5を含む実施形態の発光装置は、いずれも400nm~420nmにピーク波長を有する第1の光を発光する第1発光素子4を含むことから、実施形態の発光装置により実現される白色光は、短波長の青色成分を含む。このような短波長の青色成分を含む白色光は、アパレル用途等で好まれる、低い色温度でラグジュラリー感を演出しつつ、ワイシャツ等に含まれる400nm付近で励起される白さを際立たせる蛍光増白剤成分も効率的に発光させる照明等に適する光源として利用することもできる。また、異なる発光色の蛍光体を適宜選択して使用する事により、発光素子からの光の発光色と蛍光体による波長変換された光との比率を調整することにより幅広い発光色を実現することができる。
しかしながら、実施形態の発光装置では、第1発光素子4及び第2発光素子5として、基板側から光を出射する発光素子を用いてもよい。
また、実施形態の発光装置では、半導体積層体上に設けられたn側電極及びp側電極をワイヤ6によって第1リード2a及び第2リード2bに接続した例を示した。
しかしながら、実施形態の発光装置では、半導体積層体上に設けられたn側電極及びp側電極をダイボンディングにより第1リード2a及び第2リード2bに接続してもよい。
基体10は、例えば、第1リード2a及び第2リード2bと、反射構造体1を構成する樹脂との一体成形により作製される。基体10は、第1リード2a及び第2リード2bと樹脂との一体成形により作製した場合には、ベース部20の絶縁分離部3と反射構造体1とは同一の樹脂硬化物からなる。
反射構造体1は、光拡散材を含む脂環式エポキシ樹脂組成物が硬化されてなる樹脂硬化物を含む。
(1-1)脂環式エポキシ樹脂組成物
脂環式エポキシ樹脂組成物は、熱硬化性樹脂であり、シクロヘキセンエポキシ化物誘導体、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等を単独又は2種以上を混合し使用することが好ましく、着色のないものが好ましい。これら脂環式エポキシ樹脂組成物を用いることにより、光劣化を起こしにくい優れた反射構造体1を構成することができる。
反射構造体1はまた、樹脂硬化物1bに分散された光拡散材1aを含む。
光拡散材1aは、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択された少なくとも一種を含み、特に、酸化ジルコニウム及び酸化イットリウムの少なくとも1種を含むことが好ましい。汎用的なLED発光装置に光拡散材として酸化チタンが一般的に使用される。これは、酸化チタンが可視光領域において高い反射率を有していることによる。しかしながら、酸化チタンは、400nm~420nmの波長域の光に対する反射率が十分でない。
反射構造体1に含有される光拡散材1aは、5wt%以上60wt%以下であることが好ましく、10wt%以上50wt%以下が特に好ましく、20wt%以上45wt%以下が更に好ましい。反射構造体1に含有される光拡散材1aは10wt%以上含有することにより反射構造体1における反射率が高くなり、光反射材1aの重量を増加するに伴い反射率は更に高くなる。一方、反射構造体1に含有される光拡散材1aは、60wt%以下含有することに反射構造体1の強度を高く維持することができる。反射構造体1に含有される光拡散材1aが多くなれば反射率は高くなる一方、強度が低下するため、所定の範囲とすることが好ましい。
脂環式エポキシ樹脂組成物又はその樹脂硬化物は、硬化触媒、可撓剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、各種フィラー、強化材、拡散剤、顔料、蛍光体、反射性物質、遮光性物質、難燃剤からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。これらの添加剤は、所望の特性の反射構造体1を構成するために、要求に応じて添加される。例えば、反射構造体1に蛍光体を分散させると、第1発光素子及び第2発光素子の側面若しくは底面側に出射された光を蛍光体が吸収して波長変換して出射するため、発光装置全体として所望の発光色を実現することができる。
ベース部20の絶縁分離部3は、反射構造体1と同様、脂環式エポキシ樹脂組成物を硬化させた樹脂硬化物により構成することが好ましい。このようにすると、絶縁分離部3の変色及び劣化(特に、機械的強度の劣化)を抑えることができ、発光色の変化を抑制できることに加え、信頼性の高い発光装置が得られる。また、絶縁分離部3は、光拡散材を含んでいてもいなくても良いが、反射構造体1と同様の光拡散材を含むことにより、高い光取り出し効率が得られ、かつ長期間使用した場合であっても光取り出し効率の低下を抑制できる。したがって、本実施形態の発光装置において、基体10は、第1リード2a及び第2リード2bと、反射構造体1及び絶縁分離部3を構成する樹脂とを一体成形することにより作製することが好ましい。
実施形態の発光装置において、第1発光素子4は、ピーク波長が400nm以上、420nm以下の第1の光を発光し、第2発光素子5は、ピーク波長が420nm以上、470nm以下の第2の光を発光する。また、第2の光のピーク波長は、第1の光のピーク波長より長波長側にある。蛍光体を含む実施形態の発光装置では、主として、第2発光素子5からの光の一部又は全部が蛍光体により波長変換される。例えば、第2の光の一部により励起される蛍光体を含む実施形態の発光装置では、第1発光素子4の第1の光と、蛍光体に吸収されずに外部に出射される第2の光と、蛍光体が発する光の混色により、所望の色の光りが出射される。以上のように構成される本実施形態の発光装置は、第1発光素子4の第1の光により400nm~420nmの範囲の光の成分が補われ、優れた白色の表現が可能になる。
透光性封止部材7は、400nm以上の可視域全域の光を透過できる樹脂又はガラス等からなり、好ましくは、透光性樹脂により構成される。しかしながら、本実施形態では、短波長の可視光を発光する第1発光素子4及び第2発光素子5を含むので、第1発光素子4及び第2発光素子5からの光による劣化の少ない耐光性の高い樹脂であることが好ましい。また、発光装置の製造過程又は実装時における、ダイボンディング、半田リフロー等、高温に曝される工程を経て製造及び使用されるので、高い温度に曝されても、劣化、変色等が少ないことが求められ、耐熱性の高い樹脂であることが好ましい。
透光性封止部材7は、樹脂組成物に限定されるものではなく、ガラスに代表される無機封止材等も用いることができる。
蛍光体8としては、少なくとも第2発光素子5からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換する種々の蛍光体を使用することができる。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体・サイアロン系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体、アルカリ土類チオガレート蛍光体、アルカリ土類窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、又は、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体としては、M2Si5N8:Eu、MAlSiN3:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。また、M2Si5N8:EuのほかMSi7N10:Eu、M1.8Si5O0.2N8:Eu、M0.9Si7O0.1N10:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などもある。
光反射性部材9は、光拡散材1aと同様の材料を含むことが好ましい。具体的には、光反射性部材9は、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択された少なくとも一種を含むことが好ましく、特に、酸化ジルコニウム及び酸化イットリウムの少なくとも1種を含むことがより好ましい。
下記の材料を液温25℃以下の条件で20分間混練し、反射構造体用の樹脂組成物を作製した。酸化ジルコニウム、硫酸バリウムは、市販のものを使用した。
・エポキシ樹脂:3,4エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート 100重量部,
・硬化剤:4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 113重量部,
・硬化触媒:メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート 2重量部,
・可撓剤:エチレングリコール 5重量部,
・光拡散材:酸化ジルコニウム(第一稀元素化学工業製 商品名 EP酸化ジルコニウム、中心粒径0.4μm) 335重量部,
・無機充填材:溶融シリカ(中心粒径27μm) 335重量部
光拡散材を、酸化イットリウム(中心粒径1.8μm) 335重量部とした以外は、実施例1と同条件にて作製した。
光拡散材を、アルミナ(中心粒径1.5μm) 335重量部とした以外は、実施例1と同条件にて作製した。
光拡散材を、硫酸バリウム(堺化学製 BB-1、0.5μm) 335重量部とした以外は、実施例1と同条件にて作製した。
光拡散材を、酸化チタン(中心粒径 0.25μm) 335重量部とした以外は、実施例1と同条件にて作製した。
表1には、第1発光素子4のピーク波長の範囲である400~420nm、第2発光素子5のピーク波長の範囲である420nm~470nm及び470nm~730nmの範囲について判定した結果を示す。
判定結果は、光反射率90%以上を○、80%以上、90%未満を△、80%以下を×として示した。
これに対して、光拡散材として酸化チタンを用いた樹脂組成物を用いて作製したテストピースは、光反射率の可視光(400nm~730nm)に対する波長依存性が大きく、400nm~420nmの波長の光に対する光反射率が小さくなっている。
また、光拡散材として酸化ジルコニウムを用いた実施例1及び光拡散材として酸化イットリウムを用いた実施例2の樹脂組成物を用いて作製したテストピースは、光反射率の可視光(400nm~730nm)に対する波長依存性が小さく、かつ可視光(400nm~730nm)全範囲にわたって光反射率が高くなっていることがわかる。
1a 光拡散材
1b 樹脂硬化物
1s 反射面
2 導電部材
2a 第1リード
2b 第2リード
3 絶縁分離部
4 第1発光素子
5 第2発光素子
6 ワイヤ
7 透光性封止部材
8 蛍光体
9 光反射性部材
10 基体
10a 凹部
20 ベース部
Claims (9)
- ピーク波長が400nm以上、420nm以下の第1の光を発光する第1発光素子と、
ピーク波長が420nm以上、470nm以下でありかつ前記第1の光のピーク波長より長波長側にある第2の光を発光する第2発光素子と、
前記第1の光と前記第2の光とを反射する反射構造体を含んでなる基体と、
を備え、
前記反射構造体は、
光拡散材を含む脂環式エポキシ樹脂組成物が硬化されてなる樹脂硬化物を含み、
前記光拡散材は、酸化ジルコニウム又は酸化イットリウムを含み、
前記光拡散材は、前記反射構造体に対して10wt%以上50wt%以下含有されており、
前記基体は凹部が設けられ、
前記凹部の底面に前記第1発光素子と前記第2発光素子とが設けられており、
前記凹部の側面は前記反射構造体の表面を含む反射面であり、
前記凹部内で前記第1発光素子と前記第2発光素子とを覆う透光性封止部材をさらに有し、該透光性封止部材は蛍光体及び光反射性部材を含み、
前記蛍光体は、YAG系蛍光体であり、
前記透光性封止部材において、前記蛍光体が主に下層、前記光反射性部材が主に上層となるように配置されており、
前記透光性封止部材の表面付近の前記蛍光体の含有量よりも、前記基体の凹部の底面付近の前記蛍光体の含有量の方が5倍以上多いこと特徴とする発光装置。 - 前記透光性封止部材は、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂硬化物及び変性エポキシ樹脂硬化物からなる群から選択された少なくとも1つを含む請求項1に記載の発光装置。
- 前記蛍光体は、窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体、サイアロン系蛍光体、アルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類硫化物蛍光体及び希土類アルミン酸塩蛍光体からなる群から選択された少なくとも一種の蛍光体を含む請求項1又は2に記載の発光装置。
- 前記基体は前記反射構造体と導電部材とを含み、前記凹部の底面は前記反射構造体の表面と前記導電部材の表面とを含む請求項1~3のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記導電部材は第1リードと第2リードを含み、前記凹部の底面には前記第1リードの表面と前記第2リードの表面とが露出されており、前記第1発光素子と前記第2発光素子は前記第1リードの表面に載置されている請求項4に記載の発光装置。
- 前記樹脂硬化物は、酸無水物又はジカルボン酸を含む硬化剤を加えて前記脂環式エポキシ樹脂組成物が硬化されてなる請求項1~5のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記脂環式エポキシ樹脂組成物は、シクロヘキセンエポキシ化物誘導体、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルからなる群から選択された少なくとも一種を含む請求項1~6のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記樹脂硬化物は、芳香族成分が全樹脂組成物中10wt%以下である請求項1~7のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記透光性封止部材は、扁平状の光反射性部材が含有されており、
前記透光性封止部材の表面付近の前記光反射性部材の含有量よりも、前記基体の凹部の底面付近の前記光反射性部材の含有量の方が5倍以上多い請求項1~8のいずれか一項に記載の発光装置。
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