JP2906275B2 - 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造法 - Google Patents

新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造法

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JP2906275B2 JP14073290A JP14073290A JP2906275B2 JP 2906275 B2 JP2906275 B2 JP 2906275B2 JP 14073290 A JP14073290 A JP 14073290A JP 14073290 A JP14073290 A JP 14073290A JP 2906275 B2 JP2906275 B2 JP 2906275B2
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【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は化合物(I)あるいは(II)からなる組成物
およびそれらの製造法に関するものであり、塗料用樹脂
等の分野において、電着用塗料、粉体用塗料、コーティ
ング剤、ハイソリッド焼付塗料として用い、可とう性の
付与等の優れた特徴を提供せんとするものである。
また電材用原料として、絶縁ワニス、LED封脂剤、半
導体封止剤、等に用いることができる。また、ガラス繊
維の収束剤、光硬化エポキシ等さらには、ハロゲンを含
む化合物や樹脂の安定剤等、幅広い分野に有用な特徴を
提供できるものである。
《従来の技術》 従来用いられている脂環式エポキシ樹脂の代表的なも
のは下記(IV) の構造を有しているものである。
これは塗料分野、電材分野で用いられているが、塗料
として用いた場合、可とう性がなく、また単分子のため
に、COOHまたはその無水物OHあるいはアミン基を有した
高分子または硬化剤と(IV)のエポキシを反応させるた
め、分子量の大きなジエポキシドを与えることができな
い。また、エステル基との分子間距離が近いためエポキ
シの反応性が低いという欠点を有している。
一方、化合物(V) [ただし、Xは以下 である] も同様な用途で用いられているが、これは可とう性の面
で期待した性能が得られないばかりでなく分子量分布を
有したオリゴマーではなく、単分子体であるためであ
る。
《発明の目的》 本発明は前記問題を解決し、可とう性、反応性、耐熱
性に優れた、エポキシ樹脂を提供するものである。
《課題を解決するための手段》 本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討を重
ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は 「下記構造 [Ra、Rbは水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−
ブチル、secブチル、tertブチル基、Ra、Rbは各々の基
に同時に変えることができる。cは1〜7の整数、nは
1〜20の整数] を有する化合物からなる組成物」、 「下記構造(II)) [Ra、Rb;水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−
ブチル、secブチル、tertブチル基、Ra、Rbは各々の基
に同時に変えることができ。
cは1〜7の整数、nは1〜20の整数] を有する化合物からなる組成物」、 「化合物(III) を触媒の存在下ラクトン化合物と反応させることを特徴
とする化合物(I) [Ra、Rbは水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−
ブチル、secブチル、tertブチル基、Ra、Rbは各々の基
に同時に変えることができる。cは1〜7の整数、nは
1〜20の整数] からなる組成物の製造方法」 および 「化合物(I) をエポキシ化剤の存在下0〜70℃でエポキシ化すること
を特徴とする化合物(II) [Ra、Rb;水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−
ブチル、secブチル、tertブチル基、Ra、Rbは各々の基
に同時に変えることができる。cは1〜7の整数、nは
1〜20の整数] からなる組成物の製造方法」 である。
以下本発明を詳細に説明する。
先ず、最初の発明である化合物(I)からなる組成物
の製造方法について述べる。
[原料] 化合物(I)の原料としては前記化合物(III)とラ
クトンモノマーである。
化合物(III)は一般に(IV)の原料として工業的に
生産されており、ブタジエンとアクロレインのディール
スアルダン反応によりテトラヒドロベンズアルデヒドを
生産し、これをさらに一般的に言うティッシェンコ反応
によるエステル化によって得ることができる。一方、ラ
クトンモノマーはε−カプロラクトン、トリメチルカプ
ロラクトン、β−メチルδバレロラクトンである。
ε−カプロラクトンは、シクロヘキサノンを過酸によ
るバイヤービリガー反応で工業的に生産されている。ト
リメチルカプロラクトンはイソホロンの水素化により得
ることができ、これを過酸によるバイヤービリガー反応
で工業的に生産できる。用いる過酸はたとえば過ギ酸、
過酢酸、過プロピオン酸、過安息香酸、m−クロロ過安
息香酸等の有機カルボン酸、過酸化水素と、酢酸、無水
酢酸ないし硫酸によって作られる過酢酸などが挙げられ
る。
β−メチルγ−バレロラクトンは、2−ヒドロキシ−
4−メチルテトラヒドロピランを原料として製造するこ
とができる。
[反応条件] 化合物(III)1モルに対し、挿入させる所定量のラ
クトンを加えることができる。加えるラクトンは1〜20
モル、好ましくは1〜10モルである。20モル以上では得
られる化合物(I)が柔らかすぎて目的とする物性を得
にくいためである。反応を行うには一定量の触媒を用い
ることが有効である。
用いる触媒としては、オクチル酸スズ、ジブチルスズ
オキシドジブチルスズラウレート等の有機スズ、さらに
は塩化第1スズ、臭化第1スズ、ヨウ化第1スズ等のハ
ロゲン化スズが有効である。これらを用いるとき触媒を
活性化するためギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸を
併用することが可能である。
また、リンタングステン酸、ケイタングステン酸等の
ヘテロポリ酸も有効である。さらに、塩化マグネシウ
ム、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシ
ド、またアルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム
ザトキシド等の金属、また、テトラブチルチタネート、
テトラプロピルチタネート、テトラエトキシチタネート
等の触媒を用いることができる。
触媒の使用量は1000ppmから0.01ppm、好ましくは、20
0ppmから0.1ppmである。使用量が1000ppm含まれる場合
反応速度を大きくすることは可能である。しかし最終製
品に悪影響を与える可能性があり、除去操作を必要とす
る場合があり好ましくない。
一方、0.01ppm以下の場合、触媒効果が小さく反応の
完結に多くの時間を必要とするため経済的に有利な方法
でない。化合物(III)へのラクトンの付加反応は、100
〜250℃の範囲で行うことができる。100℃より低い場合
は反応速度が小さく、また250℃より高い場合は着色の
度合いが大きくなり、また分解反応が起り易くなり好ま
しくない。反応は無溶剤で行なってもよいし、トルエ
ン、キシレンおよび高沸点の炭化水素溶剤等の活性水素
を持たない不活性な溶媒中で行なってもよい。また、無
溶剤で反応を行った後、各種溶媒で希釈し粘度を下げ、
取り扱い易くすることもできる。
本反応を行う場合以上の条件で反応は進行する。しか
し驚くべきことに微量の水酸基を有する化合物を添加す
ることにより反応速度は極めて増大することが見出され
た。
用いる水酸基を有する化合物はたとえば、水、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,6ヘキサンジオール、3−メチルペ
ンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ト
リメチロールエタン、ペンタエリスリトール等を用いる
ことができる。
用いる量は、化合物(I)中のOH価として0.01〜50好
ましくは0.1〜10である。0.01より小さい場合水酸基を
含有する化合物の添加効果が小さく、一方、50以上の場
合反応の促進効果は大きいが、目的とする化合物の物性
を低下させる恐れがあるからである。
反応を行う原料の仕込方法には限定はない。
原料(III)、ラクトン、触媒、反応促進剤は各々ど
の順序で仕込んでもよい。
触媒の仕込みについては、反応粗液中数ppmの含有量
であり、仕込みにくいので、他の原料で希釈して仕込む
こともできる。
反応の雰囲気は窒素であることが好ましい。
酸素が混入しても反応の進行に大きな影響はでない
が、製品の着色に影響を与えることもあるし、気相での
爆発混合気の形成の可能性もあるからである。
反応終了後、粗液は(III)で示した化合物が主成分
であるが、他に副生物としていくつかの化合物が混ざっ
ていると考えられる。
たとえば、(III)に対しラクトンを数モル加え、促
進剤として一般式HOROHで表わされるジオール化合物を
加え触媒の存在下反応させるたとえば以下のような組成
の化合物を含有した生成物が得られる。
[以上(I)および(VI)〜(IX)において、Ra、Rb;
水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、se
cブチル、tertブチル基、Ra、Rbは各々の基に同時に変
えることができる。cは1〜7の整数、nは1〜20の整
数] 一方、(II)はnモルの付加物であるが、n=0、
1、2、3・・・・であり分子量分布を有しており、全
く原料の(III)のままである化合物も存在する。
他の副生物も同様にn=0、1、2、3・・・の付加
した分布を有した化合物である。これらの組成物はその
まま使用できる。
また、必要に応じ分離精製して使用することもでき
る。たとえば、水洗することにより低分子末端OHを有し
た化合物を除去することもできるし、クロマトグラフィ
ーによる分離も可能である。上記生成物としてはラクト
ンとしてε−カプロラクトンを用いた場合、たとえば (A1)を主成分として(A1)〜(A4)からなる混合物と
して得られる。
また、ラクトンとしてβ−メチルγ−バレロラクトン
を用いた場合、 を主成物とする組成物が得られる。
また、ラクトンとして3,3,5トリメチルカプロラクト
ンを用いた場合、 を主成物とする組成物が得られる。
また、ラクトンとして3,5,5トリメチルカプロラクト
ンを用いた場合、 を主成物とする組成物が得られる。
用いるラクトンは単独で使用するとは限らない。ε−
カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ト
リメチルカプロラクトンの中から2種類以上任意に組合
せることができるし、3種類以上用いることも可能であ
る。
数種類のラクトン化合物を組合せた場合(A)(B)
(C)(D)のラクトン開環構造のランダムな組合せ構
造を有するものが得られる。
次に、2番目の発明である化合物(II)からなる組成
物の製造方法についてのべる。
[原料] 化合物(I)と過酸を反応させることにより化合物
(II)を得ることができる。化合物(I)は(III)と
ラクトンを反応して得られた混合物でよい。場合によっ
ては水洗により低分子化合物を除去することができる。
また、クロマトグラフィーにより分離精製したものを
用いてもよい。
化合物(I)の粗液中の触媒は必ずしも除去する必要
はないが、除去する場合には吸着等の方法が用いられ
る。エポキシ化する場合のエポキシ化剤としては過酸ま
たは種々のハイドロパーオキサイド類を用いることがで
きる。
たとえば、過酸としては過ギ酸、過酸酸、過プロピオ
ン酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸等がある。この
うち過酢酸は工業的に大量に製造されており、安価に入
手でき、安定度も高いので好ましいエポキシエポキシ化
剤である。
ハイドロパーオキサイド類としては過酸化水素、ター
シャリブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキ
サイド、メタクロロ過安息香酸等がある。エポキシ化の
際には必要に応じて触媒を用いることができる。
例えば、過酸の場合、炭酸ソーダ等のアルカリや硫酸
などの酸を触媒として用い得る。また、ハイドロパーオ
キサイド類の場合、タングステン酸と苛性ソーダの混合
物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過酸化水素と、あ
るいはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチル
ハイドロパーオキサイドと併用して触媒効果を得ること
ができる。
[反応条件] エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じて溶媒使用
の有無や反応温度を調節して行なう。用いるエポキシ化
剤の反応性によって使用できる反応温度域は定まる。好
ましいエポキシ化剤である過酢酸についていえば0〜70
℃の範囲が好ましい。0℃未満では反応が遅く、70℃を
越える温度では過酢酸の分解がおきる。
また、ハイドロパーオキサイドの1例であるターシャ
ルブチルハイドロパーオキサイド/モリブデン二酸化物
ジアセチルアセトナート系では同じ理由で20℃〜150℃
が好ましい。
溶媒は原料粘度の低下、エポキシ化剤の希釈による安
定化などの目的で使用することができる。過酢酸の場合
であれば芳香族化合物、エーテル化合物およびエステル
化合物等を用い得る。特に酢酸エチルあるいはキシレン
は好ましい溶媒である。たとえば過酸の場合、炭酸ソー
ダなどのアルカリや硫酸などの酸も触媒として用い得
る。
不飽和結合に対するエポキシ化剤の仕込みモル比は不
飽和結合をどれくらい残存させたいかなどの目的に応じ
て変化させることができる。
エポキシ基が多い化合物が目的の場合、エポキシ化剤
は不飽和基に対して等モルかそれ以上加えるのが好まし
い。
ただし、経済性、および次に述べる副反応の問題から
10倍モルを超えることは通常不利であり、過酢酸の場合
1〜5倍モルが好ましい。
エポキシ化反応の条件によって二重結合のエポキシ化
と同時に原料中の置換基がエポキシ化剤と副反応を起こ
した結果、変性された置換基が生じ、目的化合物中に含
まれてくる。しかし得られた製品中に微量の副生物が混
入し、色相あるいは酸価に悪影響を生じることがある。
これを防止するために以下の添加剤少なくとも1種類添
加できる。
リン酸、リン酸−カリウム、リン酸−ナトリウム、リ
ン酸水素アンモニウムナトリウム、ピロリン酸、ピロリ
ン酸カリ、ピロリン酸ナトリウム、2−エチルヘキシル
ピロリン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルピロリン酸
カリウム、2−エチルヘキシルトリポリリン酸ナトリウ
ム、2−エチルヘキシルトリポリリン酸カリウム、2−
エチルヘキシルテトラポリリン酸ナトリウム、2−エチ
ルヘキシルテトラポリリン酸カリウム、添加量は反応粗
液中10ppm〜10000ppm、好ましくは50ppm〜1000ppmであ
る。
これらの添加効果としては一般に反応器あるいは原料
等から混入した金属等をキレート化し不活性化する作用
であると考えられる。
[精製] 生成物は種々の方法で分離を行うことができる。得ら
れた反応粗液はそのまま溶媒等を留去し、これを製品と
することもできる。
脱低沸条件は50℃〜200℃、好ましくは80〜160℃であ
る。
また、各溶剤類の沸点に応じて減圧度を調整して反応
させることができる。
本反応においても微量不純物を生成するのでこれを除
去するために水洗を行うことは好ましい。水洗を行うに
あたり、反応粗液にベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族化合物あるいはヘキサン、ヘプタン、オクタンの
様な炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類
を用いることができる。
水洗量は反応粗液volの0.1〜10倍、好ましくは1〜5
倍である。
また、微量の酸を除くためにアルカリ水溶液で洗浄に
さらに水で洗浄することも有効な方法である。用いるア
ルカリ水溶液としては例えばNaOH、KOH、K2CO3、Na2C
O3、NaHCO3、KHCO3、NH3などのようなアルカリ性物質の
水溶液を使用することができる。使用する際の濃度はひ
ろい範囲で自由に選択することができる。
アルカリ水洗および水洗は10〜90℃、好ましくは10〜
50℃の温度範囲で行うのがよい。水洗した液を2層に分
離させた後有機層を取り出し、脱低沸させ製品を取り出
すことができる。脱低沸は50〜200℃、好ましくは80〜1
60℃であり、各溶剤類の沸点に応じ減圧度を調節して行
うことができる。
反応は連続あるいはバッチのいかなる方法でも行うこ
とができる。
バッチ方式の場合は原料(I)および添加剤を反応器
に投入した後エポキシ化剤を滴下して行く方法がよい。
これを水洗する場合、水洗後2層に水離し有機層を蒸
発器で蒸発させ製品化する。連続で行う場合、原料
(I)とエポキシ化剤、添加剤を反応器に連続で仕込み
連続で抜き取ることができる。
反応器は完全混合槽、ピストンフロー型等いかなるタ
イプでもよい。
得られた生成物は(II)を主成分とした組成物であ
る。
生成物(II)の組成は原料(I)の組成によりほぼ決
まる。生成物(I)の組成物は以下のようなものを主と
して成分としていると考えられる。
上記生成物としてラクトンにε−カプロラクトンを用
いた場合(II)を主成分とした以下の他生成物を主とし
て含有したものが得られると考えられる。
以上4種類の化合物を(A′)とする。
β−メチルγ−バレロラクトンをラクトンとして用い
た場合 また、ラクトンとして3,3,5トリメチルカプロラクト
ンを用いた場合、 を主成物とする組成物が得られる。また、3,3,5トリメ
チルカプロラクトンを用いた場合 ε−カプロラクトン、β−メチルδ−バレロラクト
ン、トリメチルカプロラクトン等から数種類組合せて製
造した(I)を用いてエポキシ化した生成物は(A′)
(B′)(C′)(D′)の各々のラクトン部分の構造
をランダムに組合せた構造を有している。ラクトンの付
加モル類によって異なるがn=0、1、2、3・・・で
あり、ラクトンの付加していないエポキシ化合物も含有
している。
これらは分子量分布を有しているためで平均的に挿入
されたラクトンの付加モル数がnの値である。一方、エ
ポキシは水、あるいは酸で微量ではあるが開環している
可能性があり [ただし、R=H、アセチル基、プロピル基など]も微
量含有している。
ここで得られた(II)組成物はそのまま使用できる。
また、必要に応じクロマトグラフィー等により精製して
使用することもできる。
以下実施例をあげて本発明を具体的に説明するが本発
明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではな
い。
実施例1 窒素導入管、温度計、冷却器、攪拌装置を備えたフラ
スコに1,2,5,6−テトラヒドロベンジル−1,2,5,6−テト
ラヒドロベンゾエート[本文中化合物(III)]1211.7
g、ε−カプロラクトン626.9g、ジエチレングリコール
8.51g、触媒としてテトラブチルチタネートの1%ヘプ
タン溶液、9.20gを入れ、窒素を通じながら220℃で27時
間加熱した。
この時、残存している1,2,5,6−テトラヒドロベンジ
ル−1,2,5,6−テトラヒドロベンゾエートは30.17w%、
ε−カプロラクトンは0.16w%であった。
得られた二重結合を有する化合物について下記性状 外観(APHA) AV(mgKOH/g) OHV(mgKOH/g) 粘度(cp,45℃) 水分(%) を調べ表−1に記した。
また、第1図は1HNMRスペクトル、第に図はIRスペク
トル、第三図はGPCチャートである。1HNMRスペクトルは
日本電子(株)のJNM−EX90分光機を用い、CDCl3中室温
で測定することにより得られた。1 HNMRスペクトルではδ5.6に二重結合に起因するピーク
(Ha)、δ3.9〜4.2の多重線は酸素の隣りのメチレン水
素(Hb、Hb)に帰属できる。
IRスペクトルは島津製作所のIR−435を用いNaCl板に
塗り測定することにより得られた。IRスペクトルでは17
28cm-1にカルボニル基に起因する吸収がみられ、さらに
シクロヘキセニル基の二重結合に特有の吸収、3020c
m-1、1659cm-1、および647cm-1がみられた。
またGPCにおいて分子量分布があることにより、前述
したようなエステル交換反応がおこっていることがわか
る。
以上のことにより、得られた二重結合を有する化合物
の主成分の示性式は以下のように示される。
以下、実施例2〜9を表1に示す。
実施例10 温度計、冷却器、攪拌装置および冷却用ジャケットが
付いた内容量2000ccのフラスコに実施例1で得た化合物
(III)を含む組成物を167.2gr、酢酸エチル150.0grを
入れ50℃に保った。
これに過酢酸溶液(濃度30%)および2−エチルヘキ
シルトリポリリン酸ナトリウム1.48grを2時間かけて滴
下した。
その後50℃でさらに2時間保ち、反応粗液の過酢酸濃
度を0.1%以下とした。得られた反応粗液に320grのイオ
ン交換水を加え30分50℃で攪拌した。これを約40分静置
して、上層、下層に分離させた。
下層は約20分かけ徐々に抜き取った。
残った上層に150mlの酢酸エチルを加え、同条件で後
2回同様の操作を行った。得られた上層液はガラス製ス
ミス式薄膜蒸発器で脱低沸処理した。
操作条件は加熱温度150℃、圧力10mmHgであった。脱
低液の取得量より収率は95%であった。その他性状は表
−2に記す。
1HNMRスペクトル(溶媒CDCl3、室温)では、原料の二
重結合に起因するδ5.6のピークが、エポキシ化により
δ(ppm)3.2に高磁場シフトする(Hc)。これにより二
重結合がエポキシ化されたことがわかる。また、δ(pp
m)3.8〜4.2の多重線は酸素原子の隣りのメチレン水素
(Hd、Hd)に帰属できる(図−4)。
IRスペクトル(NaCl板)では、1734cm-1にC=0に起
因する吸収がみられ、さらにエポキシ化合物に特有の吸
収785cm-1、1250cm-1、がみられた(図−5)。
以上のことより、得られたエポキシ化合物の主成分の
示性式は次のようであることがわかる。
以下、実施例11〜15の結果を表2に示す。
実施例−16 窒素導入管、温度計、冷却器、攪拌装置を備えたフラ
スコに化合物(III)1211.0g、ε−カプロラクトン300.
0gr、β−メチルδバレロラクトン326gr、ジエチレング
リコール8.51gr、触媒としてテトラブチルチタネートの
1%ヘプタン溶液、9.20grを入れ窒素を通じながら220
℃で27時間反応した。
残存している化合物(III)は30.0%ε−カプロラク
トンは0.01%、β−メチルδバレロラクトンは3.0%で
あった。
外観(APHA) 100 AV(mgKOH/g) 0.1 OHV( 〃 ) 4.86 水分(%) 0.01% であった。
実施例−17 上記β−メチルδバレロラクトンの変わりにトリメチ
ルカプロラクトン(3,5,5トリメチルカプロラクトンと
3,5,5トリメチルカプロラクトン混合物)326.0grを加え
た他は実施例16と同様に行った。
残存している化合物(III)は31.0%ε−カプロラク
トンは0.10%、トリメチルカプロラクトンは3.0%であ
った。
外観(APHA) 1000 AV(mgKOH/g) 0.1 OHV( 〃 ) 4.86 水分(%) 0.01% であった。
実施例−18、19 実施例−16、17で得た生成物を用いた他は実施例−10
と同様に行った。
得られた化合物の性状は表−2に記す。
比較例−1 実施例−10において2−エチルヘキシルトリポリリン
酸ナトリウムを添加せずに行った他は同様。酸価の2.8
と高いものが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた組成物の1HNMRスペクト
ル、第2図は同IRスペクトル、第3図は同ゲルパーミエ
イションクロマトグラフのチャートである。 第4図は実施例10に於いて得られた組成物の1HNMRスペ
クトル、第5図は同IRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 59/22 C08G 59/22 63/08 63/08 63/91 63/91 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/75 C07D 303/16 C08G 63/08,63/91,59/22 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造 [Ra、Rbは水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−
    ブチル、secブチル、tertブチル基、Ra、Rbは各々の基
    に同時に変えることができる。cは1〜7の整数、nは
    1〜20の整数] を有する化合物からなる組成物。
  2. 【請求項2】下記構造(II)) [Ra、Rb;水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−
    ブチル、secブチル、tertブチル基、Ra、Rbは各々の基
    に同時に変えることができる。 cは1〜7の整数、nは1〜20の整数] を有する化合物からなる組成物。
  3. 【請求項3】化合物(III) を触媒の存在下ラクトン化合物と反応させることを特徴
    とする化合物(I) [Ra、Rbは水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−
    ブチル、secブチル、tertブチル基、Ra、Rbは各々の基
    に同時に変えることができる。cは1〜7の整数、nは
    1〜20の整数] からなる組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】水酸基を有する化合物を(I)中OH価とし
    て0.01〜50加えることを特徴とする特許請求の範囲第
    (3)項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】用いるラクトンがε−カプロラクトン、ト
    リメチルカプロラクトン、β−メチルδバレロラクトン
    から選ばれるいずれか一つまたは2以上である特許請求
    の範囲第(3)項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】化合物(I) をエポキシ化剤の存在下0〜70℃でエポキシ化すること
    を特徴とする化合物(II) [Ra、Rb;水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−
    ブチル、secブチル、tertブチル基、Ra、Rbは各々の基
    に同時に変えることができる。cは1〜7の整数、nは
    1〜20の整数] からなる組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】エポキシ化反応の際、以下の添加剤リン
    酸、リン酸−カリウム、リン酸−ナトリウム、リン酸水
    素アンモニウムナトリウム、ピロリン酸、ピロリン酸カ
    リ、ピロリン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルピロリ
    ン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルピロリン酸カリウ
    ム、2−エチルヘキシルトリポリリン酸ナトリウム、2
    −エチルヘキシルトリポリリン酸カリウム、2−エチル
    ヘキシルテトラポリリン酸ナトリウム、2−エチルヘキ
    シルテトラポリリン酸カリウムから選ばれる少なくとも
    1種類を加えることを特徴とする特許請求の範囲第
    (5)項記載の化合物からなる組成物の製造方法。
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