JP3018109B2 - エポキシ化(メタ)アクリレ―ト及びその製法 - Google Patents

エポキシ化(メタ)アクリレ―ト及びその製法

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JP3018109B2
JP3018109B2 JP3042021A JP4202191A JP3018109B2 JP 3018109 B2 JP3018109 B2 JP 3018109B2 JP 3042021 A JP3042021 A JP 3042021A JP 4202191 A JP4202191 A JP 4202191A JP 3018109 B2 JP3018109 B2 JP 3018109B2
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公映 本田
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  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】(メタ)アクリレ―ト化合物は
熱、紫外線、イオン化放射線、ラジカル重合開始剤の存
在下で容易に単独重合または他の不飽和基含有化合物と
共重合することが可能で、また塗料用樹脂の中間原料と
しても有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より各種のアクリル酸エステル類モ
ノマ−が知られている。
【0003】例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の単官能モノマ―
およびトリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト、ペン
タエリスリト―ルトリアクリレ―ト等の多官能モノマ―
が一般的に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単官能
モノマ―は印刷インキおよび塗料に用いた場合には硬化
後の未反応モノマ―の臭気がはなはだしく問題となる。
【0005】また多官能モノマ―は塗料および印刷イン
キの希釈剤として用いる場合には、樹脂に対して多量に
使用する必要があり、したがって樹脂が有する特性が失
われるという欠点を有している。
【0006】
【発明の目的】インキ、塗料、接着剤、被覆剤、成型用
樹脂の原料あるいは改質剤として有用であるシクロヘキ
サン環にエポキシを有する(メタ)アクリル酸エステル
の製造方法を開発すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、1−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサン
メタノ−ルの(メタ)アクリル酸エステルが低粘度で、
かつ、低臭気で広範囲にわたる樹脂への溶解性を有する
ことを見出だし、新規な2官能(メタ)アクリル酸エス
テルを得るに至った。
【0008】以下に本発明の(メタ)アクリレ―ト化合
物の製造方法について詳述する。
【0009】先ずエポキシ化反応工程について説明す
る。
【0010】すなわち、一般式化2で表わされる(メ
タ)アクリレ−ト化合物を酸化剤でエポキシ化する。こ
の際用いる酸化剤は不飽和結合をエポキシ化できるもの
なら何でもよく過ギ酸、過酢酸、過プロピオン酸、m−
クロロ過安息香酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、
タ−シャリブチルハイドロパ−オキサイド、クミルハイ
ドロパ−オキサイド、テトラリルハイドロパ−オキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイドな
どの各種ハイドロパ−オキサイド類、過酸化水素などを
例として挙げることができる。
【0011】酸化剤は触媒と併用してもよく、例えば、
有機過酸を用いる場合なら炭酸ソ−ダなどのアルカリや
硫酸などの酸を触媒として併用しうる。
【0012】同じく上記各種のハイドロパ−オキサイド
類を用いる場合ならモリブデンヘキサカルボニルなど公
知の触媒能を有するものを、また、過酸化水素を用いる
場合ならタングステン酸と苛性ソ−ダの混合物を併用す
ることができる。
【0013】反応をバッチで行なう場合は先ず、反応器
内に1−メチル−3−シクロヘキセニルメチル(メタ)
アクリレ―トを所定量仕込み、この中に必要に応じて触
媒、安定剤を溶解させ、この中に前記酸化剤を滴下して
行なう。
【0014】酸化剤と1−メチル−3−シクロヘキセニ
ルメチル(メタ)アクリレ―トとの反応モル比は理論的
には1/1であるが、本発明の方法では0.1〜10の
範囲、好ましくは、0.5〜10の範囲、さらに好まし
くは0.8〜1.5の範囲が良い。
【0015】酸化剤と1−メチル−3−シクロヘキセニ
ルメチル(メタ)アクリレ―トとのモル比が10を越え
る場合は1−メチル−3−シクロヘキセニルメチル(メ
タ)アクリレ―トの転化率および反応時間短縮、(メ
タ)アクリレ―トの重合によるロスの減少という点で好
ましいが、過剰の酸化剤による副反応や酸化剤の選択率
および未反応の酸化剤を回収する場合に多大の費用を要
する、などの欠点がある。 逆に酸化剤と1−メチル−
3−シクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレ―トとの
反応のモル比が0.1以下の場合は酸化剤の選択率、転
化率、酸化剤による副反応を抑制するという点で好まし
いが、(メタ)アクリレ―トの重合によるロス、未反応
の1−メチル−3−シクロヘキセニルメチル(メタ)ア
クリレ―トを回収する場合に多大の費用を要する、など
の欠点がある。
【0016】反応温度はエポキシ化反応が酸化剤の分解
反応に優先するような上限値以下で行ない、たとえば、
過酢酸を用いる場合なら70℃以下で、タ−シャリブチ
ルハイドロパ−オキサイドを用いる場合なら150℃以
下が好ましい。
【0017】反応温度が低いと反応の完結までに長時間
を要するので、過酢酸を用いる場合なら0℃、タ−シャ
リブチルハイドロパ−オキサイドを用いる場合なら20
℃という下限値以上で行うことが好ましい。
【0018】また、エポキシ化反応の際、酸化剤からの
副生などによる有機酸、アルコ−ル、水でエポキシ基が
開環してしまう副反応が生じるので、副反応量が少なく
なるような温度を前記したような温度領域から選定して
実施する。
【0019】反応圧力は一般的には常圧下で操作される
が、加圧または低圧下でも実施できる。また、反応は溶
媒存在下でも実施できる。
【0020】溶媒存在下での反応は反応粗液の粘度低
下、酸化剤を希釈することによる安定化などの効果があ
るため好ましい。
【0021】使用される溶媒としてはベンゼン、トルエ
ン、キシレンなど芳香族化合物、クロロフォルム、ジメ
チルクロライド、四塩化炭素、クロルベンゼンなどのハ
ロゲン化物、酢酸エチル、酢酸ブチル、などのエステル
化物、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン化合
物、1、2−ジメトキシエタンなどのエ−テル化合物な
どを用いることができる。
【0022】溶媒の使用量は1−メチル−3−シクロヘ
キセニルメチル(メタ)アクリレ―トに対して0.5〜
5倍量が好ましい。
【0023】0.5倍量より少ない場合は酸化剤を希し
ゃくすることによる安定化などの効果が少なく、逆に5
倍量より多くしても安定化効果はそれ程アップせず溶媒
の回収に多大の費用を要するので無駄となる。
【0024】本発明の請求項3のポイントは上記のよう
なエポキシ化反応を行う際、分子状酸素含有ガスととも
に特定の重合防止剤を併用することにある。
【0025】ところでエポキシ化反応時に一般的な重合
禁止剤を添加しただけでは製品中に微量の重合物が含ま
れることが多い。これらの重合物は製品自体の低分子量
重合物が主成分と考えられるが、これらの重合物の含有
量はn−ヘキサンあるいはn−ヘプタンに製品を少量溶
解した時に白濁するかどうかで明瞭に確認することがで
きる(n−ヘプタンを使ったこのような溶解性試験を以
下HTと呼ぶ)。
【0026】製品として使えるためにはHTが透明ある
いはわずかに白濁する程度でなければならないことがわ
かっている。
【0027】エポキシ化反応時の微量の重合物はわずか
ではあるが反応中に重合が起きるためと思われる。
【0028】しかしながら、このような現象は軽微であ
るため、例えば液体クロマトグラフィ−のような分析機
器でも明瞭に検知できないため見逃してしまう。
【0029】HTで白濁した反応粗液は後の精製工程を
経て製品化される間にさらに重合が進み、製品のHTは
沈殿物を伴う程の濁りとなる。
【0030】このような現象に対して本発明者らは反応
粗液中に分子状酸素を吹込むとともにA、B群から選ば
れた少くとも1種以上の化合物を共存せしめることで、
HT透明の反応粗液を得ることを見出した。
【0031】特に本発明の規定する3種以上の化合物の
組合わせで使用した場合は各群の化合物の単独使用ある
いは各群からの2種のみによる併用にかかる効果よりは
るかに優れ、その相乗効果も極めて大きいことは特筆す
べきものである。
【0032】次に本発明の方法を具体的に説明する。
【0033】本発明において、分子状酸素としては通常
空気が用いられ反応器に吹込まれる。 吹込み位置は液
中に直接吹込んでも良いしまた気相中に吹込んでも所定
の効果は得られる。
【0034】吹込量は任意に選べるが、多過ぎると、溶
媒ロスとなるので好ましくない。
【0035】また、系内での爆発混合気形成を回避する
ため空気とともに系内に窒素を吹込むのが通常である
が、その場合吹込みガス中の酸素濃度が0.01%(容
量)以上好ましくは3%(容量)以上である。
【0036】酸素濃度は高い程効果があるが上限値は系
での爆発下限界酸素濃度となり、その値は使用溶媒によ
り異なるものである。
【0037】窒素の吹込みは必ずしも空気と同位置にす
る必要はないが、系内で局所的に爆発混合気を形成しな
いよう設備上の工夫をすることが安全上重要ある。
【0038】本発明の方法に用いる[A群]の化合物の
一部、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチ
ルエ−テルと分子状酸素の組合わせが、いわゆるアクリ
ル酸やアクリル酸エステルの重合防止に効果があること
は公知であり、本発明と類似の化合物の製造方法である
特願昭63−10083号明細書の実施例でも空気雰囲
気下で禁止効果を比較している。
【0039】本発明の方法が[B群]の少くとも1種の
化合物を必須の成分として添加する理由は用いる酸化剤
が微量とはいえ分解しラジカル源を発生するのを抑制す
ることに効果があると考えられるためである。
【0040】次に重合防止剤の使用量は対象とする化合
物の種類、製造工程上の条件によって任意に変えられる
が、[A群]の化合物としては反応原料である1−メチ
ル−3−シクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレ−ト
に対して0.005〜5重量%、より好ましくは0.0
01〜0.1重量%、[B群]の化合物として0.00
1〜1重量%、より好ましくは0.01〜0.2重量%
の範囲で添加するのがよい。添加方法は粉末のままでも
良いし、溶媒に溶解して添加してもよい。
【0041】反応は連続もしくはバッチで行うが、連続
の場合はピストンフロ−型式が好ましい。この時本発明
の方法に用いる重合防止剤は各々単独で仕込んでも良い
が粉末状のものの場合は溶媒に溶解してから仕込むのが
良い。
【0042】また、原料エステルに溶解して仕込んでも
良い。
【0043】また、バッチ方式の場合も同様であるが、
酸化剤は逐次的に仕込むセミバッチ方式が望ましい。
【0044】本発明のポイントは、重合を最小限に抑え
た製品を得るためには反応工程での重合を防止する点に
あるが、本発明はそのまま精製工程にも有効に活用でき
るのである。
【0045】反応終了後のエポキシ化反応粗液は溶媒、
低沸点物質、未反応原料、触媒などの除去、中和、吸着
剤やイオン交換樹脂処理などによって精製することがで
きる。 特に酸化剤として有機過酸を用いる場合は反応
粗液の中和水洗を行うのが好ましい。これは、中和せず
に溶媒等の低沸点成分を除去しようとすると極めて重合
し易いためである。
【0046】中和に用いるアルカリ水溶液としては例え
ば、NaOH、KOH、K2 CO3 、Na2 CO3 、N
aHCO3 、KHCO3 、NH3 などのようなアルカリ
性物質の水溶液を使用することができる。使用する際の
濃度はひろい範囲で自由に選択することができる。
【0047】分液性の点からNaOH、Na2 CO3
溶液、NaHCO3 水溶液を用いるのが好ましい。
【0048】中和および水洗は10〜90℃、好ましく
は10〜50℃の温度範囲で行うのが良い。
【0049】中和あるいは水洗を行った反応粗液から低
沸点成分を除去するには重合禁止剤を添加した後薄膜式
蒸発器などを用いるのが良い。
【0050】特に反応粗液中に含まれる[A、B群]か
ら選ばれた化合物が下層水中に抽出され中和上層液中の
含量が減少する場合もあるが、その際は、中和終了後各
群の化合物を適当量補充するのが好ましい。また、中和
水洗時にも分子状酸素を系内に吹込むことが望ましい。
【0051】中和水洗工程では、有機酸の中和除去とと
もに残存有機過酸を除去することが重要である。次の低
沸点成分除去工程を安定に操作するためには、中和上層
液中の残存有機過酸含量を0.1%以下、好ましくは
0.01%以下になるまで繰り返し中和水洗する必要が
ある。
【0052】従って連続式に中和水洗する場合は多段式
になるが、通常3〜5段にすれば有機過酸濃度を規定値
以下に下げることができる。
【0053】多段式の場合は最終段階は完全な水洗もし
くはせいぜい1%程度のアルカリ水溶液を使うのが好ま
しい。
【0054】これは低沸点成分を除去したのちの塔底液
をそのまま製品にするような場合にはアルカリ金属が製
品に混入し品質に影響を及ぼすためである。
【0055】これはバッチで繰返し中和する場合も同様
である。なお、連続式で中和水洗した場合、下層水を向
流式に前中和に使うことは何ら問題なく、またその方が
経済的である。
【0056】中和水洗に使用するアルカリ量は反応粗液
中の有機過酸と有機酸の合計量に対して当量比で0.5
〜3倍量、好ましくは1.1〜1.5倍量使用するのが
よく必要以上に量を増やすのは経済的ではない。また当
量比を必要以上に下げた場合有機過酸あるいは有機酸を
除去するのに多量の水を要するため、得策ではないし、
また、溶媒等の下層水中への溶解ロスも増加する。
【0057】中和水洗工程の次に溶媒を除去する。
【0058】《脱低沸工程》脱低沸には通常薄膜式蒸発
器を用いるが、加熱温度は重合防止の点から50〜18
0℃、好ましくは、60〜100℃で行うのがよい。
【0059】圧力は低沸点成分の物性によって任意に選
べるが加熱温度との関係で減圧で操作するのが一般的で
ある。
【0060】分子状酸素を蒸発器に導入する場所は任意
に選べるが塔底液が留出するラインから吹込むのが普通
である。吹込み量は任意に選べるが上限量は真空系の能
力、あるいは塔底液が安定に流下するかどうか、あるい
は留出した低沸点成分をコンデンサ−で補集する際の回
収ロスをいう観点から自ずと制限される。脱低沸工程で
得られる塔底液は純度的には94〜96%までしか達し
ていないが、本発明の成果として、HTが透明もしくは
わずかに白濁する程度の品質である。
【0061】したがって、通常の用途ではこのまま製品
として十分通用するものである。
【0062】さらに高純度の製品を得るためには次に製
品化工程を行う。製品化工程は、残存低沸点成分を完全
に除去するもので脱低沸工程と同様に行うが、更に減圧
度を増して高真空下で行うのが一般的である。
【0063】以下実施例をさらに詳しく説明する。
【0064】
【実施例1】攪拌機および冷却用ジャケットが付いた内
容量5リットルのガラス反応器に1−メチル−3−シク
ロヘキセニルメチルメタクリレ−ト776g、酢酸エチ
ル2640g、ハイドロキノンモノメチルエ−テル0.
3gr、ピロリン酸0.3gを加え、かつ反応器に挿入
管から酸素/窒素(10/90容量%)の混合ガスを1
Nリットル/Hrで吹込んだ。
【0065】次いで反応温度を40℃に保ち、30%過
酢酸溶液1240gを定量ポンプで3時間かけて仕込ん
だ。仕込み終了後、更に5時間熟成後反応を終了させ
た。
【0066】反応粗液1gを採取してn−ヘプタン10
gに溶解したところ全く透明であった《以上が合成工
程》。
【0067】反応粗液を室温まで冷却後、10%Na2
CO3 2.5kgを加え30分攪拌後、30分間静置し
て分液させる。
【0068】下層水を除去後更に10%Na2 CO
3 2.5kgを加え同様な操作を行う。この時上層液中
の残存過酢酸濃度は0.02%で酢酸は完全に消失して
いた。次いで、1%Na2 CO3 2.5kgを加え同様
な操作を行ったところ過酢酸濃度は0.01%以下であ
った《以上が中和工程》。
【0069】次に、中和上層液3.52kgにハイドロ
キノン0.6g、2−エチルヘキシルトリポリリン酸ナ
トリウム0.6gを加え、ガラス製スミス式薄膜蒸発器
で脱低沸処理した。
【0070】操作条件は加熱温度80℃、圧力150m
mHgで塔底液留出ラインから、酸素/窒素(10/9
0容量%)の混合ガスを5Nリットル/Hrで吹込ん
だ。塔底液の取得量は780gであった。塔底液1gr
をn−ヘプタン10gに溶かしたところ沈殿物は認めら
れなかった。
【0071】またガスクロマトグラフィ−分析で組成を
調べたところ1−メチル−3,4エポキシシクロヘキシ
ルメチルメタクリレ−ト94.7%、酢酸エチル1.8
%、1−メチル−3−シクロヘキセニルメチルメタクリ
レ−ト1.0%、その他2.5%であった。《以上が脱
低沸工程》。
【0072】また、この化合物の同定のため、組成物を
さらに精製蒸留を行い98%純度品を得た。元素分析値
はつぎのとうり。
【0073】 C H 備考 計算値 68.55 8.63 (100%品として) 実測値 68.02 8.57 (98%品)
【0074】
【実施例2】実施例−1における1−メチル−3−シク
ロヘキセニルメチルメタクリレ−ト776gの代わりに
1−メチル−3−シクロヘキセニルメチルアクリレ−ト
720gを加えたことと、脱低沸工程での操作条件を加
熱温度60℃、圧力100mmHgとしたこと以外はま
ったく実施例−1と同じ条件で行なったところ、脱低沸
工程の塔底液730gを得た。
【0075】この塔底液の1−メチル−3,4エポキシ
シクロヘキシルメチルアクリレ−トの純度は94.3%
であった。
【0076】また、この化合物の同定のため、塔底液を
さらに精製蒸留を行い98%純度品を得た。元素分析値
はつぎのとうりであった。
【0077】 C H 備考 計算値 67.32 8.22 (100%品として) 実測値 66.68 8.17 (98%品)
【0078】
【実施例3】実施例−1におけるピロリン酸の代わりに
ピロリン酸カリウム0.3gを加えた以外はまったく実
施例−1と同じ条件で行ない、n−ヘプタンテストにお
いても沈殿物は認められなかった。
【0079】
【実施例4】実施例−1におけるピロリン酸の代わりに
2−エチルヘキシルピロリン酸カリウムを加えた以外は
まったく実施例−1と同じ条件で行ない、n−ヘプタン
テストにおいても沈殿物は認められなかった。
【0080】
【実施例5】実施例−1におけるピロリン酸の代わりに
ピロリン酸カリウム0.15gと2−エチルヘキシルト
リポリリン酸カリウム0.15gとを加えた以外はまっ
たく実施例−1と同じ条件で行ない、n−ヘプタンテス
トにおいても沈殿物は認められなかった。
【0081】
【実施例6】実施例−1の方法で得られた反応粗液40
00gを10%Na2 CO3 を加えて中和し、中和上層
液をガラス製薄膜蒸発器にかけて酢酸エチルを追い出し
た。この溶媒追い出し工程は加熱温度80℃、圧力15
0mmHgで、蒸発器には微量の酸素/窒素(10/9
0容量%)の混合ガスを吹込んだ。
【0082】得られた濃縮液中のMETHB純度はガス
クロマトグラフィ−分析の結果95.5%であった。こ
の濃縮液1gをn−ヘプタン10gに溶解したところ透
明であり、製品として合格するものであった。
【0083】
【比較例1】(a) 実施例−1の合成工程における酸素/
窒素(10/90容量%)の混合ガスの代わりに窒素ガ
スのみを吹き込んだ以外はまったく実施例−1と同じ条
件で合成工程を実施してn−ヘプタンテストを行なった
結果、白濁が生じた。
【0084】(b) 実施例−1におけるピロリン酸を加え
ずにその他はまったく実施例−1と同じ条件で合成工程
を実施してn−ヘプタンテストを行なった結果、この場
合も白濁が生じた。
【0085】(c) 実施例−1におけるハイドロキノンモ
ノメチルエ−テルピロリン酸を加えずにその他はまった
く実施例−1と同じ条件で合成工程を実施してn−ヘプ
タンテストを行なった結果、この場合も白濁が生じた。
【0086】
【比較例2】比較例−1(a) の方法で得られた反応粗液
を実施例−5と同様に処理して得られた濃縮液1gをn
−ヘプタン10gに溶解したところ、白濁して沈澱物が
生じた。(以下余白)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C08F 20/32 C08F 20/32 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 303/16 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(化1)で表わされる(メタ)ア
    クリレ―ト化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式(化2)で表わされる(メタ)ア
    クリレ―ト化合物を酸化剤でエポキシ化して一般式(化
    1)で表わされる(メタ)アクリレ―ト化合物を製造す
    ることを特徴とするエポキシ化された(メタ)アクリレ
    ―ト化合物の製造方法。 【化2】
  3. 【請求項3】 請求項2記載の製造方法における反応工
    程および脱低沸および/または製品化工程において、重
    合禁止剤として、分子状酸素含有ガスとともに、下記の
    A群およびB群から選ばれる各々少なくとも1種の化合
    物を共存せしめることを特徴とするエポキシ化された
    (メタ)アクリレ−ト化合物の製造方法 :[A群]ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチル
    エ−テル、P−ベンゾキノン、クレゾ−ル、t−ブチル
    カテコ−ル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノ
    −ル、2−t−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、3−
    t−ブチル−4−メトキシフェノ−ル、2,6−ジ−t
    −ブチル−P−クレゾ−ル、2,5−ジヒドロキシ−P
    −キノン、ピペリジン、エタノ−ルアミン、α−ニトロ
    ソ−β−ナフト−ル、ジフェニルアミン、フェノチアジ
    ン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N、N
    −ジエチルヒドロキシルアミン、 [B群]リン酸水素アンモニウム、ピロリン酸カリウ
    ム、ピロリン酸−2−エチルヘキシルエステル、ピロリ
    ン酸カリウム−2−エチルヘキシルエステル、ピロリン
    酸ナトリウム−2−エチルヘキシルエステルトリポリリ
    ン酸、トリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリ
    ウム、トリポリリン酸−2−エチルヘキシルエステル、
    トリポリリン酸カリウム−2−エチルヘキシルエステ
    ル、テトラポリリン酸、テトラポリリン酸カリウム、テ
    トラポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸−2−エ
    チルヘキシルエステル、テトラポリリン酸カリウム−2
    −エチルヘキシルエステル、テトラポリリン酸ナトリウ
    ム−2−エチルヘキシルエステル、ヘキサメタリン酸カ
    リウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム。
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