JP4927522B2 - プロピレン系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリプロピレンなどの樹脂改質材として有用なエチレン・α-オレフィン共重合体組成物とブテン系重合体を含むプロピレン系樹脂組成物に関するものである。
結晶性ポリプロピレンは、剛性、耐熱性、表面光沢性に優れるが、耐衝撃性には劣ることから、従来より、ポリプロピレンに、非晶性エチレン・α-オレフィン共重合体などのゴム状物質を配合して使用している。また、ゴム状物質の添加により低下した剛性は、一般的にタルクなどの無機充填材を添加して補っている。
上記のような、プロピレン系樹脂組成物からなる成形品は、自動車のバンパー、フェンダーなどの外装材に好適である。このような樹脂組成物として、特開昭63-00338(特許文献1)、特開昭64-66217(特許文献2)、特開昭59-22913(特許文献3)などにあげられる高結晶性ポリプロピレンは、エチレン・α-オレフィン共重合体などのエラストマーを添加しても、自動車のバンパーなどの成形品材料としてほぼ満足しうる剛性と耐衝撃強さのバランスを有していた。
しかし、通常バンパーなどの用途に用いる材料は、ポリプロピレン単体に比べ、溶融時の流動性が悪くポリプロピレンの流動性を高める方法が一般的である。ところが、一般的に高流動性のポリプロピレンは、引張り破断伸びが低く、特に高結晶ポリプロピレンでは、その傾向が強い。高流動性、高結晶性ポリプロピレンにエチレン・α-オレフィン共重合体などを加えても、引張り破断伸びは十分に高まらず、十分引っ張り破断伸びを得るには、著しく多くのエラストマーを配合する必要があり、その結果、不必要に剛性、表面硬度の低下が生じる。
ポリプロピレン重合体に、特定の性状のエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体を配合することによって、剛性と耐衝撃性の物性バランスのよい組成物を得る試みがなされている(特許文献4)。しかしながら、この組成物では、剛性と引張破断伸びのバランスに関して不充分である。
また炭素数の多い、すなわち炭素数6以上の高級α-オレフィンを共重合したエチレン・α-オレフィン共重合体を配合すると引張破断伸びが向上するが、これらのα-オレフィンは高価であり、使用量を極力おさえる必要がある(例えば特許文献5、または6を参照)。
特開昭63-00338号公報 特開昭64-66217号公報 特開昭59-22913号公報 特開平5-98092号公報 特開平6-192500号公報 特開平8-302096号公報
すなわち、本発明は、剛性、および他の機械物性を低下させることなく、引張り破断伸びを向上することができるプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、
(A) チレン含量(エチレンから導かれる繰り返し単位の割合)が35モル%以下であり、示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が120 ℃から170 ℃の範囲にあり、メルトフローレート(230 ℃、2.16 kg)が1〜200 g/10分の範囲にある
プロピレン単独重合体およびプロピレンとエチレンとのブロック共重合体の組成物である結晶性プロピレン系重合体組成物50 〜 89重量%と、
(B) (i) エチレン含量(エチレンから導かれる繰り返し単位の割合)が70 〜89モル%、1-ブテン含量(1-ブテンから導かれる繰り返し単位の割合)が11 〜30モル%であり(ここでエチレン含量と1-ブテン含量との合計は100モル%)
(ii) 857 ≦ 密度< 880 (kg/m3)
(iii) メルトフローレート(190 ℃、2.16 kg)が0.1 〜50.0 g/10分
(iv) 示差走査型熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度が-55 ℃以下であって、結晶化度が20 %以下であるエチレン・1-ブテン共重合体5 〜30重量%と、
(C) 1−ブテン含量(1−ブテンから導かれる繰り返し単位の割合)が60〜100モル%であり、
示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が50 ℃から140 ℃の範囲にあり、メルトフローレート(190 ℃、2.16 kg)が0.1〜25 g/10分の範囲にある1−ブテン単独重合体、または1−ブテンとエチレンないしは炭素数3〜20(1−ブテンを除く)のα-オレフィンとのランダムまたは、ブロック共重合体である結晶性ブテン系重合体0.1 〜 30重量% と
(D) 平均粒径が1.0〜2.5 μmのタルク5〜25重量%
からなるプロピレン系樹脂組成物(ここで、(A)〜(D)の合計量は、100重量%である。)に関する。
本発明の組成物は成形体とすることができ、特に射出成形体とするのに適している。
また、本発明の自動車用軟質樹脂製バンパーは、上記プロピレン系樹脂組成物からなる成形体からなることを特徴としている。
すなわち、本発明のプロピレン系樹脂組成物は、樹脂の剛性と耐衝撃強度のバランスを低下させることなく破断点伸びを向上させることが可能である。
以下、本発明に係るプロピレン系樹脂組成物について具体的に説明する。
本発明で用いられる結晶性プロピレン系重合体((A)としては、プロピレン単独重合体、または、プロピレンと、プロピレン以外の炭素原子数が2 〜 20のα-オレフィンの少なくとも1種との共重合体を挙げることができる。ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2 〜20のα- オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1- ペンテン、1- ヘキセン、4- メチル-1- ペンテン、1- オクテン、1- デセン、1- ドデセン、1 - テトラデセン、1- ヘキサデセン、1 - オクタデセン、1 - エイコセンなどが挙げられるが、エチレンまたは炭素原子数が4 〜10のα- オレフィンが好ましい。これらのα- オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、ブロック共重合体を形成してもよい。
これらのα- オレフィンから導かれる構成単位は、結晶性プロピレン系重合体(A)の全構成単位中に35モル%以下、好ましくは30モル% 以下の割合で含まれていてもよい。
結晶性プロピレン系重合体(A)において、ASTM D 1238に準拠して、測定されるメルトフローレート(230 ℃、2.16 kg)は、通常1〜200 g/10分であり、好ましくは1〜150 g/10分であり、より好ましくは10〜150 g/10分の範囲にある。
本発明に用いられる結晶性プロピレン系重合体体(A)について、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点は、120 ℃以上、好ましくは120 〜170 ℃、より好ましくは125 〜170 ℃である。融点の測定は以下のように行う。すなわち、試料をアルミパンに詰め、100 ℃/分で200 ℃まで昇温して200 ℃で5分間保持したのち、10 ℃/分で-150 ℃まで降温し、次いで10 ℃/分で200 ℃まで昇温する際に観察される吸熱曲線のピーク温度が、融点Tmである。
結晶性プロピレン系重合体(A)は、アイソタクチック構造、シンジオタクチック構造のどちらを有していてもよいが、耐熱性などの点でアイソタクチック構造を有することが好ましい。
また、必要に応じて複数の結晶性プロピレン系重合体(A)を併用することができ、例えば、融点および剛性の異なる2種類以上の成分を用いることもできる。
また、結晶性プロピレン系重合体(A)としては、耐熱性に優れるホモポリプロピレン(通常プロピレン以外の共重合成分が3モル%以下であるもの)、耐熱性と耐衝撃性とのバランスに優れるプロピレン系ブロック共重合体(通常3 〜30 wt%のノルマルデカン溶出ゴム成分を有するもの)、または柔軟性と透明性とのバランスに優れるランダムポリプロピレン(通常示差走査熱量計(DSC)により測定される融解ピークが120 ℃以上、好ましくは125 ℃〜150 ℃の範囲にあるもの)を、目的の物性を得るために選択して用いてもよく、また、これらを併用して用いることが可能である。プロピレン単独重合体、およびプロピレン系ブロック共重合体を併用することにより、ゴム成分添加による引張り破断伸びをさらに向上させることができる。
このような結晶性プロピレン系重合体(A)は、例えば、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および電子供与体からなるチーグラー触媒系、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いたメタロセン触媒系を用いて、プロピレンを重合して、あるいは、プロピレンと他のα- オレフィンとを共重合して製造できる
前記記載のプロピレン系ブロック共重合体は、高結晶性のポリプロピレン成分(結晶成分)と、常温(23 ℃)n-デカン可溶成分であるエチレン・プロピレン共重合成分(ゴム成分)とから形成されていることが望ましい。また、プロピレン系ブロック共重合体は、常温(23 ℃)n-デカン可溶成分(ゴム成分)を0.01 〜30 重量%、好ましくは0.1 〜30重量%、さらに好ましくは0.1 〜20重量%の量で含有している。
本発明に係るエチレン・α-オレフィン共重合体(B)は、以下のようなものである。
(i) エチレン含量(エチレンから導かれる繰り返し単位の割合)が70 〜89モル%、プロピレンおよび/又は1-ブテン含量(プロピレンおよび/又は1-ブテンから導かれる繰り返し単位の割合)が11 〜30モル%、炭素数が6 〜20の高級α-オレフィン含量(高級α-オレフィンから導かれる繰り返し単位の割合)が0 〜11モル%であり(ここでエチレン、プロピレンおよび/又は1-ブテンと炭素数が6 〜20の高級α-オレフィンの合計は100モル%)、
(ii) 857 ≦ 密度< 880 (kg/m3)であり、
(iii)メルトフローレート(190 ℃、2.16 kg)が0.1 〜50.0 g/10分であり、
示差走査型熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度が-55 ℃以下であり、結晶化度が20 %以下。
このようなエチレン・α‐オレフィン共重合体は、(A)〜(D)の合計量に対し、5 〜30重量%、好ましくは10〜30重量%、より好ましくは10〜25重量%、さらに好ましくは15 〜25重量%である。
本発明で用いられるエチレン・α‐オレフィン共重合体(B)は、エチレン含量(エチレンから導かれる繰り返し単位の割合)が70 〜89モル%、プロピレン又は1-ブテン含量(プロピレン又は1-ブテンから導かれる繰り返し単位の割合)が11〜30モル%、および/または炭素数が6〜20の高級α-オレフィン含量(高級α-オレフィンから導かれる繰り返し単位の割合)が0 〜11モル%、より好ましくはエチレン含量(エチレンから導かれる繰り返し単位の割合)が75 〜85モル%、プロピレン又は1-ブテン含量(プロピレン又は1-ブテンから導かれる繰り返し単位の割合)が11〜18モル%、および/または炭素数が6 〜20の高級αオレフィン含量(高級α-オレフィンから導かれる繰り返し単位の割合)が2 〜9モル%の範囲にある。
本発明で用いられる結晶性ブテン系重合体(C)は、下記の特性を有していれば、1−ブテン単独重合体、であっても、1-ブテンとエチレンないしは炭素数3〜20(1−ブテンを除く)との、好ましくは炭素数2〜10のα-オレフィンとのブテン系ブロック共重合体、ブテン系ランダム共重合体であってもよいが、好ましくは1−ブテン単独重合体である。α-オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1-ヘキセン, 4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンをあげることができる。ブテン系重合体中の1-ブテン含有量としては、60〜100、好ましくは70〜100(モル%)である。
前記記載の結晶性ブテン系重合体(C)は、以下のようなものである。
示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が50 ℃から140 ℃の範囲にあり、メルトフローレート(190 ℃、2.16 kg)が0.1〜25 g/10分の範囲にある1−ブテン単独重合体、または1−ブテンとエチレンないしは炭素数3〜20(1−ブテンを除く)のα-オレフィンとのランダムまたは、ブロック共重合体である結晶性1−ブテン系重合体。
このような、結晶性ブテン系重合体(C)は、(A)〜(D)の成分からなるプロピレン系樹脂組成物100重量%中に0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%配合される。
また、本発明に関わる結晶性ブテン系重合体(C)は、メルトフローレート(190 ℃、2.16 kg)は、0.1〜25、好ましくは0.5〜25、より好ましくは1〜25(g/10分)の範囲にある。
本発明の無機充填材(D)として、微粉末タルク、カオリナイト、焼成クレー、バイロフィライト、セリサイト、ウォラスナイトなどの天然珪酸または珪酸塩、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグネシウムなどの酸化物、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウム、含水珪酸、無水珪酸などの合成珪酸または珪酸塩などの粉末状充填剤、マイカなどのフレーク状充填剤、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、セピオライト、PMF(Processed Mineral Fiber)、ゾノトライト、チタン酸カリ、エレスタダイトなどの繊維状充填剤、ガラスバルン、フライアッシュバルンなどのバルン状充填剤などを用いることができる。
本発明では、これらのうちでもタルクが好ましく用いられ、特に平均粒径1.0〜2.5μmの微粉末タルクが好ましく用いられる。なおタルクの平均粒径は、液相沈降方法によって測定することができる。
また本発明で用いられる無機充填材特にタルクは、無処理であっても予め表面処理されていてもよい。この表面処理の例としては、具体的には、シランカップリング剤、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、不飽和有機酸、有機チタネート、樹脂酸、ポリエチレングリコールなどの処理剤を用いる化学的または物理的処理が挙げられる。
このような表面処理が施されたタルクを用いると、ウェルド強度、塗装性、成形加工性にも優れた自動車内外装材を得ることができる。
また本発明では、このような無機充填材とともに、ハイスチレン類、リグニン、再ゴムなどの有機充填剤を用いることもできる。
上記のような無機充填材は、2種以上併用してもよい。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物は、結晶性プロピレン系重合体(A)と前記エチレン・α‐オレフィン共重合体(B)と結晶性ブテン系重合体(C)と無機充填材(D)とからなる組成物である。
このようなプロピレン系樹脂組成物中の結晶性プロピレン系重合体(A)の含量は、(A)〜(D)の成分からなるプロピレン系樹脂組成物100重量%中に50〜89重量%、好ましくは50〜84重量%、より好ましくは55〜84.5重量%、さらに好ましくは55〜79重量%であり、エチレン・α-オレフィン共重合体(B)の含量は、5〜30重量%,好ましくは10〜25重量%、より好ましくは、10〜25重量%であり、さらに好ましくは15〜25重量%であり、結晶性ブテン系重合体(C)の含量は、0.1〜30 重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは、0.5〜10重量%であり、さらに好ましくは1〜5重量%であり、無機充填材(D)の含量は5〜25重量%の量が適当である。
本発明に係るエチレン・α‐オレフィン共重合体(B)と結晶性ブテン系重合体(C)を改質剤として用いる際には、押し出し機などの連続的に混練・排出する装置を使用することが好ましい。混練は排出しようとする樹脂の融点または軟化点以上、かつ400 ℃以下で行うことが望ましい。
本発明に係るエチレン・α‐オレフィン共重合体(B)と結晶性ブテン系重合体(C)を改質剤として用いると、ポリプロピレン樹脂などの樹脂の剛性を保ったまま、耐衝撃性や引張特性を改質することができる。
本発明に係るオレフィン系樹脂組成物の調製法として、結晶性プロピレン系重合体(A)と、エチレン・α‐オレフィン共重合体(B)と結晶性ブテン系重合体(C)と無機充填材(D)を、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスなどのインターナルミキサー類による混合法等等の従来公知の方法で混練することにより製造することができる。
また、本発明では、上記結晶性プロピレン系重合体(A)とエチレン・α‐オレフィン共重合体(B)と結晶性ブテン系重合体(C)と無機充填材(D)以外に、核剤、酸化防止剤、塩酸吸収剤、軟化剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、老化防止剤、加工助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物などの流れ性改良剤、ウェルド強度改良剤、防曇剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができ、公知の成形方法を特に限定することなく採用して、種々の形状の成形品に成形して利用することができる。これらの中でも特に射出成形品に成形することが好ましい。
プロピレン系樹脂組成物の射出成形は通常200 〜250 ℃の樹脂温度で、また、得られる射出成形品の形状にもよるが、通常800 〜1400 kg/cm2の射出圧で成形される。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、射出成形時の流動性などの成形性に優れている。特に本発明に係るプロピレン系樹脂組成物からは、フローマークの目立ちにくい外観に優れた射出成形品を得ることができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体は帯電しにくく、剛性、耐熱性、耐衝撃性、表面光沢、耐薬品性、耐磨耗性などに優れており、広範囲な用途に利用することができる。
例えば、トリム、インパネ、コラムカバーなどの自動車内装材や、フェンダー、バンパー、サイドモール、ホイールカバー、マッドガード、ミラーカバーなどの自動車用外装材、ハウジング、洗濯槽などの家電製品用、コンテナなどの容器用途、一般雑貨用途など幅広く利用することができる。
上記のうちでも、剛性、耐熱性および耐衝撃性のいずれにも優れ、外観にも優れている特性を有効に利用しうる用途、たとえばフェンダー、バンパー、サイドモール、マッドガード、ミラーカバーなどの自動車内外装部品、ハウジング、洗濯槽等の家電製品用部品、コンテナ等の容器用材として好適に用いることができる。
ポリプロピレン系樹脂の剛性を維持したまま引張破断伸びと耐衝撃性のバランスを向上させるという目的に対して、エチレンと、プロピレン又は1‐ブテンの少なくとも1種、場合により、炭素数6 〜20の高級α-オレフィンの中から選ばれる1種の高級α-オレフィンから構成されるエチレン・α‐オレフィン共重合体(B)と結晶性ブテン系重合体(C)を改質材に用いることで実現した。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、各樹脂成分の物性は、以下のようにして評価した。
[密度]
190 ℃、2.16 kg荷重におけるMFR測定後のストランドを、120 ℃で1時間熱処理し、1時間かけて室温まで除冷したのち、密度勾配管法により測定した。
[MFR]
ASTM D-1238に準拠し、190 ℃、または230 ℃における2.16 kg、荷重でのMFRを測定した。
[融点]
DSCの吸熱曲線を求め、最大ピークを位置の温度をTmとする。測定は、試料をアルミパンに詰め、10 ℃/分で200 ℃まで昇温し、200 ℃で5分保持したのち、20 ℃/分で室温まで降温し、ついで10 ℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
[引張り試験(EL/TS)]
JISK7113に準拠して、所定条件にて射出成形した厚さ2 mmの試験片を用いて、スパン間64 mm、引張り速度50 mm/分の条件下で測定した。
[曲げ弾性率(FM)]
ASTM D790に準拠して、所定条件にて射出成形した厚さ2 mmの試験片を用いて、スパン間48 mm、曲げ速度5.0 mm/分の条件下で測定した。
[アイゾッド衝撃強度]
ASTM D256に準拠して、所定条件にて射出成形した厚さ2 mmの試験片を用いて、温度23 ℃、30 ℃条件下で測定した。
[ロックウェル表面硬度]
JIS K7202のロックウェル硬度に準拠して、所定条件にて射出成形した厚さ3 mmの試験片を用いて,測定した。
プロピレン系重合体(A)
プロピレン単独重合体(A-1) は、メルトフローレート(230 ℃、2.16 kg)= 45 g/10分、融点165 ℃、およびプロピレン系ブロック重合体(A-2) は、メルトフローレート(230 ℃、2.16 kg)=10 g/10分、融点=165 ℃、ゴム成分の極限粘度=5dl/g、ゴム成分のエチレン含量=40mol%、を使用した。
エチレン・α‐オレフィン共重合体(B)
エチレン・α‐オレフィン共重合体(B)は、メルトフローレート(190 ℃、2.16 kg)= 3.6 g/10分、密度=864kg/m 3 、ガラス転移温度≦-55 ℃、結晶化度≦20%、ブテン含量=18mol%、を使用した。
結晶性ブテン系重合体(C)
・ ブテン単独共重合体(C-1)
ブテン単独共重合体(C-1)には、メルトフローレート(190 ℃、2 .16kg荷重)=1.8 g /10 分、融点=116 ℃、密度=915k g/m3、のものを使用した。
・ ブテン・プロピレン系重合体(C-2)
ブテン・プロピレン系重合体(C-2)には、メルトフローレート(190 ℃、2 .16kg荷重)=3.7 g /10 分、プロピレン含量=25mol%、融点=74 ℃、密度=900kg/m3のものを使用した。
・ ブテン・エチレン系重合体(C-3)
ブテン・エチレン系重合体(C-3)には、メルトフローレート(190 ℃、2 .16kg荷重)=4 g /10 分、エチレン含量=5mol%、融点=104 ℃、密度=900kg/m3、のものを使用した。
無機充填材(D)
本発明において、平均粒径が2.5 μmのタルクを使用した。
[実施例1, 2, 3]
表1の配合からなる組成物を、φ30 mm二軸押し出し機にて、210 ℃で溶融混練を行った。得られたペレットを射出成形機により、試験片を作成し、引張り試験、三点曲げ弾性率、アイゾット衝撃試験、および表面硬度試験を行った。
[比較例1]
表1の配合からなる組成物に変更したほかは、実施例と同様にして評価を行った。
Figure 0004927522
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、比較例に用いたエチレン・α-オレフィン共重合体組成物のみを使用したプロピレン系樹脂組成物と比較して、破断点伸びに優れる。

Claims (4)

  1. (A) チレン含量(エチレンから導かれる繰り返し単位の割合)が35モル%以下であり、
    示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が120 ℃から170 ℃の範囲にあり、メルトフローレート(230 ℃、2.16 kg )が 1〜200g/10分の範囲にある
    プロピレン単独重合体およびプロピレンとエチレンとのブロック共重合体の組成物である結晶性プロピレン系重合体組成物50 〜 89重量%と、
    (B) ( i) エチレン含量(エチレンから導かれる繰り返し単位の割合)が70 〜89モル%、1-ブテン含量(1-ブテンから導かれる繰り返し単位の割合)が11 〜30モル%であり(ここでエチレン含量と1-ブテン含量との合計は100モル%)
    (ii) 857 ≦ 密度< 880 (kg/m3)
    (iii) メルトフローレート(190 ℃、2.16 kg)が0.1 〜50.0 g/10分
    (iv) 示差走査型熱量計(DSC)で測定したガラス転移温度が-55 ℃以下であって、結晶化度が20 %以下、であるエチレン・1-ブテン共重合体5 〜30重量%と、
    (C) 1−ブテン含量(1−ブテンから導かれる繰り返し単位の割合)が60〜100モル%であり、
    示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が50 ℃から140 ℃の範囲にあり、メルトフローレート(190 ℃、2.16 kg)が0.1〜25 g/10分の範囲にある1−ブテン単独重合体、または1−ブテンとエチレンないしは炭素数3〜20(1−ブテンを除く)のα-オレフィンとのランダムまたは、ブロック共重合体である結晶性ブテン系重合体0.1 〜 30重量% と、
    (D) 平均粒径が1.0〜2.5 μmのタルク5〜25重量%
    からなるプロピレン系樹脂組成物。(ここで、(A)〜(D)の合計量は、100重量%である。)
  2. 請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
  3. 請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形品。
  4. 請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物からなる自動車用バンパー。
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