JPH0822902B2 - エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂の製造方法

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JPH0822902B2
JPH0822902B2 JP29444288A JP29444288A JPH0822902B2 JP H0822902 B2 JPH0822902 B2 JP H0822902B2 JP 29444288 A JP29444288 A JP 29444288A JP 29444288 A JP29444288 A JP 29444288A JP H0822902 B2 JPH0822902 B2 JP H0822902B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エーテル基とビニル性2重結合を合わせ持
つポリエーテル化合物のビニル性2重結合をエポキシ化
剤を用いてエポキシ化することによって得られる脂環式
エポキシ樹脂であって、かつ、末端に有機カルボン酸エ
ステル構造を有する新規な脂環式エポキシ樹脂の製造方
法に関する。
さらに詳しくは、耐熱性、耐候性、耐水性が改良さ
れ、かつ、粘度が低く吸水性が改良された新規な脂環式
エポキシ樹脂の製造方法に関する。
[従来技術] 産業界において現在最も広く使用されているエポキシ
樹脂はビスフェノールとエピクロルヒドリンとの反応に
よって製造される、いわゆる、エピービス型エポキシ樹
脂である。
この樹脂は液体から固体まで幅広い製品が得られ、し
かもエポキシ基の反応性は高く、ポリアミンで常温硬化
できるという利点を有している。
しかしながら、その硬化物は耐水性に優れ、強靱であ
るという特徴があるにもかかわらず耐候性が悪いこと、
耐トラッキング性など電氣特性が悪いこと、熱変形温度
が低いことなどの欠点がある。とくに最近,超LSIなど
の封止用樹脂にフェノールやノボラック樹脂とエピクロ
ルヒドリンと反応させたエポキシ樹脂が使用されている
が、樹脂中に塩素が数100ppm含まれ、それが電気部品の
電気特性を悪くするなどの問題が起きている。塩素を含
まず電気特性、耐熱性に優れたエポキシ樹脂としては脂
環式エポキシ樹脂がある。
これらの樹脂のエポキシ基は、いわゆる、内部エポキ
シ基であり、通常、酸無水物による加熱硬化が行なわれ
ているが、反応性が低いためポリアミンによる常温硬化
はできない。そのため脂環式エポキシ樹脂の使用範囲を
著しく狭いものにしている。上記のような欠点を改良し
た脂環式エポキシ樹脂として例えば、特開昭60−166675
号公報、同60−161940号公報(=USP 4,565,859)など
に開示されたものがある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記のエポキシ樹脂は本発明の製造方
法に使用されるエポキシ樹脂と同じものであり、下記の
構造 を含んではいるが、末端がOH基であるため比較的低分子
量のものでも粘度が高くなってしまうこと、また、硬化
物の吸水率が高いことなど一部問題が残されている。そ
のためにエポキシ樹脂を改質する試みがなされている
が、充分なものは得られていない。このような状況から
本発明者らが検討した結果、前記公報に開示された脂環
式エポキシ樹脂の分子末端のOH基の一部または全部にエ
ステル結合を導入することにより低粘度化を達成し、そ
の結果、硬化物の耐水性が改良されることを見出だし、
本発明に至った。
[発明の構成] すなわち、本発明は 「下記一般式(I) [但し、一般式(I)において、Bはオキシシクロヘキ
サン骨格で構成され、次式で表わされる、 ただし、Xは R2はH、アルキル基、アルキルカルボニル基、アリー
ルカルボニル基、のうちのいずれか一つであるが、 を式(I)の樹脂中に少なくとも1個以上含まれること
が必要である、 R1はlケの活性水素を有する有機化合物から活性水素
を除いた残基、n1、n2・・・・・nlはそれぞれ0又は1
〜100の整数で、その和が1〜100である、lは1〜100
の整数を表わす]で表わされるエポキシ樹脂と有機カル
ボン酸とを反応させることを特徴とする末端に有機カル
ボン酸エステル残基を有するエポキシ樹脂の製造方法」 および 「下記一般式(II) [但し、一般式(II)において、Aはオキシシクロヘキ
サン骨格で構成され、次式で表わされる、 R1はlケの活性水素を有する有機化合物から活性水素を
除いた残基、n1、n2・・・・・nlはそれぞれ0又は1〜
100の整数で、その和が1〜100である、lは1〜100の
整数を表わす]で表わされるポリエーテル化合物と有機
カルボン酸とを反応させ、次いで、エポキシ化剤でエポ
キシ化することを特徴とする末端に有機カルボン酸エス
テル残基を有するエポキシ樹脂の製造方法」 である。
次に本発明について詳述する。
本発明の製造方法(1)および(2)における一般式
(I)で表わされるエポキシ樹脂または一般式(II)で
表わされるポリエーテル化合物において、R1は活性水素
を有する有機化合物から活性水素を除いた残基である。
その前駆体である活性水素を有する有機物としては、
アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミン
類、チオール類等があげられる。
アルコール類としては、1価のアルコールでも多価ア
ルコールでもよい。
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、パンタノール、ヘキサノール、オクタノール等
の脂肪族アルコール、ベンジルアルコールのような芳香
族アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1.3ブタンジオール、1.4ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、1.6ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、オキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステ
ル、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ジグリ
セリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ト
リメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトールなどの多価アルコール等がある。
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、カ
テコール、ピロガロール、ハイドロキノン、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス
フェノーリS、フェノール樹脂、クレゾールノボラック
樹脂等がある。
カルボン酸類としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、動植物油の脂肪酸、フマル酸、マレイン酸、アジピ
ン酸、ドデカン2酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、ポリアクリル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等がある。
また、乳酸、クエン酸、オキシカプロン酸等、水酸基
とカルボン酸を共に有する化合物もあげられる。
アミン類としてはモノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミ
ン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチル
アミン、ドデシルアミン、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、イソホロンジアミン、トリエンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、キシレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン
等がある。
チオール類としてはメチルメルカプタン、エチルメル
カプタン、プロピルメルカプタン、フェニルメルカプタ
ン等のメルカプト類、メルカプトプロピオン酸あるいは
メルカプトプロピオン酸の多価アルコールエステル、例
えばエチレングリコールジメルカプトプロピオン酸エス
テル、トリメチロールプロパントリメルカプトプロピオ
ン酸、ペンタエリスリトールペンタメルカプトプロピオ
ン酸等があげられる。
さらにその他、活性水素を有する化合物としてはポリ
ビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分加水分解物、デ
ンプン、セルロース、セルロースアセテート、セルロー
スアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロー
ス、アクリルポリオール樹脂、スチレンアリルアルコー
ル共重合樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アル
キッド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエステ
ルカルボン酸樹脂、ポリカプロラクトンポリオール樹
脂、ポリプロピレンポリオール、ポリテトラメチレング
リコール等がある。
また、活性水素を有する化合物は、その骨格中に不飽
和2重結合を有していても良く、具体例としては、アリ
ルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、3−シクロ
ヘキセンメタノール、テトラヒドロフタル酸等がある。
これら活性水素を有する化合物であればどのようなも
のでも用いることが出来それら2種以上を混合して用い
てもよい。
本発明の製造方法(1)における一方の出発原料であ
る一般式(I)で表わされるエポキシ樹脂において、X
はその全てまたは一部が下記式で表わされるエポキシ基
を有するオキシシクロヘキサン骨格で構成され、該骨格
が少なくとも1分子中に1個以上含まれることが必須で
ある。
上記基本骨格はブタジエンの二量化により得られる4
−ビニルシクロヘキセンを部分エポキシ化した4−ビニ
ルシクロヘキセン−1−オキシドが開環した下記骨格
(III) のビニル基をエポキシ化剤を用いてエポキシ化したもの
である。
一般式(I)および一般式(II)において、4−ビニ
ルシクロヘキセン−1−オキシド以外のエポキシ基を1
個以上有するエポキシ化合物が開環した骨格を含んでい
ても差し支えはない。エポキシ基を1個以上有する化合
物は2種類以上使用しても良い。
具体的には以下のような化合物が挙げられる。
n=2〜25で表わされるα−オレフィンエポキサイド (R5、R6、R7はC9〜C11のtert−カルボン酸のエステ
ル) などの脂環型エポキシ樹脂 (ただし、Ryは水素原子、アルキル基など)どのポリア
ルコールおよびポリグリコールのグリシジルエーテル、
エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油などのポリオレ
フィン型エポキシ樹脂、ジグリシジルヒダントイン、ト
ログリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ
樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ト
リグリシジルP−アミノフェルノールなどのグリシジル
アミン系樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラ
ヒドロフタル酸ジグリシジルエステレルなどのグリシジ
ルエステル系樹脂、その他、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック
型エポキシ樹脂などが挙げることができる。
本発明の製造方法(1)および(2)における一般式
(I)で表わされるエポキシ樹脂または一般式(II)で
表わされるポリエーテル化合物において、n1、n2・・・
nlはそれぞれ0または1〜100の整数で、その和が1〜1
00である。n1、n2・・・nlの和が100を越えると分子量
が高くなり過ぎて実際上は使用できるものとはならな
い。
lは一般式(I)で表わされるエポキシ樹脂における
R1の前駆体である開始剤の活性水素を有する化合物の活
性水素の数であり、1〜100の整数である。
一般式(I)で表わされるエポキシ樹脂にまたは一般
式(II)で表わされるポリエーテル化合物おける−OHは
その全てまたは一部が有機カルボン酸とのエステル化反
応によりカルボン酸エステル残基に変性され、少なくと
も1分子中に1個以上の該カルボン酸エステル残基を含
むことが必須である。
使用される有機カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸などを挙げることができる。
また、一部のOHはそのままであっても良い。さた、一
般式(I)で表わされる本発明の最初の製造方法におけ
る出発原料であるエポキシ樹脂を得るためには先ず、前
記各種の活性水素をl個有する化合物とエポキシ基を1
個以上有する化合物(4−ビニルシクロヘキセン−1−
オキシドを含む)とを触媒存在下で反応させる。この反
応で得られる化合物は一般式(I)で表わされるエポキ
シ樹脂における側鎖Xの部分が全てビニル基であるポリ
エーテル化合物である。
即ち、以下の構造を有している。
[但し、一般式(II)において、Aはオキシシクロヘキ
サン骨格で構成され、次式で表わされる、 [R1、lおよびn1、n2・・・nlは前記一般式(I)の場
合と同じである]。
反応時に用いられる触媒としてはメチルアミン、エチ
ルアミン、プロピルアミン、ピペラジン等のアミン類、
ピリジン類、イミダゾール類等の有機塩基、テトラブチ
ルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、硫酸、塩酸等
の無機酸、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属類の
アルコラート類、KOH、NaOH等のアルカリ類、BF3、ZnCl
2,AlCl3、SnCl4等のルイス酸又はそのコンプレックス
類、トリエチルアルミニウム、ジエチル亜鉛等の有機金
属化合物をあげることができる。
触媒の量は種類によって異なるが、出発原料に対して
0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%の範囲で使用するこ
とができる。
反応温度は−20〜200℃、好ましくは0℃〜120℃であ
る。
反応は溶媒を用いて行なうこともできる。
溶媒としては活性水素を有しているものは使用するこ
とができない。
すなわち、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンのようなケトン類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような芳香族溶媒その他エーテル、脂肪
族炭化水素、エステル類等を使用することができる。
反応に供する原料の仕込みモル比は以下の通りであ
る。
開始剤である活性水素を有する化合物1モルに対して
4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドを1〜100モ
ル、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド以外のエ
ポキシ基を1個以上有する化合物を99〜0モルの範囲で
混合して、エポキシ化合物の合計が100モル以下になる
ようにして反応させる。
エポキシ化合物の合計100モル中4−ビニルシクロヘ
キセン−1−オキシドが1モル以下の場合にはビニル基
の含有量が少くなるため、シクロヘキサン骨格の特徴が
出ない。逆に、エポキシ化合物の合計が100モルを越え
ると活性水素を有する化合物の開始剤としての働きがな
くなるうえ、分子量が高くなりすぎて実際上使用できる
ものとはならない。
また、エポキシ基を2個以上有する化合物を使用する
時は4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドに対して
50モル%以内になるように混合する。50モル%を越える
ように混合すると分子量が高くなりすぎて実際上使用で
きるものとはならない。
次に、一般式(I)で表わされるエポキシ樹脂または
一般式(II)で表わされるポリエーテル化合物の末端OH
基のエステル化反応またはエステル交換反応の部分につ
いて述べる。
エステル化剤としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸など
の有機カルボン酸類およびその塩、塩化アセチル、塩化
ベンゾイルなどのハロゲン化アミン類、無水酢酸、無水
プロピオン酸などの有機カルボン酸無水物などを挙げる
ことができる。
また、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類との
エステル交換反応を行なっても良い。
エステル化反応およびエステル交換反応の際、触媒は
使用しなくても良いが、硫酸、トルエンスルホン酸など
のプロトン酸、BF3、SnCl3などのルイス酸およびその錯
塩、ピリジン、NaOHなどの塩基類など通常用いられる触
媒を使用することもできる。
触媒の使用量は種類によって異るが、出発原料に対し
て10%以下、好ましくは5%以下である。エステル化剤
の種類と量、反応条件を選定することにより末端のOH
基、カルボン酸エステル基の比率を調節することができ
るが、1分子中1つ以上のOH基をエステル化する必要が
ある。
エステル化反応およびエステル交換反応の温度は−20
〜200℃、好ましくは,0〜200℃である。
反応をコントロールするために溶媒を使用することも
できる。
以上のようにして得られた末端OH基の一部をカルボン
酸エステル化またはエステル交換反応した一般式(II)
で表わされるポリエーテル化合物の側鎖のビニル基をエ
ポキシ化するまたは一般式(I)で表わされるエポキシ
樹脂の末端OH基の一部をカルボン酸エステル化またはエ
ステル交換反応することにより末端に有機カルボン酸エ
ステル残基を有するエポキシ樹脂が得られる。
次に、エポキシ化反応の部分について述べる。エポキ
シ化剤を作用させる場合,用い得るエポキシ化剤として
は過酸類、およびハイドロパーオキサイド類をあげるこ
とができる。
過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフ
ルオロ過酢酸などがある。
このうち、過酢酸は工業的に大量に製造されており、
安価に入手でき、安定度も高いので好ましいエポキシ化
剤である。
ハイドロパーオキサイド類としては過酸化水素、ター
シャリブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキ
サイド等がある。
エポキシ化の際には必要に応じて触媒を用いることが
できる。
例えば、過酸の場合、炭酸ソーダ等のアルカリや硫酸
などの酸を触媒として用い得る。また、ハイドロパーオ
キサイド類の場合、タングステン酸と苛性ソーダの混合
物を過酸化水素と、あるいは有機酸を、過酸化水素と、
あるいはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチ
ルハイドロパーオキサイドと併用して触媒効果を得るこ
とができる。
エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じて溶媒使用
の有無や反応温度を調節して行なう。用いるエポキシ化
剤の反応性によって使用できる反応温度域は定まる。好
ましいエポキシ化剤である過酢酸についていえば0〜70
℃が好ましい。
0℃以下では反応が遅く、70℃を越える温度では過酢
酸の分解が生じる。
また、ハイドロパーオキサイドの1例であるターシャ
ルブチルハイドロパーオキサイド/モリブデン二酸化物
ジアセチルアセトナート系では同じ理由で20℃〜150℃
が好ましい。
溶媒は原料粘度の低下、エポキシ化剤の希釈による安
定化などの目的で使用することができる。過酢酸の場合
であれば芳香族化合物、エーテル化合物、ケトン化合物
等を溶媒として用いることができる。
不飽和結合に対するエポキシ化剤の仕込みモル比は不
飽和結合をどれくらい残存させたいかなどの目的に応じ
て変化させることができる。
エポキシ基が多い化合物が目的の場合、エポキシ化剤
は不飽和基に対して等モルかそれ以上加えるのが好まし
い。
ただし、経済性、及び次に述べる副反応の問題から2
倍モルを越えることは通常不利であり、過酢酸の場合1
〜1.5倍モル好ましい。
エポキシ化反応の条件によってオレフィン基のエポキ
シ化と同時に原料中の置換基 や生成してくる がエポキシ化剤と副反応を起こした結果、変性された置
換基 が生じ、目的化合物中に含まれてくる。
3者の混合物の生成比は混合比率、エポキシ化剤の種
類、エポキシ化剤オレフィン結合のモル比、反応条件な
どによって定まる。
なお、変性された置換基はエポキシ化剤が過酢酸の場
合、下のような構造のものが主であり、生成したエポキ
シ基と副生した酢酸から生じる。
本発明の製造方法によって製造された脂環式エポキシ
樹脂中の置換基は出発原料である(1)式で表わされる
脂環式エポキシ樹脂において、 が1分子中に少なくとも1個以上含まれることが必要で
ある。
反応の結果、得られる化合物、すなわち、本発明の製
造方法における一般式(1)で表わされる脂環式エポキ
シ樹脂、一般式(II)で表わされるポリエーテル化合物
中のXは前記3種類の置換基の混合物となる。
なお、上記エポキシ化反応を行なう際に用いるエポキ
シ化剤が過酢酸の場合、ビニル基に対する仕込みモル比
を0.1〜2.0好ましくは0.5〜1.5にする。0.1以下ではエ
ポキシ樹脂として十分な性能をもつものが得られず2.0
以上の仕込みは意味がない。
このようにして合成したエポキシ化合物は濃縮等通常
の化学工学的手段によって反応粗液から取り出すことが
できる。
次に実施例を挙げて本発明を説明する。
「実施例」 〈合成例−1〉 トリメチロールプロパン38g(0.28モル)と4−ビニ
ルシクロヘキセン−1−オキシド527g(4.25モル)を混
合し、続いてBF3エーテラート10%酢酸エチル溶液126g
を4時間かけて滴下し反応させた。
この時,滴下中系内は50℃に保った。滴下終了後、ガ
スクロマトグラフィーにより分析したところトリメチロ
ールプロパン、4−ビニルシクロヘキセン−1オキシド
がほとんど消失していることを確認できた。
続いて、無水酢酸97g(0.95モル)を加えて80℃で3
時間加熱した。
続いて、純水で3回水洗を行ない、溶媒を除去した。
赤外線吸収スペクトル分析により末端のOH基が消失して
いることを確認した後、過酢酸323gを酢酸エチル溶媒と
して50℃に保持しながら4時間かけて滴下した。
純水で洗浄した後酢酸エチル層をロータリーエバポレ
ーターで濃縮し、得られた化合物の構造をガスクロマト
グラフィーおよびNMRを用いて分析した結果、以下の通
りであった。
[ただし、n1+n2+n3=平均15、Xは以下のビニル基を
有するオキシシクロヘキサン骨格 で表わされる] 〈合成例−2〉 メタノール32g(1モル)、4−ビニルシクロヘキセ
ン−1−オキシド327g(3モル)、無水酢酸153g(1.5
モル)、過酢酸228g(1モル)を用いた以外は合成例−
1と同様にして対応するエポキシ樹脂を得た。
〈合成例−3〉 エチレングリコール62g(1モル)、4−ビニルシク
ロヘキセン−1−オキシド248g(2モル)、無水酢酸20
4g(2モル)、過酢酸152g(2モル)を用いた以外は合
成例−1と同様にして対応するエポキシ樹脂を得た。
〈合成例−4〉 トリメチロールプロパン134g(1モル)と4−ビニル
シクロヘキセン−1−オキシド327g(3モル)、無水酢
酸367g(3.6モル)、過酢酸228g(3モル)を用いた以
外は合成例−1と同様にして対応するエポキシ樹脂を得
た。
〈比較合成例−1〜4〉 合成例−1〜4における無水酢酸を用いた酢化反応を
省略した以外は合成例−1と同様にして末端にOH基を有
するエポキシ樹脂を得た。
合成例−1〜4および比較合成例−1〜4で得たエポ
キシ樹脂の軟化点と粘度を測定した結果を表−1に示
す。
「応用例」 〈合成例−1〉および〈比較合成例−1〉で得たエポ
キシ樹脂1.0当量にそれぞれフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂(群栄化学:PSM−4300)1.0当量およびトリ
フェニルフォスフィン0.5%を表1に示す配合量で使用
してエポキシ樹脂組成物を得た。これらのエポキシ樹脂
組成物を粉砕後、150℃で30分間プレス成形してさらに2
00℃で2時間かけて硬化させた。続いてプレッシャーク
ッカーテスト(121℃、95%RH、144時間)を行ない、吸
水率を測定したところ、比較例−1のエポキシ化合物で
は3.3%であったのに対して実施例−1のものは2.6%で
あった。
[発明の効果] このようにして合成した本発明の製造方法により製造
された末端に有機カルボン酸エステル残基を有するエポ
キシ樹脂は低粘度のグレードのものを製造することが可
能であり、耐水性などに優れ、各種の用途に供すること
ができる。
表−1 実施例 比較例
(末端エステル化物) (末端OH基物)
1 軟化点70℃ 軟化点50℃
2 461cp 1060cp
3 68cp 2000cp
4 920cp 100000cp以上

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) [但し、一般式(I)において、Bはオキシシクロヘキ
    サン骨格で構成され、次式で表わされる、 ただし、Xは R2はH、アルキル基、アルキルカルボニル基、アリール
    カルボニル基、のうちのいずれか一つであるが、 を式(I)の樹脂中に少なくとも1個以上含まれること
    が必要である、 R1はlケの活性水素を有する有機化合物から活性水素を
    除いた残基、n1、n2・・・・・nlはそれぞれ0又は1〜
    100の整数で、その和が1〜100である、lは1〜100の
    整数を表わす]で表わされるエポキシ樹脂と有機カルボ
    ン酸とを反応させることを特徴とする末端に有機カルボ
    ン酸エステル残基を有するエポキシ樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】下記一般式(II) [但し、一般式(II)において、Aはオキシシクロヘキ
    サン骨格で構成され、次式で表わされる、 R1はlケの活性水素を有する有機化合物から活性水素を
    除いた残基、n1、n2・・・・・nlはそれぞれ0又は1〜
    100の整数で、その和が1〜100である、lは1〜100の
    整数を表わす]で表わされるポリエーテル化合物と有機
    カルボン酸とを反応させ、次いで、エポキシ化剤でエポ
    キシ化することを特徴とする末端に有機カルボン酸エス
    テル残基を有するエポキシ樹脂の製造方法。
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