JPH10101894A - 樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

樹脂組成物およびその成形体

Info

Publication number
JPH10101894A
JPH10101894A JP8277591A JP27759196A JPH10101894A JP H10101894 A JPH10101894 A JP H10101894A JP 8277591 A JP8277591 A JP 8277591A JP 27759196 A JP27759196 A JP 27759196A JP H10101894 A JPH10101894 A JP H10101894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
weight
propylene
resin composition
triblock copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8277591A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiko Asai
邦彦 浅井
Tomio Takada
富夫 高田
Hideo Yamamoto
秀夫 山本
Kunio Yamamoto
邦夫 山本
Yoshihisa Saeki
芳久 佐伯
Tsuyoshi Ogawa
剛志 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON PORIOREFUIN KK
Honda Motor Co Ltd
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
NIPPON PORIOREFUIN KK
Honda Motor Co Ltd
Japan Polyolefins Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON PORIOREFUIN KK, Honda Motor Co Ltd, Japan Polyolefins Co Ltd filed Critical NIPPON PORIOREFUIN KK
Priority to JP8277591A priority Critical patent/JPH10101894A/ja
Priority to US08/938,628 priority patent/US5889100A/en
Publication of JPH10101894A publication Critical patent/JPH10101894A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/06Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to homopolymers or copolymers of aliphatic hydrocarbons containing only one carbon-to-carbon double bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/16Elastomeric ethene-propene or ethene-propene-diene copolymers, e.g. EPR and EPDM rubbers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L53/02Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers of vinyl-aromatic monomers and conjugated dienes
    • C08L53/025Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers of vinyl-aromatic monomers and conjugated dienes modified
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L53/02Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers of vinyl-aromatic monomers and conjugated dienes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐衝撃性、塗装性を有し、塗装による
衝撃強度の低下が抑制された成形体ならびにその為の樹
脂組成物。 【解決手段】 (A)フ゜ロヒ゜レン-エチレンフ゛ロック共重合体を有した
ホ゜リフ゜ロヒ゜レン系重合体、(B)エチレン-フ゜ロヒ゜レン系コ゛ム、(C)トリフ゛ロ
ック共重合体、成分(D)水酸基を有する変性ホ゜リオレフィン重合
体、(E)末端に極性基を有するオリコ゛マー、(F)タルクを含有
し、(A)ホ゜リフ゜ロヒ゜レン系重合体は、MFRが5〜100g/10分、20
℃キシレン抽出成分の140℃テ゛カリン中での極限粘度が2.0〜5.0
g/dl、(B)エチレン-フ゜ロヒ゜レン系コ゛ムは、フ゜ロヒ゜レン含有量が40〜6
0wt%、MFRが0.5〜10g/10分、(C)トリフ゛ロック共重合体は、MF
Rが40g/10分を超え200g/10分以下、トリフ゛ロック共重合体と
(A)ポリプロピレン系重合体の100℃キシレン不溶成分との臨
界エネルキ゛ー解放率が20J/m2以上、含有割合が2〜10wt%、
(D)変性ホ゜リオレフィン重合体における水酸基を有する不飽和
化合物の含有量は0.5〜7.0wt%、含有割合が0.5〜40wt
%、(E)オリコ゛マーの数平均分子量は300〜10000、含有割合が
0.5〜10wt%、(F)タルクは、粒径が5μm以下、含有割合が5
〜25wt%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性、塗装性に
優れ、塗装による衝撃強度の低下が小さい樹脂組成物に
関するもので、例えば、自動車バンパーや自動車内外装
部品等の素材として好適な樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパーや内外装部品用材料の
耐衝撃性を改善する手法としては、プロピレン単独重合
体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレ
ンランダム共重合体等のプロピレン系重合体とエチレン
−プロピレン共重合体(特開昭57-55952号公報)、エチ
レン−α−オレフィン共重合体(特開平4-372637号公
報、特開平5-331348号公報、特開平6-192500号公報、特
開平6-192506号公報)、スチレンとジエンのブロック共
重合体の水素添加物(特開平7-53842号公報)等をブレ
ンドすることが報告されている。
【0003】上記の組成物に塗装性を付与するため、一
般的には極低分子量のEPRを添加する方法が用いられ
る。この他にも極性基を有する化合物で変性したポリオ
レフィンを添加する方法(特開平6-157838号公報)、特
に不飽和ヒドロキシル基を有する化合物で変性されたポ
リオレフィンを添加する方法(特開平5-39383号公
報)、末端に極性基を有するオリゴマーを添加する方法
(特開平3-157168号公報、特開平5-117458号公報、特開
平5-320442号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
手法からなる材料では、塗膜の十分な耐溶剤性を発現さ
せる為には、多量の極低分子量のEPRや化学的に変性し
た化合物を添加する必要があり、耐衝撃性をはじめとす
る機械的諸物性が大きく低下する傾向にある。また、塗
装性と耐衝撃性のバランスが良い材料を得たとしても、
塗装を施すことにより、耐衝撃性能、特にDuPont衝撃強
度が低下するという欠点を有している。また、特に自動
車の外装部品では、ガソリン等の有機溶媒が付着しても
耐え得る高い塗装性が要求される。
【0005】本発明はこうした不具合を解決するために
なされたもので、優れた耐衝撃性、塗装性を有し、且
つ、塗装による衝撃強度の低下が抑制された成形体なら
びにその為の樹脂組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に
なされた本発明の樹脂組成物は、成分(A):プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体を有したポリプロピレン
系重合体と、成分(B):エチレン−プロピレン系ゴム
と、成分(C):トリブロック共重合体と、成分(D):
水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体と、成分
(E):末端に極性基を有するオリゴマーと、成分
(F):タルクとを含有し、成分(A)プロピレン−エチ
レンブロック共重合体を有したポリプロピレン系重合体
は、その230℃に於ける荷重2.16kgの条件で測定したメ
ルトフローレートが5〜100g/10分、20℃におけるキシレ
ン抽出成分の140℃に於けるデカリン中での極限粘度が
2.0〜5.0g/dlであり、成分(B)エチレン−プロピレン
系ゴムは、そのプロピレン含有量が40〜60重量%、23
0℃における荷重2.16kgの条件で測定したメルトフ
ローレートが0.5〜10g/10分であり、成分(C)トリ
ブロック共重合体は、その230℃に於ける荷重2.16kgの
条件で測定したメルトフローレートが40g/10分を超え20
0g/10分以下であり、このトリブロック共重合体と、成
分(A)のポリプロピレン系重合体の100℃におけるキシ
レン不溶成分との間の平らな界面の位相角が-2°〜-12
°のときの臨界エネルギー解放率が20J/m2以上であり、
成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対する割
合が2〜10重量%であり、成分(D)水酸基を有する変性
ポリオレフィン重合体における水酸基を有する不飽和化
合物の含有量は0.5〜7.0重量%であり、かつ成分
(D)の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対
する割合が0.5〜40重量%であり、成分(E)末端に極性
基を有するオリゴマーの数平均分子量は300〜100
00であり、かつ成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)
の総和に対する割合が0.5〜10重量%であり、成分(F)
タルクは、その平均粒径が5μm以下であり、成分(A)、
(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対する割合が5〜25
重量%であることを特徴とするものである。
【0007】この樹脂組成物においては、成分(C)
は、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重
合体、または、スチレン−イソプレン−スチレントリブ
ロック共重合体の水素添加物であって、スチレンの含有
量が12〜35重量%であるものが好ましい。また、成分
(E)は、末端に水酸基を有するブタジエンオリゴマー
の水素添加物であることがより好ましい。請求項5記載
の発明は、本発明の樹脂組成物からなることを特徴とす
る成形体であり、請求項6記載の発明は、その樹脂組成
物からなる自動車用部品であることを特徴とする成形体
である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔成分(A):ポリプロピレン系重合体〕本発明におけ
るポリプロピレン系重合体には、その成分中に少なくと
もプロピレン−エチレンブロック共重合体が含まれてい
ることが必要である。すなわち、本発明でのポリプロピ
レン系重合体は、このプロピレン−エチレンブロック共
重合体単独であっても良いが、さらにこのプロピレン−
エチレンブロック共重合体に加えて、ランダム共重合体
またはプロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)
を組み合わせて使用することもできる。
【0009】ランダム共重合体のコモノマーとしては、
エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、
4−メチルペンテン−1等のプロピレン以外のα−オレ
フィン類が好ましく、中でもエチレンが特に好ましい。
【0010】α−オレフィンとしてエチレンを用いたブ
ロック共重合体、すなわちプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体に於いては、分子内のエチレン−プロピレン
成分がホモポリプロピレン中に分散して、ゴム成分とし
て耐衝撃性の発現に寄与する。
【0011】該ポリプロピレン系重合体のメルトフロー
レート(JIS K7210条件14に準ずる。以下MFRと称す
る。)は、5〜100g/10分が好ましく、15〜50g/10分がよ
り好適である。MFRが、5g/10分未満では得られる樹脂組
成物の流動性が劣り、成形性が悪化し、特にフローマー
クの発生が顕著になる。一方、MFRが、100g/10分を超え
るならば、樹脂組成物の耐衝撃性及び塗装性が低下する
傾向にある。該ポリプロピレン系重合体は、MFRが低い
物(例えば、MFRが0.5g/10分)を有機過酸化物の存在下
で溶融混練(ビスブレイク)することによって、MFRを
上記範囲内としたものを用いることもできる。
【0012】該ポリプロピレン系重合体は、その20℃に
おけるキシレン抽出成分の割合が15〜60重量%であるこ
とが好ましい。25〜50重量%であればさらに好適であ
る。該成分はゴム成分に相当する。該ポリプロピレン系
重合体の、20℃におけるキシレン抽出成分の割合が15重
量%未満であるならば、耐衝撃性を発現させるために多
量のゴム成分を追添加する必要があるために、コストア
ップ、分散不良等の問題がある。一方、60重量%を超え
るならば、該ポリプロピレン系重合体の製造時に互着し
やすくトラブルになり易い。
【0013】また、該ポリプロピレン系重合体の20℃に
おけるキシレン抽出成分に於けるプロピレン含有量が40
〜60重量%であることが好ましい。さらには45〜58重量
%であることが好適である。該キシレン抽出成分に於け
るプロピレン含有量が40重量%未満ならば、得られる樹
脂組成物の耐衝撃性が発現しにくく、一方、60重量%を
超えるならば、耐熱性、表面硬度が低下する。
【0014】さらに、ポリプロピレン系重合体の20℃に
おけるキシレン抽出成分の140℃に於けるデカリン中で
の極限粘度が2.0〜5.0g/dlであることが好ましい。さら
には、2.0〜3.5g/dlであることが好適である。該成分の
極限粘度が2.0g/dl未満であるならば、得られる樹脂組
成物の耐衝撃性が発現しない。一方、5.0g/dlを超える
ならば、得られる樹脂組成物の塗装性が劣るのみなら
ず、分散不良を起こしやすく、耐衝撃性の低下を招きや
すい。
【0015】この成分(A)のポリプロピレン系重合体
の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対する
割合は、40〜85重量%であることが好ましい。さら
には、45〜80重量%であることが好適である。含有
割合が40重量%未満であると、結果的に、追添するゴ
ム量が多くなり、コストアップにつながる。一方、85
重量%を超えるならば、得られる樹脂組成物の塗装性が
劣る傾向にある。
【0016】〔成分(B):エチレン−プロピレン系ゴ
ム〕本発明に於いて使用されるエチレン−プロピレン系
ゴムは、そのプロピレン含有量が40〜60重量%であるこ
とが好ましい。プロピレン含有量が40重量%未満では、
低温の耐衝撃性が発現しにくい。一方、60重量%を超え
るならば、剛性、耐熱性、表面硬度が低下する。
【0017】また、該エチレン−プロピレン系ゴムの23
0℃におけるMFRは0.5〜10g/10分であることが好まし
い。さらには、0.7〜8g/10分が好適である。MFRが0.5g/
10分未満であるならば、分散不良を起し、成形品の表面
外観が悪化するとともに、力学的性能も低下する。一
方、10g/10分を超えると、耐衝撃性が発現しにくい。
【0018】この成分(B)のエチレン−プロピレン系
ゴムの成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対
する割合は、5〜40重量%であることが好ましい。含
有割合が5重量%未満であるならば、耐衝撃性、及び塗
装性が低下する。一方、40重量%を超えるならば、コ
ストアップになる。該エチレン−プロピレン系ゴムは、
Ti系触媒、V系触媒、メタロセン系触媒を用いて製造す
ることが可能である。
【0019】〔成分(C):トリブロック共重合体〕本
発明に於いて使用されるトリブロック共重合体は、塗装
後のDuPont衝撃強度を改良する効果がある。該トリブロ
ック共重合体の230℃に於ける荷重2.16kgの条件で測定
したMFRが40g/10分を超え200g/10分以下が好ましく、40
g/10分を超え180g/10分以下であることがさらに好まし
い。MFRが40g/10分以下であるならば、塗装後のDuPont
衝撃強度の低下が激しい。一方、200g/10分を超えるな
らば、耐衝撃性、引っ張り伸び等が低下する。
【0020】さらに、このトリブロック共重合体と、成
分(A)のプロピレン−エチレンブロック共重合体の100
℃におけるキシレン不溶成分との間の平らな界面の位相
角が-2°〜-12°のときの臨界エネルギー解放率(以
下、Gcと称する。)が20J/m2以上であることが好ま
しい。30J/m2以上であればより好ましい。Gcが、2
0J/m2未満であるならば、得られる樹脂組成物の耐衝撃
性等が低下する。
【0021】この成分(C)のトリブロック共重合体の
成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対する割
合は、2〜10重量%であることが好ましい。さらには、2
〜5重量%が好適である。該トリブロック共重合体の樹
脂組成物に於ける含有割合が2重量%未満ならば、塗装
後のDuPont衝撃強度の低下が大きい。一方、10重量%を
超えるならば、樹脂組成物は高価になり、コストの割に
は諸物性の改良は見込めないという問題がある。
【0022】さらに、該トリブロック共重合体は、スチ
レン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の水
素添加物(以下SEBSと称する)で、スチレンの含有量が
12〜35重量%であるものが好ましい。この場合、スチレ
ンの含有量が12重量%未満ならば、耐衝撃性、耐熱性の
低下が起きやすい。一方、35重量%を超えても、耐衝撃
性の低下が起きやすい。また、該トリブロック共重合体
は、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重
合体の水素添加物(以下SEPSと称する)で、スチレンの
含有量が12〜35重量%であるものも好ましい。この場
合、スチレンの含有量が12重量%未満ならば、耐衝撃
性、耐熱性の低下が起きやすい。一方、35重量%を超え
ても、耐衝撃性の低下が起きやすい。
【0023】これらのトリブロック共重合体は、一般的
に行われている、アニオンリビング重合法で製造するこ
とができる。これには、逐次的にスチレン、ブタジエ
ン、スチレンを重合し、トリブロック共重合体を製造し
た後に、水添する方法と、スチレン−ブタジエンのジブ
ロック共重合体をはじめに製造した後、カップリング剤
を用いてトリブロック共重合体にした後に、水添する方
法、さらには2官能性の開始剤を用いて、ブタジエン、
スチレンを逐次重合した後、水添する方法等がある。い
ずれの場合も、ジブロック共重合体、ホモポリマー等が
生成するが、これらの含有量は、トリブロック共重合体
全体の10重量%未満であることが必要である。ジブロッ
ク共重合体、ホモポリマーの含有量が10重量%を超える
ならば、剛性が低下する。
【0024】〔成分(D):水酸基を有する変性ポリオ
レフィン重合体〕本発明で使用される水酸基を有する変
性ポリオレフィン重合体は、塗装性を改善する効果があ
る。この水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレ
フィン共重合体を、有機過酸化物と水酸基を有する不飽
和化合物の存在下で加熱反応させることによって得られ
るものが好ましい。
【0025】該変性ポリオレフィン重合体に使用される
有機過酸化物には、例えば、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニ
トリル、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t
−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロ
パーオキサイド等が挙げられる。該変性ポリオレフィン
重合体に使用される水酸基を有する不飽和化合物には、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等が使用される。
【0026】この成分(D)の水酸基を有する変性ポリ
オレフィン重合体は、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及
び(F)の総和に対して、0.5〜40重量%となる配合量が好
ましい。含有割合が0.5重量%未満ならば塗装性を十分
に発現させるために、好ましくない。一方、40重量%を
超えるならば、耐衝撃性、剛性等が低下する。
【0027】〔成分(E):末端に極性基を有するオリ
ゴマー〕本発明で使用される末端に極性基を有するオリ
ゴマーは、塗装性を改善する効果がある。この末端に極
性基を有するオリゴマーとは、液状ゴムまたはワックス
状固体であって、1分子中に少なくとも1つの末端に官
能基を有するオリゴマーである。ここで官能基として
は、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポ
キシ基、チオール基、無水マレイン酸基等であり、互い
に反応しないものであれば、この2種類以上を含んでも
よい。
【0028】該オリゴマーの数平均分子量は300〜10000
であることが好ましいが、500〜8000がより好適であ
る。500〜6000であるとさらに好適である。数平均分子
量が300未満であるならば、剛性及び耐衝撃性の低下を
招き好ましくない。一方、10000を超えるならば、塗装
性が悪化する。
【0029】該オリゴマーを具体的に例示すると、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、イソブチレン−イソプレ
ン共重合体(ブチルゴム)、ポリブテン、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、石油樹脂、及びこれらを部
分的もしくは完全に水素添加したもの等であって、1分
子中に少なくとも1つの末端に官能基を有するオリゴマ
ーである。
【0030】これらのオリゴマーは公知の方法によって
製造することが可能である。例えば、市販されているも
のとして、ヒドロキシ基末端水素添加1,4-ポリブタジエ
ン(商品名:ポリテールH、ポリテールHA、三菱化学
(株)製)、ヒドロキシ基末端水素添加ポリオレフィン
(商品名:エポール、出光石油化学(株)製)、ヒドロ
キシ基末端1,2-ポリブタジエン(商品名:NISSO-PB G-1
000、NISSO-PB GI-1000、日本曹達(株)製)、アミノ
基末端アクリロニトリル−ブタジエンゴム(商品名:Hy
car-ATBN、宇部興産(株)製)、アミノ基末端ポリエチ
レングリコール(商品名:ジェファミン、テキサコケミ
カル製)等が入手容易であり、好適に用いることが可能
である。
【0031】この成分(E)のオリゴマーは、成分
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対して、0.5
〜10重量%を配合することが好ましい。含有割合が0.5
重量%未満ならば、塗装性が発現しない。一方、10重量
%を超えるならば、剛性の低下が起こり好ましくない。
【0032】〔成分(F):タルク〕本発明で使用され
るタルクの平均粒径は5μm以下であることが好ましい。
平均粒径が5μmを超えるならば、耐衝撃性、引っ張り伸
び等が低下する。この成分(F)のタルクは、成分
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総和中の割合は、5
〜25重量%である。この範囲を逸脱するならば、自動車
用材料として好適な、弾性率、耐衝撃性等を満足するこ
とは困難である。
【0033】〔Gc測定法〕本発明において、Gcはト
リブロック共重合体とプロピレン−エチレンブロック共
重合体の100℃におけるキシレン不溶成分との間の平ら
な界面に存在するクラックの臨界エネルギー解放率で定
義される。Gcを測定するためには、非対称ダブルカン
ティレバービーム法(以下、ADCB法と称す。参照:コス
タンティーノクレトン、学位論文、コーネル大学、19
92年)を用いる。これはクラックを界面に沿って成長
させるためである。従来から使用されているピールテス
トでは、クラックを界面に沿って成長させることが出来
ない。このため、クラックはより柔らかい材料中(すな
わちトリブロック共重合体中)に侵入してしまい、界面
のGcを正確に測定することはできない。
【0034】クラックの成長方向を決定するパラメータ
は次式で定義される位相角Ψである。 Ψ=tan-1(KII/KI) ここで、KI、KIIはそれぞれモードI(引っ張り)、及び
モードII(面内せん断)に対応する応力拡大係数であ
る。ΨはADCB法のジオメトリー、各材料の弾性率、ポア
ソン比、クラック長に依存する。実際には境界要素法
(BEM法)、有限要素法(FEM法)によって評価される。
【0035】本発明では、GcをΨが-2°〜-12°の範
囲で測定することが必要である。ここでクラックが薄い
ビームの方向に進行するとき、Ψが負であると定義す
る。Ψが-12°より小さいと、界面のクラックは、薄い
ビームに進入し、正確に界面のGcを測定することがで
きないという問題がある。一方、Ψが-2°〜0°なら
ば、界面でのクラックの成長は不安定であり、先と同様
に、正確に界面のGcを測定することができないという
問題がある。さらに、Ψが0°を超えるならば、クラッ
クはトリブロック共重合体中に進入し、正確に界面のG
cを測定することができないという問題がある。
【0036】本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、
合成樹脂、及び合成ゴムの分野において広く利用されて
いる、熱、酸素、及び光に対する安定剤、難燃剤、充填
剤、着色剤、滑剤、可塑剤、ならびに帯電防止剤の如き
添加剤を使用目的に応じて本発明の樹脂組成の特性を本
質的に損なわない範囲で添加してもよい。
【0037】例えば、酸化防止剤としては、以下のもの
が挙げられる。ジブチルヒドロキシトルエン、アルキル
化フェノール、4,4'−チオビス−(6−t−ブチル−
3−メチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−
(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−
メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2'−メチレンビス−(4−エチル−6−t−
ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチ
ルフェノール、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、n−オク
タデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、ジラウリルチオジプロピ
オネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリ
スチリルチオプロピオネートが挙げられる。またヒンダ
ードフェノール系のものとしては、トリエチレングリコ
ール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビ
ス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
ン、ペンタエリスリル−テトラキス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキ
サメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナマミド)、3,5−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステ
ル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)−イソシアヌレート、オクチル化ジフェニル
アミン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−
クレゾールがある。またヒドラジン系としては、N,N'−
ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどがある。また他
にも、フェノール系抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化
剤、チオエーテル系抗酸化剤、重金属不活性化剤等が適
用できる。
【0038】紫外線吸収剤としては、例えば、2−
(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−
5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒド
ロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、サリチル
酸フェニル、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,
5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H
−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−
ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2'−ヒドロキ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール
誘導体などがある。また、コハク酸ジメチル−1−(2
−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ{[6−
(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,
5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イ
ミノ]}、N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレン
ジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6
−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル−3,5−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
ート等がある。
【0039】また、難燃剤としては、例えば以下のもの
が適用できる。ポリブロモジフェニルオキサイド、テト
ラブロモビスフェノールA、臭素化エポキシヘキサブロ
モシクロドデカン、エチレンビステトラブロモフタルイ
ミド、臭素化ポリスチレンデクロラン、臭素化ポリカー
ボネート、ポリホスホナート化合物、ハロゲン化ポリホ
スホナート、トリアジン、赤リン、トリクレジルホスフ
ェート、トリフェニルホスフェートクレジフェニルホス
フェート、トリアリルホスフェート、トリキシリルホス
フェート、トリアルキルホスフェート、トリスクロロエ
チルホスフェート、トリスクロロプロピルホスフェー
ト、トリス(ジクロロプロピルホスフェート)、三酸化
アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
が例示される。さらには、シリコーンオイル、ステアリ
ン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸マグネシウム、カーボンブラック、二酸化チ
タン、シリカ、マイカ、モンモリロナイト等も添加して
もよい。
【0040】これらの添加剤の他にも、無機充填剤を加
えてもよい。無機充填剤としては、チタン酸バリウムウ
ィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸マグネシウ
ムウィスカー、ボロン系ウィスカー、炭素繊維、ガラス
繊維等の繊維状物、あるいは、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム等の粒子状物が挙げられる。
【0041】〔製造方法〕本発明の樹脂組成物は上述し
た各成分、及び添加剤等を均一に混合させることによっ
て製造される。その混合方法については特に制限はな
く、合成樹脂の分野において一般的に行われている方法
を適用すればよい。混合方法としては、一般に行われて
いる、ヘンシェルミキサー、タンブラー、及びリボンミ
キサーの如き混合機を使用して、ドライブレンドする方
法、ならびにオープンロール、押し出し混合機、ニーダ
ー、及びバンバリーの如き混合機を用いて溶融させなが
ら混合させる方法が挙げられる。
【0042】これらの方法のうち、よりいっそう均一な
樹脂組成物を得るためには、これらの混合方法を2種以
上併用させるとよい。例えば、あらかじめドライブレン
ドさせた後、その混合物を溶融混合させる。ドライブレ
ンドを併用する場合でも、溶融混合させる方法を1種ま
たは2種以上併用する場合でも、後述する成形方法によ
って成形物を製造するに当たって、ペレタイザーを使用
して、ペレットに製造してから用いることが特に好まし
い。
【0043】以上の混合方法のうち、溶融混合させる場
合でも、後述する成形方法によって成形する場合でも、
使用される樹脂が溶融する温度で実施しなければならな
い。しかし、高い温度で実施すると、樹脂が熱分解や劣
化を起こすため、一般には180〜350℃、好ましくは190
〜260℃で実施される。
【0044】本発明の樹脂組成物は、合成樹脂の分野で
一般に実施されている射出成形法、押し出し成形法、圧
縮成形法及び中空成形法等を用いて所望の形状に成形さ
せてもよい。また、押し出し成形機を用いて、シート状
に成形した後、このシートを真空成形法、圧空成形法等
の二次加工法によって所望の形状に成形させてもよい。
本発明の樹脂組成物からなる成形体としては、自動車用
部品、家電用部品等が挙げられ、中でも、自動車バンパ
ー、自動車内外装部品等の自動車用部品が好適である。
【0045】
【実施例】以下、実施例を用いて詳細に説明する。表1
〜6に示す各種の(A)ポリプロピレン系重合体、(B)
エチレン−プロピレン系ゴム、(C)トリブロック共重
合体、(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合
体、(E)末端に極性基を有するオリゴマー、(F)タル
クを使用して種々の樹脂組成物を製造した。
【0046】(A)ポリプロピレン系重合体として、表
1に示す7種のプロピレン−エチレン共重合体を用い
た。
【表1】 表1中、MFRはJIS K7210条件14に従って、230℃に於け
る荷重2.16kg の条件で測定した。また、CE/Pは20℃
におけるプロピレン−エチレンブロック共重合体のキシ
レン抽出量、Fpは、その中のNMRによって測定したプロ
ピレン含有量、[η]E/Pは該キシレン抽出成分の14
0℃におけるデカリン中での極限粘度である。
【0047】
【表2】 表2中のFp(重量%)は、NMRによって測定したプロピ
レン含有量である。
【0048】
【表3】 表3中、トリブロック共重合体の種類は、スチレン−ブ
タジエン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物
をSEBS、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック
共重合体の水素添加物をSEPSと略記した。また、NMR
によって測定したスチレン含有量(重量%)をFsで示
した。また、表3中に示したトリブロック共重合体と、
(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体の100℃に
おけるキシレン不溶成分との間の平らな界面の臨界エネ
ルギー解放率(Gc(J/m2))は、特開平7-286088号公
報、特開平7-292175号公報に記載の非対称ダブルカンテ
ィレバービーム法によって測定した。すなわち、トリブ
ロック共重合体と、(A)プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体の100℃におけるキシレン不溶成分とをそれ
ぞれプレス成形して約1mm厚のシートを作成し、それら
を重ね合わせて200℃で10分間プレス成形機で加熱
圧着した。その後、その界面に厚さ0.25mmのカミソ
リ刃でクラックをいれ、ADCB法により臨界エネルギ
ー解放率を測定した。このときのΨを−7°になるよう
に境界要素法で両ビームの厚みの比を計算し設定した。
各樹脂組成物のGc値を表7〜10中に示した。
【0049】(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン
重合体 成分(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体
は、MFRが0.5g/10分のホモプロピレンを100重
量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA
という)を3重量部、2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−2,5−ジメチルヘキサン1重量部をヘンシェルミ
キサーでドライブレンドした後、20mm同方向二軸押出
機を用いて180℃で混練し、変性した。得られた変性
ポリプロピレンの水酸基含有量を赤外線スペクトル法で
測定したところ、0.09mmol/gであり、重量平均分
子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィ)で測定したところ、110000であった。同様
に、共重合するモノマーをヒドロキシブチルアクリレー
ト(HBAという)に代えて製造したものも使用した。
さらに、HEMAを用い、共重合量を変えたものを製造
した。これらについてはUKと略し、表4にまとめた。
【表4】
【0050】(E)末端に極性基を有するオリゴマー 成分(E)末端に極性基を有するオリゴマーには、ワッ
クス状水素添加末端ヒドロキシ化1,4-ポリブタジエン
(1,4-結合80%、数平均分子量2800、ヨウ素価1.5、平
均ヒドロキシル基数2.3個/分子、融点72.5℃)(EF
−1)、EF−1の数平均分子量(Mn)を表5のよう
に変えたEF−2及び、EF−3を使用した。
【表5】
【0051】
【表6】 成分(F)タルクの粒径は、レーザー沈降法を用いて測
定した。
【0052】上記成分(A)〜(F)を表7〜10の配
合表に示す処方で配合した。混練は、ヘンシェルミキサ
ーを用いて3分間ドライブレンドした後、210℃に設定
された同方向2軸押出機(径30mm)を用い、樹脂組成
物のペレットを製造した。得られた各樹脂組成物のペレ
ットを210℃に設定された射出成形機を用いて成形を行
い、下記各物性測定用の試験片を作製し、試験した。試
験結果を表7〜10の各物性表に示す。
【0053】各物性の試験方法は次のとおりである。 (1)曲げ弾性率(FM)試験 ASTM D790に準拠して、射出成形により作製した試験片
について23℃で測定した。クロスヘッドの速度は30
mm/分とした。 (2)IZOD衝撃強度試験 ASTM D256に準拠して、射出成形により作製した試験片
について、−30℃、ノッチ付きで測定した。
【0054】(3)塗装性試験 まず、上記射出成形した試験片(130mm×130mm×
3mmの平板)をイオン交換水で洗浄・乾燥させた後、2
液式ウレタン塗料を直接、塗付(膜厚:30μm)し、80
℃で40分間焼き付けた。そして、塗装された試料を断
面が等しく露出するように短冊状に切断し、20℃のガ
ソリン/エタノール混合溶液(90/10容量%)に浸
し、塗膜が剥離するまでの時間(分)を測定した。 (4)DuPont衝撃強度試験 上記射出成形によりDuPont衝撃強度測定用の試験片(1
30mm×130mm×3mmの平板)を作製し、その試験片
について、塗装前の衝撃強度と塗装後の衝撃強度とをAS
TM D3029に従って−30℃で行なった。単位は、kgf・cm
である。塗装は、直接、2液性ウレタン塗料を30μm塗
付し、80℃で40分間焼き付けることにより行った。
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】
【表10】
【0059】表7〜10に示す結果から、実施例の樹脂
組成物であれば、いずれも、耐有機溶媒性が高く塗装性
に優れ、また、塗装後においてもDuPont衝撃強度の低下
の少ない成形物が得られることがわかる。対して、表7
に示すように、ポリプロピレン系重合体として、[η]E/
Pが1.6dl/gと低いものを用いると、IZODが悪化する(比
較例1)。また、[η]E/Pが5.5dl/gと高いものを用いる
と、IZOD及び塗装性及び塗装後のDuPont衝撃強度が悪化
する(比較例2)。MFRが極端に低いものでは、性能を
満足するものの、成形品の外観が著しく劣るという結果
であった(比較例3)。一方、MFRが大きすぎると、IZO
D及び、塗装後のDuPont衝撃強度が悪化する(比較例
4)。
【0060】エチレン−プロピレンゴムを変えた場合の
結果を表8に示す。MFRが低い比較例5では、塗装後
のDuPont衝撃強度が低下し、MFRが高い比較例6を用
いた場合、IZOD、塗装後DuPont衝撃強度の低下が起こ
る。さらに、プロピレン含有量が適正範囲よりも低い場
合、IZOD、塗装性、塗装後DuPont衝撃強度が低下する
(比較例7)。一方、高い場合には剛性が低下する(比
較例8)。
【0061】表9に示すように、使用するトリブロック
共重合体のMFRが低いと、塗装後のDuPont衝撃強度の低
下が大きい(比較例9)。また、MFRが高すぎると、IZO
Dが劣り、塗装後のDuPont衝撃強度の低下が大きい(比
較例10)。さらに、Gcの小さなSEBSを使用すれば、
IZOD、塗装後のDuPont衝撃強度の低下が大きい(比較例
11)。SEBSを使用しなければ、塗装性及び塗装後のDu
Pont衝撃強度の低下が大きい(比較例12)。
【0062】表10に、水酸基を有する変性ポリオレフ
ィン重合体及び末端に極性基を有するオリゴマー及びタ
ルクの効果を示した。HEMA変性量の低いものは、塗装性
が著しく悪化する(比較例13)。同様に、水酸基を有
する変性ポリオレフィン重合体を使用しない場合も、塗
装性が著しく悪化する(比較例14)。末端に極性基を
有するオリゴマー分子量の低いものは、塗装性が著しく
悪化する(比較例15)。同様に、末端に極性基を有す
るオリゴマー分子量の高いものは、塗装性が著しく悪化
する(比較例16)。またタルクの粒径が大きいと、IZ
OD及びDuPont衝撃強度が低下する(比較例17)。
【0063】
【発明の効果】本発明によって、プライマーを使用しな
くても、耐有機溶媒性が高く塗装性に優れ、また、塗装
を施しても衝撃強度の低下の少ない成形体ないしその樹
脂組成物を提供することができ、バンパー等の自動車内
外装部品、家電部品といった幅広い分野で利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23:16 53:02 23:30 101:02) (72)発明者 高田 富夫 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 日本ポリオレフィン株式会社川崎研究所 内 (72)発明者 山本 秀夫 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 日本ポリオレフィン株式会社川崎研究所 内 (72)発明者 山本 邦夫 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 日本ポリオレフィン株式会社川崎研究所 内 (72)発明者 佐伯 芳久 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 小川 剛志 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A):プロピレン−エチレンブロ
    ック共重合体を有したポリプロピレン系重合体と、成分
    (B):エチレン−プロピレン系ゴムと、成分(C):ト
    リブロック共重合体と、成分(D):水酸基を有する変
    性ポリオレフィン重合体と、成分(E):末端に極性基
    を有するオリゴマーと、成分(F):タルクとを含有
    し、 成分(A)プロピレン−エチレンブロック共重合体を有
    したポリプロピレン系重合体は、その230℃に於ける荷
    重2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが5〜100
    g/10分、20℃におけるキシレン抽出成分の140℃に於け
    るデカリン中での極限粘度が2.0〜5.0g/dlであり、 成分(B)エチレン−プロピレン系ゴムは、そのプロピ
    レン含有量が40〜60重量%、230℃における荷重2.
    16kgの条件で測定したメルトフローレートが0.5〜
    10g/10分であり、 成分(C)トリブロック共重合体は、その230℃に於ける
    荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが40g/
    10分を超え200g/10分以下であり、このトリブロック共
    重合体と、成分(A)のポリプロピレン系重合体の100℃
    におけるキシレン不溶成分との間の平らな界面の位相角
    が-2°〜-12°のときの臨界エネルギー解放率が20J/m2
    以上であり、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総
    和に対する割合が2〜10重量%であり、 成分(D)水酸基を有する変性ポリオレフィン重合体に
    おける水酸基を有する不飽和化合物の含有量は0.5〜
    7.0重量%であり、かつ成分(D)の成分(A)、(B)、
    (C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対する割合が0.5〜40重
    量%であり、 成分(E)末端に極性基を有するオリゴマーの数平均分
    子量は300〜10000であり、かつ成分(A)、(B)、
    (C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対する割合が0.5〜10重
    量%であり、 成分(F)タルクは、その平均粒径が5μm以下であり、
    成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の総和に対する割
    合が5〜25重量%であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記成分(C)がスチレン−ブタジエン
    −スチレントリブロック共重合体の水素添加物であり、
    スチレンの含有量が12〜35重量%であることを特徴とす
    る請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記成分(C)がスチレン−イソプレン
    −スチレントリブロック共重合体の水素添加物であり、
    スチレンの含有量が12〜35重量%であることを特徴とす
    る請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記成分(E)が末端に水酸基を有する
    ブタジエンオリゴマーの水素添加物であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組
    成物からなることを特徴とする成形体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組
    成物からなる自動車用部品であることを特徴とする成形
    体。
JP8277591A 1996-09-27 1996-09-27 樹脂組成物およびその成形体 Pending JPH10101894A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8277591A JPH10101894A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 樹脂組成物およびその成形体
US08/938,628 US5889100A (en) 1996-09-27 1997-09-26 Resin composition and molded object thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8277591A JPH10101894A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 樹脂組成物およびその成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10101894A true JPH10101894A (ja) 1998-04-21

Family

ID=17585594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8277591A Pending JPH10101894A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 樹脂組成物およびその成形体

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5889100A (ja)
JP (1) JPH10101894A (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3321009B2 (ja) * 1997-01-17 2002-09-03 日本ポリケム株式会社 プロピレン系樹脂組成物
US6615190B1 (en) * 2000-02-09 2003-09-02 Bank One, Delaware, National Association Sponsor funded stored value card
US6667367B1 (en) 2000-10-10 2003-12-23 Basell Poliolefine Italia S.P.A. Directly paintable polypropylene graft copolymers
JP3500429B2 (ja) * 2000-11-01 2004-02-23 現代自動車株式会社 ポリプロピレン樹脂組成物
US6469088B1 (en) * 2000-11-02 2002-10-22 Equistar Chemicals, Lp Polyolefin insulation compositions having improved oxidative stability
US7232856B1 (en) * 2003-06-17 2007-06-19 Polyone Corporation Flame-retardant polyolefin compounds and their use in surface coverings
US7166677B2 (en) * 2004-03-19 2007-01-23 Mitsui Chemicals, Inc. Polypropylene resin compositions
JP2008500308A (ja) * 2004-05-25 2008-01-10 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド ペルフルオロ化エステル、ポリエステル、エーテル及びカルボネート
WO2007061883A2 (en) * 2005-11-18 2007-05-31 Research Foundation Of State University Of New York Flame retardant plastic compositions

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0649789B2 (ja) * 1990-01-23 1994-06-29 工業技術院長 熱可塑性樹脂成形体の表面活性化方法
US5256734A (en) * 1991-02-15 1993-10-26 Mitsui Toatsu Chemicals, Inc. Polypropylene resin composition and method for manufacturing coated molded article of the resin composition
US5674930A (en) * 1991-04-04 1997-10-07 Nof Corporation Thermoplastic resin compositions
DE69304576T2 (de) * 1992-03-25 1997-04-17 Showa Denko Kk Thermoplastische Harzzusammensetzung und daraus hergestellter farbbeschichteter Formkörper
JP2657607B2 (ja) * 1992-03-25 1997-09-24 昭和電工株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびその塗装体
JP3160059B2 (ja) * 1992-04-16 2001-04-23 三菱化学株式会社 プロピレン系樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
US5889100A (en) 1999-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6096435A (en) Thermoplastic polymer composition having a thermoplastic elastic polymer and a block copolymer
US6747094B2 (en) High impact thermoplastic resin composition
US5045589A (en) Polypropylene composition
US5086109A (en) Polypropylene resin composition
US9365706B2 (en) Crosslinked composition, method for producing crosslinked composition, and molded product
US6239218B1 (en) Hydrogenated block copolymer and composition of the same
EP0212831B1 (en) Moldable elastomeric copolymer compositions
JPH10101894A (ja) 樹脂組成物およびその成形体
JPH10101893A (ja) 樹脂組成物
JPH10101891A (ja) 樹脂組成物
JP3503352B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3325838B2 (ja) 低光沢ポリプロピレン系樹脂組成物、低光沢成形物および自動車部品用材料
JPH1053687A (ja) プロピレン系樹脂組成物
JP3241281B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH09302165A (ja) プロピレン系樹脂組成物
JPH10101892A (ja) 樹脂組成物
JPH09302164A (ja) プロピレン系樹脂組成物
JPH10101889A (ja) プロピレン系樹脂組成物
JPH10101888A (ja) プロピレン系樹脂組成物
JPH0841279A (ja) 樹脂組成物
JPH09296093A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH10101890A (ja) 樹脂組成物
JPH0625487A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0841278A (ja) 樹脂組成物
JP3480022B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040928