JPH1053689A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH1053689A
JPH1053689A JP21137996A JP21137996A JPH1053689A JP H1053689 A JPH1053689 A JP H1053689A JP 21137996 A JP21137996 A JP 21137996A JP 21137996 A JP21137996 A JP 21137996A JP H1053689 A JPH1053689 A JP H1053689A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱可塑性エラストマーの優れた柔軟性、ゴム
弾性、耐熱性、耐候性等の物性を損なうことなく、かつ
軟化剤のブリードが少なく、流動性に富み成形加工性に
優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 (イ)モノビニル置換芳香族炭化水素重
合体ブロック(A)と共役ジエン重合体ブロック(B)
からなる共重合体の共役ジエン重合体ブロック(B)部
分の二重結合が水素添加された水素添加ブロック共重合
体:30〜60重量% ただし、(イ)成分は、(イ−1)A−B−Aで表され
るトリブロック共重合体と、(イ−2)A−Bで表され
るジブロック共重合体からなり、その組成比(重量比)
が(イ−1)成分/(イ−2)成分=99/1〜80/
20からなるものである。 (ロ)炭化水素系ゴム用軟化剤:70〜40重量% (ハ)オレフィン系重合体:1〜100重量部からなる
ことを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性エラストマ
ー組成物に関し、柔軟性、ゴム弾性、耐熱性、耐候性、
機械的強度および成形加工性に優れ、かつ軟化剤のブリ
ードの少ない熱可塑性エラストマー組成物に関するもの
である。この組成物は食品用途、日用雑貨用途、玩具・
運動用具用途、デスクマットなどの文具用途、自動車内
外装用途、土木シート、防水シートなどの土木・建築用
途、AV・家電機器用途、OA・事務機器用途、衣料・
履き物用途、テキスタイル用途、各種カテーテル等の医
療用機器用途、紙オムツ・生理用品等の衛生用品、化学
・鉱工業用資材、包装輸送用資材、農・畜・水産資材等
で利用可能である。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム的な軟質材料であって、加硫
工程を要せず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有す
る熱可塑性エラストマー(以下TPEと略する)が、自
動車部品、家電部品、医療、食品用機器部品、電線およ
び雑貨等の分野で注目され使用されている。このような
TPEには現在、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、
ポリエステル系、ポリスチレン系等の種々の系統のポリ
マーが開発され、市販されている。
【0003】しかしながら、これらTPEは、ゴムとし
ての広い用途分野の1つである加硫ゴムの用途に於い
て、品質面で加硫ゴムの水準には達しておらず、従っ
て、加硫ゴム分野での利用は極めて限定されている。例
えば、ポリオレフィン系TPEは、比較的安価で耐熱
性、耐候性に優れている反面、軟質のものが得られず、
最も柔軟なものでもJIS−A硬度(JIS−K630
1)で70程度であり、一般の加硫ゴムのJIS−A硬
度60に比べまだ硬すぎる。
【0004】ポリエステル系TPEやポリウレタン系T
PEもまた、その市販品中最も柔軟なものでもJIS−
A硬度が70〜90で、加硫ゴムに比べて非常に硬く、
加硫ゴムの用途分野に適さない。一方、スチレンブロッ
ク−ブタジエンブロック−スチレンブロック部を有する
ポリマー(SBS)やスチレンブロック部−イソプレン
ブロック部−スチレンブロック部を有するポリマー(S
IS)等のポリスチレン系TPEは、前記のポリオレフ
ィン系、ポリエステル系およびポリウレタン系TPEに
比べて柔軟性に富み、良好なゴム弾性を有するが、ポリ
マー内のポリブタジエンブロックあるいはポリイソプレ
ンブロックに二重結合を有しているため、耐熱老化性
(熱安定性)および耐候性に問題がある。
【0005】例えば、ポリスチレン系エラストマーとポ
リエステル系エラストマーの配合物として、ポリスチレ
ン系エラストマーにSBSやSISを用いたものが特開
昭50−82162号公報に紹介されているが、これら
は、耐オゾン性や熱安定性等に十分な性能を有するもの
ではなかった。スチレンブロック部と共役ジエンブロッ
ク部を有する共重合体の分子内二重結合を水素添加する
ことによって熱安定性の向上したエラストマーを得るこ
とができることはよく知られている。このようなブロッ
ク共重合体をゴム成分として用い、これとオレフィン系
樹脂(通常ポリプロピレン樹脂)、オイル、フィラー等
を配当したいわゆるポリスチレン系TPEは、ポリオレ
フィン系TPEに比べて優れた柔軟性を有するものであ
る。
【0006】しかしながら、良好なゴム弾性および耐熱
性を発現させる目的でポリスチレン系エラストマーとし
て非常に高分子量タイプのものを用いなければならず、
溶融時の流動性が不足し、複雑な形状が要求されるもの
やL/Dの大きな細長形状の成形においては、ショート
ショットやフローマークが発生しやすいといった問題が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性エラストマーの優れた柔軟性、ゴム弾性、耐熱性、
耐候性等の物性を損なうことなく、かつ軟化剤のブリー
ドが少なく、流動性に富み成形加工性に優れた熱可塑性
エラストマー組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために種々の研究を重ねた結果、モノビニル置
換芳香族炭化水素重合体ブロック・共役ジエン重合体ブ
ロックからなる共重合体の共役ジエンブロック部分の二
重結合が水素添加された水素添加ブロック共重合体とし
て特定のトリブロック共重合体とジブロック共重合体を
併用し、かつ、これと炭化水素系ゴム用軟化剤、オレフ
ィン系重合体を組み合わせて配合することにより、柔軟
性、ゴム弾性、耐熱性、耐候性に優れ、かつ軟化剤のブ
リードが少なく、飛躍的に流動性が向上して成形加工性
に優れることを見いだして、本発明を完成するに至った
ものである。
【0009】すなわち、本発明の熱可塑性エラストマー
組成物は、(イ)モノビニル置換芳香族炭化水素重合体
ブロック(A)と共役ジエン重合体ブロック(B)から
なる共重合体の共役ジエン重合体ブロック(B)部分の
二重結合が水素添加された水素添加ブロック共重合体:
30〜60重量% ただし、(イ)成分は、(イ−1)A−B−Aで表され
るトリブロック共重合体の共役ジエン重合体ブロック
(B)部分の二重結合が水素添加された水素添加トリブ
ロック共重合体であり、重量平均分子量が10万〜40
万、共重合体中の重合体ブロック(A)の含有量が20
〜40重量%の共重合体と(イ−2)A−Bで表される
ジブロック共重合体の共役ジエン重合体ブロック(B)
部分の二重結合が水素添加された水素添加ジブロック共
重合体で、重量平均分子量が3万〜20万、共重合体中
の重合体ブロック(A)の含有量が5〜20重量%の共
重合体からなり、その組成比(重量比)が(イ−1)成
分/(イ−2)成分=99/1〜80/20からなるも
のである。
【0010】(ロ)炭化水素系ゴム用軟化剤:70〜4
0重量% 上記成分(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して (ハ)オレフィン系重合体が1〜100重量部配合され
てなる熱可塑性エラストマー組成物を提供するものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】
(1)水素添加ブロック共重合体(イ成分)のブロック
(A)を構成する重合体成分は、スチレン又はその誘導
体の重合体である。スチレンの誘導体としては、具体的
には、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2
−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4−プロピ
ルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシ
ルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−
(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。これら
の中でもブロック(A)を構成する重合体成分として
は、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0012】重合体ブロック(B)における共役ジエン
単量体はブタジエンもしくはイソプレンが好ましく、ま
た、両者の混合物でも良い。重合体ブロック(B)を形
成するためにブタジエンが単一の共役ジエン単量体とし
て用いられる場合には、ブロック共重合体が水素添加さ
れて二重結合が飽和された後にエラストマー性を保持す
る目的で、ポリブタジエンにおけるミクロ構造中の1,
2−ミクロ構造が20〜50%となる重合条件を採用す
ることが好ましく、特に1,2−ミクロ構造が35〜4
5%のものが適している。
【0013】(イ)成分中の(イ−1)成分はA−B−
Aで表されるトリブロック共重合体の共役ジエンブロッ
ク部分の二重結合が水素添加された水素添加トリブロッ
ク共重合体で、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレ
ンブロック共重合体の水素添加物(通称、スチレン・エ
チレン・ブチレン・スチレン共重合体(以下、単に[S
EBS]と略することがある。))、スチレン・イソプ
レン・スチレンブロック共重合体の水素添加物(通称、
スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体
(以下、単に[SEPS]と略することがある。))、
又は、これらの混合物を好適に使用することができる。
【0014】(イ−1)成分は、重量平均分子量が10
万〜40万、好ましくは15万〜35万、更に好ましく
は20万〜30万のもので、重合体ブロック(A)の共
重合体中に占める割合が20〜40重量%、好ましくは
25〜35重量%の水素添加トリブロック共重合体であ
る。重量平均分子量が10万未満では、得られる熱可塑
性エラストマーのゴム弾性および耐熱性に劣り、一方、
40万を越えると粘度が高く成形加工性に劣る傾向とな
る。
【0015】ここで「重量平均分子量」は、ゲル浸透ク
ロマトグラフィー(GPC)により次の条件で測定した
ポリスチレン換算の重量平均分子量である。 (条件)機器 :150C ALC/GPC(MILL
IPORE社製) カラム:AD80M/S(昭和電工(株)製)3本 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 温度 :140℃ 流速 :1ml/分 注入量:200μl 濃度 :2mg/ml(酸化防止剤2,6−ジ−t−ブ
チル−p−フェノールを0.2重量%添加。濃度検出は
FOXBORO社製赤外分光光度計MIRAN 1Aに
より波長3.42μmで測定。)
【0016】重合体ブロック(A)の共重合体中に占め
る割合が20重量%未満の場合には、得られる熱可塑性
エラストマーの機械的強度、ゴム弾性および耐熱性に劣
り、重合体ブロック(A)が40重量%を越える場合に
は、柔軟性およびゴム弾性に劣ると同時に軟化剤のブリ
ードが悪化する傾向となる。(イ)成分中の(イ−2)
成分はA−Bで表されるジブロック共重合体の共役ジエ
ンブロック部分の二重結合が水素添加された水素添加ジ
ブロック共重合体で、例えば、スチレン・ブタジエンブ
ロック共重合体の水素添加物(スチレン・エチレン・ブ
チレン共重合体(以下、単に[SEB]と略することが
ある。))、スチレン・イソプレンブロック共重合体の
水素添加物(スチレン・エチレン・プロピレン共重合体
(以下、単に[SEP]と略することがある。))、又
は、これらの混合物を好適に使用することができる。
【0017】重合体ブロック(A)の共重合体中に占め
る割合は5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%
である。重合体ブロック(A)が5重量%未満の場合に
は、得られる熱可塑性エラストマーの機械的強度、ゴム
弾性および耐熱性が悪化する傾向となる。また、重合体
ブロック(A)が20重量%を越える場合には、流動性
および成形加工性改良効果が発現されにくい傾向とな
る。
【0018】また、上記(イ−2)成分の水添ジブロッ
ク共重合体の重量平均分子量は、3万〜20万、好まし
くは4万〜15万、更に好ましくは5万〜10万の範囲
である。なお(イ)成分としては(イ−2)成分のA−
B型ブロック共重合体を重合後、カップリングにより
(イ−1)成分のA−B−A型ブロック共重合体を合成
し、調製したものであってもよい。
【0019】重量平均分子量が3万未満では、得られる
熱可塑性エラストマーのゴム弾性および耐熱性に劣り、
20万を越えると流動性および成形加工性改良効果が発
現されにくい傾向となる。これらのブロック共重合体の
製造方法としては、上記した構造が得られるものであれ
ばどのような製造方法でもよい。例えば、特公昭40−
23798号公報に記載された方法により、リチウム触
媒等を用いて不活性溶媒中でスチレンとブタジエン又は
イソプレンをブロック重合させて得ることができる。
【0020】これらのブロック共重合体の水素添加処理
は、例えば特公昭42−8704号公報、特公昭43−
6636号公報、あるいは特開昭59−133203号
公報および特開昭60−79005号公報に記載された
方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に加
熱して水素添加される。この水素添加では、重合体ブロ
ックB中のオレフィン型二重結合の少なくとも50%、
好ましくは80%以上が水素添加され、重合体ブロック
A中の芳香族不飽和結合の25%以下が水素添加され
る。
【0021】このような水素添加されたブロック共重合
体としては、シェル・ケミカル社より「KRATON−
G」、クラレ社より「セプトン」という商品名で市販さ
れているものがある。
【0022】(2)炭化水素系ゴム用軟化剤(ロ成分) 本発明で(ロ)成分として用いられる炭化水素系ゴム用
軟化剤としては、重量平均分子量が300〜2,00
0、好ましくは500〜1,500の炭化水素が用いら
れ、鉱物油系もしくは合成樹脂系が好適である。鉱物油
系軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖
の三者を組み合わせた混合物であって、パラフィン鎖炭
素数が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフィン
系オイルと呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%の
ものがナフテン系オイルと呼ばれ、芳香族炭素数が35
%以上のものが芳香族系オイルと呼ばれて区分されてい
る。これらの中でゴム用軟化剤として好ましいものはパ
ラフィン系オイルである。
【0023】パラフィン系オイルとしては、40℃動粘
度が20〜800cst(センチストークス)、好まし
くは50〜600cst、流動点が0〜−40℃、好ま
しくは0〜−30℃、および、引火点(COC)が20
0〜400℃、好ましくは250〜350℃のオイルが
好適に使用される。合成樹脂系軟化剤としては、ポリブ
テン、低分子量ポリブタジエン等が使用可能であるが、
鉱物油系軟化剤の方が好ましい。
【0024】(3)オレフィン系重合体(ハ成分) 本発明で(ハ)成分として用いられるオレフィン系重合
体としては、オレフィンの単独重合体又は共重合体を用
いることができ、示差熱熱量計(DSC)による溶解ピ
ーク温度が130℃未満のものは190℃における、1
30℃以上のものは230℃におけるメルトフローレー
ト(JIS−K7210、2.16kg荷重)が0.0
1〜100g/10分、好ましくは0.05〜80g/
10分、特に好ましくは0.1〜60g/10分のもの
で、曲げ弾性率が500kg/cm2 以上、好ましくは
1,000〜20,000kg/cm2 、更に好ましく
は3,000〜15,000kg/cm2 のものが使用
される。
【0025】具体的には、結晶性のエチレン系重合体、
プロピレン系重合体、ポリブテン−1およびポリ4−メ
チルペンテン−1等が挙げられ、結晶性オレフィン系重
合体として好ましくはエチレン系重合体およびプロピレ
ン系重合体である。エチレン系重合体には、例えば、高
密度、(線状)中密度または低密度ポリエチレン、エチ
レン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重
合体、エチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・ヘ
プテン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合
体、エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重
合体、エチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合
体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタ
クリル酸アルキルエステル共重合体等が挙げられ、エチ
レン系重合体として好ましいものは、高密度、(綿状)
中密度および低密度ポリエチレンである。
【0026】また、プロピレン系重合体には、ポリプロ
ピレン、プロピレン・エチレン(ブロック又はランダ
ム)共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロ
ピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・
4−メチレンペンテン−1共重合体等が挙げられ、プロ
ピレン系重合体として好ましいものは、ポリプロピレン
およびプロピレン・エチレン(ブロック又はランダム)
共重合体である。
【0027】(4)その他の成分 本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須成
分に加えて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で各
種目的に応じ他の任意の配合成分を配合することができ
る。任意成分としては、例えば、酸化防止剤、熱安定
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、
アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、
難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、架橋剤、架橋助
剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、蛍光増白
剤等の各種添加物、上記必須成分以外の熱可塑性樹脂、
上記必須成分以外のエラストマー、フィラー等を挙げる
ことができ、これらの中から任意のものを単独でまたは
併用してエラストマー組成物100部に対して50部以
下用いることができる。
【0028】ここで、必須成分以外の熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、
ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン
系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂等を挙げるこ
とができる。
【0029】また、任意のエラストマーとしては、曲げ
弾性率が500kg/cm2 未満の重合体、例えば、エ
チレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・
プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、エ
チレン・ブテン共重合ゴム(EBM)、エチレン・プロ
ピレン・ブテン共重合ゴム等のエチレン系エラストマ
ー、前述の(イ−1)成分又は(イ−2)成分以外のス
チレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレ
ン共重合体ゴム等のスチレン系エラストマー、ポリブタ
ジエン等を挙げることができ、エラストマー組成物10
0部に対して部以外配合することができる。
【0030】更に、フィラーとしては、ガラス繊維、中
空ガラス球、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイ
カ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、二酸化チタン、カ
ーボンブラック等を挙げることができる。
【0031】(5)各成分の配合量 本発明の熱可塑性エラストマーを構成する(イ−1)成
分/(イ−2)成分の配合割合(重量比)は、99/1
〜80/20であり、好ましくは98/2〜85/1
5、さらに好ましくは97/3〜90/10である。
(イ)成分中の(イ−2)成分が1重量%未満[(イ−
1)成分が99重量%を越える]の場合には、流動性お
よび成形加工性改良効果が発現されにくい傾向となり、
(イ−2)成分が20重量%を越える[(イ−1)成分
が80重量%未満]場合には、得られる熱可塑性エラス
トマーのゴム弾性、耐熱性、及び機械的強度が悪化し好
ましくない。
【0032】(イ)成分と(ロ)成分の配合比は(イ)
成分と(ロ)成分の合計量に対して、(イ)成分が30
〜60重量%[(ロ)成分が70〜40重量%]、好ま
しくは35〜55重量%[(ロ)成分が65〜45重量
%]である。(イ)成分量が30重量%未満[(ロ)成
分が70重量%を越える]では、得られる熱可塑性エラ
ストマーのゴム弾性および耐熱性が劣り、軟化剤のブリ
ード性が悪化する傾向となる。(イ)成分量が60重量
%を越える[(ロ)成分が40重量%未満]ものは柔軟
性および成形加工性が悪化する傾向となる。
【0033】(ハ)成分の配合量は、(イ)成分と
(ロ)成分の合計量100重量部に対して1〜100重
量部、好ましくは2〜75重量部、さらに好ましくは3
〜50重量部である。1重量部未満の配合では得られる
熱可塑性エラストマーの成形加工性が劣り、100重量
部を越える配合は、熱可塑性エラストマーの柔軟性が失
われると同時に軟化剤のブリード性を悪化させる傾向と
なる。
【0034】(6)エラストマー組成物の調製 本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造において
は、上記各成分を機械的溶融混練する通常の方法によっ
て調製することができる。該機械的溶融混練において用
いられる溶融混練機としては、例えば、単軸押出機、二
軸押出機、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミ
キサー、ニーダーブレンダー、ロール等を挙げることが
でき、好ましくは145〜300℃の温度範囲で各成分
を混練することによって得ることができる。混練するに
あたり、各成分を一括混練りしてもよく、また、任意の
成分を混練りしたのち、残りの成分を添加し混練する多
段分割混練法を取ることもできる。
【0035】(7)成形方法 上記熱可塑性エラストマー組成物は、従来公知の方法、
射出成形(インサート成形法、二色成形法、サンドイッ
チ成形法、ガスインジェクション成形法等)、押出成
形、インフレ成形、Tダイフィルム成形、ラミネート成
形、ブロー成形、中空成形、圧縮成形、カレンダー成形
等の成形法により実用上有用な成形品に加工することが
できる。このようにして得られた成形品は、自動車部
品、家電部品等の工業部品、食品包装材、医療機器部
品、什器部品、日用雑貨品等に用いることができる。
【0036】
【実施例】以下に示す実施例によって、本発明を具体的
に説明する。これら実施例および比較例は、以下に示す
評価方法によって評価を行った。ただし、測定試料は、
全てインラインスクリュータイプ射出成形機(東芝機械
(株)製小型射出成形機:IS90B)にて、射出圧力
500kg/cm2 、射出温度220℃、金型温度30
℃の条件下にて成形し、120mm×80mm×2mm
厚シートの横方向打ち抜きにより得たものである。
【0037】(1)柔軟性 JIS−K6301に準拠し、JIS−A硬度を測定し
た。 (2)ゴム弾性および耐熱性 JIS−K6301に準拠し、圧縮永久歪み(70℃×
22時間)〔%〕を測定した。
【0038】(3)機械的強度 3号ダンベルで打ち抜き、JIS−K6301に準拠
し、引張破断点強度〔kg/cm2 〕を測定した。 (4)軟化剤のブリード 射出成形シートを23℃で30日間静置した後に表面の
ベタツキの有無を目視にて評価した。
【0039】(5)流動性 JIS−K7210に準拠し、メルトフローレート(2
30℃、2.16kg)〔g/10分〕を測定した。 (6)成形加工性 上記の成形条件で得られた射出成形シートにおいて、シ
ョートショットが無く、かつフローマーク等の著しい外
観不良が無い場合、成形加工性を良好とした。
【0040】また、実施例および比較例で用いた各配合
成分は次のとおりである。(イ)成分 モノビニル置換芳香族炭化水素・共役ジエンブロック共
重合体の水素添加ブロック共重合体(イ)成分のブロッ
ク構造、重合体ブロック(A)および(B)を構成する
単量体、重量平均分子量、重合体ブロック(A)含有量
は表1に示すとおりである。
【0041】
【表1】
【0042】(ロ)成分 (O−1)炭化水素系ゴム用軟化剤:パラフィン系オイ
ル 出光興産社製「PW90」 40℃動粘度:95.54cst 流動点 :−15℃ 引火点 :272℃
【0043】(O−2)炭化水素系ゴム用軟化剤:パラ
フィン系オイル 出光興産社製「PW380」 40℃動粘度:381.6cst 流動点 :−15℃ 引火点 :300℃
【0044】(ハ)成分 (Pφ−1)オレフィン系樹脂:高密度ポリエチレン 三菱ポリエチ−HD「HJ490」 密度 :0.958g/cm3 MFR:20g/10分(190℃、2.16kg) (Pφ−2)オレフィン系樹脂:ポリプロピレン 三菱ポリプロ「MA2P」 MFR:16g/10分(230℃、2.16kg)
【0045】(Pφ−3)オレフィン系樹脂:プロピレ
ン・エチレン共重合体 三菱ポリプロ「BC2」 MFR:15g/10分(230℃、2.16kg) (Pφ−4)オレフィン系樹脂:プロピレン・エチレン
共重合体 三菱ポリプロ「FG3D」 MFR:10g/10分(230℃、2.16kg)
【0046】(Pφ−5)オレフィン系樹脂:プロピレ
ン・エチレン共重合体 三菱化学社製「SPX9800」 MFR:1.0g/10分(230℃、2.16kg)
【0047】実施例1〜10および比較例1〜11 表2〜表3に示す配合量(重量部)にて配合した組成物
の合計量100重量部に対して、フェノール系酸化防止
剤(商品名「イルガノックス1010」)0.1重量部
を添加し、圧縮比L/D=33、シリンダー径45mm
の二軸押出機を用いて200℃の温度に設定して溶融混
練させ、ダイよりストランド状に押し出し、これをカッ
ティングして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを
得た。
【0048】このペレットを上記の通り射出成形してシ
ートとし、この得られたシートを上記の評価に供した。
これらの評価結果を表2〜3に示す。表2に示す実施例
1〜10の結果から、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物は、表3に示す比較例1〜11に比べて柔軟性、ゴ
ム弾性、耐熱性、機械的強度、成形加工性のバランスに
優れ、かつ軟化剤のブリードが無く、さらに(イ−2)
成分を配合することにより流動性および成形加工性に優
れることがわかる。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、柔軟性、ゴム弾性、耐熱性、機械的強度および成形
加工性に優れている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)モノビニル置換芳香族炭化水素重
    合体ブロック(A)と共役ジエン重合体ブロック(B)
    からなる共重合体の共役ジエン重合体ブロック(B)部
    分の二重結合が水素添加された水素添加ブロック共重合
    体:30〜60重量% ただし、(イ)成分は、(イ−1)A−B−Aで表され
    るトリブロック共重合体の共役ジエン重合体ブロック
    (B)部分の二重結合が水素添加された水素添加トリブ
    ロック共重合体であり、重量平均分子量が10万〜40
    万、共重合体中の重合体ブロック(A)の含有量が20
    〜40重量%の共重合体と、(イ−2)A−Bで表され
    るジブロック共重合体の共役ジエン重合体ブロック
    (B)部分の二重結合が水素添加された水素添加ジブロ
    ック共重合体で、重量平均分子量が3万〜20万、共重
    合体中の重合体ブロック(A)の含有量が5〜20重量
    %の共重合体からなり、その組成比(重量比)が(イ−
    1)成分/(イ−2)成分=99/1〜80/20から
    なるものである。 (ロ)炭化水素系ゴム用軟化剤:70〜40重量% 上記成分(イ)と(ロ)の合計100重量部に対して (ハ)オレフィン系重合体:1〜100重量部の割合で
    配合されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (ハ)成分が、エチレン系重合体および
    /またはプロピレン系重合体である、請求項1に記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
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