JP5189841B2 - プロセスオイル組成物、それを含む油展エラストマ−、及びオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物 - Google Patents

プロセスオイル組成物、それを含む油展エラストマ−、及びオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物 Download PDF

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Description

本発明は、エラストマ−用プロセスオイル組成物、及びそれを含む油展エラストマ−、更にはその油展エラストマ−とポリプロピレン系樹脂からなるオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物に関し、より詳細には成形性、低温柔軟性、フォギング性に優れ、且つ、ベタつきのないオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物に関する。
オレフィン系熱可塑性エラストマ−は、省エネルギ、省資源タイプのエラストマ−として、自動車用ウエザ−ストリップ(窓枠、ドアグラスラン、水切り等)、自動車内装用シ−ト(ドアトリム材、天井材、インスルメントパネル材等)、バンパ−材、マッドガ−ド材、建築用各種シ−ル材などに広く使用されている。
オレフィン系熱可塑性エラストマ−については、例えば特公昭53−21021(特許文献1)、特公昭55−18448(特許文献2)、特公昭56−15741(特許文献3)、特公昭56−15742(特許文献4)、特公昭58−46138(特許文献5)、特公昭58−56575(特許文献6)、特公昭59−30376(特許文献7)、特公昭62−938(特許文献8)、特公昭62−5913(特許文献9)などに記載され、用途により、非架橋型又は架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマ−が使い分けられている。
オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物はエチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、及び/又は非共役ポリエンから成るエチレン系共重合エラストマ−をエラストマ−成分に用いたものがよく知られている。この組成物には加工を容易にし、且つ各種充填剤を容易に分散させ、あるいは硬さを低下せしめて柔軟性及び弾性を増す目的で、鉱油軟化剤を配合すること、鉱油軟化剤は粘度指数が80以上であるものが他の鉱油に比べ耐候性が優れ好ましいことが、例えば特開平2−60951(特許文献10)等で知られている。
ところがパラフィン系に属する粘度指数が80以上の鉱油は、流動点が高いため、オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物に使用した場合、その特長である低温柔軟性を損なう結果となったり、多量に配合すると、パラフィン系鉱油中に含まれるろう分の、オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物への相溶性が悪いため、ブリ−ドアウトし製品外観を損なったりしていた。
また低温柔軟性の悪化を防止する事を目的に、ナフテン系鉱油を使用すれば、鉱油中に含まれる硫黄分の影響で、オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物が日光暴露を受けた場合、短時間でゲル化し、チョ−キングや物性低下の問題が有った。
このようにオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物に鉱油系軟化剤を使用すると、耐候性、低温柔軟性、オイルのブリ−ドによるベタツキのいずれかの問題が生じていた。
一方、特開2001−049056(特許文献11)には、鉱油を配合する代わりに、数平均分子量が400〜2000、流動点が−25℃以下、粘度指数120以上の、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンから成る共重合液状合成軟化剤をオレフィン系熱可塑性エラストマ−に配合することが開示されているが、実際には、合成軟化剤のエチレン含量が高いと、オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物において樹脂の主成分であるポリプロピレンとの相溶性が低下して流動性が悪化して成形性が悪くなり、また、合成軟化剤のエチレン含量が低いとエチレン系共重合体エラストマ−との相溶性が低下して、特に高温下での使用においてオイルがブリ−ドアウトし、オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物にベタツキが生じやすいといった問題点があった。
特公昭53−21021号公報 特公昭55−18448号公報 特公昭56−15741号公報 特公昭56−15742号公報 特公昭58−46138号公報 特公昭58−56575号公報 特公昭59−30376号公報 特公昭62−938号公報 特公昭62−5913号公報 特開平2−60951号公報 特開2001−49056号公報
従って、本発明は、従来技術の問題点を解決し、耐候性と低温柔軟性を兼ね備え、流動性に優れ、且つ高温化での使用においてもベタツキを生じることのないオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物を提供することであり、また、その原料であって上記特性に寄与するエラストマ−用プロセスオイル組成物、及びそれを含む油展エラストマ−を提供することである。
本発明のエラストマ−用プロセスオイル組成物は、プロピレンホモポリマ−100重量部に対してエラストマ−用プロセスオイル組成物を20重量部ブレンドしたときのプロピレンホモポリマ−の融点が、ブレンドしないときに比べて2〜4.5℃低下する性質を有する。更には、精製鉱物油と、オレフィン系のモノマ−を重合することにより得られた合成油との混合物であることを特徴とし、精製鉱物油と合成油とが40/60〜80/20の割合で混合されていることが好ましい。また、本発明のエラストマ−用プロセスオイルに用いる精製鉱物油は、パラフィンを主成分とし、40℃における動粘度が400mm/s以下であること、200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.4重量%以下であること、更には、引火点が260℃から300℃であることが好ましい。一方、本発明のエラストマ−用プロセスオイルに用いる合成油は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンの共重合体であること、エチレン含量が50〜80モル%であること、数平均分子量が3000〜20000であること、更には、メタロセン触媒を用いて製造されることが好ましい。
また、本発明の油展エラストマ−は、エチレン系共重合エラストマ−に、上記のエラストマ−用プロセスオイルを配合してなる油展エラストマ−であって、エチレン系共重合エラストマ−はメタロセン触媒により製造されることが好ましい。
更に、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物は上記油展エラストマ−と、ポリプロピレン系樹脂からなるオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物であって、架橋剤の存在下で動的架橋法により製造されることが好ましい。動的架橋法とは、動的な熱処理を架橋剤の存在下で行うことであり、「動的に熱処理をする」とは、溶融状態で混練することをいう。
本発明のエラストマ−用プロセスオイルは、エチレン系エラストマ−及びポリプロピレン系樹脂の両成分に対して相溶性が良好であり、それを配合したオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物は、オイル成分のブリ−ドアウトによるベタツキがなく、更に、成形性、低温柔軟性、フォギング性に優れる。
本発明のエラストマ−用プロセスオイルは、プロピレンホモポリマ−100重量部に対してプロセスオイルを20重量部ブレンドしたときのプロピレンホモポリマ−の融点が、ブレンドしないときに比べて2〜4.5℃低下する性質を有する。更には、2.5℃〜4.5℃低下する性質を有することが好ましく、更には、3.0〜4.2℃低下することがより好ましい。エラストマ−用プロセスオイルが本性質を有することで、エチレン系エラストマ−及びポリプロピレン系樹脂との相溶性が良好となり、オイル成分のブリ−ドアウトによるベタツキが発生し難いオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物が得られる。
本発明のエラストマ−用プロセスオイルは、上記性質を満たせばどのような油でも使用することができるが、精製鉱物油と、オレフィン系のモノマ−を重合することにより得られた合成油との混合物であることが好ましい。精製鉱物油と合成油の好ましい混合比は、精製鉱物油/合成油=40/60〜80/20の範囲であり、より好ましくは55/45〜75/25の範囲である。上記範囲で混合することで、オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物においてエチレン系エラストマ−、及びポリプロピレン系樹脂とエラストマ−用プロセスオイルの相溶性がより良好となり、オイル成分のブリ−ドアウトによるベタツキが発生しないオレフィン系熱可塑性エラストマ−が得られる。
精製鉱物油
本発明に用いる精製鉱物油は、公知の精製鉱物油を使用することができる。その中でもパラフィンを主成分とし、40℃における動粘度が400mm/s以下、好ましくは300mm/s以下であることが、ポリプロピレン樹脂との相溶性の点から好ましい。また、本発明に用いる精製鉱物油は、200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.4重量%以下、好ましくは0.2重量%以下であることがフォギング特性の点から特に好ましい。このような精製鉱物油の引火点は、通常、240℃から300℃にある。このような精製鉱物油の一例は、特開2000−302919に開示されている。パラフィン基系原油の常圧蒸留操作によって得られた残油を常套の減圧蒸留操作を行って流出油を得、溶剤抽出または水素化処理によって脱ろうした後、水素化仕上げを行い、更に減圧蒸留によって軽質留分を除去して得ることが好ましい。
合成油
本発明に用いられる合成油は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンの共重合体であることが好ましく、必要に応じて少量のポリエンを含有しても構わない。用いるα−オレフィンは、1種類でもよく、2種類以上でも構わない。それらの共重合体の中でも、エチレン・プロピレン共重合体が特に好ましい。また、本発明に用いられる合成油のエチレン含量は、50〜80モル%の範囲が好ましく、60〜75モル%の範囲がより好ましく、65〜75モル%の範囲にあることが特に好ましい。
また、合成油の数平均分子量は、ポリスチレン換算で3000〜20000の範囲にあることが好ましく、4500〜10000にあることが特に好ましい。エチレン含量と分子量ががこのような範囲にあることにより、エチレン系ゴムとの相溶性が良好となり、オイル成分のブリ−ドアウトによるベタツキが発生し難いオレフィン系熱可塑性エラストマ−が得られる。本発明で用いられる合成油は、公知のどのような方法で製造されても構わないが、特に、メタロセン触媒を用いて製造することが好ましい。メタロセン触媒で製造することにより分子量分布が狭い合成油が得られ易く、フォギング特性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマ−が得られる。
油展エラストマ−
本発明のエラストマ−用プロセスオイルは、エチレン系共重合エラストマ−に配合するのが好適である。本発明で好ましく用いられるエチレン系共重合体エラストマ−は、エチレンと炭素原子数が3〜20のα−オレフィンからなる無定型ランダムな弾性共重合体エラストマ−、或いはエチレンと炭素原子数が3〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンとからなる無定形ランダムな弾性共重合体エラストマ−である。
このようなエチレン系共重合体のエチレンとα−オレフィンのモル比は通常55/45〜85/15であり、その中でも60/40〜80/20の範囲にある物が好ましい。
非共役ポリエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンなどが挙げられる。これらのうちでは、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体エラストマ−、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体エラストマ−が好ましく、特にエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体エラストマ−、中でもエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体エラストマ−、エチレン・プロピレン・ビニルノルボルネン共重合体エラストマ−が、適度な架橋構造を有するエラストマ−が得られる点で特に好ましい。
本発明で用いられるエチレン系共重合体エラストマ−のム−ニ−粘度[ML1+4 (100℃)]は、50〜300、好ましくは100〜200の範囲内にあることが好ましい。
また、このエチレン系共重合体エラストマ−のヨウ素価は、3〜30であることが好ましく、5〜25の範囲にあることが特に好ましい。エチレン系共重合体エラストマ−のヨウ素価がこのような範囲にあると、バランスよく架橋され、成形性とゴム弾性に優れたエラストマ−組成物が得られる。
本プロセスオイルの油展量は、エチレン系共重合体エラストマ−100重量部に対して、100重量部以下、好ましくは80重量部以下、さらに好ましくは65重量部以下である。
このエチレン系共重合体エラストマ−は、既存の触媒により製造される。例えば、メタロセン触媒によるエチレン系エラストマ−の製造法が特開平09−12790に開示されている。この油展エラストマ−に、公知の配合物、即ち、カ−ボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、クレ−、シリカなどのフィラ−、硫黄、有機化酸化物などの架橋剤、及び各種架橋促進剤や添加剤などを配合し、架橋(加硫)エラストマ−として使用することができる。この架橋(加硫)エラストマ−は、本発明のプロセスオイルを使用することで、オイルのブリ−ドアウトが起こり難い。
オレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ−は、上記油展エラストマ−とポリプロピレン系樹脂を含み、非架橋であっても、架橋しても構わないが、ゴム弾性、耐熱性の点で架橋されていることが好ましい。架橋を行なう場合は公知の動的架橋法により製造されることが好ましい。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ−の原料となるポリプロピレン系樹脂は、1種または2種以上のモノオレフィンを重合して得られるの高分子量固体生成物からなる。このような樹脂としては、たとえばアイソタクチック、およびシンジオタクチックのモノオレフィン重合体樹脂が挙げられる。これらの代表的な樹脂は商業的に入手できる。
上記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体、或いはプロピレンを主成分とした他のα−オレフィンとの共重合体である。使用できるα−オレフィンは、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、2種以上混合して用いることもできる。
重合様式はランダム型でもブロック型でも、樹脂状物が得られればどのような重合様式を採用しても差支えない。これらのポリプロピレン系樹脂は、単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらのポリプロピレン系樹脂の中でも、具体的には、プロピレンホモポリマ−、プロピレン・エチレンブロックコポリマ−、プロピレン・エチレン、または、プロピレン・エチレン・ブテンランダムコポリマ−などが特に好ましい。
また、重合形態はアイソタクティック、シンジオタクティックのどちらでも構わないが、特にアイソタクティックの方が、耐熱性の点で優れる。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂は、MFR(ASTM D 1238−65T、230℃)が通常0.01〜100g/10分、特に0.05〜50g/10分の範囲にあることが好ましい。
上記ポリプロピレン系樹脂は、組成物の流動性および耐熱性を向上させる役割を持っている。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂および油展エラストマ−の合計量100重量部に対して、好ましくは10重量部以上80重量部未満、より好ましくは15〜60重量部の割合で用いられる。
上記のような割合でポリプロピレン系樹脂を用いると、耐熱性、柔軟性、ゴム弾性に優れるとともに、成形加工に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物が得られる。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ−においては、本発明の目的を損なわない範囲で、油展エラストマ−の他に、油展エラストマ−以外のエラストマ−と油展エラストマ−とを組み合わせて用いることもできる。このようなエチレン系共重合体エラストマ−以外のエラストマ−としては、たとえば、油展されていない上記エチレン系エラストマ−、プロピレン含量が55モル%以上のプロピレン・エチレン共重合ゴム、スチレン・ブタジエンゴムおよびその水添品、スチレン・イソプレンゴム及びその水添品、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリイシブチレンゴム、天然ゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマ−には、ポリプロピレン系樹脂及び油展エラストマ−に加えて、軟化剤および/または無機充填剤をブレンドすることができる。
軟化剤は、油展エラストマ−とポリプロピレン系樹脂を溶融混練する際に添加することが好ましい。軟化剤は、先に述べた精製鉱物油、合成油、それらの混合物を使用することが出来、その他にも、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
具体的には、上述した以外のプロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物質;
コ−ルタ−ル、コ−ルタ−ルピッチ等のコ−ルタ−ル類;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油;
ト−ル油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノ−ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその金属塩;
石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレ−ト、ジオクチルアジペ−ト、ジオクチルセバケ−ト等のエステル系
可塑剤;
その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコ−ル;など
が挙げられる。
軟化剤の量は、油展するエラストマ−用プロセスオイルとの合計量として、ポリプロピレン系樹脂及びエチレン系共重合体エラストマ−の合計量100重量部に対し、100重量部以下、好ましくは3〜80重量部、さらに好ましくは5〜50重量部の割合で用いられる。軟化剤を上記のような割合で用いると、得られる熱可塑性エラストマ−組成物は成形時の流動性に優れ、その成形体の機械的物性を低下させることはない。本発明において、軟化剤の使用量が100重量部を超えると、得られる熱可塑性エラストマ−組成物の耐熱性が低下する傾向にある。
また、本発明で用いられる無機充填剤としては、具体的には、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレ−、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、シラスバル−ン、塩基性硫酸マグネシウムウィスカ−、チタン酸カルシウムウィスカ−、ほう酸アルミニウムウィスカ−などが挙げられる。
本発明においては、無機充填剤は、ポリプロピレン系樹脂及びエチレン系共重合体エラストマ−の合計量100重量部に対して、100重量部以下、好ましくは2〜30重量部の割合で用いられる。本発明において、無機充填剤の使用量が100重量部を超えると、得られる耐熱性熱可塑性エラストマ−組成物のゴム弾性、成形加工性は低下する傾向にある。
さらに、本発明においては、オレフィン系熱可塑性エラストマ−中に、従来公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、結晶核剤、及び、高級脂肪酸アミド、金属セッケン、ワックス、シリコ−ンオイル等の滑剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物は、上述したポリプロピレン系樹脂とエチレン系共重合体エラストマ−と、必要に応じて配合される軟化剤および/または無機充填剤等とを混合した後、動的に熱処理することによって得られる。ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう。また、動的な熱処理を架橋剤の存在下で行うことによって、架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物を得ることが出来る。動的な熱処理を架橋剤の存在下で行うこと動的架橋法という。架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマ−を用いることにより、耐熱性、ゴム弾性が向上する。
その際の用いられる架橋剤は、有機過酸化物、フェノ−ル樹脂、硫黄、ヒドロシリコ−ン系化合物、アミノ樹脂、キノンまたはその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネ−ト等、熱硬化型エラストマ−で一般に使用される架橋剤が挙げられる。これら架橋剤の中でも有機過酸化物が特に好ましい。
本発明で用いられる有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、N−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレ−ト、ベンゾイルペルオキシド、P−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエ−ト、tert−ブチルペルベンゾエ−ト、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカ−ボネ−ト、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
これらの内では、反応性、臭気性、スコ−チ安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等の2官能の有機過酸化物が特に好ましい。更にそのなかでも、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンが最も好ましい。
このような有機過酸化物は、被処理物全体100重量部に対して、0.02〜3重量部、好ましくは0.05〜1重量部となるような量で用いられる。有機過酸化物の配合量が上記範囲よりも少ないと、得られる熱可塑性エラストマ−組成物は、架橋度が低いため、耐熱性、引張特性、ゴム弾性が十分でない。また、この配合量が上記範囲よりも多いと、得られる熱可塑性エラストマ−組成物は、架橋度が高くなり過ぎて成形性の低下をもたらす場合がある。
本発明においては、上記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄、P−キノンジオキシム、P,P'−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロ−ルプロパン−N,N'−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレ−ト、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−ト、アリルメタクリレ−トのような多官能性メタクリレ−トモノマ−、ビニルブチラ−ト、
ビニルステアレ−トのような多官能性ビニルモノマ−を配合することができる。
上記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分である結晶性ポリオレフィン樹脂およびエチレン系共重合体エラストマ−との相溶性が良好であり、かつ、有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれた熱可塑性エラストマ−組成物が得られる。
上記のような架橋助剤あるいは多官能性ビニルモノマ−などの化合物は、上記被処理物全体100重量部に対して、通常5重量部以下、好ましくは0.3〜3重量部となるような量で用いられる。
また、有機過酸化物の分解を促進するために、トリエチルアミン、トリブチルアミン、2,4,6−トリ(ジメチルアミノ)フェノ−ル等の三級アミンや、アルミニウム、コバルト、バナジウム、銅、カルシウム、ジルコニウム、マンガン、マグネシウム、鉛、水銀等のナフテン酸塩などの分解促進剤を用いてもよい。
本発明における動的な熱処理は、非開放型の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。熱処理の温度は、結晶性ポリオレフィン樹脂の融点から300℃の範囲であり、通常150〜290℃、好ましくは170℃〜270℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは1〜10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度で10〜10,000sec−1、好ましくは100〜5,000sec−1の範囲である。
混練装置としては、ミキシングロ−ル、インテンシブミキサ−(たとえばバンバリ−ミキサ−、ニ−ダ−)、一軸または二軸押出機等を用いることができるが、非開放型の装置が好ましく、その中でも二軸押出機が特に好ましい。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ−は、上記のような動的熱処理の後に熱風中で静的に熱処理されることが望ましい。熱処理は80〜130℃で1〜10時間程度行われることが好ましい。この熱処理によって、架橋剤の残査などを除去することができ、得られた製品の臭気を低減する、或いはフォギング性の良好な製品を得ることが出来る。
また、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ−には必要に応じて発泡剤を添加し、発泡体を製造することができる。本発明で必要に応じ使用される発泡剤としては、重炭酸ナトリウムや炭酸ナトリウム等の無機系発泡剤、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンやN,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、アゾジカルボンアミドやアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゼンスルフォニルヒドラジドやP,P’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)等のヒドラジド化合物、カルシウムアジドや4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド等のアジド化合物などの有機発泡剤、炭酸ガス、チッソガス、ブタンガスなどのガスが挙げられる。発泡剤の使用量は、求める発泡体の比重により決定されるが、エチレン・α−オレフィン及び/又は非共役ポリエン共重合エラストマ−100重量部に対して0.2〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部の範囲で使用される。
本発明の優れた効果を実施例にて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
特開平2000−302919と同様に、水素化精製したパラフィン系鉱油から減圧蒸留操作により軽質留分を10重量%除去し、精製鉱物油(1)を得た。40℃における動粘度は99mm/s、引火点は275℃であった。また、10gの試料を200℃、常圧、1時間加熱した時の蒸発減量は0.14重量%であった。
合成油(1)として、三井化学(株)ル−カント(商標)HC−3000X(エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン含量73モル%、数平均分子量7500(ポリスチレン換算、以下同じ))を用い、精製鉱物油(1)/合成油(1)が6/4の割合になるように充分攪拌混合し、プロセス油(1)を得た。プロセス油(1)20重量部とプロピレンホモポリマー(1)(MFR(230℃、2.16kg荷重)10g/10分)100重量部を小型バッチミキサーを用いて200℃で溶融混練し、油展ポリプロピレンを得た。DSCによりその融点を測定したところ、157.8℃であった。また、油展しない状態で同じプロピレンホモポリマー(1)の融点を同様に測定したところ、161.8℃で、油展品との差は4.0℃であった。尚、DSC(示差走査熱量計)で測定した際の昇温速度は10℃/1分で、測定開始温度20℃から測定終了温度が200℃までの第2回目の昇温時の融点を測定した。
油展ポリプロピレンと油展しないホモポリプロピレンの融点の差結果を表に示す。
エチレン系エラストマ−(1)として、メタロセン触媒として、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−エチル−4−イソプロピル−7−メチル−インデニル)}ジルコニウムジクロリドを用い、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネンランダム共重合体を重合した。エチレン含量は74モル%、ム−ニ−粘度はML1+4(100℃)150、ヨウ素価は13であった。
次いで、バンバリ−ミキサ−を用いてエチレン系エラストマ−(1)100重量部とプロセス油(1)40重量部を充分混練したのちペレット化して、油展エラストマ−(1)を得た。油展エラストマ−(1)のペレット55重量部とプロピレンホモポリマ−(1)のペレット45重量部、架橋剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(POX)0.2重量部、架橋助剤としてジビニルベンゼン(DVB)0.3重量部をヘンシェルミキサ−で充分撹拌混合し、バレル温度を160℃から230℃に設定した2軸押出機に定量的にフィ−ドして動的架橋を行い、ペレット化した後、オ−ブン中110℃で3時間熱処理することにより、架橋剤の残渣を除去してオレフィン系熱可塑性エラストマ−のペレット(1)を得た。100tの射出成形機により得られた熱可塑性エラストマ−(1)を射出成形することにより、150x120x3mmの角板を成形し、成形外観を評価した。また、同様にアイゾット衝撃試験(ASTM D256)のノッチつき試験片を成形し、−30℃で衝撃試験を行った。フォギング性はDIN75201に従って、ペレット10g、100℃x5時間で試験しガラスの霞度(%)を測定した。また、得られた射出成形角板を80℃のエアオ−ブンに500時間入れ、取り出した直後のベタツキを評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、精製鉱物油(1)/合成油(1)が7/3の割合になるように充分攪拌混合し、プロセス油(2)を得た。そして、実施例1と同様の方法により、油展ポリプロピレンと油展しないホモポリプロピレンを得て、それぞれの融点をDSCにより測定した。結果を表に示す。
次いでバンバリ−ミキサ−を用いてエチレン系エラストマ−(1)100重量部とプロセス油(1)80重量部を充分混練したのちペレット化して、油展エラストマ−(2)を得た。油展エラストマ−(2)のペレット80重量部とプロピレンホモポリマ−(1)のペレット20重量部、架橋剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(POX)0.4重量部、架橋助剤としてジビニルベンゼン(DVB)0.4重量部をヘンシェルミキサ−で充分撹拌混合し、実施例1と同様にオレフィン系熱可塑性エラストマ−のペレット(2)を得た。更に実施例1と同様に成形外観、アイゾット衝撃強度、フォギング性、ベタツキを評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例2において、合成油(1)を使用せず、精製鉱物油(1)のみをエチレン系エラストマ−の油展に使用した以外は実施例2と同様に行った。
[比較例2]
実施例2において、精製鉱物油(1)を使用せず、合成油(1)のみをエチレン系エラストマ−の油展に使用した以外は実施例2と同様に行った。
[比較例3]
精製鉱物油(2)および非晶質重合体(1)を充分撹拌混合し、プロセス油を得た(混合比は表に示す)。そして、実施例2と同様の方法により、油展ポリプロピレンと油展しないホモポリプロピレンを得て、それぞれの融点をDSCにより測定した。結果を表に示す。
次いで、バンバリ−ミキサ−を用いてエチレン系エラストマ−(1)100重量部と精製鉱物油(2)(出光興産株式会社製、品名「PW−380」)25重量部、非晶質重合体(1)(プロピレン・1−ブテン非晶質共重合体:プロピレン含量73モル%、密度0.87g/cm、溶融粘度6000cPs(190℃)、MN5800)15重量部を充分混練したのちペレット化して、油展エラストマ−(3)を得た。油展エラストマ−(3)のペレット55重量部とプロピレンホモポリマ−(1)のペレット45重量部、架橋剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(POX)0.2重量部、架橋助剤としてジビニルベンゼン(DVB)0.3重量部を用い、実施例1と同様にしてオレフィン系熱可塑性エラストマ−のペレット(5)を得た。実施例1と同様に射出成形し、成形外観、耐衝撃性、フォギング性、ベタツキを評価した。結果を表1に示す。
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ−組成物は、自動車用ウエザ−ストリップ(窓枠、ドアグラスラン、水切り等)、自動車内装部品(ドアトリム材、天井材、インスルメントパネル材、各種グリップ、レバ−類等)、バンパ−材、マッドガ−ド材、ダストカバ−材、建築用各種シ−ル材、日用品などに広く利用できる。
Figure 0005189841

Claims (10)

  1. パラフィンを主成分とし、40℃における動粘度が400mm 2 /s以下である精製鉱物油と、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンの共重合体である合成油とを、40/60〜80/20の割合で混合して得られるエラストマー用プロセスオイル組成物であり、
    230℃、2.16kg荷重で測定したMFRが10g/10分のプロピレンホモポリマー100重量部に対してエラストマー用プロセスオイル組成物を20重量部ブレンドしたときの上記プロピレンホモポリマーの、昇温速度10℃/1分、測定開始温度20℃から測定終了温度が200℃までの測定条件で、第2回目の昇温時に測定した際の示差走査熱量計で測定した融点が、ブレンドしないときに比べて2〜4.5℃低下することを特徴とするエラストマー用プロセスオイル組成物。
  2. 精製鉱物油が、200℃、常圧、1時間での蒸発減量が0.4重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のエラストマー用プロセスオイル組成物。
  3. 精製鉱物油の引火点が240℃から300℃であることを特徴とする請求項1または2に記載のエラストマー用プロセスオイル組成物。
  4. 合成油のエチレン含量が50〜80モル%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエラストマー用プロセスオイル組成物。
  5. 合成油の数平均分子量が、3000〜20000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエラストマー用プロセスオイル組成物。
  6. 合成油が、メタロセン触媒を用いて製造されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエラストマー用プロセスオイル組成物。
  7. エチレン系共重合エラストマーに、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエラストマー用プロセスオイル組成物を配合してなる油展エラストマー。
  8. エチレン系共重合エラストマーがメタロセン触媒により製造されることを特徴とする、請求項7に記載の油展エラストマー。
  9. 請求項7または8に記載の油展エラストマーと、ポリプロピレン系樹脂からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  10. 架橋剤の存在下で動的架橋法により製造されることを特徴とする請求項9に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
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