JPH0753789A - オレフィン系熱可塑性エラストマー - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー

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JPH0753789A
JPH0753789A JP9007794A JP9007794A JPH0753789A JP H0753789 A JPH0753789 A JP H0753789A JP 9007794 A JP9007794 A JP 9007794A JP 9007794 A JP9007794 A JP 9007794A JP H0753789 A JPH0753789 A JP H0753789A
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JP
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block
weight
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copolymer
isoprene
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JP9007794A
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English (en)
Inventor
Yuichi Ito
藤 雄 一 伊
Kyoko Kobayashi
林 恭 子 小
Tokuyuki Enoshita
下 徳 之 榎
Akira Uchiyama
山 晃 内
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー
は、少なくとも結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、スチ
レン等の重合体ブロック(a)と、特定のイソプレン重
合体ブロックまたは特定のイソプレン・ブタジエン共重
合体ブロック(b)とからなる水素添加されていてもよ
いブロック共重合体(B)、スチレン等の重合体ブロッ
ク(c)と、特定のイソプレン重合体ブロックまたは特
定のイソプレン・ブタジエン共重合体ブロック(d)、
またはブタジエン重合体ブロック(e)とからなる水素
添加されていてもよいブロック共重合体(C)を特定の
割合で含有してなり、部分的に架橋されているか、また
は全く架橋されていない。 【効果】上記熱可塑性エラストマーは、軽量でリサイク
ルが容易であり、焼却しても有害なガスを発生しない、
耐傷付き性に優れた成形体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーに関し、さらに詳しくは、耐傷付性に優れた
成形体を提供し得るオレフィン系熱可塑性エラストマー
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、軽量でリサイクルが容易であることから、省エネ
ルギー、省資源タイプのエラストマーとして、特に加硫
ゴムの代替品として自動車部品、工業機械部品、電気・
電子部品、建材等に広く使用されている。
【0003】また近年、地球環境保護の観点から、焼却
時に有害なガスを発生する塩化ビニル樹脂に代わって、
有害なガスが発生しないオレフィン系熱可塑性エラスト
マーが使われるようになってきている。
【0004】しかしながら、従来のオレフィン系熱可塑
性エラストマーからなる成形体は、塩化ビニル樹脂から
なる成形体と比較して、耐傷付き性が劣るという欠点が
あり、その改良が強く望まれている。
【0005】そこで、本発明者らは、耐傷付き性に優れ
たオレフィン系熱可塑性エラストマーを得るべく鋭意研
究し、結晶性ポリオレフィン樹脂と特定のブロック共重
合体とを特定の割合で配合したところ、耐傷付き性に優
れた成形体を提供し得るオレフィン系熱可塑性エラスト
マーが得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、軽量でリサイク
ルが容易であり、しかも、焼却しても有害なガスを発生
しない、耐傷付き性に優れた成形体を付与し得るオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーを提供することを目的とし
ている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーは、[I]結晶性ポリオレフィン樹脂(A)2
0〜85重量部、[II]スチレンまたはその誘導体の重
合体ブロック(a)と、イソプレン重合体ブロックまた
はイソプレン・ブタジエン共重合体ブロックであって、
イソプレン重合体部分における1,2結合および3,4
結合含有量が40%以上である重合体または共重合体ブ
ロック(b)とからなる水素添加されていてもよいブロ
ック共重合体(B)12〜77重量部、および[III]
スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック(c)と、
イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
ン共重合体ブロックであって、イソプレン重合体部分に
おける1,2結合および3,4結合含有量が30%以下
である重合体または共重合体ブロック(d)、またはブ
タジエン重合体ブロック(e)とからなる水素添加され
ていてもよいブロック共重合体(C)3〜30重量部
[成分(A)、(B)および(C)の合計量は100重
量部である]からなることを特徴としている。
【0008】また、本発明に係るオレフィン系熱可塑性
エラストマーは、前記の結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)およびブロック共重合
体(C)の合計量100重量部に対して、オレフィン系
ゴム(D)1〜40重量部、および/または軟化剤
(E)1〜40重量部を含有していてもよい。
【0009】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマーは、部分的に架橋された熱可塑性エラストマーで
あってもよいし、また全く架橋されていない熱可塑性エ
ラストマー(非架橋の熱可塑性エラストマーと称する場
合がある)であってもよい。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィン系
熱可塑性エラストマーについて具体的に説明する。
【0011】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマーは、[I]結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、
[II]スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
(a)と、特定のイソプレン重合体ブロックまたは特定
のイソプレン・ブタジエン共重合体ブロック(b)とか
らなる水素添加されていてもよいブロック共重合体
(B)、および[III] スチレンまたはその誘導体の重
合体ブロック(c)と、特定のイソプレン重合体ブロッ
クまたは特定のイソプレン・ブタジエン共重合体ブロッ
ク(d)、またはブタジエン重合体ブロック(e)とか
らなる水素添加されていてもよいブロック共重合体
(C)で構成されてなり、これらの成分は特定の割合で
存在する。
【0012】また、本発明に係るオレフィン系熱可塑性
エラストマー中に、上記の結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)およびブロック共重合
体(C)のほかに、オレフィン系ゴム(D)および/ま
たは軟化剤(E)が特定量配合されていてもよい。
【0013】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラス
トマーは、上述したように、非架橋の熱可塑性エラスト
マーであってもよいし、部分的に架橋された熱可塑性エ
ラストマーであってもよい。
【0014】結晶性ポリオレフィン樹脂(A) 本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と
しては、炭素原子数2〜20のα- オレフィンの単独重
合体または共重合体が挙げられる。
【0015】上記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)の具
体的な例としては、以下のような重合体または共重合体
が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα- オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1-ブテン単独重合体 (7)1-ブテンと10モル%以下の他のα- オレフィン
とのランダム共重合体 (8)4-メチル-1- ペンテン単独重合体 (9)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα
- オレフィンとのランダム共重合体 上記のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-
ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0016】上記の結晶性ポリオレフィン樹脂の中で
も、プロピレン単独重合体と、プロピレン含量が50モ
ル%以上のプロピレン・α- オレフィン共重合体が特に
好ましい。
【0017】上記のような結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)は、単独で、あるいは組合わせて用いることがで
きる。結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、メルトフロ
ーレート(MFR;ASTMD 1238、230℃、
2.16kg荷重、以下同じ)が好ましくは0.01〜
100g/10分、さらに好ましくは0.3〜70g/
10分の範囲にある。
【0018】また、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
は、X線法により求めた結晶化度が通常5〜100%、
好ましくは20〜80%の範囲にある。本発明において
は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、上記の結晶性
ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)お
よびブロック共重合体(C)の合計量100重量部に対
し、20〜85重量部、好ましくは30〜77重量部、
さらに好ましくは35〜70重量部の割合で用いられ
る。
【0019】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)を上記の
ような割合で用いると、耐傷付き性に優れるとともに、
耐熱性に優れた成形体を提供し得る、成形性に優れた熱
可塑性エラストマーが得られる。
【0020】ブロック共重合体(B) 本発明で用いられるブロック共重合体(B)は、スチレ
ンまたはその誘導体の重合体ブロック(a)と、特定の
イソプレン重合体または特定のイソプレン・ブタジエン
共重合体からなるブロック(b)とからなり、水素添加
されていてもよい。
【0021】上記ブロック(a)を構成する重合体成分
は、スチレンまたはその誘導体である。スチレンの誘導
体としては、具体的には、α- メチルスチレン、1-ビニ
ルナフタレン、2-ビニルナフタレン、3-メチルスチレ
ン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、
4-ドデシルスチレン、2-エチル-4- ベンジルスチレン、
4-(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。ブロ
ック(a)を構成する重合体成分としては、スチレン、
α- メチルスチレンが好ましい。
【0022】上記ブロック(b)を構成する重合体また
は共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン・ブ
タジエン共重合体であって、下記に示すイソプレン重合
体部分における1,2結合および3,4結合含有量が4
0%以上、好ましくは45%以上である。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】
【0025】本発明において、イソプレン重合体部分に
おける1,2結合および3,4結合の含有量が40%以
上であるとき、耐傷付き性に優れた成形体を提供し得る
熱可塑性エラストマーを得ることができる。
【0026】ブロック共重合体(B)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(a)の割合は、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45
重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(b)の割合は、好ましくは95〜50重量%、さ
らに好ましくは90〜55重量%の範囲である。
【0027】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(B)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(B)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られ
る。
【0028】本発明で用いられるブロック共重合体
(B)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1
238、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)は、
好ましくは0.01〜30g/10分、さらに好ましく
は0.01〜10g/10分の範囲にある。メルトフロ
ーレートが上記のような範囲にあるブロック共重合体
(B)を用いると、耐傷付き性に優れた成形体を提供し
得る熱可塑性エラストマーが得られる。
【0029】本発明で用いられるブロック共重合体
(B)のブロック形態としては、ブロック(a)−ブロ
ック(b)−ブロック(a)の形態が最も好ましいが、
これに限られるものではない。
【0030】このようなブロック共重合体(B)は、た
とえば、以下のような方法により製造することができ
る。 (1) アルキルリチウム化合物を開始剤としてスチレンま
たはその誘導体、イソプレンまたはイソプレン・ブタジ
エン混合物を逐次重合させる方法。 (2) スチレンまたはその誘導体、次いで、イソプレンま
たはイソプレン・ブタジエン混合物を重合し、これをカ
ップリング剤によりカップリングする方法。 (3) ジリチウム化合物を開始剤としてイソプレンまたは
イソプレン・ブタジエン混合物、次いで、スチレンまた
はその誘導体を逐次重合させる方法。
【0031】上記ブロック共重合体(B)の製造方法の
詳細は、たとえば特開平2−300250号公報に記載
されている。また、上記のような方法により得られたブ
ロック共重合体(B)に水添処理を行なえば、水素添加
されたブロック共重合体(B)が得られる。水添される
ブロックは、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレ
ン・ブタジエン共重合体ブロック(b)である。
【0032】本発明においては、ブロック共重合体
(B)は、上記の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブ
ロック共重合体(B)およびブロック共重合体(C)の
合計量100重量部に対して、12〜77重量部、好ま
しくは20〜67重量部、さらに好ましくは25〜60
重量部の割合で用いられる。
【0033】ブロック共重合体(B)を上記のような割
合で用いると、耐熱性に優れるとともに耐傷付き性に優
れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られ
る。ブロック共重合体(C) 本発明で用いられるブロック共重合体(C)は、スチレ
ンまたはその誘導体の重合体ブロック(c)と、特定の
イソプレン重合体または特定のイソプレン・ブタジエン
共重合体からなるブロック(b)、またはブタジエン重
合体ブロック(e)とからなり、水素添加されていても
よい。
【0034】上記ブロック(c)を構成する重合体成分
は、スチレンまたはその誘導体である。スチレンの誘導
体の具体例としては、上記共重合体(B)の項で例示し
た化合物と同じ化合物が挙げられる。ブロック(c)を
構成する重合体成分としては、スチレン、α- メチルス
チレンが好ましく、特にα- メチルスチレンが好まし
い。
【0035】上記ブロック(d)を構成する重合体また
は共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン・ブ
タジエン共重合体であって、イソプレン重合体部分にお
ける1,2結合および3,4結合含有量が30%以下、
好ましくは25%以下である。
【0036】本発明において、イソプレン重合体部分に
おける1,2結合および3,4結合の含有量が30%以
下であるとき、良好な外観を有する成形体を提供し得る
熱可塑性エラストマーを得ることができる。
【0037】本発明で用いられるブロック共重合体
(C)は、ブロック(c)とブロック(d)とからなっ
ていてもよいし、また、ブロック(c)とブタジエン重
合体からなるブロック(e)とからなっていてもよい。
【0038】ブロック共重合体(C)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(c)の割合は、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45
重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(d)、またはブタジエン重合体ブロック(e)の
割合は、好ましくは95〜50重量%、さらに好ましく
は90〜55重量%の範囲である。
【0039】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(C)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(C)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られ
る。
【0040】本発明で用いられるブロック共重合体
(C)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1
238、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)は、
好ましくは0.01〜100g/10分、さらに好まし
くは0.01〜50g/10分の範囲にある。メルトフ
ローレートが上記のような範囲にあるブロック共重合体
(C)を用いると、耐傷付き性に優れた成形体を提供し
得る熱可塑性エラストマーが得られる。
【0041】本発明で用いられるブロック共重合体
(C)のブロック形態としては、ブロック(c)−ブロ
ック(d)または(e)−ブロック(c)の形態が最も
好ましいが、これに限られるものではない。
【0042】このような水素添加されていてもよいブロ
ック共重合体(C)は、たとえば上述したようなブロッ
ク共重合体(B)の製造方法と同様の方法により製造す
ることができる。
【0043】なお、水素添加されたブロック共重合体を
調製する際に、水添されるブロックは、イソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(d)またはブタジエン重合体ブロック(e)であ
る。
【0044】本発明においては、ブロック共重合体
(C)は、上記の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブ
ロック共重合体(B)およびブロック共重合体(C)の
合計量100重量部に対して、3〜30重量部、好まし
くは3〜25重量部、さらに好ましくは5〜20重量部
の割合で用いられる。
【0045】ブロック共重合体(C)を上記のような割
合で用いると、耐傷付き性に優れるとともに、外観に優
れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られ
る。オレフィン系ゴム(D) 本発明において必要に応じて用いられるオレフィン系ゴ
ム(D)としては、炭素原子数2〜20のα- オレフィ
ン含量が50モル%以上の無定形ランダムな弾性共重合
体であって、2種以上のα- オレフィンからなる非晶性
α- オレフィン共重合体、2種以上のα- オレフィンと
非共役ジエンとからなるα- オレフィン・非共役ジエン
共重合体などがあり、具体的には、以下のようなゴムが
挙げられる。 (1)エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (2)エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (3)プロピレン・α- オレフィン共重合体ゴム [プロピレン/α- オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50] (4)ブテン・α- オレフィン共重合体ゴム [ブテン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50] 上記α- オレフィンとしては、具体的には、上記した結
晶性ポリオレフィン樹脂(A)を構成するα- オレフィ
ンの具体的な例と同様のα- オレフィンを挙げることが
できる。
【0046】また、上記非共役ジエンとしては、具体的
には、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シク
ロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノ
ルボルネンなどが挙げられる。
【0047】このような非共役ジエンが共重合している
上記(2)のエチレン・α- オレフィン・非共役ジエン
共重合体ゴムのヨウ素価は、25以下が好ましい。上記
(1)〜(4)の共重合体ゴムのムーニー粘度[ML
1+4 (100℃)]は、10〜250であり、特に30
〜150が好ましい。
【0048】また、本発明においては、本発明の目的を
損なわない範囲で、オレフィン系ゴム(D)と、オレフ
ィン系ゴム(D)以外のゴムとを組合わせて用いること
もできる。
【0049】このようなオレフィン系ゴム(D)以外の
ゴムとしては、たとえばスチレン・ブタジエンゴム(S
BR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、
ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポ
リイソブチレンゴムなどが挙げられる。
【0050】本発明においては、オレフィン系ゴム
(D)は、必要に応じて上記の結晶性ポリオレフィン樹
脂(A)、ブロック共重合体(B)およびブロック共重
合体(C)の合計量100重量部に対して、1〜40重
量部、好ましくは3〜35重量部、さらに好ましくは5
〜30重量部の割合で用いられる。
【0051】オレフィン系ゴム(D)を上記のような割
合で用いると、耐傷付き性に優れるとともに柔軟性に優
れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーが得られ
る。軟化剤(E) 本発明において必要に応じて用いられる軟化剤(E)と
しては、通常ゴムに使用される軟化剤が適当であり、具
体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動
パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物
質;コールタール、コールタールピッチ等のコールター
ル類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油
等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノ
リン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステア
リン酸等の脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロ
ンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成
高分子;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペー
ト、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;その
他マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン
またはその変性物あるいは水添物、液状チオコールなど
が挙げられる。
【0052】本発明においては、軟化剤(E)は、必要
に応じて上記の成分(A)、(B)および(C)の合計
量100重量部に対して、1〜40重量部、好ましくは
3〜35重量部、さらに好ましくは5〜30重量部の割
合で用いられる。
【0053】軟化剤(E)を上記のような割合で用いる
と、成形時の流動性に優れた熱可塑性エラストマーが得
られる。この熱可塑性エラストマーからなる成形品は、
耐傷付き性が良好である。
【0054】その他の成分 本発明においては、オレフィン系熱可塑性エラストマー
中に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて
無機充填剤、あるいは公知の耐熱安定剤、老化防止剤、
耐候安定剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の
滑剤などの添加剤を添加することができる。
【0055】無機充填剤としては、具体的には、炭酸カ
ルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン、タル
ク、シリカ、けいそう土、雲母粉、アスベスト、硫酸バ
リウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、二硫化モリブデン、ガラス繊維、ガラス球、
シラスバルーングラファイト、アルミナなどが挙げられ
る。
【0056】公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定
剤としては、フェノール系、サルファイト系、フェニル
アルカン系、フォスファイト系、アミン系安定剤などが
挙げられる。
【0057】本発明に係るオレフィン熱可塑性エラスト
マーは、上述したように、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)とブロック共重合体(B)とブロック共重合体
(C)とからなる組成、または結晶性ポリオレフィン樹
脂(A)とブロック共重合体(B)とブロック共重合体
(C)とオレフィン系ゴム(D)および/または軟化剤
(E)とからなる組成を有しており、部分的に架橋され
ていてもよいし、また全く架橋されていなくてもよい。
【0058】上記の「部分的に架橋された」とは、下記
の方法で測定したゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)
がたとえば10%以上、特に20%以上98%未満であ
る場合をいう。本発明においては、ゲル含量が30%以
上であることが好ましい。ゲル含量が上記範囲にある
と、得られる熱可塑性エラストマーは、成形時の流動性
が良好であり、機械強度および耐熱性に優れた成形体を
提供することができる。
【0059】[ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)の
測定法]熱可塑性エラストマーの試料を約100mg秤
量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁
断し、次いで、得られた細片を、密閉容器中にて30m
lのシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬する。
【0060】次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温
にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。この乾燥残
渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性
成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じ
た値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0061】一方、試料の重量からポリマー成分以外の
シクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量お
よびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊
維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、
「補正された初期重量(X)」とする。
【0062】ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解
分)は、次式により求められる。 ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)]÷
[補正された初期重量(X)]×100オレフィン系熱可塑性エラストマーの製造 本発明に係る非架橋のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、上記の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロッ
ク共重合体(B)およびブロック共重合体(C)、さら
にはオレフィン系ゴム(D)および/または軟化剤
(E)の各成分を混合した後、動的に熱処理することに
より得ることができる。
【0063】一方、部分的に架橋された熱可塑性エラス
トマーは、上述した各成分のブレンド物を有機ペルオキ
シドの存在下に動的に熱処理して部分的に架橋すること
により得ることができる。
【0064】ここに、「動的に熱処理する」とは溶融状
態で混練することを指す。本発明で用いられる有機過酸
化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ
-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(t
ert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-
ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス
(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,
1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチル
シクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペ
ルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-ク
ロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイル
ペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、
tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキ
シイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペル
オキシドなどが挙げられる。
【0065】これらの内では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチル
ペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブ
チル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート
が好ましく、なかでも、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0066】本発明においては、有機過酸化物は、結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)100重量%、または結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)およびオレフィン系ゴム
(D)の合計量100重量%に対して、0.05〜3重
量%、好ましくは0.1〜1重量%の割合で用いられ
る。
【0067】本発明においては、上記有機過酸化物によ
る部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,
p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジ
ニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグア
ニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジ
マレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジ
ビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリ
ルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノ
マー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような
多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0068】上記のような化合物を用いることにより、
均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明に
おいては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニル
ベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分
である結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、オレフィン系
ゴム(D)およびオレフィン系ゴム(D)以外のゴムと
の相溶性が良好であり、かつ、有機過酸化物を可溶化す
る作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くため、
熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバラ
ンスのとれた熱可塑性エラストマーが得られる。
【0069】本発明においては、上記のような架橋助剤
もしくは多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理
物全体に対して、0.1〜2重量%、特に0.3〜1重
量%の割合で用いるのが好ましい。架橋助剤もしくは多
官能性ビニルモノマーの配合割合が上記範囲にあると、
得られる熱可塑性エラストマーは、架橋助剤および多官
能性ビニルモノマーがエラストマー中に未反応のモノマ
ーとして残存することがないため、加工成形の際に熱履
歴による物性の変化が生じることがなく、しかも、流動
性に優れている。
【0070】動的な熱処理は、ミキシングロール、イン
テンシブミキサー、たとえばバンバリーミキサー、ニー
ダー、一軸または二軸押出機などの混練装置を用いて行
なわれるが、非開放型の混練装置中で行なうことが好ま
しい。また、動的な熱処理は、窒素等の不活性ガス雰囲
気下で行なうことが好ましい。
【0071】熱処理の温度は、通常ポリオレフィン樹脂
の融点から300℃までの範囲で行なわれ、混練時間は
1〜10分が好ましい。また、加えられる剪断力は、剪
断速度で100〜50,000sec-1の範囲が望まし
い。
【0072】
【発明の効果】本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーは、[I]結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、
[II]スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
(a)と、特定のイソプレン重合体ブロックまたは特定
のイソプレン・ブタジエン共重合体ブロック(b)とか
らなる水素添加されていてもよいブロック共重合体
(B)、[III] スチレンまたはその誘導体の重合体ブ
ロック(c)と、特定のイソプレン重合体ブロックまた
は特定のイソプレン・ブタジエン共重合体ブロック
(d)、またはブタジエン重合体ブロック(e)とから
なる水素添加されていてもよいブロック共重合体
(C)、さらに必要に応じて、[IV]オレフィン系ゴム
(D)および/または軟化剤(E)を特定の割合で含有
してなるので、軽量でリサイクルが容易であり、焼却し
ても有害なガスを発生しない、耐傷付き性に優れた成形
体を提供することができる。
【0073】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0074】
【実施例1】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)としてプ
ロピレンホモポリマー[メルトフローレート:20g/
10分、X線法により求めた結晶化度:73%、以下
(A−1)と略す]のペレット50重量部と、ブロック
共重合体(B)としてスチレン・イソプレン・スチレン
ブロック共重合体[スチレン含有量:20重量%、イソ
プレン重合体部分における1,2結合および3,4結合
含有量:55%、メルトフローレート:2.5g/10
分、以下(B−1)と略す]のペレット40重量部と、
ブロック共重合体(C)としてスチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体[スチレン含有量:30重量
%、イソプレン重合体部分における1,2結合および
3,4結合含有量:7%、メルトフローレート:8g/
10分、以下(C−1)と略す]のペレット10重量部
とを充分に混合した後、220℃に設定した二軸押出機
に通して熱可塑性エラストマーのペレットを製造した。
【0075】さらに、この熱可塑性エラストマーのペレ
ットから射出成形機を用いて角板(150mm×150
mm×3mm)を220℃で成形した。そして、得られ
た角板の外観を目視により評価した。
【0076】また、角板の上に20mm角のフェルト布
を置き、さらにその上に200g/cm2 の圧力が掛か
るように重りを乗せて100回角板上を往復させ、その
往復操作の前後の光沢度(JIS K 7105)を測定
して、光沢度の変化度をもって耐傷付き性の評価を行な
った。
【0077】結果を第1表に示す。
【0078】
【実施例2】実施例1において、(A−1)、(B−
1)および(C−1)の配合量をそれぞれ65重量部、
30重量部、5重量部とした以外は、実施例1と同様に
行なって角板を得た。得られた角板について、外観と耐
傷付き性の評価を実施例1と同様に行なった。
【0079】結果を第1表に示す。
【0080】
【実施例3】実施例1において、(A−1)、(B−
1)および(C−1)の配合量をそれぞれ30重量部、
65重量部、5重量部とした以外は、実施例1と同様に
行なって角板を得た。得られた角板について、外観と耐
傷付き性の評価を実施例1と同様に行なった。
【0081】結果を第1表に示す。
【0082】
【実施例4】実施例1において、(A−1)、(B−
1)および(C−1)の代わりに、それぞれプロピレン
・エチレンコポリマー[結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、エチレン含有量:3.2モル%、メルトフロー
レート:25g/10分、X線法により求めた結晶化
度:66%、以下(A−2)と略す]のペレット40重
量部、スチレン重合体ブロックとイソプレン・ブタジエ
ン共重合体ブロックとスチレン重合体ブロックとからな
るブロック共重合体の水添処理物[ブロック共重合体
(B)、スチレン含有量:20重量%、イソプレン・ブ
タジエン共重合体ブロックにおけるブタジエン含有量:
12重量%、イソプレン・ブタジエン共重合体ブロック
のイソプレン重合体部分の1,2結合および3,4結合
含有量:60%、メルトフローレート:2.1g/10
分、以下(B−2)と略す]のペレット50重量部、ス
チレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水添
処理物[ブロック共重合体(C)、スチレン含有量:4
0重量%、メルトフローレート:15g/10分、以下
(C−2)と略す]のペレット10重量部を用いた以外
は、実施例1と同様に行なって角板を得た。得られた角
板について、外観と耐傷付き性の評価を実施例1と同様
に行なった。
【0083】結果を第1表に示す。
【0084】
【比較例1】実施例1において、(A−1)および(B
−1)の配合量をそれぞれ50重量部、50重量部と
し、(C−1)を配合しなかった以外は、実施例1と同
様に行なって角板を得た。得られた角板について、外観
と耐傷付き性の評価を実施例1と同様に行なった。
【0085】結果を第1表に示す。
【0086】
【比較例2】実施例1において、(B−1)および(C
−1)の配合量をそれぞれ10重量部、40重量部とし
た以外は、実施例1と同様に行なって角板を得た。得ら
れた角板について、外観と耐傷付き性の評価を実施例1
と同様に行なった。
【0087】結果を第1表に示す。
【0088】
【比較例3】(A−1)100重量部と、オレフィン系
ゴム(D)としてエチレン・プロピレン共重合体ゴム
[エチレン含有量:78モル%、メルトフローレート:
6.4g/10分、以下(D−1)と略す]100重量
部とから実施例1と同様にして熱可塑性エラストマーの
ペレットを調製した以外は、実施例1と同様に行なって
角板を得た。得られた角板について、外観と耐傷付き性
の評価を実施例1と同様に行なった。
【0089】結果を第1表に示す。
【0090】
【実施例5】(A−2)36重量部と、直鎖状低密度ポ
リエチレン樹脂[結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、コ
モノマー:1-ブテン、密度:0.920g/cm3 、融
点:120℃、メルトフローレート:31g/10分、
X線法により求めた結晶化度:52%、以下(A−3)
と略す]7重量部と、(B−2)50重量部と、(C−
2)7重量部と、(D−1)43重量部とから実施例1
と同様にして熱可塑性エラストマーのペレットを調製し
た以外は、実施例1と同様に行なって角板を得た。得ら
れた角板について、外観と耐傷付き性の評価を実施例1
と同様に行なった。
【0091】結果を第1表に示す。
【0092】
【実施例6】(A−2)64重量部と、(B−2)29
重量部と、(C−2)7重量部と、エチレン・ブテン共
重合体ゴム[オレフィン系ゴム(D)、エチレン含有
量:84モル%、メルトフローレート:8.1g/10
分、以下(D−2)と略す]14重量部と、軟化剤
(E)として鉱物油系プロセスオイル[出光興産社製、
PW−380、以下(E−1)と略す]29重量部とか
ら実施例1と同様にして熱可塑性エラストマーのペレッ
トを調製した以外は、実施例1と同様に行なって角板を
得た。得られた角板について、外観と耐傷付き性の評価
を実施例1と同様に行なった。
【0093】結果を第1表に示す。
【0094】
【比較例4】(A−2)64重量部と、(B−2)36
重量部と、(D−2)14重量部と、(E−1)29重
量部とから実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー
のペレットを調製した以外は、実施例1と同様に行なっ
て角板を得た。得られた角板について、外観と耐傷付き
性の評価を実施例1と同様に行なった。
【0095】結果を第1表に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【実施例7】(A−1)30重量部と、(B−1)65
重量部と、(C−1)5重量部とを、バンバリーミキサ
ーを用いて、窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した
後、混練物をロールに通してシート状にし、得られたシ
ートをシートカッターで裁断して角ペレットを調製し
た。
【0098】次いで、この角ペレット100重量部と、
ジクミルペルオキシド0.3重量部と、ジビニルベンゼ
ン0.5重量部とをヘンシェルミキサーで攪拌混合した
後、L/D=30、スクリュー径50mmの一軸押出機
を用いて、220℃で押出して熱可塑性エラストマーの
ペレットを調製した。このようにして得られた熱可塑性
エラストマーは、ゲル含量が58%であった。以下、こ
の熱可塑性エラストマーのペレットから、実施例1と同
様に行なって角板を得た。得られた角板について、外観
と耐傷付き性の評価を実施例1と同様に行なった。
【0099】結果を第2表に示す。
【0100】
【比較例5】実施例7において、(A−1)、(B−
1)および(C−1)の配合量をそれぞれ30重量部、
5重量部、65重量部とした以外は、実施例7と同様に
行なって熱可塑性エラストマーのペレットを調製し、角
板を得た。得られた角板について、外観と耐傷付き性の
評価を実施例1と同様に行なった。なお、上記のように
して得られた熱可塑性エラストマーは、ゲル含量が52
%であった。
【0101】結果を第2表に示す。
【0102】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内 山 晃 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I]結晶性ポリオレフィン樹脂(A)2
    0〜85重量部、[II]スチレンまたはその誘導体の重
    合体ブロック(a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、イソプレン重合体部分に
    おける1,2結合および3,4結合含有量が40%以上
    である重合体または共重合体ブロック(b)とからなる
    水素添加されていてもよいブロック共重合体(B)12
    〜77重量部、および[III] スチレンまたはその誘導
    体の重合体ブロック(c)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、イソプレン重合体部分に
    おける1,2結合および3,4結合含有量が30%以下
    である重合体または共重合体ブロック(d)、またはブ
    タジエン重合体ブロック(e)とからなる水素添加され
    ていてもよいブロック共重合体(C)3〜30重量部
    [成分(A)、(B)および(C)の合計量は100重
    量部である]からなることを特徴とするオレフィン系熱
    可塑性エラストマー。
  2. 【請求項2】前記の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、
    ブロック共重合体(B)およびブロック共重合体(C)
    の合計量100重量部に対して、オレフィン系ゴム
    (D)1〜40重量部、および/または軟化剤(E)1
    〜40重量部を含有していることを特徴とする請求項1
    に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー。
  3. 【請求項3】前記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)が、
    メルトフローレート(ASTM D1238、230
    ℃、2.16kg荷重)が0.01〜100g/10分
    であり、X線法により求めた結晶化度が20〜80%で
    あるプロピレン単独重合体またはプロピレン・α- オレ
    フィン共重合体であることを特徴とする請求項1または
    2に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー。
  4. 【請求項4】前記ブロック共重合体(B)が、スチレン
    またはその誘導体の重合体ブロック(a)を5〜50重
    量%有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー。
  5. 【請求項5】前記ブロック共重合体(C)が、スチレン
    またはその誘導体の重合体ブロック(a)を5〜50重
    量%有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー。
  6. 【請求項6】全く架橋されていないことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エ
    ラストマー。
  7. 【請求項7】部分的に架橋されていることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性
    エラストマー。
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