JP3051192B2 - エポキシ化された1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ―ルおよびその製造方法 - Google Patents

エポキシ化された1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ―ルおよびその製造方法

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JP3051192B2
JP3051192B2 JP3049387A JP4938791A JP3051192B2 JP 3051192 B2 JP3051192 B2 JP 3051192B2 JP 3049387 A JP3049387 A JP 3049387A JP 4938791 A JP4938791 A JP 4938791A JP 3051192 B2 JP3051192 B2 JP 3051192B2
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methyltetrahydrobenzyl
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epoxidized
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公映 本田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ化された1−
メチルテトラヒドロベンジルアルコ−ルおよびその製造
方法に管する。
【0002】近年、エポキシ化合物は広範な種々の分野
で有用性を増しており、テトラヒドロベンジルアルコ−
ルのごとき脂環式の不飽和化合物をエポキシ化して得ら
れるエポキシ化テトラヒドロベンジルアルコ−ルは重要
性を増してきた。
【0003】エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコ−
ルの類似物であるエポキシ化された1−メチルテトラヒ
ドロベンジルアルコ−ルは、このエポキシを重合させる
ことにより側鎖として水酸基およびメチル基を有するポ
リエ−テル化合物を与えることができる。さらにエポキ
シ樹脂の希釈剤等に用いられる有用な物質である。
【0004】
【従来の技術】エポキシ化された1−メチルテトラヒド
ロベンジルアルコ−ルの製造方法は公知の文献には記さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はエポキ
シ化テトラヒドロベンジルアルコ−ルの改質品であるエ
ポキシ化された1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ
−ルを工業的に製造することが可能な方法を見出だすこ
とにある。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は工業的に製造可能なエポ
キシ化された1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ−
ルの製造方法を見出だすことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記要望に
応え得る方法を提供することを目的として鋭意研究を重
ねた結果、1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ−ル
を酸化剤で、エポキシ化することにより高収率、高純度
でエポキシ化された1−メチルテトラヒドロベンジルア
ルコ−ルを製造する方法を見いだし、本発明を完成させ
た。
【0008】以下に本発明による前記の化1で表される
エポキシ化された1−メチルテトラヒドロベンジルアル
コ−ルの製造方法について詳述する。
【0009】反応出発原料である前記の化2で表される
1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ−ルは無色透明
な液体であり、エポキシ樹脂の中間原料、インキ、塗
料、接着剤として用いられている。
【0010】工業的には1−メチルテトラヒドロベンズ
アルデヒドを触媒下において水素添加することにより製
造される。
【0011】また、用い得る酸化剤は、不飽和結合をエ
ポキシ化できるものなら何でもよく、過ギ酸、過酢酸、
過プロピオン酸、m−クロロ過安息香酸等の有機過酸、
タ−シャリブチルハイドロパ−オキシド、クミルハイド
ロパ−オキシド、テトラリルハイドロパ−オキシド、ジ
イソプロピルベンゼンハイドロパ−オキシド等のハイド
ロパ−オキシド類、過酸化水素等を例として挙げること
ができる。
【0012】その中でも工業プロセス上有機過酸が最も
好ましい。
【0013】酸化剤とともに触媒を併用してもよく、例
えば有機過酸なら、炭酸ソ−ダなどのアルカリや硫酸な
どの酸を触媒として用い得る。
【0014】同じくハイドロパ−オキシドの場合、モリ
ブデンヘキサカルボニル等公知の触媒能を持つ化合物
を、また過酸化水素の場合、タングステン酸と苛性ソ−
ダの混合物等公知の触媒能をもつ化合物を併用すること
が出来る。
【0015】反応は、連続式あるいはバッチ式でおこな
うが、連続の場合はピストンフロ−型式が好ましい。
【0016】またバッチ式の場合は有機過酸を遂次的に
仕込むセミバッチ方式が好ましい。反応をバッチ式で行
う場合は先ず、反応容器内に1−メチルテトラヒドロベ
ンジルアルコ−ルを所定量仕込み、この中に必要に応じ
て触媒、安定剤を溶解させ、この中に酸化剤を滴下して
行う。
【0017】酸化剤と1−メチルテトラヒドロベンジル
アルコ−ルとのモル比は理論的には1であるが本発明の
ように実際には0.1〜10の範囲、好ましくは0.5
〜2の範囲、さらに好ましくは0.8〜1.5の範囲で
ある。
【0018】酸化剤と1−メチルテトラヒドロベンジル
アルコ−ルとのモル比が10より大きい場合は1−メチ
ルテトラヒドロベンジルアルコ−ルの転化率および反応
時間短縮、重合によるロスの減少の点で好ましいが過剰
の酸化剤による副反応や酸化剤の選択率低下及び未反応
の酸化剤を回収する場合、回収に多大の費用を要するの
で好ましくない。
【0019】逆に酸化剤と1−メチルテトラヒドロベン
ジルアルコ−ルとのモル比が0.1以下の場合は酸化剤
の転化率、選択率は高く、酸化剤による生成物の副反応
を防ぐという点で好ましいが、未反応の1−メチルテト
ラヒドロベンジルアルコ−ルの回収に多大の費用を要す
るなどの欠点がある。
【0020】反応温度は、エポキシ化反応が酸化剤の分
解反応に優先するような上限値以下で行い、例えば過酢
酸なら70℃以下、タ−シャリブチルハイドロパ−オキ
シドなら150℃以下が好ましい。
【0021】反応温度が低いと、反応完結に長時間を要
するので、過酢酸なら0℃、タ−シャリブチルハイドロ
パ−オキシドなら20℃の下限値以上で行う事が好まし
い。またエポキシ化の際には酸化剤からの副生等による
有機酸、アルコ−ル、水でエポキシ基が消費される副反
応が生じるので、副反応量が少なくなるような温度を先
述した温度領域から選んで反応を実施する。
【0022】本発明による方法は、一般には常圧下で操
作するが、本発明による方法は加圧または低圧下でも実
施できる。
【0023】また、反応は無溶媒下でも実施できるが、
溶媒存在下のほうが反応粗液の粘度低下、酸化剤の希釈
による安定化等の効果があるため好ましい。
【0024】使用される溶媒としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族化合物、クロロホルム、ジメ
チルクロライド、四塩化炭素、クロルベンゼン等のハロ
ゲン化物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合
物、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合
物、1,2−ジメトキシエタン等のエ−テル化合物等を
用いることが出来る。
【0025】1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ−
ルに対して0.5〜6倍量の溶媒を使用することが望ま
しい。
【0026】0.5倍量より少ない場合、酸化剤の希釈
による安定化効果が少ないため収率の低下を招く。
【0027】6倍量より多くしても効果は変わらず、ま
た溶媒の回収に多大の費用を要するので無駄である。ま
た、通常、系内での爆発混合気形成を回避するため、系
内に窒素ガスを吹き込むのが好ましい。吹き込み位置
は、液中に直接吹き込んでも良いし、気相中に吹き込ん
でも差しつかえない。
【0028】吹き込み量は任意に選べるが、多すぎると
溶媒ロスとなる。
【0029】反応の終点の確認は残存する酸化剤濃度あ
るいはガスクロ分析によるものがよい。反応で得られた
エポキシ化生成物反応粗液は、溶媒、低沸物質、未反応
原料、触媒等の低沸点成分の留去、中和、吸着剤やイオ
ン交換樹脂処理によって精製することが出来る。
【0030】精製処理しなくても使用に耐える品質の最
終製品が得られる場合は、省略することができる。
【0031】特に、酸化剤として有機過酸を用いる場
合、反応粗液を中和せずに低沸点成分を除去すると、有
機酸による1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ−ル
のエポキシ基の開環、あるいはメチロ−ル基による環化
によってロスが大きくなるので低沸点成分を除去する前
に中和する方が好ましい。
【0032】中和に用いるアルカリ水溶液としては例え
ば、NaOH、KOH、2 CO3、Na2 CO3 、N
aHCO3 、KHCO3 、NH3 等のような溶液を使用
することができ、その際その濃度は広い範囲内で自由に
選択できる。
【0033】分液性あるいはロスの点からNaOH水溶
液、Na2 CO3 水溶液を用いるのが望ましい。
【0034】中和水洗工程では、次の脱低沸工程を安定
に操作するために有機酸の中和除去とともに、残存有機
過酸を除去することが重要である。
【0035】そのため使用するアルカリ量は、反応粗液
中の有機酸量に対して等量比で0.5〜3倍量、好まし
くは0.8〜1.5倍量使用するのが良く、必要以上に
量を増やすのは経済的でない。
【0036】また等量比を必要以上に下げた場合、有機
酸を除去するのに多量の水を要するため得策ではない
し、また溶媒等の下層水中への溶媒ロスも増加する。
【0037】中和後水洗せずに低沸成分を除去し缶出液
を製品とすると製品中に中和塩が残存することになるの
で中和後水洗することが望ましい。
【0038】中和及び水洗は、10〜90℃、好ましく
は10〜50℃の温度範囲で行うのが良い。
【0039】また中和水洗時にも爆発混合気形成を回避
するために窒素ガスを吹き込むのが望ましい。
【0040】中和あるいは水洗を行った反応粗液から低
沸成分を除去するには薄膜蒸発器などを用いるのがよ
い。脱低沸工程での加熱温度は、50〜180℃、好ま
しくは80〜100℃で行うのがよい。
【0041】圧力は低沸成分の物性によって任意に選べ
るが加熱温度との関係で減圧で操作するのが一般的であ
る。
【0042】また系内での爆発混合気形成を回避するた
め、あるいは低沸成分を留出しやすくするため系内に窒
素を吹き込むのが通常である。
【0043】吹き込み位置は、任意に選べるが塔底液が
留出するラインから吹き込むのが普通である。
【0044】吹き込み量は任意に選べるが、上限量は真
空系の能力、あるいは塔底液が安定して流下するかどう
か、あるいは留出した低沸点成分をコンデンサ−で捕集
する際の回収ロスをいう観点から自ずと制限される。
【0045】このようにして得られる塔底液は、純度的
に95〜96%と製品並であるが、若干濁りがあり更に
高純度の製品を得るために高沸成分を除去する。
【0046】脱高沸工程は、脱低沸工程と同様に行う
が、更に減圧度あるいは加熱温度を増して留出液として
製品を得るのが一般的である。
【0047】本発明の製造方法を適用できる装置の材質
はステンレス、グラスライニング鋼などが望ましいが鉄
材などでも構わない。
【0048】以下に実施例を示し本発明の効果を具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定
されるものではない。
【0049】〔実施例1〕 水冷用のジャケット付きの内容量8Lの反応器に1−メ
チルテトラヒドロベンジルアルコ−ル866g、酢酸エ
チル3200gを加えた後、過酢酸の30%酢酸エチル
溶液1965gを4時間かけて滴下した。滴下中は反応
温度が30℃を保つようにジャケットに流す温水の温度
を調節した。
【0050】滴下終了後も反応液温度を30℃に4時間
保ち反応を終了した。
【0051】1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ−
ル基準転化率は97%、エポキシ1−メチルテトラヒド
ロベンジルアルコ−ル基準選択率は97%、収率は94
%であった。
【0052】反応粗液5935gを室温まで冷却後、2
0%NaOH水溶液2057gを加え1時間攪拌後、3
0分間静置して分液させる。
【0053】分液後、上層液の低沸成分の除去を行っ
た。
【0054】低沸成分の除去はガラス製スミス式薄膜蒸
発器を用い、圧力150Torr、加熱温度90〜95
℃で、塔底液留出ラインから窒素ガス50Nl/Hrで
仕込んだ。高沸成分の除去もガラス製スミス式薄膜蒸発
器を用い圧力2Torr、加熱温度150℃の条件で行
った。
【0055】ガスクロマトグラフィ−分析の結果、製品
の純度は97%であった。
【0056】このものの元素分析値は次の通りである。
【0057】 〔実施例2〕 反応温度を25℃とした以外は、実施例1と同様の操作
を行った。
【0058】収率は89%であった。(以下余白)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 303/00 - 303/14 C07D 301/00 - 301/14 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化1で表されるエポキシ化された
    1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ−ル。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記の化2で表される1−メチルテトラ
    ヒドロベンジルアルコ−ルを酸化剤で、エポキシ化する
    ことを特徴とする上記の化1で表されるエポキシ化され
    た1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ−ルの製造方
    法。 【化2】
JP3049387A 1991-03-14 1991-03-14 エポキシ化された1−メチルテトラヒドロベンジルアルコ―ルおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP3051192B2 (ja)

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