JP3512445B2 - シボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体 - Google Patents

シボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体

Info

Publication number
JP3512445B2
JP3512445B2 JP24253693A JP24253693A JP3512445B2 JP 3512445 B2 JP3512445 B2 JP 3512445B2 JP 24253693 A JP24253693 A JP 24253693A JP 24253693 A JP24253693 A JP 24253693A JP 3512445 B2 JP3512445 B2 JP 3512445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic elastomer
weight
block
parts
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24253693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0796532A (ja
Inventor
林 恭 子 小
藤 雄 一 伊
山 晃 内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP24253693A priority Critical patent/JP3512445B2/ja
Publication of JPH0796532A publication Critical patent/JPH0796532A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3512445B2 publication Critical patent/JP3512445B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、シボ模様付熱可塑性エラ
ストマーパウダースラッシュ成形体に関し、さらに詳し
くは、表面に細かい凹凸からなるシボ模様、特に深いシ
ボ模様を有する機械的物性および耐傷付き性に優れた熱
可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、自動車用ダッシュボード、
人形などの成形体に塩化ビニル樹脂(PVC)が広く用
いられている。特にシボ模様を有する、たとえば自動車
用ダッシュボードなどは、高級イメージが強いため需要
が多い。
【0003】ところで、上記のような自動車用ダッシュ
ボード、人形などのシボ模様付塩化ビニル樹脂成形体を
製造する方法としては、ジオクチルフタレートなどの可
塑剤を加えたプラスチゾル用の塩化ビニル樹脂パウダー
を金型に注入するか、または上記パウダー中に金型を浸
漬して金型表面に上記パウダーを付着させて加熱して成
形する、いわゆるスラッシュ成形法、塩化ビニル樹脂シ
ート(PVCシート)を真空成形する方法が知られてい
る。
【0004】しかしながら、塩化ビニル樹脂は、耐熱
性、耐熱老化性、耐寒性、耐光性に劣るという問題があ
る。しかも、塩化ビニル樹脂は、焼却するとダイオキシ
ン等の有害な物質が発生すると言われており、このよう
な有害物質による環境汚染が問題となっている。また、
塩化ビニル樹脂を用いて上記のようなスラッシュ成形あ
るいは真空成形を行なってシボ模様付の成形体を製造し
てもシボの深さは90μm程度が限界である。
【0005】そこで、本発明者らは、特開平2−573
10号公報(特願昭63−208636号)において、
ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α- オレフィン系共
重合体ゴムとを含む熱可塑性エラストマーのパウダーを
パウダースラッシュ成形して得られるシボ模様付熱可塑
性エラストマー成形物を提案した。この熱可塑性エラス
トマー成形物は、上記塩化ビニル樹脂成形体と比べ、機
械的物性、耐熱性、耐熱老化性、耐寒性、耐光性に優
れ、しかも、150μm以上の深いシボを形成すること
ができる。
【0006】しかしながら、このシボ模様付熱可塑性エ
ラストマー成形物は、耐傷付き性が必ずしも充分でない
ため、自動車ダッシュボード等の用途では、表面処理を
施して用いられることが多いというのが実状である。
【0007】そこで、本発明者らは、上記のような問題
を解消すべく鋭意研究し、結晶性ポリオレフィン樹脂と
特定のブロック共重合体とを特定の割合で含む熱可塑性
エラストマーのパウダーをパウダースラッシュ成形した
ところ、上記のシボ模様付熱可塑性エラストマー成形物
とほぼ同等の深いシボを有し、シボ模様の転写性に優れ
るとともに、上記のシボ模様付熱可塑性エラストマー成
形物と比べ耐傷付き性により優れた成形体が得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、上述した従来
のシボ模様付熱可塑性エラストマー成形物とほぼ同等の
深いシボ模様を形成することが可能で、従来のシボ模様
付熱可塑性エラストマー成形物と比べ耐傷付き性により
一層優れたシボ模様付熱可塑性エラストマーパウダース
ラッシュ成形体を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る第1のシボ模様付熱可塑性
エラストマーパウダースラッシュ成形体は、[I]結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)20〜85重量部、および
[II]スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
(a)と、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
・ブタジエン共重合体ブロックであって、イソプレン重
合体部分における1,2結合および3,4結合含有量が
40%以上である重合体または共重合体ブロック(b)
とからなる水素添加されていてもよいブロック共重合体
(B)15〜80重量部[成分(A)および(B)の合
計量は100重量部である]を含有する熱可塑性エラス
トマーからなることを特徴としている。
【0010】また、本発明に係る第2のシボ模様付熱可
塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体は、[I]
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)20〜85重量部、
[II]スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
(a)と、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
・ブタジエン共重合体ブロックであって、イソプレン重
合体部分における1,2結合および3,4結合含有量が
40%以上である重合体または共重合体ブロック(b)
とからなる水素添加されていてもよいブロック共重合体
(B)12〜79重量部、および[III] スチレンまた
はその誘導体の重合体ブロック(c)と、イソプレン重
合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブ
ロックであって、イソプレン重合体部分における1,2
結合および3,4結合含有量が30%以下である重合体
または共重合体ブロック(d)、またはブタジエン重合
体ブロック(e)とからなる水素添加されていてもよい
ブロック共重合体(C)1〜30重量部[成分(A)、
(B)および(C)の合計量は100重量部である]を
含有する熱可塑性エラストマーからなることを特徴とし
ている。
【0011】上記の熱可塑性エラストマー中に、オレフ
ィン系ゴム(D)、軟化剤(E)を本発明の目的を損な
わない範囲で配合させることができる。たとえば上記の
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体
(B)およびブロック共重合体(C)を含有する熱可塑
性エラストマーでは、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)およびブロック共重合
体(C)の合計量100重量部に対して、オレフィン系
ゴム(D)1〜40重量部および/または軟化剤(E)
1〜40重量部を配合することができる。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るシボ模様付熱
可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体について
具体的に説明する。
【0013】本発明に係るシボ模様付熱可塑性エラスト
マーパウダースラッシュ成形体を形成する熱可塑性エラ
ストマーとしては、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
と、特定のブロック共重合体(B)とを特定の割合で含
有してなる熱可塑性エラストマー[1]、結晶性ポリオ
レフィン樹脂(A)と、特定のブロック共重合体(B)
と、特定のブロック共重合体(C)とを特定の割合で含
有してなる熱可塑性エラストマー[2]が挙げられる。
【0014】これらの熱可塑性エラストマー中に、必要
に応じて、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤(E)を配
合することができる。これらの熱可塑性エラストマー
は、非架橋の熱可塑性エラストマーであってもよいし、
部分的に架橋された熱可塑性エラストマーであってもよ
い。
【0015】本発明に係るシボ模様付熱可塑性エラスト
マーパウダースラッシュ成形体の製造に際しては、上記
のような熱可塑性エラストマーのパウダーが用いられ
る。結晶性ポリオレフィン樹脂(A) 本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)と
しては、炭素原子数2〜20のα- オレフィンの単独重
合体または共重合体が挙げられる。
【0016】上記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)の具
体的な例としては、以下のような重合体または共重合体
が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα- オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1-ブテン単独重合体 (7)1-ブテンと10モル%以下の他のα- オレフィン
とのランダム共重合体 (8)4-メチル-1- ペンテン単独重合体 (9)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα
- オレフィンとのランダム共重合体 上記のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-
ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0017】上記の結晶性ポリオレフィン樹脂の中で
も、プロピレン単独重合体とプロピレンを主成分とした
プロピレン・α- オレフィン共重合体が特に好ましい。
上記のような結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、単独
で、あるいは組合わせて用いることができる。
【0018】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、メル
トフローレート(MFR;ASTMD 1238、23
0℃、2.16kg荷重、以下同じ)が好ましくは0.
01〜100g/10分、さらに好ましくは0.3〜7
0g/10分の範囲にある。
【0019】また、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
は、X線法により求めた結晶化度が通常5〜100%、
好ましくは20〜80%の範囲にある。上述した熱可塑
性エラストマー[1]、[2]において、結晶性ポリオ
レフィン樹脂(A)は、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)およびブロック共重合体(B)の合計量100重
量部に対して、または結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)およびブロック共重合
体(C)の合計量100重量部に対して、20〜85重
量部、好ましくは30〜80重量部、さらに好ましくは
35〜75重量部の割合で用いられる。
【0020】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)を上記の
ような割合で用いると、耐傷付き性に優れるとともに、
耐熱性に優れたシボ模様付パウダースラッシュ成形体を
提供し得る、成形性に優れた熱可塑性エラストマーが得
られる。
【0021】ブロック共重合体(B) 本発明で用いられるブロック共重合体(B)は、スチレ
ンまたはその誘導体の重合体ブロック(a)と、特定の
イソプレン重合体または特定のイソプレン・ブタジエン
共重合体からなるブロック(b)とからなり、水素添加
されていてもよい。
【0022】上記ブロック(a)を構成する重合体成分
は、スチレンまたはその誘導体である。スチレンの誘導
体としては、具体的には、α- メチルスチレン、1-ビニ
ルナフタレン、2-ビニルナフタレン、3-メチルスチレ
ン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、
4-ドデシルスチレン、2-エチル-4- ベンジルスチレン、
4-(フェニルブチル)スチレンなどが挙げられる。ブロ
ック(a)を構成する重合体成分としては、スチレン、
α- メチルスチレンが好ましい。
【0023】上記ブロック(b)を構成する重合体また
は共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン・ブ
タジエン共重合体であって、下記に示すイソプレン重合
体部分における1,2結合および3,4結合含有量が4
0%以上、好ましくは45%以上である。
【0024】
【化1】
【0025】本発明において、イソプレン重合体部分に
おける1,2結合および3,4結合の含有量が40%以
上であるとき、耐傷付き性に優れたシボ模様付パウダー
スラッシュ成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーを
得ることができる。
【0026】ブロック共重合体(B)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(a)の割合は、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45
重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(b)の割合は、好ましくは95〜50重量%、さ
らに好ましくは90〜55重量%の範囲である。
【0027】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(B)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(B)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
たシボ模様付パウダースラッシュ成形体を提供し得る熱
可塑性エラストマーが得られる。
【0028】本発明で用いられるブロック共重合体
(B)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1
238、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)は、
好ましくは0.01〜30g/10分、さらに好ましく
は0.01〜10g/10分の範囲にある。メルトフロ
ーレートが上記のような範囲にあるブロック共重合体
(B)を用いると、耐傷付き性に優れたシボ模様付パウ
ダースラッシュ成形体を提供し得る熱可塑性エラストマ
ーが得られる。
【0029】本発明で用いられるブロック共重合体
(B)のブロック形態としては、ブロック(a)−ブロ
ック(b)−ブロック(a)の形態が最も好ましいが、
これに限られるものではない。
【0030】このようなブロック共重合体(B)は、た
とえば、以下のような方法により製造することができ
る。 (1) アルキルリチウム化合物を開始剤としてスチレンま
たはその誘導体、イソプレンまたはイソプレン・ブタジ
エン混合物を逐次重合させる方法。 (2) スチレンまたはその誘導体、次いで、イソプレンま
たはイソプレン・ブタジエン混合物を重合し、これをカ
ップリング剤によりカップリングする方法。 (3) ジリチウム化合物を開始剤としてイソプレンまたは
イソプレン・ブタジエン混合物、次いで、スチレンまた
はその誘導体を逐次重合させる方法。
【0031】上記ブロック共重合体(B)の製造方法の
詳細は、たとえば特開平2−300250号公報、特開
平3−45646号公報等に記載されている。また、上
記のような方法により得られたブロック共重合体(B)
に水添処理を行なえば、水素添加されたブロック共重合
体(B)が得られる。水添されるブロックは、イソプレ
ン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合
体ブロック(b)である。
【0032】上述した熱可塑性エラストマー[1]にお
いて、ブロック共重合体(B)は、上記の結晶性ポリオ
レフィン樹脂(A)およびブロック共重合体(B)の合
計量100重量部に対して、15〜80重量部、好まし
くは20〜70重量部、さらに好ましくは25〜65重
量部の割合で用いられる。
【0033】また上述した熱可塑性エラストマー[2]
において、ブロック共重合体(B)は、上記の結晶性ポ
リオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)およ
びブロック共重合体(C)の合計量100重量部に対し
て、12〜79重量部、好ましくは17〜67重量部、
さらに好ましくは20〜60重量部の割合で用いられ
る。
【0034】ブロック共重合体(B)を上記のような割
合で用いると、耐熱性に優れるとともに耐傷付き性に優
れたシボ模様付パウダースラッシュ成形体を提供し得る
熱可塑性エラストマーが得られる。
【0035】ブロック共重合体(C) 本発明において必要に応じて用いられるブロック共重合
体(C)は、スチレンまたはその誘導体の重合体ブロッ
ク(c)と、特定のイソプレン重合体または特定のイソ
プレン・ブタジエン共重合体からなるブロック(b)、
またはブタジエン重合体ブロック(e)とからなり、水
素添加されていてもよい。
【0036】上記ブロック(c)を構成する重合体成分
は、スチレンまたはその誘導体である。スチレンの誘導
体の具体例としては、上記共重合体(B)の項で例示し
た化合物と同じ化合物が挙げられる。ブロック(c)を
構成する重合体成分としては、スチレン、α- メチルス
チレンが好ましく、特にα- メチルスチレンが好まし
い。
【0037】上記ブロック(d)を構成する重合体また
は共重合体は、イソプレン重合体ブロックまたはイソプ
レン・ブタジエン共重合体ブロックであって、イソプレ
ン重合体部分における1,2結合および3,4結合含有
量が30%以下、好ましくは25%以下である。
【0038】本発明において、イソプレン重合体部分に
おける1,2結合および3,4結合の含有量が30%以
下であるとき、良好な外観を有するシボ模様付パウダー
スラッシュ成形体を提供し得る熱可塑性エラストマーを
得ることができる。
【0039】本発明で用いられるブロック共重合体
(C)は、ブロック(c)とブロック(d)とからなっ
ていてもよいし、また、ブロック(c)とブタジエン重
合体からなるブロック(e)とからなっていてもよい。
【0040】ブロック共重合体(C)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(c)の割合は、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45
重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(d)、またはブタジエン重合体ブロック(e)の
割合は、好ましくは95〜50重量%、さらに好ましく
は90〜55重量%の範囲である。
【0041】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(C)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(C)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
たシボ模様付パウダースラッシュ成形体を提供し得る熱
可塑性エラストマーが得られる。
【0042】本発明で用いられるブロック共重合体
(C)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1
238、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)は、
好ましくは0.01〜100g/10分、さらに好まし
くは0.01〜50g/10分の範囲にある。メルトフ
ローレートが上記のような範囲にあるブロック共重合体
(C)を用いると、耐傷付き性に優れたシボ模様付パウ
ダースラッシュ成形体を提供し得る熱可塑性エラストマ
ーが得られる。
【0043】本発明で用いられるブロック共重合体
(C)のブロック形態としては、ブロック(c)−ブロ
ック(d)または(e)−ブロック(c)の形態が最も
好ましいが、これに限られるものではない。
【0044】このような水素添加されていてもよいブロ
ック共重合体(C)は、たとえば上述したようなブロッ
ク共重合体(B)の製造方法と同様の方法により製造す
ることができる。
【0045】なお、水素添加されたブロック共重合体を
調製する際に、水添されるブロックは、イソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(d)またはブタジエン重合体ブロック(e)であ
る。
【0046】上述した熱可塑性エラストマー[2]にお
いて、ブロック共重合体(C)は、上記の結晶性ポリオ
レフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)およびブ
ロック共重合体(C)の合計量100重量部に対して、
1〜30重量部、好ましくは3〜25重量部、さらに好
ましくは5〜20重量部の割合で用いられる。
【0047】ブロック共重合体(C)を上記のような割
合で用いると、耐傷付き性に優れるとともに、外観に優
れたシボ模様付パウダースラッシュ成形体を提供し得る
熱可塑性エラストマーが得られる。
【0048】オレフィン系ゴム(D) 本発明において必要に応じて用いられるオレフィン系ゴ
ム(D)としては、炭素原子数2〜20のα- オレフィ
ンを主成分とする無定形ランダムな弾性共重合体であっ
て、2種以上のα- オレフィンからなる非晶性α- オレ
フィン共重合体、2種以上のα- オレフィンと非共役ジ
エンとからなるα- オレフィン・非共役ジエン共重合体
などがあり、具体的には、以下のようなゴムが挙げられ
る。 (1)エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (2)エチレン・α- オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム [エチレン/α- オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (3)プロピレン・α- オレフィン共重合体ゴム [プロピレン/α- オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50] (4)ブテン・α- オレフィン共重合体ゴム [ブテン/α- オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50] 上記α- オレフィンとしては、具体的には、上記した結
晶性ポリオレフィン樹脂(A)を構成するα- オレフィ
ンの具体的な例と同様のα- オレフィンを挙げることが
できる。
【0049】また、上記非共役ジエンとしては、具体的
には、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シク
ロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノ
ルボルネンなどが挙げられる。
【0050】このような非共役ジエンが共重合している
上記(2)のエチレン・α- オレフィン・非共役ジエン
共重合体ゴムのヨウ素価は、25以下が好ましい。上記
(1)〜(4)の共重合体ゴムのムーニー粘度[ML
1+4 (100℃)]は、10〜250、特に30〜15
0が好ましい。
【0051】上記のようなオレフィン系ゴム(D)は、
必要に応じて、上述した熱可塑性エラストマー[1]ま
たは[2]中に、本発明の目的を損なわない範囲で配合
することができる。たとえば、上述した熱可塑性エラス
トマー[2]において、オレフィン系ゴム(D)は、上
記の結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合
体(B)およびブロック共重合体(C)の合計量100
重量部に対して、1〜40重量部、好ましくは3〜35
重量部、さらに好ましくは5〜30重量部の割合で用い
られる。
【0052】オレフィン系ゴム(D)を上記のような割
合で用いると、柔軟性に優れるとともに、耐傷付き性に
優れたシボ模様付パウダースラッシュ成形体を提供し得
る熱可塑性エラストマーが得られる。
【0053】また、本発明においては、本発明の目的を
損なわない範囲で、オレフィン系ゴム(D)と、オレフ
ィン系ゴム(D)以外のゴムとを組合わせて用いること
もできる。
【0054】このようなオレフィン系ゴム(D)以外の
ゴムとしては、たとえばスチレン・ブタジエンゴム(S
BR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、
ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、ポリイソブチ
レンゴムなどが挙げられる。
【0055】軟化剤(E) 本発明において必要に応じて用いられる軟化剤(E)と
しては、通常ゴムに使用される軟化剤が適当であり、具
体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動
パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物
質;コールタール、コールタールピッチ等のコールター
ル類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油
等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノ
リン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステア
リン酸等の脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロ
ンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成
高分子;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペー
ト、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;その
他マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン
またはその変性物あるいは水添物、液状チオコールなど
が挙げられる。
【0056】上記のような軟化剤(E)は、必要に応じ
て、上述した熱可塑性エラストマー[1]または[2]
中に、本発明の目的を損なわない範囲で配合することが
できる。たとえば、上述した熱可塑性エラストマー
[2]において、軟化剤(E)は、上記の結晶性ポリオ
レフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)およびブ
ロック共重合体(C)の合計量100重量部に対して、
1〜40重量部、好ましくは3〜35重量部、さらに好
ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。
【0057】軟化剤(E)を上記のような割合で用いる
と、成形時の流動性に優れた熱可塑性エラストマーが得
られる。この熱可塑性エラストマーからなるシボ模様付
パウダースラッシュ成形体は、耐傷付き性に優れてい
る。
【0058】その他の成分 本発明においては、熱可塑性エラストマー中に、本発明
の目的を損なわない範囲で、必要に応じて無機充填剤、
あるいはフェノール系、サルファイト系、フェニルアル
カン系、フォスファイト系、アミン系安定剤の如き公知
の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、
金属セッケン、ワックス等の滑剤などの添加剤を添加す
ることができる。
【0059】このような無機充填剤としては、具体的に
は、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリ
ン、タルク、シリカ、けいそう土、雲母粉、アスベス
ト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス繊
維、ガラス球、シラスバルーングラファイト、アルミナ
などが挙げられる。
【0060】本発明に係るシボ模様付熱可塑性エラスト
マーパウダースラッシュ成形体は、上記のような熱可塑
性エラストマーからパウダースラッシュ成形法により製
造されるが、パウダースラッシュ成形に際してはパウダ
ー状の熱可塑性エラストマーが用いられる。このパウダ
ーの大きさは、好ましくは20〜120メッシュ、さら
に好ましくは40〜100メッシュ、特に好ましくは6
0〜80メッシュである。本発明では、可塑剤含有軟質
ポリ塩化ビニルのようなベトツキ感のない熱可塑性エラ
ストマーのパウダーが用いられる。
【0061】熱可塑性エラストマーのパウダーの調製方法 上記のような熱可塑性エラストマーのパウダーは、次の
ようにして調製することができる。
【0062】まず、上記の結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)、さらには必要に応じ
て、ブロック共重合体(C)、オレフィン系ゴム
(D)、軟化剤(E)、その他の添加剤を混合し、次い
で、有機過酸化物の存在下または不存在下で動的に熱処
理した後、造粒して部分架橋している熱可塑性エラスト
マーまたは架橋していない熱可塑性エラストマーのペレ
ットを得る。そして、上記のようにして得られたペレッ
トをたとえば粉砕することによって、熱可塑性エラスト
マーのパウダーを調製する。
【0063】上記有機過酸化物としては、具体的には、
ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、
2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオ
キシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-
4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベ
ンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシ
ド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチ
ルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエ
ート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられ
る。
【0064】これらの内では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチル
ペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブ
チル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート
が好ましく、中でも、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキ
シイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0065】本発明においては、有機過酸化物は、結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)
および必要に応じて用いられるオレフィン系ゴム(D)
の合計量100重量%に対して、または結晶性ポリオレ
フィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、ブロック
共重合体(C)および必要に応じて用いられるオレフィ
ン系ゴム(D)の合計量100重量%に対して、0.0
5〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%の割合で用
いられる。
【0066】本発明においては、上記有機過酸化物によ
る部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,
p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジ
ニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグア
ニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジ
マレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジ
ビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリ
ルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノ
マー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような
多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0067】上記のような化合物を用いることにより、
均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明に
おいては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニル
ベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分
である結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重
合体(B)およびブロック共重合体(C)との相溶性が
良好であり、かつ、有機過酸化物を可溶化する作用を有
し、有機過酸化物の分散剤として働くため、熱処理によ
る架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれ
た熱可塑性エラストマーが得られる。
【0068】本発明においては、上記のような架橋助剤
もしくは多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理
物全体に対して、0.1〜2重量%、特に0.3〜1重
量%の割合で用いるのが好ましい。架橋助剤もしくは多
官能性ビニルモノマーの配合割合が2重量%を超える
と、有機ペルオキシドの配合量が多い場合には、架橋反
応が速く進行し過ぎるため、得られる熱可塑性エラスト
マーは、流動性に劣り、一方、有機過酸化物の配合量が
少ない場合には、架橋助剤および多官能性ビニルモノマ
ーが、熱可塑性エラストマー中に未反応のモノマーとし
て残存し、熱可塑性エラストマーは、加工成形の際に熱
履歴による物性の変化が生じたりする。したがって、架
橋助剤および多官能性ビニルモノマーは、過剰に配合す
べきではない。
【0069】上記の「動的に熱処理する」とは、上記の
ような各成分を融解状態で混練することをいう。混練装
置としては、従来公知の混練装置、たとえば開放型のミ
キシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出
機、ニーダー、連続ミキサーなどが用いられる。これら
の中では、非開放型の混練装置が好ましい。また混練
は、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で
行なうことが好ましい。
【0070】また、混練は、使用する有機ペルオキシド
の半減期が1分未満となる温度で行なうのが望ましい。
混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170
〜240℃であり、混練時間は、1〜20分間、好まし
くは1〜5分間である。また、加えられる剪断力は、剪
断速度で通常、10〜104 sec-1、好ましくは10
2〜104sec-1の範囲内で決定される。
【0071】上記のようにして部分的に架橋している熱
可塑性エラストマー、あるいは架橋していない熱可塑性
エラストマーを得ることができる。ここに、「部分的に
架橋された」とは、下記の方法で測定したゲル含量(シ
クロヘキサン不溶解分)がたとえば10%以上、特に2
0%以上98%未満である場合をいう。本発明において
は、ゲル含量が30%以上であることが好ましい。
【0072】[ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)の
測定法]熱可塑性エラストマーの試料を約100mg秤
量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁
断し、次いで、得られた細片を、密閉容器中にて30m
lのシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬する。
【0073】次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温
にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。この乾燥残
渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性
成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じ
た値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0074】一方、試料の重量からポリマー成分以外の
シクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量お
よびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊
維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、
「補正された初期重量(X)」とする。
【0075】ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解
分)は、次式により求められる。 ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)]÷
[補正された初期重量(X)]×100シボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成
形体 本発明に係るシボ模様付熱可塑性エラストマーパウダー
スラッシュ成形体は、上記のような熱可塑性エラストマ
ーからなり、耐傷付き性に優れている。また、本発明に
係るシボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシ
ュ成形体は、シボの深さを150μm以上にすることが
できる。上述したように、従来の塩化ビニル樹脂では、
シボの深さが90μm程度の成形体を得るのが限度であ
った。
【0076】シボ模様付熱可塑性エラストマーパウダー
スラッシュ成形体の製造方法次に、本発明に係るシボ模
様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体の
製造方法を図に基づいて説明する。
【0077】図1は、本発明に係るシボ模様付熱可塑性
エラストマーパウダースラッシュ成形体を製造する際に
用いられるシボ模様転写用金型の内表面に、熱可塑性エ
ラストマーのパウダーを吹き付ける状態を示す一概略図
である。
【0078】本発明に係るシボ模様付熱可塑性エラスト
マーパウダースラッシュ成形体は、上記熱可塑性エラス
トマーのパウダーを用いてパウダースラッシュ成形法に
より製造される。
【0079】本明細書において「パウダースラッシュ成
形法」とは、プラスチックのパウダーを、あらかじめ加
熱した金型の内表面に吹き付けて金型の内表面に溶融付
着させ、次いで、この金型を冷却して成形体を得る成形
法をいう。この成形法により得られる成形体の表面は平
滑であっても良いし、また凹凸であっても良い。本発明
においては、内表面に細かい凹凸が施されているシボ模
様転写用金型1を用いてパウダースラッシュ成形を行な
う。
【0080】本発明では、まずシボ模様転写用金型1を
所定の温度に加熱しておく。上記加熱の温度は、通常、
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)の融点以上で250℃
以下である。
【0081】次に、あらかじめ所定の温度に加熱したシ
ボ模様転写用金型1の内表面に、上記熱可塑性エラスト
マーのパウダーを吹き付けてこの金型1の内表面に熱可
塑性エラストマーのパウダーを溶融付着させる。
【0082】上記吹き付けの方法としては、従来公知の
方法、たとえばスプレーガンを用いる方法がある。本発
明では、シボ模様転写用金型1の内表面に、上記熱可塑
性エラストマーのパウダーを吹き付けるので、熱可塑性
エラストマーのパウダーは、細かい凹凸が施されている
シボ模様転写用金型1の内表面のシボの内部まで奥深く
食い込み、あらかじめ所定の温度に加熱されている金型
1の熱を受けて金型1の内表面に溶融付着するため、従
来の塩化ビニル樹脂製のシボ模様付成形体と比較して深
いシボが得られる。
【0083】次に、上記シボ模様転写用金型1を冷却し
て表面にシボ模様を有する熱可塑性エラストマー成形体
を得る。上記冷却の方法としては、空冷による方法、水
冷による方法などが挙げられる。 上記のようにして得
られたシボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッ
シュ成形体は、耐傷付き性、外観、肌ざわりに優れてい
る。このシボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラ
ッシュ成形体の表面に、本願出願人が既に出願して特願
昭62−331718号明細書中に記載した表面処理を
施すことにより、さらに優れた耐傷つき性、外観、肌ざ
わりを有するシボ模様付熱可塑性エラストマーパウダー
スラッシュ成形体が得られる。
【0084】すなわち、上記表面処理として、まずシボ
模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体
の表面上に、飽和ポリエステル、塩素化ポリオレフィン
から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むプライマー
層を形成し、さらに、このプライマー層上に飽和ポリエ
ステル、アクリル酸エステル樹脂およびイソシアネート
樹脂から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むトップ
コート層を形成する。ただし、プライマー層が、飽和ポ
リエステルおよび塩素化ポリオレフィンから選ばれた少
なくとも1種の化合物のうちで飽和ポリエステルのみを
含んでなる場合には、トップコート層は少なくともアク
リル酸エステル樹脂を含んでいなければならない。シボ
模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体
の表面上にプライマー層を形成するには、飽和ポリエス
テルおよび塩素化ポリオレフィンから選ばれた少なくと
も1種の化合物を有機溶剤に溶解させ、得られたプライ
マー層形成用塗布液を常法に従って成形体の表面上に塗
布すればよい。
【0085】また、プライマー層上にトップコート層を
形成するには、飽和ポリエステル、アクリル酸エステル
樹脂およびイソシアネート樹脂から選ばれた少なくとも
1種の化合物を有機溶剤に溶解させ、得られたトップコ
ート層形成用塗布液を常法に従って、プライマー層上に
塗布すればよい。
【0086】
【発明の効果】本発明に係るシボ模様付熱可塑性エラス
トマーパウダースラッシュ成形体は、結晶性ポリオレフ
ィン樹脂(A)および特定のブロック共重合体(B)、
さらには特定のブロック共重合体(C)、オレフィン系
ゴム(D)、軟化剤(E)を特定の割合で含有する熱可
塑性エラストマーで形成されているので、塩化ビニル樹
脂成形体と比べ、引張強さ等の機械的物性、耐熱性、耐
熱老化性、耐寒性、耐光性に優れるとともに、上述した
従来のシボ模様付熱可塑性エラストマー成形物と同様に
シボの深さが150μm以上のシボ模様の形成が可能
で、従来のシボ模様付熱可塑性エラストマー成形物と比
べ耐傷付き性により一層優れている。
【0087】本発明に係るシボ模様付熱可塑性エラスト
マーパウダースラッシュ成形体は、耐傷付き性が特に優
れているので、自動車用ダッシュボード、コンソールボ
ックス、ドアトリム表皮などの用途に利用する際に、成
形体表面に上記のような表面処理を施す必要はない。
【0088】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これらに限定されるものではない。
【0089】
【実施例1】 [熱可塑性エラストマーのパウダーの調製]結晶性ポリ
オレフィン樹脂(A)としてプロピレンホモポリマー
[メルトフローレート:60g/10分、X線法により
求めた結晶化度:70%、以下(A−1)と略す]のペ
レット62.5重量部と、ブロック共重合体(B)とし
てスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体
[スチレン含有量:30重量%、イソプレン重合体部分
における1,2結合および3,4結合含有量:55%、
メルトフローレート:5g/10分、以下(B−1)と
略す]のペレット37.5重量部と、軟化剤(E)とし
てパラフィン系プロセスオイル[出光興産社製、PW−
380、以下(E−1)と略す]25重量部とをバンバ
リーミキサーを用いて、窒素雰囲気下で、180℃で5
分間混練した後、得られた混練物をオープンロールに通
してシート状にし、シートカッターで裁断して角ペレッ
ト状にした。
【0090】さらに、この角ペレットを、220℃に設
定した一軸押出機を通して熱可塑性エラストマーのペレ
ットを製造した。このようにして得られた熱可塑性エラ
ストマーのペレットを、−60℃雰囲気下で粉砕して4
0〜80メッシュの熱可塑性エラストマー[以下、TP
E−(1)と略す]のパウダーを得た。
【0091】[パウダースラッシュ成形体の製造]ま
ず、自動車用ダッシュボード用の金型であって、内表面
にシボ深さ150μmのシボ模様を施したシボ模様転写
用金型をあらかじめ210℃に加熱し、次いで、この金
型の内表面に上記TPE−(1)のパウダーを吹き付け
て溶融密着させた。
【0092】最後に、この金型を冷却してシボ模様付熱
可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体を得た。
得られたシボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラ
ッシュ成形体の大きさは、長さ1200mm、幅500
mm、厚さ1.0mmであった。
【0093】得られたシボ模様付熱可塑性エラストマー
パウダースラッシュ成形体について、引張特性、熱老化
特性、シボ深さ、および耐傷付き性を下記の方法により
評価した。なお、評価用のサンプルは、得られた上記成
形体から打ち抜き採取した。 [評価方法] (1)引張特性 JIS K−6301の方法によりサンプルの引張強
さ、引張伸びを測定した。 (2)熱老化特性 サンプルを120℃のエアーオーブン中に1000時間
放置した後、このサンプルを取り出してJIS K−6
301の引張試験法により、引張伸びを測定した。 (3)シボ深さ 成形体の表面に転写されたエンボスの山頂から谷底まで
の距離を測定した。 (4)耐傷付き性 成形体から採取した角板の表面に20mm角のフェルト
布を置き、さらにその上に200g/cm2 の圧力が掛
かるように重りを乗せて100回角板表面を往復させ、
その往復操作の前後で光沢度(JIS K 7105)を
測定した。下記の式より光沢度の保持率を求め、この光
沢度の保持率をもって耐傷付き性を評価した。
【0094】光沢度の保持率(%)=(フェルト布往復操作
後の光沢度)÷(フェルト布往復操作前の光沢度)×100 結果を第1表に示す。
【0095】
【実施例2】実施例1において、(A−1)のペレッ
ト、(B−1)のペレットおよび(E−1)の配合量を
それぞれ47.06重量部、35.29重量部、17.
65重量部とし、さらにブロック共重合体(C)として
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体[ス
チレン含有量:30重量%、イソプレン重合体部分にお
ける1,2結合および3,4結合含有量:7%、メルト
フローレート:8g/10分、以下(C−1)と略す]
のペレット17.65重量部を配合した以外は、実施例
1と同様にして、熱可塑性エラストマー[以下、TPE
−(2)と略す]のパウダーを調製し、次いで、実施例
1と同様にしてシボ模様付熱可塑性エラストマーパウダ
ースラッシュ成形体を得た。
【0096】得られたシボ模様付熱可塑性エラストマー
回転成形体について、引張特性、熱老化特性、シボ深
さ、および耐傷付き性を実施例1と同様にして評価し
た。その結果を第1表に示す。
【0097】
【実施例3】プロピレン・エチレンコポリマー[結晶性
ポリオレフィン樹脂(A)、エチレン含有量:3.2モ
ル%、メルトフローレート:50g/10分、X線法に
より求めた結晶化度:65%、以下(A−2)と略す]
のペレット68.75重量部と、(B−1)のペレット
18.75重量部と、(C−1)のペレット12.5重
量部と、オレフィン系ゴム(D)として、エチレン・ブ
テン共重合体[エチレン含有量:84モル%、メルトフ
ローレート:29g/10分、以下(D−1)と略す]
のペレット12.5重量部と、[E−1]12.5重量
部とから実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー
[以下、TPE−(3)と略す]のパウダーを調製し、
次いで、実施例1と同様にしてシボ模様付熱可塑性エラ
ストマーパウダースラッシュ成形体を得た。
【0098】得られたシボ模様付熱可塑性エラストマー
パウダースラッシュ成形体について、引張特性、熱老化
特性、シボ深さ、および耐傷付き性を実施例1と同様に
して評価した。
【0099】その結果を第1表に示す。
【0100】
【実施例4】実施例3において、パウダー化する前のT
PE−(3)の角ペレット125重量部に、ジクミルペ
ルオキシド0.3重量部とジビニルベンゼン0.4重量
部を加え、ヘンシェルミキサーで充分に攪拌混合した
後、得られた混合物を実施例1と同様に一軸押出機に通
して部分的に架橋された熱可塑性エラストマーの角ペレ
ットを調製した。
【0101】次いで、この角ペレットを実施例1と同様
に粉砕して熱可塑性エラストマー[以下、TPE−
(4)と略す]のパウダーを調製し、実施例1と同様に
してシボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシ
ュ成形体を得た。なお、得られたTPE−(4)のゲル
含量は、66重量%であった。
【0102】得られたシボ模様付熱可塑性エラストマー
パウダースラッシュ成形体について、引張特性、熱老化
特性、シボ深さ、および耐傷付き性を実施例1と同様に
して評価した。
【0103】その結果を第1表に示す。
【0104】
【比較例1】(A−1)のペレット47.06重量部
と、(C−1)のペレット52.94重量部と、(E−
1)17.65重量部とから実施例1と同様にして熱可
塑性エラストマー[以下、TPE−(5)と略す]のパ
ウダーを調製し、次いで、実施例1と同様にしてシボ模
様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体を
得た。
【0105】得られたシボ模様付熱可塑性エラストマー
パウダースラッシュ成形体について、引張特性、熱老化
特性、シボ深さ、および耐傷付き性を実施例1と同様に
して評価した。
【0106】その結果を第1表に示す。
【0107】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るシボ模様付熱可塑性エラ
ストマーパウダースラッシュ成形体を製造する際に用い
られるシボ模様転写用金型の内表面に、熱可塑性エラス
トマーのパウダーを吹き付ける状態を示す一概略図であ
る。
【符号の説明】
1 ・・・・ シボ模様転写用金型
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−82433(JP,A) 特開 平2−57309(JP,A) 特開 平4−10912(JP,A) 特開 平5−1183(JP,A) 特開 平5−5050(JP,A) 特開 平4−16313(JP,A) 特開 平7−96529(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 41/18 C08L 23/02 C08L 53/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I]結晶性ポリオレフィン樹脂(A)2
    0〜85重量部、および [II]スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
    ・ブタジエン共重合体ブロックであって、イソプレン重
    合体部分における1,2結合および3,4結合含有量が
    40%以上である重合体または共重合体ブロック(b)
    とからなる水素添加されていてもよいブロック共重合体
    (B)15〜80重量部[成分(A)および(B)の合
    計量は100重量部である]を含有する熱可塑性エラス
    トマーからなることを特徴とするシボ模様付熱可塑性エ
    ラストマーパウダースラッシュ成形体。
  2. 【請求項2】[I]結晶性ポリオレフィン樹脂(A)2
    0〜85重量部、 [II]スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
    ・ブタジエン共重合体ブロックであって、イソプレン重
    合体部分における1,2結合および3,4結合含有量が
    40%以上である重合体または共重合体ブロック(b)
    とからなる水素添加されていてもよいブロック共重合体
    (B)12〜79重量部、および [III] スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (c)と、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
    ・ブタジエン共重合体ブロックであって、イソプレン重
    合体部分における1,2結合および3,4結合含有量が
    30%以下である重合体または共重合体ブロック
    (d)、またはブタジエン重合体ブロック(e)とから
    なる水素添加されていてもよいブロック共重合体(C)
    1〜30重量部[成分(A)、(B)および(C)の合
    計量は100重量部である]を含有する熱可塑性エラス
    トマーからなることを特徴とするシボ模様付熱可塑性エ
    ラストマーパウダースラッシュ成形体。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性エラストマーが、結晶性ポリ
    オレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)および
    ブロック共重合体(C)の合計量100重量部に対し
    て、オレフィン系ゴム(D)1〜40重量部および/ま
    たは軟化剤(E)1〜40重量部を含有していることを
    特徴とする請求項2に記載のシボ模様付熱可塑性エラス
    トマーパウダースラッシュ成形体。
JP24253693A 1993-09-29 1993-09-29 シボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体 Expired - Fee Related JP3512445B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24253693A JP3512445B2 (ja) 1993-09-29 1993-09-29 シボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24253693A JP3512445B2 (ja) 1993-09-29 1993-09-29 シボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0796532A JPH0796532A (ja) 1995-04-11
JP3512445B2 true JP3512445B2 (ja) 2004-03-29

Family

ID=17090576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24253693A Expired - Fee Related JP3512445B2 (ja) 1993-09-29 1993-09-29 シボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3512445B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990029014A (ko) * 1996-05-15 1999-04-15 고사이 아끼오 열가소성 엘라스토머 조성물 파우더 및 이를 성형하여수득한 성형체
US6072004A (en) * 1997-12-19 2000-06-06 Shell Oil Company Thermofusible elastomer compositions
DE69918485T2 (de) * 1998-04-13 2005-09-01 Mitsuboshi Belting Ltd., Kobe Mehrschichtige Haut, Verfahren zum Schlickergiessen dieser Haut und Verwendung dieser Haut
WO2000060000A1 (fr) * 1999-03-31 2000-10-12 Sumitomo Chemical Company, Limited Composition a base d'elastomere thermoplastique pour moulage a partir de poudres, poudre tiree de cette composition et procede de moulage utilisant cette poudre
JP4806662B2 (ja) * 2001-09-12 2011-11-02 リケンテクノス株式会社 熱可塑性エラストマー組成物
WO2004080686A1 (ja) * 2003-03-13 2004-09-23 Nakata Coating Co., Ltd. パウダースラッシュ成形機およびパウダースラッシュ成形方法
JP5204074B2 (ja) * 2008-10-08 2013-06-05 アロン化成株式会社 溶融延展物製造用エラストマー組成物からなるフィルムおよびその製造方法
JP5204742B2 (ja) * 2009-10-30 2013-06-05 アロン化成株式会社 制御分布ブロック重合体含有の溶融延展物製造用エラストマー組成物からなるフィルムおよびその製造方法ならびに複合成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0796532A (ja) 1995-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0881258B1 (en) Olefin thermoplastic elastomer
US6218474B1 (en) Powdered thermoplastic polyolefin composition having resilient properties
JP2886107B2 (ja) 熱可塑性エラストマーシート状成形体
US5856399A (en) Thermoplastic elastomer composition
KR100695546B1 (ko) 저포깅성 열가소성 엘라스토머 조성물 및 이 조성물의제조방법 및 용도
JP3922858B2 (ja) 自動車内装表皮材
JP3260763B2 (ja) 自動車用ハンドル
EP0336780B1 (en) Thermoplastic resin or elastomer composition having excellent paint adhesion and laminate comprising layer of said thermoplastic elastomer and polyurethane layer
KR100577876B1 (ko) 분말 성형용 열가소성 탄성중합체 조성물, 분말 및 이의 성형품
JP3856480B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JP3484840B2 (ja) 熱可塑性エラストマー積層体を用いた逐次射出成形自動車内外装部品
JP3512445B2 (ja) シボ模様付熱可塑性エラストマーパウダースラッシュ成形体
JPH09156053A (ja) 熱可塑性エラストマー積層体および自動車内外装部品
JPH0796529A (ja) 熱可塑性エラストマー回転成形体
JPH09156009A (ja) 熱可塑性エラストマー積層体および自動車内外装部品
JP3606254B2 (ja) 熱融着用熱可塑性エラストマー組成物および成形品
JP3445314B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JP4054523B2 (ja) 射出成形性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JPH0760907A (ja) 熱可塑性エラストマー積層体
JPH0753789A (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー
JP3486011B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JP3465421B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH10129387A (ja) エアバッグカバー
JPH08156154A (ja) 熱可塑性エラストマー積層体
JPH0770380A (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040107

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090116

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100116

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees