JP3780663B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関し、さらに詳しくは加硫ゴムの代替品として好適に利用できる耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、軽量でリサイクルが容易であることから、省エネルギー、省資源タイプのエラストマーとして、特に加硫ゴムの代替品として自動車部品、工業機械部品、電気・電子部品、建材等に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、従来のオレフィン系熱可塑性エラストマーは耐油性が悪く、特に芳香族系有機溶剤、ガソリン、鉱油などの非極性溶媒等に接触すると、膨潤してしまうという問題点があり、その使用用途が限定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、耐油性、耐熱性、成形性および柔軟性に優れた耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物である。
(1)(A)メルトフローレート(ASTM D1238;230℃、2.16kg荷重)が0.1〜5g/10分のポリプロピレン樹脂70〜90重量部、
(B)オレフィン系共重合体ゴム10〜30重量部[ただし、成分(A)および(B)の合計量は100重量部である。]、および
(C)軟化剤20〜150重量部
を含有し、ゲル含量が97重量%以上となるように有機過酸化物による架橋処理で架橋していることを特徴とする耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(2)プロピレン樹脂がプロピレンの単独重合体、プロピレンと10モル%以下の他のα-オレフィンとのランダム共重合体、およびプロピレンと30モル%以下の他のα-オレフィンとのブロック共重合体からなる群より選ばれる1種以上の樹脂である上記(1)記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(3)オレフィン系共重合体ゴムがエチレン・他のα-オレフィン共重合体ゴム、エチ
レン・他のα-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン・他のα-オレフィン共重合体ゴム、およびブテン・他のα-オレフィン共重合体ゴムからなる群より選ばれる
1種以上のゴムである上記(1)または(2)記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
【0006】
《ポリプロピレン樹脂(A)》
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂(A)は、メルトフローレート(MFR;ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)が0.1〜5g/10分、好ましくは0.5〜3g/10分のポリプロピレン樹脂であり、具体的には以下のような重合体または共重合体などがあげられる。
【0007】
(1)プロピレン単独重合体
(2)プロピレンと10モル%以下の他のα-オレフィンとのランダム共重合体
(3)プロピレンと30モル%以下の他のα-オレフィンとのブロック共重合体
上記α-オレフィンとしては、具体的にはエチレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどの炭素数2または4〜20のα−オレフィンがあげられる。
【0008】
ポリプロピレン樹脂(A)としては、上記プロピレン単独重合体が好ましい。上記ポリプロピレン樹脂(A)は、単独で用いることもできるし、あるいは組合せて用いることもできる。
【0009】
本発明では、ポリプロピレン樹脂(A)のメルトフローレートが前記範囲にある場合、耐油性に優れるとともに成形性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0010】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物においては、ポリプロピレン樹脂(A)は、ポリプロピレン樹脂(A)およびオレフィン系共重合体ゴム(B)の合計量100重量部に対して70〜90重量部の割合で用いる。
ポリプロピレン樹脂(A)を上記のような配合割合で用いると、耐油性に優れるともに、耐熱性および成形性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0011】
《オレフィン系共重合体ゴム(B)》
本発明において用いるオレフィン系共重合体ゴム(B)としては、炭素数2〜20のα-オレフィン含量が50モル%以上の無定形ランダムな弾性共重合体があげられる。このような無定形ランダムな弾性共重合体としては、2種以上のα-オレフィンからなるα-オレフィン共重合体、2種以上のα-オレフィンと非共役ジエンとからなるα-オレフィン・非共役ジエン共重合体などがあり、具体的には以下のようなゴムなどがあげられる。
【0012】
(1)エチレン・他のα-オレフィン共重合体ゴム〔エチレン/他のα-オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50〕
(2)エチレン・他のα-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム〔エチレン/他のα-オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50〕
(3)プロピレン・他のα-オレフィン共重合体ゴム〔プロピレン/他のα-オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50〕
(4)ブテン・他のα-オレフィン共重合体ゴム〔ブテン/他のα-オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50〕
【0013】
上記α-オレフィンとしては、具体的にはエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどがあげられる。
上記非共役ジエンとしては、具体的にはジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどがあげられる。
【0014】
このような非共役ジエンが共重合している上記(2)のエチレン・α-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムのヨウ素価は25以下が好ましい。
前記(1)〜(4)の共重合体ゴムは、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕が10〜250、好ましくは30〜150であるものが望ましい。
【0015】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物においては、オレフィン系共重合体ゴム(B)は、ポリプロピレン樹脂(A)およびオレフィン系共重合体ゴム(B)の合計量100重量部に対して10〜30重量部の割合で用いる。
オレフィン系共重合体ゴム(B)を上記のような配合割合で用いると、耐油性に優れるとともに柔軟性に優れた成形体を提供し得るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0016】
また本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、オレフィン系共重合体ゴム(B)と、オレフィン系共重合体ゴム(B)以外のゴム、例えばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、ポリイソブチレンゴムなどとを組合せて用いることもできる。
【0017】
《軟化剤(C)》
本発明で用いられる軟化剤(C)としては、通常ゴムに使用される軟化剤が適当である。具体的には、
プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物質;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油;
トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12-水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸、エルカ酸等の脂肪酸またはその金属塩;
石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;
その他マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエンまたはその変性物あるいは水添物、液状チオコールなどがあげられる。
【0018】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物においては、軟化剤(C)は、ポリプロピレン樹脂(A)およびオレフィン系共重合体ゴム(B)の合計量100重量部に対して20〜150重量部、好ましくは25〜100重量部、さらに好ましくは30〜80重量部の割合で用いる。
軟化剤(C)を上記のような配合割合で用いると、耐油性に優れるとともに柔軟性に優れた成形体を提供し得るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0019】
《その他の成分》
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、充填材、着色剤、滑剤などの添加剤を配合することができる。
【0020】
《オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物》
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、前記ポリプロピレン樹脂(A)、オレフィン系共重合体ゴム(B)および軟化剤(C)を前記特定の割合で含有し、かつ下記の方法で測定し、下記数式(1)から求められるゲル含量、すなわちシクロヘキサン不溶解分が97重量%以上、好ましくは97〜103重量%となるように架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物である。ゲル含量は100重量%を超える場合がある。
【0021】
[ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)の測定法]
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の試料を約100mg秤量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断し、次いで得られた細片を密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに23℃で48時間浸漬する。
【0022】
次に、この試料の不溶解残留物を濾紙上に取出し、室温にて恒量になるまで72時間以上乾燥する。この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を「補正された最終重量(Y)」とする。
【0023】
一方、試料の初期重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン可溶性成分(例えば軟化剤等)の重量およびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を「補正された初期重量(X)」とする。
【0024】
ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)は下記数式(1)により求められる。
【数1】
Figure 0003780663
【0025】
《オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の調製》
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、前記ポリプロピレン樹脂(A)、オレフィン系共重合体ゴム(B)および軟化剤(C)を前記特定の割合で配合し、有機過酸化物による架橋処理でゲル含量が97重量%以上となるように架橋することにより調製することができる。架橋は有機過酸化物の存在下で動的な熱処理を行うのが好ましい。
【0026】
上記有機過酸化物としては、具体的にはジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシドなどがあげられる。
【0027】
これらの中では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、中でも1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサンが最も好ましい。
【0028】
有機過酸化物は、ポリプロピレン樹脂(A)およびオレフィン系共重合体ゴム(B)の合計量100重量部に対して0.4〜3重量部、好ましくは0.6〜2重量部の割合で用いられる。有機過酸化物の配合割合が上記範囲にある場合、ゲル含量が97重量部以上となるように架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が容易に得られる。
【0029】
上記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'-ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4-ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼンのような多官能性ビニルモノマー;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー;トリアリルシアヌレートのような多官能アリル化合物を配合することもできる。
【0030】
有機過酸化物による架橋処理に際し、上記化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。上記化合物の中ではジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは取扱い易く、前記被架橋処理物の主成分であるポリプロピレン樹脂(A)およびオレフィン系共重合体ゴム(B)との相溶性が良好であり、かつ有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0031】
上記架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーは、前記被架橋処理物全体に対して0.4〜3重量%、好ましくは0.6〜2重量%の割合で用いるのが望ましい。架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーの配合割合が上記範囲にある場合、得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、架橋助剤および多官能性ビニルモノマーがオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中に未反応のモノマーとして残存することがないため、加工成形の際に熱履歴による物性の変化が生じることがなく、しかも流動性に優れている。
【0032】
前記動的な熱処理は、前記各成分を融解状態で混練することにより行われる。この動的な熱処理は、ミキシングロール、インテンシブミキサー(例えばバンバリーミキサー、ニーダー等)、一軸または二軸押出機などの混練装置を用いて行われるが、非開放型の混練装置中で行うことが好ましい。また動的な熱処理は、窒素等の不活性ガス中で行うことが好ましい。
【0033】
また混練は、使用する有機ペルオキシドの半減期が1分未満となる温度で行うのが望ましい。混練温度は通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃であり、混練時間は1〜20分間、好ましくは1〜5分間である。また、混練の際に加えられる剪断力は、通常剪断速度で10〜104sec-1、好ましくは102〜104sec-1の範囲内で決定される。
【0034】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は耐油性に優れており、芳香族系有機溶剤、ガソリン、鉱油などの非極性溶媒等に接触しても膨潤の程度は小さい。またオレフィン系樹脂を用いているので、軽量でリサイクルが容易である。このため本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、省エネルギー、省資源タイプのエラストマーとして、特に加硫ゴムの代替品として自動車部品、工業機械部品、電気・電子部品、建材等に広く利用することができる。
【0035】
本発明で使用する成分は、前記各物性値が前記一般的な範囲にあるものが使用できるが、前記物性値がすべて好ましい範囲にある成分が最も好ましい。しかし、特定の物性値が好ましい範囲にあり、かつ他の物性値が一般的な範囲にある成分も好ましいものとして使用できる。また本発明で使用する成分は、配合割合が前記一般的な範囲で配合することができるが、配合割合がすべて好ましい範囲で配合するのが最も好ましい。しかし、特定の成分の配合割合が好ましい範囲にあり、かつ他の成分の配合割合が一般的な範囲にある場合も好ましい。
【0036】
【発明の効果】
以上の通り本発明によれば、特定のポリプロピレン樹脂、オレフィン系共重合体ゴムおよび軟化剤を特定量を含有し、かつゲル含量が97重量%以上となるように有機過酸化物による架橋処理で架橋しているので、耐油性、耐熱性、成形性および柔軟性に優れている耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において用いた原材料を以下に記す。
【0038】
ポリプロピレン樹脂(A)
(A−1)プロピレンホモポリマー
1)MFR(ASTM D 1238-65T、230℃、2.16kg荷重):1g/10分
(A−2)プロピレンホモポリマー
1)MFR(ASTM D 1238-65T、230℃、2.16kg荷重):15g/10分
【0039】
オレフィン系共重合体ゴム(B)
(B−1)エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム
1)エチレン含有量:78モル%
2)ヨウ素価:14
3)ムーニー粘度[ML1+4、100℃]:72
軟化剤(C)
(C−1)鉱物油系プロセスオイル[出光興産(株)製、PW−380(商標)]
【0040】
実施例1
プロピレンホモポリマー(A−1)のペレット90重量部と、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)のペレット10重量部と、鉱物油系プロセスオイル(C−1)30重量部と、さらに2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン1.0重量部と、ジビニルベンゼン0.8重量部とを充分に混合し、L/D=30、スクリュー径50mmの二軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出してオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0041】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、ゲル含量の測定を行い、前記数式(1)からゲル含量を求めた。
さらに、このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットからプレス成形機を用いて、厚さ1mmのシートを成形した。このシートを20mm×20mmに切出し、この試験片を、JIS1号油に100℃、24時間浸漬し、浸漬前に対する浸漬後の重量変化率(ΔW%)を測定し、耐油性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】
実施例2
プロピレンホモポリマー(A−1)のペレット70重量部と、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)のペレット30重量部と、鉱物油系プロセスオイル(C−1)30重量部と、さらに2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン1.0重量部と、ジビニルベンゼン0.8重量部とを充分に混合し、実施例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
次いで、このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、実施例1と同様にしてゲル含量および耐油性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】
比較例1
プロピレンホモポリマー(A−2)のペレット70重量部と、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)のペレット30重量部と、鉱物油系プロセスオイル(C−1)30重量部と、さらに2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン1.0重量部と、ジビニルベンゼン0.8重量部とを充分に混合し、実施例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
次いで、このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、実施例1と同様にしてゲル含量および耐油性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】
比較例2
プロピレンホモポリマー(A−1)のペレット30重量部と、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)のペレット70重量部と、鉱物油系プロセスオイル(C−1)30重量部と、さらに2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン1.0重量部と、ジビニルベンゼン0.8重量部とを充分に混合し、実施例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
次いで、このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、実施例1と同様にしてゲル含量および耐油性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】
比較例3
プロピレンホモポリマー(A−1)のペレット70重量部と、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(B−1)のペレット30重量部と、鉱物油系プロセスオイル(C−1)30重量部と、さらに2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン0.2重量部と、ジビニルベンゼン0.2重量部とを充分に混合し、実施例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
次いで、このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、実施例1と同様にしてゲル含量および耐油性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003780663
【0047】
表1より、実施例1、2では優れた耐油性が得られるが、メルトフローレートの高いポリプロピレン樹脂を用いる比較例1、ポリプロピレン樹脂の配合割合が低い比較例2、およびゲル含量が低い比較例3では耐油性が悪いことがわかる。

Claims (3)

  1. (A)メルトフローレート(ASTM D1238;230℃、2.16kg荷重)が0.1〜5g/10分のポリプロピレン樹脂70〜90重量部、 (B)オレフィン系共重合体ゴム10〜30重量部[ただし、成分(A)および(B)の合計量は100重量部である。]、および
    (C)軟化剤20〜150重量部
    を含有し、ゲル含量が97重量%以上となるように有機過酸化物による架橋処理で架橋していることを特徴とする耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. プロピレン樹脂がプロピレンの単独重合体、プロピレンと10モル%以下の他のα-オレフィンとのランダム共重合体、およびプロピレンと30モル%以下の他のα-オレフィンとのブロック共重合体からなる群より選ばれる1種以上の樹脂である請求項1記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. オレフィン系共重合体ゴムがエチレン・他のα-オレフィン共重合体ゴム、エチレン・他のα-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン・他のα-オレフィン共重合体ゴム、およびブテン・他のα-オレフィン共重合体ゴムからなる群より選ばれる1種以上のゴムである請求項1または2記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
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WO2001064783A1 (fr) * 2000-02-28 2001-09-07 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Composition de caoutchouc d'olefine

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