JPH0532721A - 新規な重合性ビニル化合物からなる組成物及びその製造方法 - Google Patents

新規な重合性ビニル化合物からなる組成物及びその製造方法

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JPH0532721A
JPH0532721A JP16172991A JP16172991A JPH0532721A JP H0532721 A JPH0532721 A JP H0532721A JP 16172991 A JP16172991 A JP 16172991A JP 16172991 A JP16172991 A JP 16172991A JP H0532721 A JPH0532721 A JP H0532721A
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JP
Japan
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carboxylic acid
unsaturated carboxylic
acid ester
ester composition
group
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Application number
JP16172991A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Harano
芳行 原野
Souzou Ikui
創三 生井
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】新規なビニル基を有する不飽和カルボン酸エス
テル組成物とその製造方法、および、新規なエポキシ基
を有する不飽和カルボン酸エステル組成物とその製造方
法の提供。 【構成】1分子中に1個以上のビニル基と1個のエポキ
シ基を有する化合物(例、式(I)のもの)と、 〈但し、nは0〜30の整数〉不飽和カルボン酸(例、
アクリル酸、マレイン酸)または水酸基を有する不飽和
カルボン酸エステル(例、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート)とを触媒存在下、80〜120℃でエステル化
または0〜150℃でエーテル化し、ビニル基を有する
不飽和カルボン酸エステル組成物(A)を得る。これに
エポキシ化剤(例、過酢酸、過酸化水素)を作用させエ
ポキシを有する不飽和カルボン酸エステル組成物(B)
を得る。 【効果】(A)はビニル基を利用したシランカップリン
グ剤原料、不飽和ポリエステル樹脂の改質剤、アクリル
ゴムの架橋剤など(B)は塗料用樹脂やプラスチックス
などの中間体の原料となる有用な物質である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なビニル基を有する
不飽和カルボン酸エステル組成物と、新規なエポキシ基
を有する不飽和カルボン酸エステル組成物、および、そ
れらの製造方法に関するものである。
【0002】本発明の新規なビニル基を有する不飽和カ
ルボン酸エステル組成物は本発明のエポキシ基を有する
不飽和カルボン酸エステル組成物の原料となるだけでな
く、ビニル基を利用した種々の用途に有用な物質であ
る。
【0003】例えば、側鎖の末端2重結合の反応性を利
用して、シラン化合物を付加することによりシランカッ
プリング剤原料として用いることができる。
【0004】また、ビニル基のラジカル重合性を利用し
てアクリル樹脂の変性を行ない、酸化硬化型のコ−テイ
ングあるいは不飽和ポリエステル樹脂の改質剤やアクリ
ルゴムの架橋剤として利用することができる。
【0005】一方、本発明の新規なエポキシ基を有する
不飽和カルボン酸エステル組成物は、熱、紫外線、イオ
ン化放射線などでラジカルを生ずる開始剤を用いて、容
易に単重合、または、他の不飽和基含有化合物、たとえ
ば、エチレン、プロピレン等のオレフィン、(メタ)ア
クリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニルあるいは塩化
ビニルなどのビニルモノマ−などと共重合することが可
能であり、塗料用樹脂、フィルム、シ−ト成形物用のプ
ラスチックス、あるいは高分子改質剤、フォトレジスト
などの機能性ポリマ−などの原料となる有用な物質であ
る。
【0006】また、光や熱などでカチオンを生ずる開始
剤や酸無水物、フェノ−ル、アミンなどのエポキシの硬
化剤と反応させたりして用いることができる新規なエポ
キシ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物であ
る。
【0007】
【従来の技術】ビニル基を有する不飽和カルボン酸エス
テルは、アクリルゴムの架橋剤としても有用である。ア
クリルゴムの架橋剤として用いられるビニル基を有する
不飽和カルボン酸エステルとしては、アリルメタクリレ
−トが公知である。
【0008】しかしながら、アクリルゴムの架橋剤とし
てアリルメタクリレ−トを用いると、反応性が高くゲル
化しやすい。
【0009】また、エポキシ基を有する不飽和カルボン
酸エステルとしては、グリシジル(メタ)アクリレ−ト
や3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アク
リレ−トなどが公知である。
【0010】最近、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル(メタ)アクリレ−トなどを用い、カチオン系の硬
化反応を利用した新しい塗料への応用などが検討されて
いる。しかしながら、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル(メタ)アクリレ−トは脂環型のエポキシ基であ
るために、カチオンとの反応が早く反応のコントロ−ル
が難しい。
【0011】また、グリシジル(メタ)アクリレ−トで
は、反応が遅すぎる場合が多い。
【0012】さらに、グリシジル(メタ)アクリレ−ト
は、製造にエピクロルヒドリンを用いるため製品中に塩
素イオンなどが混入し、硬化物や塗膜などに悪影響する
ことがある。
【0013】
【発明の目的】本発明は、本発明のエポキシ基を有する
不飽和カルボン酸エステル組成物の原料となる新規なビ
ニル基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物である
だけでなく、ビニル基を利用したシランカップリング剤
原料、不飽和ポリエステル樹脂の改質剤、アクリルゴム
の架橋剤などとして用いることのできる新規なビニル基
を有する不飽和カルボン酸エステル組成物とその製造方
法、および、カチオンとの反応性が前記2種のエポキシ
化合物の中間にあり、カチオンとの反応をうまくコント
ロ−ルできる新規なエポキシ基を有する不飽和カルボン
酸エステル組成物とその製造方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、本目的に適した新規なビニル基を有する不飽和
カルボン酸エステル組成物、および、新規な末端エポキ
シ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物を見出だ
した。
【0015】すなわち、本発明は、「本発明のエポキシ
基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物の原料であ
り、また、アクリルゴムの架橋剤などとして反応性が適
当であり反応のコントロ−ルがしやすい、1個のエポキ
シ基と1個以上のビニル基を有する化合物と不飽和カル
ボン酸または水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル
とを、反応させて得られる新規なビニル基を有する不飽
和カルボン酸エステル組成物とその製造方法」、およ
び、「エポキシ基とカチオンとの反応性が前記2種のエ
ポキシ化合物の中間にあり、また、エポキシ基の種類を
変えることによりカチオンとの反応をコントロ−ルでき
る、1個のエポキシ基と1個以上のビニル基を有する化
合物と不飽和カルボン酸または水酸基を有する不飽和カ
ルボン酸エステルとを、反応させて得られるビニル基を
有する不飽和カルボン酸エステル組成物を、さらに、エ
ポキシ化して得られる新規な末端エポキシ基を有する不
飽和カルボン酸エステル組成物とその製造方法」であ
る。
【0016】次に、本発明について、さらに詳しく説明
する。
【0017】本発明で用いる1分子中に1個のエポキシ
基と1個以上のビニル基を有する化合物は、一般式(VII
I)で表される。
【0018】 《iは1から5の整数、R4 は水素または炭素数が1
から50のアルキル基、R5 およびR6 は水素または炭
素数が1から50のアルキル基または置換フェニル基で
あり、R5 およびR6 は環を形成していてもよい》一般
式(VIII)で表される化合物の例は、以下に示すような化
合物である。
【0019】すなわち、4−ビニルシクロヘキセン−1
−オキシド、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン−2−オキシド、リモネンモノオキシド、ト
リビニルシクロヘキサンモノオキシド、ジビニルベンゼ
ンモノオキシド、ブタジエンモノオキシドや1,2−エ
ポキシ−9−デセンなどの一般式1で表される化合物、
アリルグリシジルエ−テルなどの一般式(II)で表される
化合物、グリシジルスチリルエ−テルなどの一般式(II
I) で表される化合物などである。
【0020】さらに、以下の化合物なども用いることが
できる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】これらは、それぞれ単独で用いても、2種
以上を同時に用いてもよい。
【0027】また、必要に応じて、エチレンオキシド、
プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレ
ンオキシド、α−オレフィンオキシドなどのモノエポキ
シドや、ビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘ
キシルカルボキシレ−トなどのジエポキシドなどを、上
記の1分子中に1個のエポキシ基と1個以上のビニル基
を有する化合物と同時に用いてもよい。
【0028】次に、本発明で用いる不飽和カルボン酸
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽
和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、および、それらの酸無水物などである。
【0029】また、水酸基を有する不飽和カルボン酸エ
ステルは、下記一般式 CR0 =CR1 COOR0 OH ・・・(IX) 一般式(IX)で表される化合物の例は、以下に示すような
化合物である。
【0030】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−
トや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トや4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−トなどの一般式
(IV)で表される化合物、カプロラクトン変性の2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレ−トなどの一般式(V) で
表される化合物、カプロラクトン変性の4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレ−ト、マレイン酸やフマル酸や
イタコン酸などの不飽和カルボン酸のエチレンオキシド
またはカプロラクトン変性体など。
【0031】これらは、それぞれ単独で用いても、2種
以上を同時に用いてもよい。
【0032】本発明の新規なビニル基を有する不飽和カ
ルボン酸エステル組成物は、エステル化またはエ−テル
化触媒存在下、前記の1分子中に1個のエポキシ基と1
個以上のビニル基を有する化合物と、前記の不飽和カル
ボン酸または水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル
を、反応させることによって得られる。
【0033】本発明において開始剤として用いられる不
飽和カルボン酸または水酸基を有する不飽和カルボン酸
エステルはその水酸基が、ビニル化合物およびエポキシ
化合物中に残存する。
【0034】開始剤として水酸基を有する不飽和カルボ
ン酸エステル、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレ
−トを用いた場合、得られる本発明のビニル基を有する
不飽和カルボン酸エステル組成物は、以下のような構造
になる。
【0035】 CH2 =CHCOOCH2 CH2 (Y)r OH ・・・(X) 《ただし、一般式10において、rは1〜100の自然
数であり、反応に用いられる2−ヒドロキシエチルアク
リレ−トと1分子中に1個のエポキシ基と1個以上のビ
ニル基を有する化合物との使用比率によって決まる。Y
は1分子中に1個のエポキシ基と1個以上のビニル基を
有する化合物のエポキシ基部分が開環して生じたエ−テ
ル結合部分で結合した物の単位構造である》また、不飽
和カルボン酸または水酸基を有する不飽和カルボン酸エ
ステルに対して、1分子中に1個のエポキシ基と1個以
上のビニル基を有する化合物は、モル比で0.1〜10
0倍、好ましくは1〜5倍の割合で反応させる。
【0036】モル比0.1倍以下では本発明の特徴とす
る官能性が出ないし、100倍以上ではビニル基含有モ
ノマ−またはエポキシ基含有モノマ−として有用なもの
とならない。
【0037】本発明のエ−テル化反応時に用いられる触
媒としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルア
ミン、ピペラジン等のアミン類、ピリジン類、イミダゾ
―ル類等の有機塩基、テトラブチルアンモニウムブロマ
イド、テトラメチルアンモニウムクロライドなどの4級
アンモニウム塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ
酸、シタラコン酸、アニコット酸等の有機酸類、硫酸、
塩酸等の無機酸、ナトリウムメチラ―ト等のアルカリ金
属類のアルコラ―ト類、KOH、NaOH等のアルカリ
類、トリエチルアルミニウム、ジエチル亜鉛等の有機金
属化合物、BF3 、ZnCL2 、FeCL3 、ALCL
3 、SnCL4 等のルイス酸又はその錯体類をあげるこ
とができる。
【0038】触媒の量は種類によって異なるが、出発原
料に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜
5重量%の範囲で使用することができる。
【0039】反応は溶媒を用いて行なうこともできる。
【0040】溶媒としては活性水素を有しているものは
使用することができない。
【0041】すなわち、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンのような芳香族溶媒その他エ―
テル、脂肪族炭化水素、エステル類等を使用することが
できる。
【0042】これらの存在下で、1分子中に1個のエポ
キシ基と1個以上のビニル基を有する化合物と、水酸基
を有する不飽和カルボン酸エステルとを反応させるが、
その反応温度は−20〜150℃、好ましくは0℃〜1
50℃である。
【0043】本発明のエステル化反応時に用いられる触
媒としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミ
ンなどの3級アミン、テトラメチルアンモニウムクロラ
イド、テトラエチルアンモニウムブロマイドなどの4級
アンモニウム塩、ジエチルアミンなどの酢酸塩、ギ酸塩
などの2級アミン塩、水酸化ナトリウム、水酸化カルシ
ウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化
物、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウムなどのアルカリ金
属、アルカリ土類金属塩、イミダゾ−ル類、ジアザビシ
クロウンデセンなどの環状含窒素化合物、トリフェニル
フォスフィン、トリブチルフォスフィンなどのリン化合
物などがある。
【0044】その使用量は、出発原料に対して、0.0
1〜5重量%である。
【0045】反応は溶媒を用いて行なうこともできる。
【0046】溶媒としては、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル類、ベンゼン、トルエン、キシ
レンのような芳香族溶媒、その他、エ―テル類、脂肪族
炭化水素等を使用することができる。
【0047】これらの存在下で、1分子中に1個のエポ
キシ基と1個以上のビニル基を有する化合物と、不飽和
カルボン酸とを反応させるが、その反応温度は5〜15
0℃、好ましくは80〜120℃である。
【0048】また、エ−テル化物やエステル化物の合成
中の重合を防止するために、重合禁止剤を添加してもよ
い。
【0049】用いることのできる重合禁止剤としては、
ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ−テル、
P−ベンゾキノン、クレゾ−ル、t−ブチルカテコ−
ル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノ−ル、2
−t−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、3−t−ブチ
ル−4−メトキシフェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル
−P−クレゾ−ル、2,5−ジヒドロキシ−P−キノ
ン、ピペリジン、エタノ−ルアミン、α−ニトロソ−β
−ナフト−ル、ジフェニルアミン、フェノチアジン、N
−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N,N−ジエ
チルヒドロキシルアミンのような化合物が列挙される。
【0050】さて、このようにして合成されたビニル基
を有する不飽和カルボン酸エステル組成物にエポキシ化
剤を作用させて、本発明のエポキシ樹脂を合成するわけ
であるが、用い得るエポキシ化剤としては過酸類、ハイ
ドロパ−オキサイド類などをあげることができる。
【0051】過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香
酸、過プロピオン酸、トリフルオロ過酢酸などがある。
【0052】このうち、過酢酸は工業的に大量に製造さ
れており、安価に入手でき、安定度も高いので好ましい
エポキシ化剤である。
【0053】ハイドロパ−オキサイド類としては過酸化
水素、タ−シャリブチルハイドロパ−オキサイド、クメ
ンパ−オキサイド等がある。
【0054】エポキシ化の際には必要に応じて触媒を用
いることができる。
【0055】例えば、過酸の場合、炭酸ソ−ダ等のアル
カリや硫酸などの酸を触媒として用い得る。
【0056】また、ハイドロパ−オキサイド類の場合、
タングステン酸と苛性ソ−ダの混合物を過酸化水素と、
あるいは有機酸を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘ
キサカルボニルをタ−シャリブチルハイドロパ−オキサ
イドと併用して触媒効果を得ることができる。
【0057】エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じ
て溶媒使用の有無や反応温度を調節して行なう。
【0058】用いるエポキシ化剤の反応性によって使用
できる反応温度域は定まる。
【0059】好ましいエポキシ化剤である過酢酸につい
ていえば0〜70℃が好ましい。
【0060】0℃以下では反応が遅く、70℃では過酢
酸の分解がおきる。
【0061】又、ハイドロパ−オキサイドの1例である
タ−シャルブチルハイドロパ−オキサイド/モリブデン
二酸化物ジアセチルアセトナ−ト系では同じ理由で20
℃〜150℃が好ましい。
【0062】溶媒は原料粘度の低下、エポキシ化剤の希
釈による安定化などの目的で使用することができる。過
酢酸の場合であれば芳香族化合物、エ−テル類、エステ
ル類などを用いることができる。
【0063】不飽和結合に対するエポキシ化剤の仕込み
モル比は不飽和結合をどれくらい残存させたいかなどの
目的に応じて変化させることができる。
【0064】エポキシ基が多い化合物が目的の場合、エ
ポキシ化剤は不飽和基に対して等モルかそれ以上加える
のが好ましい。
【0065】ただし、経済性、及び次に述べる副反応の
問題から2倍モルを越えることは通常不利であり、過酢
酸の場合1〜1.5倍モルが好ましい。
【0066】上記の反応の結果、得られる本発明のエポ
キシ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物は、例
えば、開始剤として水酸基を有する不飽和カルボン酸エ
ステルである2−ヒドロキシエチルアクリレ−トを用
い、また、1分子中に1個のエポキシ基と1個以上のビ
ニル基を有する化合物して4−ビニルシクロヘキセン−
1−オキシド用いて、本発明のビニル基を有する不飽和
カルボン酸エステル組成物を合成した場合、以下のよう
な構造になる。
【0067】 CH2 =CHCOOCH2 CH2 (Z)r OH ・・・(XI) 《ただし、一般式11において、Zは一般式10のビニ
ル基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物の場合の
Yの中に含まれるビニル基が後述する3者に変化したも
のを含む混合物となる》エポキシ化反応の条件によって
は4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド中のビニル
基のエポキシ化と同時に原料中の未反応ビニル基を有す
るシクロヘキサンポリエ−テル構造(下式)
【0068】
【化6】
【0069】やエポキシ化により生成してくるエポキシ
基を有するシクロヘキサンポリエ−テル構造(下式)
【0070】
【化7】
【0071】および変性された置換基を有するシクロヘ
キサンポリエ−テル構造の混合物が生成する。
【0072】なお、エポキシ化剤が過酢酸の場合、4−
ビニルシクロヘキセン−1−オキシドは変性された置換
基を含む下記のようなシクロヘキサンポリエ−テル構造
に変化する。この変性された置換基は生成したエポキシ
基と副生した酢酸から生じる
【0073】。
【化8】
【0074】未反応のビニル基 −CH=CH2 、エポ
キシ化反応によって生じたエポキシ 3者の混合物の生成比はエポキシ化剤の種類、エポキシ
化剤とオレフィン結合のモル比、反応条件などによって
定まる。本発明のエポキシ基を有する不飽和カル
【0075】 《R7 はH、アルキル基、アルキルカルボニル基、ア
リ−ルカルボニル基のいずれか1つ》本発明のエ−テル
化、エステル化、および、エポキシ化反応を行なう際、
禁止剤を添加しない系で反応を行った場合、製品を得る
精製工程において重合物を生じたり、製品が白濁したり
することが多い。このような場合には、分子状酸素含有
ガスとともに特定の重合防止剤を併用することによっ
て、重合物を生じたり製品が白濁したりするのを防止す
ることができる。
【0076】さらに、本発明のエ−テル化、エステル
化、および、エポキシ化反応を行なう際に、分子状酸素
含有ガスとともに特定の重合防止剤を併用する場合につ
いて説明する。使用しうる重合防止剤は下記の[A群]
および[B群]の化合物である。これらは、単独で用い
てもよいし、2種類以上併用してもよいが、[A群]お
よび[B群]から、それぞれ1種類以上使用する場合は
各群の化合物の単独使用あるいは各群からの2種のみに
よる併用にかかる効果よりはるかに優れ、その相乗効果
も極めて大きいことが多い。
【0077】[A群]ハイドロキノン、ハイドロキノン
モノメチルエ−テル、P−ベンゾキノン、クレゾ−ル、
t−ブチルカテコ−ル、2,4−ジメチル−6−t−ブ
チルフェノ−ル、2−t−ブチル−4−メトキシフェノ
−ル、3−t−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、2,
6−ジ−t−ブチル−P−クレゾ−ル、2,5−ジヒド
ロキシ−P−キノン、ピペリジン、エタノ−ルアミン、
α−ニトロソ−β−ナフト−ル、ジフェニルアミン、フ
ェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン [B群]リン酸、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、
リン酸水素アンモニウム、ピロリン酸、ピロリン酸カリ
ウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸2−エチルヘ
キシルエステル、ピロリン酸カリウム2−エチルヘキシ
ルエステル、ピロリン酸ナトリウム−2−エチルヘキシ
ルエステル、トリポリリン酸、トリポリリン酸カリウ
ム、トリポリリン酸ナトリウム分子状酸素としては通常
空気が用いられ反応器に仕込まれる。
【0078】吹込み位置は液中に直接吹込んでも良いし
また気相中に吹込んでも所定の効果は得られる。吹込量
は任意に選べるが、多過ぎると、溶媒ロスとなるので好
ましくない。
【0079】また、系内での爆発混合気形成を回避する
ため空気とともに系内に窒素を吹込むのが通常である
が、その場合吹込みガス中の酸素濃度が0.01%(容
量)以上好ましくは3%(容量)以上である。
【0080】酸素濃度は高い程効果があるが上限値は系
での爆発下限界酸素濃度となり、その値は使用溶媒によ
り異なるものである。
【0081】窒素の吹込みは必ずしも空気と同位置にす
る必要はないが、系内で局所的に爆発混合気を形成しな
いよう設備上の工夫をすることが安全上重要ある。
【0082】本発明の方法で[B群]の少くとも1種の
化合物を添加する理由は用いる酸化剤が微量とはいえ分
解しラジカル源を発生するのを抑制することに効果があ
ると考えられるためである。
【0083】次に重合防止剤の使用量は対象とする化合
物の種類、製造工程上の条件によって任意に変えられる
が、[A群]の化合物としては反応原料である不飽和カ
ルボン酸または不飽和カルボン酸エステルまたは不飽和
カルボン酸エステル組成物に対して0.005〜5重量
%、好ましくは0.001〜0.1重量%、[B群]の
化合物として0.001〜1重量%、好ましくは0.0
1〜0.2重量%の範囲で添加するのがよい。
【0084】添加方法は粉末のままでも良いし、溶媒に
溶解して添加してもよい。
【0085】エポキシ化の反応は連続もしくはバッチで
行うが、連続の場合はピストンフロ−型式が好ましい。
この時重合防止剤は各々単独で仕込んでも良いが粉末状
のものの場合は溶媒に溶解してから仕込むのが良い。ま
た、原料エステルに溶解して仕込んでも良い。さらに、
バッチ方式の場合も同様であるが、酸化剤は逐次的に仕
込むセミバッチ方式が望ましい。
【0086】目的の組成物は濃縮などの化学工学的手段
によって反応粗液から取り出すことができるが、濃縮前
に反応粗液を水洗または中和水洗を行うのが好ましい。
【0087】特に酸化剤として有機過酸を用いる場合は
反応粗液の中和水洗を行うのが好ましい。
【0088】これは、中和せずに溶媒等の低沸点成分を
除去しようとすると極めて重合し易いためである。
【0089】中和に用いるアルカリ水溶液としては例え
ば、NaOH、KOH、K2 CO3 、Na2 CO3 、N
aHCO3 、KHCO3 、NH3 などのようなアルカリ
性物質の水溶液を使用することができる。
【0090】使用する際の濃度はひろい範囲で自由に選
択することができる。
【0091】分液性の点からNaOH、Na2 CO3
溶液、NaHCO3 水溶液を用いるのが好ましい。
【0092】中和および水洗は10〜90℃、好ましく
は10〜50℃の温度範囲で行うのが良い。
【0093】中和水洗工程では、有機酸の中和除去とと
もに残存有機過酸を除去することが重要である。
【0094】次の低沸点成分除去工程を安定に操作する
ためには、中和上層液中の残存有機過酸含量を0.1%
以下、好ましくは0.01%以下になるまで繰り返し中
和水洗する必要がある。
【0095】従って連続式に中和水洗する場合は多段式
になるが、通常3〜5段にすれば有機過酸濃度を規定値
以下に下げることができる。
【0096】多段式の場合は最終段階は完全な水洗もし
くはせいぜい1%程度のアルカリ水溶液を使うのが好ま
しい。
【0097】これは低沸点成分を除去したのちの塔底液
をそのまま製品にするような場合にはアルカリ金属が製
品に混入し品質に影響を及ぼすためである。
【0098】これはバッチで繰返し中和する場合も同様
である。
【0099】なお、連続式で中和水洗した場合、下層水
を向流式に前中和に使うことは何ら問題なく、またその
方が経済的である。
【0100】中和水洗に使用するアルカリ量は反応粗液
中の有機過酸と有機酸の合計量に対して当量比で0.5
〜3倍量、好ましくは1.1〜1.5倍量使用するのが
よく必要以上に量を増やすのは経済的ではない。
【0101】また、当量比を必要以上に下げた場合有機
過酸あるいは有機酸を除去するのに多量の水を要するた
め、得策ではないし、また、溶媒等の下層水中への溶解
ロスも増加する。
【0102】特に反応粗液中に含まれる[A]、[B
群]から選ばれた化合物が下層水中に抽出され中和上層
液中の含量が減少する場合もあるが、その際は、中和終
了後各群の化合物を適当量補充するのが好ましい。
【0103】また、中和水洗時にも分子状酸素を系内に
吹込むことが望ましい。
【0104】中和あるいは水洗を行った反応粗液から低
沸点成分を除去するには重合禁止剤を添加した後薄膜式
蒸発器などを用いるのが良い。
【0105】脱低沸時の加熱温度は重合防止の点から5
0〜180℃、好ましくは、60〜100℃で行うのが
よい。
【0106】圧力は低沸点成分の物性によって任意に選
べるが加熱温度との関係で減圧で操作するのが一般的で
ある。
【0107】分子状酸素を蒸発器に導入する場所は任意
に選べるが塔底液が留出するラインから吹込むのが普通
である。
【0108】吹込み量は任意に選べるが上限量は真空系
の能力、あるいは塔底液が安定に流下するかどうか、あ
るいは留出した低沸点成分をコンデンサ−で補集する際
の回収ロスをいう観点から自ずと制限される。
【0109】1回の脱低沸では十分に濃縮されない場合
は、さらに2回めの脱低沸を行う。この工程は、残存低
沸点成分を完全に除去するもので1回めの脱低沸工程と
同様に行うが、さらに減圧度を増して高真空下で行うの
が一般的である。
【0110】
【発明の効果】本発明の新規なビニル基を有する不飽和
カルボン酸エステル組成物は、アリル(メタ)アクリレ
−トとは反応性が異なったビニル基を有しており、ビニ
ル基を利用した種々の用途に有用な物質である。
【0111】一方、本発明の新規なエポキシ基を有する
不飽和カルボン酸エステル組成物は、熱,紫外線,イオ
ン化放射線などでラジカルを生ずる開始剤をもちいて、
容易に単重合、または、他の不飽和基含有化合物と共重
合することが可能であり、塗料用樹脂やプラスチックス
などの中間体の原料となる有用な物質である。
【0112】また、光や熱などでカチオンを生ずる開始
剤や酸無水物、フェノ−ル、アミンなどのエポキシの硬
化剤と反応させたりして用いることができる新規なエポ
キシ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物であ
る。
【0113】さらに、本発明の新規なエポキシ基を有す
る不飽和カルボン酸エステル組成物は、グリシジル(メ
タ)アクリレ−トとは反応性が異なったエポキシ基を有
しており、塗料用樹脂やプラスチックス、機能性ポリマ
−などの中間体の原料として興味深い組成物であり、エ
ポキシ基を利用した種々の用途に有用な物質である。ま
た、アミンなどとの反応においては、逆にグリシジル
(メタ)アクリレ−トの方が反応しやすく、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレ−トはほ
とんど反応しない。
【0114】この場合も、本発明の組成物は反応性が前
記2種のエポキシ化合物の中間にあり、グリシジル(メ
タ)アクリレ−トでは反応が早すぎる場合に有効な組成
物である。
【0115】次に実施例を挙げて本発明について説明す
る。
【0116】
【実施例1】コンデンサ−、滴下ロ−ト、N2 導入管を
備えたジャケット付き2リットル反応器に、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレ−ト130g(1.0モル)と4
−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド372g(3.
0モル)を仕込んだ。
【0117】続いてBF3 エ−テラ−ト3.6gを10
%酢酸エチル溶液として2時間かけて滴下し反応させ
た。
【0118】滴下中系内は50℃に保った。
【0119】滴下終了後、ガスクロマトグラフィ−(以
下、GPC)により分析したところ、4−ビニルシクロ
ヘキセン−1−オキシドがほとんど消失していることを
確認できた。
【0120】続いて、反応粗液に酢酸エチル480gを
追加し、純水500gで2回水洗し、固形分46.3%
の酢酸エチル溶液958gを得た。
【0121】得られた酢酸エチル溶液に含まれる2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレ−トは、ガスクロマトグラフ
ィ−において2.1%であった。
【0122】続いて、得られた酢酸エチル溶液の50g
をナス型フラスコに入れロ−タリ−エバポレ−タ−で低
沸点分を減圧除去(湯浴温度50℃)して、目的のビニ
ル基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物(以下、
ビニル組成物[A1]と表す)23gを得た。
【0123】得られたビニル組成物[A1]は、粘度が
3600cp/25℃の室温で粘調な液体であった。
【0124】得られたビニル組成物[A1]のゲルパ−
ミエイションクロマトグラフ(以下、GPC)分析を行
った。GPC分析は、島津製作所のC−R4Aを用いて
測定した。
【0125】GPC分析の結果、4−ビニルシクロヘキ
セン−1−オキシドの付加していない2−ヒドロキシエ
チルメタクリレ−ト(n=0)、1モル付加したもの
(n=1)、2モル付加したもの(n=2)・・・・の
分布を持つ混合物であった。
【0126】MN=564(ポリスチレン換算)、MW
/MN=1.35であった。
【0127】次に得られたビニル組成物[A1]の 1
−NMR、13C−NMR、I.R.分析を行った。 1
−NMR、13C−NMRスペクトルは、日本電子株式会
社のJNM−EX90分光機を用いCDCL3 中、室温
で測定した。
【0128】また、IRスペクトルは島津製作所のIR
−435を用いNaCL板に塗り測定した。
【0129】< 1H−NMRスペクトル> δ1.0〜2.1(22.2H)シクロヘキサン環のC
2 中のプロトン δ1.96 (3.0H) メタクリル基のCH3
中のプロトン δ2.1〜2.7(3.7H) ビニル基の結合したシ
クロヘキサン環のCH中のプロトン δ2.7〜2.9(1.0H) OH中のプロトン δ3.1〜4.1(9.4H) 酸素原子の結合したシ
クロヘキサン環のCH中のプロトンおよび、エステル結
合したCH2 CH2 O中の酸素原子に結合したメチレン
基のプロトン δ4.2〜4.4(2.0H) エステル結合したCH
2 中のプロトン δ4.8〜5.2(7.4H) ビニル基のCH2 中の
プロトン δ5.5〜6.1(3.7H) ビニル基のCH中のプ
ロトン δ5.58 (1.0H) メタクリル基の二重結
合のCH2 の一方のプロトン δ6.14 (1.0H) メタクリル基の二重結
合のCH2 の一方のプロトン <13C−NMRスペクトル> δ18.2 メタクリル基のCH3
中の炭素原子 δ24〜37 酸素原子の結合してい
ないシクロヘキサン環のCH、CH2 中の炭素原子 δ61〜72 エステル結合したCH
2 CH2O中の炭素原子 δ72〜84 酸素原子の結合したシ
クロヘキサン環のCH中の炭素原子 δ112〜115 ビニル基のCH2 中の
炭素原子 δ125.7 メタクリル基の二重結
合の一方の炭素原子 δ136.1 メタクリル基の二重結
合の一方の炭素原子 δ141〜145 ビニル基のCH中の炭
素原子 δ167.3 エステルの炭素原子 <IRスペクトル> 903cm-1 ビニル基の吸収 1718cm-1 メタクリルエステルのエ
ステル基の吸収 1 H−NMRスペクトルの結果から、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレ−トへの4−ビニルシクロヘキセン−1
−オキシドの平均付加モル数は約3.7モルであった。
【0130】
【実施例2】コンデンサ−、過酢酸仕込口、N2 導入管
を備えたジャケット付き2リットル反応器に実施例1で
得られたビニル組成物[A]の固形分46.3%の酢酸エチ
ル溶液400gを仕込んだ。
【0131】次に過酢酸280g(30%、酢酸エチル
溶液)に2−エチルヘキシルトリポリリン酸ナトリウム
0.2gを加え溶解させた。
【0132】その後50℃に反応温度を保持しながら約
4時間で過酢酸溶液を滴下した。
【0133】その後50℃でさらに6時間保った。
【0134】次いで、680gの精製水を加え30分攪
拌後50℃で静置した。
【0135】30分後、分液した下層を徐々に抜き取っ
た。次に酢酸エチル300gを加えさらに精製水800
gを加え30分攪拌30分静置(50℃)して下層を抜
き取った。
【0136】さらに精製水700gを加え50℃で30
分攪拌した。
【0137】次いで30分50℃で静置し、下層を抜き
取り、固形分30.1%の酢酸エチル溶液650gを得
た。
【0138】得られた酢酸エチル溶液に含まれる2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレ−トは、ガスクロマトグラフ
ィ−において0.9%であった。
【0139】続いて、得られた上層液を薄膜式蒸発器に
50℃、20〜50mmHgおよび300cc/hとい
う条件で仕込んだ。目的のエポキシ基を有する不飽和カ
ルボン酸エステル組成物(以下、エポキシ組成物[E
1]と表す)180gを得た。性状は以下の通りであっ
た。
【0140】APHA 50 オキシラン酸素濃度(%) 7.03 酸価(mgKOH/g) 0.9 粘度(cp/25℃) 9900 NMR、IRによる分析では以下のような結果が得られ
た。
【0141】< 1H−NMRスペクトル> δ1.0〜2.2(29.7H)シクロヘキサン環のC
2 、および、エポキシ基の結合したシクロヘキサン環
のCH中のプロトン δ1.95 (3.0H) メタクリル基のCH3
中のプロトン δ2.2〜3.0(10.5H)ビニル基の結合したシ
クロヘキサン環のCH、
エポキシ基のCH2 、および、エポキシ基の
CH中のプロトン δ3.0〜4.1(10.8H)酸素原子の結合したシ
クロヘキサン環のCH中のプロトン、エステル結合した
CH2 CH2 O中の酸素原子に結合したメチレン基のプ
ロトン、および、OH中のプロトン δ4.2〜4.4(2.0H) エステル結合したCH
2 中のプロトン δ4.8〜5.2(1.2H) ビニル基のCH2 中の
プロトン δ5.5〜6.1(0.6H) ビニル基のCH中のプ
ロトン δ5.58 (1.0H) メタクリル基の二重結
合のCH2 の一方のプロトン δ6.12 (1.0H) メタクリル基の二重結
合のCH2 の一方のプロトン <13C−NMRスペクトル> δ18.2 メタクリル基のCH3
中の炭素原子 δ22〜36 酸素原子の結合してい
ないシクロヘキサン環のCH、CH2 中の炭素原子 δ45〜47 エポキシ基のCH2
の炭素原子 δ54〜57 エポキシ基のCH中の
炭素原子 δ61〜72 エステル結合したCH
2 CH2O中の炭素原子 δ72〜84 酸素原子の結合したシ
クロヘキサン環のCH中の炭素原子 δ112〜115 ビニル基のCH2 中の
炭素原子 δ125.6 メタクリル基の二重結
合の一方の中の炭素原子 δ136.2 メタクリル基の二重結
合の一方の炭素原子 δ141〜145 ビニル基のCH中の炭
素原子 δ167.2 エステル中の炭素原子 <IRスペクトル> 859cm-1 エポキシ基の吸収 1715cm-1 メタクリルエステルのエステル基の
吸収 1 H−NMRスペクトルの結果から、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレ−トへの置換基を有するシクロヘキセン
−1−オキシドの平均付加モル数は約3.9モルであっ
た。また、ビニル基のエポキシ化率は約85%であっ
た。(以下余白)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 20/40 MMV 7242−4J C08G 59/18 NHN 8416−4J

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物と、不飽和カルボン酸または
    水酸基を有する不飽和カルボン酸エステルとを反応させ
    て得られるビニル基を有する不飽和カルボン酸エステル
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1で得られるビニル基を有する不
    飽和カルボン酸エステル組成物をエポキシ化して得られ
    るエポキシ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成
    物。
  3. 【請求項3】 不飽和カルボン酸または水酸基を有する
    不飽和カルボン酸エステルとエポキシ基をを有する化合
    物とを触媒存在下、5〜150℃でエステル化または−
    20〜150℃でエ−テル化することを特徴とする請求
    項1の組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のビニル基を有する不飽和カル
    ボン酸エステル組成物を酸化剤でエポキシ化することを
    特徴とする請求項2の組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、4−ビニルシクロヘキセ
    ン−1−オキシドである請求項1のビニル基を有する不
    飽和カルボン酸エステル組成物、および、請求項2のエ
    ポキシ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物。
  6. 【請求項6】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、5−ビニルビシクロ
    [2.2.1]ヘプト−2−エン−2−オキシドである
    請求項1のビニル基を有する不飽和カルボン酸エステル
    組成物、および、請求項2のエポキシ基を有する不飽和
    カルボン酸エステル組成物。
  7. 【請求項7】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、リモネンモノオキシドで
    ある請求項1のビニル基を有する不飽和カルボン酸エス
    テル組成物、および、請求項2のエポキシ基を有する不
    飽和カルボン酸エステル組成物。
  8. 【請求項8】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、下記一般式1で表される
    化合物である請求項1のビニル基を有する不飽和カルボ
    ン酸エステル組成物、および、請求項2のエポキシ基を
    有する不飽和カルボン酸エステル組成物。 《但し、nは0から30の整数》
  9. 【請求項9】 1分子中に1個以上のビニル基と1個の
    エポキシ基を有する化合物が、下記一般式(II)で表され
    る化合物である請求項1のビニル基を有する不飽和カル
    ボン酸エステル組成物、および、請求項2のエポキシ基
    を有する不飽和カルボン酸エステル組成物。 《但し、n1 、n2 は0から30の整数》
  10. 【請求項10】 1分子中に1個以上のビニル基と1個
    のエポキシ基を有する化合物が、下記一般式(III) で表
    される化合物である請求項1のビニル基を有する不飽和
    カルボン酸エステル組成物、および、請求項2のエポキ
    シ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物。 《Phは置換フェニル基》
  11. 【請求項11】 不飽和カルボン酸が、アクリル酸であ
    る請求項1のビニル基を有する不飽和カルボン酸エステ
    ル組成物、および、請求項2のエポキシ基を有する不飽
    和カルボン酸エステル組成物。
  12. 【請求項12】 不飽和カルボン酸が、メタクリル酸で
    ある請求項1のビニル基を有する不飽和カルボン酸エス
    テル組成物、および、請求項2のエポキシ基を有する不
    飽和カルボン酸エステル組成物。
  13. 【請求項13】 水酸基を有する不飽和カルボン酸エス
    テルが、下記一般式(IV)で表される化合物である請求項
    1のビニル基を有する不飽和カルボン酸エステル組成
    物、および、請求項2のエポキシ基を有する不飽和カル
    ボン酸エステル組成物。 CH2 =CR1 CO[O(CR2 3 m n OH ・・・(IV) 《但し、mは1から10の整数、R1 は水素またはメチ
    ル基、R2 及びR3 は水素または炭素数が1から50の
    アルキル基を表わす》
  14. 【請求項14】 水酸基を有する不飽和カルボン酸エス
    テルが、下記一般式 CH2 =CR1 COOCH2 CH2 [OCO(CH2 5 m OH ・・・(V) 《但し、mは1から10の整数、R1 は水素またはメチ
    ル基、R2 及びR3 は水素または炭素数が1から50の
    アルキル基を表わす》で表される化合物である請求項1
    のビニル基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物、
    および、請求項2のエポキシ基を有する不飽和カルボン
    酸エステル組成物。
  15. 【請求項15】 不飽和カルボン酸が、マレイン酸また
    はその酸無水物である請求項1のビニル基を有する不飽
    和カルボン酸エステル組成物、および、請求項2のエポ
    キシ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物。
  16. 【請求項16】 不飽和カルボン酸が、フマル酸である
    請求項1のビニル基を有する不飽和カルボン酸エステル
    組成物、および、請求項2のエポキシ基を有する不飽和
    カルボン酸エステル組成物。
  17. 【請求項17】 不飽和カルボン酸が、イタコン酸また
    はその酸無水物である請求項1のビニル基を有する不飽
    和カルボン酸エステル組成物、および、請求項2のエポ
    キシ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物。
  18. 【請求項18】 水酸基を有する不飽和カルボン酸エス
    テルが、下記一般式 R0 OCOCH=CHCO(O(CR2 3 m1m2OH・・・(VI) 《但し、m1、m2は1から10の整数、R0 は有機化
    合物残基》で表される化合物である請求項1のビニル基
    を有する不飽和カルボン酸エステル組成物、および、請
    求項2のエポキシ基を有する不飽和カルボン酸エステル
    組成物。
  19. 【請求項19】 水酸基を有する不飽和カルボン酸エス
    テルが、下記一般式 R0 OCOCH=CHCOOCH2 CH2 (OCO(CH2 5 m OH ・・・(VII) で表される化合物である請求項1のビニル基を有する不
    飽和カルボン酸エステル組成物、および、請求項2のエ
    ポキシ基を有する不飽和カルボン酸エステル組成物。
  20. 【請求項20】 エステル化触媒がルイス酸である請求
    項3の製造方法。
  21. 【請求項21】 エステル化触媒がBF3 錯体である請
    求項3の製造方法。
  22. 【請求項22】 エステル化触媒が4級アミン塩または
    3級アミンである請求項3の製造方法。
  23. 【請求項23】 エ−テル化触媒がルイス酸である請求
    項3の製造方法。
  24. 【請求項24】 エ−テル化触媒がBF3 錯体である請
    求項3の製造方法。
  25. 【請求項25】 エ−テル化触媒がpKa≦3の酸であ
    る請求項3の製造方法。
  26. 【請求項26】 酸化剤が過酸である請求項4の製造方
    法。
  27. 【請求項27】 酸化剤が過酢酸または過酸化水素であ
    る請求項4の製造方法。
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JP2004210802A (ja) * 2002-11-14 2004-07-29 Kansai Paint Co Ltd 紫外線硬化型接着剤組成物

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