JPH09156053A - 熱可塑性エラストマー積層体および自動車内外装部品 - Google Patents

熱可塑性エラストマー積層体および自動車内外装部品

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JPH09156053A
JPH09156053A JP11736396A JP11736396A JPH09156053A JP H09156053 A JPH09156053 A JP H09156053A JP 11736396 A JP11736396 A JP 11736396A JP 11736396 A JP11736396 A JP 11736396A JP H09156053 A JPH09156053 A JP H09156053A
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JP
Japan
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weight
parts
thermoplastic elastomer
isoprene
block
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Application number
JP11736396A
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English (en)
Inventor
Kyoko Kobayashi
恭子 小林
Yuichi Ito
雄一 伊藤
Akira Uchiyama
晃 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン系樹脂を材料とし、耐傷付性に優
れた自動車内外装部品を得る。 【解決手段】 下記成分(A)〜(C)を含むオレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物からなる表皮層と、架橋ポ
リエチレン発泡体からなる基材層または結晶性ポリオレ
フィン樹脂とオレフィン系ゴムとを含有する架橋された
熱可塑性エラストマ−からなる基材層とから構成される
熱可塑性エラストマー積層体、あるいはさらに中間層が
積層された熱可塑性エラストマー積層体からなる自動車
内外装部品。 (A)結晶性ポリオレフィン樹脂20〜85重量部;(B)スチ
レン重合体ブロックと、イソプレン系重合体ブロック15
〜80重量部;(C)シリコーンオイル、脂肪族アルコール
とジカルボン酸または脂肪酸とのエステル、フッ素系ポ
リマーおよび高級脂肪酸アミドから選ばれる少なくとも
1種の成分0.1〜10重量部。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮層と基材層と
から構成される熱可塑性エラストマー積層体、表皮層と
中間層と基材層とから構成される熱可塑性エラストマー
積層体、およびこれらの積層体からなる自動車内外装部
品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車内装材には、塩化ビニル樹
脂が広く用いられている。塩化ビニル樹脂を用いた自動
車内装材は、表面がエンボス加工によりシボ付けされて
皮革模様を有する塩化ビニル樹脂層に、ウレタン発泡体
層および必要に応じて樹脂骨材層で順次裏打ちされた積
層体として用いられている。しかしながら、このような
積層体は、煩雑な工程を経て製造されている。また、塩
化ビニル樹脂は、焼却時に有害なガスを発生するため、
環境を汚染するという問題点がある。
【0003】そこで、本願発明者らは、特公平1−14
023号公報において、簡略な工程で製造できるオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーの積層体を提案している。
このオレフィン系熱可塑性エラストマーの積層体は、有
機ペルオキシドを用いて動的に熱処理して得られたエチ
レン・α−オレフィン系共重合体ゴムの部分的架橋物と
ポリオレフィン系樹脂とのブレンド体からなり、表面が
エンボス加工された熱可塑性エラストマー層と、ポリエ
チレンまたはポリプロピレンの発泡体層とから構成され
てなり、軽量でリサイクルが可能であり、塩化ビニル樹
脂のように焼却時に有害なガスを発生しない。オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーは、上記のような長所を有す
るため、近年、省エネルギー、省資源タイプの材料とし
て、地球環境保護の観点からも広く使用されるようにな
っている。
【0004】しかしながら、従来のオレフィン系熱可塑
性エラストマーからなる積層体は、塩化ビニル樹脂から
なる積層体と比較して、耐傷付性が劣るという問題点が
あり、その改良が強く望まれている。
【0005】また自動車外装部品であるサイドプロテク
ションモールなどにも、塩化ビニル樹脂が広く用いられ
ている。塩化ビニル樹脂は、耐傷付性に優れ、かつ安価
であるため、自動車外装部品の用途には非常に好適な材
料であるが、前記のように、塩化ビニル樹脂は焼却時に
有害なガスを発生するため、環境を汚染するという問題
点がある。
【0006】ところで、オレフィン系樹脂、オレフィン
系熱可塑性エラストマーは軽量でリサイクルが容易であ
ることから、省エネルギー、省資源タイプの材料とし
て、自動車部品、工業機械部品、電気・電子部品、建材
等に広く使用されている。
【0007】また近年、地球環境保護の観点から、焼却
時に有害なガスを発生する塩化ビニル樹脂に代わって、
有害なガスを発生しないオレフィン系樹脂あるいはオレ
フィン系熱可塑性エラストマーが使用されるようになっ
てきている。
【0008】しかしながら、従来のオレフィン系樹脂あ
るいはオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる成形
体は、塩化ビニル樹脂からなる成形体と比較して、耐傷
付性が劣るという問題点があり、その改良が強く望まれ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであっ
て、オレフィン系樹脂を材料とし、耐傷付性に優れ、軽
量で、リサイクルが容易であり、しかも焼却しても有害
なガスを発生しない熱可塑性エラストマー積層体、およ
びその積層体を用いた自動車内外装部品を提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐傷付性
に優れた熱可塑性エラストマー積層体および成形体を得
るべく鋭意研究し、オレフィン系樹脂からなる基材層
と、結晶性ポリオレフィン樹脂または熱可塑性エラスト
マー、および特定のスチレン系ブロック共重合体を特定
の割合で含有する熱可塑性エラストマー組成物から形成
される表皮層とからなる積層体、あるいはさらに中間層
を有する積層体を調製したところ、軽量で、リサイクル
が容易であり、しかも焼却しても有害なガスを発生せ
ず、耐傷付性に優れた熱可塑性エラストマー積層体およ
び自動車内外装部品が得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は次の熱可塑性エラスト
マー積層体およびそれからなる自動車内外装部品であ
る。 (1)〔I−〕(A)結晶性ポリオレフィン樹脂20
〜85重量部、(B)スチレンまたはその誘導体の重合
体ブロック(a)と、イソプレン重合体ブロックまたは
イソプレン・ブタジエン共重合体ブロックであって、全
イソプレン単位に対する1,2−位および3,4−位で
結合しているイソプレン単位含有量が40%以上である
重合体または共重合体ブロック(b)とからなる水素添
加されていてもよいブロック共重合体15〜80重量部
〔成分(A)および(B)の合計量は100重量部であ
る〕、ならびに(C)シリコーンオイル(C1)、脂肪
族アルコールとジカルボン酸または脂肪酸とのエステル
(C2)、フッ素系ポリマー(C3)および高級脂肪酸
アミド(C4)からなる群から選ばれる少なくとも1種
の成分0.1〜10重量部を含有してなる部分的に架橋
されていてもよいオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物〔I−1〕からなるエンボス加工が施されていても
よい表皮層と、〔II−〕(K)架橋されていてもよい
ポリエチレン発泡体、または(L)架橋されていてもよ
いポリプロピレン発泡体からなる基材層とから構成され
ていることを特徴とする熱可塑性エラストマー積層体。 (2)前記〔I−〕の表皮層と、〔II−〕(M)結
晶性ポリオレフィン樹脂、または(N)結晶性ポリオレ
フィン樹脂(p)とオレフィン系ゴム(q)とを含有し
てなる部分的ないし完全に架橋された熱可塑性エラスト
マ−からなる基材層とから構成されていることを特徴と
する熱可塑性エラストマー積層体。 (3)前記〔I−〕の表皮層と、前記〔II−〕の基
材層と、〔III−〕(M)結晶性ポリオレフィン樹
脂、または(N)結晶性ポリオレフィン樹脂(p)とオ
レフィン系ゴム(q)とを含有してなる部分的ないし完
全に架橋された熱可塑性エラストマ−からなり、表皮層
〔I−〕と基材層〔II−〕との間に積層された中間
層とから構成されていることを特徴とする熱可塑性エラ
ストマー積層体。 (4)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I−
1〕は、成分(A)、(B)および(C)の他に、
(D)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
(a)と、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
・ブタジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン
単位に対する1,2−位および3,4−位で結合してい
るイソプレン単位含有量が30%以下である重合体また
は共重合体ブロック(c)、またはブタジエン重合体ブ
ロック(d)とからなる水素添加されていてもよいブロ
ック共重合体0〜30重量部、(E)オレフィン系ゴム
0〜40重量部、(F)軟化剤0〜40重量部、ならび
に(G)充填剤0〜40重量部からなる群から選ばれる
少なくとも1種の成分を含有し〔成分(A)、(B)、
(D)、(E)、(F)および(G)の合計量は100
重量部である〕、かつ成分(A)、(B)、(D)、
(E)、(F)および(G)の合計量に対する成分
(A)、(B)、(D)および(E)の合計量の比率が
100〜40重量%であることを特徴とする上記(1)
ないし(3)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー
積層体。 (5)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I−
1〕が、全く架橋されていないことを特徴とする上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載の熱可塑性エラス
トマー積層体。 (6)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I−
1〕が、架橋されていることを特徴とする上記(1)な
いし(4)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー積
層体。 (7)〔I−〕(H)結晶性ポリオレフィン樹脂
(e)とオレフィン系ゴム(f)とを含有してなる部分
的ないし完全に架橋された熱可塑性エラストマー10〜
80重量部、(B)スチレンまたはその誘導体の重合体
ブロック(a)と、イソプレン重合体ブロックまたはイ
ソプレン・ブタジエン共重合体ブロックであって、全イ
ソプレン単位に対する1,2−位および3,4−位で結
合しているイソプレン単位含有量が40%以上である重
合体または共重合体ブロック(b)とからなる水素添加
されていてもよいブロック共重合体20〜90重量部
〔成分(H)および(B)の合計量は100重量部であ
る〕、ならびに(C)シリコーンオイル(C1)、脂肪
族アルコールとジカルボン酸または脂肪酸とのエステル
(C2)、フッ素系ポリマー(C3)および高級脂肪酸
アミド(C4)からなる群から選ばれる少なくとも1種
の成分0.1〜10重量部を含有してなる部分的に架橋
されていてもよいオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物〔I−2〕からなるエンボス加工が施されていても
よい表皮層と、前記〔II−〕の基材層とから構成され
ていることを特徴とする熱可塑性エラストマー積層体。 (8)前記〔I−〕の表皮層と、前記〔II−〕の基
材層とから構成されていることを特徴とする熱可塑性エ
ラストマー積層体。 (9)前記〔I−〕の表皮層と、前記〔II−〕の基
材層と、前記〔III−〕の中間層とから構成されてい
ることを特徴とする熱可塑性エラストマー積層体。 (10)オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I
-2〕は、成分(H)、(B)および(C)の他に、
(A)結晶性ポリオレフィン樹脂0〜50重量部、
(D)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
(a)と、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
・ブタジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン
単位に対する1,2−位および3,4−位で結合してい
るイソプレン単位含有量が30%以下である重合体また
は共重合体ブロック(c)、またはブタジエン重合体ブ
ロック(d)とからなる水素添加されていてもよいブロ
ック共重合体0〜30重量部、(E)オレフィン系ゴム
0〜40重量部、(F)軟化剤0〜40重量部、ならび
に(G)充填剤0〜40重量部からなる群から選ばれる
少なくとも1種の成分を含有し〔成分(H)、(B)、
(A)、(D)、(E)、(F)および(G)の合計量
は100重量部である〕、かつ成分(H)、(B)、
(A)、(D)、(E)、(F)および(G)の合計量
に対する成分(H)、(B)、(A)、(D)および
(E)の合計量の比率が100〜40重量%であること
を特徴とする上記(7)ないし(9)のいずれかに記載
の熱可塑性エラストマー積層体。 (11)基材層側にポリオレフィン樹脂(Z)からなる
骨材層が積層されていることを特徴とする上記(1)な
いし(10)のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー
積層体。 (12)骨材層となるポリオレフィン樹脂(Z)が所定
形状に成形された骨材成形品に、予備加熱された表皮層
と基材層とからなる積層体または表皮層と中間層と基材
層とからなる積層体が、基材層と骨材層とが接触するよ
うに載置、熱成形して一体化されていることを特徴とす
る上記(11)記載の熱可塑性エラストマー積層体。 (13)上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の
熱可塑性エラストマー積層体からなることを特徴とする
自動車内外装部品。
【0012】《表皮層》本発明の熱可塑性エラストマー
積層体を構成する表皮層は、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)、ならびにシリコーン
オイル(C1)、脂肪族アルコールとジカルボン酸また
は脂肪酸とのエステル(C2)、フッ素系ポリマー(C
3)および高級脂肪酸アミド(C4)からなる群から選
ばれる少なくとも1種の成分を含有するオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物〔I−1〕(以下、第1の熱
可塑性エラストマー組成物〔I−1〕という場合があ
る)、あるいは熱可塑性エラストマー(H)、ブロック
共重合体(B)、ならびにシリコーンオイル(C1)、
脂肪族アルコールとジカルボン酸または脂肪酸とのエス
テル(C2)、フッ素系ポリマー(C3)および高級脂
肪酸アミド(C4)からなる群から選ばれる少なくとも
1種の成分を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−2〕(以下、第2の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−2〕という場合がある)からなる。
【0013】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−1〕には、上記必須成分の他に、ブロッ
ク共重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤
(F)および充填剤(G)からなる群から選ばれる少な
くとも1種の成分が含有されていてもよい。また第2の
熱可塑性エラストマー組成物〔I−2〕には、上記必須
成分の他に、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロッ
ク共重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤
(F)および充填剤(G)からなる群から選ばれる少な
くとも1種の成分が含有されていてもよい。
【0014】《結晶性ポリオレフィン樹脂(A)》本発
明で用いる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、炭素原
子数2〜20のα−オレフィンの単独重合体または共重
合体があげられる。結晶性ポリオレフィン樹脂(A)の
具体的な例としては、以下のような重合体または共重合
体などがあげられる。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでもよい) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα−オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1−ブテン単独重合体 (7)1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (8)4−メチル−1−ペンテン単独重合体 (9)4−メチル−1−ペンテンと20モル%以下の他
のα−オレフィンとのランダム共重合体
【0015】上記のα−オレフィンとしては、具体的に
はエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1
−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどがあげら
れる。上記の結晶性ポリオレフィン樹脂の中では、プロ
ピレン単独重合体、およびプロピレンを主成分としたプ
ロピレン・α−オレフィン共重合体が特に好ましい。上
記のような結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は単独で、
あるいは組合わせて用いることができる。
【0016】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、メル
トフローレート(MFR;ASTMD 1238、23
0℃、2.16kg荷重)が好ましくは0.01〜10
0g/10分、さらに好ましくは0.3〜70g/10
分の範囲にある。また結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
は、X線法により求めた結晶化度が通常5〜100%、
好ましくは20〜80%の範囲にある。
【0017】本発明に係る表皮層を構成する第1の熱可
塑性エラストマー組成物〔I−1〕においては、結晶性
ポリオレフィン樹脂(A)は必須成分であり、結晶性ポ
リオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、ブ
ロック共重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化
剤(F)および充填剤(G)の合計量100重量部に対
して20〜85重量部、好ましくは30〜75重量部、
さらに好ましくは35〜70重量部の割合で用いる。た
だし、上記成分(D)、(E)、(F)および(G)は
任意成分であるので、これらの成分は0重量部となる場
合がある。
【0018】また、本発明に係る表皮層を構成する第2
の熱可塑性エラストマー組成物〔I−2〕においては、
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は任意成分であり、熱
可塑性エラストマー(H)、ブロック共重合体(B)、
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体
(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤(F)および
充填剤(G)の合計量100重量部に対して0〜50重
量部、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは1
0〜40重量部の割合で用いる。ただし、上記成分
(A)、(D)、(E)、(F)および(G)は任意成
分であるので、これらの成分は0重量部となる場合があ
る。
【0019】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)を上記の
ような割合で用いると、耐傷付性に優れるとともに、耐
熱性に優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー
組成物〔I−1〕、〔I−2〕が得られる。
【0020】《ブロック共重合体(B)》本発明で用い
るブロック共重合体(B)は、スチレンまたはその誘導
体の重合体ブロック(a)と、特定のイソプレン重合体
または特定のイソプレン・ブタジエン共重合体からなる
ブロック(b)とからなり、水素添加されていてもよ
い。
【0021】上記ブロック(a)を構成する重合体成分
は、スチレンまたはその誘導体である。スチレンの誘導
体としては、具体的にはα−メチルスチレン、1−ビニ
ルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3−メチルスチ
レン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチ
レン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジ
ルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどがあ
げられる。ブロック(a)を構成する重合体成分として
は、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0022】上記ブロック(b)を構成する重合体また
は共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン・ブ
タジエン共重合体であって、下記に示すイソプレン単位
全体に対する1,2−位および3,4−位で結合してい
るイソプレン単位含有量が40%以上、好ましくは45
%以上である。
【0023】
【化1】
【0024】本発明において、全イソプレン単位に対す
る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
ン単位含有量が40%以上であるとき、耐傷付性に優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔I
−1〕、〔I−2〕を得ることができる。
【0025】ブロック共重合体(B)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(a)の割合は、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45
重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(b)の割合は、好ましくは95〜50重量%、さ
らに好ましくは90〜55重量%の範囲である。
【0026】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(B)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(B)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔I
−1〕、〔I−2〕が得られる。
【0027】本発明で用いるブロック共重合体(B)の
メルトフローレート(MFR;ASTM D 123
8、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)は、好ま
しくは0.01〜30g/10分、さらに好ましくは
0.01〜10g/10分の範囲にある。メルトフロー
レートが上記のような範囲にあるブロック共重合体
(B)を用いると、耐傷付性に優れた成形体を提供し得
る熱可塑性エラストマー組成物〔I−1〕、〔I−2〕
が得られる。
【0028】本発明で用いるブロック共重合体(B)の
形態としては、ブロック(a)−ブロック(b)−ブロ
ック(a)の形態が最も好ましいが、これに限られるも
のではない。
【0029】このようなブロック共重合体(B)は、た
とえば以下のような方法により製造することができる。 (1)アルキルリチウム化合物を開始剤としてスチレン
またはその誘導体、イソプレンまたはイソプレン・ブタ
ジエン混合物を逐次重合させる方法。 (2)スチレンまたはその誘導体、次いでイソプレンま
たはイソプレン・ブタジエン混合物を重合し、これをカ
ップリング剤によりカップリングする方法。 (3)ジリチウム化合物を開始剤としてイソプレンまた
はイソプレン・ブタジエン混合物、次いでスチレンまた
はその誘導体を逐次重合させる方法。上記ブロック共重
合体(B)の製造方法の詳細は、たとえば特開平2−3
00250号公報に記載されている。
【0030】また、上記のような方法により得られたブ
ロック共重合体(B)に水添処理を行えば、水素添加さ
れたブロック共重合体(B)が得られる。水添されるブ
ロックは、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
・ブタジエン共重合体ブロック(b)である。
【0031】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−1〕においては、ブロック共重合体
(B)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック
共重合体(B)、ブロック共重合体(D)、オレフィン
系ゴム(E)、軟化剤(F)および充填剤(G)の合計
量100重量部に対して15〜80重量部、好ましくは
25〜70重量部、さらに好ましくは30〜65重量部
の割合で用いる。ただし、上記成分(D)、(E)、
(F)および(G)は任意成分であるので、これらの成
分は0重量部となる場合がある。
【0032】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−2〕においては、ブロック共重合
体(B)は、熱可塑性エラストマー(H)、ブロック共
重合体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロ
ック共重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤
(F)および充填剤(G)の合計量100重量部に対し
て20〜90重量部、好ましくは20〜70重量部、さ
らに好ましくは25〜65重量部の割合で用いる。ただ
し、上記成分(A)、(D)、(E)、(F)および
(G)は任意成分であるので、これらの成分は0重量部
となる場合がある。
【0033】ブロック共重合体(B)を上記のような割
合で用いると、耐熱性に優れるとともに耐傷付性に優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔I
−1〕、〔I−2〕が得られる。
【0034】《シリコーンオイル(C1)、エステル
(C2)、フッ素系ポリマー(C3)、高級脂肪酸アミ
ド(C4)》本発明において用いるシリコーンオイル
(C1)としては、具体的にはジメチルシリコーンオイ
ル、フェニルメチルシリコーンオイル、フルオロシリコ
ーンオイル、テトラメチルテトラフェニルトリシロキサ
ン、変性シリコーン油などがあげられる。これらの中で
はジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコー
ンオイルが好ましい。
【0035】このシリコーンオイル(C1)の動粘度
〔JIS K 2283、25℃〕は10〜30,00
0cSt、好ましくは50〜10,000cSt、さら
に好ましくは100〜5,000cStの範囲である。
【0036】本発明において用いるエステル(C2)
は、脂肪族アルコールと、ジカルボン酸または脂肪酸と
のエステルである。このようなエステル(C2)として
は、具体的にはセチルアルコールと酢酸とのエステル、
セチルアルコールとプロピオン酸とのエステル、セチル
アルコールと酪酸とのエステル、牛脂アルコールと酢酸
とのエステル、牛脂アルコールとプロピオン酸とのエス
テル、牛脂アルコールと酪酸とのエステル、ステアリル
アルコールと酢酸とのエステル、ステアリルアルコール
とプロピオン酸とのエステル、ステアリルアルコールと
酪酸とのエステル、ジステアリルアルコールとフタル酸
とのエステル、グリセリンモノオレート、グリセリンモ
ノステアレート、12−水酸化ステアレート、グリセリ
ントリステアレート、トリメチロールプロパントリステ
アレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、
ブチルステアレート、イソブチルステアレート、ステア
リン酸エステル、オレイン酸エステル、ベヘン酸エステ
ル、カルシウムソープ含有エステル、イソトリデシルス
テアレート、セチルパルミテート、セチルステアレー
ト、ステアリールステアレート、ベヘニルベヘネート、
モンタン酸エチレンブリコールエステル、モンタン酸グ
リセリンエステル、モンタン酸ペンタエリスリトールエ
ステル、カルシウム含有モンタン酸エステルなどがあげ
られる。これらの中ではジステアリルアルコールとフタ
ル酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グリセリ
ンモノステアレート、ステアリン酸エステル、モンタン
酸グリセリンエステルが好ましく、特にジステアリルア
ルコールとフタル酸とのエステル、グリセリンモノステ
アレート、モンタン酸グリセリンエステルが好ましい。
【0037】本発明において用いるフッ素系ポリマー
(C3)としては、具体的にはポリテトラフルオロエチ
レン、ビニリデンフルオライド共重合物などがあげられ
る。これらの中ではポリテトラフルオロエチレンが好ま
しい。
【0038】本発明において用いる高級脂肪酸アミド
(C4)としては、具体的にはラウリン酸アミド、パル
ミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘミン酸アミ
ド等の飽和脂肪酸アミド;エルカ酸アミド、オレイン酸
アミド、ブラシジン酸アミド、エライジン酸アミド等の
不飽和脂肪酸アミド;メチレンビスステアリン酸アミ
ド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステ
アリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等のビ
ス脂肪酸アミドなどがあげられる。これらの中ではエル
カ酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスオレイン
酸アミドが好ましい。
【0039】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−1〕においては、上記のシリコーンオイ
ル(C1)、エステル(C2)、フッ素系ポリマー(C
3)および高級脂肪酸アミド(C4)からなる群から選
ばれる少なくとも1種の成分は、結晶性ポリオレフィン
樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、ブロック共重合
体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤(F)およ
び充填剤(G)の合計量100重量部に対して0.1〜
10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で用い
る。ただし、上記成分(D)、(E)、(F)および
(G)は任意成分であるので、これらの成分は0重量部
となる場合がある。
【0040】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−2〕においては、上記のシリコー
ンオイル(C1)、エステル(C2))、フッ素系ポリ
マー(C3)および高級脂肪酸アミド(C4)からなる
群から選ばれる少なくとも1種の成分は、熱可塑性エラ
ストマー(H)、ブロック共重合体(B)、結晶性ポリ
オレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(D)、オレ
フィン系ゴム(E)、軟化剤(F)および充填剤(G)
の合計量100重量部に対して0.1〜10重量部、好
ましくは0.2〜5重量部の割合で用いる。ただし、上
記成分(A)、(D)、(E)、(F)および(G)は
任意成分であるので、これらの成分は0重量部となる場
合がある。
【0041】上記のようなシリコーンオイル(C1)、
エステル(C2)、フッ素系ポリマー(C3)または高
級脂肪酸アミド(C4)を上記のような割合で用いる
と、耐傷付性に優れた熱可塑性エラストマー組成物〔I
−1〕、〔I−2〕を得ることができる。
【0042】《ブロック共重合体(D)》本発明におい
て用いるブロック共重合体(D)は、スチレンまたはそ
の誘導体の重合体ブロック(a)と、特定のイソプレン
重合体または特定のイソプレン・ブタジエン共重合体か
らなるブロック(c)、あるいはブタジエン重合体ブロ
ック(d)とからなり、水素添加されていてもよい。
【0043】上記ブロック(a)を構成する重合体成分
は、スチレンまたはその誘導体であり、上記ブロック共
重合体(B)の項で例示した化合物と同じ化合物があげ
られる。ブロック(a)を構成する重合体成分として
は、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0044】上記ブロック(c)を構成する重合体また
は共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン・ブ
タジエン共重合体であって、全イソプレン単位に対する
1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレン
単位含有量が30%以下、好ましくは25%以下であ
る。本発明において、全イソプレン単位に対する1,2
−位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含
有量が30%以下であるとき、良好な外観を有する成形
体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔I−
1〕、〔I−2〕を得ることができる。
【0045】本発明で用いるブロック共重合体(D)
は、ブロック(a)とブロック(c)とからなっていて
もよいし、またブロック(a)とブタジエン重合体から
なるブロック(d)とからなっていてもよい。
【0046】ブロック共重合体(D)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(a)の割合は、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45
重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(c)、またはブタジエン重合体ブロック(d)の
割合は、好ましくは95〜50重量%、さらに好ましく
は90〜55重量%の範囲である。
【0047】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(D)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(D)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔I
−1〕、〔I−2〕が得られる。
【0048】本発明で用いるブロック共重合体(D)の
メルトフローレート(MFR;ASTM D 123
8、230℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.
01〜100g/10分、さらに好ましくは0.01〜
50g/10分の範囲にある。メルトフローレートが上
記のような範囲にあるブロック共重合体(D)を用いる
と、耐傷付性に優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−1〕、〔I−2〕が得られる。
【0049】本発明で用いるブロック共重合体(D)の
ブロック形態としては、ブロック(a)−ブロック
(c)または(d)−ブロック(a)の形態が最も好ま
しいが、これに限られるものではない。
【0050】このような水素添加されていてもよいブロ
ック共重合体(D)は、たとえば上述したようなブロッ
ク共重合体(B)の製造方法と同様の方法により製造す
ることができる。なお、水素添加されたブロック共重合
体(D)を調製する際に、水添されるブロックは、イソ
プレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共
重合体ブロック(c)、あるいはブタジエン重合体ブロ
ック(d)である。
【0051】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−1〕においては、ブロック共重合体
(D)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック
共重合体(B)、ブロック共重合体(D)、オレフィン
系ゴム(E)、軟化剤(F)および充填剤(G)の合計
量100重量部に対して0〜30重量部、好ましくは1
〜25重量部、さらに好ましくは5〜20重量部の割合
で用いる。ただし、上記成分(D)、(E)、(F)お
よび(G)は任意成分であるので、これらの成分は0重
量部となる場合がある。
【0052】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−2〕においては、ブロック共重合
体(D)は、熱可塑性エラストマー(H)、ブロック共
重合体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロ
ック共重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤
(F)、充填剤(G)の合計量100重量部に対して0
〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ま
しくは5〜20重量部の割合で用いる。ただし、上記成
分(A)、(D)、(E)、(F)および(G)は任意
成分であるので、これらの成分は0重量部となる場合が
ある。
【0053】ブロック共重合体(D)を上記のような割
合で用いると、耐傷付性に優れるとともに、外観に優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔I
−1〕、〔I−2〕が得られる。
【0054】《オレフィン系ゴム(E)》本発明におい
て用いるオレフィン系ゴム(E)としては、炭素原子数
2〜20のα−オレフィン含量が50モル%以上の無定
形ランダムな弾性共重合体があげられる。このような無
定形ランダムな弾性共重合体としては、2種以上のα−
オレフィンからなるα−オレフィン共重合体、2種以上
のα−オレフィンと非共役ジエンとからなるα−オレフ
ィン・非共役ジエン共重合体などがあり、具体的には以
下のようなゴムなどがあげられる。
【0055】(1)エチレン・α−オレフィン共重合体
ゴム 〔エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50〕 (2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム 〔エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50〕 (3)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム 〔プロピレン/α−オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50〕 (4)ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム 〔ブテン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50〕 上記α−オレフィンとしては、具体的にはエチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテンなどがあげられる。
【0056】上記非共役ジエンとしては、具体的にはジ
シクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオ
クタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボ
ルネンなどがあげられる。このような非共役ジエンが共
重合している上記(2)のエチレン・α−オレフィン・
非共役ジエン共重合体ゴムのヨウ素価は25以下が好ま
しい。上記(1)〜(4)の共重合体ゴムのムーニー粘
度〔ML1+4(100℃)〕は10〜250であり、特
に30〜150が好ましい。
【0057】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−1〕においては、オレフィン系ゴム
(E)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック
共重合体(B)、ブロック共重合体(D)、オレフィン
系ゴム(E)、軟化剤(F)および充填剤(G)の合計
量100重量部に対して0〜40重量部、好ましくは1
〜35重量部、さらに好ましくは5〜30重量部の割合
で用いる。ただし、上記成分(D)、(E)、(F)お
よび(G)は任意成分であるので、これらの成分は0重
量部となる場合がある。
【0058】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−2〕においては、オレフィン系ゴ
ム(E)は、熱可塑性エラストマー(H)、ブロック共
重合体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロ
ック共重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤
(F)および充填剤(G)の合計量100重量部に対し
て0〜40重量部、好ましくは1〜35重量部、さらに
好ましくは5〜30重量部の割合で用いる。ただし、上
記成分(A)、(D)、(E)、(F)および(G)は
任意成分であるので、これらの成分は0重量部となる場
合がある。
【0059】オレフィン系ゴム(E)を上記のような割
合で用いると、耐傷付性に優れるとともに柔軟性に優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔I
−1〕、〔I−2〕が得られる。また本発明において
は、本発明の目的を損なわない範囲で、オレフィン系ゴ
ム(E)と、オレフィン系ゴム(E)以外のゴム、たと
えばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴ
ム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(II
R)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリイソブチレンゴ
ムなどとを組合わせて用いることもできる。
【0060】《軟化剤(F)》本発明において用いる軟
化剤(F)としては、通常ゴムに使用される軟化剤が適
当であり、具体的にはプロセスオイル、潤滑油、パラフ
ィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプ
ロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石
油系物質;コールタール、コールタールピッチ等のコー
ルタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、
椰子油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロ
ウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタ
ン酸、オレイン酸、エルカ酸等の脂肪酸またはその金属
塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポ
リプロピレン等の合成高分子;ジオクチルフタレート、
ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエス
テル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、
液状ポリブタジエンまたはその変性物あるいは水添物、
液状チオコールなどがあげられる。
【0061】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−1〕においては、軟化剤(F)は、結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体
(B)、ブロック共重合体(D)、オレフィン系ゴム
(E)、軟化剤(F)および充填剤(G)の合計量10
0重量部に対して0〜40重量部、好ましくは1〜35
重量部、さらに好ましくは5〜30重量部の割合で用い
る。ただし、上記成分(D)、(E)、(F)および
(G)は任意成分であるので、これらの成分は0重量部
となる場合がある。
【0062】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−2〕においては、軟化剤(F)
は、熱可塑性エラストマー(H)、ブロック共重合体
(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共
重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤(F)
および充填剤(G)の合計量100重量部に対して0〜
40重量部、好ましくは1〜35重量部、さらに好まし
くは5〜30重量部の割合で用いる。ただし、上記成分
(A)、(D)、(E)、(F)および(G)は任意成
分であるので、これらの成分は0重量部となる場合があ
る。
【0063】軟化剤(F)を上記のような割合で用いる
と、成形時の流動性に優れた熱可塑性エラストマー組成
物〔I−1〕、〔I−2〕が得られる。この熱可塑性エ
ラストマー組成物〔I−1〕、〔I−2〕からなる成形
品は、耐傷付性が良好である。
【0064】《充填剤(G)》本発明において用いる充
填剤(G)としては、通常ゴムに使用される充填剤が適
当であり、具体的には炭酸カルシウム、珪酸カルシウ
ム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、けいそう土、
雲母粉、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウ
ム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブ
デン、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーン、グラフ
ァイト、アルミナなどがあげられる。
【0065】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−1〕においては、充填剤(G)は、結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体
(B)、ブロック共重合体(D)、オレフィン系ゴム
(E)、軟化剤(F)および充填剤(G)の合計量10
0重量部に対して0〜40重量部、好ましくは1〜35
重量部、さらに好ましくは1〜30重量部の割合で用い
る。ただし、上記成分(D)、(E)、(F)および
(G)は任意成分であるので、これらの成分は0重量部
となる場合がある。
【0066】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−2〕においては、充填剤(G)
は、熱可塑性エラストマー(H)、ブロック共重合体
(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共
重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤(F)
および充填剤(G)の合計量100重量部に対して0〜
40重量部、好ましくは1〜35重量部、さらに好まし
くは1〜30重量部の割合で用いる。ただし、上記成分
(A)、(D)、(E)、(F)および(G)は任意成
分であるので、これらの成分は0重量部となる場合があ
る。
【0067】充填剤(G)を上記のような割合で用いる
と、成形時の流動性に優れた熱可塑性エラストマー組成
物〔I−1〕、〔I−2〕が得られる。この熱可塑性エ
ラストマー組成物〔I−1〕、〔I−2〕からなる成形
品は、耐傷付性が良好である。
【0068】《熱可塑性エラストマー(H)》本発明に
おいて用いる熱可塑性エラストマー(H)は、結晶性ポ
リオレフィン樹脂(e)とオレフィン系ゴム(f)とか
ら構成されている。上記結晶性ポリオレフィン樹脂
(e)としては、前記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
などを用いることができる。
【0069】熱可塑性エラストマー(H)においては、
結晶性ポリオレフィン樹脂(e)は、結晶性ポリオレフ
ィン樹脂(e)およびオレフィン系ゴム(f)の合計量
100重量部に対して10〜90重量部、好ましくは1
0〜80重量部、さらに好ましくは20〜70重量部の
割合で用いる。結晶性ポリオレフィン樹脂(e)を上記
のような割合で用いると、耐傷付性に優れるとともに耐
熱性に優れた成形体を提供し得る、成形性に優れた熱可
塑性エラストマー組成物〔I−2〕が得られる。
【0070】上記オレフィン系ゴム(f)としては、前
述のオレフィン系ゴム(D)などを用いることができ
る。オレフィン系ゴム(f)は、熱可塑性エラストマー
(H)中において、部分的に架橋された状態、または完
全に架橋された状態で存在している。本発明では、オレ
フィン系ゴム(f)が部分的に架橋された状態にあるこ
とが好ましい。
【0071】また本発明においては、本発明の目的を損
なわない範囲で、オレフィン系ゴム(f)とオレフィン
系ゴム(f)以外のゴムとを組合わせて用いることもで
きる。このようなオレフィン系ゴム(f)以外のゴムと
しては、たとえばスチレン・ブタジエンゴム(SB
R)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブ
チルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリ
イソブチレンゴムなどがあげられる。
【0072】熱可塑性エラストマー(H)においては、
オレフィン系ゴム(f)は、結晶性ポリオレフィン樹脂
(e)およびオレフィン系ゴム(f)の合計量100重
量部に対して10〜90重量部、好ましくは20〜90
重量部、さらに好ましくは30〜80重量部の割合で用
いる。
【0073】また、オレフィン系ゴム(f)とオレフィ
ン系ゴム(f)以外のゴムとを組合せて用いる場合に
は、オレフィン系ゴム(f)以外のゴムは、結晶性ポリ
オレフィン樹脂(e)およびオレフィン系ゴム(f)の
合計量100重量部に対して40重量部以下、好ましく
は5〜20重量部の割合で用いる。
【0074】オレフィン系ゴム(f)またはオレフィン
系ゴム(f)以外のゴムを上記のような割合で用いる
と、耐傷付性に優れるとともに柔軟性に優れた成形体を
提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔I−2〕が得
られる。本発明で用いる熱可塑性エラストマー(H)に
は、必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電
防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑
剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配
合することができる。
【0075】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマー(H)は、結晶性ポリプロピレン樹脂と、エチ
レン・α−オレフィン共重合体ゴムまたはエチレン・α
−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムとからなり、
熱可塑性エラストマー(H)中において、これらの成分
が部分架橋された状態で存在し、かつ結晶性ポリプロピ
レン樹脂とオレフィン系ゴムとの重量配合比(結晶性ポ
リプロピレン樹脂/オレフィン系ゴムが70/30〜1
0/90の範囲内にある。
【0076】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマー(H)のより具体的な例としては、結晶性ポリ
プロピレン樹脂70〜10重量部と、オレフィン系ゴム
(f)としてエチレン・プロピレン共重合体ゴムまたは
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム30〜90
重量部〔結晶性ポリプロピレン樹脂およびオレフィン系
ゴム(f)の合計量は100重量部とする〕と、オレフ
ィン系ゴム(f)以外のゴム5〜100重量部および/
または鉱物油系軟化剤5〜100重量部とからなり、オ
レフィン系ゴム(f)が部分的に架橋されている熱可塑
性エラストマーがあげられる。
【0077】本発明で用いる熱可塑性エラストマー
(H)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(e)とオレフィ
ン系ゴム(f)とを含有するブレンド物を、有機過酸化
物の存在下で動的に熱処理することにより得ることがで
きる。
【0078】上記有機過酸化物としては、具体的にはジ
クミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、
1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−
ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)
バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベン
ゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペル
オキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、
tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチル
ペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペル
オキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル
クミルペルオキシドなどがあげられる。
【0079】これらの中では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−
ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキ
シ)バレレートが好ましく、中でも1,3−ビス(te
rt−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も
好ましい。
【0080】本発明においては、有機過酸化物は、結晶
性ポリオレフィン樹脂(e)およびオレフィン系ゴム
(f)の合計量100重量%に対して0.05〜3重量
%、好ましくは0.1〜1重量%の割合で用いる。
【0081】本発明においては、上記有機過酸化物によ
る部分架橋処理に際し、硫黄、p−キノンジオキシム、
p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル
−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジ
フェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,
N′−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ
架橋用助剤;あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシ
アヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性
メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルス
テアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合する
ことができる。
【0082】上記のような化合物を用いることにより、
均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明に
おいては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニル
ベンゼンは取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分で
ある結晶性ポリオレフィン樹脂(e)およびオレフィン
系ゴム(f)との相溶性が良好であり、かつ有機過酸化
物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤とし
て働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と
物性とのバランスのとれた熱可塑性エラストマー(H)
が得られる。
【0083】本発明においては、上記のような架橋助剤
もしくは多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理
物全体に対して0.1〜3重量%、特に0.3〜2重量
%の割合で用いるのが好ましい。架橋助剤もしくは多官
能性ビニルモノマーの配合割合が上記範囲にあると、得
られる熱可塑性エラストマー(H)は、架橋助剤および
多官能性ビニルモノマーがエラストマー中に未反応のモ
ノマーとして残存することがないため、加工成形の際に
熱履歴による物性の変化が生じることがなく、しかも流
動性に優れている。
【0084】上記の「動的に熱処理する」とは、上記の
ような各成分を融解状態で混練することをいう。動的な
熱処理は、ミキシングロール、インテンシブミキサー
(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸また
は二軸押出機などの混練装置を用いて行われるが、非開
放型の混練装置中で行うことが好ましい。また、動的な
熱処理は、窒素等の不活性ガス中で行うことが好まし
い。
【0085】また混練は、使用する有機ペルオキシドの
半減期が1分未満となる温度で行うのが望ましい。混練
温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜2
40℃であり、混練時間は1〜20分間、好ましくは1
〜5分間である。また、混練の際に加えられる剪断力
は、通常、剪断速度で10〜104sec-1、好ましく
は102〜104sec-1の範囲内で決定される。
【0086】上記のようにしてオレフィン系ゴム(f)
が部分的に、または完全に架橋された熱可塑性エラスト
マー(H)を得ることができる。ここに、「部分的に架
橋された」とは、下記の方法で測定したゲル含量(シク
ロヘキサン不溶解分)が、たとえば10%以上、特に2
0%以上97%未満である場合をいう。本発明において
は、ゲル含量が30%以上であることが好ましい。また
「完全に架橋された」とは、下記の方法で測定したゲル
含量(シクロヘキサン不溶解分)が98%以上100%
である場合をいう。上記範囲にある熱可塑性エラストマ
ー(H)を用いると、得られる熱可塑性エラストマー組
成物〔I−2〕は成形時の流動性が良好であり、機械強
度および耐熱性に優れた成形体を提供することができ
る。
【0087】〔ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)の
測定法〕熱可塑性エラストマー(H)の試料を約100
mg秤量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細
片に裁断した後、得られた細片を密閉容器中にて30m
lのシクロヘキサンに23℃で48時間浸漬する。次
に、この試料を濾紙上に取り出し、室温にて72時間以
上恒量になるまで乾燥する。この乾燥残渣の重量からポ
リマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フ
ィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正
された最終重量(Y)」とする。
【0088】一方、試料の重量からポリマー成分以外の
シクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量お
よびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊
維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、
「補正された初期重量(X)」とする。ここに、ゲル含
量(シクロヘキサン不溶解分)は、次式により求められ
る。
【数1】ゲル含量〔重量%〕=〔補正された最終重量
(Y)〕÷〔補正された初期重量(X)〕×100
【0089】本発明においては、熱可塑性エラストマー
(H)は、熱可塑性エラストマー(H)、ブロック共重
合体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロッ
ク共重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤
(F)および充填剤(G)の合計量100重量部に対し
て10〜80重量部、好ましくは30〜80重量部、さ
らに好ましくは35〜75重量部の割合で用いる。ただ
し、上記成分(A)、(D)、(E)、(F)および
(G)は任意成分であるので、これらの成分は0重量部
となる場合がある。熱可塑性エラストマー(H)を上記
のような割合で用いると、耐熱性に優れるとともに耐傷
付性に優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー
組成物〔I−2〕が得られる。
【0090】《その他の成分》本発明においては、第1
または第2の熱可塑性エラストマー組成物中〔I−
1〕、〔I−2〕に、本発明の目的を損なわない範囲
で、必要に応じて、公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐
候安定剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑
剤などの添加剤を添加することができる。公知の耐熱安
定剤、老化防止剤、耐候安定剤としては、フェノール
系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォスファ
イト系、アミン系安定剤などがあげられる。
【0091】《熱可塑性エラストマー組成物〔I−
1〕、〔I−2〕》本発明で用いる第1の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−1〕においては、結晶性ポリオレ
フィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、ブロック
共重合体(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤
(F)および充填剤(G)の合計量に対する重合体成
分、すなわち結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロッ
ク共重合体(B)、ブロック共重合体(D)およびオレ
フィン系ゴム(E)の合計量の比率は100〜40重量
%、好ましくは100〜50重量%である。
【0092】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−2〕においては、熱可塑性エラス
トマー(H)、ブロック共重合体(B)、結晶性ポリオ
レフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(D)、オレフ
ィン系ゴム(E)、軟化剤(F)および充填剤(G)の
合計量に対する重合体成分、すなわち熱可塑性エラスト
マー(H)、ブロック共重合体(B)、結晶性ポリオレ
フィン樹脂(A)、ブロック共重合体(D)およびオレ
フィン系ゴム(E)の合計量の比率は100〜40重量
%、好ましくは100〜50重量%である。
【0093】《熱可塑性エラストマー組成物〔I−
1〕、〔I−2〕の調製》本発明に係る表皮層を構成す
る第1の熱可塑性エラストマー組成物〔I−1〕は、結
晶性ポリオレフィン樹脂(A)と、ブロック共重合体
(B)と、シリコーンオイル(C1)、脂肪族アルコー
ルとジカルボン酸または脂肪酸とのエステル(C2)、
フッ素系ポリマー(C3)および高級脂肪酸アミド(C
4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、
さらに必要に応じて、ブロック共重合体(D)、オレフ
ィン系ゴム(E)、軟化剤(F)または充填剤(G)
を、上述した特定の割合で配合し、有機過酸化物の不存
在下あるいは存在下で動的な熱処理を行うことにより調
製することができる。
【0094】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−1〕における「部分的に架橋された」お
よび「完全に架橋された」の定義は、熱可塑性エラスト
マー(H)の説明で前述した通りである。
【0095】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I−2〕は、熱可塑性エラストマー
(H)と、ブロック共重合体(B)と、シリコーンオイ
ル(C1)、脂肪族アルコールとジカルボン酸または脂
肪酸とのエステル(C2)、フッ素系ポリマー(G3)
および高級脂肪酸アミド(C4)からなる群から選ばれ
る少なくとも1種の成分と、さらに必要に応じて、結晶
性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体
(D)、オレフィン系ゴム(E)、軟化剤(F)または
充填剤(G)を、上述した特定の割合で配合し、有機過
酸化物の不存在下で動的な熱処理を行うことにより調製
することができる。
【0096】上記の動的な熱処理の方法としては、熱可
塑性エラストマー(H)の調製で上述した動的な熱処理
の方法が望ましい。
【0097】《基材層》本発明の熱可塑性エラストマー
積層体を構成する基材層は、ポリエチレンまたはポリプ
ロピレンの発泡体(KまたはL)、好ましくはポリエチ
レンまたはポリプロピレンの架橋発泡体からなるか、あ
るいは結晶性ポリオレフィン樹脂(M)または結晶性ポ
リオレフィン樹脂(p)とオレフィン系ゴム(q)とを
含有してなる部分的ないし完全に架橋された熱可塑性エ
ラストマ−(N)からなる。
【0098】上記架橋発泡体(KまたはL)は、ポリエ
チレンまたはポリプロピレン、膨張剤および架橋剤を含
む混合物を、この混合物の軟化点以上の温度で加熱する
ことにより製造することができる。上記膨張剤として
は、たとえばアゾビス(ホルムアミド)、ジアゾアミノ
ベンゼン、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレ
フタルイミド、P,P’−オキシ−ビス(ベンゼンスル
ホニルセミカルバジド)、アゾビス(イソブチロニトリ
ル)、P,P’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド)、P,P’−ジフェニル−ビス(スルホニル
ヒドラジド)、ベンゼンスルホニルヒドラジド、m−ベ
ンゼン−ビス(スルホニルヒドラジド)、モノクロロト
リフルオロメタン、モノクロロジフルオロメタン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサンなどがあげられる。
【0099】上記架橋剤としては、たとえば1,7−ヘ
プタン−ビス(スルホンアザイド)、1,11−ウンデ
カン−ビス(スルホンアザイド)、1,12−ドデカン
−ビス(スルホンアザイド)、1,9,18−オクタデ
カン−トリス(スルホンアザイド)、ポリ(エチレンス
ルホンアザイド)、1,3−ベンゼンビス(スルホンア
ザイド)、1−オクチル−2,4,6−ベンゼントリス
(スルホンアザイド)、4,4’−ジフェニルメタンビ
ス(スルホンアザイド)、4,4’−ジフェニルジサル
ファイドビス(スルホンアザイド)等のポリ(スルホン
アザイド)化合物;n−オクタデシルアジドホーメー
ト、テトラメチレン−ビス(アジドホーメート)、フェ
ニルアジドホーメート、2,2−イソプロピリデン−ビ
ス(P,P’−フェニルアジドホーメート)、2,2’
−オキシジエチル−ビス(アジドホーメート)、2,
2’−エチレンジオキシジエチル−ビス(アジドホーメ
ート)、2,2’−チオジエチル−ビス(アジドホーメ
ート)等のアジドホーメート化合物;m−フェニレンジ
アザイド、2,4,6−トリアジドベンゼン、4,4’
−ジアジドフェニルアミン等の芳香族ポリアザイド化合
物などがあげられる。
【0100】架橋発泡体の製造方法は、たとえば特公昭
39−25500号公報、同40−25351号公報お
よび同40−25352号公報などに詳細に記載されて
いる。また放射線により架橋した架橋発泡体を使用する
こともできる。また架橋発泡体としては市販品をそのま
ま使用することもできる。これらの発泡体は、本発明の
熱可塑性エラストマー積層体を自動車内装材として用い
る場合、約10〜50倍程度の発泡倍率であることが望
ましい。
【0101】本発明の熱可塑性エラストマー積層体の基
材層を形成する結晶性ポリオレフィン樹脂(M)は、前
述した結晶性ポリオレフィン樹脂(A)を、好ましい態
様を含めてそのまま適用することができる。その他に
も、結晶性ポリオレフィン樹脂(M)としては、135
℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が10〜40d
l/gの範囲にある超高分子量ポリエチレン;135℃
デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が10〜40dl
/gの範囲にある超高分子量ポリエチレン15〜40重
量%と、135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕
が0.1〜5dl/gの範囲にあるポリエチレン60〜
85重量%からなり、135℃デカリン中で測定した極
限粘度〔η〕が3.5〜8.3dl/gの範囲にある超
高分子量ポリエチレン組成物などがあげられる。結晶性
ポリオレフィン樹脂(M)は、1種単独で使用すること
もできるし、2種以上を組み合わせて使用することもで
きる。
【0102】また基材層を形成する熱可塑性エラストマ
ー(N)は、前述した熱可塑性エラストマー(H)を、
好ましい態様を含めてそのまま適用することができる。
すなわち、熱可塑性エラストマー(N)は結晶性ポリオ
レフィン樹脂(p)およびオレフィン系ゴム(q)から
構成されるが、これらは熱可塑性エラストマー(H)を
構成する結晶性ポリオレフィン樹脂(e)およびオレフ
ィン系ゴム(f)を好ましい態様を含めてそのまま適用
することができる。また結晶性ポリオレフィン樹脂
(p)としては、前記結晶性ポリオレフィン樹脂(M)
と同じものがあげられる。また、熱可塑性エラストマー
(H)における任意成分、調製法もすべて熱可塑性エラ
ストマー(N)に適用される。
【0103】基材層を形成する結晶性ポリオレフィン樹
脂(M)または熱可塑性エラストマー(N)には、必要
に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、
耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤などの
添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合するこ
とができる。
【0104】《中間層》本発明の熱可塑性エラストマー
積層体の中間層を形成する結晶性ポリオレフィン樹脂
(M)は、前述した結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
を、好ましい態様を含めてそのまま適用することができ
る。結晶性ポリオレフィン樹脂(M)は、1種単独で使
用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用す
ることもできる。
【0105】また熱可塑性エラストマー(N)は、前述
した熱可塑性エラストマー(H)を、好ましい態様を含
めてそのまま適用することができる。すなわち、熱可塑
性エラストマー(N)は結晶性ポリオレフィン樹脂
(p)およびオレフィン系ゴム(q)から構成される
が、これらは熱可塑性エラストマー(H)を構成する結
晶性ポリオレフィン樹脂(e)およびオレフィン系ゴム
(f)を好ましい態様を含めてそのまま適用することが
できる。また、熱可塑性エラストマー(H)における任
意成分、調製法もすべて熱可塑性エラストマー(N)に
適用される。本発明では、上記のような結晶性ポリオレ
フィン樹脂(M)または熱可塑性エラストマー(N)に
より中間層を形成する。
【0106】《骨材層》本発明の熱可塑性エラストマー
積層体には、形状保時性(剛性)を付与する目的で、基
材層側に骨材層を設けてもよい。この骨材層を形成する
樹脂としてはポリオレフィン樹脂(Z)、好ましくは結
晶性のポリオレフィン樹脂(Z)などが使用できる。結
晶性のポリオレフィン樹脂(Z)としては、前記結晶性
ポリオレフィン樹脂(A)と同様の重合体または共重合
体があげられる。前記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
の中では、プロピレン単独重合体、プロピレンと10モ
ル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体、
プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィンとの
ブロック共重合体が好ましい。結晶性のポリオレフィン
樹脂(Z)は単独で、あるいは組合わせて用いることが
できる。
【0107】骨材層を成形するのに用いるポリオレフィ
ン樹脂(Z)中には、要求される物性を損なわない範囲
において、あるいは物性をさらに改善する目的で、木
粉、繊維片、無機充填剤などを混合することができる。
これらのポリオレフィン樹脂骨剤は、たとえば一般にレ
ジンボード、プラスチックダンボール、レジンフェルト
などの状態で所定形状に成形される。
【0108】骨材層としては、ポリオレフィン樹脂
(Z)が所定形状に成形された骨材成形品に、予備加熱
された表皮層と基材層とからなる積層体または表皮層と
中間層と基材層とからなる積層体を、基材層と骨材層と
が接触するように載置、熱成形して一体化されているの
が好ましい。
【0109】《熱可塑性エラストマー積層体、自動車内
装部品》本発明の熱可塑性エラストマー積層体は、前記
表皮層および基材層、または表皮層、中間層および基材
層から構成されるものであり、基材層側にはさらに前記
骨材層が積層されていてもよい。また表皮層表面にはエ
ンボス加工が施されていてもよい。
【0110】熱可塑性エラストマー積層体が前記表皮層
および基材層から構成される場合、熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I−1〕または〔I−2〕からなる表皮層
と、ポリエチレン発泡体(K)またはポリプロピレン発
泡体(L)からなる基材層〔II-〕、あるいは結晶性
ポリオレフィン樹脂(M)または熱可塑性エラストマ−
(N)からなる基材層〔II-〕とを積層する。
【0111】熱可塑性エラストマー積層体が前記表皮
層、中間層および基材層から構成される場合、熱可塑性
エラストマー組成物〔I−1〕または〔I−2〕からな
る表皮層と、結晶性ポリオレフィン樹脂(M)または熱
可塑性エラストマ−(N)からなる中間層〔III-〕
と、ポリエチレン発泡体(K)またはポリプロピレン発
泡体(L)からなる基材層〔II-〕とを積層する。中
間層を有する熱可塑性エラストマー積層体は、耐傷付性
に優れるとともに、成形性、特に部品加工時にエンボス
模様が消えにくい。
【0112】基材層〔II-〕が結晶性ポリオレフィン
樹脂(M)または熱可塑性エラストマー(N)から形成
される場合は、結晶性ポリオレフィン樹脂(M)および
熱可塑性エラストマー(N)、ならびに表皮層形成用の
第1および第2の熱可塑性エラストマー組成物〔I−
1〕、〔I−2〕は共押出積層加工が行えるため、本発
明の熱可塑性エラストマー積層体の製造に際し、フィル
ム(シート)成形工程を経ることなく、直接、基材層と
表皮層とを積層することができ、経済的である。
【0113】本発明の熱可塑性エラストマー積層体の各
層の厚さは、積層体成形品の用途によって異なり一般的
に規定されるものではないが、表皮層の厚さは通常0.
005〜20mm、好ましくは0.01〜0.5mmで
あり、基材層の厚さは通常0.1〜50mm、好ましく
は1〜5mmである。中間層を設ける場合は、中間層の
厚さは通常0.1〜3mm、好ましくは0.3〜2mm
である。そして積層体の全体の厚さ(ただし、骨材層は
除く)は、中間層を設けない場合は通常0.1〜70m
m、好ましくは1〜5.5mmであり、中間層を設ける
場合は通常0.2〜73mm、好ましくは1.3〜7.
5mmである。骨材層を積層するときは、その厚さは
0.5〜5mmであることが好ましい。
【0114】本発明の熱可塑性エラストマー積層体を自
動車用内装部品として用いる場合には、一般に表皮層の
厚さは約0.01〜2mm程度、基材層の厚さは約1〜
30mm程度、中間層を設ける場合の中間層の厚さは
0.2〜2mm、骨材層の厚さは約0.5〜5mm程度
である。しかし、このような用途の場合においても、表
皮層の厚さは天井材では比較的薄く、ダッシュボード、
ホイルハウスカバー、各種ピラー、シートなどでは比較
的厚い積層体が用いられる。
【0115】本発明の熱可塑性エラストマー積層体は、
それ自体公知の手段を組み合わせて製造することがで
き、その例を以下に示す。 (1)予めシート状に成形された表皮層および基材層
を、カレンダー成形機等の手段を用いて熱圧着または熱
融着する方法。 (2)予めシート状に成形された表皮層、中間層および
基材層を、カレンダー成形機等の手段を用いて熱圧着ま
たは熱融着する方法。 (3)表皮層と中間層を共押出成形によりこれら二層か
らなる積層体を作製し、これをシート状の発泡体からな
る基材層に熱圧着または熱融着する方法。
【0116】また基材層が結晶性ポリオレフィン樹脂
(M)または熱可塑性エラストマー(N)から形成され
る場合は、次のような方法を採用することもできる。 (4)予めどちらか一方がシート成形された基材層ある
いは表皮層を押出成形、カレンダー成形をしている他方
の層に熱圧着または熱融着する方法。 (5)多層押出成形機で基材層と表皮層とを同時に押出
成形して熱圧着または熱融着する方法(共押出成形)。
【0117】また本発明においては、2種類の溶融樹脂
を、射出のタイミングをずらして金型内に射出する成形
法(2層射出成形法)により、基材層と表皮層とからな
る積層体を得ることもできる。さらには、2層射出成形
法の場合と同様に、2種類の溶融樹脂を射出のタイミン
グをずらして金型内に射出する、いわゆるサンドイッチ
射出成形法により表皮層、基材層、表皮層という順に構
成された3層積層体を得ることができる。
【0118】また骨材層が積層された積層体は、たとえ
ば表皮層および基材層を積層した積層体、または表皮
層、中間層および基材層を積層した積層体と、骨材層と
なるポリオレフィン樹脂(Z)とをスタンピング成形す
ることにより製造することができる。この場合、予備加
熱された表皮層と基材層とからなる積層体、または表皮
層と中間層と基材層とを積層した積層体と、基材層を金
型に載置し、骨材層となる樹脂とともに、熱成形して一
体化するのが好ましい。なお、表皮層と基材層との積層
時、または表皮層と中間層との積層時にエンボス加工用
ロールを用いて表皮層表面にエンボス加工を施すことが
できる。
【0119】本発明の熱可塑性エラストマー積層体は、
表皮層が前記第1または第2の熱可塑性エラストマー組
成物〔I−1〕、〔I−2〕から形成されているので、
耐傷付性、変形回復性、ソフトタッチ感、特に耐傷付性
に優れている。また発泡体(KまたはL)からなる基材
層が積層された積層体は、柔軟性、クッション性に優れ
ている。結晶性ポリオレフィン樹脂(M)または熱可塑
性エラストマー(N)からなる基材層が積層された積層
体は、耐熱性、耐熱老化性および剛性に優れている。中
間層が積層された積層体は、成形性、特に部品加工時に
エンボス模様が消えにくい。さらに骨材層が積層された
積層体は強度、剛性を有する。
【0120】そして本発明の熱可塑性エラストマー積層
体は、各層間の層間接着性が著しく優れ、しかも機械的
強度、耐熱性、耐熱老化性、耐候性、耐傷付性、耐摩耗
性および寸法安定性、特に耐傷付性に優れている。また
本発明の熱可塑性エラストマー積層体は、ポリ塩化ビニ
ル樹脂と比較して軽量でリサイクルが容易であり、しか
も焼却しても有害なガスを発生することがなく、可塑剤
などの溢出による表面のベタ付きもない。
【0121】したがって、本発明の熱可塑性エラストマ
ー積層体は、特に耐傷付性が要求される用途、たとえば
自動車内装部品、自動車外装部品、家具、建材、家電用
ハウジング、鞄、スーツケース、スポーツ用品、事務用
品、雑貨などの用途に有効に用いることができる。これ
らの中では、特に自動車内装部品、自動車外装部品が好
ましく、共押出成形により成形することもできる。
【0122】自動車内装部品の具体的な例としては、イ
ンストゥルメンタルパネル、ステアリングホイール、ピ
ラーガーニッシュ、エアバッグカバー、ドアグラブ、コ
ンソールボックス、シフトノブ、アシストグリップ、シ
ートアジャスタ、ルーバーガーニッシュ、ガレージオー
プナー、サンバイザー、バックミラーカバー、ルームミ
ラーカバー、カップホルダー、コインボックス、レジス
ト、灰皿アッパー、ドアフレームガーニッシュ、ドアト
リム、アームレスト、コラムカバー、インナーパネル、
ガレージオープナーのハウジング、ダッシュボード、グ
ラスランチャネル、ウェザーストリップ等をあげること
ができる。また自動車外装部品の具体的な例としては、
サイドモール、ガーニッシュ、ウインドウモール、ホイ
ルハウスカバー等をあげることができる。
【0123】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー積層体
は、特定の熱可塑性エラストマー組成物からなる表皮層
と、架橋されていてもよいポリエチレンまたはポリプロ
ピレン発泡体からなる基材層あるいは結晶性ポリオレフ
ィン樹脂または熱可塑性エラストマーからなる基材層と
から構成されているので、ポリオレフィン系樹脂を材料
として用いているにもかかわらず、耐傷付性に優れてお
り、しかも軽量で、リサイクルが容易で、焼却しても有
害なガスは発生しない。
【0124】中間層を有する本発明の熱可塑性エラスト
マー積層体は、成形性、特に部品加工時にエンボス模様
が消えにくい。
【0125】本発明の自動車内外装部品は、上記熱可塑
性エラストマー積層体からなっているので、ポリオレフ
ィン系組成物を材料として用いているにもかかわらず、
耐傷付性に優れており、しかも軽量で、リサイクルが容
易で、焼却しても有害なガスは発生しない。
【0126】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。実施例で用いた原材料を以下に記す。 《結晶性ポリオレフィン樹脂(A)》 (A−1)プロピレンホモポリマー: 1)MFR(ASTM D 1238−65T、230
℃、2.16kg荷重、以下同じ);20g/10分
【0127】《ブロック共重合体(B)》 (B−1)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共
重合体の水素添加物: 1)スチレン含有量;20重量% 2)全イソプレン単位に対する1,2−位および3,4
−位で結合しているイソプレン単位含有量;55% 3)MFR(ASTM D 1238―65T、230
℃、2.16kg荷重);2.0g/10分
【0128】《シリコーンオイル(C1)》 (C−1)東レシリコーン社製、SH200(商標) 《エステル(C2)》 (C−2)ジステアリルフタレート 《フッ素系ポリマー(C3)》 (C−3)ポリビニリデンフルオライド樹脂:クレハ社
製、KFポリマー W−1000(商標) 《高級脂肪酸アミド(C4)》 (C−4)エルカ酸アミド
【0129】《ブロック共重合体(D)》 (D−1)スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共
重合体の水素添加物: 1)スチレン含有量;30重量% 2)MFR(ASTM D 1238―65T、230
℃、2.16kg荷重);2.5g/10分
【0130】《オレフィン系ゴム(E)》 (E−1)エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2
−ノルボルネン共重合体ゴム: 1)エチレン含有量;70モル% 2)ヨウ素価;14 3)ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕;62 《軟化剤(F)》 (F−1)鉱物油系プロセスオイル:出光興産(株)
製、PW−380(商標) 《充填剤(G)》 (G−1)微粉タルク:松村産業(株)製、商品名ET
−5
【0131】《熱可塑性エラストマー(H)》 (H−1)以下の方法により製造されたオレフィン系熱
可塑性エラストマー:結晶性ポリオレフィン樹脂として
ポリプロピレン〔MFR:13g/10分、X線法によ
り求めた結晶化度:72%〕30重量部と、オレフィン
系ゴムとしてエチレン・プロピレン・5−エチリデン−
2−ノルボルネン共重合体ゴム〔エチレン含有量:70
モル%、ヨウ素価:12、ムーニー粘度(ML1+4、1
00℃):120〕70重量部とをバンバリーミキサー
を用いて、窒素雰囲気中で、180℃で5分間混練した
後、得られた混練物をロールに通してシート状にし、シ
ートカッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0132】次いで、この角ペレット100重量部と、
1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン0.3重量部と、ジビニルベンゼン0.5
重量部とをヘンシェルミキサーで撹拌混合した後、得ら
れた混合物を、L/D=30、スクリュー径50mmの
二軸押出機を用いて、窒素雰囲気中で、220℃で押出
して熱可塑性エラストマー(H−1)のペレットを製造
した。得られた熱可塑性エラストマー(H−1)のゲル
含量は86%であった。
【0133】《結晶性ポリプロピレン樹脂(M)》 (M−1)ポリプロピレンホモポリマー〔MFR(AS
TM D 1238、230℃、2.16kg荷重):
15g/10分〕
【0134】《熱可塑性エラストマー(N)》 (N−1)以下の方法により製造されたオレフィン系熱
可塑性エラストマー:結晶性ポリオレフィン樹脂として
ポリプロピレン〔MFR(ASTM D 1238、2
30℃、2.16kg荷重):13g/10分、X線法
により求めた結晶化度:72%〕30重量部と、オレフ
ィン系ゴムとしてエチレン・プロピレン・5−エチリデ
ン−2−ノルボルネン共重合体ゴム〔エチレン含有量:
70モル%、ヨウ素価:12、ムーニー粘度(ML1+4
(100℃):120〕70重量部とをバンバリーミキ
サーを用いて、窒素雰囲気中で、180℃で5分間混練
した後、得られた混練物をロールに通してシート状に
し、シートカッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0135】次いで、この角ペレット100重量部と、
1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン0.3重量部と、ジビニルベンゼン0.5
重量部とをヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、得ら
れた混合物を、L/D=30、スクリュー径50mmの
二軸押出機を用いて、窒素雰囲気中で、220℃で押出
して熱可塑性エラストマー(B−1)のペレットを製造
した。得られた熱可塑性エラストマー(B−1)のゲル
含量は86%であった。
【0136】(N−2)以下の方法により製造されたオ
レフィン系熱可塑性エラストマー:結晶性ポリオレフィ
ン樹脂としてポリプロピレン[MFR:13g/10
分、X線法により求めた結晶化度:72%]20重量部
と、オレフィン系ゴムとしてエチレン・プロピレン・5
―エチリデン―2―ノルボルネン共重合体ゴム[エチレ
ン含有量:78モル%、ヨウ素価:15、ムーニー粘度
(ML1+4、121℃):61]80重量部とこれらの
混合物100重量部に対し、ジ−tert−ブチルペル
オキシド50重量%、ジビニルベンゼン40重量%およ
びパラフィン系鉱物油10重量%よりなる混合物0.7
重量部をヘンシェルミキサーで撹拌混合した。
【0137】次いで、これらの混合物を2軸押出機のホ
ッパーからシリンダー内に供給するとともにパラフィン
系プロセスオイルが19重量部となるようにプランジャ
ーポンプを用いてシリンダー部へ直接注入しながら、窒
素雰囲気下210℃で押し出して熱可塑性エラストマー
(TPO)のペレットを製造した。ゲル含量は90%で
あった。
【0138】実施例1−1 プロピレンホモポリマー(A−1)のペレット40重量
部と、ブロック共重合体(B−1)のペレット60重量
部と、シリコンオイル(C−1)1.5重量部とを充分
混合した後、L/D=30、スクリュー径50mmの二
軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して
熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0139】さらに、この熱可塑性エラストマー組成物
のペレットを(株)東芝製90mmφT−ダイ押出機
(フルフライトスクリュー、L/D=26、コートハン
ガーダイ)を用いて、220℃、引き取り速度25m/
分でシート状に押出し、押出された溶融状態にあるシー
ト状の熱可塑性エラストマー組成物と、ポリエチレンの
架橋発泡体シート〔積水化学(株)製、商品名 ソフト
ロン、発泡倍率30倍、厚さ3mm〕と積層させた状態
で一対のロール間を通した。その際、熱可塑性エラスト
マーシートはロール温度60℃のエンボス加工ロール側
に、また架橋発泡体シートは加熱されていない通常ロー
ル側に接触させるようにし、表皮層が0.5mmの厚さ
を有する積層体を製造した。
【0140】上記のようにして得た積層体とは別に、タ
ルク〔松村産業(株)製、商品名ET−5)を30%充
填したポリプロピレン〔プロピレン・エチレンブロック
共重合体、エチレン含量9モル%、MFR(ASTM
D 1238−65T、230℃、2.16kg荷
重):0.5〕から成形したプラスチックダンボール
(ピッチ10mm、厚さ3mm)から自動車天井用骨材
を成形するために、雄型および雌型のホットプレスを用
い、95℃、2kg/cm2の加熱加圧条件下で40秒
間のプレス成形を行い、その間に170℃に予備加熱さ
れた前記積層体を骨材成形品上に載置し、再度プレスし
て両者を熱成形一体化させ、自動車用天井材を成形し
た。
【0141】得られた天井材の熱可塑性エラストマー組
成物からなる表皮層の平滑な部分にフェルト布を置き、
さらにその上に1000g/cm2の圧力が掛かるよう
に重りを載せて、天井材上を100回往復させ、その往
復操作後の表面状態をもって耐傷付性の評価を行った。
評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
【0142】(耐傷付性の5段階評価) A:傷が殆ど目立たない B:傷がやや目立つ C:傷が目立つ D:傷がかなり目立つ E:表面が白化した
【0143】実施例1−2 実施例1−1において、プロピレンホモポリマー(A−
1)とスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ40重量
部、50重量部とし、さらにスチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体の水素添加物(D−1)10重
量部配合し、シリコーンオイル(C−1)の代わりにジ
ステアリルフタレート(C−2)0.5重量部を配合し
た以外は、実施例1−1と同様にして熱可塑性エラスト
マー組成物のペレットを製造し、さらに実施例1−1と
同様にして天井材を成形し、耐傷付性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0144】実施例1−3 プロピレンホモポリマー(A−1)30重量部と、スチ
レン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添
加物(B−1)40重量部と、ポリビニリデンフルオラ
イド樹脂(C−3)5重量部、エチレン・プロピレン・
5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(E−
1)10重量部と、鉱物油系プロセスオイル(F−1)
10重量部と、微粉タルク(G−1)10重量部とをバ
ンバリーミキサーを用いて、窒素雰囲気中、180℃で
5分間混練した後、得られた混練物をロールに通してシ
ート状にし、シートカッターで裁断して角ペレットを製
造した。
【0145】次いで、この角ペレットをL/D=30、
スクリュー径50mmの二軸押出機を用いて、窒素雰囲
気中、220℃で押出して熱可塑性エラストマー組成物
のペレットを製造した。さらに、この熱可塑性エラスト
マー組成物のペレットから、実施例1−1と同様にして
天井材を成形し、耐傷付性の評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0146】実施例1−4 実施例1−3において、プロピレンホモポリマー(A−
1)とスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ30重量
部、30重量部とし、さらにエルカ酸アミド(C−4)
3重量部、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共
重合体の水素添加物(D−1)10重量部、エチレン・
プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合
体ゴム(E−1)10重量部、鉱物油系プロセスオイル
(F−1)10重量部、微粉タルク(G−1)10重量
部から、実施例1−3と同様にして熱可塑性エラストマ
ー組成物のペレットを製造し、さらに実施例1−1と同
様にして天井材を成形し、耐傷付性の評価を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0147】実施例1−5 プロピレンホモポリマー(A−1)30重量部、スチレ
ン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加
物(B−1)30重量部、さらにエチレン・プロピレン
・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(E
−1)30重量部、鉱物油系プロセスオイル(F−1)
10重量部、シリコーンオイル(C−1)3重量部から
実施例1−3と同様にしてバンバリーミキサーを用いて
角ペレットを製造した。ついでこの角ペレット100重
量部と、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン0.3重量部と、ジビニルベンゼ
ン0.5重量部とをヘンシェルミキサーで撹拌混合した
後、L/D=30、スクリュー径50mmの二軸押出機
を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱可塑性
エラストマー組成物のペレットを製造した。さらに、実
施例1−1と同様にして天井材を成形し、耐傷付性の評
価を行った。その結果を表1に示す。
【0148】実施例1−6 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水
素添加物(B−1)のペレット60重量部、エルカ酸ア
ミド(C−4)の粉末3重量部、熱可塑性エラストマー
(H−1)のペレット40重量部から実施例1−1と同
様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造
し、さらに実施例1−1と同様にして天井材を成形し、
耐傷付性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0149】実施例1−7 実施例1−3において、プロピレンホモポリマー(A−
1)とスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ0重量
部、30重量部とし、さらにジステアリルフタレート
(C−2)0.8重量部、スチレン・ブタジエン・スチ
レンブロック共重合体の水素添加物(D−1)10重量
部、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノル
ボルネン共重合体ゴム(E−1)10重量部、鉱物油系
プロセスオイル(F−1)10重量部、微粉タルク(G
−1)10重量部、熱可塑性エラストマー(H−1)3
0重量部配合した以外は、実施例1−3と同様にして熱
可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さらに
実施例1−1と同様にして天井材を成形し、耐傷付性の
評価を行った。その結果を表1に示す。
【0150】実施例1−8 実施例1−3において、プロピレンホモポリマー(A−
1)とスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ20重量
部、20重量部とし、さらにポリビニリデンフルオライ
ド樹脂(C−3)5重量部、エチレン・プロピレン・5
−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(E−
1)20重量部、鉱物油系プロセスオイル(F−1)1
0重量部、熱可塑性エラストマー(H−1)30重量部
配合した以外は、実施例1−3と同様にして熱可塑性エ
ラストマー組成物のペレットを製造し、さらに実施例1
−1と同様にして天井材を成形し、耐傷付性の評価を行
った。その結果を表1に示す。
【0151】比較例1−1 プロピレンホモポリマー(A−1)40重量部とスチレ
ン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加
物(B−1)60重量部とから実施例1−1と同様にし
て熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さ
らに実施例1−1と同様にして天井材を成形し、耐傷付
性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0152】比較例1−2 実施例1−1において、ポリエチレン組成物(A−1)
とスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の
水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ40重量部、
0重量部とし、シリコーンオイル(C−1)の配合量を
1.5重量部、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合
体(D−1)の配合量を60重量部とした以外は、実施
例1−1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペ
レットを製造し、さらに実施例1−1と同様にして天井
材を成形し、耐傷付性の評価を行った。その結果を表1
に示す。
【0153】比較例1−3 実施例1−5において、シリコーンオイル(C−1)の
配合量を0重量部とした以外は実施例1−5と同様にし
て熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さ
らに実施例1−1と同様にして天井材を成形し、耐傷付
性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0154】比較例1−4 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水
素添加物(B−1)のペレット60重量部と熱可塑性エ
ラストマー(H−1)のペレット40重量部とから、実
施例1−1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物の
ペレットを製造し、さらに実施例1−1と同様にして天
井材を成形し、耐傷付性の評価を行った。その結果を表
1に示す。
【0155】
【表1】
【0156】実施例2−1 プロピレンホモポリマー(A−1)のペレット40重量
部と、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)のペレット60重量部と、シ
リコーンオイル(C−1)1.5重量部とを充分混合し
た後、L/D=30、スクリュー径50mmの二軸押出
機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱可塑
性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0157】次いで、ポリプロピレンホモポリマー(M
−1)を230℃の温度で押出成形するとともに、その
表面に上記熱可塑性エラストマー組成物を共押出積層し
て、基材層(ポリプロピレンホモポリマー)と表皮層
(熱可塑性エラストマー組成物)とから構成される共押
出積層体を得た。この積層体の基材層の厚みは10m
m、表皮層の厚みは2mmであった。得られた積層体の
層間接着強度および表皮層の耐傷付性を以下の方法で評
価した。結果を表2に示す。
【0158】(a)層間接着強度試験 試験方法:180度剥離試験 試験片:幅25mm、長さ100mm 引張速度:25mm/分 層間接着強度:剥離荷重を試験片の幅で除した値〔単位
kgf/cm2
【0159】(b)耐傷付性試験 表皮層の平滑な部分にフェルト布を置き、さらにその上
に200g/cm2の圧力が掛かるように重りを載せ
て、表皮層上を100回往復させ、その往復操作後の表
面状態をもって耐傷付性の評価を行った。 (耐傷付性の5段階評価) A:傷が殆ど目立たない B:傷がやや目立つ C:傷が目立つ D:傷がかなり目立つ E:表面が白化した
【0160】実施例2−2 実施例2−1において、プロピレンホモポリマー(A−
1)およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共
重合体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ40
重量部、50重量部とし、さらにスチレン・ブタジエン
・スチレンブロック共重合体の水素添加物(D−1)1
0重量部を配合し、シリコーンオイル(C−1)の代わ
りにジステアリルフタレート(C−2)0.5重量部を
配合した以外は、実施例2−1と同様にして熱可塑性エ
ラストマー組成物のペレットを製造した。さらにこの熱
可塑性エラストマー組成物のペレットと熱可塑性エラス
トマー(N−1)から実施例2−1と同様にして積層体
を成形し、層間接着強度および耐傷付性の評価を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0161】実施例2−3 プロピレンホモポリマー(A−1)30重量部と、スチ
レン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添
加物(B−1)40重量部と、ポリビニリデンフルオラ
イド樹脂(C−3)5重量部と、エチレン・プロピレン
・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(E
−1)10重量部と、鉱物油系プロセスオイル(F−
1)10重量部と、微粉タルク(G−1)10重量部と
をバンバリーミキサーを用いて、窒素雰囲気中、180
℃で5分間混練した後、得られた混練物をロールに通し
てシート状にし、シートカッターで裁断して角ペレット
を製造した。
【0162】次いで、この角ペレットをL/D=30、
スクリュー径50mmの二軸押出機を用いて、窒素雰囲
気中、220℃で押出して熱可塑性エラストマー組成物
のペレットを製造した。さらに、この熱可塑性エラスト
マー組成物のペレットから、実施例2−1と同様にして
積層体を成形し、層間接着強度および耐傷付性の評価を
行った。その結果を表2に示す。
【0163】実施例2−4 実施例2−3において、プロピレンホモポリマー(A−
1)およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共
重合体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ30
重量部、30重量部とし、さらにエルカ酸アミド(C−
4)3重量部、ブチレン・ブタジエン・スチレンブロッ
ク共重合体の水素添加物(D−1)10重量部、エチレ
ン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体ゴム(E−1)10重量部、鉱物油系プロセスオ
イル(F−1)10重量部および微粉タルク(G−1)
10重量部を配合した以外は、実施例2−3と同様にし
て熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さ
らに実施例2−1と同様にして積層体を成形し、層間接
着強度および耐傷付性の評価を行った。その結果を表2
に示す。
【0164】実施例2−5 プロピレンホモポリマー(A−1)30重量部、スチレ
ン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加
物(B−1)30重量部、エチレン・プロピレン・5−
エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(E−1)
30重量部、鉱物油系プロセスオイル(F−1)10重
量部、およびシリコーンオイル(C−1)3重量部から
実施例2−3と同様にしてバンバリーミキサーを用いて
角ペレットを製造した。次いでこの角ペレット100重
量部と、1,3−ビス(tert−ブチルプルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン0.3重量部と、ジビニルベンゼ
ン0.5重量部とをヘンシェルミキサーで攪拌混合した
後、L/D=30、スクリュー径50mmの二軸押出機
を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱可塑性
エラストマー組成物のペレットを製造した。さらに、実
施例2−1と同様にして積層体を成形し、層間接着強度
および耐傷付性の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0165】実施例2−6 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水
素添加物(B−1)のペレット60重量部、エルカ酸ア
ミド(C−4)の粉末3重量部、および熱可塑性エラス
トマー(H−1)のペレット40重量部から実施例2−
1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレット
を製造し、さらに実施例2−1と同様にして積層体を成
形し、層間接着強度および耐傷付性の評価を行った。そ
の結果を表2に示す。
【0166】実施例2−7 実施例2−3において、プロピレンホモポリマー(A−
1)およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共
重合体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ0重
量部、30重量部とし、さらにジステアリルフタレート
(C−2)0.8重量部、スチレン・ブタジエン・スチ
レンブロック共重合体の水素添加物(D−1)10重量
部、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノル
ボルネン共重合体ゴム(E−1)10重量部、鉱物油系
プロセスオイル(F−1)10重量部、微粉タルク(G
−1)10重量部、および熱可塑性エラストマー(H−
1)30重量部を配合した以外は、実施例2−3と同様
にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造
し、さらに実施例2−1と同様にして積層体を成形し、
層間接着強度および耐傷付性の評価を行った。その結果
を表2に示す。
【0167】実施例2−8 実施例2−3において、プロピレンホモポリマー(A−
1)およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共
重合体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ20
重量部、20重量部とし、さらにポリビニリデンフルオ
ライド樹脂(C−3)5重量部、エチレン・プロピレン
・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(E
−1)20重量部、鉱物油系プロセスオイル(F−1)
10重量部、および熱可塑性エラストマー(H−1)3
0重量部配合した以外は、実施例2−3と同様にして熱
可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さらに
実施例2−1と同様にして積層体を成形し、層間接着強
度および耐傷付性の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0168】比較例2−1 プロピレンホモポリマー(A−1)40重量部とスチレ
ン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加
物(B−1)60重量部から実施例2−1と同様にして
熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さら
に実施例2−1と同様にして積層体を成形し、層間接着
強度および耐傷付性の評価を行った。その結果を表2に
示す。
【0169】比較例2−2 実施例2−1において、ポリエチレン組成物(A−1)
とスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の
水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ40重量部、
0重量部とし、シリコーンオイル(C−1)の配合量を
1.5重量部、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合
体(D−1)の配合量を60重量部とした以外は、実施
例2−1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペ
レットを製造し、さらに実施例2−1と同様にして積層
体を成形し、層間接着強度および耐傷付性の評価を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0170】比較例2−3 実施例2−5において、シリコーンオイル(C−1)の
配合量を0重量部とした以外は実施例2−5と同様にし
て熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さ
らに実施例2−1と同様にして積層体を成形し、層間接
着強度および耐傷付性の評価を行った。その結果を表2
に示す。
【0171】比較例2−4 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水
素添加物(B−1)のペレット60重量部と熱可塑性エ
ラストマー(H−1)のペレット40重量部から、実施
例2−1と同様にして、熱可塑性エラストマー組成物の
ペレットを製造し、さらに実施例2−1と同様にして積
層体を成形し、層間接着強度および耐傷付性の評価を行
った。その結果を表2に示す。
【0172】
【表2】
【0173】実施例3−1 プロピレンホモポリマー(A−1)のペレット40重量
部と、ブロック共重合体(B−1)のペレット60重量
部と、シリコーンオイル(C−1)3重量部とを充分混
合した後、L/D=30、スクリュー径50mmの二軸
押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱
可塑性エラストマー組成物〔I−1〕のペレットを製造
した。
【0174】[積層体の調製]熱可塑性エラストマー
(N−2)のペレットを(株)東芝製90mmφT−ダ
イ押出機(フルフライトスクリュー、L/D=26、コ
ートハンガーダイ)を用いて、220℃、引き取り速度
2.5m/分でシート状に押出し、押出された溶融状態
にあるシート状の熱可塑性エラストマー(N−2)と、
ポリエチレンの架橋発泡体シート[積水化学(株)製、
商品名 ソフトロン、発泡倍率30倍、厚さ3mm]と
積層させた状態で一対のロール間を通し、積層体(i)
を成形した。さらに、熱可塑性エラストマー組成物〔I
−1〕のペレットを同様にt−ダイ押し出し機でシート
状にし、直ちに予め作製した積層体(i)と積層させ
た。その際、熱可塑性エラストマーシートはロール温度
60℃のエンボス加工ロール側に、また積層体(i)シ
ートは加熱されていない通常ロール側に接触させるよう
にし、熱可塑性エラストマー組成物〔I−1〕層が0.
1mm、熱可塑性エラストマー(N−2)層が1.0m
mの厚さを有する、エンボス加工された積層体(ii)を
製造した。
【0175】上記のようにして得た積層体(ii)とは別
に、タルク[松村産業(株)製、商品名ET−5)を3
0%充填したポリプロピレン[プロピレン・エチレンブ
ロック共重合体、エチレン含量9モル%、MFR(AS
TM D 1238−65T、230℃、2.16kg
荷重)0.5]から成形したプラスチックダンボール
(ピッチ10mm、厚さ3mm)から自動車天井用骨材
を成形するために、雄型および雌型のホットプレスを用
い、95℃、2kg/cm2の加熱加圧条件下で40秒
間のプレス成形を行い、その間に150℃に予備加熱さ
れた前記積層体(ii)を骨材成形品上に載置し、再度プ
レスして両者を熱成形一体化させ、自動車用天井材を成
形した。
【0176】得られた天井材の熱可塑性エラストマー組
成物からなる表皮層の平滑な部分にフェルト布を置き、
さらにその上に200g/cm2の圧力が掛かるように
重りを載せて、天井材上を100回往復させ、その往復
操作後の表面状態をもって耐傷付性の評価を行った。結
果を表3に示す。
【0177】(耐傷付き性の5段階評価) A:傷が殆ど目立たない B:傷がやや目立つ C:傷が目立つ D:傷がかなり目立つ E:表面が白化している
【0178】また、得られた天井材の縁の部分のエンボ
ス模様の残り方を以下の基準で評価した。 A:成形前とほぼ変わり無く残っている B:殆ど残っている C:かなり残っている D:やや残っている E:あまり残っていない
【0179】実施例3−2 プロピレンホモポリマー(A−1)40重量部と、ブロ
ック共重合体(B−1)60重量部と、ジステアリルフ
タレート(C−2)1重量部とを配合し、実施例3−1
と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを
製造し、さらに実施例3−1と同様にして天井材を成形
し、耐傷付性の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0180】実施例3−3 プロピレンホモポリマー(A−1)40重量部と、ブロ
ック共重合体(B−1)60重量部と、ポリビニリデン
フルオライド樹脂(C−3)5重量部とを配合し、実施
例3−1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペ
レットを製造し、さらに実施例3−1と同様にして天井
材を成形し、耐傷付性の評価を行った。その結果を表3
に示す。
【0181】実施例3−4 プロピレンホモポリマー(A−1)40重量部と、ブロ
ック共重合体(B−1)60重量部と、エルカ酸アミド
(C−4)3重量部とを配合し、実施例3−1と同様に
して熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、
さらに実施例3−1と同様にして天井材を成形し、耐傷
付性の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0182】比較例3−1 プロピレンホモポリマー(A−1)40重量部とスチレ
ン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加
物(D−1)60重量部とから実施例3−1と同様にし
て熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さ
らに実施例3−1と同様にして天井材を成形し、耐傷付
性の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0183】比較例3−2 プロピレンホモポリマー(A−1)30重量部とスチレ
ン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加
物(D−1)30重量部と、エチレン・プロピレン・5
−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(E−
1)30重量部と、鉱物油系プロセスオイル(F−1)
10重量部とから実施例3−1と同様にして熱可塑性エ
ラストマー組成物のペレットを製造し、さらに実施例3
−1と同様にして天井材を成形し、耐傷付性の評価を行
った。その結果を表3に示す。
【0184】比較例3−3 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水
素添加物(D−1)のペレット60重量部と熱可塑性エ
ラストマー(H−1)のペレット40重量部とから、実
施例3−1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物の
ペレットを製造し、さらに実施例3−1と同様にして天
井材を成形し、耐傷付性の評価を行った。その結果を表
3に示す。
【0185】
【表3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/02 LCN C08L 23/02 LCN

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔I−〕(A)結晶性ポリオレフィン
    樹脂20〜85重量部、 (B)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対す
    る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
    ン単位含有量が40%以上である重合体または共重合体
    ブロック(b)とからなる水素添加されていてもよいブ
    ロック共重合体15〜80重量部〔成分(A)および
    (B)の合計量は100重量部である〕、ならびに
    (C)シリコーンオイル(C1)、脂肪族アルコールと
    ジカルボン酸または脂肪酸とのエステル(C2)、フッ
    素系ポリマー(C3)および高級脂肪酸アミド(C4)
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分0.1〜
    10重量部を含有してなる部分的に架橋されていてもよ
    いオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I−1〕
    からなるエンボス加工が施されていてもよい表皮層と、 〔II−〕(K)架橋されていてもよいポリエチレン発
    泡体、または(L)架橋されていてもよいポリプロピレ
    ン発泡体からなる基材層とから構成されていることを特
    徴とする熱可塑性エラストマー積層体。
  2. 【請求項2】 〔I−〕(A)結晶性ポリオレフィン
    樹脂20〜85重量部、 (B)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対す
    る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
    ン単位含有量が40%以上である重合体または共重合体
    ブロック(b)とからなる水素添加されていてもよいブ
    ロック共重合体15〜80重量部〔成分(A)および
    (B)の合計量は100重量部である〕、ならびに
    (C)シリコーンオイル(C1)、脂肪族アルコールと
    ジカルボン酸または脂肪酸とのエステル(C2)、フッ
    素系ポリマー(C3)および高級脂肪酸アミド(C4)
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分0.1〜
    10重量部を含有してなる部分的に架橋されていてもよ
    いオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I−1〕
    からなるエンボス加工が施されていてもよい表皮層と、 〔II−〕(M)結晶性ポリオレフィン樹脂、または
    (N)結晶性ポリオレフィン樹脂(p)とオレフィン系
    ゴム(q)とを含有してなる部分的ないし完全に架橋さ
    れた熱可塑性エラストマ−からなる基材層とから構成さ
    れていることを特徴とする熱可塑性エラストマー積層
    体。
  3. 【請求項3】 〔I−〕(A)結晶性ポリオレフィン
    樹脂20〜85重量部、(B)スチレンまたはその誘導
    体の重合体ブロック(a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対す
    る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
    ン単位含有量が40%以上である重合体または共重合体
    ブロック(b)とからなる水素添加されていてもよいブ
    ロック共重合体15〜80重量部〔成分(A)および
    (B)の合計量は100重量部である〕、ならびに
    (C)シリコーンオイル(C1)、脂肪族アルコールと
    ジカルボン酸または脂肪酸とのエステル(C2)、フッ
    素系ポリマー(C3)および高級脂肪酸アミド(C4)
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分0.1〜
    10重量部を含有してなる部分的に架橋されていてもよ
    いオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I−1〕
    からなるエンボス加工が施されていてもよい表皮層と、 〔II−〕(K)架橋されていてもよいポリエチレン発
    泡体、または(L)架橋されていてもよいポリプロピレ
    ン発泡体からなる基材層と、 〔III−〕(M)結晶性ポリオレフィン樹脂、または
    (N)結晶性ポリオレフィン樹脂(p)とオレフィン系
    ゴム(q)とを含有してなる部分的ないし完全に架橋さ
    れた熱可塑性エラストマ−からなり、表皮層〔I−〕
    と基材層〔II−〕との間に積層された中間層とから構
    成されていることを特徴とする熱可塑性エラストマー積
    層体。
  4. 【請求項4】 オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
    物〔I−1〕は、成分(A)、(B)および(C)の他
    に、 (D)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対す
    る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
    ン単位含有量が30%以下である重合体または共重合体
    ブロック(c)、またはブタジエン重合体ブロック
    (d)とからなる水素添加されていてもよいブロック共
    重合体0〜30重量部、 (E)オレフィン系ゴム0〜40重量部、 (F)軟化剤0〜40重量部、ならびに(G)充填剤0
    〜40重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の
    成分を含有し〔成分(A)、(B)、(D)、(E)、
    (F)および(G)の合計量は100重量部である〕、
    かつ成分(A)、(B)、(D)、(E)、(F)およ
    び(G)の合計量に対する成分(A)、(B)、(D)
    および(E)の合計量の比率が100〜40重量%であ
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    の熱可塑性エラストマー積層体。
  5. 【請求項5】 オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
    物〔I−1〕が、全く架橋されていないことを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の熱可塑性エラス
    トマー積層体。
  6. 【請求項6】 オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
    物〔I−1〕が、架橋されていることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー
    積層体。
  7. 【請求項7】 〔I−〕(H)結晶性ポリオレフィン
    樹脂(e)とオレフィン系ゴム(f)とを含有してなる
    部分的ないし完全に架橋された熱可塑性エラストマー1
    0〜80重量部、 (B)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対す
    る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
    ン単位含有量が40%以上である重合体または共重合体
    ブロック(b)とからなる水素添加されていてもよいブ
    ロック共重合体20〜90重量部〔成分(H)および
    (B)の合計量は100重量部である〕、ならびに
    (C)シリコーンオイル(C1)、脂肪族アルコールと
    ジカルボン酸または脂肪酸とのエステル(C2)、フッ
    素系ポリマー(C3)および高級脂肪酸アミド(C4)
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分0.1〜
    10重量部を含有してなる部分的に架橋されていてもよ
    いオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I−2〕
    からなるエンボス加工が施されていてもよい表皮層と、 〔II−〕(K)架橋されていてもよいポリエチレン発
    泡体、または(L)架橋されていてもよいポリプロピレ
    ン発泡体からなる基材層とから構成されていることを特
    徴とする熱可塑性エラストマー積層体。
  8. 【請求項8】 〔I−〕(H)結晶性ポリオレフィン
    樹脂(e)とオレフィン系ゴム(f)とを含有してなる
    部分的ないし完全に架橋された熱可塑性エラストマー1
    0〜80重量部、 (B)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対す
    る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
    ン単位含有量が40%以上である重合体または共重合体
    ブロック(b)とからなる水素添加されていてもよいブ
    ロック共重合体20〜90重量部〔成分(H)および
    (B)の合計量は100重量部である〕、ならびに
    (C)シリコーンオイル(C1)、脂肪族アルコールと
    ジカルボン酸または脂肪酸とのエステル(C2)、フッ
    素系ポリマー(C3)および高級脂肪酸アミド(C4)
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分0.1〜
    10重量部を含有してなる部分的に架橋されていてもよ
    いオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I−2〕
    からなるエンボス加工が施されていてもよい表皮層と、 〔II−〕(M)結晶性ポリオレフィン樹脂、または
    (N)結晶性ポリオレフィン樹脂(p)とオレフィン系
    ゴム(q)とを含有してなる部分的ないし完全に架橋さ
    れた熱可塑性エラストマ−からなる基材層とから構成さ
    れていることを特徴とする熱可塑性エラストマー積層
    体。
  9. 【請求項9】 〔I−〕(H)結晶性ポリオレフィン
    樹脂(e)とオレフィン系ゴム(f)とを含有してなる
    部分的ないし完全に架橋された熱可塑性エラストマー1
    0〜80重量部、 (B)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対す
    る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
    ン単位含有量が40%以上である重合体または共重合体
    ブロック(b)とからなる水素添加されていてもよいブ
    ロック共重合体20〜90重量部〔成分(H)および
    (B)の合計量は100重量部である〕、ならびに
    (C)シリコーンオイル(C1)、脂肪族アルコールと
    ジカルボン酸または脂肪酸とのエステル(C2)、フッ
    素系ポリマー(C3)および高級脂肪酸アミド(C4)
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分0.1〜
    10重量部を含有してなる部分的に架橋されていてもよ
    いオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物〔I−2〕
    からなるエンボス加工が施されていてもよい表皮層と、 〔II−〕(K)架橋されていてもよいポリエチレン発
    泡体、または(L)架橋されていてもよいポリプロピレ
    ン発泡体からなる基材層と、 〔III−〕(M)結晶性ポリオレフィン樹脂、または
    (N)結晶性ポリオレフィン樹脂(p)とオレフィン系
    ゴム(q)とを含有してなる部分的ないし完全に架橋さ
    れた熱可塑性エラストマ−からなり、表皮層〔I−〕
    と基材層〔II−〕との間に積層された中間層とから構
    成されていることを特徴とする熱可塑性エラストマー積
    層体。
  10. 【請求項10】 オレフィン系熱可塑性エラストマー組
    成物〔I-2〕は、成分(H)、(B)および(C)の
    他に、 (A)結晶性ポリオレフィン樹脂0〜50重量部、 (D)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
    (a)と、 イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエ
    ン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位に対す
    る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
    ン単位含有量が30%以下である重合体または共重合体
    ブロック(c)、またはブタジエン重合体ブロック
    (d)とからなる水素添加されていてもよいブロック共
    重合体0〜30重量部、 (E)オレフィン系ゴム0〜40重量部、 (F)軟化剤0〜40重量部、ならびに(G)充填剤0
    〜40重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の
    成分を含有し〔成分(H)、(B)、(A)、(D)、
    (E)、(F)および(G)の合計量は100重量部で
    ある〕、かつ成分(H)、(B)、(A)、(D)、
    (E)、(F)および(G)の合計量に対する成分
    (H)、(B)、(A)、(D)および(E)の合計量
    の比率が100〜40重量%であることを特徴とする請
    求項7ないし9のいずれかに記載の熱可塑性エラストマ
    ー積層体。
  11. 【請求項11】 基材層側にポリオレフィン樹脂(Z)
    からなる骨材層が積層されていることを特徴とする請求
    項1ないし10のいずれかに記載の熱可塑性エラストマ
    ー積層体。
  12. 【請求項12】 骨材層となるポリオレフィン樹脂
    (Z)が所定形状に成形された骨材成形品に、予備加熱
    された表皮層と基材層とからなる積層体または表皮層と
    中間層と基材層とからなる積層体が、基材層と骨材層と
    が接触するように載置、熱成形して一体化されているこ
    とを特徴とする請求項11記載の熱可塑性エラストマー
    積層体。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の熱可塑性エラストマー積層体からなることを特徴とす
    る自動車内外装部品。
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