JPH10101893A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH10101893A
JPH10101893A JP25714496A JP25714496A JPH10101893A JP H10101893 A JPH10101893 A JP H10101893A JP 25714496 A JP25714496 A JP 25714496A JP 25714496 A JP25714496 A JP 25714496A JP H10101893 A JPH10101893 A JP H10101893A
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JP
Japan
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component
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propylene
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triblock copolymer
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Withdrawn
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JP25714496A
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English (en)
Inventor
Takeshi Nakajima
武 中島
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐衝撃性、塗装性を有し、塗装による
衝撃強度の低下が抑制された成形物を可能ならしめる樹
脂組成物。 【解決手段】 (A)フ゜ロヒ゜レン-エチレンフ゛ロック共重合体を有した
ホ゜リフ゜ロヒ゜レン系重合体、(B)エチレン-フ゜ロヒ゜レンコ゛ム、(C)トリフ゛ロック
共重合体、(D)水酸基を有する変性ホ゜リオレフィン重合体、(E)
タルクを含有し、(A)ホ゜リフ゜ロヒ゜レン系重合体は、MFRが5〜100g
/10分、20℃キシレン抽出成分の140℃でのテ゛カリン中での極限
粘度が2.0〜5.0g/dlであり、(B)エチレン-フ゜ロヒ゜レンコ゛ムは、フ゜
ロヒ゜レン含有量が30〜60wt%、MFRが0.5〜10g/10分であり、
(C)トリフ゛ロック共重合体は、MFRが40g/10分を超え200g/10分
以下、トリフ゛ロック共重合体と(A)ホ゜リフ゜ロヒ゜レン系重合体の100
℃キシレン不溶成分との臨界エネルキ゛ー解放率が20J/m2以上、
(A)〜(C)及び(E)に対する割合が2〜10wt%であり、(D)変
性ホ゜リオレフィン重合体の割合は、(A)〜(C)及び(E)を100重量
部としたときに0.5〜20重量部、変性ホ゜リオレフィン重合体中
における水酸基を有する不飽和化合物の含有量は0.5〜
7.0wt%であり、(E)タルクは、粒径が5μm以下、(A)〜(C)及
び(E)に対する割合が5〜25wt%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性、塗装性に
優れ、塗装しても衝撃強度の低下が少ない成形物を可能
とする樹脂組成物に関するもので、例えば、自動車バン
パーや自動車内外装部品等の素材として好適な樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパーや内外装部品用材料の
耐衝撃性を改善する手法としては、プロピレン単独重合
体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレ
ンランダム共重合体等のプロピレン系重合体とエチレン
−プロピレン共重合体(特公昭60-3420号公報)、エチ
レン−αオレフィン共重合体(特開平4-372637号公報、
特開平5-331348号公報、特開平6-192500号公報、特開平
6-192506号公報)、スチレンとジエンのブロック共重合
体の水素添加物(特開平7-53842号公報)等をブレンド
することが報告されている。
【0003】上記の組成物に塗装性を付与するため、一
般的には極低分子量のEPRを添加する方法が用いられ
る。この他にも極性基を有する化合物で変性したポリオ
レフィンを添加する方法(特開平6-157838号公報)、特
に不飽和ヒドロキシル基を有する化合物で変性されたポ
リオレフィンを添加する方法(特開平5-39383号公
報)、末端に極性基を有するオリゴマーを添加する方法
(特開平3-157168号公報、特開平5-117458号公報、特開
平5-320442号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
手法からなる材料では、十分な塗装性を発現するために
は、多量の極低分子量のEPRや化学的に変性した化合物
を添加する必要があり、耐衝撃性をはじめとする機械的
諸物性が大きく低下する傾向にある。特に、塗装を施す
ことによって耐衝撃性能、特にDuPont衝撃強度が低下す
るという欠点を有している。また、近年特に、洗車をよ
り高圧な水流によって行うことがなされており、バンパ
ー等の自動車外装部品においては、そうした高圧洗浄に
耐えられるより高い塗装性を有することが求められてい
る。
【0005】本発明はこうした不具合を解決するために
なされたもので、優れた耐衝撃性、塗装性を有し、且
つ、塗装による衝撃強度の低下が抑制された成形物を可
能ならしめる樹脂組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
成分(A):プロピレン−エチレンブロック共重合体を
有したポリプロピレン系重合体と、成分(B):エチレ
ン−プロピレンゴムと、成分(C):トリブロック共重
合体と、成分(D):水酸基を有する変性ポリオレフィ
ン重合体と、成分(E):タルクとを含有し、成分(A)プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体を有したポリプロ
ピレン系重合体は、その230℃に於ける荷重2.16kgの条
件で測定したメルトフローレートが5〜100g/10分であ
り、20℃におけるキシレン抽出成分の140℃に於けるデ
カリン中での極限粘度が2.0〜5.0g/dlであり、成分
(B)エチレン−プロピレンゴムは、そのプロピレン含
有量が30〜60重量%、230℃に於ける荷重2.16kgの条件
で測定したメルトフローレートが0.5〜10g/10分で
あり、成分(C)トリブロック共重合体は、その230℃に
於ける荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレート
が40g/10分を超え200g/10分以下であり、該トリブロッ
ク共重合体と(A)ポリプロピレン系重合体の100℃にお
けるキシレン不溶成分との間の平らな界面の位相角が-2
°〜-12°のときの臨界エネルギー解放率が20J/m2以上
であり、成分(A)〜(C)及び成分(E)の総和に対
する成分(C)の含有割合が2〜10重量%であり、成分
(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体の含有
割合は、成分(A)〜(C)及び成分(E)の総和を1
00重量部としたときに0.5〜20重量部、該変性ポ
リオレフィン重合体中における水酸基を有する不飽和化
合物の含有量は0.5〜7.0重量%であり、成分(E)タ
ルクは、その平均粒径が5μm以下であり、成分(A)〜
(C)及び(E)の総和に対する含有割合が5〜25重量
%であることを特徴とするものである。
【0007】この樹脂組成物においては、成分(C)
は、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重
合体、またはスチレン−イソプレン−スチレントリブロ
ック共重合体の水素添加物であって、スチレンの含有量
が12〜35重量%であるものが特に好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔成分(A):ポリプロピレン系重合体〕本発明におけ
るポリプロピレン系重合体には、その成分中に少なくと
もプロピレン−エチレンブロック共重合体が含まれてい
ることが必要である。本発明でのこのポリプロピレン系
重合体は、このプロピレン−エチレンブロック共重合体
単独であっても良いが、さらにこのプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体に加えて、ランダム共重合体または
プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)を組み
合わせて使用することもできる。
【0009】ランダム共重合体のコモノマーとしては、
エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、
4−メチルペンテン−1等のプロピレン以外のα−オレ
フィン類が好ましく、中でもエチレンが特に好ましい。
【0010】α−オレフィンとしてエチレンを用いたブ
ロック共重合体、すなわちプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体に於いては、分子内のエチレン−プロピレン
成分がホモポリプロピレン中に分散して、ゴム成分とし
て耐衝撃性の発現に寄与する。
【0011】該ポリプロピレン系重合体のメルトフロー
レート(JIS K7210条件14に準ずる。以下MFRと称す
る。)は、5〜100g/10分が好ましく、15〜50g/10分が好
適である。MFRが、5g/10分未満では得られる樹脂組成物
の流動性が劣り、成形性が悪化し、特にフローマークの
発生が顕著になる。一方、MFRが、100g/10分を超えるな
らば、樹脂組成物の耐衝撃性、及び塗装性が低下すると
いう問題が生じる。該ポリプロピレン系重合体は、MFR
が低いもの(例えば、MFRが0.5g/10分)を有機過酸化物
の存在下で溶融混練(ビスブレイク)することによっ
て、MFRを上記範囲内としたものを用いることもでき
る。
【0012】該ポリプロピレン系重合体は、その20℃に
おけるキシレン抽出成分の割合が15〜60重量%であるこ
とが好ましい。さらには25〜50重量%であることが好適
である。該成分はゴム成分に相当する。該ポリプロピレ
ン系重合体の、20℃におけるキシレン抽出成分の割合が
15重量%未満であるならば、耐衝撃性を発現させるため
に多量のゴム成分を追添加する必要があるために、コス
トアップ、分散不良等の問題がある。一方、60重量%を
超えるならば、該ポリプロピレン系重合体の製造時に互
着しやすくトラブルになり易いという問題点がある。
【0013】また、該ポリプロピレン系重合体の20℃に
おけるキシレン抽出成分に於けるプロピレン含有量が40
〜60重量%であることが好ましい。さらには45〜58重量
%であることが好適である。該キシレン抽出成分に於け
るプロピレン含有量が40重量%未満ならば、得られる樹
脂組成物の耐衝撃性が発現しないという問題がある。一
方、60重量%を超えるならば、耐熱性、表面硬度が低下
する。
【0014】さらに、該ポリプロピレン系重合体の20℃
におけるキシレン抽出成分の140℃に於けるデカリン中
での極限粘度が2.0〜5.0g/dlであることが好ましい。さ
らには、2.0〜3.5g/dlであることが好適である。該成分
の極限粘度が2.0g/dl未満であるならば、得られる樹脂
組成物の耐衝撃性が発現しない。一方、5.0g/dlを超え
るならば、得られる樹脂組成物の塗装性が劣るのみなら
ず、分散不良を起こしやすく、耐衝撃性の低下を招くと
いう問題がある。
【0015】さらに、本発明の樹脂組成物を構成する成
分(A)〜(C)及び(E)の総和に対する該ポリプロ
ピレン系重合体の含有量は、55〜85重量%であることが
好ましい。さらには、60〜80重量%であることが好適で
ある。含有量が55重量%未満であるならば、結果的に、
追添するゴム量が多くなり、コストアップにつながる。
一方、85重量%を超えるならば、得られる樹脂組成物の
塗装性が劣る傾向にある。
【0016】〔成分(B):エチレン−プロピレンゴ
ム〕本発明に於いて使用されるエチレン−プロピレンゴ
ムは、そのプロピレン含有量が30〜60重量%であること
が好ましい。プロピレン含有量が30重量%未満では、低
温の耐衝撃性が発現しないという問題がある。一方、60
重量%を超えるならば、耐熱性、表面硬度が低下する。
【0017】また、該エチレン−プロピレンゴムの230
℃におけるMFRは0.5〜10g/10分であることが好ましい。
さらには、0.7〜8g/10分が好適である。MFRが0.5g/10分
未満であるならば、分散不良を起し、成形品の表面外観
が悪化するとともに、力学的性能も低下する。一方、10
g/10分を超えるならば、耐衝撃性が発現しないという問
題がある。さらには、成形品を取り出す際、成形品の表
面が剥離しやすい。
【0018】本発明の樹脂組成物を構成する成分(A)
〜(C)及び(E)の総和に対する該エチレン−プロピ
レンゴムの含有量は5〜40重量%であることが好まし
い。含有量が5重量%未満であるならば、耐衝撃性、及
び塗装性が低下する。一方、40重量%を超えるならば、
コストアップになる。該エチレン−プロピレンゴムは、
Ti系触媒、V系触媒、メタロセン系触媒を用いて製造す
ることが可能である。
【0019】〔成分(C):トリブロック共重合体〕本
発明に於いて使用されるトリブロック共重合体は、塗装
後のDuPont衝撃強度を改良する効果がある。該トリブロ
ック共重合体の230℃に於ける荷重2.16kgの条件で測定
したMFRが40g/10分を超え200g/10分以下であることが好
ましい。さらには、MFRが50g/10分を超え180g/10分以下
であることが好ましい。MFRが40g/10分以下であるなら
ば、塗装後のDuPont衝撃強度の低下が激しい。一方、20
0g/10分を超えるならば、耐衝撃性、引っ張り伸び等が
低下するという問題がある。
【0020】さらに、該トリブロック共重合体と、成分
(A)のポリプロピレン系重合体の100℃におけるキシレ
ン不溶成分との間の平らな界面の位相角が-2°〜-12°
のときの臨界エネルギー解放率(以下Gcと称する。)が
20J/m2以上であることが好ましい。Gcが、20J/m2未満で
あるならば、得られる樹脂組成物の耐衝撃性等が低下す
るという問題がある。
【0021】また、本発明の樹脂組成物を構成する成分
(A)〜(C)及び(E)の総和に対する該トリブロッ
ク共重合体の含有割合は2〜10重量%であることが好ま
しい。さらには、2〜5重量%が好適である。該トリブロ
ック共重合体の樹脂組成物に於ける含有割合が2重量%
未満ならば、塗装後のDuPont衝撃強度の低下が大きいと
いう問題がある。一方、10重量%を超えるならば、樹脂
組成物は高価なものになり、コストの割には諸物性の改
良は見込めないという問題がある。
【0022】さらに、該トリブロック共重合体がスチレ
ン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の水素
添加物であり(以下SEBSと称する)、スチレンの含有量
が12〜35重量%であることが好ましい。この場合、スチ
レンの含有量が12重量%未満ならば、耐衝撃性、耐熱性
の低下が起こるという問題点がある。一方、35重量%を
超えるならば、耐衝撃性が低下するという問題がある。
また、該トリブロック共重合体がスチレン−イソプレン
−スチレントリブロック共重合体の水素添加物であり
(以下SEPSと称する)、スチレンの含有量が12〜35重量
%であることも好ましい。この場合、スチレンの含有量
が12重量%未満ならば、耐衝撃性、耐熱性の低下が起こ
るという問題点がある。一方、35重量%を超えるなら
ば、耐衝撃性が低下するという問題がある。
【0023】これらのトリブロック共重合体は、一般的
に行われている、アニオンリビング重合法で製造するこ
とができる。これには、逐次的にスチレン、ブタジエ
ン、スチレンを重合し、トリブロック共重合体を製造し
た後に、水添する方法と、スチレン−ブタジエンのジブ
ロック共重合体をはじめに製造した後、カップリング剤
を用いてトリブロック共重合体にした後に、水添する方
法、さらには2官能性の開始剤を用いて、ブタジエン、
スチレンを逐次重合した後、水添する方法等がある。い
ずれの場合も、ジブロック共重合体、ホモポリマー等が
生成するが、これらの含有量は、トリブロック共重合体
全体の10重量%未満であることが必要である。ジブロッ
ク共重合体、ホモポリマーの含有量が10重量%を超える
ならば、剛性が低下するという問題がある。
【0024】〔成分(D):水酸基を有する変性ポリオ
レフィン重合体〕本発明で使用される水酸基を有する変
性ポリオレフィン重合体は、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−αオレフィン共重合体を、有機過酸化
物と水酸基を有する不飽和化合物の存在下で加熱反応さ
せることによって得られるものが好ましい。
【0025】該変性ポリオレフィン重合体に使用される
有機過酸化物には、例えば、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニ
トリル、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t
−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロ
パーオキサイド等が挙げられる。該変性ポリオレフィン
重合体に使用される水酸基を有する不飽和化合物には、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等が使用される。
【0026】該変性ポリオレフィン重合体に使用され
る、水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体の含有割
合は、成分(A)〜(C)及び(E)の総和を100重
量部とした場合に、0.5〜20重量部が好ましい。含
有割合が0.5重量部未満ならば塗装性を十分に発現させ
るために、高価な追添のゴムをより多く使用せねばなら
ず、コストアップになる。一方、20重量部を超えるな
らば、耐衝撃性、剛性等が低下するという問題がある。
この変性ポリオレフィン重合体中における水酸基を有す
る不飽和化合物の含有量は0.5〜7.0重量%であるこ
とが好ましい。さらには、0.8〜2.0重量%であるこ
とがより好ましい。該変性ポリオレフィン重合体中にお
ける水酸基を有する不飽和化合物の含有量が0.5重量
%未満であるならば塗装性が劣り、また、7.0重量%
を超えるならば剛性、耐衝撃性が低下する。
【0027】〔成分(E):タルク〕本発明で使用され
るタルクの平均粒径は5μm以下であることが好ましい。
平均粒径が5μmを超えるならば、耐衝撃性、引っ張り伸
び等が低下するという問題がある。また、本発明の樹脂
組成物の成分(A)〜(C)及び(E)の総和に対する
タルクの含有割合は5〜25重量%であることが望まし
い。この範囲を逸脱するならば、自動車用材料として好
適な、弾性率、耐衝撃性等を満足することは困難であ
る。
【0028】〔Gc測定法〕本発明において、Gcはトリブ
ロック共重合体とプロピレン−エチレンブロック共重合
体の、100℃におけるキシレン不溶成分との間の平らな
界面に存在するクラックの臨界エネルギー解放率で定義
される。Gcを測定するためには、非対称ダブルカンティ
レバービーム法(以下、ADCB法と称す。参照:「コスタ
ンティーノ−クレトン、学位論文、コーネル大学、1992
年)を用いる。これはクラックを界面に沿って成長させ
るためである。従来から使用されているピールテストで
は、クラックを界面に沿って成長させることが出来な
い。このため、クラックはより柔らかい材料中(すなわ
ちトリブロック共重合体中)に侵入してしまい、界面の
Gcを正確に測定することはできない。
【0029】クラックの成長方向を決定するパラメータ
は次式で定義される位相角Ψである。 Ψ=tan-1(KII/KI) ここで、KI、KIIはそれぞれモードI(引っ張り)、及び
モードII(面内せん断)に対応する応力拡大係数であ
る。ΨはADCB法のジオメトリー、各材料の弾性率、ポア
ソン比、クラック長に依存する。実際には境界要素法
(BEM法)、有限要素法(FEM法)によって評価される。
【0030】本発明では、GcをΨが-2°〜-12°の範囲
で測定することが必要である。ここでクラックが薄いビ
ームの方向に進行するとき、Ψが負であると定義する。
Ψが-12°より小さいと、界面のクラックは、薄いビー
ムに進入し、正確に界面のGcを測定することができない
という問題がある。一方、Ψが-2°〜0°ならば、界面
でのクラックの成長は不安定であり、先と同様に、正確
に界面のGcを測定することができないという問題があ
る。さらに、Ψが0°を超えるならば、クラックはトリ
ブロック共重合体中に進入し、正確に界面のGcを測定す
ることができないという問題がある。
【0031】本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、
合成樹脂、及び合成ゴムの分野において広く利用されて
いる、熱、酸素、及び光に対する安定剤、難燃剤、充填
剤、着色剤、滑剤、可塑剤、ならびに帯電防止剤の如き
添加剤を使用目的に応じて本発明の樹脂組成の特性を本
質的に損なわない範囲で添加してもよい。
【0032】例えば、酸化防止剤としては、以下のもの
が挙げられる。ジブチルヒドロキシトルエン、アルキル
化フェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
−3−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス
−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,
2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−
6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−
4−エチルフェノール、1,1,3−トリス−(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキ
ス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ジラウリ
ルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオ
ネート、ジミリスチリルチオプロピオネートが挙げられ
る。また、ヒンダードフェノール系のものとしては、ト
リエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−
(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)
−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリル−テトラ
キス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレ
ンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマ
ミド)、3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
フォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−イソシアヌレート、オクチル化ジフェニルアミン、
2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾ
ールがある。またヒドラジン系としては、N,N’−ビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル]ヒドラジンなどがある。また他に
も、フェノール系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化剤、
チオエーテル系抗酸化剤、重金属不活性化剤等が適用で
きる。
【0033】紫外線吸収剤としては、例えば、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチ
ル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t
−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、
サリチル酸フェニル、2−(5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキ
シ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t
−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキ−5’−t−オクチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾ
トリアゾール誘導体などがある。また、コハク酸ジメチ
ル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポ
リ{[6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)
アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ]}、N,N’−ビス(3
−アミノプロピル)エチレンジアミン、2,4−ビス
[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5
−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチ
ルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−
3,5−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等があ
る。
【0034】また、難燃剤としては、例えば以下のもの
が適用できる。ポリブロモジフェニルオキサイド、テト
ラブロモビスフェノールA、臭素化エポキシヘキサブロ
モシクロドデカン、エチレンビステトラブロモフタルイ
ミド、臭素化ポリスチレンデクロラン、臭素化ポリカー
ボネート、ポリホスホナート化合物、ハロゲン化ポリホ
スホナート、トリアジン、赤リン、トリクレジルホスフ
ェート、トリフェニルホスフェートクレジフェニルホス
フェート、トリアリルホスフェート、トリキシリルホス
フェート、トリアルキルホスフェート、トリスクロロエ
チルホスフェート、トリスクロロプロピルホスフェー
ト、トリス(ジクロロプロピルホスフェート)、三酸化
アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
が例示される。さらには、シリコーンオイル、ステアリ
ン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸マグネシウム、カーボンブラック、二酸化チ
タン、シリカ、マイカ、モンモリロナイト等も添加して
もよい。
【0035】これらの添加剤の他にも、無機充填剤を加
えてもよい。無機充填剤としては、チタン酸バリウムウ
ィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸マグネシウ
ムウィスカー、ボロン系ウィスカー、炭素繊維、ガラス
繊維等の繊維状物、あるいは、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム等の粒子状物が挙げられる。
【0036】〔製造方法〕本発明の樹脂組成物は上述し
た各成分、及び添加剤等を均一に混合させることによっ
て製造される。その混合方法については特に制限はな
く、合成樹脂の分野において一般的に行われている方法
を適用すればよい。混合方法としては、一般に行われて
いる、ヘンシェルミキサー、タンブラー、及びリボンミ
キサーの如き混合機を使用して、ドライブレンドする方
法、ならびにオープンロール、押し出し混合機、ニーダ
ー、及びバンバリーの如き混合機を用いて溶融させなが
ら混合させる方法が挙げられる。
【0037】これらの方法のうち、よりいっそう均一な
樹脂組成物を得るためには、これらの混合方法を2種以
上併用させるとよい。例えば、あらかじめドライブレン
ドさせた後、その混合物を溶融混合させる。ドライブレ
ンドを併用する場合でも、溶融混合させる方法を1種ま
たは2種以上併用する場合でも、後述する成形方法によ
って成形物を製造するに当たって、ペレタイザーを使用
して、ペレットに製造してから用いることが特に好まし
い。
【0038】以上の混合方法のうち、溶融混合させる場
合でも、後述する成形方法によって成形する場合でも、
使用される樹脂が溶融する温度で実施しなければならな
い。しかし、高い温度で実施すると、樹脂が熱分解や劣
化を起こすため、一般には180〜350℃、好ましくは190
〜260℃で実施される。
【0039】本発明の樹脂組成物は、合成樹脂の分野で
一般に実施されている射出成形法、押し出し成形法、圧
縮成形法及び中空成形法等を用いて所望の形状に成形さ
せてもよい。また、押し出し成形機を用いて、シート状
に成形した後、このシートを真空成形法、圧空成形法等
の二次加工法によって所望の形状に成形させてもよい。
【0040】
【実施例】以下、実施例を用いて詳細に説明する。表1
〜5に示す(A)ポリプロピレン系重合体、(B)エチレ
ン−プロピレンゴム、(C)トリブロック共重合体、
(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体、及び
(E)タルクを使用して樹脂組成物を製造した。
【0041】(A)ポリプロピレン系重合体として、表
1に示す7種のプロピレン−エチレン共重合体を用い
た。
【表1】 表1中、MFRはJIS K7210条件14に従って測定した。ま
た、CE/Pはプロピレン−エチレンブロック共重合体のキ
シレン抽出量、Fpは、その中のNMRによって測定したプ
ロピレン含有量、[η]E/P(dl/g)は該キシレン抽出
成分の極限粘度である。
【0042】
【表2】 Fpは、NMRによって測定したプロピレン含有量である。
【0043】
【表3】
【0044】表3中、トリブロック共重合体の種類は、
スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体
の水素添加物をSEBS、スチレン−イソプレン−スチレン
トリブロック共重合体の水素添加物をSEPSと略記した。
また、NMRで測定したスチレン含有量(重量%)をF
sで示した。また、表3中に示したトリブロック共重合
体と(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の100
℃におけるキシレン不溶成分との間の平らな界面の臨界
エネルギー解放率(Gc(J/m2))は、特開平7-286088
号公報、特開平7-292175号公報に記載の非対称ダブルカ
ンティレバービーム法によって測定した。すなわち、ト
リブロック共重合体と、プロピレン−エチレンブロック
共重合体の100℃におけるキシレン不溶成分をそれぞれ
プレス成形して約1mm厚のシートを作成し、それらを重
ね合わせて200℃で10分間プレス成形機で加熱圧着
した。その後、その界面に厚さ0.25mmのカミソリ刃
でクラックをいれ、ADCB法により臨界エネルギー解
放率を測定した。このときのΨを−7°になるように境
界要素法で両ビームの厚みの比を計算し設定した。Gc
値を表7中に示した。
【0045】成分(D)水酸基を有する変性ポリオレフ
ィン重合体は、MFR=0.5g/10分のホモプロピレン
を100重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(HEMAという)を3重量部、2,5−ビス(t−ブ
チルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン1重量部をヘ
ンシェルミキサーでドライブレンドした後、20mm同方
向二軸押出機を用いて180℃で混練し、変性した。得
られた変性ポリプロピレンの水酸基含有量を赤外線スペ
クトル法で測定したところ、0.09mmol/gであり、
重量平均分子量はGPCで測定したところ、11000
0であった。同様に、共重合するモノマーをヒドロキシ
ブチルアクリレート(HBAという)に代えて製造した
ものも使用した。さらに、HEMAを用い、共重合量を
変えたものを製造した。これらについてはUKと略し、
表4にまとめた。
【表4】
【0046】
【表5】 成分(E)タルクの粒径は、レーザー沈降法を用いて測
定した。
【0047】上記表1〜5に示す各成分を表6に示す処
方で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて3分間ドライ
ブレンドした後、210℃に設定された同方向2軸押出機
(径30mm)を用いて混練し、樹脂組成物のペレットを
製造した。尚、表6においては、便宜上、用いた各成分
の含有量を樹脂組成物全体に対する重量%で示す。得ら
れた各樹脂組成物のペレットを210℃に設定された射出
成形機を用いて成形を行い、下記各種物性測定用の試験
片を作製し、試験した。試験結果を表7に示す。
【0048】各物性の試験方法は次のとおりである。 (1)曲げ弾性率(FM)試験 ASTM D790に準拠して、射出成形により作製した試験片
について23℃で測定した。クロスヘッドの速度は30
mm/分とした。 (2)IZOD衝撃強度試験 ASTM D256に準拠して、射出成形により作製した試験片
について、−30℃、ノッチ付きで測定した。
【0049】(3)耐高圧洗浄性試験 まず、上記射出成形した試験片(130mm×130mm×
3mmの平板)をイオン交換水で洗浄・乾燥させた。そし
て、この平板の中央にマスキングテープ(長さ130m
m、幅35mm)を貼りつけた。その後、上方から塩素化
ポリプロピレン系プライマーを塗付(膜厚:10μm)
し、80℃で30分間乾燥させた後、2液性ウレタン塗料を
塗付(膜厚:30μm)し、80℃で30分間焼き付けた。そ
して、マスキングテープを剥がし、図1に示すように、
試験片10上に塗装面11とマスキングテープを剥離し
た箇所である非塗装面12とを形成した。そして、図2
に示すように、非塗装面12と一方の塗装面11の境界
に向けて、噴水管(口径:1.5mm)13から水を5分
間吹き付けた(圧力:50kg/cm2)。尚、噴水管13は、
試験片の上面に対して30゜の角度で、距離が20cmと
なるように配置した。吹付終了後、図3に示すように、
塗膜が剥離した部分の境界からの長さを測定し、最長距
離を剥離量とした。単位はmmである。 (4)DuPont衝撃強度試験 上記射出成形によりDuPont衝撃強度測定用の試験片(1
30mm×130mm×3mmの平板)を作製し、その試験片
について、塗装前の衝撃強度と塗装後の衝撃強度とをAS
TM D3029に従って−30℃で行なった。単位は、kgf・cm
である。塗装は、塩素化ポリプロピレン系プライマーを
10μm塗付し、80℃で30分間乾燥させた後、2液性ウレ
タン塗料を30μm塗付し、80℃で30分間焼き付けること
により行った。
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】表7に示す結果から、実施例の樹脂組成物
であれば、いずれも、耐高圧洗浄性が高く塗装性に優
れ、塗装後においてもDuPont衝撃強度の低下の少ない成
形物が得られることがわかる。対して、[η]E/Pが1.6dl
/gと低い(A)ポリプロピレン系重合体を用いると、IZ
OD及び塗装性が悪化する(比較例1)。また、[η]E/P
=5.5dl/gと高い(A)ポリプロピレン系重合体を用い
ると、IZOD及び塗装性及び塗装後のDuPont衝撃強度が悪
化する(比較例2)。MFRが極端に低いものでは、性能
を満足するものの、成形品の外観が著しく劣るという結
果であった(比較例3)。一方、MFRが大きすぎると、I
ZOD及び、塗装後のDuPont衝撃強度が悪化する(比較例
4)。
【0053】エチレン−プロピレンゴムを変えた比較例
5〜8については、MFRが低い比較例5では、塗装性及
び塗装後のDuPont衝撃強度の低下し、MFRが高い比較
例6ではIZOD、塗装性、塗装後のDuPont衝撃強度の低下
が起こる。さらに、プロピレン含有量が適正範囲よりも
低い場合、IZOD、塗装性、塗装後のDuPont衝撃強度が低
下する(比較例7)。一方、高い場合には剛性が低下す
る(比較例8)。
【0054】また、使用するトリブロック共重合体のMF
Rが低いと、塗装後のDuPont衝撃強度の低下が大きい
(比較例9)。また、MFRが高すぎると、IZOD、塗装性
が劣り、塗装後のDuPont衝撃強度の低下が大きい(比較
例10)。さらに、Gcの小さなSEBSを使用すれば、IZO
D、塗装後のDuPont衝撃強度の低下が大きい(比較例1
1)。SEBSを使用しなければ、塗装性及び塗装後のDuPo
nt衝撃強度の低下が大きい(比較例12)。
【0055】さらに、HEMA変性量の低い比較例13は、
塗装性が著しく悪化する。同様に、水酸基を有する変性
ポリオレフィン重合体を使用しない比較例14も、塗装
性が著しく悪化する。また、タルクの粒径が大きい比較
例15では、IZOD及びDuPont衝撃強度が低下する。
【0056】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物によれば、高圧洗浄
に耐え得る塗装性と、高い衝撃強度を有し、特に塗装を
施してもDuPont衝撃強度の低下の少ない成形物を可能な
らしめることができ、バンパー等の自動車の内外装部
品、家電用部品などの幅広い分野で利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 耐高圧洗浄試験における試験片の斜視図であ
る。
【図2】 耐高圧洗浄試験方法を示すもので、図2
(a)は側面図、図2(b)は平面図である。
【図3】 耐高圧洗浄試験の測定例を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
10 試験片 11 塗装面 12 非塗装面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A):プロピレン−エチレンブロ
    ック共重合体を有したポリプロピレン系重合体と、成分
    (B):エチレン−プロピレンゴムと、成分(C):トリ
    ブロック共重合体と、成分(D):水酸基を有する変性
    ポリオレフィン重合体と、成分(E):タルクとを含有
    し、 成分(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体を有
    したポリプロピレン系重合体は、その230℃に於ける荷
    重2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが5〜100
    g/10分であり、20℃におけるキシレン抽出成分の140℃
    に於けるデカリン中での極限粘度が2.0〜5.0g/dlであ
    り、 成分(B)エチレン−プロピレンゴムは、そのプロピレ
    ン含有量が30〜60重量%、230℃に於ける荷重2.16kgの
    条件で測定したメルトフローレートが0.5〜10g/10
    分であり、 成分(C)トリブロック共重合体は、その230℃に於ける
    荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが40g/
    10分を超え200g/10分以下であり、該トリブロック共重
    合体と(A)ポリプロピレン系重合体の100℃におけるキ
    シレン不溶成分との間の平らな界面の位相角が-2°〜-1
    2°のときの臨界エネルギー解放率が20J/m2以上であ
    り、成分(A)〜(C)及び成分(E)の総和に対する
    成分(C)の含有割合が2〜10重量%であり、 成分(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体の
    含有割合は、成分(A)〜(C)及び成分(E)の総和
    を100重量部としたときに0.5〜20重量部、該変
    性ポリオレフィン重合体中における水酸基を有する不飽
    和化合物の含有量は0.5〜7.0重量%であり、 成分(E)タルクは、その平均粒径が5μm以下であり、成
    分(A)〜(C)及び(E)の総和に対する含有割合が
    5〜25重量%であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記成分(C)がスチレン−ブタジエン
    −スチレントリブロック共重合体の水素添加物であり、
    スチレンの含有量が12〜35重量%であることを特徴とす
    る請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記成分(C)がスチレン−イソプレン
    −スチレントリブロック共重合体の水素添加物であり、
    スチレンの含有量が12〜35重量%であることを特徴とす
    る請求項1記載の樹脂組成物。
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