JP3945248B2 - オレフィン系発泡積層体および用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマーの発泡体を基材層とし、超高分子量ポリオレフィン樹脂またはオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を表皮層とするオレフィン系発泡積層体、およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エラストマーの発泡体を製造する方法として、天然ゴムまたは合成ゴムに加硫剤と発泡剤を混練した後、この混練物を所定の形状に成形して加熱することにより加硫と発泡を行ってエラストマー(加硫ゴム)の発泡体を得るという方法が知られている。
しかしながら、前記のような従来の方法では、連続押出しで前記ゴムを所定の形状に成形する場合、予め配合物をゴムにバッチ的に練り込んで混練物を得る工程を、連続押出しする前に行う必要があり、またこの混練物を押出機に供給しやすくするために、予め混練物をリボン状に成形する工程を、連続押出しする前に行う必要がある。このように、前記のような従来の方法では、製造工程が複雑であり、しかも加硫および発泡工程にかなりの時間を要することから工業的生産上不利である。
【0003】
このような問題点を解決する方法として、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、またはオレフィン系共重合体ゴムとオレフィン系樹脂とからなる部分架橋された熱可塑性エラストマーを用いる方法がある。この方法によれば、前述の工程を省略することができる。
【0004】
しかしながら、従来使用されている熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーは、発泡成形の際に脱泡しやすいので外観不良が生じやすく、また得られる発泡体は発泡倍率が小さく、せいぜい1.5倍程度の発泡倍率であるのでゴムに比べて硬く感じられるという問題点がある。
また、従来の方法で得られる発泡体から自動車用ウェザーストリップまたは戸当たり部のシール部材のような、人や物に触れる部位または摺動を繰り返して行う部品を製造しても、耐摩耗性や摺動特性が悪いため耐久性に劣り、このため摺動部材などとして使用することが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、リサイクル可能なオレフィン系重合体からなり、高発泡倍率で柔軟な感触があり、しかも外観性、耐摩耗性、耐久性および摺動特性に優れ、特に悪条件下での耐摩耗性に優れたオレフィン系発泡積層体を提供することである。
本発明の他の課題は上記オレフィン系発泡積層体からなる摺動部材、自動車用ウェザーストリップおよび建築用シール材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のオレフィン系発泡積層体および用途である。
(1) ポリエチレン樹脂(a−1)5〜60重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)40〜95重量部〔ここで、(a−1)成分および(a−2)成分の合計量は100重量部である。〕とからなるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)、またはオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)からなり、JIS K 6262で測定した圧縮永久歪み(70℃、22時間)が60%以下、JIS K 7120で測定したメルトフローレート(230℃、10kg荷重)が0.1g/10min以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)の発泡倍率が2倍以上である発泡体(XF)からなる基材層と、
以下の樹脂またはエラストマー組成物からなる表皮層と
が積層された積層体であって、
オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)および発泡剤(B)を含む発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマーと、表皮層を形成する樹脂またはエラストマー組成物とが、共押出成形により発泡および熱融着した発泡積層体からなるオレフィン系発泡積層体。
Y:135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gである超高分子量ポリオレフィン樹脂。
Z:オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)および滑剤(ZL)を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)として、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(2) オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)が、ポリエチレン樹脂(a−1)5〜60重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)40〜95重量部〔ここで、(a−1)成分および(a−2)成分の合計量は100重量部である。〕とからなるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)であって、前記エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)が、エチレンとα−オレフィンの共重合体、またはエチレンとα−オレフィンと非共役ポリエンの共重合体であり、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が90〜250、エチレン含量が70〜95モル%のエチレン・α−オレフィン系共重合体である上記(1)記載のオレフィン系発泡積層体。
(3) ポリエチレン樹脂(a−1)5〜60重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)40〜95重量部〔ここで、(a−1)成分および(a−2)成分の合計量は100重量部である。〕とからなるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)の発泡体(XF1)からなる基材層と、
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)からなる表皮層と
が積層されたオレフィン系発泡積層体であって、
前記エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)が、エチレンとα−オレフィンの共重合体、またはエチレンとα−オレフィンと非共役ポリエンの共重合体であって、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が90〜250、エチレン含量が70〜95モル%のエチレン・α−オレフィン系共重合体であり、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物である
上記(1)または(2)記載のオレフィン系発泡積層体。
(4) オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とを含む混合物を、動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーである上記(3)記載のオレフィン系発泡積層体。
(5) ポリオレフィン樹脂(G)が、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)である上記(3)または(4)記載のオレフィン系発泡積層体。
(6) 超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)が、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン樹脂(y−1)15〜40重量部と、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン樹脂(y−2)85〜60重量部〔ここで、(y−1)成分および(y−2)成分の合計量は100重量部である。〕とを含む超高分子量ポリオレフィン樹脂組成物である上記(5)記載のオレフィン系発泡積層体。
(7) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)である上記(3)または(4)記載のオレフィン系発泡積層体。
(8) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)として脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部とを上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2)である上記(3)または(4)記載のオレフィン系発泡積層体。
(9) エチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、ポリエチレン樹脂(a−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)の合計100重量部に対して、ポリプロピレン樹脂(a−3)を30重量部以下の割合で含有している上記(3)ないし(8)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(10) 発泡体(XF1)の発泡倍率が2倍以上である上記(3)ないし(9)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(11) エチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、ポリエチレン樹脂(a−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)との混合物、またはポリエチレン樹脂(a−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)とポリプロピレン樹脂(a−3)との混合物を、架橋剤の非存在下に動的に熱処理して得られる熱可塑性エラストマーである上記(3)ないし(10)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(12) オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とを含む混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーである上記(3)ないし(11)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(13) 発泡体(XF1)が、エチレン系熱可塑性エラストマー(A)および発泡剤(B)を含む発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)を発泡させて得られる発泡体である上記(3)ないし(12)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(14) 発泡剤(B)が、有機または無機の熱分解型発泡剤である上記(13)記載のオレフィン系発泡積層体。
(15) 発泡剤(B)の含有量が、エチレン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して0.5〜20重量部である上記(13)または(14)記載のオレフィン系発泡積層体。
(16) エチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、JIS K 6262で測定した圧縮永久歪み(70℃、22時間)が60%以下、JIS K 7120で測定したメルトフローレート(230℃、10kg荷重)が0.1g/10min以上のものである上記(3)ないし(15)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(17) オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)であって、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が、ポリオレフィン樹脂(j−1)5〜60重量部、およびエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムまたはエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)40〜95重量部〔ここで、(j−1)成分および(j−2)成分の合計量は100重量部である。〕を含む混合物を動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、
前記オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)が、オレフィン含有量が50〜100モル%、メルトフローレート(ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜2g/10分のオレフィン系熱可塑性プラスチックである上記(1)記載のオレフィン系発泡積層体。
(18) オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)の発泡体(XF2)からなる基材層と、
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)からなる表皮層と
が積層されたオレフィン系発泡積層体であって、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が、ポリオレフィン樹脂(j−1)5〜60重量部、およびエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムまたはエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)40〜95重量部〔ここで、(j−1)成分および(j−2)成分の合計量は100重量部である。〕を含む混合物を動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、
前記オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)が、オレフィン含有量が50〜100モル%、メルトフローレート(ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜2g/10分のオレフィン系熱可塑性プラスチックであり、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物である
上記(1)または(17)記載のオレフィン系発泡積層体。
(19) オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とを含む混合物を、動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーである上記(18)記載のオレフィン系発泡積層体。
(20) ポリオレフィン樹脂(G)が、超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)である上記(17)または(18)記載のオレフィン系発泡積層体。
(21) 超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)が、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン樹脂(y−1)15〜40重量部と、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン樹脂(y−2)85〜60重量部〔ここで、(y−1)成分および(y−2)成分の合計量は100重量部である。〕とを含む超高分子量ポリオレフィン樹脂組成物である上記(20)記載のオレフィン系発泡積層体。
(22) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)である上記(18)または(19)記載のオレフィン系発泡積層体。
(23) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)として脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部とを上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2)である上記(18)または(19)記載のオレフィン系発泡積層体。
(24) オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)のポリオレフィン樹脂(j−1)がポリプロピレン樹脂である上記(18)ないし(23)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(25) オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)100重量部に対して10〜200重量部の軟化剤(j−3)をさらに含有している上記(18)ないし(24)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(26) オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が、ポリオレフィン樹脂(j−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)との混合物、またはポリオレフィン樹脂(j−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)と軟化剤(j−3)との混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理して得られる熱可塑性エラストマー組成物である上記(17)ないし(25)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(27) オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)が、アイソタクチックポリプロピレンまたはプロピレン・α−オレフィン共重合体である上記(18)ないし(26)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(28) 発泡体(XF2)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部と、発泡剤(B)とを含むオレフィン系発泡性組成物(X3)を発泡させて得られる発泡体である上記(18)ないし(27)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(29) 発泡剤(B)が、有機または無機の熱分解型発泡剤である上記(28)記載のオレフィン系発泡積層体。
(30) 発泡剤(B)の含有量が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)およびオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)の合計100重量部に対して0.5〜20重量部である上記(28)または(29)記載のオレフィン系発泡積層体。
(31) 発泡体(XF2)の発泡倍率が2倍以上である上記(18)ないし(30)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(32) オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とを含む混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーである上記(18)ないし(31)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(33) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)が、JIS K 6262で測定した圧縮永久歪み(70℃、22時間)が60%以下、JIS K 7120で測定したメルトフローレート(230℃、10kg荷重)が0.1g/10min以上のものである上記(18)ないし(32)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
(34) 上記(1)ないし(33)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体からなる摺動部材。
(35) 上記(1)ないし(33)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体からなる自動車用ウェザーストリップ。
(36) 上記(1)ないし(33)のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体からなる建築用シール材。
【0007】
・オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)
本発明で基材層の原料として用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)は、後述のポリエチレン樹脂(a−1)5〜60重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)40〜95重量部〔ここで、(a−1)成分および(a−2)成分の合計量は100重量部である。〕とからなるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)、またはオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X 2 )からなり、JIS K 6262で測定した圧縮永久歪み(70℃、22時間)が60%以下、好ましくは15〜55%、JIS K 7120で測定したメルトフローレート(230℃、10kg荷重)が0.1g/10min以上、好ましくは1〜300g/10minのものである。
【0008】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)に用いることができるオレフィン系重合体は、通常炭素数2〜30、好ましくは2〜20のオレフィンの単独重合体、オレフィンの共重合体、またはオレフィンと他のモノマーとの共重合体であることが好ましく、これらは2種以上併用することもできる。モノマーとしてはα−オレフィン、環状オレフィン、共役ポリエン、非共役ポリエンなどを例示することができる。これらの中ではα−オレフィン、非共役ポリエンが特に好ましい。また酢酸ビニル、エチルアクリレートなどの他のモノマーも10モル%以下の範囲で用いることができる。
【0009】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)は2種以上のオレフィン系重合体の混合物であってもよい。オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)は、コモノマー含量の少ないオレフィン系重合体の1種以上と、コモノマー含量の多いオレフィン系重合体の1種以上との混合物が特に好ましい。
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)は圧縮永久歪みおよびメルトフローレートが前記条件を満たしていれば、架橋されていても非架橋であっても特に制限はない。
【0010】
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)としては、後述するポリエチレン樹脂(a−1)5〜60重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)40〜95重量部〔ここで、(a−1)成分および(a−2)成分の合計量は100重量部である。〕とからなるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)、またはオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)があげられる。
【0011】
また本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)は、上記オレフィン重合体以外にも、必要に応じて公知の軟化剤、熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、充填剤、着色剤、滑剤などを含んでいてもよく、トータルで圧縮永久歪みおよびメルトフローレートが前記条件を満たしていればよい。
【0012】
本発明のオレフィン系発泡積層体の基材層は上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)を発泡剤(B)により発泡させて得られる発泡体(XF)であり、具体的には後述する発泡体(XF1)または発泡体(XF2)などがあげられる。
【0013】
本発明のオレフィン系発泡積層体の表皮層は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gである超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)、またはオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)および滑剤(ZL)を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)であるが、これらについては後で詳しく説明する。
【0014】
・滑剤(ZL)
本発明で表皮層の原料として用いる滑剤(ZL)は一般的に広く認識されているプラスチックに配合されている公知のものを用いることができる。例えば化学便覧応用編、改訂2版(日本化学会編、1973年、丸善株式会社発行)のp1037〜p1038記載のものを使用できる。具体的にはオルガノポリシロキサン(D)、フッ素系ポリマー(E)、帯電防止剤(F)、ポリオレフィン樹脂(G)、脂肪酸アミド、鉱油、金属セッケン、エステル類、炭酸カルシウム、シリケートなどがあげられる。滑剤(ZL)としては脂肪酸アミド、鉱油、金属セッケン、エステル類、炭酸カルシウムおよびシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種、または脂肪酸アミド、鉱油、金属セッケン、エステル類、炭酸カルシウムおよびシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)とを併用するのが好ましい。なおここで滑剤(ZL)成分の中には、軟化剤として用いられるものもあるが、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)に配合する軟化剤と滑剤(ZL)として配合する例えば鉱油などの成分とは同じものであってもよく、異なっていてもよい。
【0015】
・エチレン系熱可塑性エラストマー(A)
本発明で基材層の原料として用いられるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、ポリエチレン樹脂(a−1)5〜60重量部、好ましくは10〜50重量部およびエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)40〜95重量部、好ましくは50〜90重量部〔ここで、(a−1)成分および(a−2)成分の合計量は100重量部である。〕からなる。エチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、(a−1)成分および(a−2)成分に加えて、ポリプロピレン樹脂(a−3)を含有していてもよい。
【0016】
本発明で用いるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、ポリエチレン樹脂(a−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)とを前記割合で含む混合物、またはポリエチレン樹脂(a−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)とポリプロピレン樹脂(a−3)を含む混合物を、後述のように、架橋剤の非存在下に動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーであるのが好ましい。またエチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、JIS K 6262で測定した圧縮永久歪み(70℃、22時間)が60%以下、好ましくは15〜55%、JIS K 7120で測定したメルトフローレート(230℃、10kg荷重)が0.1g/10min以上、好ましくは1〜300g/10min、さらに好ましくは1〜100g/10minであるものが望ましい。ポリエチレン樹脂(a−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)との含有量が前記範囲にある場合、優れたゴム弾性が発揮される。
【0017】
本発明で用いるポリエチレン樹脂(a−1)としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレン等、公知のポリエチレン樹脂が制限なく用いることができるが、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、特にメタロセン触媒を用いて重合した直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0018】
ポリエチレン樹脂(a−1)はメルトフローレート(MFR;ASTM D−1238、190℃、2.16kg荷重)が0.01〜100g/10分、好ましくは0.01〜50g/10分であるのが望ましい。なお、MFRが0.1g/10分より小さい超高分子量ポリエチレンは、135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した極限粘度[η]が通常7〜40dl/gであり、このような超高分子量ポリエチレンをポリエチレン樹脂(a−1)として使用する場合は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの低分子量ないし高分子量ポリエチレン15〜40重量%と、極限粘度[η]が7〜40dl/gの超高分子量ポリエチレン85〜60重量%とを含む超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の形態で使用するのが好ましく、この超高分子量ポリエチレン樹脂組成物全体の極限粘度[η]は3.5〜8.3dl/gであるのが好ましい。
【0019】
ポリエチレン樹脂(a−1)は密度が0.880〜0.980g/cm3、好ましくは0.900〜0.950g/cm3であるのが望ましい。
ポリエチレン樹脂(a−1)として直鎖状低密度ポリエチレンを用いる場合は、MFR(ASTM D−1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜30g/10分、好ましくは0.2〜20g/10分、密度が0.880〜0.950g/cm3、好ましくは0.910〜0.940g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンを用いるのが望ましい。
【0020】
ポリエチレン樹脂(a−1)として直鎖状低密度ポリエチレンを用いる場合、高密度ポリエチレンまたは中密度ポリエチレンを用いる場合に比べて、肌荒れが生じにくく、しかも表面のベタ付きの少ない基材層を得ることができる。
ポリエチレン樹脂(a−1)はエチレンの単独重合体であってもよいし、エチレンと、少量、例えば10モル%以下の他のモノマーとの共重合体であってもよい。他のモノマーとしては、炭素数3〜20、好ましくは3〜8のα−オレフィン;酢酸ビニルおよびエチルアクリレート等のビニルモノマーなどがあげられる。他のモノマーとして用いられるα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテン等があげられる。他のモノマーは1種単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
【0021】
ポリエチレン樹脂(a−1)は1種単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)は、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が90〜250、好ましくは100〜200、さらに好ましくは110〜180、エチレン含量が70〜95モル%、好ましくは75〜90モル%、さらに好ましくは75〜85モル%のエチレン・α−オレフィン系共重合体である。ここでエチレン含量とは、全α−オレフィン(エチレンも含む)に対するエチレン含量をいう。
【0022】
エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)はエチレンと炭素数3〜20、好ましくは3〜8のα−オレフィンとからなる共重合体であってもよいし、さらにα−オレフィン以外のモノマーが共重合されていてもよい。α−オレフィン以外のモノマーとしては、非共役ポリエン等があげられる。また、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)はランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
【0023】
エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)の具体的なものとしては、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体等があげられる。これらの中ではエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が好ましい。
エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)において、エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテン等があげられる。α−オレフィンは1種単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
【0024】
エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)において、エチレンおよびα−オレフィンと共重合される非共役ポリエンとしては、例えばジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンおよびエチリデンノルボルネン等の非共役ジエンなどがあげられる。非共役ポリエンは1種単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体のヨウ素価は、通常0.1〜50、好ましくは5〜30である。
エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)は1種単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
【0025】
前記ポリプロピレン樹脂(a−3)としては、公知のポリプロピレン樹脂が制限なく使用できる。具体的なものとしては、次のポリプロピレン樹脂等が例示される。
1)プロピレン単独重合体
2)90モル%以上のプロピレンと10モル%未満の他のα−オレフィンとのランダム共重合体(プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体)
3)70モル%以上のプロピレンと30モル%未満の他のα−オレフィンとのブロック共重合体(プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体)
プロピレンと共重合される前記他のα−オレフィンとしては、具体的にはエチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数2〜20、好ましくは2〜8のα−オレフィンがあげられる。
ポリプロピレン樹脂(a−3)としては、前記1)のプロピレン単独重合体および2)のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が好ましく、特にMFR(ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であるものが好ましい。
ポリプロピレン樹脂(a−3)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0026】
本発明で用いるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)中のポリプロピレン樹脂(a−3)の含有量は、前記ポリエチレン樹脂(a−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)の合計100重量部に対して、通常30重量部以下、好ましくは2〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部であるのが望ましい。
ポリプロピレン樹脂(a−3)の含有量が前記範囲にある場合、肌荒れが生じにくく外観性に優れ、しかもベタ付きの少ない基材層を得ることができる。
【0027】
本発明で用いるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、架橋剤や架橋助剤を用いて架橋(加硫)しなくても、ゴム弾性に優れている。また本発明で用いるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、従来の加硫ゴムのような熱硬化型の弾性体ではなく、熱可塑性のエラストマーであるので、リサイクルが容易である。また架橋剤等を必要とせず、このため架橋剤等の混練工程は必要なくなり、動的に熱処理する一工程で簡単に効率よく得られるので、安価である。
【0028】
本発明で用いるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)中には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、公知の軟化剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤、滑剤等の添加剤を配合することができる。
【0029】
エチレン系熱可塑性エラストマー(A)中に配合する軟化剤としては、鉱物油系軟化剤が好ましく用いられる。軟化剤は伸展油としてエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)に予め含有されていてもよい。このような鉱物油系軟化剤は、通常ゴムに使用されるパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の軟化剤が適当である。
【0030】
・エチレン系熱可塑性エラストマー(A)の製造
本発明で用いるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、好ましくは、架橋剤の非存在下に、前記ポリエチレン樹脂(a−1)、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)、および必要により配合する樹脂や添加剤を、前記特定の割合で混合し、動的に熱処理することにより製造することができる。
【0031】
前記の「動的に熱処理する」とは、前記ポリエチレン樹脂(a−1)、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)、および必要により配合する樹脂や添加剤を溶融(融解)状態で混練することをいう。この動的な熱処理は、ミキシングロール、インテンシブミキサー(例えばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸押出機および二軸押出機等の混練装置を用いて行うことができるが、二軸押出機を用いて行うのが好ましい。動的な熱処理は、非開放型の混練装置中で行うのが好ましい。また窒素等の不活性ガス中で行うのが好ましい。
【0032】
動的に熱処理する際の条件は、混練温度が通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃、混練時間が通常1〜20分間、好ましくは1〜5分間とするのが望ましい。混練の際に加えられる剪断力は、剪断速度で通常10〜104sec-1、好ましくは102〜104sec-1とするのが望ましい。
また、動的な熱処理を二軸押出機を用いて行う場合には、下記式(1)、好ましくは(1')、さらに好ましくは(1'')を満たす条件で行うことが好ましい。
【0033】
【数1】
4.8 < [(T−130)/100] + 2.2logP + logQ − logR < 7.0 …(1)
5.0 < [(T−130)/100] + 2.2logP + logQ − logR < 6.8 …(1')
5.3 < [(T−130)/100] + 2.2logP + logQ − logR < 6.5 …(1'')
(式(1)、(1')および(1'')中、Tは二軸押出機のダイス出口での樹脂温度(℃)、Pは二軸押出機のスクリューの直径(mm)、Qは二軸押出機内で受ける最高剪断速度(sec-1)、Rは二軸押出機の押出量(kg/h)である。前記最高剪断速度Q(sec-1)は、Q=(P×π×S)/Uの式から求められる。ここで、Pは二軸押出機のスクリューの直径(mm)、Sは1秒間でのスクリュー回転数(rps)、Uはバレル内壁とスクリューのニーディングセグメント(混練セグメント)間のクリアランス(間隙)の最も狭い部分の距離(mm)である。)
【0034】
前記式(1)を満たす条件で、架橋剤の非存在下に二軸押出機を用いて動的に熱処理して得られるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)は、引張強度、永久伸び、圧縮永久歪および成形外観に優れている。
【0035】
本発明で用いるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)の製造方法では、従来の加硫ゴムの製造に用いられている有機過酸化物等の架橋剤やジビニル化合物等の加硫助剤等を使用しなくても、前記ポリエチレン樹脂(a−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)、または前記ポリエチレン樹脂(a−1)、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)および必要により配合する樹脂や添加剤を前記特定の割合で混合して動的に処理することにより、ゴム弾性に優れたエチレン系熱可塑性エラストマー(A)を一工程で簡単に効率よく製造することができる。そして架橋剤や加硫助剤等を用いる必要がなく、しかも煩雑な加硫工程が必要ないので、低コストで製造することができる。
【0036】
本発明の発泡積層体の基材層は発泡体であるが、この発泡体はオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)および発泡剤(B)を含む発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマーととして、エチレン系熱可塑性エラストマー(A)および発泡剤(B)を含む発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)を発泡させて得ることができる。
【0037】
・発泡剤(B)
上記発泡剤(B)としては、有機または無機の熱分解型発泡剤;水;炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系等の溶剤;窒素、二酸化炭素、プロパン、ブタン等の気体などがあげられる。発泡剤(B)としては、有機または無機の熱分解型発泡剤、水、二酸化炭素等が好ましい。
無機の熱分解型発泡剤としては、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等があげられる。
【0038】
有機の熱分解型発泡剤としては、具体的には、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AZBN)、アゾビスシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド(BSH)、トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジド等のアジド化合物などがあげられる。
発泡剤(B)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
発泡剤(B)はエチレン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して、通常0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いるのが望ましい。
【0039】
発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)には、必要に応じて、発泡助剤を配合することもできる。発泡助剤としては亜鉛、カルシウム、鉛、鉄、バリウム等の金属を含む化合物;クエン酸、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸等の有機酸;尿素またはその誘導体などが用いられる。発泡助剤はエチレン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いるのが望ましい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化等の働きを示す。
また発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)には、必要に応じて、発泡を高倍率で均一に行う目的で、無機ガスを吸着する無機多孔質粉末、例えばゼオライト、無機ガスの吸着量の大きい樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、または発泡の際の核剤などを配合することもできる。
【0040】
さらに発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)には、必要に応じて、充填剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、湿潤剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤、顔料、染料、難燃剤、ブロッキング防止剤等の公知の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0041】
エチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)に配合する充填剤としては、通常ゴムに使用される充填剤が適当であり、具体的には、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーン、グラファイト、アルミナ等があげられる。
これらの充填剤は、エチレン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して、通常40重量部以下、好ましくは1〜30重量部の割合で用いるのが望ましい。
【0042】
・発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)の調製
発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)は、エチレン系熱可塑性エラストマー(A)および発泡剤(B)、ならびに必要に応じて配合される発泡助剤、湿潤剤等の配合物を配合することにより調製することができる。
エチレン系熱可塑性エラストマー(A)および発泡剤(B)を配合する方法としては、例えばエチレン系熱可塑性エラストマー(A)のペレットおよび発泡剤(B)を一旦タンブラー型ブラベンダー、V型ブラベンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混練した後、必要であれば解放型のミキシングロールや非解放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等で混練する方法をあげることができる。
耐候安定剤、耐熱安定剤、老化防止剤、顔料、染料等は、前記工程のいずれの段階において配合してもよい。
【0043】
上記発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)の発泡体(XF1)を得るには、発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)を共押出成形により加熱して発泡および熱融着する方法があげられる。
【0044】
本発明では、表皮層の原料として超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)またはオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)使用するが、下記1)〜7)のオレフィン系の原料から選ばれる少なくとも1種のものが好ましく、特に3)のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)または4)のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2)が好ましく使用できる。
【0045】
1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの超高分子量ポリオレフィン樹脂である前記超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)
2)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)
3)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)4)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)として脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部とを上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2)
5)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部および帯電防止剤(F)0.5〜10重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z3)
6)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)としてポリオレフィン樹脂(G)を5〜200重量部の割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z4)
7)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)としてオルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部とを上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z5)
【0046】
・超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)
本発明で表皮層の原料として用いる超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/g、好ましくは3.8〜8.0dl/gの範囲内にある超高分子量ポリオレフィン樹脂である。超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)は1種単独の樹脂であってもよいし、2種以上の樹脂を含む組成物であってもよい。樹脂組成物の場合、樹脂組成物全体としての極限粘度[η]が上記範囲にあるものが使用できる。
【0047】
超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)が樹脂組成物である場合、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン樹脂(y−1)と、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン樹脂(y−2)とを含む超高分子量ポリオレフィン樹脂組成物が好ましく、さらに好ましくは超高分子量ポリオレフィン樹脂(y−1)15〜40重量部、ポリオレフィン樹脂(y−2)60〜85重量部、特に好ましくは超高分子量ポリオレフィン樹脂(y−1)18〜35重量部、ポリオレフィン樹脂(y−2)65〜82重量部(ここで、両者の合計は100重量部である)の割合で含む超高分子量ポリオレフィン樹脂組成物である。
【0048】
前記の超高分子量ポリオレフィン樹脂(y−1)およびポリオレフィン樹脂(y−2)としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体または共重合体などがあげられる。超高分子量ポリオレフィン樹脂(y−1)およびポリオレフィン樹脂(y−2)としては、エチレン単独重合体、およびエチレンと他のα−オレフィンとからなる、エチレンを主成分とする共重合体が好ましい。
超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)には、液体ないし固体の軟化剤(潤滑油)が含有されていてもよい。
【0049】
超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)に配合する液体軟化剤としては、鉱物油系軟化剤、合成軟化剤等が使用される。鉱物油系軟化剤としては、具体的には、パラフィン系、ナフテン系等の石油系潤滑油、流動パラフィン、スピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、シリンダー油等があげられる。合成軟化剤としては、具体的には、合成炭化水素油、ポリグリコール油、ポリフェニルエーテル油、エステル油、リン酸エステル油、ポリクロロトリフルオロエチレン油、フルオロエステル油、塩素化ビフェニル油、シリコーン油等があげられる。
【0050】
また固体軟化剤としては、具体的には、黒鉛、二硫化モリブデンが主に使用されるが、その他にも窒化ホウ素、二硫化タングステン、酸化鉛、ガラス粉、金属石けん等が使用できる。
【0051】
軟化剤は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。また液体軟化剤と固体軟化剤とを組み合せて使用することもでき、例えば粉末、ゾル、ゲルまたはサスペンソイド等の形態で配合することができる。
軟化剤の含有量は超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)の樹脂100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部であるのが望ましい。
また超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)には、必要に応じて、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤等の添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0052】
本発明では、表皮層として前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)を使用することがきるが、このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)としては前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)〜(Z5)が好ましく、特にオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)または(Z2)が好ましい。
【0053】
・オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)〜(Z5)
・オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)
本発明で表皮層の原料として用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)としては、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とからなるオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが使用できる。
前記結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)としては、炭素数2〜20のα−オレフィンの単独重合体または共重合体があげられる。結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)の具体的な例としては、以下のものなどがあげられる。
【0054】
(1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法のいずれでも良い)
(2)エチレンと、10モル%以下、好ましくは10モル%未満の他のα−オレフィンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニルモノマーとの共重合体
(3)プロピレン単独重合体
(4)プロピレンと10モル%以下、好ましくは10モル%未満の他のα−オレフィンとのランダム共重合体
(5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィンとのブロック共重合体
(6)1−ブテン単独重合体
(7)1−ブテンと10モル%以下、好ましくは10モル%未満の他のα−オレフィンとのランダム共重合体
(8)4−メチル−1−ペンテン単独重合体
(9)4−メチル−1−ペンテンと20モル%以下、好ましくは20モル%未満の他のα−オレフィンとのランダム共重合体
上記のα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどがあげられる。
【0055】
結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)としてはプロピレンの単独重合体、またはプロピレンを主成分とするプロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが好ましく、例えばプロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体などがあげられる。
結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)のMFR(ASTM D−1238、230℃、2.16kg荷重)は0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分であるものが望ましい。
【0056】
本発明で用いるゴム(c−2)としては特に制限はないが、オレフィン系共重合体ゴムが好ましい。
ゴム(c−2)として用いるオレフィン系共重合体ゴムとしては、炭素数2〜20のα−オレフィンを主成分とする無定形ランダムな弾性共重合体であって、2種以上のα−オレフィンからなる非晶性α−オレフィン共重合体、2種以上のα−オレフィンと非共役ジエンとからなるα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体などがあげられる。
【0057】
ゴム(c−2)として用いるオレフィン系共重合体ゴムの具体的な例としては、以下のようなゴムがあげられる。
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム
〔エチレン/α−オレフィン(モル比)=90/10〜50/50〕
(2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム
〔エチレン/α−オレフィン(モル比)=90/10〜50/50〕
(3)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム
〔プロピレン/α−オレフィン(モル比)=90/10〜50/50〕
(4)ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム
〔ブテン/α−オレフィン(モル比)=90/10〜50/50〕
【0058】
上記α−オレフィンとしては、具体的には、上記した結晶性ポリオレフィン(c−1)を構成するα−オレフィンの具体的な例と同じα−オレフィンがあげられる。
上記非共役ポリエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジエンなどがあげられる。
上記ゴム(c−2)は単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0059】
ゴム(c−2)としては、具体的にはエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・1−ブテン・非共役ポリエン共重合体ゴムが好ましく、特にエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム、中でもエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム、またはエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴムが特に好ましい。
これらの共重合体ゴムのムーニー粘度ML1+4(100℃)は10〜250、好ましくは40〜150が望ましい。また上記非共役ポリエンが共重合している場合のヨウ素価は25以下が好ましい。
【0060】
本発明で用いるゴム(c−2)としては、上記のオレフィン系共重合体ゴムのほかに、他のゴム、例えばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリイソブチレンなどがあげられる。
【0061】
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)において、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)との重量配合比(結晶性ポリオレフィン樹脂/ゴム)は、通常90/10〜5/95、好ましくは70/30〜10/90の範囲であるのが望ましい。
ゴム(c−2)として、オレフィン系共重合体ゴムとその他のゴムを組み合せて用いる場合には、その他のゴムは結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)との合計量100重量部に対して40重量部以下、好ましくは5〜20重量部の割合で配合するのが望ましい。
【0062】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)には、必要に応じて、軟化剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができるが、鉱物油系軟化剤および合成軟化剤が好ましい。
【0063】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)に配合する鉱物油系軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の石油系潤滑油、流動パラフィン等が、合成軟化剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリンなどがあげられる。
さらに、それ以外の軟化剤としては、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸、エルカ酸等の脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエンまたはその変性物あるいは水添物、液状チオコールなどがあげられる。
【0064】
これらの軟化剤は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは15〜150重量部、さらに好ましくは20〜80重量部の割合で用いるのが望ましい。
これらの軟化剤は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)を製造する時に添加してもよいし、あらかじめ伸展油としてゴム(c−2)に添加してあってもよい。
【0065】
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)は、前記結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)と、必要に応じて、軟化剤等との混合物を動的に熱処理することにより得られる。
またゴム(c−2)はオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)中において、未架橋、部分架橋または完全架橋など、すべての架橋状態で存在することができる。
【0066】
このように架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)を製造するには、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)およびゴム(c−2)、ならびに必要に応じて用いられる軟化剤等の混合物を架橋剤の存在下に動的に熱処理するのが好ましい。
【0067】
動的に熱処理する際に使用することができる架橋剤としては、有機過酸化物、硫黄、フェノール樹脂、アミノ樹脂、キノンおよびその誘導体、アミン系化合物、アゾ化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート等、熱硬化型ゴムで一般に使用される架橋剤があげられる。これらの中では有機過酸化物が特に好ましい。
上記有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシドなどがあげられる。
【0068】
これらの中では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、なかでも1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
本発明においては、有機過酸化物は、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)との合計量100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜1重量部の割合で用いられる。
【0069】
上記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0070】
上記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分である結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)およびゴム(c−2)との相溶性が良好であり、かつ有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が得られる。
【0071】
上記のような架橋助剤または多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理物全体に対して0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜2重量%の割合で用いるのが望ましい。架橋助剤または多官能性ビニルモノマーの配合割合が上記範囲にある場合、得られる熱可塑性エラストマーは架橋助剤および多官能性ビニルモノマーがエラストマー中に未反応モノマーとして残存することがないため、加工成形の際に熱履歴による物性の変化が生じることがなく、しかも流動性に優れている。
【0072】
上記の「動的に熱処理する」とは、上記のような各成分を溶融(融解)状態で混練することをいう。
混練装置としては、公知の混練装置、例えば開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサーなどが用いられる。これらの中では、非開放型の混練装置が好ましく、混練は、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
【0073】
動的に熱処理する際の混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃であり、混練時間は1〜20分間、好ましくは3〜10分間であるのが望ましい。加えられる剪断力は、剪断速度として100sec-1以上、好ましくは500〜10,000sec-1とするのが望ましい。
【0074】
本発明で好ましく用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)は、下記により計算されたゲル含量が10重量%以上、好ましくは20重量%以上、特に好ましくは45重量%以上であるのが望ましい。
【0075】
〔ゲル含量の測定法〕
熱可塑性エラストマーの試料を約100mg秤量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた細片を、密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに23℃で48時間浸漬する。次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。
この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
一方、試料の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン可溶性成分(例えば軟化剤)の重量およびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された初期重量(X)」とする。
【0076】
ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)は、次式により求められる。
ゲル含量〔重量%〕=
〔補正された最終重量(Y)〕÷〔補正された初期重量(X)〕×100
【0077】
本発明の表皮層に用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)としては、前記エチレン系熱可塑性エラストマー(A)を使用することもできる。
本発明のオレフィン系発泡積層体の表皮層を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)は結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とからなるため、流動性に優れている。
上記のようなポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)は圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、押出成形等の従来使用されている成形装置を用いて成形することができる。
【0078】
・オルガノポリシロキサン(D)
滑剤(ZL)として用いるオルガノポリシロキサン(D)としては、主鎖に−Si−O−結合を有する公知のオルガノポリシロキサンが制限なく使用できる。オルガノポリシロキサン(D)を配合することにより、摺動性および耐摩耗性に優れた表皮層が得られる。
【0079】
オルガノポリシロキサン(D)としては、具体的にはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フルオロポリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどや、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシポリエーテル変性、などの変性ポリシロキサンなどがあげられる。これらの中ではジメチルポリシロキサンが好ましい。オルガノポリシロキサン(D)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0080】
オルガノポリシロキサン(D)は、粘度〔JIS K 2283、25℃〕が10〜107cStのものが好ましい。また、これらのうちで粘度〔JIS K2283、25℃〕が106cSt以上であるものは非常に粘度が高いため、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)への分散性を高めるために、オレフィン系樹脂とマスターバッチとなっていてもよい。この場合に使用されるオレフィン系樹脂としては、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)を製造する時に用いた結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)、具体的にはエチレン単独重合体、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体などがあげられる。
【0081】
オルガノポリシロキサン(D)は、その粘度に応じて1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。特に2種以上を組み合せて使用する場合は、粘度が10〜106cStの低粘度オルガノポリシロキサン(D)と106〜107cStの高粘度オルガノポリシロキサンを組み合せて使用するのが好ましい。
【0082】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)においては、オルガノポリシロキサン(D)の含有量は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜18重量部の割合である。オルガノポリシロキサン(D)の含有量が上記範囲にある場合、発泡積層体は摺動性に優れ、またオルガノポリシロキサン(D)により表面がベタ付くなどの不具合も生じない。
【0083】
・フッ素系ポリマー(E)
滑剤(ZL)として用いるフッ素系ポリマー(E)としては、フッ素原子を含む公知のフッ素系ポリマーが制限なく使用できる。フッ素系ポリマー(E)を配合することにより、摺動性および耐摩耗性に優れた表皮層が得られる。
本発明で用いるフッ素系ポリマー(E)としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、フッ化ビニリデンポリマー、フッ化ビニルポリマーなどがあげられる。フッ素系ポリマー(E)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0084】
フッ素系ポリマー(E)は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)との分散性を高めるために、または摺動摩耗性改良の効果をさらに高めるために、あらかじめオレフィン系樹脂および/または公知の無機系充填剤とのマスターバッチとなっていてもよい。ここで使用されるオレフィン系樹脂としては前記オルガノポリシロキサン(D)のマスターバッチで使用されるオレフィン系樹脂と同じものがあげられる。また無機充填剤としては炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、クレーなどがあげられる。
【0085】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)においては、フッ素系ポリマー(E)の含有量はオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部の割合である。フッ素系ポリマー(E)の含有量が上記範囲にある場合、発泡積層体は摺動性に優れる。
【0086】
・帯電防止剤(F)
滑剤(ZL)として用いる帯電防止剤(F)は、一般的に樹脂に使用される公知の帯電防止剤が制限なく使用でき、アニオン活性剤、カチオン活性剤、非イオン活性剤、両性活性剤等があげられる。帯電防止剤(F)を配合することにより、摺動性および耐摩耗性に優れた表皮層が得られる。
【0087】
帯電防止剤(F)の具体的なものとしては、ラウリルジエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、ステアリルモノグリセライド、ジステアリルグリセライド、トリステアリルグリセライド、ポリオキシエチレンラウリルアミンカプリルエステル、ステアリルジエタノールアミンモノステアレートなどがあげられる。帯電防止剤(F)は1種単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
【0088】
帯電防止剤(F)はオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)との分散性を高めるために、または摺動摩耗性改良の効果をさらに高めるために、あらかじめオレフィン系樹脂および/または公知の無機系充填剤とのマスターバッチとなっていてもよい。ここで使用されるオレフィン系樹脂および無機充填剤としては前記と同じものがあげられる。
【0089】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)においては、帯電防止剤(F)の含有量はオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部の割合である。帯電防止剤(F)の含有量が上記範囲にある場合、発泡積層体は摺動性に優れ、また帯電防止剤(F)が表面に析出して白化する(ブリードアウト)などの不具合も生じない。
【0090】
・ポリオレフィン樹脂(G)
滑剤(ZL)として用いるポリオレフィン樹脂(G)としては、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)で用いた前記結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)が好ましい。また、本発明で用いるポリオレフィン樹脂(G)は、前記超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)であっても良い。
【0091】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)においては、ポリオレフィン樹脂(G)の配合量はオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは10〜180重量部である。ポリオレフィン樹脂(G)が上記範囲にある場合、成形性や成形外観が良好で、摺動性および耐摩耗性に優れた表皮層が得られる。
【0092】
滑剤(ZL)として用いる前記脂肪酸アミドの具体的なものとしては、ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、エルシルアミド、ラウリルアミド、パルミチルアミドおよびベヘンアミド等の高級脂肪酸のモノアミド型;メチロールアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、エチレンビスオレイルアミドおよびエチレンビスラウリルアミド等の高級脂肪酸のアミド型;ステアリルオレイルアミド、N−ステアリルエルクアミドおよびN−オレイルパルミトアミド等の複合型アミド;プラストロジンおよびプラストロジンSの商品名(藤沢薬品工業(株))として市販されている特殊脂肪酸アミドなどがあげられる。これらは単独でまたは二種以上を混合したものが使用される。脂肪酸アミドの配合量はオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部であるのが望ましい。この範囲にあると、摺動性、摩耗性、成形加工性に優れている。
【0093】
滑剤(ZL)として用いる前記エステル類は、脂肪族アルコールと、ジカルボン酸または脂肪酸とのエステルである。このようなエステルとしては、具体的にはセチルアルコールと酢酸とのエステル、セチルアルコールとプロピオン酸とのエステル、セチルアルコールと酪酸とのエステル、牛脂アルコールと酢酸とのエステル、牛脂アルコールとプロピオン酸とのエステル、牛脂アルコールと酪酸とのエステル、ステアリルアルコールと酢酸とのエステル、ステアリルアルコールとプロピオン酸とのエステル、ステアリルアルコールと酪酸とのエステル、ジステアリルアルコールとフタル酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グリセリンモノステアレート、12−水酸化ステアレート、グリセリントリステアレート、トリメチロールプロパントリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ブチルステアレート、イソブチルステアレート、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、ベヘン酸エステル、カルシウムソープ含有エステル、イソトリデシルステアレート、セチルパルミテート、セチルステアレート、ステアリールステアレート、ベヘニルベヘネート、モンタン酸エチレングリコールエステル、モンタン酸グリセリンエステル、モンタン酸ペンタエリスリトールエステル、カルシウム含有モンタン酸エステルなどがあげられる。これらの中ではジステアリルアルコールとフタル酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸エステル、モンタン酸グリセリンエステルが好ましく、特にジステアリルアルコールとフタル酸とのエステル、グリセリンモノステアレート、モンタン酸グリセリンエステルが好ましい。エステル類の配合量はオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部であるのが望ましい。この範囲にあると、摺動性、摩耗性、成形加工性に優れている。
【0094】
滑剤(ZL)として用いる前記シリケートとしては、式
M2O・mSiO2・nH2O
(式中、Mはアルカリ金属原子、mおよびnはそれぞれM2Oの1モルあたりのSiO2またはH2Oのモル数を示す。)
で表される化合物が例示され、具体的なものとしてはナトリウムシリケート、カリウムシリケート、リチウムシリケートなどがあげられる。シリケートの配合量はオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部であるのが望ましい。この範囲にあると、摺動性、摩耗性、成形加工性に優れている。
【0095】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物においては、オルガノポリシロキサン(D)、フッ素系ポリマー(E)、帯電防止剤(F)、ポリオレフィン樹脂(G)、脂肪酸アミド、鉱油、金属セッケン、エステル類、炭酸カルシウムおよびシリケートは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもでき、その組み合せは任意である。
前記オルガノポリシロキサン(D)、フッ素系ポリマー(E)、帯電防止剤(F)、脂肪酸アミド、鉱油、金属セッケン、エステル類、炭酸カルシウムおよびシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)とは併用して配合することができる。これらのうち、脂肪酸アミド、鉱油、金属セッケン、エステル類、炭酸カルシウムおよびシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)との併用が好ましい。このようなオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2)における各成分の含有量は前記記載の量である。
【0096】
またオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)およびオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)〜(Z5)には、必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0097】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)およびオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)〜(Z5)は公知の方法で製造することができ、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー(C)と、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)および必要に応じて添加される他の添加剤を混練することにより得ることができる。
【0098】
本発明では基材層として、前記発泡体(XF1)の代わりに、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)の発泡体(XF2)を使用することもできる。
【0099】
・オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)
本発明で基材層の原料として用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)は、ポリオレフィン樹脂(j−1)5〜60重量部、好ましくは10〜50重量部およびエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)40〜95重量部、好ましくは50〜90重量部〔ここで、(j−1)成分および(j−2)成分の合計量は100重量部である。〕を含む混合物を動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーである。オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)は、(j−1)成分および(j−2)成分に加えて、軟化剤(j−3)などの他の成分を含有していてもよい。
【0100】
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)は、ポリオレフィン樹脂(j−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)とを前記割合で含む混合物、またはポリオレフィン樹脂(j−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)と軟化剤(j−3)との混合物を、後述のように、架橋剤の存在下に動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーであるのが好ましい。またオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)は、JIS K 6262で測定した圧縮永久歪み(70℃、22時間)が60%以下、好ましくは15〜55%、JIS K 7120で測定したメルトフローレート(230℃、10kg荷重)が0.1g/10min以上、好ましくは1〜300g/10minであるものが望ましい。ポリオレフィン樹脂(j−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)との含有量が前記範囲にある場合、柔軟性に優れた発泡体(XF2)を得ることができ、また流動性が良好なオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)が得られる。
【0101】
本発明で用いるポリオレフィン樹脂(j−1)は、高圧法または低圧法により1種または2種以上のモノオレフィンを重合して得られる結晶性の高分子量固体生成物からなる樹脂である。このような樹脂としては、例えばアイソタクチックおよびシンジオタクチックのモノオレフィン重合体または共重合体樹脂があげられる。これらの代表的な樹脂は商業的に入手できる。
【0102】
上記ポリオレフィン樹脂(j−1)の適当な原料オレフィンとしては、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィンがあげられる。これらのオレフィンは単独で、または2種以上混合して用いられる。
【0103】
ポリオレフィン樹脂(j−1)としてはプロピレンの単独重合体またはプロピレンを主成分とする他のオレフィンとの共重合体が好ましい。共重合体としては、具体的には、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体などが好ましい。
【0104】
ポリオレフィン樹脂(j−1)のメルトフローレート(MFR:ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)は、通常0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分の範囲にあることが望ましい。
上記ポリオレフィン樹脂(j−1)は、組成物の流動性の向上、および耐熱性を向上させる役割をもつ。
ポリオレフィン樹脂(j−1)は1種単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
【0105】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)は、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムおよび/またはエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムであり、無定形でランダムな構造を有する弾性共重合体である。
【0106】
α−オレフィンの具体的な例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数3〜20のα−オレフィンがあげられる。これらのオレフィンは単独で、または2種以上混合して用いられる。
上記非共役ポリエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンなどがあげられる。
【0107】
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)としてはエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・1−ブテン・非共役ポリエン共重合体ゴムなどが好ましい。特に好ましくはエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム、中でもエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴムまたはエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴムであり、適度な架橋構造を有するオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が得られる点で特に好ましい。
【0108】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)のエチレン含量は55〜95モル%、好ましくは60〜90モル%の範囲内にあることが望ましい。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は10〜250、好ましくは30〜160の範囲内にあることが望ましい。
【0109】
また、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)のヨウ素価は25以下、好ましくは5〜25であることが望ましい。エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)のヨウ素価が25以下にあると、適度な架橋構造を有するオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が得られる。
【0110】
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)は1種単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合せて使用することもできる。
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)と、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)以外のゴムとを組合わせて用いることもできる。
【0111】
このようなエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)以外のゴムとしては、例えばプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム(プロピレン/α−オレフィン(モル比)=90/10〜50/50)、ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム(ブテン/α−オレフィン(モル比)=90/10〜50/50)、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、およびその水素添加品(H-SBR)、スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム(SBS)およびその水素添加品(SEBS)、スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴム(SIS)およびその水素添加品(SEPS、HV−SIS)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、シリコーンゴムなどがあげられる。これらのエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)以外のゴムをエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)と組み合せて用いる場合には、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)以外のゴムは、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)とポリオレフィン樹脂(j−1)との合計量100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは5〜40重量部の割合で用いるのが望ましい。
【0112】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)には軟化剤(j−3)を配合することができる。軟化剤(j−3)としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができるが、なかでも鉱物油系軟化剤、合成軟化剤が好ましい。
このような鉱物油系軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の石油系潤滑油、流動パラフィン等があげられる。合成軟化剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等があげられる。
【0113】
さらに、それ以外の軟化剤としては、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸、エルカ酸等の脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエンまたはその変性物あるいは水添物、液状チオコールなどがあげられる。
【0114】
軟化剤(j−3)はエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは15〜150重量部、さらに好ましくは20〜80重量部の割合で用いるのが望ましい。このような割合で軟化剤(j−3)を用いると、発泡体(XF2)の耐熱性、引張特性等の物性を低下させることなく、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)の流動性を十分に改善することができる。
【0115】
軟化剤(j−3)は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)を製造する時に添加してもよいし、あらかじめ伸展油としてエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)などに添加してあってもよい。
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)は、従来の加硫ゴムのような熱硬化型の弾性体ではなく、熱可塑性のエラストマーであるので、リサイクルが容易である。
【0116】
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添加剤を配合することができる。
【0117】
・オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)の製造
本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)は、前記ポリオレフィン樹脂(j−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)と、必要に応じて用いられる軟化剤(j−3)等との混合物を動的に熱処理することにより得られる。
【0118】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)は、ポリオレフィン樹脂(j−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)、ならびに必要に応じて用いられる軟化剤等の混合物を架橋剤の存在下に動的に熱処理することにより得られるものが好ましい。
動的に熱処理する際に使用することができる架橋剤としては、有機過酸化物、硫黄、フェノール樹脂、アミノ樹脂、キノンおよびその誘導体、アミン系化合物、アゾ化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート等、熱硬化型ゴムで一般に使用される架橋剤があげられる。これらの中では有機過酸化物が特に好ましい。
【0119】
上記有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシドなどがあげられる。
【0120】
これらの中では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、なかでも1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
本発明においては、有機過酸化物は、ポリオレフィン樹脂(j−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)、ならびに必要に応じて用いられる軟化剤等の混合物100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いられる。
【0121】
上記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0122】
上記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分であるポリオレフィン樹脂(j−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)との相溶性が良好であり、かつ有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれたオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が得られる。
【0123】
上記のような架橋助剤または多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理物全体に対して0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜2重量%の割合で用いるのが望ましい。架橋助剤または多官能性ビニルモノマーの配合割合が上記範囲にある場合、得られる熱可塑性エラストマーは架橋助剤および多官能性ビニルモノマーがエラストマー中に未反応モノマーとして残存することがないため、加工成形の際に熱履歴による物性の変化が生じることがなく、しかも流動性に優れている。
【0124】
上記の「動的に熱処理する」とは、上記のような各成分を溶融(融解)状態で混練することをいう。
混練装置としては、公知の混練装置、例えば開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサーなどが用いられる。これらの中では、非開放型の混練装置が好ましく、混練は、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
【0125】
動的に熱処理する際の混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃であり、混練時間は1〜20分間、好ましくは1〜5分間であるのが望ましい。加えられる剪断力は、剪断速度として10〜1000sec-1、好ましくは100〜1000sec-1とするのが望ましい。
【0126】
本発明で好ましく用いられるオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)は、下記により計算されたゲル含量が10重量%以上、好ましくは20重量%以上、特に好ましくは45重量%以上であるのが望ましい。ゲル含量が10重量%以上である場合、耐熱性、引張強度、柔軟性、耐候性、反発弾性などのゴム的性質が優れ、また加硫ゴムに比べてリサイクルに適した発泡体(XF2)が得られる。
【0127】
〔ゲル含量の測定法〕
熱可塑性エラストマーの試料を約100mg秤量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた細片を、密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに23℃で48時間浸漬する。次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。
この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
一方、試料の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン可溶性成分(例えば軟化剤)の重量およびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正された初期重量(X)」とする。
【0128】
ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)は、次式により求められる。
ゲル含量〔重量%〕=
〔補正された最終重量(Y)〕÷〔補正された初期重量(X)〕×100
【0129】
・オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)
本発明で用いられるオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)は、オレフィン含有量が50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、MFR(ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜2g/10分、好ましくは0.02〜2のg/10分のα−オレフィンの重合体または共重合体である。このようなオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)としては、上記物性を満たす前記ポリオレフィン樹脂(j−1)などがあげられる。
オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)としてはプロピレン単独重合体、およびプロピレン含量が50モル%以上、好ましくは60〜95モル%のプロピレン・α−オレフィン共重合体が特に好ましい。
【0130】
オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)のMFRが0.01〜2g/10分にあるので、得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)のメルトテンションを向上させことができ、高発泡倍率の発泡体(XF2)を得ることができる。
オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて用いることができる。
【0131】
オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)は、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いられる。上記のような割合でオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)を用いると、柔軟性に優れた高発泡倍率の発泡体(XF2)が得られる。
【0132】
本発明においては、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)は、動的な熱処理により調製したオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)と併用し、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)自体は動的な熱処理に供しないのが特徴である。オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)の調製の際に、ポリオレフィン樹脂(j−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)とともにオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)を添加して、有機過酸化物等と混合し、加熱下で混練すると、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)の種類によってはオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)が熱分解して分子量が小さくなり、または熱により架橋してゲル化し、目的とする発泡体(XF2)が得られない。
【0133】
本発明の発泡積層体の基材層は発泡体であるが、この発泡体はオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)および発泡剤(B)を含む発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマーととして、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)と、前記発泡剤(B)とを含むオレフィン系発泡性組成物(X3)を発泡させて得ることができる。
発泡剤(B)はオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部に対して、通常0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いるのが望ましい。
【0134】
オレフィン系発泡性組成物(X3)には、必要に応じて、発泡助剤を配合することもできる。発泡助剤としては亜鉛、カルシウム、鉛、鉄、バリウム等の金属を含む化合物;クエン酸、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸等の有機酸;尿素またはその誘導体などが用いられる。発泡助剤はオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いるのが望ましい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化等の働きを示す。
【0135】
またオレフィン系発泡性組成物(X3)には、必要に応じて、発泡を高倍率で均一に行う目的で、無機ガスを吸着する無機多孔質粉末、例えばゼオライト、無機ガスの吸着量の大きい樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、または発泡の際の核剤などを配合することもできる。
【0136】
さらにオレフィン系発泡性組成物(X3)には、必要に応じて、充填剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、湿潤剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤、顔料、染料、難燃剤、ブロッキング防止剤等の公知の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0137】
オレフィン系発泡性組成物(X3)に配合する充填剤としては、通常ゴムに使用される充填剤が適当であり、具体的には、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーン、グラファイト、アルミナ等があげられる。
【0138】
これらの充填剤は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部に対して、通常40重量部以下、好ましくは1〜30重量部の割合で用いるのが望ましい。
【0139】
・オレフィン系発泡性組成物(X3)の調製
オレフィン系発泡性組成物(X3)は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)および発泡剤(B)、ならびに必要に応じて配合される発泡助剤、湿潤剤等の配合物を配合することにより調製することができる。配合方法としては、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)にオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)および発泡剤(B)を配合し、必要により発泡助剤、湿潤剤等の配合物を配合する場合はオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)および発泡剤(B)を配合する際に配合する方法があげられる。オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)と発泡剤(B)は同時に混合してもよく、また別々に混合してもよい。別々に混合する場合は、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)にオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)を配合し、その後発泡剤(B)を混合することができるし、この混合の順序を逆にしてもよい。
【0140】
なお、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)を調製する際にオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)および/または発泡剤(B)を混合すると、目的とする発泡体(XF2)を得ることはできない。オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)を調製する際にオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)および/または発泡剤(B)を混合すると、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)の種類によってはオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)が熱分解して分子量が小さくなり、または熱により架橋してゲル化し、目的とする発泡体(XF2)を得るために必要な溶融粘度が大きく外れたり、発泡剤(B)が分解してガス抜けしたりする。
【0141】
オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)および発泡剤(B)を配合する具体的な方法としては、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)のペレット、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)および発泡剤(B)を一旦タンブラー型ブラベンダー、V型ブラベンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混練した後、必要であれば解放型のミキシングロールや非解放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等で混練する方法をあげることができる。
耐候安定剤、耐熱安定剤、老化防止剤、顔料、染料等は、前記工程のいずれの段階において配合してもよい。
【0142】
上記オレフィン系発泡性組成物(X3)を加熱することにより発泡体(XF2)得ることができる。
発泡体(XF2)を基材層として用いる場合も、前記発泡体(XF1)の場合と同様に、表皮層の原料としては下記1)〜7)のオレフィン系の原料から選ばれる少なくとも1種のものが好ましく、特に3)のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)または4)のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2)が好ましい。
【0143】
1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの超高分子量ポリオレフィン樹脂である前記超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)
2)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)
3)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)4)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)として脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部とを上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2)
5)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部および帯電防止剤(F)0.5〜10重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z3)
6)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)としてポリオレフィン樹脂(G)を5〜200重量部の割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z4)
7)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)としてオルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部とを上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z5)
【0144】
なお上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)としては、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)を使用することもできる。
【0145】
本発明のオレフィン系発泡積層体は、前記の発泡体(XF1)または発泡体(XF2)からなる基材層と、前記の超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)またはオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)〜(Z5)からなる表皮層とが積層された積層体である。表皮層は基材層の全面に積層されていてもよいし、基材層の一部分のみに積層されていてもよく、また他の層が積層されていてもよい。表皮層が基材層の一部分のみに積層される場合、表皮層が積層されない部分は基材層が表面に露出してもよい。基材層と表皮層とは、共押出成形により発泡および熱融着した発泡積層体を形成する。積層体の厚さは特に限定されないが、基材層の厚さは0.1〜50mm、好ましくは0.5〜45mm、表皮層の厚さは5μm〜10mm、好ましくは10μm〜8mmであるのが望ましい。基材層となる発泡体(XF1)または発泡体(XF2)の発泡倍率は2倍以上であるが、2〜20倍、好ましくは2〜10倍であるのが望ましい。本発明においては、エチレン系熱可塑性エラストマー(A)が充分に発泡するため、発泡倍率が2倍以上の高発泡倍率の発泡体(XF1)でも容易に成形することができる。またオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)が充分に発泡するため、発泡倍率が2倍以上の高発泡倍率の発泡体(XF2)でも容易に成形することができる。
【0146】
本発明のオレフィン系発泡積層体は、上記のように基材層を高発泡倍率とすることができるので柔軟な感触であり、しかも外観性、耐摩耗性、耐久性、摺動特性に優れている。特に悪条件下での耐摩耗性に優れている。また、本発明の積層体は容易に製造することができ、リサイクルが可能であるため経済性に優れている。
【0147】
本発明のオレフィン系発泡積層体は、前記の発泡体(XF1)または発泡体(XF2)を基材層とし、前記の超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)またはオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)〜(Z5)を表皮層として積層することにより得られる。積層方法は、最終製品の形状、大きさ、要求物性などに対応できる多層押出成形機に、オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)および発泡剤(B)を含む発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマーと、表皮層を形成する樹脂またはエラストマー組成物とを供給し、基材層と表皮層とを同時に共押出成形して発泡および熱融着する方法が採用できる。この場合、エチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)は、共押出成形して熱融着する際に発泡して発泡体(XF1)となり、基材層を形成する。またオレフィン系発泡性組成物(X3)は、共押出成形して熱融着する際に発泡して発泡体(XF2)となり、基材層を形成する。このような熱融着の方法は、接着剤を必要とせず、簡単な一工程で容易に発泡積層体を得ることができ、しかも基材層と表皮層との層間接着は強固である。
【0148】
本発明のオレフィン系発泡積層体は、自動車用ウェザーストリップなどの自動車部品;ガスケット、シール材などの建築用材料等に好適に使用できる。自動車用ウェザーストリップとしては、ドアーウェザーストリップ、ボンネットウェザーストリップ、トランクルームウェザーストリップ、サンルーフウェザーストリップ、ベンチレーターウェザーストリップ、コーナー材などがあげられる。建築用材料としては、ガスケット、エアータイト、目地材、戸当たり部のシール材などの建築用シール材などがあげられる。さらに、ゴルフクラブグリップ、野球バットグリップ、水泳用フィン、水中眼鏡等のレジャー用品やホース保護材、クッション材などがあげられる。
【0149】
図1に、本発明のオレフィン系発泡積層体を含む自動車用ウェザーストリップの断面構造の一例を示す。図1の自動車用ウェザーストリップ1は、横断面において薄板状の芯材2と、この芯材2の表面に設けられた、窓ガラスが摺接するように湾曲して設けられている摺接部3とから構成されている。この摺接部3は基材層4と表皮層5とが積層された本発明のオレフィン系発泡積層体から構成され、表皮層5がガラスと摺接する面側となるように設けられている。
【0150】
本発明の摺動部材は前記本発明のオレフィン系発泡積層体からなる摺動部材である。本発明の摺動部材は前記本発明のオレフィン系発泡積層体からなっているので、柔軟な感触であり、しかも外観性、耐摩耗性、耐久性および摺動特性に優れている。また、容易に製造することができるほか、オレフィン系重合体を主原料としているのでリサイクルが容易であり、経済性に優れている。
【0151】
本発明の自動車用ウェザーストリップは前記本発明のオレフィン系発泡積層体からなる自動車用ウェザーストリップである。本発明の自動車用ウェザーストリップは前記本発明のオレフィン系発泡積層体からなっているので、柔軟な感触であり、しかも外観性、耐摩耗性、耐久性および摺動特性に優れている。また、容易に製造することができるほか、オレフィン系重合体を主原料としているのでリサイクルが容易であり、経済性に優れている。
【0152】
本発明の建築用シール材は前記本発明のオレフィン系発泡積層体からなる建築用シール材である。本発明の建築用シール材は前記本発明のオレフィン系発泡積層体からなっているので、柔軟な感触であり、しかも外観性、耐摩耗性、耐久性および摺動特性に優れている。また、容易に製造することができるほか、オレフィン系重合体を主原料としているのでリサイクルが容易であり、経済性に優れている。
【0153】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のオレフィン系発泡積層体は、特定の組成、物性、発泡倍率の基材層と、特定の樹脂またはエラストマー組成物からなる表皮層とが、共押出成形により発泡および熱融着して積層されているため、高発泡倍率で柔軟な感触であり、しかも外観性、耐摩耗性、耐久性および摺動特性に優れている。特に悪条件下での耐摩耗性に優れているため、自動車用ウェザーストリップなどとしても好適に使用できる。また、本発明の積層体は容易に製造することができ、またオレフィン系重合体を主原料としているのでリサイクルが容易であり、経済性に優れている。
【0154】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0155】
実施例1−1:
(1)エチレン系熱可塑性エラストマー(A−1)の製造
直鎖状低密度ポリエチレン(密度;0.920g/cm3、MFR;2.1g/10分、エチレン含量;97.0モル%、4−メチル−1−ペンテン含量;3.0モル%)30重量部と、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム(エチレン含量;77モル%、ムーニー粘度ML1+4(100℃);145、ヨウ素価;12)70重量部とをヘンシェルミキサーにより混合した。次に、L/D=30、スクリュー径50mmの二軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で動的に熱処理して押し出し、エチレン系熱可塑性エラストマー(A−1)のペレットを製造した。得られたエチレン系熱可塑性エラストマー(A−1)から厚さ12.7mm、直径29.0mmの円柱状のサンプルを射出成形し、圧縮永久歪み(JIS K 6262、70℃、22時間)を測定したところ46%であった。またこのペレットを用いてメルトフローレート(JIS K 7120、230℃、10kg荷重)を測定したところ、2g/10minであった。
【0156】
(2)超高分子量ポリエチレン組成物(Y−1)
135℃デカリン中で測定した組成物(Y−1)の極限粘度[η];7.0dl/g
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]28dl/gの超高分子量ポリエチレン樹脂(y−1)と、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.73dl/gのポリエチレン樹脂(y−2)とを重量比で23/77の割合で含む超高分子量ポリエチレン組成物。
【0157】
(3)積層体の製造
前記(1)のエチレン系熱可塑性エラストマー(A−1)100重量部と、クエン酸50モル%および炭酸水素ナトリウム50モル%の混合物(B−1)3.0重量部とをタンブラー型ブラベンダーにより混合し、発泡性組成物を配合した。次いで、この発泡性組成物をダイ温度150℃で押出成形して芯材と基材層を発泡成形すると同時に、前記(2)の超高分子量ポリエチレン組成物(Y−1)を230℃の温度で共押出成形して表皮層を成形し、基材層と表皮層とを熱融着することにより図1に示すウェザーストリップを製造した。基材層の厚さは2mm、表皮層の厚さは100μmであった。得られたウェザーストリップの発泡倍率は4.8倍であった。
【0158】
得られたウェザーストリップを試験窓枠に装着し、厚さ3.2mmの窓ガラスを嵌装して耐久試験(窓ガラス上下繰り返し試験)を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の窓ガラス上下繰り返し試験後もへたり、摩耗がなくウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0159】
実施例1−2:
実施例1−1で用いた直鎖状低密度ポリエチレン30重量部と、実施例1−1で用いたエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム70重量部と、鉱物油系軟化剤(パラフィン系オイル、出光興産(株)社製、PW−380、商標)40重量部とを用いて、実施例1−1と同じ方法でエチレン系熱可塑性エラストマー(A−2)を得た。得られたエチレン系熱可塑性エラストマー(A−2)を用いて、実施例1−1と同様の方法で圧縮永久歪みおよびMFRを測定した。その結果、圧縮永久歪みは46%、MFRは4g/10minであった。
【0160】
次いで、このエチレン系熱可塑性エラストマー(A−2)を用いて、実施例1−1と同じ方法で発泡性組成物を調製し、実施例1−1と同じ表皮層とでウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。また、得られたウェザーストリップの発泡倍率は3.7倍であった。
【0161】
実施例1−3:
実施例1−1で用いた直鎖状低密度ポリエチレン15重量部と、実施例1−1で用いたエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム85重量部と、プロピレン・エチレンランダム共重合体(MFR;0.5g/10分、エチレン含量;4モル%)(PP−1)20重量部とを用いて、実施例1−1と同じ方法でエチレン系熱可塑性エラストマー(A−3)を得た。得られたエチレン系熱可塑性エラストマー(A−3)を用いて、実施例1−1と同様の方法で圧縮永久歪みおよびMFRを測定した。その結果、圧縮永久歪みは55%、MFRは2g/10minであった。
【0162】
次いで、このエチレン系熱可塑性エラストマー(A−3)を用いて、実施例1−1と同様に発泡性組成物を配合し、実施例1−1と同じ表皮層とでウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。また、得られたウェザーストリップの発泡倍率は3.0倍であった。
【0163】
実施例1−4:
実施例1−1で用いた直鎖状低密度ポリエチレン15重量部と、実施例1−1で用いたエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム85重量部と、プロピレン単独重合体(MFR;1.5g/10分)(PP−2)20重量部とを用いて、実施例1−1と同じ方法でエチレン系熱可塑性エラストマー(A−4)を得た。得られたエチレン系熱可塑性エラストマー(A−4)を用いて、実施例1−1と同様の方法で圧縮永久歪みおよびMFRを測定した。その結果、圧縮永久歪みは57%、MFRは3g/10minであった。
【0164】
次いで、このエチレン系熱可塑性エラストマー(A−4)を用いて、実施例1−1と同様に発泡性組成物を配合し、実施例1−1と同じ表皮層とでウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。また、得られたウェザーストリップの発泡倍率は2.8倍であった。
【0165】
実施例1−5:
実施例1−1で用いた直鎖状低密度ポリエチレン30重量部と、実施例1−1で用いたエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴムに伸展油(パラフィン系オイル、出光興産(株)社製、PW−380、商標)40重量部とを配合した油展エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム110重量部とを用いて、実施例1−1と同じ方法でエチレン系熱可塑性エラストマー(A−5)を得た。得られたエチレン系熱可塑性エラストマー(A−5)を用いて、実施例1−1と同様の方法で圧縮永久歪みおよびMFRを測定した。その結果、圧縮永久歪みは43%、MFRは4g/10minであった。
【0166】
次いで、このエチレン系熱可塑性エラストマー(A−5)を用いて、実施例1−1と同様に発泡性組成物を配合し、実施例1−1と同じ表皮層とでウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。また、得られたウェザーストリップの発泡倍率は3.8倍であった。
【0167】
実施例1−6
(1)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)の製造
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(エチレン含有量;70モル%、ヨウ素価;12、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕;120)60重量部と、ポリプロピレン((MFR(ASTM D−1238−65T,230℃、2.16kg荷重);13g/10分、密度;0.91g/cm3、X線回折法による結晶化度;72%)40重量部とをバンバリーミキサーを用いて、窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した。その後、この混練物をロールに通してシート状にし、これをシートカッターで裁断して角ペレットを製造した。次いで、この角ペレットと、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.2重量部と、ジビニルベンゼン0.2重量部とをヘンシェルミキサーで撹拌混合した。次いで、この混合物を、L/D=40、スクリュー径50mmの2軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押し出してオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)を得た。得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)のゲル含量は、前記方法により求めたところ78重量%であった。
【0168】
(2)積層体の製造
前記(1)のオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)100重量部と、シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)社製、SH200−3000cSt、商標)(D−1)2重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−1)を得た。
【0169】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−1)と、実施例1−1と同じ発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0170】
実施例1−7:
実施例1−6で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)100重量部と、実施例1−6で用いたシリコーンオイル(D−1)2重量部と、シリコーンオイル−ポリプロピレンマスターバッチ(東レ・ダウコーニング(株)社製、BY27−002(超高分子量シリコーンオイル含量50重量%)、商標)(D−2)14重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−2)を得た。
【0171】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−2)と、実施例1−1と同じ発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0172】
実施例1−8:
実施例1−6で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)100重量部と、フッ素系ポリマー(住友スリーエム(株)社製、ダイナマーFX-9613(フッ素系ポリマー含量90%)、商標)(E−1)3重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−3)を得た。
【0173】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−3)と、実施例1−1と同じ発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0174】
実施例1−9:
実施例1−6で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)100重量部と、帯電防止剤(花王(株)社製、エレクトロストリッパーTS−6B、商標)(F−1)3重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−4)を得た。
【0175】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−4)と、実施例1−1と同じ発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0176】
実施例1−10:
実施例1−6で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)100重量部と、実施例1−1で用いた超高分子量ポリオレフィン組成物(Y−1)10重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−5)を得た。
【0177】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−5)と、実施例1−1と同じ発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0178】
実施例1−11:
実施例1−6で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)100重量部と、実施例1−1で用いた超高分子量ポリオレフィン組成物(Y−1)100重量部と、シリコーンオイル(D−1)2重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−6)を得た。
【0179】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−6)と、実施例1−1と同じ発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0180】
実施例1−12:
実施例1−6で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)100重量部と、実施例1−1で用いたシリコーンオイル(D−1)2重量部と、ポリプロピレン(MFR(ASTM D−1238−65T,230℃、2.16kg荷重);13g/10分、密度;0.91g/cm3(G−1)30重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−7)を得た。
【0181】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−7)と、実施例1−1と同じ発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0182】
実施例1−13:
実施例1−6で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−1)100重量部と、オレイン酸アミド2重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−8)を得た。
【0183】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1−8)と、実施例1−1と同じ発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0184】
比較例1−1
従来品のウェザーストリップ(軟質塩化ビニル樹脂層にナイロンフィルムを接着した積層構造)を用いて、耐久試験を同じ方法で行った。その結果、25,000回で窓ガラスとの接触面において破壊を生じ、窓ガラスとの摩擦抵抗が著しく増大して使用に耐えなくなった。
【0185】
前記のエチレン系熱可塑性エラストマー(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)および(A−5)の製造における動的熱処理の条件を表1に示す。
【表1】
【0186】
表1の注
各成分の配合量の単位は重量部である。
*1 PE:直鎖状低密度ポリエチレン
*2 EPDM:エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム*3 油展EPDM:エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム100重量部に伸展油としてパラフィン系オイル(出光興産(株)製、PW−380、商標)40重量部を配合した油展エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴム
*4 PP−1:プロピレン・エチレン共重合体
*5 PP−2:プロピレン単独重合体
*6 パラフィン系オイル:鉱物油系軟化剤(出光興産(株)製、PW−380、商標)
*7 T:二軸押出機のダイス出口での樹脂温度(℃)
*8 P:二軸押出機のスクリューの直径(mm)
*9 Q:二軸押出機内で受ける最高剪断速度(sec-1)
*10 R:二軸押出機の押出量(kg/h)
*11 S:1秒間でのスクリュー回転数(rps)
*12 U:バレル内壁とスクリューのニーディングセグメント(混練セグメント)間のクリアランス(間隙)の最も狭い部分の距離(mm)
*13 式(1):[(T−130)/100]+2.2logP+logQ−logR
【0187】
以下の実施例および比較例に使用した各成分は次の通りである。
●ポリオレフィン樹脂(j−11)
MFR(ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)=50g/10分、密度=0.910g/cm3のプロピレン・エチレンブロック共重合体、エチレン含量=8モル%
●エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−21)
エチレン含量63モル%、ヨウ素価13、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]=100のエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
●油展エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−22)
(j−21)のエチレン系ゴムに軟化剤(j−31)を添加
●軟化剤(j−31)
パラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)社製、PW−380、商標]
【0188】
●オレフィン系熱可塑性プラスチック(K−1)
MFR(ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)=0.3g/10分、密度=0.910g/cm3のプロピレン単独重合体
●発泡剤(B−2)
アゾジカルボンアミド
●超高分子量ポリオレフィン組成物(Y−1)
135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]=7.0dl/g、密度=0.965g/cm3の超高分子量ポリエチレン組成物
超高分子量ポリエチレン([η]=28dl/g)/低分子量ポリエチレン([η]=0.73dl/g)=23/77重量比
【0189】
●ゴム(c−11)
エチレン含有量=70モル%、ヨウ素価=12、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]=120のエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
●ポリオレフィン樹脂(c−21)
MFR(ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)=13g/10分、密度=0.91g/cm3のプロピレン・エチレンブロック共重合体、エチレン含量=3モル%
●オルガノポリシロキサン(D−1)
シリコーンオイル[東レ・ダウコーニング(株)社製、SH200(3000cSt,商標)]
●オルガノポリシロキサン(D−2)
シリコーンオイル−ポリプロピレンマスターバッチ[東レ・ダウコーニング(株)社製、BY27−002(超高分子量シリコーンオイル含量50重量%、商標)]
【0190】
●フッ素系ポリマー(E−1)
住友スリーエム(株)社製、ダイナマーFX-9613(フッ素系ポリマー含量90%、商標)
●帯電防止剤(F−1)
花王(株)社製、エレクトロストリッパーTS−6B、商標
●ポリオレフィン樹脂(G−2)
MFR(ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)=13g/10分、密度=0.91g/cm3のプロピレン・エチレンブロック共重合体、エチレン含量=3モル%
【0191】
実施例2−1:
(1)オレフィン系熱可塑性エラストマー(J−1)の製造
ポリオレフィン樹脂(j−11)30重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−21)70重量部とを、バンバリーミキサーにより窒素雰囲気下、180℃で5分間混練した後、シーティングロールに通し、シートカッターによりペレットを製造した。次いで、このペレット100重量部と、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.3重量部をジビニルベンゼン0.3重量部に溶解分散させた溶液とをタンブラーブレンダーにより混合し、この溶液をペレット表面に均一に付着させた。次いで、このペレットを、押出機を用いて窒素雰囲気下210℃で押し出して動的な熱処理を行い、ゲル含量が77重量%であるオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−1)を得た。得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−1)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K−1)5重量部とを押出機を用いて窒素雰囲気下に210℃で押し出してオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。このペレットから厚さ12.7mm、直径29.0mmの円柱状のサンプルを射出成形し、圧縮永久歪み(JIS K 6262、70℃、22時間)を測定したところ36%であった。またこのペレットを用いてメルトフローレート(JIS K 7120、230℃、10kg荷重)を測定したところ、33g/10minであった。
【0192】
(2)積層体の製造
上記(1)のオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−1)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K−1)5重量部と、発泡剤(B−2)1.5重量部とをタンブラーブレンダーにより混合し、オレフィン系発泡性組成物を配合した。次いで、この発泡性組成物をダイ温度150℃で押出成形して芯材と基材層を発泡成形すると同時に、超高分子量ポリエチレン組成物(Y−1)を230℃の温度で共押出成形して表皮層を成形し、基材層と表皮層とを熱融着することにより図1に示すウェザーストリップを製造した。基材層の厚さは2mm、表皮層の厚さは100μmであった。得られたウェザーストリップの発泡倍率は2.2倍であった。
【0193】
得られたウェザーストリップを試験窓枠に装着し、厚さ3.2mmの窓ガラスを嵌装して耐久試験(窓ガラス上下繰返試験)を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の窓ガラス上下繰返試験後もへたり、摩耗がなくウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0194】
実施例2−2:
ポリオレフィン樹脂(j−11)30重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−21)70重量部と、軟化剤(j−31)50重量部とを使用し、実施例2−1と同じ方法でオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−2)を得た。このオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−2)のゲル含量は71重量%であった。また上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J−2)とオレフィン系熱可塑性プラスチック(K−1)とを用いて、実施例2−1と同様にして圧縮永久歪みおよびMFRを測定した。その結果、圧縮永久歪みは35%、MFRは37g/10minであった。
【0195】
次いで、上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J−2)を用いて、実施例2−1と同じ方法でオレフィン系発泡性組成物を配合した。次いで、実施例2−1と同じ表皮層とでウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。また、得られたウェザーストリップの発泡倍率は2.3倍であった。
【0196】
実施例2−3:
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−21)70重量部の代わりに油展エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−22)120重量部を使用した以外は、実施例2−1と同じ方法でオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−3)を得た。このオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−3)のゲル含量は73重量%であった。またオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−3)とオレフィン系熱可塑性プラスチック(K−1)とを用いて、実施例2−1と同様にして圧縮永久歪みおよびMFRを測定した。その結果、圧縮永久歪みは35%、MFRは37g/10minであった。
【0197】
次いで、上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J−3)を用いて、実施例2−1と同じ方法でオレフィン系発泡性組成物を配合した。次いで、実施例2−1と同じ表皮層とでウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。また、得られたウェザーストリップの発泡倍率は2.3倍であった。
【0198】
実施例2−4:
ポリオレフィン樹脂(j−11)30重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−21)70重量部と、軟化剤(j−31)50重量部と、ブチルゴム(不飽和度0.5%、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]40)30重量部とを使用し、実施例2−1と同じ方法でオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−4)を得た。このオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−4)のゲル含量は81重量%であった。またオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−4)とオレフィン系熱可塑性プラスチック(K−1)とを用いて、実施例2−1と同様にして圧縮永久歪みおよびMFRを測定した。その結果、圧縮永久歪みは33%、MFRは42g/10minであった。
【0199】
次いで、上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J−4)を用いて、実施例2−1と同じ方法でオレフィン系発泡性組成物を配合した。次いで、実施例2−1と同じ表皮層とでウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。また、得られたウェザーストリップの発泡倍率は2.6倍であった。
【0200】
実施例2−5:
(1)オレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)の製造
ゴム(c−11)60重量部と、結晶性ポリオレフィン系樹脂(c−21)(X線回折法による結晶化度;72%)40重量部とを、バンバリーミキサーを用いて窒素雰囲気中180℃で5分間混練した後、この混練物をロールに通してシート状にし、これをシートカッターで裁断して角ペレットを製造した。次いで、この角ペレットと、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.2重量部と、ジビニルベンゼン0.2重量部とをヘンシェルミキサーで撹拌混合した。次いで、この混合物を、L/D=40、スクリュー径50mmの2軸押出機を用いて、窒素雰囲気中210℃で押し出してオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)を得た。得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)のゲル含量は、前記方法により求めたところ、78重量%であった。
【0201】
(2)積層体の製造
上記(1)のオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)100重量部と、オルガノポリシロキサン(D−1)2重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−1)を得た。
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−1)と、実施例2−1と同じオレフィン系発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0202】
実施例2−6:
実施例2−5で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)100重量部と、オルガノポリシロキサン(D−1)2重量部と、オルガノポリシロキサン(D−2)14重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−2)を得た。
【0203】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−2)と、実施例2−1と同じオレフィン系発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0204】
実施例2−7:
実施例2−5で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)100重量部と、フッ素系ポリマー(E−1)3重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−3)を得た。
【0205】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−3)と、実施例2−1と同じオレフィン系発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0206】
実施例2−8:
実施例2−5で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)100重量部と、帯電防止剤(F−1)3重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−4)を得た。
【0207】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−4)と、実施例2−1と同じオレフィン系発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0208】
実施例2−9:
実施例2−5で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)100重量部と、超高分子量ポリオレフィン組成物(Y−1)10重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−5)を得た。
【0209】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−5)と、実施例2−1と同じオレフィン系発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0210】
実施例2−10:
実施例2−5で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)100重量部と、超高分子量ポリオレフィン組成物(Y−1)100重量部と、オルガノポリシロキサン(D−1)2重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−6)を得た。
【0211】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−6)と、実施例2−1と同じオレフィン系発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0212】
実施例2−11:
実施例2−5で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)100重量部と、オルガノポリシロキサン(D−1)2重量部と、ポリオレフィン樹脂(G−2)30重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−7)を得た。
【0213】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−7)と、実施例2−1と同じオレフィン系発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0214】
実施例2−12:
実施例2−5で得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー(C−2)100重量部と、オレイン酸アミド2重量部とを2軸押出機で混練し、表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−8)を得た。
【0215】
このオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−8)と、実施例2−1と同じ発泡性組成物とを共押出成形してウェザーストリップを作製し、耐久試験を行った。その結果、このウェザーストリップは、50,000回の繰返し試験にも耐え、ウェザーストリップとしての機能を維持していた。
【0216】
比較例2−1:
従来品のウェザーストリップ(軟質塩化ビニル樹脂層にナイロンフィルムを接着した積層構造)を用いて、耐久試験を実施例2−1と同じ方法で行った。その結果、25,000回で窓ガラスとの接触面において破壊を生じ、窓ガラスとの摩擦抵抗が著しく増大して使用に耐えなくなった。
【0217】
実施例3−1:
実施例2−11のウェザーストリップ(図1参照)から摺接部3を切り出して試験片とし、図2に示すように、表皮層5面にガラス摩耗子(幅20mm、高さ30mm、厚み4.5mm)7を接触させた。摺動摩耗試験機においてこのガラス摩耗子7に、矢印Xの方向に3kgの荷重をかけて、矢印Yの方向に100mmのストロークで摺接部3を往復させ、泥水付き摩耗試験を行った。ここで、初期と摩耗回数1000回ごとに泥水(水:砂=3:1)を0.5mlスポイドで接触部分に滴下した。摩耗回数5000回後の摩耗状態を評価した。結果を表2に示す。
【0218】
比較例3−1〜3−3:
実施例3−1で用いた試験片の代わりに、実施例2−1の基材層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−1)と実施例2−11の表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−7)とを積層した無発泡積層体からなる試験片(比較例3−1)、実施例2−1の発泡基材層単層からなる試験片(比較例3−2)、実施例2−11のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−7)からなる表皮層単層からなる試験片(比較例3−3)を用いた以外は実施例3−1と同じ方法で泥水付き摩耗試験を行った。結果を表2に示す。
【0219】
【表2】
*1 評価:摩耗がほとんど認められないものを5、摩耗が一部認められるものを3、著しく摩耗されているものを1とし、摩耗の状態が5と3の中間にあるものを4、3と1の中間にあるものを2とした。
【0220】
実施例3−2:
本発明の発泡積層体の柔軟性を試験した。すなわち、実施例2−11のウェザーストリップを試験片とし、この試験片を押してみてスポンジライクな柔軟な感触が得られるかどうかを試験した。結果を表3に示す。
【0221】
比較例3−4〜3−6:
実施例3−2で用いた試験片の代わりに、実施例2−1の基材層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー(J−1)と実施例2−11の表皮層用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−7)とを積層した無発泡積層体からなる試験片(比較例3−4)、実施例2−1の発泡基材層単層からなる試験片(比較例3−5)、実施例2−11のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2−7)からなる表皮層単層からなる試験片(比較例3−6)を用いた以外は実施例3−2と同じ方法で試験した。結果を表3に示す。
【0222】
【表3】
*1 評価:スポンジライクな柔軟な感触が得られたものを5、樹脂ライクな硬い感触が得られたものを1とし、その中間の感触が得られたものを柔軟な感触が得られたものから4、3、2とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオレフィン系発泡積層体を含む自動車用ウェザーストリップの斜視図であり、横断面が端面として図示されている。
【図2】実施例で実施した泥水付き摩耗試験の方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ウェザーストリップ
2 芯材
3 摺接部
4 基材層
5 表皮層
7 ガラス摩耗子
Claims (36)
- ポリエチレン樹脂(a−1)5〜60重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)40〜95重量部〔ここで、(a−1)成分および(a−2)成分の合計量は100重量部である。〕とからなるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)、またはオレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)からなり、JIS K 6262で測定した圧縮永久歪み(70℃、22時間)が60%以下、JIS K 7120で測定したメルトフローレート(230℃、10kg荷重)が0.1g/10min以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)の発泡倍率が2倍以上である発泡体(XF)からなる基材層と、
以下の樹脂またはエラストマー組成物からなる表皮層と
が積層された積層体であって、
オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)および発泡剤(B)を含む発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマーと、表皮層を形成する樹脂またはエラストマー組成物とが、共押出成形により発泡および熱融着した発泡積層体からなるオレフィン系発泡積層体。
Y:135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gである超高分子量ポリオレフィン樹脂。
Z:オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)および滑剤(ZL)を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)として、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。 - オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)が、ポリエチレン樹脂(a−1)5〜60重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)40〜95重量部〔ここで、(a−1)成分および(a−2)成分の合計量は100重量部である。〕とからなるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)であって、前記エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)が、エチレンとα−オレフィンの共重合体、またはエチレンとα−オレフィンと非共役ポリエンの共重合体であり、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が90〜250、エチレン含量が70〜95モル%のエチレン・α−オレフィン系共重合体である請求項1記載のオレフィン系発泡積層体。
- ポリエチレン樹脂(a−1)5〜60重量部と、エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)40〜95重量部〔ここで、(a−1)成分および(a−2)成分の合計量は100重量部である。〕とからなるエチレン系熱可塑性エラストマー(A)の発泡体(XF1)からなる基材層と、
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)からなる表皮層と
が積層されたオレフィン系発泡積層体であって、
前記エチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)が、エチレンとα−オレフィンの共重合体、またはエチレンとα−オレフィンと非共役ポリエンの共重合体であって、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が90〜250、エチレン含量が70〜95モル%のエチレン・α−オレフィン系共重合体であり、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物である
請求項1または2記載のオレフィン系発泡積層体。 - オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とを含む混合物を、動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーである請求項3記載のオレフィン系発泡積層体。
- ポリオレフィン樹脂(G)が、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3dl/gの超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)である請求項3または4記載のオレフィン系発泡積層体。
- 超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)が、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン樹脂(y−1)15〜40重量部と、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン樹脂(y−2)85〜60重量部〔ここで、(y−1)成分および(y−2)成分の合計量は100重量部である。〕とを含む超高分子量ポリオレフィン樹脂組成物である請求項5記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)である請求項3または4記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)として脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部とを上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2)である請求項3または4記載のオレフィン系発泡積層体。
- エチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、ポリエチレン樹脂(a−1)およびエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)の合計100重量部に対して、ポリプロピレン樹脂(a−3)を30重量部以下の割合で含有している請求項3ないし8のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- 発泡体(XF1)の発泡倍率が2倍以上である請求項3ないし9のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- エチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、ポリエチレン樹脂(a−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)との混合物、またはポリエチレン樹脂(a−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体(a−2)とポリプロピレン樹脂(a−3)との混合物を、架橋剤の非存在下に動的に熱処理して得られる熱可塑性エラストマーである請求項3ないし10のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とを含む混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーである請求項3ないし11のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- 発泡体(XF1)が、エチレン系熱可塑性エラストマー(A)および発泡剤(B)を含む発泡性のエチレン系熱可塑性エラストマー組成物(X1)を発泡させて得られる発泡体である請求項3ないし12のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- 発泡剤(B)が、有機または無機の熱分解型発泡剤である請求項13記載のオレフィン系発泡積層体。
- 発泡剤(B)の含有量が、エチレン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して0.5〜20重量部である請求項13または14記載のオレフィン系発泡積層体。
- エチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、JIS K 6262で測定した圧縮永久歪み(70℃、22時間)が60%以下、JIS K 7120で測定したメルトフローレート(230℃、10kg荷重)が0.1g/10min以上のものである請求項3ないし15のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー(X)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)であって、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が、ポリオレフィン樹脂(j−1)5〜60重量部、およびエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムまたはエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)40〜95重量部〔ここで、(j−1)成分および(j−2)成分の合計量は100重量部である。〕を含む混合物を動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、
前記オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)が、オレフィン含有量が50〜100モル%、メルトフローレート(ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜2g/10分のオレフィン系熱可塑性プラスチックである請求項1記載のオレフィン系発泡積層体。 - オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)の発泡体(XF2)からなる基材層と、
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)からなる表皮層と
が積層されたオレフィン系発泡積層体であって、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が、ポリオレフィン樹脂(j−1)5〜60重量部、およびエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムまたはエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムからなるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)40〜95重量部〔ここで、(j−1)成分および(j−2)成分の合計量は100重量部である。〕を含む混合物を動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、
前記オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)が、オレフィン含有量が50〜100モル%、メルトフローレート(ASTM D−1238−65T、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜2g/10分のオレフィン系熱可塑性プラスチックであり、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、オルガノポリシロキサン(D)0.5〜25重量部、フッ素系ポリマー(E)0.5〜10重量部、帯電防止剤(F)0.5〜10重量部、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物である
請求項1または17記載のオレフィン系発泡積層体。 - オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とを含む混合物を、動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーである請求項18記載のオレフィン系発泡積層体。
- ポリオレフィン樹脂(G)が、超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)である請求項17または18記載のオレフィン系発泡積層体。
- 超高分子量ポリオレフィン樹脂(Y)が、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン樹脂(y−1)15〜40重量部と、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gのポリオレフィン樹脂(y−2)85〜60重量部〔ここで、(y−1)成分および(y−2)成分の合計量は100重量部である。〕とを含む超高分子量ポリオレフィン樹脂組成物である請求項20記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種の滑剤(ZL)を上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z1)である請求項18または19記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)100重量部に対して、滑剤(ZL)として脂肪酸アミド0.01〜5重量部、鉱油0.5〜10重量部、金属セッケン0.01〜5重量部、エステル類0.01〜5重量部、炭酸カルシウム0.01〜5重量部およびシリケート0.01〜5重量部からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ポリオレフィン樹脂(G)5〜200重量部とを上記割合で含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(Z2)である請求項18または19記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)のポリオレフィン樹脂(j−1)がポリプロピレン樹脂である請求項18ないし23のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)100重量部に対して10〜200重量部の軟化剤(j−3)をさらに含有している請求項18ないし24のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)が、ポリオレフィン樹脂(j−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)との混合物、またはポリオレフィン樹脂(j−1)とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(j−2)と軟化剤(j−3)との混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理して得られる熱可塑性エラストマー組成物である請求項17ないし25のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)が、アイソタクチックポリプロピレンまたはプロピレン・α−オレフィン共重合体である請求項18ないし26のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- 発泡体(XF2)が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)100重量部と、オレフィン系熱可塑性プラスチック(K)1〜20重量部と、発泡剤(B)とを含むオレフィン系発泡性組成物(X3)を発泡させて得られる発泡体である請求項18ないし27のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- 発泡剤(B)が、有機または無機の熱分解型発泡剤である請求項28記載のオレフィン系発泡積層体。
- 発泡剤(B)の含有量が、オレフィン系熱可塑性エラストマー(J)およびオレフィン系熱可塑性プラスチック(K)の合計100重量部に対して0.5〜20重量部である請求項28または29記載のオレフィン系発泡積層体。
- 発泡体(XF2)の発泡倍率が2倍以上である請求項18ないし30のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー(C)が、結晶性ポリオレフィン樹脂(c−1)とゴム(c−2)とを含む混合物を、架橋剤の存在下に動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーである請求項18ないし31のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(X2)が、JIS K 6262で測定した圧縮永久歪み(70℃、22時間)が60%以下、JIS K 7120で測定したメルトフローレート(230℃、10kg荷重)が0.1g/10min以上のものである請求項18ないし32のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体。
- 請求項1ないし33のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体からなる摺動部材。
- 請求項1ないし33のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体からなる自動車用ウェザーストリップ。
- 請求項1ないし33のいずれかに記載のオレフィン系発泡積層体からなる建築用シール材。
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