JP4758185B2 - 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体 - Google Patents
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Description
また、本発明は、前記(A)及び(B)の合計100重量部に対し更に軟化剤(C)を0.1〜200重量部含み、有機過酸化物からなる架橋剤を用いて押出し機にて動的架橋した熱可塑性エラストマー組成物を押出成形してなる押出成形品である。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物としては、架橋されたエチレン、炭素数3〜20のα-オレフィン及び非共役ポリエン共重合体ゴムと結晶性ポリオレフィン樹脂を成分とするものである。
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン(A)としては、70℃での圧縮永久歪が70%以下である非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂である。好ましくは、ポリブテン−1樹脂であり、ポリブテン−1樹脂として(1)、(2)および(3)のような(共)重合体が好ましく用いられる。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)は、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび非共役ポリエンからなるゴムである。
また、非共役ポリエンとしては、具体的には、
1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエン
などが挙げられ、2種類以上でも使用することができる。中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネンの2種類が好ましい。
本発明で用いられる軟化剤(C)は、 流動性や硬度の調整剤としてとして用いられる。
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ、(ファクチス);
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
ナフテン酸;
パイン油、ロジンまたはその誘導体;
テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系
軟化剤;
マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、末端変性ポリイソプレン、水添末端変性ポリイソプレン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。中でも、石油系軟化剤、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
一般的な熱可塑性エラストマーでは、硬度を低くすることにより、圧縮永久歪測定時の圧縮する際の応力が小さくなり、より低いCSを得ることが出来ることを考慮したものである。そこで上記式を満たすために一般的な熱可塑性エラストマーでは、ゴムの架橋度を上げることにより上記式は満たされるようになるが、押出し成形の際、押出し肌の良好なものが得られない。本発明のように、非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂がCS≦70であれば、押出し肌が良好で、上記式(1)を満たすものが得られる。
熱可塑性エラストマー組成物のメルトフローレートは、ASTM D1238に準拠して230℃、5kg荷重あるいは10kg荷重で測定した。
硬度は、JIS K6253に準拠して、ショアーA硬度を測定した。
測定は、プレス成形機によりシートを作製し、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。
JIS K6251に準拠して、引張試験を下記の条件で行ない、100%、200%、300%伸張時の引張り強度(M100、M200、M300)、破断時の引張強度と伸びを測定した。
試験は、プレス成形機によりシートを作製し、JIS3号試験片を打ち抜き引張速度500mm/分の条件で行なった。
結晶性ポリオレフィン樹脂については、プレス成形機により厚み2mmシートを作製し、6枚重ねてJIS K6262に準拠して、スペーサーにより25%圧縮、23℃×24時間、70℃×24時間熱処理を行い、処理後23℃恒温室で30分放置した後、厚さを測定した。
縦型射出成形機にて直径29.0mm、厚さ12.7mmの円柱状の成形品を製造し、JIS K6262に準拠して、スペーサーにより25%圧縮、23℃×24時間、70℃×24時間熱処理を行い、処理後23℃恒温室で30分放置した後、厚さを測定した。
田辺プラスチック機械(株)社製50mmφ押出機にてベルト状ダイスを設置し、C1/C2/C3/C4/C5/H/D=160/170/180/190/190/190/190の温度条件にて成形品の押出し肌を観察すると同時に、ダイスに付着する目やにの単位押出量当たりの量を測定し(10分間)、熱可塑性エラストマー組成物を1t押出しした場合の目やに量を計算し、目やに量とした。
上記押出機にて押出成形した後、成形品に肌荒れが見られる場合×、成形品に肌荒れが無い場合を○とした。
エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム(エチレン含量77.2モル%、5-エチリデン-2- ノルボルネン 4.5重量%、[η]=2.60dl/g、ヨウ素価9.5g/100g、分岐指数6)(油展量):ゴム100重量部に対してパラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名 PW−380)を40.0重量部)70重量部、三井化学(株)社製ポリブテン−1(商品名BL2000) 30重量部、カーボンブラックマスターバッチ(カーボンブラック40重量%、低密度ポリエチレン60重量%)2.5重量部、
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤[日本チバガイギー(株)製、商品名 イルガノックス1010]0.1重量部と、
耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤[日本チバガイギー(株)製、商品名 チヌビン326]0.1重量部とHALS系耐候安定剤[三共(株)製、商品名 Sanol LS−770]0.05重量部、
滑剤として脂肪酸アミド系滑剤[ライオン(株)製、商品名アーモスリップCP] 0.3重量部
架橋剤として有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーヘキシン25B]0.4重量部と、
架橋助剤としてジビニルベンゼン(DVB)[新日鉄化学(株)製、商品名 DVB−570]0.3重量部と
をヘンシェルミキサーで充分混合し、押出機[品番 TEM−50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C4 140℃、C5〜C6 180℃、C7〜C8 200℃、C9〜C12 220℃、ダイス温度:210℃、スクリュー回転数:200rpm、押出量:40kg/h]にてパラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 PW−100]21重量部をシリンダーに注入しながら造粒を行ない、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
その結果を第1表に示す。
実施例1において、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムを75重量部、ポリブテン−1 25重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
その結果を第1表に示す。
実施例1において、ポリブテン−1の代わりにホモポリプロピレン(プライムポリマー(株)製E111G)(以下、ポリプロピレン−1と略す)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
その結果を表1に示す。
実施例2において、ポリブテン−1の代わりにポリプロピレン−1を用いた以外は、実施例2と同様に行った。
その結果を表1に示す。
実施例1において、ポリブテン−1の代わりにランダムポリプロピレン(プライムポリマー(株)製B241)(以下、ポリプロピレン−2と略す)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
その結果を表1に示す。
Claims (2)
- 70℃での圧縮永久歪が70%以下である非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)10〜60重量部と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(B)90〜40重量部[(A)及び(B)の合計は100重量部である。]とから構成され、前記非架橋性の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)がポリブテン−1であり、有機過酸化物からなる架橋剤を用いて押出し機にて動的架橋した熱可塑性エラストマー組成物を押出成形してなる押出成形品。
- (A)及び(B)の合計100重量部に対し更に軟化剤(C)を0.1〜200重量部含み、押出し機にて動的架橋した熱可塑性エラストマー組成物を押出成形してなる請求項1に記載の押出成形品。
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