JP2532912B2 - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

エポキシ化合物の製造方法

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JP2532912B2 JP63050361A JP5036188A JP2532912B2 JP 2532912 B2 JP2532912 B2 JP 2532912B2 JP 63050361 A JP63050361 A JP 63050361A JP 5036188 A JP5036188 A JP 5036188A JP 2532912 B2 JP2532912 B2 JP 2532912B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エーテル基とビニル性2重結合を合わせ持
つポリエーテル化合物をエポキシ化剤を用いてエポキシ
化することによって得られる新規な脂環式エポキシ化合
物の製造方法に関する。
さらに詳しくは,耐熱性,耐候性,耐水性に秀れ,さ
らに、軟化温度の向上になり耐ブロッキング性が改善さ
れた新規な脂環式エポキシ化合物の製造方法に関する。
[従来技術] 産業界において現在最も広く使用されているエポキシ
樹脂はビスフェノールとエピクロルヒドリンとの反応に
よって製造される,いわゆる,エピ−ビス型エポキシ樹
脂である。
この樹脂は液体から固体まで幅広い製品が得られ,し
かもエポキシ基の反応性は高く,ポリアミンで常温硬化
できるという利点を有している。
しかしながら,その硬化物は耐水性に優れ,強靭であ
るという特徴があるにもかかわらず耐候性が悪いこと,
耐トラッキング性など電氣特性が悪いこと,熱変形温度
が低いことなどの欠点がある。
とくに最近,超LSIなどの封止用樹脂にフェノールや
ノボラック樹脂とエピクロルヒドリンと反応させたエポ
キシ樹脂が使用されているが,樹脂中に塩素が数100ppm
含まれ,それが電気部品の電気特性を悪くするなどの問
題が起きている。塩素を含まず電気特性,耐熱性に優れ
たエポキシ樹脂としては脂環式エポキシ樹脂がある。
これらは5員環,6員環のシクロアルケニル骨格を有す
る化合物のエポキシ化反応によって製造されている。
これらの樹脂のエポキシ基は,いわゆる,内部エポキ
シ基であり,通常,酸無水物により加熱硬化が行なわれ
ているが,反応性が低いためポリアミンによる常温硬化
はできない。
そのため脂環式エポキシ樹脂の使用範囲を著しく狭い
ものにしている。
脂環式エポキシ樹脂としては下記の(III),(IV)
の構造を有するものが工業的に製造され,使用されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら,(III)はその粘度が非常に低いこと
ゆえに耐熱性エネルギ希釈剤に使用されているが,毒性
が強く作業者の皮膚が著しくかぶれるという問題があ
る。
(IV)は不純物が少なく,色相が低く,その硬化物の
熱変形温度は高いが,エステル結合にもとずく耐水性の
悪さが問題となっている。
さらに,(III)、(IV)はいずれも低粘度のエポキ
シ樹脂であるためトランスファー成形などの固形エポキ
シ樹脂の成形システムを適用することができない。
このような背景から特開昭60−166675号公報(=USP
4,565,859)にてオキシシクロヘキサン骨格を有する
新規なエポキシ樹脂が提案された。
しかし,特開昭60−166675にて開示されたエポキシ樹
脂では比較的軟化温度の低いものしか得られていなかっ
た。
したがって,上記の方法で製造されたエポキシ樹脂は
特に夏期高温下に放置されるとブロッキングし易いた
め,ステアリン酸カルシウムなどのブロッキング防止剤
を添加して使用されていた。
しかしながら,ブロッキング防止剤を添加すると汎用
性が失われる。
さらに,上記のような問題点を解決するという目的だ
けでなく,エポキシ樹脂の用途は多様化してきており,
その使用方法や使用目的に応じてさらに高い軟化温度を
もつもの,耐水性や可とう性に優れているものなど,さ
まざまな性能を有するものが要求されてきているため,
前記特開昭60−166675にて開示されたエポキシ樹脂の改
質が必要になってきた。
このような状況から本発明者らが検討した結果,4−ビ
ニルシクロヘキセン−1−オキシドとエポキシ基を2個
以上有する化合物とを1個以上の活性水素を有する化合
物に付加共重合させて得られるポリエーテル化合物をエ
ポキシ化して得られるエポキシ化合物が,エポキシ基を
2個以上有する化合物を共重合させない場合に比べてよ
り高い軟化温度を有する,即ち,耐ブロッキング性が改
善され、かつ、耐熱性,耐水性,可とう性,ガラス転移
温度など種々の点でも優れた特性を失わないことを見い
出し本発明に至った。
(発明の構成) すなわち,本発明は 4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドとエポキシ
基を2個以上有する化合物とを1個以上の活性水素を有
する化合物に付加共重合させてポリエーテル化合物を合
成し、次いで、同ポリエーテル化合物をエポキシ化する
ことを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
次に本発明について詳述する。
本発明の新規エポキシ化合物およびその原料となるポ
リエーテル化合物において、活性水素を有する有機化合
物としては、アルコール類、フェノール類、カルボン酸
類、アミン類、チオール類等を使用することが必須であ
る。
アルコール類としては、1価のアルコールでも多価ア
ルコールでもよい。
例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール等
の脂肪族アルコール、ベンジルアルコールのような芳香
族アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1.3ブタンジオール、1.4ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、1.6ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、オキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステ
ル、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ジグリ
セリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ト
リメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトールなどの多価アルコール等がある。
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、カ
テコール、ピロガロール、ハイドロキノン、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテル、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス
フェノールS、フェノール樹脂、クレゾールノボラック
樹脂等がある。
カルボン酸類としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、動植物油の脂肪酸、フマル酸、マレイン酸、アジピ
ン酸、ドデカン2酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、ポリアクリル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等がある。
また,乳酸、クエン酸、オキシカプロン酸等、水酸基
とカルボン酸を共に有する化合物があげられる。
アミン類としてはモノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミ
ン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチル
アミン、ドデシルアミン、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、キシレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン
等がある。
チオール類としてはメチルメルカプタン、エチルメル
カプタン、プロピルメルカプタン、フェニルメルカプタ
ン等のメルカプト類、メルカプトプロピオン酸あるいは
メルカプトプロピオン酸の多価アルコールエステル、例
えばエチレングリコールジメルカプトプロピオン酸エス
テル,トリメチロールプロパントリメルカプトプロピオ
ン酸,ペンタエリスリトールペンタメルカプトプロピオ
ン酸等があげられる。
さらにその他,活性水素を有する化合物としてはポリ
ビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分加水分解、デン
プン、セルロース、セルロースアセテート、セルロース
アセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロース、
アクリルポリオール樹脂、スチレンアリルアルコール共
重合樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アルキッ
ド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエステルカ
ルボン酸樹脂、ポリカプロラクトンポリオール樹脂、ポ
リプロピレンポリオール、ポリテトラメチレングリコー
ル等がある。
また、活性水素を有する化合物は、その骨格中に不飽
和2重結合を有していても良く、具体例としては、アリ
ルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、3−シクロ
ヘキセンメタノール、テトラヒドロフタル酸等がある。
これら活性水素を有する化合物であればどのようなも
のでも用いることが出来,それらは2種以上を混合して
もよい。
本発明における4−ビニルシクロヘキセン−1−オキ
シドは下式 で示される化合物であり,ブタジエンの二量化により得
られる4−ビニルシクロヘキセンを過酢酸や過酸化水素
などで部分エポキシ化することにより工業的に製造され
ている。
本発明におけるエポキシ基を2個以上有する化合物と
は,一分子中に2個以上エポキシ基を有している化合物
であればどのようなものでもよく,これらは単独または
二種以上組み合わせて使用することができる。
たとえば などの脂環型エポキシ樹脂 [但し、R1は水素原子,アルキル基など] などのポリアルコールおよびポリグリコールのグリシジ
ルエーテル,エポキシ化大豆油,エポキシ化亜麻仁油な
どのポリオレフィン型エポキシ樹脂,ジグリシジルヒダ
ントイン,トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素
環式エポキシ樹脂,テトラグリシジルジアミノジフェニ
ルメタン,トリグリシジルp−アミノフェノールなどの
グリシジルアミン系樹脂,フタル酸ジグリシジルエステ
ル,テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステレルなど
のグリシジルエステル系樹脂,その他,ビスフェノール
A型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,
ノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
本発明の新規なエポキシ化合物の前駆体であるポリエ
ーテル化合物は前述の活性水素を1個以上有する化合物
と4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド及びエポキ
シ基を2個以上有する化合物とを触媒存在下で反応させ
ることにより得ることができる。
この場合、得られるポリエーテル化合物において、4
−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド及びエポキシ基
を2個以上有する化合物はそれらが有するエポキシ基が
開環して生じたエーテル結合によって相互にランダム結
合したリニアな構造、また、一部は架橋した構造を含む
構造に変化する。
この一部が架橋した構造を分子内に導入したことが本
発明のポイントであり、得られるエポキシ化合物の軟化
温度の上昇、すなわち、耐ブロッキング性の向上に寄与
しているものと考えられる。
また、以下に述べる反応条件によってはエポキシ基を
2個以上有する化合物中の一部のエポキシ基が残存して
いる場合もあり得る。
本発明において開始剤として用いられる活性水素を1
個以上有する化合物はそのアルキル部分の残基とエーテ
ル基および末端の水素原子がエポキシ化合物中に残存す
る。
活性水素を1個以上有する化合物としては例えば、ト
リメチロールプロパン CH3CH2C(CH2OH) を用いた場合、得られるポリエーテル化合物においては
残基と末端の水素原子は以下のような構造で残存する。
CH3CH2C(CH2O)(Y)nH3 (I) [ただし、(I)式において、nは3〜100の自然数で
あり、反応に用いられる活性水素を1個以上有する化合
物と4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド及びエポ
キシ基を2個以上有する化合物との使用比率によって決
まる、Yは4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド及
びエポキシ基を2個以上有する化合物エポキシ基部分が
開環して生じたエーテル結合部分で結合したランダム結
合構造や一部が架橋した構造部分,また,反応条件によ
っては CH3CH2C(CH2O)(Y)nH3の2分子以上がYの部分で
架橋した構造も取り得る] 反応の際,4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド以
外のエポキシ基を1個有する化合物を共重合させること
ができる。
但し,4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドと4−
ビニルシクロヘキセン−1−オキシド以外のエポキシ基
を1個有する化合物との割合は,前者が1〜100%,後
者が99〜0%の範囲でなければならない。
前者が1%以下ではビニル基の含有量が少なくなり,
またシクロヘキサン骨格の特徴が出なくなる。反応はこ
の4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドと4−ビニ
ルシクロヘキセン−1−オキシド以外のエポキシ基を1
個有する化合物とを合わせたもの1モルに対して1個以
上の活性水素を有する化合物を0.01〜1モル,エポキシ
基を2個以上有する化合物を0.0.001〜0.5モル,好まし
くは0.01〜0.2モルの割合で反応させる。
1個以上の活性水素を有する化合物が0.01モル以下で
は開始剤としてのはたらきがなくなる。
また,エポキシ基を2個以上有する化合物が0.001モ
ル以下ではエポキシ化合物を改質することができず,0.5
モル以上では分子量が高くなりすぎて実際上使用できる
ものとはならない。
1個以上の活性水素を有する化合物に4−ビニルシク
ロヘキセン−1−オキシドとエポキシ基を2個以上有す
る化合物との混合物を付加重合させる際、4−ビニルシ
クロヘキセン−1−オキシドとエポキシ基を2個以上有
する化合物とを同時に反応させることができる。
また4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドまたは
エポキシ基を2個以上有する化合物どちらかを先に反応
させ,その反応付加物にもう一方を反応させることがで
きる。
さらに,4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドとエ
ポキシ基を2個以上有する化合物とを同時に反応させた
ものにどちらか一方,あるいはどちらか一方を先に反応
させたものに4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド
とエポキシ基を2個以上有する化合物を同時に反応させ
ることもできる。反応時に用いられる触媒としてはメチ
ルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ピペラジン
等のアミン類、ピリジン類、イミダゾール類等の有機塩
基、テトラブチルアンモニウムブロマイドなどの4級ア
ンモニウム塩,ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機産
類、硫酸、塩酸等の無機酸、ナトリウムメチラート等の
アルカリ金属類のアルコラート類、KOH、NaOH等のアル
カリ類、BF3、ZnCl2、AlCl3、SnCl4等のルイス酸又はそ
のコンプレックス類、トリエチルアルミニウム、ジエチ
ル亜鉛等の有機金属化合物をあげることができる。
触媒の量は種類によって異なるが,出発原料に対して
0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%の範囲で使用するこ
とができる。
反応温度は−20〜200℃、好ましくは0℃〜120℃であ
る。
反応は溶媒を用いて行なうこともできる。
溶媒としては活性水素を有しているものは使用するこ
とができない。
すなわち、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンのようなケトン類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような芳香族溶媒その他エーテル、脂肪
族炭化水素、エステル類等を使用することができる。
さて,このようにして合成されたビニル基側鎖を有す
るポリエーテル化合物にエポキシ化剤を作用させて本発
明のエポキシ樹脂を合成するわけであるが,用い得るエ
ポキシ化剤としては過酸類,およびハイドロパーオキサ
イド類をあげることができる。
過酸類としては過ギ酸,過酢酸,過安息香酸,トリフ
ルオロ過酢酸などがある。
このうち,過酢酸は工業的に大量に製造されており,
安価に入手でき,安定度も高いので好ましいエポキシ化
剤である。
ハイドロパーオキサイド類としては過酸化水素,ター
シャリブチルハイドロパーオキサイド,クメンパーオキ
サイド等がある。
エポキシ化の際には必要に応じて触媒を用いることが
できる。
例えば,過酸の場合,炭酸ソーダ等のアルカリや硫酸
などの酸を触媒として用い得る。
また,ハイドロパーオキサイド類の場合,タングステ
ン酸と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と,あるいは有
機酸を,過酸化水素と,あるいはモリブデンヘキサカル
ボニルをターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併
用して触媒効果を得ることができる。
エポキシ化反応は、装置や原料物性に応じて溶媒使用
の有無や反応温度を調節して行なう。
用いるエポキシ化剤の反応性によって使用できる反応
温度域は定まる。
好ましいエポキシ化剤である過酢酸についていえば0
〜70℃が好ましい。
0℃以下では反応が遅く,70℃では過酢酸の分解がお
きる。
又,ハイドロパーオキサイドの1例であるターシャル
ブチルハイドロパーオキサイド/モリブデン二酸化物ジ
アセチルアセトナート系では同じ理由で20℃〜150℃が
好ましい。
溶媒は原料粘度の低下,エポキシ化剤の希釈による安
定化などの目的で使用することができる。
過酢酸の場合であれば芳香族化合物,エーテル化合
物、エステル化合物、ケトン化合物などを溶媒として用
いることができる。
不飽和結合に対するエポキシ化剤の仕込みモル比は不
飽和結合をどれくらい残存させたいかなどの目的に応じ
て変化させることができる。
エポキシ基が多い化合物が目的の場合,エポキシ化剤
は不飽和基に対して等モルかそれ以上加えるのが好まし
い。
ただし,経済性,及び次に述べる副反応の問題から2
倍モルを越えることは通常不利であり,過酢酸の場合1
〜1.5倍モルが好ましい。
上記の反応の結果得られる本発明のエポキシ化合物は
1個以上の活性水素を有する化合物としてトリメチロー
ルプロパンを用いた場合、以下のような構造を有したも
のとなる。
CH3CH2C(CH2O)(Z)nH3 (II) [ただし、nは前記(I)式のポリエーテル化合物の場
合と必然的に同一となる。Zは前記(I)式のポリエー
テル化合物の場合とYの中に含まれるビニル基が後述す
る3者に変化したものを含む混合物となる] エポキシ化反応の条件によっては4−ビニルシクロヘ
キセン−1−オキシド中のビニル基のエポキシ化と同時
に原料中の未反応ビニル基を有するシクロヘキサンポリ
エーテル構造 やエポキシ化により生成してくるエポキシ基を有するシ
クロヘキサンポリエーテル構造 および変性された置換基を有するシクロヘキサンポリエ
ーテル構造の混合物が生成する。
なお,エポキシ化剤が過酢酸の場合、4−ビニルシク
ロヘキセン−1−オキシドは変性された置換基を含む下
記のようなシクロヘキサンポリエーテル構造に変化す
る。
上記の変性された置換基は生成したエポキシ基と副生
した酢酸から生じる。
未反応のビニル基−CH=CH2,エポキシ化反応によって
生じたエポキシ基 および変性された置換基 3者の混合物の生成比はエポキシ化剤の種類、エポキシ
化剤オレフィン結合のモル比、反応条件などによって定
まる。
本発明の製造方法で得られるエポキシ化合物中のエポ
キシ基 が樹脂中に少なくとも1個以上含まれることが必須であ
り、 は多ければ多いほど好ましい。
は少なければ少ないほど好ましい。
[R3はH,アルキル基,アルキルカルボニル基,アリール
カルボニル基のいずれか1つ] 本発明に用いられるエポキシ基を2個以上有する化合
物は4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドのように
ビニル基を有していないので、エポキシ化反応には関与
せず、したがって、上記のような置換基は生じない。
4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドと同時に用
いられるエポキシ基を2個以上有する化合物としては例
えば を用いた場合,上記化合物から生じたポリエーテル構造
を有する部分は以下の構造のものの混合物となる。
エポキシ基を2個以上有する化合物から生じたこれら
のポリエーテル構造部分だけでリニアな構造を形成する
場合もあり、また、これらのポリエーテル構造部分と4
−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドから生じたシク
ロヘキサンポリエーテル構造とが一部はリニアなランダ
ム構造に、一部は架橋された構造を形成する場合があり
得る。
目的化合物は濃縮等の通常の化学工学的手段によって
反応粗液から取り出すことができる。
(発明の効果) 以上述べたように,本発明のエポキシ化合物は,従来
の4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシドのみの重合
物を原料にしたエポキシ化合物に比べてより高い軟化点
を示す。
このため使用目的に応じた幅広い用途に適用できる。
一方,従来の4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシ
ド単独の重合物からのエポキサイドの硬化物が有してい
る耐熱性,機械特性,電気特性,透明性,可とう性や耐
水性などの優れた特徴はそのまま有している。
さらに,耐ブロッキング特製などが改良されたものを
得ることができる。
このような特徴を利用して,ICやLSIの封止剤,LEDの封
止剤,複合材のマトリックスレジン,塗料など幅広い分
野で優れた性能を発揮することを期待できる。
また,従来のエポキシ樹脂の用途の代替としても使用
することができる。
次に実施例を挙げて本発明を説明する。
「実施例1」 トリメチロールプロパン7.1g(0.05モル)を4−ビニ
ルシクロヘキセン−1−オキシド124g(1.0モル)に溶
解し,さらに4−ビニルシクロヘキセンジエポキシド5.
0g(0.03モル)を溶解した。
続いてBF3エーテラート2.7gを酢酸エチル溶液として
4時間かけて滴下し反応させた。
滴下中系内は50℃に保った。
滴下終了後、ガスクロトグラフィーにより分析したと
ころトリメチロールプロパン,4−ビニルシクロヘキセン
−1−オキシドおよび4−ビニルシクロヘキセンジエポ
キシドがほとんど消失していることを確認できた。
続いて,反応粗液に酢酸エチル200gを追加し,純水30
0gで3回水洗した。
得られたポリエーテルの酢酸エチル溶液に過酢酸91.2
g(1.2モル)を酢酸エチル溶液として4時間かけて滴下
した。
滴下中系内は50℃に保った。
さらに50℃で2時間熟成した後,純水300gで3回水洗
した。
続いて,ロータリーエバポレーターで低沸分を除去
し,目的のエポキシ化合物を得た。
「実施例2〜3」 トリメチロールプロパン,4−ビニルシクロヘキセン−
1−オキシド,4−ビニルシクロヘキセンジエポキシドの
反応比率を変えて,実施例と同様にして反応を行ない,
エポキシ化合物を得た。
「実施例4〜5」 4−ビニルシクロヘキセンジエキポシドの代わりに,
3,4−エポキシシクロヘキシル−3,4−エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート[セロキサイド2021:ダイセル
化学(株)製]を使用して同様にエポキシ化合物を得
た。
「比較例1〜2」 トリメチロールプロパンと4−ビニルシクロヘキセン
−1−オキシドのみを使用し,同様にエポキシ化合物を
得た。
[応用例−1 実施例1〜5および比較例1〜2で得られたエポキシ
樹脂とフェノール樹脂(群栄化学製PSM4300、フェノー
ル当量110),トリフェニルフォスフィンを表−2に記
載された組成で溶融混練して取り出し、エポキシ樹脂組
成物を得た。これを冷却後粉砕し、150℃で100kg/cm2
プレス成型し、200℃で2時間後硬化させて硬化物を作
成した。
テスト条件および各樹脂のガラス転移温度および吸水
率を表−2に示した。表−1に示された結果、例えば、
実施例2と比較例1に示されているように同じエポキシ
当量(エポキシ基1個当たりの分子量)の樹脂でも分子
中に架橋構造を形成させれば軟化温度が20℃高く、ま
た、表−2に示された結果から吸水率など他の特性を損
なうことがないことが明らかである。
なお、エピ−ビス型のエポキシ樹脂では軟化温度が20
℃高いものを得ようとすれば化学構造を大きく変えねば
ならないことが知られている。
以上「実施例1〜5」,「比較例1〜2」の結果を表
−1にまとめた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4−ビニルシクロヘキセン−1−オキシド
    とエポキシ基を2個以上有する化合物とを1個以上の活
    性水素を有する化合物に付加共重合させてポリエーテル
    化合物を合成し、次いで、同ポリエーテル化合物をエポ
    キシ化することを特徴とするエポキシ化合物の製造方
    法。
JP63050361A 1988-03-03 1988-03-03 エポキシ化合物の製造方法 Expired - Lifetime JP2532912B2 (ja)

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