JPH0625487A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0625487A
JPH0625487A JP4181284A JP18128492A JPH0625487A JP H0625487 A JPH0625487 A JP H0625487A JP 4181284 A JP4181284 A JP 4181284A JP 18128492 A JP18128492 A JP 18128492A JP H0625487 A JPH0625487 A JP H0625487A
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晴彦 近藤
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優子 増渕
Mitsuhiro Imaizumi
光博 今泉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スチレン系樹脂の耐熱性、耐油性を改善する
とともに、成形加工性、剛性等の特長を保持した新規組
成物を提供する。 【構成】 (a)スチレン系樹脂5〜80重量%、
(b)プロピレン系樹脂20〜95重量%の合計100
重量部に対して(c)スチレン含有量が10〜90重量
%であるスチレン−イソプレンブロック共重合体水添物
を1〜30重量部配合してなり、210℃、剪断速度1
00sec-1における(a)スチレン系樹脂の溶融粘度
ηPSと(b)プロピレン系樹脂の溶融粘度ηPPの比がη
PS/ηPP>1を満たしてなる熱可塑性樹脂組成物。 【効果】 スチレン系樹脂が50重量%以上でもプロピ
レン系樹脂層が連続相化し、耐熱性及び耐油性が著しく
向上した組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空成形、圧空成形、
及び熱板加熱式圧空成形等のシートの二次加工性に優
れ、成形体の耐熱性及び耐油性が著しく改良されたスチ
レン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は成形加工性が良好なこ
と、ゴム成分の添加により剛性と耐衝撃性のバランスが
優れた材料となること、印刷性が良好なことなどの優れ
た特徴があり、種々の形状に成形されて多くの用途分野
で使用されている。その一つとしてシート状に成形され
たものは、真空成形、圧空成形、熱板加熱式圧空成形等
によって二次成形加工され各種容器に広く用いられてい
る。
【0003】しかし、スチレン系樹脂は脂肪性の食物の
様な油状物質の影響下で応力亀裂を生じ、その結果、成
形品の急激な物性低下を招く。また、スチレン系樹脂は
非晶性でありガラス転移温度も90℃前後のため、90
℃以下の比較的低い温度でも容易に変形する。更に、実
際の食品の包装材料として使用する場合はこの両特性が
相まって実用の耐熱温度は更に低いものとなってしまう
傾向にある。このような欠点のためスチレン系樹脂は実
用分野でかなりの制限を受けている。
【0004】以上の問題点の解決を目的に、スチレン系
樹脂にオレフィン系樹脂をブレンドすることが検討され
ている。しかしながら、両樹脂は相互に非相溶性であ
り、単に混合しただけでは両樹脂の界面接着性や親和性
が乏しいので、相溶性を向上させるために第三成分の添
加が検討されている。
【0005】例えば、特公昭62−34782号公報に
は、ポリオレフィン系樹脂50〜95重量%とポリスチ
レン系樹脂50〜5重量%の100重量部に対してスチ
レン−共役ジエンブロック共重合体水素添加物を3〜5
0重量部配合してなる組成物が開示されている。
【0006】しかし、一般にこれら樹脂混合物は、シー
ト等に成形した場合、ブレンド前の重量比が大きい方が
連続相となることが知られており、耐油性、耐熱性の改
良の観点からはオレフィン系樹脂成分をスチレン系樹脂
成分より多く添加し、オレフィン系樹脂を連続相化する
ことが不可欠である。従って、耐油性、耐熱性を要する
場合には、スチレン系樹脂の添加量を50重量%以上に
上げることは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】スチレン系樹脂が50
重量%以上でも、耐熱性及び耐油性を有する組成物を提
供することが本発明での課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、スチレン系樹
脂の添加量が50重量%以下の場合でも分子量の異なる
各樹脂の組み合わせによってはオレフィン系樹脂が連続
相化しない場合があり、しかも、スチレン系樹脂の添加
量が50重量%を超える場合でもオレフィン系樹脂が連
続相化することがあることを見出し、本発明を完成する
に至った。本発明に従えば上記の課題は、(a)スチレ
ン系樹脂5〜80重量%、(b)プロピレン系樹脂20
〜95重量%の合計100重量部に対して(c)スチレ
ン含有量が10〜90重量%であるスチレン−イソプレ
ンブロック共重合体水添物を1〜30重量部配合してな
り、210℃、剪断速度100sec-1における(a)
スチレン系樹脂の溶融粘度ηPSと(b)プロピレン系樹
脂の溶融粘度ηPPの比(ηPS/ηPP)がηPS/ηPP>1
を満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物によって
解決することができる。
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。 (a)スチレン系樹脂 本発明におけるスチレン系樹脂(以下PSと略すことも
ある)とは、下記の一般式で示される構造単位を樹脂中
に少なくとも25重量%以上含有する樹脂である。
【化1】 (ここでRは水素原子またはメチル基を、Zはハロゲン
原子またはメチル基を、pは0または1〜3の整数であ
る。)具体的には、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などで例示され
るスチレンおよびその誘導体の単独重合体および共重合
体が挙げられる。これらの樹脂にスチレン−共役ジエン
ブロック共重合ゴムおよびその水添物をブレンドしたも
のも適用される。
【0010】スチレン系樹脂の分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフ(以下GPCと略す)等の一般
的手法により求めることができる。数平均分子量(以下
nと略す)は、通常5,000〜400,000であ
り、10,000〜300,000のものが望ましく、
とりわけ30,000〜200,000のものが好適で
ある。また、重量平均分子量(以下Mwと略す)は通常
10,000〜1,000,000であり、50,00
0〜800,000のものが望ましく、とりわけ10
0,000〜500,000のものが好適である。Mn
が5,000未満かあるいはMw が10,000未満の
スチレン系樹脂を使用すると、シート成形時にダイスよ
り押出された溶融樹脂が自重により垂れてしまい、均一
にロ−ル冷却出来ないためシート成形が困難であるとと
もに他の成形法によって得られた成形品も実用的な物性
を有するものが得られない。また、Mn が400,00
0を超えるかあるいはMw が1,000,000を超え
るスチレン系樹脂を使用すると、溶融時の流動性が悪い
ために押出成形や射出成形ができずまた組成物の混練状
態も悪くなる。
【0011】さらに、分子量分布の尺度として使用され
るMw /Mn は通常1.0〜20であり、好ましくは
1.5〜10のものを用いることができる。
【0012】(b)プロピレン系樹脂 本発明において使われるプロピレン系樹脂(以下PPと
略すこともある)としては、プロピレン単独重合体、プ
ロピレンと多くとも20重量%(好ましくは18重量%
以下、好適には15重量%以下)のエチレンおよび/も
しくは炭素数が多くとも12個(望ましくは多くとも8
個)の他のα−オレフィンをランダム又はブロック共重
合させることによって得られる共重合体が挙げられる。
【0013】さらに、これらのプロピレン系樹脂とエチ
レンの単独重合体、エチレンと炭素数が3〜12個のα
−オレフィンとの共重合体、炭素数が4〜6個のα‐オ
レフィンの単独重合体などとの混合物および前記プロピ
レン系重合体どうしの混合物や、これらのプロピレン系
樹脂に少なくとも1個の二重結合を有する化合物(たと
えば、不飽和のカルボン酸、ビニルシラン化合物)をグ
ラフト重合することによって得られる変性プロピレン系
樹脂も含まれる。これらのプロピレン系樹脂および変性
プロピレン系樹脂は、それぞれ単独で使用してもよく、
二種以上使用してもよい。
【0014】プロピレン系樹脂の分子量は、前記スチレ
ン系樹脂と同様にGPC法等の一般的手法により求めた
値でMn は通常5,000〜200,000であり、1
0,000〜150,000のものが望ましく、とりわ
け15,000〜120,000のものが好適である。
また、Mw は通常10,000〜1,000,000で
あり、50,000〜800,000のものが望まし
く、とりわけ100,000〜600,000のものが
好適である。Mn が5,000未満かあるいはMw が1
0,000未満のプロピレン系樹脂を使用すると、シー
ト成形時にダイスより押出された溶融樹脂が垂れてしま
い、シート成形が困難である。また、Mn が200,0
00を超えるかあるいはMw が1,000,000を超
えるプロピレン系樹脂を使用すると、流動性が悪いため
に押出成形ができず、シート成形が困難である。
【0015】また、Mw /Mn は通常1.0〜20であ
り、好ましくは2〜10のものを用いることができる。
【0016】スチレン系樹脂およびプロピレン系樹脂の
溶融時の粘度比は本発明において最も重要な項目であ
る。通常、加熱溶融時において両樹脂の粘度がほぼ等し
い場合、両樹脂を混練すると溶融時の体積分率が大きい
方の樹脂が連続相になり、また溶融時の体積分率がほぼ
等しい場合は粘度の高い樹脂が分散相になることが経験
的に知られている。
【0017】ηPS、ηPPの溶融粘度は、一般的なキャピ
ラリー方式のレオメーター等によって測定可能であり目
的に応じて種々の条件で測定されている。しかし本発明
の場合、設定温度210℃でせん断速度102 (sec
-1)の条件で口径1mm、L/D=40のノズルを用い
て東洋精機社製キャピログラフ等のキャピラリーレオメ
ーターにより測定した粘度比(ηPS/ηPP)が1.0を
超えることが必要であり、1.1〜10.0が好まし
い。ηPS/ηPPが1.0以下であると、成分(a)と成
分(b)の組成比が50/50未満の領域でプロピレン
樹脂相を安定に連続相化する事が出来ない。また設定温
度を210℃としているのは、一般的にスチレン系樹脂
とプロピレン系樹脂の溶融粘度が、各せん断速度の領域
でほぼ同一の傾きを示すためであり、その内、せん断速
度100sec-1の粘度を特に指定するのは混練時及び
成形加工時に樹脂が受けるせん断履歴に相当するためで
ある。
【0018】(c)スチレン−イソプレン共重合体水添
物 本発明で用いる(c)スチレン−イソプレン共重合体水
添物は、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックA
とイソプレン系化合物からなる重合体ブロックBからな
るブロック共重合体であり、結合ビニル芳香族化合物含
有量が40〜90重量%であるトリブロック共重合体を
水素添加することによって該ブロック共重合体中の二重
結合の少なくとも60%を飽和して得られる水素添加ト
リブロック共重合体である。
【0019】ビニル芳香族化合物ブロックAは、スチレ
ン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等
のスチレン系化合物かまたはこれらの混合体よりなる重
合体である。
【0020】イソプレン系化合物ブロックBはイソプレ
ン、およびイソプレン−ブタジエン共重合体かまたはこ
れらの混合体よりなる重合体である。また、該ブロック
B中のイソプレン系化合物の70重量%以上が1,4構
造を有することが必要で有る。70重量%未満の材料は
耐熱性に劣り、組成物の剛性及び耐衝撃性も低下する。
【0021】前記ブロックAとブロックBとからなるブ
ロック共重合体の結合形態は特に限定されるものではな
く、例えば、A−B、A−B−A、A−B−A−B構造
等のブロック構造体が利用できる。また、その中でも特
に好ましいブロック構造は、耐衝撃性及び剛性のバラン
スから見てA−B−A型のトリブロックタイプである。
【0022】該ブロック共重合体の結合ビニル芳香族化
合物含有量は40〜90重量%である。40重量%未満
あるいは90重量%を超えるとスチレン系樹脂とプロピ
レン系樹脂間の相溶性改善効果があまり発現せず、組成
物の成形品の物性も実用に供さないものとなってしま
う。またイソプレン系化合物ブロックBの水素添加が6
0%未満のものを使ったブレンド組成物もやはり、相溶
性改善効果が低く、耐衝撃性が著しく低い実用性に乏し
いものしか得られない。
【0023】さらに、本発明に用いるスチレン−イソプ
レン共重合体水添物の分子量は通常4,000〜2,0
00,000である。4,000未満では相溶性改善効
果が低く、耐衝撃性が著しく低い成形物しか得られず、
2,000,000を超えると、ブレンド後の分散状態
が悪くなりやはり物性の低い材料しか得られない。
【0024】(d)充填剤 本発明の樹脂組成物は、必要に応じて任意の無機充填剤
を配合することができる。無機充填剤は、一般に合成樹
脂およびゴムの分野において広く使われているものであ
る。これらの無機充填剤としては、酸素および水と反応
しない無機化合物であり、混練時および成形時において
分解しないものが好んで用いられる。
【0025】無機充填剤を配合する場合、樹脂組成物と
無機充填剤との合計量中に占める無機充填剤の配合割合
は、一般には多くとも80重量%であり、70重量%以
下が好ましく、特に60重量%以下が好適である。これ
らの合計量中に占める無機充填剤の配合割合が80重量
%を超えるならば、シートに成形する押出成形が難しく
良好なシートが得られない。
【0026】(e)組成物の混合割合とその製造 本発明における組成物に使われる各樹脂の混合は、スチ
レン系樹脂5〜80重量%とプロピレン系樹脂20〜9
5重量%の合計100重量部に対してスチレン−イソプ
レンブロック共重合体水添物を1〜30重量部配合する
とよい。
【0027】スチレン系樹脂とプロピレン系樹脂中にお
けるスチレン系樹脂の割合は5〜80重量%であり、2
0〜75重量%が好ましく、とりわけ30〜70重量%
が好適である。スチレン系樹脂の割合が80重量%を超
えると、プロピレン系樹脂との粘度比の調整によっても
プロピレン系樹脂相を連続相化するのは困難であり耐衝
撃性が著しく悪化する。一方、5重量%未満では、充分
な剛性が得られず、シートの真空成形性も大幅に低下す
る。
【0028】さらに、ブロック共重合体水添物の配合量
は、スチレン系樹脂とプロピレン系樹脂の合計100重
量部に対し通常1〜30重量部であり、2〜25重量部
が好ましく、とりわけ3〜20重量部が好適である。1
重量部未満では、成形品の耐衝撃性の向上効果が得られ
ず、また成形品表面に層剥離現象がみられ、外観が悪化
する。また、30重量部を超えると剛性を始め機械的強
度、加工性が低下するので好ましくない。
【0029】本発明の組成物は、各配合成分の所定量を
ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの混合装置
に用いて、数分間撹拌混合し、該混合物をロール、バン
バリーミキサー、コニーダ、短軸もしくは2軸の押出機
などで180〜300℃、より好ましくは190〜25
0℃で溶融混練しペレット化することにより製造するこ
とができる。
【0030】本発明の組成物は、押出成形のみでなく射
出成形、中空成形、各種延伸成形等の一般的な成形加工
法により容易に賦形が可能である。その際、例えば押出
成形の場合、あらかじめ三成分を前記の様に溶融ブレン
ドする他に、スチレン−イソプレン共重合体水添物をス
チレン系樹脂かあるいはプロピレン系樹脂のどちらか一
方にあらかじめ溶融ブレンドし、その後もう一成分をド
ライブレンドして成形しても、あるいは完全に3成分を
ドライブレンドしても実施することができる。
【0031】本発明の組成物には、必要に応じて通常プ
ロピレン系樹脂に添加される各種の添加剤たとえば造核
材、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止材、紫外線吸収
剤、重金属安定化材(銅害防止剤)、着色剤などを適宜
併用することができる。また、本発明の組成物には、本
発明の目的を著しく損なわない範囲で、他の付加的成分
たとえば難燃剤、難燃助材などを添加することができ
る。
【0032】
【実施例】以下、実施例等によって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明は、これらの実施例等により限定
されるものではない。なお、実施例および比較例におい
て用いた評価方法は以下の通りである。
【0033】1)溶融粘度比 東洋精機(株)社製キャピログラフにより口径1mm、
L/D=40のキャピラリーノズルを用いて210℃に
て100(sec-1)のせん断速度における粘度を測定
した。さらにスチレン系樹脂の粘度(ηPS)でプロピレ
ン系樹脂の粘度(ηPP)を除した値(ηPS/ηPP)を溶
融粘度比として求めた。
【0034】2)連続相評価 本発明の組成物の成形品の連続相の判定は以下の方法に
より実施した。観察試料をウルトラミクロトームにて表
面が平滑になるように切削する。その後、切削面をRu
4 、OsO4 等の重金属酸化物蒸気に所定時間触れさ
せてPS相のみを選択的に染色する。さらに染色面にカ
ーボンを蒸着した後、走査型電子顕微鏡により観察して
反射電子線量の分布から相状態を判定した。
【0035】3)曲げ剛性 厚み0.5mmの押出シートに関して、テーバー社法
(打ち抜いたシートサンプルの片方を固定し、もう一方
を一定速度で一定量曲げ、応力を開放した時の復元程度
でシート剛性を評価する手法)に準拠して23℃の雰囲
気で曲げ剛性を評価した。
【0036】4)ダート衝撃強度 厚み0.5mmの押出シートに関して、ASTM D−
1709に準拠して23℃の雰囲気でダート衝撃強度を
評価した。
【0037】5)ドローダウン性 厚さ0.5mmの押出シートを上下面から中央に200
×200mm平方の穴の開いた鋼板の間に挟んで断熱箱
の中に水平にセットした後、シートをこの鋼板の上下面
からヒーターで加熱してシート付近の雰囲気温度を21
0℃に加熱する。加熱されたシートはまず膨張で垂下
し、その後、残留応力による収縮で再び水平となり、最
後に溶融によって垂れ下がる。この時、加熱してから、
再び水平になるまでの時間をT1 (秒)とし、この後、
シートが15mm垂下する迄の時間をT2 (秒)とす
る。よってT2 −T1 =ΔTが、真空成形可能な時間と
してとらえることができる。T1 は短いほど、生産性が
高く、また、ΔTが長いほど、成形し易いので、好まし
いシートといえる。
【0038】6)耐油性 各シートについてサラダ油中に浸漬(20℃×3日間)
により外観、特にクラックの発生や膨潤状態を評価し正
常なものを〇、そうでないものを×とした。
【0039】7)耐熱性 厚み0.5mmの押出シートを真空成形法によりカップ
状容器(容器高さ/口径=0.4、容量90cc)を成
形し、サラダ油を充填した後、電子レンジにより加熱し
て、容器が変形する時のサラダ油温度を測定した。
【0040】(実施例1)スチレン系樹脂としてMw
370,000のスチレン単独重合体(GPPSと略)
を用い、プロピレン系樹脂としてMw =320,000
のプロピレン単独重合体(ホモPPと略)を用い、スチ
レン−イソプレン共重合体水添物としてスチレン−イソ
プレンブロック共重合体水添物(A−B−Aタイプ,ス
チレン量:60重量%)を用いて、これらを表1に示す
割合に配合し、スーパーミキサーで約10分間混合した
のち、該混合物をベント式30mmφ2軸押出機を用い
て設定温度210℃で溶融混練押出を行い、ペレット状
の組成物を得た。スチレン系樹脂とプロピレン系樹脂の
溶融粘度比(ηPS/ηPP)は1.54であった。このペ
レットを40mmφ単軸シート成形機(Tダイ法)を用
いて、樹脂温度210℃にて厚さ0.5mmのシートを
成形し得られたシートに関して、相構造,各シート物
性,ドローダウン性を評価した。さらに、このシートを
用い真空成形法により、容量90ccの容器を成形し、
耐熱性評価を行った。各評価結果を表1に示す。
【0041】(実施例2)スチレン系樹脂としてMw
370,000のスチレン単独重合体を用い、プロピレ
ン系樹脂としてMw =260,000のプロピレン単独
重合体を用い、スチレン−イソプレン共重合体水添物と
してスチレン−イソプレンブロック共重合体水添物(A
−B−Aタイプ,スチレン量:60重量%)を用いて、
これらを表1に示す割合に配合し、実施例1と同様に物
性を評価した。スチレン系樹脂とプロピレン系樹脂の溶
融粘度比(ηPS/ηPP)は2.50であった。結果を表
1に示す。
【0042】(実施例3)GPPSの配合量を40重量
%、ホモPPの配合量を60重量%にした以外は実施例
1と同じ条件で成形、評価を行った。結果を表1に示
す。
【0043】(比較例1,2)スチレン系樹脂としてM
w =230,000のGPPSを用い、プロピレン系樹
脂としてMw =500,000のホモPPを用い、ηPS
/ηPP=0.77として実施例1と同様に成形、評価を
行った。各評価結果を表1に示す。
【0044】(比較例3)スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体水添物が未添加である他は実施例1と同様に
して成形、評価を行った。各評価結果を表1に示す。
【0045】(比較例4)スチレン系樹脂としてMw
190、000のGPPSを用いプロピレン系樹脂とし
てMw =500、000のホモPPを用いた他は実施例
3と同様にして成形、評価を行った。評価結果を表1に
示す。ηPS/ηPP=0.36であるとスチレン系樹脂配
合量が40重量%であるにもかかわらず連続相はPSと
なり、ダート衝撃強度も弱く、耐油性、耐熱性も悪かっ
た。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明によって得られる組成物は、真空
成形、圧空成形、及び熱板加熱式圧空成形等のシートの
二次加工性に優れ、成形体の耐熱性及び耐油性が著しく
改良されるとともに、剛性,耐衝撃性も優れている特長
的な材料である。その利用分野としては、シート、包装
材料だけでなく家電部品、自動車部品及び各種工業部品
等にも好適に成形し用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 尚 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)スチレン系樹脂、(b)プロピレ
    ン系樹脂、(c)スチレン−イソプレン共重合体水添物
    よりなり、210℃、剪断速度100sec-1における
    (a)スチレン系樹脂の溶融粘度ηPSと(b)プロピレ
    ン系樹脂の溶融粘度ηPPの比(ηPS/ηPP)がηPS/η
    PP>1を満たすことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)スチレン系樹脂5〜80重量%、
    (b)プロピレン系樹脂20〜95重量%の合計100
    重量部に対して(c)スチレン含有量が10〜90重量
    %であるスチレン−イソプレンブロック共重合体水添物
    を1〜30重量部配合してなる請求項1記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
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