JP2002338782A - 自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメット - Google Patents

自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメット

Info

Publication number
JP2002338782A
JP2002338782A JP2001300012A JP2001300012A JP2002338782A JP 2002338782 A JP2002338782 A JP 2002338782A JP 2001300012 A JP2001300012 A JP 2001300012A JP 2001300012 A JP2001300012 A JP 2001300012A JP 2002338782 A JP2002338782 A JP 2002338782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
resin composition
parts
grommet
block copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001300012A
Other languages
English (en)
Inventor
Shotaro Kashiwagi
正太郎 柏木
Hideki Takahashi
英樹 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001300012A priority Critical patent/JP2002338782A/ja
Publication of JP2002338782A publication Critical patent/JP2002338782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】リサイクル性に富み、射出成形性および強度や
可撓性といった製品性能に優れた自動車ハーネス用グロ
メット樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(a)芳香族ビニル−共役ジエンブロック
共重合体またはその水素添加物100重量部に対し、
(b)ポリオレフィン系樹脂10〜80重量部、(c)
炭化水素系ゴム用軟化剤70〜240重量部、(d)粘
度50〜10,000cstのシリコーンオイル0.0
1〜10重量部を配合して成り、JIS−K6253に
よるJIS−A硬度が30〜75の範囲にある樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車ハーネス用グロ
メット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメットに
関する。ここで、自動車ハーネス用グロメットとは、車
体を貫通させて、ワイヤーハーネスを取付ける場合に、
防水、遮音、ワイヤーハーネスの外傷防止の目的で使用
される部品を言い、例えば、ドアグロメット、ダッシュ
グロメット、トランクグロメット、フェーエルグロメッ
ト等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車ハーネス用グロメット
には、その柔軟性、機械的強度、コストの面から加硫ゴ
ムが主に使用されているが、加硫ゴムは、加硫工程に時
間が掛かり生産性が劣ると共にリサイクル性や軽量性に
乏しいといった欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、リサイクル性に
富み、射出成形性および強度や可撓性といった製品性能
に優れた自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および
自動車ハーネス用グロメットを提供することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、特定のエラストマーにオレフィン系樹脂と
炭化水素系ゴム用軟化剤を配合して成る特定の硬度を有
する樹脂組成物により上記の目的を容易に達成し得ると
の知見を得、本発明の完成に至った。
【0005】すなわち、本発明の第1の要旨は、(a)
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体またはその
水素添加物100重量部に対し、(b)ポリオレフィン
系樹脂10〜80重量部、(c)炭化水素系ゴム用軟化
剤70〜240重量部、(d)粘度50〜10,000
cstのシリコーンオイル0.01〜10重量部を配合
して成り、JIS−K6253によるJIS−A硬度が
30〜75の範囲にあることを特徴とする自動車ハーネ
ス用グロメット樹脂組成物に存し、第2の要旨は、上記
の樹脂組成物を射出成形して成ることを特徴とする自動
車ハーネス用グロメットに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物(以
下、樹脂組成物と略記する)は、必須成分として、芳香
族ビニル−共役ジエンブロック共重合体またはその水素
添加物(a)、ポリオレフィン系樹脂(b)、炭化水素
系ゴム用軟化剤(c)及び特定粘度のシリコーンオイル
(d)を含有するスチレン系熱可塑性エラストマーであ
る。
【0007】先ず、芳香族ビニル−共役ジエンブロック
共重合体またはその水素添加物(a)について説明す
る。ここで使用する芳香族ビニル系モノマーとしては、
好適にはスチレンが挙げられ、また、α−メチルスチレ
ン等も使用される。一方、共役ジエン系モノマーとして
は、ブタジエン、イソプレン、これらの混合物が挙げら
れる。
【0008】上記の共重合体またはその水素添加物の具
体的例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体(以下「SBS」)若しくはスチレン−イ
ソプレン−スチレン(以下「SIS」)又はこれらの水
素添加物であるスチレン−エチレン−ブテン−スチレン
ブロック共重合体(以下SEBS)若しくはスチレン−
エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(以
下SEPS)が挙げられる。また、スチレン−イソプレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下SI
BS)の水素添加物であるスチレン−エチレン−エチレ
ン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下SE
EPS)も挙げられる。特に、水素添加物であるSEB
S、SEPS、SEEPSは、耐熱性、耐候性に優れて
いるためより好ましい。
【0009】芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合
体またはその水素添加物(a)の重量平均分子量は、通
常50,000〜600,000、好ましくは60,0
00〜500,000、更に好ましくは100,000
〜400,000である。重量平均分子量が600,0
00を超える場合は成形性に劣り、50,000未満の
場合はゴム弾性や力学物性に乏しくなるので好ましくな
い。また、芳香族ビニル基含有量は、通常5〜50重量
%、好ましくは8〜45重量%、更に好ましくは10〜
40重量%、共役ジエン部分の水素添加率は、通常50
%以上、好ましくは80%以上である。そして、芳香族
ビニル基中の芳香族性不飽和結合の水素添加率は通常2
5%以下である。
【0010】上記の「重量平均分子量」とは、ゲル浸透
クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチ
レン換算の重量平均分子量であり、例えば、以下の様な
条件で測定することが出来る。
【0011】
【表1】 機器 :MILLIPORE社製「150C ALC/
GPC」 カラム:昭和電工(株)製「AD80M/S」3本 溶媒 :オルトジクロロベンゼン 温度 :140℃ 流速 :1ml/min 注入量:200ml 濃度 :2mg/ml(酸化防止剤2,6−ジ−t−ブ
チル−p−フェノールを0.2重量%添加) 検出法:FOXBORO社製赤外分光光度計「MIRA
N 1A」により波長3.42μmで検出
【0012】上記のブロック共重合体の製造方法として
は、数多くの方法が報告されているが、代表的なものと
して、例えば、特公昭40−23798号公報明細書に
記載された方法、すなわち、リチウム触媒またはチーグ
ラー型触媒を使用し、不活性溶媒中でブロック重合させ
る方法が挙げられる。また、これらのブロック共重合体
の水素添加処理は、例えば、特公昭42−8704号、
特公昭43−6636号、特開昭59−133203
号、特開昭60−79005号の各公報に記載された方
法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素
添加する方法などが挙げられる。上記のブロック共重合
体の市販品としては、クレイトンポリマー(株)製「ク
レイトンG」、(株)クラレ製「セプトン」、「ハイブ
ラー」、旭化成(株)「タフテック」、JSR(株)製
「ダイナロン」等が挙げられる。
【0013】次に、ポリオレフィン系樹脂(b)につい
て説明する。本発明中で使用されるポリオレフィン系樹
脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ポリブテン−1樹脂などを挙げることが出来る。
【0014】上記のポリエチレン系樹脂としては、高圧
法により得られる低密度ポリエチレン、チーグラー型触
媒、バナジウム型触媒、カミンスキー型触媒などの金属
触媒を使用して中圧法により得られるエチレンとα−オ
レフィンとの共重合体である線状低密度ポリエチレン、
線状中高密度ポリエチレンの他、エチレン単独重合体で
ある高密度ポリエチレン等が挙げられる。
【0015】上記のポリプロピレン系樹脂としては、例
えば、プロピレン単独重合体、プロピレンと他の少量の
α−オレフィンとの共重合体である、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム
共重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン
−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブ
テン共重合体などが挙げられる。
【0016】上記のポリオレフィン系樹脂のMFR(J
IS K6758に準拠し230℃で21.2Nで測定
した値)は、成形性の観点から、通常0.01g/10
min以上、好ましくは0.05g/10min以上、
更に好ましくは0.1g/10min以上とされる。
【0017】上記のポリオレフィン系樹脂の中では、ポ
リプロピレン系樹脂が射出成形性や耐熱性の観点から好
ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単
独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体のプロピレン系重
合体が好適である。そして、これらの重合体のX線回析
法による結晶化度は、通常35%以上、好ましくは40
%以上であり、また、上記の共重合体のエチレン含量
は、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜25
重量%、更に好ましくは1〜20重量%の範囲である。
ここでいうエチレン含量とは、赤外スペクトル分析法な
どにより測定される数値である。
【0018】ポリオレフィン系樹脂の配合量は、芳香族
ビニル−共役ジエンブロック共重合体またはその水素添
加物(a)100重量部に対して10〜80重量部であ
るが、好ましくは17〜60重量部、更に好ましくは2
0〜40重量部である。ポリオレフィン系樹脂の配合量
が10重量部未満の場合は、機械的強度に乏しく、80
重量部を超える場合は可撓性に乏しい。
【0019】次に、炭化水素系ゴム用軟化剤(c)につ
いて説明する。本発明で使用される炭化水素系ゴム用軟
化剤は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体ま
たはその水素添加物を軟化させ、柔軟性と弾性を増加さ
せると共に、得られる組成物の加工性および流動性を向
上させるために使用される。一般に、炭化水素系ゴム用
軟化剤は、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素および
パラフィン系炭化水素の混合物である。
【0020】全炭素量に対し、芳香族系炭化水素の炭素
の割合が35重量%以上のものは芳香族系オイル、ナフ
テン系炭化水素の炭素の割合が30〜45重量%のもの
はナフテン系オイル、パラフィン系炭化水素の炭素の割
合が50重量%以上のものはパラフィン系オイルと呼ば
れる。
【0021】上記の中ではパラフィン系オイルが耐候性
などの点より好ましい。パラフィン系オイルとしては、
40℃の動粘度が通常20〜800cSt(センチスト
ークス)、好ましくは50〜600cSt、流動点が通
常0〜−40℃、好ましくは0〜−30℃、引火点(C
OC)が通常200〜400℃、好ましくは250〜3
50℃のオイルが好適である。
【0022】また、炭化水素系ゴム用軟化剤(c)の配
合量は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体ま
たはその水素添加物(a)100重量部に対し70〜2
40重量部であるが、好ましくは100〜220重量
部、更に好ましくは120〜200重量部である。炭化
水素系ゴム用軟化剤の配合量が70重量部未満の場合は
成形性に劣り、240重量部を超える場合は製品表面の
べたつきが発生するため好ましくない。
【0023】次に、シリコーンオイル(d)について説
明する。本発明において、シリコーンオイルは、グロメ
ット樹脂組成物から成るペレット同士のブロッキングを
防止すると共に、成形時の金型や中子などへの貼り付き
や成形品の包装材料への付着の防止、成形品の傷付き性
の改良のために使用される。シリコーンオイルとして
は、一般に、ジメチルシリコーンオイルやメチルフェニ
ルシリコーンオイルが使用される。本発明においては、
粘度(25℃における値)50〜10,000cstの
シリコーンオイルが使用される。粘度が50cst未満
の場合は、成形時の金型汚染の問題があり、粘度が1
0,000cstを超える場合は、グロメット樹脂組成
物の製造が困難となる。シリコーンオイルの粘度は、好
ましくは70〜5,000cst、更に好ましくは10
0〜3,000cstである。
【0024】また、シリコーンオイル(d)の配合量
は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体または
その水素添加物(a)100重量部に対し、通常0.0
1〜10重量部、好ましくは0.02〜8重量部、更に
好ましくは0.05〜5重量部である。配合量が0.0
1重量部未満の場合は、ペレット同士のブロッキングや
グロメット製品成形時の金型や中子などへの貼り付き、
成形品の包装材料への付着などの問題の他、成形品も傷
付き易い傾向がある。また、配合量が10重量部を超え
る場合は、成形時にペレットの可塑化が困難となり、し
かも、製品表面にブリードアウトする問題がある。な
お、シリコーンオイルは、各成分の練り込みの際に添加
してもよく、ペレット表面にまぶしてもよい。
【0025】本発明の樹脂組成物においては、上記の成
分に加えて必要に応じ無機充填剤を配合することが出来
る。無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、マ
イカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、炭素繊維などが挙
げられる。これらの中では炭酸カルシウム又はタルクが
好ましい。特に、柔軟性維持の観点から、比表面積が5
0,000cm2/g以下で平均粒径が5μm以下の炭酸
カルシウムが好適である。
【0026】無機充填剤の配合量は、芳香族ビニル−共
役ジエンブロック共重合体またはその水素添加物(a)
100重量部に対し、通常200重量部以下、好ましく
は150重量部以下、更に好ましくは100重量部以下
である。添加量が200重量部を超える場合は軽量性お
よび流動性に劣る。無機充填剤の配合量の下限は芳香族
ビニル−共役ジエンブロック共重合体またはその水素添
加物(a)100重量部に対し、通常1重量部である。
【0027】本発明の樹脂組成物においては、上記の各
成分以外にも、各種目的に応じて任意の配合成分を配合
することが出来る。斯かる成分としては、具体的には、
酸化防止剤、結晶核剤、熱安定剤、滑剤、スリップ剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、アンチブロッキング
剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、顔料、分散剤、防曇
剤、帯電防止剤、難燃剤、各種可塑剤、流動改質剤、加
工助剤などの各種添加剤が挙げられる。また、芳香族ビ
ニル−共役ジエンブロック共重合体またはその水素添加
物(a)以外の熱可塑性エラストマー、例えば、ポリオ
レフィン系、塩素化ポリオレフィン系、ポリエステル
系、ポリウレタン系などの各種の熱可塑性エラストマー
も使用し得る。これらの種類および使用量は、本発明の
効果を損ねない範囲内で適宜選択される。
【0028】本発明の樹脂組成物は、JIS−K625
3によるJIS−A硬度が30〜75の範囲にあること
を特徴とする。JIS−A硬度が30より小さい場合は
機械的強度が低下し、75より大きい場合は可撓性や屈
曲性低下などによる実用性低下を招く。JIS−A硬度
は、好ましくは33〜63、更に好ましくは33〜58
である。
【0029】ところで、従来、グロメット、ハーネス、
ホース類などの射出成形方法として、製品外面を形成す
るキャビティー型とその中に挿入された製品内面を形成
するコア型を使用し、射出、冷却の後にキャビティー型
を開き、得られた成形品の内部に挿入されているコア型
を拡径後に引き抜くことにより製品を得る手法が報告さ
れている(特開平11−218266号公報)。この場
合、射出成形時に発生する製品非有効部(バリ)、すな
わち、金型のランナーやスプール部分に残存した成形材
料は、粉砕後にリサイクル(再利用)することが望まれ
る。本発明の樹脂組成物は、従来の加硫ゴムでは達成し
得なかった上記の様なリサイクルを可能とする。
【0030】上記の射出成形における易成形性は、溶融
粘度で表すことが出来る。ここでいう溶融粘度は、以下
の条件にて測定し算出される値である。
【0031】
【表2】 機器 :東洋精機(株)製「キャピログラフ1B」 バレル径 :10mmφ オリフィス形状:直径10mm、樹脂流路直径1mmφ、同長さ10mm、テ ーパー角なし(フラット形状) 測定温度 :230℃ 測定試料量 :10g
【0032】本発明の樹脂組成物の溶融粘度は、キャピ
ラリ−レオメーターを使用し、230℃、剪断速度10
00sec-1の条件下で測定した値として、通常100
Pa・s以下、好ましくは80Pa・s以下とされる。
溶融粘度が100Pa・sより大きい場合は流動性不良
や外観不良といった射出成形性が低下する。溶融粘度の
下限は通常10Pa・sである。
【0033】また、樹脂組成物の易射出成形性は、上記
の様な溶融粘度の他、結晶化温度によっても表すことが
出来る。ここでいう結晶化温度は、示差熱分析計を使用
しJIS−K7121に準拠して測定される値である。
本発明の樹脂組成物の結晶化温度は、通常85℃以上、
好ましくは87℃以上である。結晶化温度が85℃未満
の場合は、特に製品厚肉部においてヒケ等に由来する凹
部発生など、射出成形外観が低下する。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0035】<評価方法>評価は以下に示す試験方法
(1)〜(8)により行った。そして、以下の(1)及
び(2)の測定試料は、以下の(3)の評価で得たシー
トを縦方向に打ち抜き加工して得た。
【0036】(1)JIS−A硬度はJIS−K625
1に準拠した。
【0037】(2)引張破断強度(MPa)及び引張破
断伸度(%)は、JIS−K6251に準拠し、3号試
験片を使用して試験速度500mm/minにて実施
し、試験片破断時の応力より算出した。
【0038】(3)射出成形性評価は、インラインスク
リュー型射出成形機(東芝機械(株)製小型射出成形機
「IS130」)にて、射出圧力50MPa、射出温度
230℃、金型温度40℃にて成形した120mm×8
0mm×2mmのシート外観より判定を実施した。
【0039】(4)可撓性評価は、JIS−K6301
に記載の屈曲試験に準拠して行い、亀裂長が25mmに
達した時点での屈曲回数で評価した。
【0040】(5)リサイクル性は、得られたドアグロ
メット成形品の粉砕品を20重量%添加した各組成物を
上記(3)と同様に成形し、得られた射出成形シートに
ついて(2)と同様の引張試験を行ってリサイクル性の
可否を評価した。
【0041】(6)溶融粘度は、明細書の本文に記載し
た条件でピストン速度0.5〜500mm/minで測
定し、得られた剪断速度−溶融粘度曲線から剪断速度1
000sec-1における溶融粘度を算出した。
【0042】(7)結晶化温度は、JIS−K7121
に準拠して測定し、得られた温度−熱量の結晶化曲線中
のピーク温度を結晶化温度とした。
【0043】(8)金型汚染性は、射出成形を連続50
0回行った際の金型の汚染の程度を目視観察して評価し
た。
【0044】<原材料>次の(1)〜(6)に示す原材
料を使用した。以下の記載におけるMFRは、230
℃、21.2Nの条件下に測定した値である。
【0045】(1)芳香族ビニル−共役ジエンブロック
共重合体水素添加物: (a)SEBS:クレイトンポリマー(株)製「KRA
TON―G1651」(重量平均分子量246,00
0、スチレン含有量32重量%) (b)SEEPS:クラレ(株)製「セプトン405
5」(重量平均分子量252,000、スチレン含有量
35重量%)
【0046】(2)ポリオレフィン系樹脂: (a)プロピレン単独重合体(MFR=15g/10m
in) (b)エチレン-プロピレンブロック共重合体(MFR
=35g/10min、エチレン含量11重量%) (c)エチレン−プロピレンランダム共重合体(MFR
=1.0g/10min、エチレン含量20重量%) (d)エチレン−プロピレンランダム共重合体(MFR
=0.8g/10min、エチレン含量3重量%)
【0047】(3)炭化水素系ゴム用軟化剤(パラフィ
ン系オイル): (a)40℃動粘度380cSt、流動点−15℃、引
火点300℃、ナフテン成分29重量%、パラフィン成
分71重量% (b)40℃動粘度90cSt、流動点−15℃、引火
点300℃、ナフテン成分29重量%、パラフィン成分
71重量%
【0048】(4)シリコーンオイル: (a)シリコーンオイル:東レダウコーニング(株)製
「SH200」(動粘度10cSt) (b)シリコーンオイル:東レダウコーニング(株)製
「SH200」(動粘度100cSt)
【0049】(5)無機充填剤:炭酸カルシウム(比表
面積34,000〜39,000cm2/g、平均粒径
1.8〜2.2μm)
【0050】(6)フェノール系酸化防止剤:チバガイ
ギー(株)製「イルガノックス1010」
【0051】(7)滑剤:オレイン酸アミド(日本化成
(株)製「ダイアミッドO-200」
【0052】実施例1〜3及び比較例1〜5 表3に示す割合(重量部)で各成分を配合し、L/D=
33、シリンダー径45mmの同方向二軸押出機を使用
し、220℃で溶融混錬して組成物を得た。得られたペ
レットを射出成形によりシートとし、評価を行った。こ
れらの結果を表4に示す。ただし、比較例5は、加硫ゴ
ム製自動車ドア用グロメットとして市場にて使用されて
いるものを入手し製品性能評価に供した。また、加硫ゴ
ムシートについても同様に市販のものを入手し硬度およ
び引張特性の評価を行った。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】表4に示す様に、比較例1は硬度が高すぎ
て可撓性が劣り、比較例2は硬度が低すぎて強度が劣
り、比較例3はポリオレフィン系樹脂含量が多すぎて射
出成形および可撓性が劣り、比較例4は炭化水素系ゴム
用軟化剤(パラフィン系オイル)含量が少なすぎて射出
成形および可撓性(特に射出成形)が劣る。比較例5は
金型汚染性が劣っている。また、比較例6は加硫ゴムで
あり、リサイクルは当然に不可能である。これに対し、
実施例1〜3には上記の様な問題は全くない。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、リサイク
ル性に富み、射出成形性および強度や可撓性といった製
品性能に優れた自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物
および自動車ハーネス用グロメットが提供され、本発明
の工業的価値は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 91/00 B60J 5/00 501Z Fターム(参考) 4J002 AE003 BB032 BB042 BB112 BB122 BB142 BB152 BP011 CP034 EA016 FD01 GN00 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
    ク共重合体またはその水素添加物100重量部に対し、
    (b)ポリオレフィン系樹脂10〜80重量部、(c)
    炭化水素系ゴム用軟化剤70〜240重量部、(d)粘
    度50〜10,000cstのシリコーンオイル0.0
    1〜10重量部を配合して成り、JIS−K6253に
    よるJIS−A硬度が30〜75の範囲にあることを特
    徴とする自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重
    合体またはその水素添加物(a)100重量部に対し、
    200重量部以下の無機充填剤を配合して成る請求項1
    に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重
    合体またはその水素添加物(a)の重量平均分子量が5
    0,000〜600,000である請求項1又は2に記
    載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂(b)がポリプロ
    ピレン系樹脂である請求項1〜3の何れかに記載の樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 キャピラリーレオメーターを使用し、2
    30℃、剪断速度1000sec-1の条件下で測定した
    溶融粘度が100Pa・s以下である請求項1〜4の何
    れかに記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 示差熱分析計で測定される結晶化温度が
    85℃以上である請求項1〜5の何れかに記載の樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の樹脂組成
    物を射出成形して成ることを特徴とする自動車ハーネス
    用グロメット。
JP2001300012A 2001-03-15 2001-09-28 自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメット Pending JP2002338782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001300012A JP2002338782A (ja) 2001-03-15 2001-09-28 自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメット

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001073326 2001-03-15
JP2001-73326 2001-03-15
JP2001300012A JP2002338782A (ja) 2001-03-15 2001-09-28 自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002338782A true JP2002338782A (ja) 2002-11-27

Family

ID=26611287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001300012A Pending JP2002338782A (ja) 2001-03-15 2001-09-28 自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002338782A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005332607A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk グロメット一体型モールドハーネス及びその製造方法並びにこのグロメット一体型モールドハーネス搭載の自動車
JP2011190287A (ja) * 2010-03-11 2011-09-29 Yokohama Rubber Co Ltd:The ホットメルト接着剤組成物及びシール材
US20170250001A1 (en) * 2014-11-12 2017-08-31 Abb Schweiz Ag Electrical insulating material and method for preparing insulating material element
JP2018533639A (ja) * 2015-10-14 2018-11-15 イメリーズ ミネラルズ リミテッド ポリマーブレンド

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005332607A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk グロメット一体型モールドハーネス及びその製造方法並びにこのグロメット一体型モールドハーネス搭載の自動車
JP2011190287A (ja) * 2010-03-11 2011-09-29 Yokohama Rubber Co Ltd:The ホットメルト接着剤組成物及びシール材
US20170250001A1 (en) * 2014-11-12 2017-08-31 Abb Schweiz Ag Electrical insulating material and method for preparing insulating material element
JP2018533639A (ja) * 2015-10-14 2018-11-15 イメリーズ ミネラルズ リミテッド ポリマーブレンド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005068430A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法
JP6589328B2 (ja) エアバッグ収納カバー
JP5716602B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びエアバッグ収納カバー
KR100495972B1 (ko) 슬러시 성형용 열가소성 엘라스토머 조성물 및 분말, 및 이를 사용하는 표피체
JP2001279030A (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー及びそれからなる成形体
JP2013035889A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びエアバッグ収納カバー
JP2024056973A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP6930288B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、成形体及びエアバッグ収納カバー
JP2017025315A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、成形体及び自動車用部品
WO2021100603A1 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びその成形体
JP3503352B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2002338782A (ja) 自動車ハーネス用グロメット樹脂組成物および自動車ハーネス用グロメット
JP2019131769A (ja) スチレン系熱可塑性エラストマー組成物及びその用途
JP2925982B2 (ja) 複合成形体及びその製造方法
JP6666115B2 (ja) 樹脂組成物およびそれからなる成形体
WO2000043447A1 (fr) Composition elastomere thermoplastique
JP3731436B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3536556B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
CN114144457A (zh) 热塑性弹性体组合物,以及接合构件及其制造方法
JP2002327098A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0778155B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3598429B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH10101893A (ja) 樹脂組成物
JPH10101891A (ja) 樹脂組成物
JP2020055981A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及び接合部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060322