JP4728735B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその発泡体 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びその発泡体

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本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、および当該組成物を使用してなる柔軟で圧縮永久歪の少ないオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体に関する。
従来、自動車用ウエザーストリップスポンジ、隙間埋め材用発泡シート、建築用サッシシールスポンジ、管継ぎ手用シールスポンジ、プロテクトスポンジ、断熱スポンジチューブ等のエラストマーの発泡体を製造する方法として、天然ゴムあるいは合成ゴムに、補強剤、充填剤と軟化剤等を密閉式混練機で混練温度120〜180℃、混練時間3〜15分で混練後、この混練物を一旦室温付近まで冷却し、冷却した混練物に加硫剤、加硫促進剤と発泡剤を、練りロール機や密閉式混練機を使用し、早期加硫を起こさないように40〜100℃で混練し、発泡性混練物を得た後、所定の形状に成型して加熱することにより、加硫と発泡を同時に行ない発泡体を得るという方法が知られている。
しかしながら、上記のような方法では、発泡性混練物を得るのに手間が掛かること、加硫と発泡を行うのに、150〜300℃で、5〜30分の時間が必要になり、多量のエネルギを必要とすること、加硫中にSOxなどの有害なガスが発生すること等、工業的生産上不利であるばかりでなく、出来あがった製品は加硫ゴムであるため容易にリサイクルが出来ず、環境面でも多くの問題を有している。
このような問題を解決する方法として、軟質オレフィン系プラスチック、たとえばエチレン・酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いる方法が既に知られている。このような軟質オレフィン系プラスチックを用いる方法によれば、上述の混練工程や加硫工程を省略できる場合がある。しかしながら、軟質オレフィン系プラスチックは、基本的に、ゴムに比べて柔軟性と耐圧縮永久歪性に劣り、得られる発泡体の用途が大きく制限され、加硫ゴムの代替は出来ないという問題がある。
一方、軟質オレフィン系プラスチックと加硫ゴムの中間の性能を示す材料として、オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン系プラスチックとからなる部分架橋された組成物が、熱可塑性エラストマーとして使用できることは、たとえば特許文献1(特開昭48-26838号公報)、特許文献2(特開昭54-112967号公報)により公知である。
しかしながら、これらの熱可塑性エラストマーにおいては、オレフィン系プラスチック成分は、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理した時に分解し、発泡時の張力が劣るため、脱泡しやすく、発泡体が得られてもせいぜい最小密度が600kg/m程度の発泡で、しかも脱泡による肌荒れが顕著であるという問題がある。
また、特許文献3(特開平6-73222号公報)によれば、結晶性ポリオレフィンプラスチックとゴムの混合物からなる熱可塑性エラストマー組成物を、水を使用して発泡さす方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、特殊な発泡専用押出機を使用し、極狭い温度範囲内でのみ発泡が可能なこと、完全フェノール架橋された熱可塑性エラストマー組成物を使用した場合は、押出外観が極めて悪いこと、部分架橋または非架橋の熱可塑性エラストマー組成物を使用した場合は、圧縮永久歪と吸水率が大きく、加硫ゴムを代替できるほどの汎用性はないという問題がある。
また、特許文献4(特開平11-343362)によれば、ラジカル架橋性エラストマーと熱可塑性樹脂からなる架橋された熱可塑性エラストマー組成物を、熱膨張性マイクロバルーンで発泡さす方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、マイクロバルーンを熱可塑性エラストマー組成物に混練時に、マイクロバルーンが破壊され低密度が得られないか密度のばらつきが大きく、マイクロバルーンの粒子径の大きさから、平滑な外観が得られないという問題がある。
また、特許文献5(特開2000-313024)には、結晶性ポリオレフィンとゴム材料を特定の割合で混合して得た、特定範囲の溶融張力を有する熱可塑性エラストマー発泡体の製造方法が提案されている。
しかしながら、この方法では、ゴムが架橋されていないために応力緩和やクリープの大きい発泡体しか得られず、実用性に乏しい。
また、特許文献6(特開2001-81251)には、オレフィン系熱可塑性エラストマーに、結晶化温度が10〜100℃と低いオレフィン重合体樹脂を混合した発泡成形体用樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、この方法では、発泡成形後に発泡体が100℃以下に冷却するまでの間に、無駄な癖や変形が着き易くなる。また、結晶化温度の低い樹脂を混合するために、実用温度領域が狭くなるという問題がある。
また、特許文献7(特開2001-341589)には、エチレン・α-オレフィン共重合体とポリエチレン樹脂を混合してなる熱可塑性エラストマー組成物を主成分とする発泡体が提案されている。
しかしながら、この方法では、ポリエチレンの結晶化度が高いために柔軟な発泡体が得られないか、柔軟性を付与するために可塑剤を混合するとブリードアウトしたり、実用温度を低下さすという問題がある。
一般に、熱可塑性樹脂発泡体の形成機構は非特許文献1に説明されているように、以下の4つの過程に大別できる。(1)気泡の生成(2)気泡の成長(3)気泡の維持と固化(4)発泡体の安定化の4過程である。低密度発泡体を得るためには、次のような技術課題の克服が必要である。第1に気泡の成長過程で気泡膜(気泡壁)をいかに薄くするかという「気泡膜の薄膜化」、第2に流動可能な状態にある薄膜の気泡を固化に至るまでいかに維持するかという「気泡の維持と固化」、第3に気泡へのガスの出入りに起因する発泡体の形状(寸法)変化をいかに安定させるかという「発泡体の形状安定化」の課題である。
これら3つの課題において、「気泡の薄膜化」は、特に伸長粘度が関与する過程であると考えられている。
代表的なオレフィン系樹脂であるポリプロピレンは、発泡成形に際して、ラジカル架橋により改質し、発泡に適正な伸長粘度を得て、気泡膜を薄肉化し低密度の発泡体を得る方法が、特許文献8(特開平11-92526)で提案されている。
また、特許文献9(特開平7-252318)では、Z平均分子量8×10以上の超高分子量成分をブレンドし、発泡に適正な伸張粘度を得る方法も提案されている。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、上記のポリプロピレン系樹脂組成物の発泡体と異なり、オレフィン系プラスチックの中に、架橋されたオレフィン系共重合体ゴムが粒子の形態で分散している構造をもつ。
この構造を得るためにはオレフィン系プラスチックとオレフィン系共重合体ゴムと有機過酸化物を高せん断下で混合しながら、オレフィン系共重合体ゴムを架橋し分散させていくが、この際オレフィン系プラスチックが有機過酸化物非架橋のポリプロピレン系樹脂の場合は、デグラデーションを起こし伸張粘度が極端に低下する。このような架橋したオレフィン系共重合体ゴム粒子の分散した構造を持つ物は、発泡成形の際にセル膜が破れやすく、低い密度の発泡体を得るのは容易でない。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の特徴として、一度は大きく膨らんだセルが、樹脂組成物のゴム弾性的性質により収縮してしまい、低い密度の良好な発泡体を得ることは容易でない。このように、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物においては、低密度で高ゴム弾性の発泡体が得られていないのが実情である。
したがって、汎用性の高い成形機での成形が可能で、発泡体の外観が良好で、低密度で、圧縮永久歪が少ない、オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体を提供可能な発泡性組成物、およびこの組成物を成形して成る発泡体の出現が強く望まれている。
また、最近は上記の性質に加えて、折れ皺の防止の観点から、より微細な気泡構造を有する発泡体が望まれる場合もある。
特許文献10(特開平09-143297号公報)によれば、オレフィン系熱可塑性エラストマーに有機あるいは無機系の熱分解型発泡剤を混合し、発泡体を得る方法が開示されているが、微細な気泡が得られず折れ皺が発生するという問題がある。
特開昭48-26838号公報 特開昭54-112967号公報 特開平6-73222号公報 特開平11-343362号公報 特開2000-313024号公報 特開2001-81251号公報 特開2001-341589号公報 特開平11-92526号公報 特開平7-252318号公報 特開平09-143297号公報 成形加工第12巻第11号2000 706ページ
本発明の第1の課題は、上記のような背景技術に伴う問題を解決しようとするものであって、肌荒れがなく、発泡体の密度が低く、圧縮永久歪が少ない、加硫ゴム代替が可能な、優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体を製造することができる組成物を提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、微細な気泡構造を有し、発泡体の外観が良好で折れ皺の発生が少なく、低密度で圧縮永久歪が少ない、オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体を提供することにある。
本発明者は上述の課題を解決すべく検討した結果、下記手段により目的を達成することを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、下記の熱可塑性エラストマー組成物と熱可塑性エラストマー発泡体を包含する。
(1)有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)と示差走査熱量計DSCにて120℃で測定した時の結晶化時間が40〜300秒であり示差走査熱量計にて測定した結晶化度が40〜80%である有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(b1)との混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(D)100重量部と、
示差走査熱量計DSCにて120℃で測定した時の結晶化時間が150秒以下であり、示差走査熱量計にて測定した結晶化度が50%以上であるオレフィン系プラスチック(b2)1〜40重量部と、
を溶融混練して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、
示差走査熱量計DSCにて120℃で測定した時の結晶化時間が40〜500秒の範囲にあり、示差走査熱量計にて測定した結晶化度が5〜25%であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
)有効網目鎖濃度が3.0×10-5(モル/cm)〜2.0×10-4(モル/cm)である(1)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
)測定温度170℃、歪量0.5%、角速度100rad/sで測定した貯蔵弾性率が10Pa〜10Paである(1)または(2)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
)前記有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)が、85モル%以下のエチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとの共重合体、または85モル%以下のエチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンと非共役ポリエンとの共重合体であり、
前記オレフィン系プラスチック(b1)及び前記オレフィン系プラスチック(b2)が、炭素数3以上のα-オレフィンを主成分とする結晶性α-オレフィン系重合体、または炭素数3以上のα-オレフィンを主成分とする結晶性α-オレフィン系重合体とエチレン含量85モル%以上の結晶性エチレン系重合体との混合物である(1)〜()のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
)前記有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)が、有機ペルオキシド架橋型のエチレンとプロピレンの共重合体、または有機ペルオキシド架橋型のエチレンとプロピレンと非共役ポリエンとの共重合体である(1)〜()のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
)前記オレフィン系プラスチック(b1)及び前記オレフィン系プラスチック(b2)が、有機ペルオキシド非架橋型のポリプロピレン系プラスチックであって、プロピレン単独重合体、またはプロピレン重合単位を50質量%以上含有するプロピレン・オレフィン共重合体、またはプロピレン単独重合体とプロピレン重合単位を50質量%以上含有するプロピレン・オレフィン共重合体との混合物、またはこれらのポリプロピレン系プラスチックとエチレン含量85モル%以上の結晶性エチレン系重合体との混合物である(1)〜()のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
)前記有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)40〜90重量部、前記オレフィン系プラスチック(b1)及び前記オレフィン系プラスチック(b2)の合計10〜60重量部(ここで、(a)と(b1)と(b2)との合計は100重量部)に対し、0〜200重量部の割合で軟化剤(C)を含有する(1)〜()のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
)(1)〜()のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を発泡してなる発泡体の密度が700kg/m未満の範囲にあり、かつ発泡体を50%圧縮し、70℃オーブン中に22時間保持後の圧縮永久歪Csが60%未満であるオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
)無機または有機系の熱分解型化学発泡剤、二酸化炭素、窒素、またはこれらの混合ガスを主成分とするガスから選ばれる少なくとも1種の発泡剤を用いて発泡させること特徴とする()に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
10)発泡形成核剤として無機粉末、有機粉末や有機系と無機系の化学発泡剤を単独または混合して、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して0.01〜10重量部使用することを特徴とする()または()に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
11)自動車ウエザーストリップ、隙間埋め材、建築サッシシール、管継ぎ手シール、配管及び配線プロテクト、断熱材、緩衝材、履物、電気絶縁層、掃除用具、又は化粧用品に用いられることを特徴とする()〜(10)のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
本発明により、これまで熱可塑性エラストマーでは発泡性が悪いか発泡しても圧縮永久歪が大きい等により代替が不可能であった加硫ゴム発泡体を、広範囲に代替することが可能となり、加硫ゴム発泡体の大きな問題である成形エネルギの大量消費、成形時の有害ガス発生、成形された発泡体のリサイクルが困難なことによる産業廃棄物の多量発生等を防止できるようになるという、産業上のメリットは計り知れない。
以下、本発明に係る発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、及び発泡体について具体的に説明する。

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
発泡体製造用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、オレフィン系共重合体ゴム(A)とオレフィン系プラスチック(B)とを含有し、示差走査熱量計にて120℃で測定した時の結晶化時間が、40〜500秒、好ましくは40〜400秒、より好ましくは40〜300秒の範囲にある。結晶化時間が40秒未満の場合は発泡成形温度の許容幅がせまく、成形した発泡体の外観不良が多発したり、発泡体の密度のばらつきが大きくなる。結晶化時間が500秒以上になると発泡直後にガス抜けが発生し気泡を維持できず、密度の小さい発泡体が得られない。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A’)と有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(B’)とを、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られ、オレフィン系プラスチック中に架橋したオレフィン系共重合体ゴムが平均粒子径約10μmで微分散した海島構造を形成し、発泡成形時はオレフィン系プラスチックからなる海相のみが発泡し発泡体をつくる。従ってオレフィン系プラスチックの性状が発泡性を左右するが、オレフィン系プラスチック単体の発泡と異なり、架橋剤の存在下で動的に熱処理をする工程を経るために、オレフィン系プラスチックはデグラデーションされ気泡を形成できる溶融粘度と溶融張力を維持できない。更にオレフィン系プラスチック中に架橋したオレフィン系共重合体ゴムが微分散しているために、伸張時に簡単に切れ、オレフィン系プラスチック単体の発泡で言われている伸張粘度の最適化は困難である。本発明者らは種々検討の結果、オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体用の組成物として、従来のオレフィン系プラスチックや熱可塑性エラストマーの発泡で規定されている溶融粘度、溶融張力と伸張粘度に優先して、結晶化時間を最適化することで、発泡性の良好なオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られることを発見し、本発明に至った。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、示差走査熱量計にて測定した結晶化度が5〜25%、好ましくは6〜20%であることが望ましい。結晶化度が5%未満になると低密度の発泡体が得られないか、得られても発泡体の強度が著しく低下する。結晶化度が25%以上になると発泡体の柔軟性が乏しくゴム弾性は失われてくる。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の結晶化時間と結晶化度を適正範囲に導くためには、例えば次の方法によりオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法をあげることが出来る。
即ち、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)と、結晶化時間40〜300秒で結晶化度40〜80%の有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(b1){(b1)はプロピレン単独重合体でも、プロピレン・オレフィン共重合体でも、プロピレン単独重合体とプロピレン・オレフィン共重合体との混合物でもよい}との混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(D)と、
結晶化時間150秒以下、好ましくは140秒以下、結晶化度50%以上、好ましくは55%以上、メルトフローレート値MFR(ASTM-D-1238-65T,230℃、2.16kg荷重)が0.1〜20g/10分、好ましくは0.2〜15g/10分の範囲にあるオレフィン系プラスチック(b2)とを溶融混練することにより、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に含まれるオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造する方法であり、(b2)は、部分的に極限粘度[η](135℃のデカリン中で測定)が5dl/g以上の高分子量成分を、5質量%〜40質量%、好ましくは8〜35質量%含有するプロピレン単独重合体を一例として挙げることが出来る。
また(b2)は(b1)の結晶化時間と結晶化度に応じて、結晶化時間150秒以上、結晶化度50%未満のオレフィン系プラスチックを混合して使用することも出来るし、結晶化時間と結晶化度の適正範囲を損なわなければ、結晶性エチレン系重合体も使用できる。
オレフィン系熱可塑性エラストマー(D)100重量部に対してオレフィン系プラスチック(b2)は、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは2〜35重量部用いられる。
本発明の発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、有効網目鎖濃度νが、3.0×10-5(モル/cm3)〜2.0×10-4(モル/cm3)、好ましくは5.0×10-5(モル/cm3)〜1.8×10-4(モル/cm3)であることが、良好な発泡体外観と、発泡体の圧縮永久歪を改善するために望ましい。
有効網目鎖濃度νを制御する方法としては、例えば架橋剤の使用量を制御すること、エチレンとα-オレフィンに由来する構造単位のモル比(エチレン/α-オレフィン)を制御すること、およびエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを製造する際の非共役ポリエンの含有量を制御することにより行うことができる。架橋剤の使用量が多いほど、エチレンと非共役ポリエンの含有量が高いほど、有効網目鎖濃度νが高くなる傾向にある。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、測定温度170℃、歪量0.5%、角速度100rad/sで測定した貯蔵弾性率G’が10Pa〜10Pa、好ましくは3×10Pa〜9×10Paの範囲にある。10Pa以下の場合は押出成形時の形状保持が難しくなり、10Pa以上の場合は発泡しにくくなる。
貯蔵弾性率G’を制御する方法としては、例えばオレフィン系共重合体ゴムとして、極限粘度[η](135℃のデカリン中で測定)が3dl/g以上の高分子量共重合体ゴムとメルトフローレート値(ASTM-D-1238-65T,230℃、2.16kg荷重)が20以下のオレフィン系プラスチックの使用と、有効網目鎖密度の最適化と、必要に応じて軟化剤の混合で制御できる。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物において、オレフィン系共重合体ゴム(A)は、85モル%以下のエチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとからなる無定形ランダムの有機ペルオキシド架橋型共重合体ゴム、または85モル%以下のエチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンと非共役ポリエンとからなる無定形ランダムの有機ペルオキシド架橋型共重合体ゴムからなることが好ましく、オレフィン系プラスチック(B)は、炭素数3以上のα-オレフィンを主成分とする結晶性α-オレフィン系重合体、または炭素数3以上のα-オレフィンを主成分とする結晶性α-オレフィン系重合体と結晶性α-オレフィン系重合体より少量のエチレン含量85モル%以上の結晶性エチレン系重合体との混合物からなることが好ましい。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A’)40〜90重量部、好ましくは50〜85重量部、オレフィン系プラスチック(B)10〜60重量部、好ましくは15〜50重量部の割合で含有することが好ましい。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に使用されるオレフィン系共重合体ゴム(A)としては、エチレンと炭素原子数が3〜20のα-オレフィンとからなる無定形ランダムな弾性共重合体、またはエチレンと炭素原子数が3〜20のα-オレフィンと非共役ポリエンとからなる無定形ランダムな弾性共重合体であって、有機ペルオキシドと混合し、加熱下で混練することによって、架橋して流動性が低下するか、あるいは流動しなくなる有機ペルオキシド架橋型のオレフィン系共重合体ゴム(A’)が好ましく、当該組成物から得られる発泡体へのゴム弾性付与と圧縮永久歪の低減に重要な役目を担う。このようなオレフィン系共重合体ゴムとして、具体的には、以下のようなゴムが挙げられる。
エチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、ないしエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムであって、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムであることが好ましい。エチレンとα-オレフィンに由来する構造単位のモル比(エチレン/α-オレフィン)は55/45〜85/15、好ましくは60/40〜80/20の範囲にあるのが望ましい。
α-オレフィンとしては炭素原子数3〜20、好ましくは3〜10である。具体的なものとしてはプロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどがあげられる。これらの中ではプロピレン、1-ブテン、1-オクテンが好ましい。
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを製造する際の非共役ポリエンとしては、環状あるいは鎖状の非共役ポリエンが用いられる。環状非共役ポリエンとしては、たとえば5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデンなどが挙げられる。また、鎖状の非共役ポリエンとしては、たとえば1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン、4-エチリデン-1,7-ウンデカジエンなどが挙げられる。中でも5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネンが好ましく使用できる。これらの非共役ポリエンは、単独あるいは2種以上混合して用いられ、その共重合量は、ヨウ素価表示で3〜50、好ましくは5〜45、より好ましくは8〜40であることが望ましい。有効網目鎖濃度νの値を最適化し圧縮永久歪を改善するためには、ヨウ素価10よりも高い値であることが望ましい。
エチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、ないしエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムの135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した極限粘度[η]は、0.8〜6.0dl/g、好ましくは1.0〜5.0dl/g、より好ましくは1.1〜4.0dl/gの範囲にあるのが望ましい。
上記のような特性を有するエチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、ないしエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、「ポリマー製造プロセス((株)工業調査会発行)」、309〜330頁などに記載されている従来公知の方法により調製することができる。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に使用されるオレフィン系プラスチック(B)は、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(B’)であることが好ましい。このようなオレフィン系プラスチックとしては、炭素原子数が3〜20のα-オレフィンの含有量が50〜100モル%である単独重合体、あるいは共重合体を挙げることができるが、アイソタクチックポリプロピレンまたはプロピレン・α-オレフィン共重合体が好ましい。アイソタクチックポリプロピレンはホモ、ランダム、ブロックタイプのいずれでもよく、任意のメルトフローレートのものが使用できるが、結晶化時間の最適化を図るために、結晶化時間150秒以下、好ましくは140秒以下の範囲にあるオレフィン系プラスチックをオレフィン系プラスチック全量に対し5%以上、好ましくは10%以上含有することが望ましい。
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A’)と、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム以外のゴムを用いることもできる。このようなペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム以外のゴムとしては、たとえばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)等のジエン系ゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック以外の、有機ペルオキシド非架橋型ゴム状物質を含んでいてもよい。
この有機ペルオキシド非架橋型ゴム状物質は、有機ペルオキシドと混合し、加熱下で混練しても架橋せず、流動性が低下しない炭化水素系のゴム状物質であり、具体的には、ポリイソブチレン、ブチルゴム、プロピレン含量が70モル%以上のプロピレン・エチレン共重合体ゴム、プロピレン・1-ブテン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらの内では、プロピレン・エチレン共重合体ゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴムが性能および取扱い上好ましい。特にこれらはムーニー粘度[ML(1+4)100℃]が60以下であることが、組成物の流動性を改善する点で好ましい。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、オレフィン系共重合体ゴム(A)が架橋されていることが好ましく、有機ペルオキシドで架橋されていることが成形性、発泡性と実用的物性上更に好ましい。
有機ペルオキシドとしては、具体的には、ジクミル有機ペルオキシド、ジ-tert-ブチル有機ペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイル有機ペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイル有機ペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチル有機ペルオキシド、ラウロイル有機ペルオキシド、tert-ブチルクミル有機ペルオキシドなどが挙げられる。
これらの内では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、中でも、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
本発明においては、上記有機ペルオキシドによる部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'-ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4-ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
上記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分である有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(A’)、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(B’)との相溶性が良好であり、かつ、有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれた部分架橋熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
本発明においては、上記のような架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理物全体に対して、0.5〜5重量%、好ましくは0.6〜4重量%、より好ましくは0.7〜3重量%の割合で用いるのが好ましく、従来技術より多量配合することが望ましい。架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーの配合割合が上記範囲にあると、圧縮永久歪が小さく、成形性の良好な発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、オレフィン系共重合体ゴム(A)とオレフィン系プラスチック(B)との合計100重量部に対し0〜200重量部、好ましくは20〜180重量部の軟化剤(C)を含有することが、良好な成形性と、得られた発泡体の柔軟性付与の点で望ましい。
軟化剤(C)としては、たとえば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール油、密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその金属塩、ナフテン酸またはその金属石鹸、パイン油、ロジンまたはその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤、ジイソドデシルカーボネート等の炭酸エステル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。中でも石油系軟化剤と炭化水素系合成潤滑油が好ましい。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、
有機ペルオキシド架橋型オレフィン系ゴム(a)と有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(b1)との混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(D)と、
オレフィン系プラスチック(b2)とを溶融混練して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、
該オレフィン系プラスチック(b2)は、示差走査熱量計にて測定した結晶化時間が150秒以下、好ましくは140秒以下、結晶化度が50%以上、好ましくは55%以上であることが、良好な発泡体を得るために望ましい。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、
オレフィン系熱可塑性エラストマー(D)100重量部に対し、オレフィン系プラスチック(b2)を1〜40重量部、好ましくは1.5〜30重量部用いることが望ましい。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中の架橋されたオレフィン系共重合体ゴムは、20μm未満、好ましくは10μm未満平均直径を有する分散粒子の形態であることが、良好な成形性を得るために好ましい。20μm未満の平均直径を有する分散粒子の形態を得るには、オレフィン系共重合体ゴム(A)と、オレフィン系プラスチック(B)と、必要に応じて軟化剤(C)とを、有機ペルオキシドの存在下、(式1)で示される条件に従って動的に熱処理することで得られる。動的に熱処理するとは、上記のような各成分を融解状態で混練することをいう。動的な熱処理は、解放型のミキシングロール、非解放型のバンバリーミキサー、ニーダー、一軸または二軸押出機、連続ミキサーなどの混練装置を用いて行なわれるが、非開放型の混練装置中で行なうことが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。

5.5<2.2logX+logY-logZ+(T-180)÷100<6.5
・・・(式1)
式中、Tは押出機のダイス出口での樹脂温度(℃)であり、Xは押出機のスクリュー径(mm)であり、Yは押出機内で受ける最高せん断速度(sec-1)であり、Zは押出量(kg/h)である。
通常は、樹脂温度170℃〜270℃、混練時間1〜10分、せん断速度2000〜7000sec-1で、2軸押出機を用いて行うことが好ましい。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、発泡剤を用いて発泡させ、発泡体となる。発泡剤としては、無機系あるいは有機系の熱分解型発泡剤(化学発泡剤)、二酸化炭素、窒素、二酸化炭素と窒素の混合物を主成分とする不活性ガスを挙げることができる。
無機系の熱分解型発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機炭酸塩、亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩を挙げることができる。
有機系の熱分解型発泡剤としては、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレ-ト等のアゾ化合物;
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;
カルシウムアジド、4,4'-ジフェニルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。
二酸化炭素や窒素を使用する場合は、超臨界状態で発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中に混合することが、迅速・均一混合、気泡の微細化の面から好ましい。
発泡剤は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部の割合で用いられる。
また、均一微細な気泡構造を有する発泡体を得るには、発泡形成核剤の使用が望ましい。その添加量は、前記オレフィン系エラストマー組成物100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましく、0.02〜5重量部であることがより好ましい。
発泡形成核剤としては、亜鉛、カルシウム、鉛、鉄、バリウム等の金属化合物、ステアリン酸等の高級脂肪酸、及びその金属塩、タルク、硫酸バリウム、シリカ、ゼオライト、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒無機粒子、四フッ化エチレン系樹脂微粉末、シリコーンゴム粉末、
クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、シクロヘキサン1、2ジカルボン酸、ショウノウ酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ酸等の多価カルボン酸と、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムアルミニウム、炭酸水素カリウム等の無機炭酸化合物の混合物や、これらの反応により生じる中間体、例えばクエン酸ニ水素ナトリウム、シュウ酸カリウム等のポリカルボン酸の塩、
N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレ-ト等のアゾ化合物;
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;
カルシウムアジド、4,4'-ジフェニルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホニルアジド等のアジド化合物などの熱分解型発泡剤が挙げられる。
これらの中では、四フッ化エチレン系樹脂微粉末が特に好ましい。
多カルボン酸と炭酸水素塩の混合物(好ましくはクエン酸と炭酸水素ナトリウムの混合物、またはその反応中間体であるクエン酸ニナトリウム)、アゾジカルボンアミドを用いて、本発明の熱可塑性エラストマーを発泡させると、低密度、低圧縮歪みで、かつ、微細気泡構造を有する発泡体が得られるので特に好ましい。
これらの分解物化合物は、発泡押出時に分解する場合の他、予め、ペレット化等の工程で一部または全部が分解したものでも使用できる。発泡形成核剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、発泡核の形成、気泡の均一化などの働きをし、一般に使用することが望ましい。特に、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の押出温度付近で分解しガス化する化合物は、発泡セル径を細かく、且つ、均一に生成させる効果がある。
本発明においては、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中に、必要に応じて、公知の充填剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤、顔料、染料、結晶核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で、添加することができる。
上記充填剤としては、通常ゴムに使用される充填剤が適当であり、具体的には、カーボンブラック、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、けいそう土、雲母粉、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーン、グラファイト、アルミナなどが挙げられる。
これらの充填剤は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、0〜120重量部、好ましくは2〜100重量部の割合で用いられる。
また、本発明において必要に応じて用いられる公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤としては、フェノール系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系安定剤などが挙げられる。
また、本発明において必要に応じて用いられる公知の結晶核剤としては、ポリオレフィン樹脂に一般的に使用されているタルク、マイカ、シリカ、アルミナム、ブロム化ビフェニルエーテル、アルミニウムヒドロキシジp-tert-ブチルベンゾエート(TBBA)、ジベンジリデンソルビトール(DBS)、置換DBS、低級アルキルジベンジリデンソルビトール(PDTS)、有機リン酸塩、置換トリエチレングリコールテレフタレート、Terylene&Nylon繊維などが挙げられ、特に2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、PDTSが望ましい。
結晶核剤は結晶化時間や結晶化度を、最適範囲内に調整できる場合がある。結晶核剤は熱可塑性エラストマー組成物中のオレフィン系プラスチック100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部であることが望ましい。

〔オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の調整〕
本発明において前記各成分を混合および混練する際の好ましい方法としては、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)と、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(b1)と、必要に応じて鉱物油系軟化剤等とを予め混合し、均一に混練してペレット化した後、得られたペレットと、ジビニルベンゼン等に溶解させた有機ペルオキシドと、必要であれば、更に架橋助剤、酸化防止剤等とを、タンブラー型ブラベンダー、V型ブラベンダー、ヘンシェルミキサー等の公知の混練機で、好ましくは50℃以下の温度で均一に混合し、次に前記所定の条件下で動的に熱処理し、部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物を得る。
次いで、結晶化時間の最適化を図るために、有機ペルオキシドの架橋・分解反応を終了した後に、結晶化時間150秒以下、結晶化度50%以上のオレフィン系プラスチック(b2)を混合し、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を調整することが好ましい。勿論、結晶化時間の最適化が可能ならば、オレフィン系プラスチック(b2)は、動的に熱処理する際の有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(b1)と同一のものでも異なる種類のものでも良く、有機ペルオキシド非架橋型ゴム状物質、エチレン単独重合体やエチレンを主成分とする有機ペルオキシド架橋型オレフィン系プラスチックや有機ペルオキシド架橋型ゴム状物質を含有しても良い。

オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる本発明の発泡体の密度は700kg/m未満、好ましくは650kg/m未満、特に好ましくは600kg/m未満の範囲にあることが望ましい。この範囲の密度の発泡体は、柔軟性、クッション性、軽量性、断熱性等を十分に発揮でき、実用性が高い。発泡体密度の下限はその目的に応じて決定され、特に限定するものではないが、例えば100kg/m以上であると発泡体の製造が容易である。
また、発泡体の気泡径は、好ましくは300μm未満、より好ましくは200μm未満であることが、折り皺を少なくする観点から望ましい。気泡径の下限はその目的に応じて決定され、特に限定するものではないが、例えば50μm以上であると発泡体の製造が容易である。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる発泡体の圧縮永久歪は60%未満、好ましくは50%未満であることが望ましい。この範囲であると、自動車用ウエザーストリップ・スポンジを初めとし、隙間埋め材用発泡シート、建築用サッシシールスポンジ、管継ぎ手用シールスポンジ、プロテクトスポンジ、断熱スポンジチューブ等の殆どの密封材用途に加硫ゴムの代替として使用できる。
なお、発泡体の圧縮永久歪は図1に例示したように、断面の形状・大きさや、中空断面形状か充実断面形状かを問わず、長さ3cmの試験片を、最も平坦な面を基底面とし、2枚の平行で平滑に仕上げた研磨したステンレス鋼鈑から成る圧縮板に挟み、基底面に垂直な方向に50%圧縮し、70℃オーブン中に22時間保持後、オーブンから取りだし圧縮を開放し、平滑な台上に30分間静置後の値で示す。また断面形状により圧縮方向が規定されている場合は、規定の方向に圧縮し、前述の条件で測定して求める。なお図1の断面形状は極く一部の例であり、本発明はこの形状に限定されるものではない。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体の有効網目鎖濃度νは3.0×10-5(モル/cm)〜2.0×10-4(モル/cm)であることが望ましい。発泡体の有効網目鎖濃度νは、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の有効網目鎖濃度νと同様である。有効網目鎖濃度νの好ましい範囲、制御方法、測定方法は後述する。

〔オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体の調製〕
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体を調製するに際しては、上記のようにして得られたペレット状のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に、熱分解型化学発泡剤を使用する場合は、粉末または樹脂をバインダーとしペレット状にした発泡剤と、必要に応じ発泡形成核剤や湿潤剤を一旦タンブラー型ブラベンダー、V型ブラベンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混合するか、必要であれば開放型のミキシングロールや非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等で、発泡剤の分解温度以下で混練し、発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とする。
発泡剤として二酸化炭素や窒素を使用する場合は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に発泡形成核剤と湿潤剤を一旦タンブラー型ブラベンダー、V型ブラベンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混練した後、樹脂可塑化シリンダー内で、130〜300℃で溶融し、オレフィン系熱可塑性エラストマーと二酸化炭素や窒素が、相溶状態にある溶融オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を形成する。なお、樹脂可塑化シリンダー内でオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に、二酸化炭素や窒素を溶解する際は、二酸化炭素や窒素は超臨界状態にあることが、相容性と発泡体のセルの均一性の点から好ましい。
次に、上記のようにして得られた発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物から発泡体を調製する方法としては、特に制限はなく、押出成形、射出成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、インフレーション成形、スタンピングモールド成形、圧縮成形、ビーズ成形等、公知の樹脂加工方法に使用される成形機を適用することができる。
例えば、熱分解型化学発泡剤を用いて押出成形方法により発泡体を調製する方法としては、上述した発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を押出機に供給し、バレル内で組成物の融点と発泡剤の分解温度以上に加熱し、加圧しながら組成物中に発泡剤分解生成ガスを均一に分散さす。
次いで、発泡剤分解生成ガスが均一に分散された溶融発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、最適発泡温度に設定した押出機先端部に接続したダイへと移送し、ダイから大気中または水中に押出し急激に圧力を低下させて発泡させ、後続の冷却装置で冷却固化し、目的の発泡体を製造する。なお、押出時の熱可塑性エラストマー組成物の温度は140〜250℃の範囲が好ましい。
例えば、超臨界状態の二酸化炭素を発泡剤とし、押出成形方法により発泡体を調製する方法としては、上述した発泡形成核剤を含有したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を押出機で溶融し、二酸化炭素を臨界圧力(7.4MPa〜40MPa)の範囲内で、臨界温度(31℃)以上に昇温して、超臨界二酸化炭素としてから、押出機中の溶融したオレフィン系熱可塑性エラストマーに混合する。
次いで、超臨界二酸化炭素が混合された溶融オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、最適発泡温度に設定した押出機先端部に接続したダイへと移送し、ダイから大気中に押出し急激に圧力を低下させて、二酸化炭素をガス化し発泡させ、後続の冷却装置で冷却固化し、目的の発泡体を得る。なお、押出時の熱可塑性エラストマー組成物の温度は130〜250℃の範囲が好ましい。
また、プレス成形方法により発泡体を調製する方法としては、たとえば上述した化学発泡剤を混練した発泡性組成物のペレットをプレス成形機の加熱した金型内に挿入し、型圧をかけながら、もしくは型圧をかけることなく、組成物を溶融させた後、発泡せしめて発泡体を成形する方法がある。金型の温度は140〜250℃の範囲が好ましい。
射出成形方法により発泡体を調製する方法としては、たとえば上述した発泡性組成物を射出成形機で加熱溶融した後、ノズル先端部で発泡せしめるようして金型内に射出し、発泡体を成形する方法がある。射出時の樹脂温度は140〜250℃の範囲が好ましい。
上記のような本発明に係る製造方法により得られた発泡体は、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム部が架橋されているため、耐熱性、引張特性、柔軟性、耐候性、反発弾性等のゴム的性質が優れており、また加硫ゴムに較べ、リサイクルにも適している。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体の用途としては、ウェザーストリップスポンジ、ボディパネル、ステアリングホイール、サイドシールド等の自動車部品;
靴底、サンダル等の履物;
電線被覆、コネクター、キャッププラグ等の電気部品;
配水管密封材、地盤改良用シート、騒音防止壁等の土木資材;
ゴルフクラブグリップ、野球バットグリップ、水泳用フィン、水中眼鏡等のレジャー用品;
ガスケット、防水布、スポンジたわし、水切りシート、化粧用パフ等の雑品が挙げられる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例における発泡体の成形および基礎物性の評価は、以下の方法により行った。
(試験方法)
(1)押出発泡成形装置
図2の装置条件でチューブ状発泡体を押出成形した。
押出機:50mmφ単軸押出機[日本製鋼所(株)P50-32ABV]
シリンダー最高温度:220℃
ダイ温度:170℃
ダイ:図3に示した
二酸化炭素・窒素供給装置:AKICO社製
引き取り速度:15m/分
(2)基本物性
〔結晶化時間の測定方法〕
Perkin-Elmer社製DSC7示差走査熱量計(DSC)を使用して測定する。アルミニウム製のサンプルパンに5.0±0.2mg秤量したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物試料をシールし、窒素ガスの流入量を20ml/分に調整した窒素雰囲気下で試料を200℃で5分間保持して融解し、続いて320℃/分の降温速度で120℃まで冷却して保持する。この時の試料の結晶化による発熱量と時間の関係を測定し、総発熱量の1/2の発熱量に達するまでに要した時間を結晶化時間(秒)とする。
〔結晶化度の測定方法〕
Perkin-Elmer社製DSC7示差走査熱量計(DSC)を使用して測定する。アルミニウム製サンプルパンに5.0±0.2mg秤量したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物試料をシールし、窒素ガスが20ml/分流入する窒素雰囲気下で試料を200℃で10分間保持した後に、30℃まで10℃/分の速度で降温し1分間保持後、10℃/分の速度で再び200℃まで昇温する。この時の試料の吸熱ピーク面積から融解熱量を求め、この値とポリプロピレン結晶の融解熱量との比から結晶化度(百分率)を計算する。なお完全ポリプロピレン結晶の融解熱量は146.51J/gの値を用いる。
〔有効網目鎖濃度の測定〕
有効網目鎖濃度νは、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物試料80gを20cm×20cm×2mmのシートが得られる金型に入れ、50トンプレス成形機を使用し、190℃6分間予熱、5分間加圧後、30℃の冷却プレスで5分間加圧冷却し、プレスシートを得る。次いでこのシートから20mm×20mm×2mmの試験片を打ち抜き、JISK6258に準拠し、37℃のトルエン50cm中に72時間浸漬し膨潤させ、平衡膨潤を利用した下記Flory-Rehnerの式から求める。
Flory-Rehnerの式
有効網目鎖濃度ν(モル/cm
={VR+ln(1-VR)+μVR}/{-V0(VR1/3-VR/2)}
ここで、
VR:膨潤した熱可塑性エラストマー組成物中における純ゴムの容積分率
μ:ゴム-溶剤間の相互作用定数で0.49
V0:トルエンの分子容108.15cm
VRは次式により求める。
VR=Vr/(Vr+Vs)
ここで、Vr:試験片中の純ゴム容量(cm)、Vs:試験片に吸収された溶剤の容量(cm
なお、試験片中の純ゴム容量が不明の場合は、以下の方法で実測する。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物をプレス成形し、200μm〜300μmのフィルムを作製し、これを3mm〜5mm角の細片に切り、約5gを精秤後、抽出溶媒MEKを用い、抽出時間12時間以上でソックスレー抽出を行ない軟化剤を抽出する。次いで抽出残を100mlの熱キシレンに入れ、撹拌しながら3時間加熱後、熱いうちに精秤した325メッシュのステンレススチール製の金網を用いて濾過し、金網に残った濾過残の乾燥重量を架橋したゴム重量とする。抽出残中にフィラーが含まれている場合は、熱天秤TGAを用いて窒素雰囲気で850℃まで昇温後、雰囲気を空気に切り替え、19分間保持し減少重量を求めゴム重量とする。
一方、熱キシレン抽出液を室温に戻し5時間以上放置後、325メッシュのステンレススチール製の金網を用いて濾過し、濾液の溶媒を完全に蒸発させた後の重量を非架橋のゴム重量とし、架橋したゴム重量と非架橋のゴム重量を合算し、これをゴムの比重で除し、試験片中の純ゴム容量を求める。
〔貯蔵弾性率測定方法〕
動的粘弾性測定装置である歪制御式レオメーター{Rheometrics Scientific社製アレス粘弾性測定システム(拡張型)}により、直径25mmのパラレルプレートを用いて次の手順で測定した。まず1.5〜2.5mmの厚さに成形されたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物試料からパラレルプレートの直径と同じ直径25mmの円盤を打ち抜き、パラレルプレートの間に装着し、恒温槽を取り付け加熱窒素で170℃に昇温・保持しサンプルを充分に溶融させる。次いで初期荷重約20gmになるようにプレートの間隙を調整し、プレートからはみだした溶融樹脂があれば取り除く。
170℃、歪量0.5%で初期周波数0.01、最終周波数100rad/sまでのDynamic Frequency Sweep Testを実施し、周波数100rad/sでの貯蔵弾性率G’を装置で自動演算し求める。なおこの際、0.01から100rad/sの貯蔵弾性率G’の曲線を図示し、曲線に異常の無いことを確認する。参考までに貯蔵弾性率G’の曲線を図4に例示する。
〔発泡体密度の測定〕
発泡体密度はJIS K6268 A法、または種々のメーカーから発売されている自動比重計、例えばミラージュ貿易社製電子比重計MS-200Sで求めることが出来る。当実施例ではミラージュ貿易社製電子比重計MS-200Sを使用し求める。
〔圧縮永久歪の測定〕
圧縮永久歪の測定は、図3の押出ダイを使用し、押出成形したチューブ状発泡体から、長さ3cmの試験片3個を切り取り、試験片下部の平坦な面を基底面とし、2枚の平行で平滑に仕上げた研磨したステンレス鋼鈑から成る圧縮板に挟み、基底面に垂直な方向に50%圧縮し、70℃オーブン中に22時間保持後、オーブンから取りだし圧縮板から取り外し、平滑な台上に標準状態で30分間静置後、圧縮永久歪を次式で算出し、試験片3個の平均値で求める。
圧縮永久歪Cs=(t0-t2)÷(t0-t1)×100(%)
ここにt0:試験片中心部の元の厚さ(mm)
t1:t0×0.5(mm)
t2:試験片を圧縮板から取り外し、30分後の試験片中心部の厚さ(mm)
〔表面粗さの測定〕
触針式表面粗さ計サーフコム200B型(東京精密社製)を使用し、長さ50mmの発泡体表面の凹凸を数値化し、最高方10番目までの凸部分の総和(h1)から、最低から10番目までの凹部分の総和(h2)を差し引いた値(h1-h2)を10で除して求める。
〔100%引張応力の測定〕
100%引張応力の測定は、図3の押出ダイを使用し、押出成形したチューブ状発泡体の長手方向に沿って、JIS K6251に記載のダンベル状3号形試験片(平行部分が規定寸法に達すれば可とする)を4個打ち抜き、JIS K6251に記載の方法によって測定する。
〔気泡径の測定〕
発泡体の長手方向と垂直な断面を、高精細デジタルマイクロスコープVH-6300(キーエンス社製)で100倍に拡大し、代表的な気泡10個を選び、長さ測定格子で長径寸法を測定し、平均値で求める。
〔極限粘度の測定〕
135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した極限粘度[η]。
〔メルトフローレートMFRの測定〕
ASTM-D-1238-65Tの方法で、230℃、2.16kg荷重で測定する。
エチレン含量が68モル%、ヨウ素価22、極限粘度[η]が3.9dl/gであるエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(EPT-1とする)100重量部に、鉱物油系軟化剤(出光興産製ダイナプロセスオイルPW-380)75重量部をブレンドした油展EPT175重量部と、結晶化時間87秒、結晶化度66%、メルトフローレート(ASTM-D-1238-65T,230℃、2.16kg荷重)が2.0g/10分であるホモタイプのポリプロピレン(PP-1とする)40重量部を、予め密閉式混合機[神戸製鋼(株)ミクストロンBB16]で混合し、シーティングロールに通しシート状にした後、朋来鉄工社製ペレタイザーにより角ペレットを製造した。
次いで、得られたペレット215重量部、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン1.75重量部と架橋助剤ジビニルベンゼン1.75重量部の混合溶液3.5重量部、酸化防止剤テトラキス[メチレン-3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.2重量部をタンブラーブレンダーにより混合し、ペレット表面に均一に付着させた。
次いで、この架橋剤、架橋助剤と酸化防止剤が表面に付着したペレット218.7重量部と前述の鉱物油系軟化剤50重量部とを、2軸混合押出機(東芝機械(株)製TEM-50)を用いて、220℃で1時間当たり40kgの処理速度で混練・押出して動的な熱処理を行い、PP中に架橋EPTの分散粒子が均一に分散している部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物を得た。
次いで、得られた部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物268.7重量部に、極限粘度[η]が8.5dl/gの高分子量成分を12質量%含有し、結晶化時間75秒、結晶化度72%、メルトフローレートが3.0g/10分のホモタイプのポリプロピレン(PP-2とする)を20重量部と、前述の鉱物油系軟化剤35重量部とを、前述の2軸押出機を使用して、200℃で1時間当たり40kgの押出速度で混練・押出して、目的のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。
得られたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部当たり、発泡核剤としてハイドロセルロールCF(ベーリンガーインゲルハイムケミカル社製)0.1重量部をドライブレンドし、図2の押出発泡成形装置を使用し、押出樹脂温度170℃、押出速度20kg/時間、二酸化炭素供給圧力15MPa、二酸化炭素供給量をオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部当たり0.5重量部の条件で成形し、オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、PP-1の代わりにエチレン9質量%、結晶化時間170秒、結晶化度47%、メルトフローレートが0.5g/10分のブロックタイプのポリプロピレン(PP-3とする)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1のPP-1を40重量部の代わりに、PP-1を20重量部、PP-3を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1において、PP-2を40重量部の代わりにPP-2を20重量部とコモノマーとしてエチレンを4.5質量%共重合し、結晶化時間2735秒、結晶化度51%、メルトフローレートが0.5g/10分の、ランダムタイプのポリプロピレン(PP-4とする)を20重量部用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1のPP-1の代わりに、PP-2を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1において、EPT-1の替わりにエチレン含量が63モル%、ヨウ素価22、極限粘度[η]が3.5dl/gであるエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(EPT-2とする)100重量部に、鉱物油系軟化剤(出光興産製ダイナプロセスオイルPW-380)75重量部をブレンドした油展EPTを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例1において、PP-2と一緒に加える鉱物油系軟化剤35重量部を0重量部にした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例1において、PP-2を10重量部に減量した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例1において、二酸化炭素の代わり窒素を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例1において、二酸化炭素供給ラインを閉止し、二酸化炭素の代わり重曹系化学発泡剤(ポリスレンEE405D:永和化成工業社製)2.0重量部を、熱可塑性エラストマー組成物ペレットに付着させ、ポッパーから供給して用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例1において、発泡核剤として四フッ化エチレン系樹脂微粉末(三井・デュポンフロロケミカル(株)社製 テフロン(登録商標)PTFE 6−J)1重量部、ハイドロセルロールCF(ベーリンガーインゲルハイムケミカル社製)0.1重量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
実施例10において、発泡核剤として四フッ化エチレン系樹脂微粉末(三井・デュポンフロロケミカル(株)社製 テフロン(登録商標)PTFE 6−J)1重量部を用いた以外は、実施例10と同様に行った。結果を表3に示す。
〔比較例1〕
実施例1のPP-1をPP-4に変更した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、PP-1の代わりにコモノマーとしてエチレンを2.5質量%共重合し、結晶化時間380秒、結晶化度51%、メルトフローレートが0.5g/10分のランダムタイプのポリプロピレン(PP-5とする)を、PP-2の代わりにもPP-5を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
〔比較例3〕
実施例1において、PP-1の代わりにコモノマートしてエチレンを3.2質量%共重合し、メルトフローレートが30g/10分で、結晶化時間1520秒、結晶化度48%のランダムタイプのポリプロピレン(PP-6とする)を40重量部用い、PP-2を加えない以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
〔比較例4〕
実施例1において、PP-1の代わりにPP-6を用い、PP-2の代わりにメルトフローレートが23g/10分で、結晶化時間195秒、結晶化度49%のブロックタイプのポリプロピレン(PP-7とする)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
〔比較例5〕
実施例1において、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン1.75重量部と架橋助剤ジビニルベンゼン1.75重量部を用いず、EPT-1を架橋しない以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示す
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体は、前記した特定のオレフィン系エラストマーからなるので、発泡体の密度が低く、かつ圧縮永久歪が少なく、しかも破泡による肌荒れがなく、柔軟な感触で、しかも耐熱性、耐候性に優れている。さらに、前記特定のオレフィン系エラストマーを不活性ガスと特定の発泡形成核剤を用いて発泡させた場合、得られる発泡体は、上記性質に加えて微細な気泡構造を有するため、折れ皺が少ないという利点を持っている。
圧縮永久歪測定例を示す図(A〜Eは押出発泡成形体の断面形状の例矢印は圧縮方向。) 押出発泡成形装置 押出ダイ吐出部形状 貯蔵弾性率の測定図例
符号の説明
1… 二酸化炭素または窒素ボンベ
2… 二酸化炭素または窒素供給装置
3… 二酸化炭素または窒素供給ライン
4… 押出機
5… 熱可塑性エラストマー
6… 水噴射式冷却装置
7… 引き取り機
8… 発泡体

Claims (11)

  1. 有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)と示差走査熱量計DSCにて120℃で測定した時の結晶化時間が40〜300秒であり示差走査熱量計にて測定した結晶化度が40〜80%である有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(b1)との混合物を、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(D)100重量部と、
    示差走査熱量計DSCにて120℃で測定した時の結晶化時間が150秒以下であり、示差走査熱量計にて測定した結晶化度が50%以上であるオレフィン系プラスチック(b2)1〜40重量部と、
    を溶融混練して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、
    示差走査熱量計DSCにて120℃で測定した時の結晶化時間が40〜500秒の範囲にあり、示差走査熱量計にて測定した結晶化度が5〜25%であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 有効網目鎖濃度が3.0×10-5(モル/cm)〜2.0×10-4(モル/cm)である請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 貯蔵弾性率が10(Pa)〜10(Pa)である請求項1または2に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 前記有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)が、85モル%以下のエチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとの共重合体、または85モル%以下のエチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンと非共役ポリエンとの共重合体であり、
    前記オレフィン系プラスチック(b1)及び前記オレフィン系プラスチック(b2)が、炭素数3以上のα-オレフィンを主成分とする結晶性α-オレフィン系重合体、または炭素数3以上のα-オレフィンを主成分とする結晶性α-オレフィン系重合体とエチレン含量85モル%以上の結晶性エチレン系重合体との混合物である請求項1〜のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 前記有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)が、有機ペルオキシド架橋型のエチレンとプロピレンの共重合体、または有機ペルオキシド架橋型のエチレンとプロピレンと非共役ポリエンとの共重合体である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 前記オレフィン系プラスチック(b1)及び前記オレフィン系プラスチック(b2)が、有機ペルオキシド非架橋型のポリプロピレン系プラスチックであって、プロピレン単独重合体、またはプロピレン重合単位を50質量%以上含有するプロピレン・オレフィン共重合体、またはプロピレン単独重合体とプロピレン重合単位を50質量%以上含有するプロピレン・オレフィン共重合体との混合物、またはこれらのポリプロピレン系プラスチックとエチレン含量85モル%以上の結晶性エチレン系重合体との混合物である請求項1〜のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 前記有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム(a)40〜90重量部、前記オレフィン系プラスチック(b1)及び前記オレフィン系プラスチック(b2)の合計10〜60重量部(ここで、(a)と(b1)と(b2)との合計は100重量部)に対し、0〜200重量部の割合で軟化剤(C)を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を発泡してなる発泡体の密度が700kg/m未満の範囲にあり、かつ発泡体を50%圧縮し、70℃オーブン中に22時間保持後の圧縮永久歪が60%未満であるオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
  9. 無機または有機系の熱分解型化学発泡剤、二酸化炭素、窒素、またはこれらの混合ガスを主成分とするガスから選ばれる少なくとも1種の発泡剤を用いて発泡させることを特徴とする請求項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
  10. 発泡形成核剤として無機粉末、有機粉末や有機系と無機系の化学発泡剤を単独または混合して、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して0.01〜10重量部使用することを特徴とする請求項またはに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
  11. 自動車ウエザーストリップ、隙間埋め材、建築サッシシール、管継ぎ手シール、配管及び配線プロテクト、断熱材、緩衝材、履物、電気絶縁層、掃除用具、又は化粧用品に用いられることを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
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