JP2003292908A - 導電性及び熱伝導性を有する熱硬化型接着シート - Google Patents

導電性及び熱伝導性を有する熱硬化型接着シート

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JP2003292908A
JP2003292908A JP2002100200A JP2002100200A JP2003292908A JP 2003292908 A JP2003292908 A JP 2003292908A JP 2002100200 A JP2002100200 A JP 2002100200A JP 2002100200 A JP2002100200 A JP 2002100200A JP 2003292908 A JP2003292908 A JP 2003292908A
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meth
adhesive
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正明 武田
Akihiko Mitsui
明彦 三井
Koichiro Kawate
恒一郎 川手
Shigeyoshi Ishii
栄美 石井
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3M Innovative Properties Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より安価で、高い熱伝導率及び導電性を有す
る熱硬化型接着シートを提供する。 【解決手段】 (A)エチレン−グリシジル(メタ)ア
クリレート共重合体及びカルボキシル基を有するロジン
を含み、電子線照射により前記共重合体のエチレン間に
架橋を施した熱硬化性接着剤組成物からなる熱硬化性接
着シートであって、所望の位置に貫通開口領域を設けた
シート、(B)前記所望の位置に設けられた貫通開口領
域に配設された低融点ハンダとを含む、導電性及び熱伝
導性を有する熱硬化型接着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性及び熱伝導
性を有する熱硬化型接着シートに関する。このような接
着シートは、ICチップなどの電子素子と、かかる素子
から発生する熱を放射する放熱板との接着に特に有効に
用いられる。
【0002】
【従来の技術】図1に断面図として示されるようなTA
B方式又はT−BGA(テープボールグリッドアレイ)
方式と呼ばれる実装方式の電子部品において、ICチッ
プAは、TAB(タブ)(絶縁性フィルムに金属配線を
有するテープ)Bに接続されており、タブB上に設けら
れたハンダボールCが配線基板(図示されていない)に
接続されるようになっている。また、ICチップAは、
そこから発生する熱を放散し、そして帯電を防止するた
めに導電性接着剤Dによって放熱板Eに接着されてい
る。さらに、ICチップAに接続されたタブBを安定さ
せ、そして電子部品全体の強度を上げるために、タブB
と放熱板Eとの間にはスティフナーFが熱硬化型接着剤
Gを介して配置されている。図示したような電子部品に
おいて、ICチップAに帯電するノイズを除去するため
に、接地導電路Hを設ける必要があり、それは放熱板E
からタブBまでをハンダ付けすることで形成される。こ
こで、導電性接着剤としては、導電性銀ペーストなどの
銀粉を混ぜ込んだ導電性接着剤が古くから用いられてい
る。
【0003】しかしながら、上記の導電性接着剤では、
絶縁性ポリマーもしくはモノマーに、多量の銀粉、その
他の金属フィラーを分散させているため、材料コストが
高くなり、導電性接着剤が非常に高価になるといったコ
スト面の問題がある。したがって、図1に示すようなT
AB方式では、大面積の接着に用いることが困難とな
り、放熱板からの接地に安価なハンダを使用しなければ
ならず、実装工程が複雑化していた。また、近年、IC
チップの集積化によって消費電力が高くなるにつれて、
その発熱量が増大してきている。しかし、上記のような
銀粉などを混ぜ込んだ導電性接着剤では、一般に熱伝導
率が3〜5W/mKで、発熱量の多いICチップの実装
の際には、十分な放熱対策が行なえなくなりつつあり、
性能的に不十分である。
【0004】したがって、より安価で、高い熱伝導率を
もつ導電性接着シートが望まれている。特開平11−2
1522号公報は、支持基材の片面又は両面に複数本の
筋状熱伝導部と筋状接着部とが交互に並設されている熱
伝導性接着シートを開示している。具体的には、筋状熱
伝導部は熱伝導ペースト(銀などの熱伝導性粉末と樹脂
の溶剤溶液との混合物)を塗工する方式と、複数枚の接
着シートと熱伝導性シートとを積層一体化してなる円形
ディスクを低温において回転させて外周から連続的に一
定厚みで切断する方式により形成されることが開示され
ている。ここに開示された接着シートは、電子部品を温
度センサーに固定するために使用されるものであるが、
これをICチップと放熱板との接着に使用する場合、熱
伝導率が不十分であり、十分な放熱対策が行なえない。
また、用いる金属が依然として多量であり、また、後者
の方式では製造過程において低温処理が必要であること
から、このような接着シートは非常に高コストで生産性
も低いものとなる。
【0005】特開平5−259671号公報は、マトリ
ックス樹脂中に複数の熱伝導性フィラーが分散した放熱
シートであって、熱伝導性フィラーが放熱シートの厚さ
方向を貫通するとともに、その両端面がマトリックス樹
脂の表面に露出しているように熱伝導性フィラーがマト
リックス樹脂中に配向した放熱シートを開示している。
マトリックス樹脂としては被冷却物品との密着性を得る
ために、シリコーンゴム、ポリオレフィン系エラストマ
ーが用いられ、また、熱伝導性フィラーとしては、金、
銅、アルミニウムなどの金属材料が例示されている。こ
のような放熱シートにおいて、シートの表面にフィラー
を露出させるために、高粘度の接着剤をマトリックス樹
脂として用いることが難しい。また、フィラーの露出部
分はパラフィンやスチレンゴムなどのマスキング剤によ
って樹脂膜が形成しないような処理を施される必要があ
り、ホットメルト系の樹脂をコーティングすることは非
常に困難である。
【0006】また、微細電極又は微細配線の電気接続
を、各々の電極又は配線間の電気絶縁を確保しながら行
なうための異方性導電性接着フィルムも種々の特許文献
において開示されている。特開平8−306415号公
報及び特開平3−266306号公報は、ポリイミドな
どの絶縁性フィルムに、厚み方向に導通する多数の微細
貫通孔を形成し、この多数の貫通孔に金属物質を充填し
た異方導電性接着フィルムを開示している。金属物質の
充填は、具体的には、リベット状の金属突出物のバンプ
を形成することで行なわれ、この金属がフィルムから脱
落するのを防止している。リベット状のバンプの形成に
は、メッキ、スパッタリングなどの方法が開示されてい
るが、これらの方法では、生産性が低く、接着フィルム
への汚染も懸念される。さらに、このような異方導電性
接着フィルムは、微細配線などの電気接続を行なうもの
であり、貫通孔は15〜100μmと小さい。このた
め、接着フィルムの熱伝導性は低くなり、放熱用途には
向かない。
【0007】特開平5−205531号公報は、絶縁性
接着シートに設けた孔に金属膜を充填した異方導電膜を
開示している。金属膜の充填は、転写シート上に転写可
能に設けた金属膜を、接着シートに設けられた孔に転写
することで行なわれる。充填には、充填する面積以上の
金属膜が必要であるため、コストが高くなる。また、充
填は、押圧切断方式であるため、工程中もしくは搬送中
に金属膜が脱落するおそれがある。さらに、このような
異方導電性接着フィルムは、特開平8−306415号
公報及び特開平3−266306号公報記載の異方導電
性接着フィルムと同様、微細配線などの電気接続を行な
うものであって、熱伝導性は低く、放熱用途には向かな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、より安価で、高い熱伝導率及び導電性を有する
熱硬化型接着シートを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によると、(A)
エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体及
びカルボキシル基を有するロジンを含み、電子線照射に
より前記共重合体のエチレン間に架橋を施した熱硬化性
接着剤組成物からなる熱硬化性接着シートであって、所
望の位置に貫通開口領域を設けたシート、(B)前記所
望の位置に設けられた貫通開口領域に配設された低融点
ハンダとを含む、導電性及び熱伝導性を有する熱硬化型
接着シートが提供される。このような熱硬化型接着シー
トは、所望の領域のみに高い導電性及び高い熱伝導性を
厚さ方向に付与することができる。また、従来の導電性
接着剤よりも金属の使用量を低減することができる。こ
のような熱硬化型接着シートは半導体素子などの電子素
子を放熱板に接着するのに特に有用である。
【0010】
【発明の実施の形態】熱硬化型接着シート 本発明の熱硬化型接着シートは、エチレン−グリシジル
(メタ)アクリレート共重合体及びカルボキシル基を有
するロジンを含み、電子線照射により前記共重合体のエ
チレン間に架橋を施した熱硬化性接着剤組成物からなる
熱硬化性接着シートが用いられる。この接着シートは、
所望の位置に貫通開口領域を有し、この位置に導電性及
び熱伝導性を付与するために低融点ハンダが配設され
る。熱硬化性接着剤組成物(以下、単に「接着剤組成
物」と呼ぶこともある。)は、常温で固体であるが、所
定の温度において、比較的低圧、短時間で(たとえば、
100〜200℃の温度、0.1〜10kg/cm2 の圧力
で、0.1〜30秒間で)熱圧着でき、圧着時の加熱ま
たは圧着後の加熱(ポストキュア)により、水分を必要
とせずに硬化(架橋)させることができる。なお、本明
細書において「常温」という用語は、約25℃を意味す
る。
【0011】熱硬化を行う時の加熱温度は通常150℃
を超え、加熱時間は通常1分以上である。熱硬化反応
は、実質的に、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレー
ト共重合体の「エポキシ基」と、カルボキシル基を有す
るロジンの「カルボキシル基」との間の反応であり、こ
のため、水分等の反応副生成物は発生しない。
【0012】本発明で用いる接着剤組成物の前駆体は、
通常のホットメルト接着剤に比べて低い温度(たとえ
ば、120℃以下)で溶融し、容易にホットメルトコー
ティングできる。また、ホットメルト時の流動性が比較
的高く、コーティングまたはフィルム状に成形するため
に溶剤を必要としない。なお、用語「前駆体」とは、電
子線照射による分子間架橋が形成される前の状態を意味
する。
【0013】分子間架橋は、エチレン−グリシジル(メ
タ)アクリレート共重合体のエチレン単位の間に形成さ
れる。この様な分子間における架橋反応は、電子線照射
により、エチレン単位がラジカル的に活性化され、エチ
レン単位間で進行する。
【0014】この様な架橋構造は、接着剤組成物の熱圧
着時の弾性率を向上させる。弾性率の向上により、2つ
の被着体の間に挟まれた接着剤組成物の層が、熱圧着操
作の際に過度に大きく流動することを防ぎ、接着剤組成
物が被着体の間からはみ出したり、接着剤の層の厚みが
小さくなりすぎて接着性能が低下することを効果的に防
止する。
【0015】上記の様な性能を制御する接着剤組成物の
弾性率は、150℃における貯蔵弾性率(G′)により
規定するのが望ましい。しかしながら、本発明で用いる
接着剤組成物は、加熱により硬化反応が進行するので、
通常この温度では一定の弾性率を示さない。そこで、接
着剤組成物の貯蔵弾性率を次のように定義する。使用前
(熱圧着前等、被着体上へ適用する前)の接着剤組成物
を試料とし、動的粘弾性測定装置を用いて、試料の温度
を80℃から280℃まで、昇温速度5℃/分で昇温
し、剪断速度6.28rad/秒で貯蔵弾性率を測定す
る。そして、得られるチャート(温度対貯蔵弾性率)上
で、150℃における貯蔵弾性率の値を、「接着剤組成
物の貯蔵弾性率」と定義する。
【0016】このように定義した接着剤組成物の貯蔵弾
性率は、通常1×104〜1×106dyne/cm2 、好適に
は2×104〜3×105dyne/cm2 の範囲である。この
貯蔵弾性率が小さすぎると、熱圧着操作における流動を
防止する効果が低下し、反対に大きすぎると、瞬間的な
熱圧着(たとえば30秒以下)操作での接着(仮接着)
が不良になるおそれがある。この様な仮接着が不良であ
ると、接着した部品を後工程(たとえば、ポストキュア
工程)へ運搬する時に、部品が接着シートから脱離する
恐れがある。
【0017】メルトコーティングまたは押出成形の際の
加熱温度での、グリシジル(メタ)アクリレート共重合
体と、カルボキシル基を有するロジンとの硬化反応は極
めて緩やかであり、接着剤組成物の前駆体がゲル化した
り、その粘性(複素弾性率)が連続生産が困難になる様
なレベルまで上昇することはない。また、90℃未満で
は硬化反応は実質的には進行しないので、接着剤組成物
の貯蔵安定性を高めることができる。一方、150℃を
超える温度では硬化反応が急速に進行するので、ポスト
キュア等の熱硬化処理時間を容易に短縮できる。
【0018】本発明で用いる接着剤組成物は、接着剤組
成物の前駆体をシート状に成形し、その成形物に電子線
を照射し、共重合体の分子間の架橋構造を形成して製造
することができる。
【0019】エチレン−グリシジル(メタ)アクリレー
ト共重合体は、接着剤組成物を所定の温度にて加熱した
ときに、カルボキシル基を有するロジンと硬化反応し
て、硬化物の凝集力を高める働きをする。この様な高凝
集力は、接着剤組成物の剥離接着力等の接着性能を向上
させるのに有利である。また、電子線照射により、共重
合体どうしの分子間での架橋構造を形成し、接着剤組成
物の熱圧着時の弾性率を向上させる様に作用する。
【0020】加えて、エチレン−グリシジル(メタ)ア
クリレート共重合体は、接着剤組成物の前駆体を比較的
低温で溶融させ、メルトコーティングを容易にする作用
も有する。また、接着剤組成物に良好な熱接着性を付与
する。この「熱接着性」は、接着剤組成物を溶融して被
着体に密着した後、冷却、固化した段階での被着体に対
する接着性を意味する。
【0021】エチレン−グリシジル(メタ)アクリレー
ト共重合体は、たとえば(i)グリシジル(メタ)アクリレ
ートモノマーと(ii)エチレンモノマーとを含んでなるモ
ノマー混合物を出発モノマーとして重合して得ることが
できる。また、本発明の効果を損なわない限り、上記モ
ノマーに加えて第3のモノマー、例えばプロピレン、ア
ルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等を使用でき
る。この場合、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル
基の炭素数は、通常1〜8の範囲である。エチレン−グ
リシジル(メタ)アクリレート共重合体の具体例として
は、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレンの2元共
重合体、グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルお
よびエチレンの3元共重合体、グリシジル(メタ)アクリ
レート、エチレン、およびアルキル(メタ)アクリレート
の3元共重合体を挙げることができる。
【0022】この様なエチレン−グリシジル(メタ)アク
リレート共重合体は、グリシジル(メタ)アクリレートと
エチレンとからなるモノマー混合物を重合させてなる繰
り返し単位を、高分子全体に対して、通常50重量%以
上、好適には75重量%以上含む。また、上記繰り返し
単位中の、グリシジル(メタ)アクリレート(G)とエチレ
ン(E)の重量比(G:E)は、好適には50:50〜
1:99、特に好適には20:80〜5:95の範囲で
ある。エチレンの含有量が少なすぎると、ロジンに対す
る相溶性が低下し、均一な組成物ができないおそれがあ
り、また、電子線架橋が困難になるおそれがある。反対
に、エチレンの含有量が多すぎると、接着性能が低下す
るおそれがある。エチレン−グリシジル(メタ)アクリ
レート共重合体は、1種単独でまたは2種以上の混合物
として使用することができる。
【0023】エチレン−グリシジル(メタ)アクリレー
ト共重合体の190℃において測定したメルトフローレ
ート(以下、「MFR」と略する場合もある。)は、通
常1(g/10分)以上である。1以上であれば、接着
剤組成物の熱接着が可能である。しかしながら、接着剤
組成物の前駆体のメルトコーティングを容易にするため
には、好適には150(g/10分)以上である。一
方、MFRが大きすぎると、硬化した組成物の凝集力が
低下するおそれがある。これらの観点から、MFRは、
特に好適には200〜1000(g/10分)の範囲で
ある。
【0024】ここで、「MFR」は、JIS K 676
0の規定に従い測定された値である。また、エチレン−
グリシジル(メタ)アクリレート共重合体の重量平均分
子量は、MFRが上記の様な範囲になる様に選択する。
【0025】接着剤組成物に含まれるエチレン−グリシ
ジル(メタ)アクリレート共重合体の割合は、通常10
〜95重量%である。10重量%未満では硬化物の凝集
力を高める効果が低下するおそれがあり、反対に95重
量%を超えると、熱圧着時の接着力が低下するおそれが
ある。この様な観点から、好適には30〜88重量%、
特に好適には40〜85重量%の範囲である。なお、上
記割合は、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート
共重合体、場合により存在する後述のエチレン−アルキ
ル(メタ)アクリレート共重合体及びカルボキシル基を
有するロジンの合計重量を基準とする。
【0026】接着剤組成物は、エチレン−グリシジル
(メタ)アクリレート共重合体以外に、場合により、エ
チレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体を含むこ
ともできる。この共重合体は、接着剤組成物の前駆体を
比較的低温で溶融させ、メルトコーティングを容易に
し、接着剤組成物の熱接着性を高める様に作用する。ま
た、電子線照射により、エチレン−グリシジル(メタ)
アクリレート共重合体および/またはエチレン−アルキ
ル(メタ)アクリレート共重合体での架橋構造を形成
し、接着剤組成物の熱圧着時の弾性率を向上させる様に
作用する。また、エチレン−アルキル(メタ)アクリレ
ート共重合体はエチレン−グリシジル(メタ)アクリレ
ートに比べて吸水性が低いので、接着剤組成物またはそ
の前駆体の耐水性を高める様にも作用する。さらに、一
般に、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合
体は、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重
合体に比べて軟化点が低いので、硬化した組成物が熱サ
イクルを受けた時に内部応力を緩和し、接着性能を高め
る働きも有する。
【0027】エチレン−アルキル(メタ)アクリレート
共重合体は、たとえば、アルキル(メタ)アクリレートモ
ノマーとエチレンモノマーとを含んでなるモノマー混合
物を出発モノマーとして重合して得ることができる。ま
た、本発明の効果を損なわない限り、上記モノマーに加
えて第3のモノマー、例えば、プロピレン、酢酸ビニル
等を使用できる。
【0028】アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基
の炭素数は、好適には1〜4の範囲である。アルキル基
の炭素数が4を超えると、架橋後の組成物の弾性率を高
めることができないおそれがある。
【0029】エチレン−アルキル(メタ)アクリレート
共重合体の具体例としては、アルキル(メタ)アクリレー
トとエチレンの2元共重合体、アルキル(メタ)アクリレ
ート、酢酸ビニルおよびエチレンの3元共重合体を挙げ
ることができる。この様な共重合体は、アルキル(メタ)
アクリレートとエチレンとからなるモノマー混合物を重
合させてなる繰り返し単位を、高分子全体に対して、通
常50重量%以上、好適には75重量%以上含む。
【0030】上記繰り返し単位中の、アルキル(メタ)ア
クリレート(A)とエチレン(E)の重量比(A:E)は、
好適には60:40〜1:99、特に好適に50:50
〜5:95の範囲である。エチレンの含有量が少なすぎ
ると、電子線架橋による弾性率の向上効果が低下するお
それがあり、反対にエチレンの含有量が多すぎると、接
着性能が低下するおそれがある。エチレン−アルキル
(メタ)アクリレート共重合体は、1種単独でまたは2
種以上の混合物として使用することができる。
【0031】エチレン−アルキル(メタ)アクリレート
共重合体の190℃において測定したMFRは、エチレ
ン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体の場合と
同様の理由から、通常1(g/10分)以上、好適には
150(g/10分)以上、特に好適には200〜10
00(g/10分)の範囲である。この共重合体の重量
平均分子量は、MFRが上記の様な範囲になる様に選択
される。
【0032】接着剤組成物にエチレン−アルキル(メ
タ)アクリレート共重合体が含まれるならば、その割合
は、通常、80重量%以下である。80重量%を超える
と、組成物の熱硬化性が低下するおそれがあるからであ
る。エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体
の割合は、通常、4〜80重量%、好適には10〜60
重量%、特に好適には15〜50重量%の範囲である。
なお、上記割合は、エチレン−グリシジル(メタ)アク
リレート共重合体、エチレン−アルキル(メタ)アクリ
レート共重合体及びカルボキシル基を有するロジンの合
計重量を基準とする。
【0033】カルボキシル基を有するロジンは、熱硬化
操作において、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレ
ート共重合体と反応し、接着剤組成物を熱硬化し、接着
性能を高める様に作用する。ロジンとしては、ガムロジ
ン、ウッドロジン、トール油ロジン、またはそれらを化
学変性したもの(たとえば、重合ロジン)が使用でき
る。
【0034】ロジンの酸価は、好適には100〜300
(mgKOH/g)である。酸価が低すぎると、エチレ
ン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体との反応
性が低下し、組成物の硬化性が低下するおそれがあり、
反対に高すぎると、加熱成形時の安定性(粘性の上昇防
止効果)が損なわれるおそれがある。なお、ここで「酸
価」とは、試料1gを中和するのに要する水酸化カリウ
ムのmg数で表された値である。
【0035】ロジンの軟化点は、好適には50〜200
℃、特に好適には70〜150℃である。軟化点が低す
ぎると、貯蔵中にエチレン−グリシジル(メタ)アクリ
レート共重合体との反応が生じ、貯蔵安定性が低下する
おそれがあり、反対に高すぎると、反応性が低下し、組
成物の硬化性が低下するおそれがある。なお、ここで
「軟化点」とは、JIS K 6730にしたがって測定
した値である。
【0036】接着剤組成物に含まれるロジンの割合は、
通常1〜20重量%である。1重量%未満では組成物の
硬化性および熱接着性が低下するおそれがあり、反対に
20重量%を超えると、硬化後の組成物の接着性能が低
下するおそれがある。この様な観点から、好適には2〜
15重量%、特に好適には3〜10重量%の範囲であ
る。なお、上記割合は、エチレン−グリシジル(メタ)
アクリレート共重合体、場合により存在するエチレン−
アルキル(メタ)アクリレート共重合体及びカルボキシ
ル基を有するロジンの合計重量を基準とする。
【0037】ロジンは、1種単独でまたは2種以上の混
合物として使用することができ、また、本発明の効果を
損なわない限り、カルボキシル基を実質的に持たないロ
ジンも併用することができる。
【0038】接着剤組成物は、本発明の効果を損なわな
い限り、上記成分に加えて、種々の添加剤を含むことが
できる。この様な添加剤としては、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、充填材(無機フィラー、導電性粒子、顔料
等)、ワックス等の滑剤、ゴム成分、粘着付与剤、架橋
剤、硬化促進剤等が例示できる。
【0039】硬化反応は、150℃以上の温度で進行
し、1分〜24時間の範囲の時間の加熱(圧着時の加熱
またはポストキュア)により、十分な接着力(たとえ
ば、4〜15kg/25mm以上)を発現できる。
【0040】本発明に使用される接着シートは、たとえ
ば、次のようにして製造できる。まず、エチレン−グリ
ジシル(メタ)アクリレート共重合体およびロジンを含
み、場合により、エチレン−アルキル(メタ)アクリレ
ート共重合体を含む接着剤組成物の前駆体を用意する。
次に、その前駆体を、基材の上にメルトコーティング
し、前駆体のフィルムを形成する。その後、シート状の
前駆体に電子線を照射し、エチレン単位を含む共重合体
の分子間の架橋構造を形成し、接着シートを製造する。
【0041】上記の組成物前駆体は、通常、その原料と
なる成分を、混練または混合装置を用いて、実質的に均
一になるまで混合して調製する。この様な装置として、
ニーダー、ロールミル、エクストルーダー、プラネタリ
ーミキサー、ホモミキサー等が使用できる。混合時の温
度および時間は、エチレン−グリシジル(メタ)アクリ
レート共重合体とロジンとの反応が実質的に進行しない
様に選択され、通常20〜120℃の範囲の温度、1分
〜2時間の範囲の時間である。
【0042】120℃、6.28rad/秒の条件で測定
した組成物前駆体の複素弾性率η*は、好適には500
〜1,000,000poise、特に好適には1200〜1
0,000poiseの範囲である。複素弾性率η*が低すぎ
ると所定の厚みに成形(コーティングを含む)するのが
困難になるおそれがあり、反対に高すぎると連続的に成
形することが困難になるおそれがある。
【0043】上記基材としてはライナーを用い、ライナ
ーとしては、剥離紙、剥離フィルム等の通常のものが使
用できる。メルトコーティングは、通常60〜120℃
の範囲の温度にて行う。コーティングには、ナイフコー
ター、ダイコーター等の通常の塗布手段を用いる。ま
た、エクストルージョン法により基材を用いずにシート
状前駆体を形成することもできる。電子線照射は、電子
線加速器を用い、通常150〜500keVの範囲の加速
電圧、通常10〜400kGyの範囲の吸収線量にて行
う。その後、打ち抜きなどの適切な手段により、接着シ
ートの所望の位置に貫通孔を開け、開口領域を形成す
る。
【0044】接着シートの厚みは、好適には0.001
〜5mm、特に好適には0.005〜0.5mmの範囲であ
る。厚みが薄すぎると、接着シートとしての取り扱いが
困難になる傾向があり、反対に厚すぎると、厚さ方向で
架橋が不均一になり、接着剤としての信頼性が低下する
おそれがある。
【0045】低融点ハンダ 本発明の導電性及び熱伝導性を有する熱硬化型接着シー
トでは、接着シートに設けられた貫通開口領域に低融点
ハンダが配設される。低融点ハンダは、一般に約150
℃以下の融点を有し、好ましくは120℃より低い融点
を有する。上記のように形成された接着シートの開口領
域に、ハンダを配置し、必要に応じて剥離ライナーを介
して熱圧着機(ボンダー)などの適切な手段で圧着する
ことにより、本発明の熱硬化型接着シートが得られる。
圧着温度は、好適には、120℃〜150℃である。こ
のような温度であれば、ハンダが十分に溶融流動すると
ともに、熱硬化性接着剤組成物が溶融して、ハンダと接
着剤組成物とが溶融接着するが、接着剤組成物の硬化が
有意に進行することがないからである。また、このよう
にハンダと接着剤組成物とが溶融接着されているので、
ハンダをリベット状にしなくても、その脱落は生じな
い。なお、低融点ハンダとしては、融点が150℃以下
のものであれば特に限定はない。例えば「電子材料のハ
ンダ付技術 初版第5刷 第114頁」に記載されてい
るものが挙げられ、具体的にはSn/Bi、Sn/Bi
/Pb、Sn/Bi/Pb/Cd、Sn/Bi/Zn、
Sn/Bi/Pb/Cd/Inなどが挙げられる。また
は、上記の文献には記載されていないがSn/In、S
n/Pb/Inなどもハンダメーカーより市販されてお
りこれらも融点が150℃以下であり好ましく用いるこ
とができる。特にSn/In(融点117℃)、Sn/
Bi(融点139℃)は有害なPbやCdなどを含まな
いため最も好ましい。
【0046】導電性及び熱伝導性を有する熱硬化型接着
シートを用いた接着方法 前述の様にして得られるライナー付き接着シートは、た
とえば、次のようにして使用する。まず、ライナー付き
接着シートからライナーを除去し、第1の被着体と第2
の被着体との間に接着シートを挟み、第1の被着体、接
着シートおよび第2の被着体とがこの順に積層された積
層体を形成する。続いて、その積層体を120℃〜30
0℃の範囲の温度、0.1〜100kg/cm2の範囲の圧
力で熱圧着操作を行い、これら3者が互いに密着した接
着構造を形成する。この方法によれば、2つの被着体
を、0.1〜30秒の範囲の時間で十分な接着力で接着
することができる。
【0047】本発明の熱硬化型接着シートは、上記の様
な熱圧着だけでも十分な接着力を発揮するのはいうまで
もないが、さらに接着力を高めたい場合はポストキュア
を行う。すなわち、上記の接着方法において、上記接着
構造は、通常120℃以上、好適には130〜300℃
の範囲の温度、1分〜24時間の範囲の時間の条件で、
ポストキュアに付す。ポストキュア工程の時間短縮のた
め、特に好適な条件は140〜200℃、30分〜1.
2時間である。
【0048】放熱用接着シート 本発明の導電性及び熱伝導性を有する熱硬化型接着シー
トは、例えば、ICチップなどの電子素子と、それから
発生される熱を放散するための放熱板などの放熱手段と
を接着する放熱用接着シートとして使用される。図2
は、本発明の熱硬化型接着シートを用いた電子部品の1
態様の分解斜視図を示す。放熱板5、ハンダ配設領域2
及び接着剤領域3からなる本発明の熱硬化型接着シート
1、ICチップ4、ICチップ4を収容できる開口部を
有するスティフナー6、本発明の熱硬化型接着シートで
あって、スティフナー6と同様の開口部を有する接着シ
ート1、タブ7を順次積層し、120℃〜300℃の温
度で上記の要領で圧着する。接着シート1のハンダ配接
領域2の少なくとも一部は、ICチップ4に配置される
領域に対応している。これにより、導電性とともに高い
熱伝導性が得られ、チップから発生する熱を良好に放熱
することが可能になる。また、接着シート1は、スティ
フナー6に積層される領域にもハンダが配設されてい
る。スティフナー6は、銅などの金属導電体から形成さ
れているため、上記接着シート1、スティフナー6、ス
ティフナー6と同様の開口部を有する接着シート1を介
してタブ7と導通する。これにより、従来の電子部品に
おいて必要とされていた端部におけるハンダ導電路は形
成する必要がない。このように、本発明の熱硬化型接着
シートでは、導電性及び熱伝導性が要求される領域にの
みハンダを保持可能に配設することができるので、ハン
ダの使用量を最小化し、かつ、高い熱伝導性を得ること
ができる。また、本発明の接着シートをICチップ及び
スティフナーと放熱板との接着に用いることで、電子部
品製造工程が簡略化される。
【0049】
【実施例】以下において、実施例によって本発明をさら
に説明する。 1.接着シートの作製 まず、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体で
あるCG5001(住友化学工業社製のボンドファース
ト(商品名)、MFR=350g/10分)70重量部
と、エチレン−エチルアクリレート共重合体であるNU
C6070(日本ユニカー株式会社製、MFR=250
g/10分)25重量部、カルボキシル基を有するロジ
ンであるKR85(荒川化学工業株式会社製、酸価=1
70mgKOH/g)5重量部とを120℃の温度で7
分間、混練し、100μmの剥離処理されたポリエチレ
ンテレフタレート(PET)ライナー上に150℃のナ
イフコーターで塗布し、50μmの熱硬化性接着シート
前駆体を作製した。この前駆体の組成を下記の表1に示
す。この接着シート前駆体に200kVで150kGy
の吸収線量で電子線を照射し、PETライナー上に熱硬
化性接着シートを得た。この接着シートを接着シート1
と呼ぶ(比較例1の接着シート)。
【0050】12.5重量部のCG5001と、87.
5重量部のAgC2001(福田金属箔粉工業社製の銀
粉)とを上記のように混練し、PETライナーに塗布
し、接着シート前駆体を得た。この前駆体の組成を下記
の表1に示す。この接着シート前駆体に上記と同様に電
子線を照射し、熱硬化性接着シートを得た。この接着シ
ートを接着シート2と呼ぶ(比較例2の接着シート)。
【0051】
【表1】
【0052】上記接着シート1を図3に示す寸法でカッ
ティングし、貫通開口領域を設けたシートを得た。この
際、剥離処理されたPETライナーを貼り替えた。次
に、千住金属社製の厚さ100μm、幅1mm、融点1
14℃の低融点ハンダリボンを長さ8mmに切断し、接
着シート1の貫通開口領域中に配置し、ボンダーで圧着
し、本発明の熱硬化型接着シートを得た。圧着圧力は2
kg/cmであり、圧着温度は127℃であり、圧着
時間は3秒間であった。接着シート1から得られたこれ
らの接着シートを、それぞれ、接着シート3と呼ぶ(実
施例1の接着シート)。
【0053】2.熱伝導率測定用サンプルの作製 上記のそれぞれの接着シートからPETライナーを剥離
し、接着シートで2枚の厚さ500μmの銅板間の接着
を行なった。実施例1では接着シートを2枚重ねにして
接着を行い、比較例1及び2では1枚で行なった。圧着
条件は2kg/cmで、圧着温度は175℃で、圧着
時間は10秒間であった。それぞれのサンプルを糸鋸で
10mm×10mmに切断し、熱伝導率測定用サンプル
とした。また、熱伝導率測定用対照サンプルとして、1
0mm四方の厚さ490μmのステンレス板(SUS3
04(BA))を用いた。下記の表2に、実施例1及び
比較例1〜2の測定用サンプル及び対照サンプルの構成
を示す。
【0054】
【表2】
【0055】3.熱伝導率測定 熱伝導率の縦型比較法に基づき測定する装置を作製し、
それぞれのサンプルの熱伝導率を測定した。図4に装置
の概略図を示す。図に示すように、2つのジグの間に、
サンプル(S)を挟んで固定した。ジグ(J)には圧延
銅棒(JISC1100、断面直径10mm)を用い
る。上部側のジグをWATLOW社製のヒータ(H)に
より加熱し、加熱されたジグからサンプルを通して下部
側のジグに熱が流れるようすを測定する。ジグには、先
端直径が500μmのK熱電対(T)を2本、4mmの
間隔でジグの中心部まで埋め込むことで、ジグに流れる
熱量を測定する。反対側のジグの底部には水冷ユニット
を取り付け、サンプルからの熱を除去する。ジグを流れ
る熱量(W)は、圧延銅棒の熱伝導率を391W/mK
とし、2本の熱電対の間の温度差(℃(K))及びその
距離(m)並びに圧延銅棒の断面積(m)から測定さ
れる。測定するサンプルを、上記ジグ間にはさみ、銀ペ
ーストを用いて密着をはかり、3kgの錘でデッドロー
ドをかける。また、この際、サンプルの両表面にそれぞ
れ熱電対(T)を少量の瞬間接着剤で取り付け、サンプ
ルの両表面の温度を測定できるようにする。この状態で
ヒータ(H)より熱を発生させ、1時間後に、各測定点
の温度変化が一定したところで、上部ジグの2点及びサ
ンプルのそれぞれ両表面で温度を測定する。なお、測定
部分にはガラスの覆いを用いて、部屋の温度の影響を極
力減らす。以上の要領で測定された結果を下記の表3に
示す。
【0056】
【表3】
【0057】表3の対照サンプルの結果から、この測定
法で測定したSUS304の熱伝導率は約17±2(W
/mK)であり、これは文献値(伝熱工学資料、改訂第
4版、第318頁)16.5(W/mK)に近いことか
ら、上記測定で得られた熱伝導率は妥当な値であること
がわかる。したがって、表3からわかるように、実施例
1の熱抵抗は比較例1及び2のそれと比較して低く、本
発明の熱硬化型接着シートは熱伝導率が高く、放熱用途
に適していることが判る。このため、同一の放熱性を得
るためには、使用する金属量を減らすことができ、経済
的である。
【0058】
【発明の効果】本発明では、より安価で、高い熱伝導率
及び導電性を有する熱硬化型接着シートが得られる。ま
た、本発明の熱硬化型接着シートは、TAB方式で形成
された電子部品における電子素子の放熱用途に応用する
ときに、電子素子及びスティフナーを1枚の接着シート
で放熱板に接着することができるので、製造工程を簡略
化でき、経済的に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TAB方式で形成された従来の電子部品の断面
図を示す。
【図2】本発明の熱硬化型接着シートを用いた電子部品
の1態様の分解斜視図を示す。
【図3】実施例において用いる本発明の熱硬化型接着シ
ートの上面図である。
【図4】熱伝導率の測定装置の概略図を示す。
【符号の説明】
1…熱硬化型接着シート 2…ハンダ配設領域 3…接着剤領域 4…ICチップ 5…放熱板 6…スティフナー 7…タブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 193/04 C09J 193/04 // C09J 9/02 9/02 (72)発明者 三井 明彦 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 川手 恒一郎 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 石井 栄美 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK25A AL01A AR00B AR00C BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C EJ05A EJ53A GB90 JB13A JG01 JG01A JJ01 JJ01A JL11A JL14B JL14C 4J004 AA02 AA04 AA07 AA10 AA18 AB05 AB06 BA08 DB03 FA05 4J040 BA202 DA061 DA062 DF041 DF042 DF051 DF052 DF061 DF062 GA07 GA11 JA09 JB02 JB07 JB10 KA09 KA16 KA32 LA08 LA09 NA19 NA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン−グリシジル(メタ)ア
    クリレート共重合体及びカルボキシル基を有するロジン
    を含み、電子線照射により前記共重合体のエチレン間に
    架橋を施した熱硬化性接着剤組成物からなる熱硬化性接
    着シートであって、所望の位置に貫通開口領域を設けた
    シート、(B)前記所望の位置に設けられた貫通開口領
    域に配設された低融点ハンダとを含む、導電性及び熱伝
    導性を有する熱硬化型接着シート。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性接着剤組成物はエチレン−
    アルキル(メタ)アクリレート共重合体をさらに含む、
    請求項1記載の熱硬化型接着シート。
  3. 【請求項3】 前記熱硬化型接着シートはその片面又は
    両面に剥離シート(C)をさらに有する、請求項1又は
    2記載の熱硬化型接着シート。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化型接着シートは、電子素子と
    放熱手段との間に配置され、それらを接着するために用
    いられる放熱用接着シートである、請求項1〜3のいず
    れか1項記載の熱硬化型接着シート。
  5. 【請求項5】 前記貫通開放領域は、前記電子素子に配
    置される領域に対応する、請求項4記載の熱硬化型接着
    シート。
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