JPH0778155B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH0778155B2
JPH0778155B2 JP62328855A JP32885587A JPH0778155B2 JP H0778155 B2 JPH0778155 B2 JP H0778155B2 JP 62328855 A JP62328855 A JP 62328855A JP 32885587 A JP32885587 A JP 32885587A JP H0778155 B2 JPH0778155 B2 JP H0778155B2
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英雄 篠永
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,外観の良好な熱可塑性エラストマー組成物に
関するものである。熱可塑性エラストマーは,低硬度軟
質であるという性質と従来の熱可塑性樹脂と同様の押
出,あるいは射出成形等の加工法により成形可能である
という特徴を生かして,近年,自動車,家電部品等を中
心に着実にその用途を拡大しつつある。
特に,自動車外装部品材料,その中でも自動車バンパー
部品においては,大型機能部品であるだけに,射出成形
性,成形品外観,耐熱性,低温耐衝撃性等の機械的性質
及び塗装性などが高度に要求される。
本発明は,低温耐衝撃性を維持しつつ射出成形性が良好
で外観の優れた,且つ,機械的性質(特に引張物性)の
方向依存性の少ない大型成形品を提供し得る熱可塑性エ
ラストマー組成物に関するものであり,とくに上記自動
車部品としての利用を図ろうとするものである。
〔従来の技術〕
従来,モノ−アルケニルまたはモノ−アルケニリデン芳
香族炭化水素重合体ブロックAを少くとも2個有し,且
つ,部分的にまたは完全に水素添加された脂肪族共役ジ
エン炭化水素重合体ブロックBを少くとも1個有する,
選択的に水素添加されたブロック共重合体(以下,ブロ
ック共重合体(A)と称す)とポリプロピレンを主成分
とする熱可塑性エラストマーは外観が良好であり,柔軟
性に富み,その優れたゴム弾性,成形性等を利用して,
自動車部品,家電部品,電線被覆,医療用部品等の用途
で使用されているが,バンパー等の大型成形品において
は,その優れた外観(光沢)のため,射出成形時におい
ては金型からの離型性が不良であったり,ブロック共重
合体(A)の配向のためと思われるが,機械的物性(特
に引張り物性)において,厚み依存性,および異方性
〔MD(成形時の流動方向)/TD(流動と垂直な方向)の
アンバランス〕があるため,その改善が要望されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ブロック共重合体(A)とポリプロピレンを主成分とす
る熱可塑性エラストマーで大型成形品において,機械的
物性(特に引張り物性)の厚み依存性および異方性を改
善するには,高分子量のブロック共重合体(A)を使用
することが考えられるが,その場合,射出成形品表面に
フローマーク,または光沢ムラが発生し,外観不良を招
く。
本発明は,自動車バンパー部品等の大型成形品におい
て,低温衝撃性を維持しつつ,機械的物性(特に引張り
強度)の厚み依存性および異方性が極めて少なく,成形
性が良好で外観の優れた成形品を提供することを目的と
している。
更に,自動車外装部品において,夏場,冬場の温度変化
による寸法変化が少ないことが要求される部品(サイド
プロテクター等)においては,上記特性を保持しつつ,
線膨張係数の小さい材料を提供することも目的としてい
る。
〔問題点を解決するための手段〕
以上の目的を達成するために,本発明者らは鋭意研究検
討した結果,本発明に達した。
すなわち,特定のブロック共重合体(A)を使用し,
伸展油,ポリプロピレンを予め溶融混練し,更に特定の
ポリプロピレンを添加し,再度溶融混練する方法,ある
いは,特定の予め伸展油により油展されているブロッ
ク共重合体(A)を使用し,特定のポリプロピレンを溶
融混練する方法により,成形性が良好で外観が優れ,且
つ,機械的性質(特に引張り強度)の厚み依存性および
異方性が極めて少なく,低温衝撃強度の維持された熱可
塑性エラストマー組成物が得られることを見い出した。
さらに充填剤を添加することにより,前記性能を有し,
線膨張係数の小さい熱可塑性エラストマーが得られるこ
とも判明した。
すなわち,本発明は, (a)数平均分子量25,000〜35,000のモノ−アルケニル
またはモノ−アルケニリデン芳香族炭化水素重合体ブロ
ックAを少なくとも2個有し,かつ数平均分子量100,00
0〜150,000の部分的にまたは完全に水素添加された脂肪
族共役ジエン炭化水素重合体ブロックBを少なくとも1
個有する選択的に水素添加されたブロック共重合体(ブ
ロック共重合体(A)という)100重量部に対して, (b)伸展油 50〜150重量部 (c)ポリプロピレンI 0〜50重量部 を配合してなる中間体組成物をあらかじめ溶融混練した
後, (d)メルトフローレートが10〜30g/10分,エチレン含
量が3〜15重量%であるプロピレン−エチレンブロック
共重合体を少くとも35重量%以上含有するポリプロピレ
ンIIをポリプロピレン(I+II)の総量が,(a)ブロ
ック共重合体100重量部に対して,200〜400重量部になる
ように添加し,さらに溶融混練してなることを特徴とす
る熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
更に,前記熱可塑性エラストマー組成物中に, (a)ブロック共重合体(A)100重量部に対して, (e)充填剤 50〜150重量部 を含有させてなることを特徴とする熱可塑性エラストマ
ー組成物に関するものである。
但し,充填剤は中間体組成物,または最終組成物のどち
らに添加しても良い。
従来,低分子量でブロック共重合体(A)と同一構造の
ものを使用すると,そのポリプロピレンとの組成物は成
形性,外観に優れ,低温衝撃強度も維持されたものが得
られる,機械的物性(特に引張り強度)の厚み依存性,
異方性が大きくなるという問題があり,これは低分子量
タイプのブロック共重合体の配向のためと考えられる。
そこで,単に,低分子量タイプに代えて高分子量タイプ
のブロック共重合体(A)(本願発明のブロック共重合
体(A))を使用した場合,低温衝撃強度は維持され,
前記,機械的性質,(特に引張り強度)の厚み依存性,
異方性は極めて少なくなるが,成形性,成形品外観(フ
ローマーク,光沢ムラ)が発生するという問題があっ
た。その原因は明らかではないが,ブロック共重合体
(A)の分散不良に起因していると考えられる。
そこで,本発明のように予め伸展油により油展された高
分子量のブロック共重合体(A)(中間体組成物または
油展品)を使用することにより,上記欠点が解消される
ことが判明した。更に,充填剤を添加することにより,
前記性能を維持して,且つ,線膨張係数の小さい熱可塑
性エラストマー組成物が得られることも判明した。
以下,本発明の構成について具体的に説明する。
(a)ブロック共重合体(A) 本発明において使用される成分(a)ブロック共重合体
のモノ−アルケニルまたはモノ−アルケニリデン芳香族
炭化水素重合体ブロックAを構成する単量体は,好まし
くはスチレン,α−メチルスチレン,または第3−ブチ
ルスチレン等であり,脂肪族共役ジエン炭化水素重合体
ブロックを構成する単量体は,好ましくはブタジエンま
たはイソブレン等である。
ブタジエンが該重合体ブロックの共役ジエン単量体とし
て用いられる場合には,該重合体ブロック分子鎖中には
1−4構造および1−2構造のブタジエン共重合体が生
成し,該ブロック共重合体が水素添加されると,二重結
合が飽和されて1−4構造から生成されるエチレン重合
体部と1−2構造から生成されるブチレン重合体部から
なる構造となる。
その結果,ブロック共重合体(A)は例えばスチレン−
エチレン・ブチレン−スチレン構造をとり,SEBSの略称
で呼ばれる。
ブロック共重合体(A)中のモノ−アルケニルまたはモ
ノ−アルケニリデン芳香族炭化水素重合体ブロックAの
数平均分子量は,前述したように25,000〜35,000,重合
体ブロックBの数平均分子量は100,000〜150,000の範囲
にある。
重合体ブロックAの数平均分子量が25,000以下または重
合体ブロックBの数平均分子量が100,000以下の組み合
わせからなるブロック共重合体を用いた組成物では,高
流動性および高光沢性は得られるが,機械的強度(特に
引張強度)の厚み依存性,異方性が大きくなり,好まし
くない。
また重合体ブロック(A)の数平均分子量が35,000を超
え,または重合体ブロックBの数平均分子量が150,000
を超える組み合わせからなるブロック共重合体を用いた
組成物では,機械的強度(特に引張強度)の厚み依存
性,異方性は満足すべきものとなるが,流動性が悪く,
光沢,成形品外観が劣り,好ましくない。
ブロック共重合体の製造方法としては,多くの方法が提
案されているが,代表的な方法としては,特公昭40−23
798号公報に記載された方法により,リチウム触媒また
はチーグラー型触媒を用い,不活性溶媒中でブロック重
合させてモノ−アルケニルまたはモノ−アルケニリデン
芳香族炭化水素と脂肪族共役ジエン炭化水素のブロック
共重合体を得ることができる。
これらのブロック共重合体の水素添加処理は,例えば特
公昭42−8704号公報,特公昭43−6636号公報,特公昭46
−20814号公報に記載された方法により,不活性溶媒中
で水素添加触媒の存在下に行なわれる。この水素添加率
は,重合体ブロックB中の少なくとも50%,好ましくは
80%以上であり,重合体ブロックA中の芳香族性不飽和
結合の25%以下が核水添される。このように部分的にま
たは完全に水素添加されたブロック共重合体は,米国シ
ェルケミカル社よりクレイトン −G(KRATON −G)
という商品名で市販されているのが代表的である。
(b)伸展油 本発明で使用される成分(b)伸展油は,ゴムの軟化,
増量,加工性向上に用いられるプロセスオイルまたはエ
クステンダーオイルと呼ばれる鉱物油のうち,好ましく
は,芳香族炭素水素が30%以下の組成のパラフィン系ま
たはナフテン系炭化水素油である。一般にこれら鉱物油
系ゴム用希釈オイルは,芳香環,ナフテン環およびパラ
フィン鎖の三者の混合物であり,パラフィン鎖の炭化水
素が全炭化水素中50%以上を占めるものがパラフィン系
炭化水素油とよばれ,ナフテン環炭化水素が30〜45%の
ものがナフテン系炭化水素油とよばれ,また芳香族炭化
水素が30%以上を占めるものが芳香族系炭化水素油とよ
ばれる。
パラフィン系およびナフテン系のオイルは芳香族系のも
のに比べて,分散性の点で良好である。これらの伸展油
の性状は,40℃における動粘度が20〜500cst,流動点が−
10〜−15℃,引火点が170〜300℃の範囲にある。
本発明において,伸展油の配合量はブロック共重合体
(A)100重量部に対し,50〜150重量部である。150重量
部を超えた場合には,機械的特性(特に引張り強度)の
厚み依存性,異方性が生じてくるほか,曲げ剛性度,耐
熱性が低下し,オイルによるベタツキを生じ,成形品表
面が粘着性になる。また,50重量部未満の配合量では流
動性が不足するとともに,光沢ムラ,フローマーク等が
発生し,成形品表面外観が不良となる。
(c)ポリプロピレンI 本発明のポリプロピレンIとしては,ホモポリプロピレ
ン,プロピレン−エチレンランダム共重合体,プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体が挙げられる。
ホモポリプロピレン,およびプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体のメルトフローレートは10〜50g/10分が好
ましい。メルトフローレートが10g/10分より小さいと,
最終組成物の成形性,成形品外観が劣り,50g/10分より
大きいと最終組成物の特性,特に引張り強度,衝撃強度
が低下する。
プロピレン−エチレンランダム共重合体のエチレン含量
は1〜5重量%が好ましい。エチレン含量が5重量%を
超えると,最終組成物の耐熱性が劣り,好ましくない。
プロピレン−エチレンブロック共重合体のエチレン含量
は3〜15%,メルトフローレートは10〜30g/10分が好ま
しい。メルトフローレートが10g/10分より小さいと,最
終組成物の成形性,成形品外観が劣り,30g/10分より大
きいと,最終組成物の特性,特に引張強度,衝撃強度が
低下し,好ましくない。
中間体組成物において,ホモポリプロピレン,プロピレ
ン−エチレンランダム共重合体,プロピレン−エチレン
ブロック共重合体の添加量はブロック共重合体(A)10
0重量部に対して,0〜50重量部が好ましい。50重量部を
超えると,最終組成物の成形品外観が劣り,好ましくな
い。更に,ホモポリプロピレン,プロピレン−エチレン
ランダム共重合体の場合には,添加量が50重量部を超え
ると衝撃強度も低下し,好ましくない。
(d)ポリプロピレンII ポリプロピレンIIの種類としては,上記構造のホモポリ
プロピレン,プロピレン−エチレンランダム共重合体,
プロピレン−エチレンブロック共重合体が挙げられる。
但し,ポリプロピレンIIにおいて,メルトフローレート
が10〜30g/10分,エチレン含量が3〜15重量%であるプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体を少なくとも35重
量%以上含有することが必要である。35重量%より少な
いと最終組成物の衝撃強度が低下し,好ましくない。
最終組成物中のポリプロピレン成分の量(ポリプロピレ
ン(I+II))はブロック共重合体(A)100重量部に
対して,200〜400重量部が好ましい。200重量部より少な
いと耐熱性,剛性度が劣り,好ましくない。
また,400重量部を超えると,得られる最終組成物の曲げ
剛性度が高くなりすぎて,柔軟性が失なわれるととも
に,低温衝撃強度が低下するので好ましくない。
(e)充填剤 本発明に使用する充填剤のうち無機質充填剤としては特
に制限はないが,炭酸カルシウム,タルク,クレー,キ
リカ,珪藻士,アルミナ,亜鉛華,酸化マグネシウム,
マイカ,亜流酸カルシウム,硫酸カルシウム,珪酸カル
シウム,ガラス粉,ガラス繊維(シラン処理したものも
含む),アスベスト,石コウ繊維などが好ましい。また
有機質充填剤としては,これも特に制限はないが,各種
の木粉,セルロール繊維,メラミンパウダー等が好まし
い。
これらは単独,あるいは必要におうじて混して用いても
よい。さらには充填剤含有ポリプロピレン樹脂組成物の
耐衝撃性及び耐熱性保持のバランスを考えるとタルク,
炭酸カルシウムおよびマイカがより好ましい。
又,必要に応じて充填剤の表面処理をおこなうと剛性,
衝撃強度のバランスが向上し,更に高水準の充填剤含有
ポリプロピレン樹脂組成物が得られる。表面処理剤の種
類としてはビニルトリエトキシシラン,ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン,γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン,γ−アミノプロピルトリメエキシ
シラン,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン,N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン,γ−グリシドキシメトキシシランなど
の有機シラン化合物が挙げられる。
本発明において,充填剤の配合量は,ブロック共重合体
(A)100重量部に対し,中間体組成物,または油展品
を使用する場合,どちらにおいても50〜150重量部であ
る。150重量部を超えた場合には,流動性が不足すると
ともに,光沢ムラ,フローマーク等が発生し,成形品表
面外観が不良となる。また,50重量部未満の配合量では
線膨張係数の低下効果が小さく,好ましくない。
なお,充填剤の添加時期は中間体組成物,または最終組
成物中のどちらに添加してもよい。
(f)混合方法,成形方法 本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造するに際
し,該組成物が有している諸特性を本質的に損なわない
範囲内で必要に応じてスチレン−ブタジエンランダム共
重合体,スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの
各種スチレン系エストラマーや,非結晶性エチレン−プ
ロピレン共重合体,エチレン−プロピレン−非共役ジエ
ン共重合体などの各種のポリオレフィン系エラストマー
等を追加混合しても良い。
また酸化防止剤,耐候剤,帯電防止剤,発泡剤,着色剤
などの各種添加剤などを適当量添加することも可能であ
る。
本発明の組成物は,前記各成分を所定の配合割合で均一
混合することによって得られる。均一混合化の手段とし
ては,通常の熱可塑性樹脂の混練機を用いて機械的に溶
融混練する方法が用いられる。使用できる混練機として
は,単軸押出機,二軸押出機,バンバリーミキサー,二
本ロール等がある。各成分の混合操作は,同時に行って
もまた分割して行ってもよい。
(g)特性,用途 本発明による熱可塑性エラストマー組成物は,オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーと同等またはそれ以上の機械
的強度,耐熱性,衝撃強度,表面光沢,外観,耐候性等
を有するものである。
更に,本発明の特徴は,大型成形品において成形性が良
好で外観が優れ,且つ,機械的性質(特に引張り強度)
の厚み依存性,異方性が極めて少なく,低温衝撃強度の
維持された熱可塑性エラストマー組成物が得られること
である。
また充填剤を添加することにより,前記特性を保持しつ
つ,線膨張係数の小さい熱可塑性エラストマーが得られ
ることも特徴である。
本発明による組成物は一般に使用されている熱可塑性樹
脂の成形機で成形加工することが可能であって,射出成
形,押出成形,ブロー成形,カレンダー成形等の熱可塑
性樹脂の成形法が適用可能である。
代表的な用途例を列挙する。
(1)ソフトバンパー,コーナーバンパー,サイトシー
ルド,オーバーライダー,バンパーモール,サイドモー
ル等の自動車外装部品 (2)天井シート,安全ベルトカバー,室内マット等の
自動車内装部品 (3)家庭電気製品の各種ホース部品 (洗濯機,ふとん乾燥機) 〔実施例〕 以下に実施例,比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが,本発明はこれらによって制約されるものではな
い。
(1)中間体組成物の製造方法 ブロック共重合体として,数平均分子量29,000のポリス
チレンブロックA,数平均分子量116,000の完全水添ブタ
ジエンブロックBからなるA−B−A構造を有するブロ
ック共重合体(SEBS−1とする)および比較例として,
数平均分子量7,000ポリスチレンブロックA,数平均分子
量35,000の完全水添ブタジエンブロックBからなるA−
B−A構造を有するブロック共重合体(SEBS−2)を,
ポリプロピレンIとしてメルトフローレートが20g/10分
のホモポリプロピレン(PP−1)を,伸展油として出光
興産社製ダイアナプロセスオイルPW−380(40℃におけ
る動粘度381.6cst,平均分子量746のパラフィン系オイ
ル)を,充填剤として,タルク(林化成社製JR−2)を
用い第1表記載の組成比率にもとづいて調合し,更に酸
化防止剤としてイルガノックス 1010(チバガイギー社
製)を,上記配合物100重量部に対し0.1重量部添加し,
該混合物をスーパーミキサーにて5分間予備混合した
後,バンバリーミキサーにて190℃10分間溶融混練し
た。混練後,単軸押出機にて押出しペレット化し,第1
表に示す中間体組成物を得た。尚,中間体組成物MBR−
4,MBR−5,MBR−7は,第1表記載の配合比率で,酸化防
止剤を添加しスーパーミキサーで10分間混合した。
(2)本発明における物性測定法 試験片の作成方法 得られたエラストマー組成物を射出成形機(住友重機械
社製ネオマット515/150)を用い,巾100mm,長さ400mm,
厚み3mmの平板を成形し,各々の試験に供した。
メルトフローレート:JIS K7210に準拠して230℃,2.
16kg荷重下で測定した。
引張り強度,引張り伸び:JIS K6301に準拠して,JIS
2号ダンベンルにて流れ方向(MD)および直角方向(T
D)に打ち抜き,50mm/分の引張り速度で測定した。
アイゾット衝撃強度(ノッチ付):JIS K7110に準拠
し,巾12.7mm,長さ63.5mmのダンベルにて打ち抜き,Vノ
ッチを入れ23℃および−30℃で測定した。
曲げ弾性率:JIS K2703に準拠してスパン間距離50m
m,10mm/分の曲げ速度で測定した。
外観 フローマーク,ブツ:100mm×400mm×3mm厚みの平板表面
を目視にて観察し5点評価法にてクラス分けした。
劣←1,2,3,4,5→優 ベタツキ:100mm×400mm×3mm厚みの平板表面を素手で触
れ,その時の触感でベタツキ感を5点評価法にてクラス
分けした。
劣る←1,2,3,4,5→優 線膨張係数:100mm×400mm×3mm厚み平板より,12.7
×12.7角の試片を作成し,熱機械分析装置TMA−40(島
津製作所製)を用い−30℃〜80℃の温度範囲に測定し
た。
実施例1〜7および比較例1〜6 ポリプロピレンIIとしてメルトフローレートが20g/10分
のホモポリプロピレン(PP−1)およびメルトフローレ
ートが20g/10分,エチレン含量が6重量%,プロピレン
とエチレン共重合部のエチレン含量が38重量%で,該共
重合部の135℃テトラリン溶液での極限粘度が4.8(dl/
g)であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(PP
−2)を使用し,さらにあらかじめ準備した中間体組成
物とを第2表に示す配合比率に従って配合し,該配合物
100重量部に対し1.5重量部の黒色顔料マスターバッチPE
C865(住化カラー社製)を添加し,スーパーミキサーで
2分間混合後,220℃に設定した二軸押出混練機TEX−44
(株式会社日本製鋼所製)を用いて溶融混練しペレット
状の組成物サンプルを得た。
該サンプルは,前述した方法により試験平板を作成し,
引張り強度,引張り伸び,アイゾット衝撃強度,曲げ弾
性率,線膨張係数および外観を測定した。
結果を第2表および第3表にまとめる。第2表および第
3表から明らかなように,本発明による実施例は,本発
明の構成要件を欠いた比較例に比べ,外観および諸物性
に関して優れた物性バランスを有することがわかる。
〔発明の効果〕
以上述べた如く,本発明によれば,成形性が良好で,外
観が優れ,且つ,機械的物性(特に引張り強度)の異方
性が極めて少なく,低温衝撃強度の維持された熱可塑性
エラストマー組成物,およびその製造方法を提供するこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)数平均分子量25,000〜35,000のモノ
    −アルケニルまたはモノ−アルケニリデン芳香族炭化水
    素重合体ブロックAを少なくとも2個有し、かつ数平均
    分子量100,000〜150,000の部分的にまたは完全に水素添
    加された脂肪族共役ジエン炭化水素重合体ブロックBを
    少なくとも1個有する選択的に水素添加されたブロック
    共重合体100重量部に対して、 (b)伸展油 50〜150重量部 (c)ポリプロピレンI 0〜50重量部 を配合してなる中間体組成物をあらかじめ溶融混練した
    後、 (d)メルトフローレートが10〜30g/10分、エチレン含
    量が3〜15重量%であるプロピレン−エチレンブロック
    共重合体を少なくとも35重量%以上含有するポリプロピ
    レンIIを、ポリプロピレン(I+II)の総量が、(a)
    ブロック共重合体100重量部に対して、200〜400重量部
    になるように添加し、さらに溶融混練して得られること
    を特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物において、該エラストマー組成物が、
    (a)ブロック共重合体100重量部に対して、(e)充
    填剤50〜150重量部を含有してなることを特徴とする熱
    可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】成分(a)モノ−アルケニル芳香族炭化水
    素重合体ブロックAがポリスチレンである特許請求の範
    囲第1項または第2項記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  4. 【請求項4】成分(a)モノ−アルケニリデン芳香族炭
    化水素重合体ブロックAがポリ−α−メチルスチレンま
    たはポリ−第3−ブチルスチレンである特許請求の範囲
    第1項または第2項記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  5. 【請求項5】成分(a)ブロック共重合体が、ブロック
    Aとしてポリスチレンブロックを2つ有し、ブロックB
    として部分的にまたは完全に水素添加されたポリブタジ
    エンブロック1つを有する選択的に水素添加されたブロ
    ック共重合体である特許請求の範囲第1項または第2項
    記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】(b)伸展油が炭化水素油である特許請求
    の範囲第1項または第2項記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
  7. 【請求項7】(e)充填剤がタルク、炭酸カルシウムお
    よびマイカから選ばれる少なくとも一種である特許請求
    の範囲第2項記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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