JP5189245B2 - 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体に関する。
従来、一般的に、自動車部品あるいは電気・電子部品、建築部品として、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合体(EPDM)のゴム配合物からなる押出し加硫成形品が、低硬度かつゴム弾性が要求される部品において用いられてきた。
他方、いろいろな用途でのシール用材料として、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元共重合体(EPDM)を使用した加硫ゴムに代わって、生産性、環境対応性および軽量化の見地から、加硫工程が不要な熱可塑性エラストマー(組成物)が使用され始めている。
熱可塑性エラストマーの組成に関する技術としては、エチレン・プロピレン(・非共役ジエン)共重合体と結晶性ポリオレフィンを動的架橋するものが公知の技術である。一般に従来の熱可塑性エラストマーでは、押出成形時に目やにがダイスに付着して成形品外観を悪化させる問題がある。その目やにを改善するため、動的架橋時に添加する架橋剤の添加量を減少することにより、目やには減少し、成形性は向上する。しかしながらゴム弾性が急激に悪化する問題があった。
その改良として、特開2001−123027(特許文献1)のように、動的架橋を行う押出し機において、途中のバレルから樹脂をサイドフィードし、目やに等押し出し特性を改良する方法が提案されている。しかしこのような方法では、樹脂のサイドフィードする場所や混練が難しい。また、途中樹脂を添加するため、硬度の上昇が見られるなど物性の悪化が懸念される。
特開2001−123027号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、従来の熱可塑性エラストマーと同様のゴム弾性を維持したまま、優れた押出成形性が得られ、熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体を提供することを目的としている。
本発明の熱可塑性エラストマーは、ポリブテン−1樹脂(A)および/またはブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)1〜60重量部と、ポリプロピレン樹脂(ただし、シンジオタクティックポリプロピレン樹脂を除く)(C)0〜60重量部と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び1種類の非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)90〜40重量部[(A)及び(B)、(C)、(D)の合計は100重量部である。]であり、前記ブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)を含むときには、前記ブテン−1・α―オレフィンランダム共重合体(B)のブテン−1含有量が50重量%以上で、好ましくは、α-オレフィンがプロピレンである組成物を動的架橋してなる熱可塑性エラストマー組成物であり、その成形体であることを特徴とするものである。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物は、成形品の外観や押出成形性に優れているので、容易に目的とする成形品に成形することができる。成形品としては、自動車部品、工業機械部品、電気電子部品、土木建築部品、医療部品などの用途に供され、柔軟性、機械的強度、形状回復性、反撥弾性、高温機械物性などが要求されるものがあげられる。
熱可塑性エラストマーとは、ゴムと類似の物理的性質、たとえば柔軟性や反発弾性を有し、通常のゴムと対照的に熱可塑性プラスチックとして加工できるものであり、このような説明は、たとえば高分子大辞典(丸善株式会社、1994年刊)においてなされている。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物について説明する。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物としては、ポリブテン−1樹脂(A)および/またはブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)と、ポリプロピレン樹脂(ただし、シンジオタクティックポリプロピレン樹脂を除く)(C)〔以下単に「ポリプロピレン樹脂(C)」と称する。〕と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び1種類の非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)を成分とするものである。
ポリブテン−1樹脂(A)
本発明で用いられるポリブテン−1樹脂(A)としては、(1)、(2)および(3)のような(共)重合体が好ましく用いられる。
即ち、(1)ブテン−1単独重合体、(2)ブテンー1と10モル%以下の他のオレフィンとのランダム共重合体、(3)ブテン−1と30モル%以下の他のα−オレフィンとのブロック共重合体であり、上記のα−オレフィンとしては具体的に、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。その中でも、ブテン−1の単独重合体あるいはブテン−1とエチレンまたはプロピレンとのランダム共重合体が好ましい。ポリブテン−1樹脂は、1種類でも構わないし、2種類以上用いても構わない。ポリブテン−1樹脂のMFR(メルトフローレート;230℃、2.16kgf)は、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分の範囲のものが好ましい。
ブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)
本発明で用いられるブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)としては、公知の重合技術で得られるものであり、ブテン−1の割合としては50重量%以上であり、かつα−オレフィンは10モル%を越え、α−オレフィンとしては具体的に、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。その中でも、ブテン−1とプロピレンとのランダム共重合体が好ましい。ブテン−1とα−オレフィン共重合体は、1種類でも構わないし、2種類以上用いても構わない。ブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体のMFR(メルトフローレート;230℃、2.16kgf)は、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分の範囲のものが好ましい。
上記ポリブテン−1樹脂(A)および/またはブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)の配合量としては、ポリプロピレン樹脂(C)0〜60重量部、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)90〜40重量部に対して、1〜60重量部である。また、ポリブテン−1樹脂(A)とブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)は併用しても良く、その時のポリブテン−1(A)/ブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)の割合としては、0〜100/100〜0である。
ポリプロピレン樹脂(C)
本発明に係るポリプロピレン樹脂(C)としては、公知のポリプロピレン樹脂であり、具体的な例としては、以下のような(共)重合体が挙げられる。
(1)プロピレン単独重合体
(2)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体
(3)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィンとのブロック共重合体、
上記のα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。その中でも、プロピレン単独重合体あるいはプロピレンを主成分としたプロピレンとエチレンとの共重合体が特に好ましい。
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・1種類の非共役ポリエン共重合体ゴム(D)は、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび1種類の非共役ポリエンからなるゴムである。
炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチルデセン-1、11- メチルドデセン-1、12- エチルテトラデセン-1などが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。とりわけプロピレンが好ましい。
これらのα- オレフィンは、単独で、または2種以上組合わせて用いられる。
また、非共役ポリエンとしては、具体的には、
1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2- ノルボルネン、6-クロロメチル-5- イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2- ノルボルネン、5-イソブテニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;
2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-プロペニル-2,2- ノルボルナジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエン等のトリエン
などが挙げられ、中でも、5-エチリデン-2- ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネン、シクロペンタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ナノジエンが好ましい。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)は、エチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)が50モル%以上、通常50〜90モル%、好ましくは60〜85モル%であり、炭素原子数3〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位含量(α- オレフィン含量)が50モル%以下、通常50〜10モル%、好ましくは40〜15モル%であり、非共役ポリエン含量がヨウ素価で通常0.1〜30、好ましくは0.1〜25である。ただし、エチレン含量とα- オレフィン含量の合計は100モル%とする。なお、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)の組成は、13C−NMRによる測定で求められる。
また、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は、通常10〜250、好ましくは30〜150である。
上記のようなエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)は、従来公知の方法により製造することができる。
また、本発明のエチレンとα- オレフィンと必要に応じて非共役ポリエンとの共重合体ゴムとしては、エチレンと炭素原子数3〜20、好ましくは3〜12、さらに好ましくは3〜8のα- オレフィンとを共重合したエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムを用いることもできる。
このようなエチレン・α- オレフィン共重合体としては、具体的には、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン・1-ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン・1-オクテン共重合体ゴム(EOR)などを挙げることができる。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)は、その製造の際に軟化剤好ましくは鉱物油系軟化剤を配合した、いわゆる油展ゴムであってもよい。鉱物油系軟化剤としては、従来公知の鉱物油系軟化剤たとえばパラフィン系プロセスオイルなどが挙げられる。軟化剤の含有量としては、(D)成分と軟化剤の合計量100重量部に対し、1〜49重量部、好ましくは5〜45重量部である。
また、必要に応じてエチレン・α- オレフィン共重合体ゴムをブレンドしても構わない。
上記のようなゴム成分の配合量は、ポリブテン−1樹脂(A)および/またはブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)1〜60重量部、ポリプロピレン樹脂(C)0〜60重量部に対して90〜40重量部である。
本発明に係る組成物を動的架橋する架橋剤としては、例えば有機過酸化物、イオウ、イオウ化合物、フェノール樹脂等のフェノール系加硫剤などが挙げられるが、中でも有機過酸化物が好ましく用いられる。
有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
中でも、臭気性、スコーチ安定性の点で2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンおよびn-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、中でも1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
本発明においては、前記有機過酸化物による架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N,4- ジニトロソアニリン、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミド等の架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エレチングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラートまたはビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーを配合することができる。このような化合物により、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においてはジビニルベンゼンを用いると、取扱い易さ、前記被処理物の主成分たるポリブテン−1樹脂(A)、ブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)、ポリプロピレン樹脂(C)、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)への相溶性が良好であり、かつ有機ペルオキシド可溶化作用を有し、有機過酸化物の分散助剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性のバランスのとれた組成物が得られるため最も好ましい。
流動性や硬度の調整剤として軟化剤が用いられる。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ、(ファクチス);
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
ナフテン酸;
パイン油、ロジンまたはその誘導体;
テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;
マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、末端変性ポリイソプレン、水添末端変性ポリイソプレン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。中でも、石油系軟化剤、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物中に、必要に応じて、核剤、スリップ剤、充填剤、酸化防止剤、耐候安定剤、着色剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記核剤としては、たとえばリン系、ソルビトール系、アルミ系、あるいはタルクなどのフィラーなどが挙げられる。
上記スリップ剤としては、たとえば脂肪酸アミド、シリコーンオイル、グリセリン、ワックス、パラフィン系オイルなどが挙げられる。
また、流動性や硬度の調整剤として軟化剤を動的に熱処理した後に添加しても良い。
充填剤としては、従来公知の充填剤、具体的には、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、ケイソウ土、シリカ、アルミナ、グラファイト、ガラス繊維などが挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ポリブテン−1樹脂(A)および/またはブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)1〜60重量部と、ポリプロピレン樹脂(C)0〜60重量部と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び1種類の非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)90〜40重量部[(A)及び(B)、(C)、(D)の合計は100重量部である。]とから構成され、該エチレン・α−オレフィン・1種類の非共役ポリエン共重合体ゴム(D)が架橋された熱可塑性エラストマー組成物であって、 架橋方法については特には制限はないが、上記架橋剤の存在下に、動的に熱処理する方法が例示される。
ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう(以下、同じ。)。
本発明における動的な熱処理は、非開放型の装置中で行なうことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
その混練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜240℃である。混練時間は、通常1〜20分間、好ましくは3〜10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度として10〜100,000sec-1、好ましくは100〜50,000sec-1である。
混練装置としては、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機等を用い得るが、非開放型の装置が好ましい。
本発明によれば、上述した動的な熱処理によって、ゴム成分(B)が架橋した状態の熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
上記のようにして得られる、本発明に係る熱可塑性エラストマーのメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、10kg荷重)は、通常0.01〜1000g/10分、好ましくは0.02〜500g/10分、さらに好ましくは0.1〜300g/10分、(MFR;ASTM D 1238,230℃、5kg荷重)では1.0〜3000g/10分である。メルトフローレートが上記範囲内にある熱可塑性エラストマーは、成形性に優れている。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で用いたポリブテン−1樹脂(A)、ブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)、ポリプロピレン樹脂(C)の融点(Tm)、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマー(TPE)組成物のメルトフローレート(MFR)、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の硬度、引張強度、伸び、圧縮永久歪み(CS)、押出成形性の測定ないし評価は、次の方法に従って行なった。
(1)メルトフローレート(MFR)
熱可塑性エラストマー組成物のメルトフローレートは、ASTM D1238に準拠して230℃、5kg荷重で測定した。
(2)硬度
硬度は、JIS K6253に準拠して、ショアーA硬度を測定した。
測定は、プレス成形機によりシートを作製し、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。
(3)引張強度および伸び
JIS K6251に準拠して、引張試験を下記の条件で行ない、破断時の引張強度と伸びを測定した。
試験は、プレス成形機によりシートを作製し、JIS3号試験片を打ち抜き引張速度500mm/分の条件で行なった。
(4)圧縮永久歪みCS
縦型射出成形機にて直径29.0mm、厚さ12.7mmの円柱状の成形品を製造し、JIS K6262に準拠して、スペーサーにより25%圧縮、23℃×24時間、70℃×24時間熱処理を行い、処理後23℃恒温室で30分放置した後、厚さを測定した。
(5)目やに
田辺プラスチック機械(株)社製50mmφ押出機にてベルト状ダイスを設置し、C1/C2/C3/C4/C5/H/D=160/170/180/190/190/190/190の温度条件にてダイスに付着する目やにの単位押出量当たりの量を測定した。
(6)押出し成形品肌
上記押出機にて押出成形した後、成形品に肌荒れが見られる場合×、成形品に肌荒れが無い場合を○とした。
[実施例1]
ゴム成分として油展エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム[エチレン含量:78モル%、プロピレン含量:22モル%、ヨウ素価:13、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]74、油展量:ゴム100重量部に対してパラフィン系プロセスオイル(出光興産(株)製、商品名 PW−380)を40重量部;以下、EPTと略す。]70重量部とポリブテン−1樹脂(三井化学(株)社製BL4000(MFR=1.8g/10分(230℃、2.16kgf、ブテン−1単独重合体)21重量部、
ポリプロピレン樹脂としてホモポリプロピレン(MFR=0.5g/10分(230℃、2.16kgf))(以下、PP−1と略す。)9重量部、
カーボンブラックマスターバッチ(カーボンブラック40重量%、低密度ポリエチレン60重量%)2.5重量部、
酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤[日本チバガイギー(株)製、商品名 イルガノックス1010]0.1重量部と、
耐候剤としてジアゾ系耐候安定剤[日本チバガイギー(株)製、商品名 チヌビン326]0.1重量部とHALS系耐候安定剤[三共(株)製、商品名 Sanol LS−770]0.05重量部、
滑剤として脂肪酸アミド系滑剤[ライオン(株)製、商品名アーモスリップCP] 0.3重量部
架橋剤として有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名 パーヘキシン25B]0.4重量部と、
架橋助剤としてジビニルベンゼン(DVB)0.3重量部と
をヘンシェルミキサーで充分混合し、押出機[品番 TEM−50、東芝機械(株)製、L/D=40、シリンダー温度:C1〜C2 120℃、C3〜C4 140℃、C5〜C6 180℃、C7〜C8 200℃、C9〜C12 220℃、ダイス温度:210℃、スクリュー回転数:280rpm、押出量:30kg/h]にてパラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 PW−100]21重量部をシリンダーに注入しながら造粒を行ない、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
このペレット状の熱可塑性エラストマー組成物より得られた成形体とその押出成形性について前記方法に従って評価した。
その結果を第1表に示す。
[実施例2]
実施例1においてポリブテン−1樹脂をブテン−1・プロピレンランダム共重合体(三井化学(株)社製BL2281(MFR=2.0g/10分(230℃、2.16kgf)、ブテン−1含量80重量%)とした以外は実施例1と同様に行った。その結果を第1表に示す。
[実施例3]
実施例1においてポリブテン−1樹脂をブテン−1・プロピレンランダム共重合体(三井化学(株)社製BL2481(MFR=4.0g/10分(230℃、2.16kgf)、ブテン−1含量80重量%)とした以外は実施例1と同様に行った。その結果を第1表に示す。
[比較例1]
実施例1において、ポリブテン−1樹脂を、PP−1に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
その結果を第1表に示す。
Figure 0005189245

Claims (3)

  1. ポリブテン−1樹脂(A)および/またはブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)1〜60重量部と、ポリプロピレン樹脂(ただし、シンジオタクティックポリプロピレン樹脂を除く)(C)0〜59重量部と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び1種類の非共役ポリエンからなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(D)90〜40重量部[(A)及び(B)、(C)、(D)の合計は100重量部である。]であり、前記ブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)を含むときには、前記ブテン−1・α―オレフィンランダム共重合体のブテン−1含有量が50重量%以上である組成物を動的架橋してなる熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 前記ブテン−1・α−オレフィンランダム共重合体(B)のα−オレフィンがプロピレンである請求1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる熱可塑性エラストマー成形物。
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