JP2945189B2 - プロピレン重合体組成物 - Google Patents

プロピレン重合体組成物

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JP2945189B2 JP26077891A JP26077891A JP2945189B2 JP 2945189 B2 JP2945189 B2 JP 2945189B2 JP 26077891 A JP26077891 A JP 26077891A JP 26077891 A JP26077891 A JP 26077891A JP 2945189 B2 JP2945189 B2 JP 2945189B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はプロピレン重合体組成物に
関し、さらに詳しくは特に高剛性であり、耐傷付き性が
付与され、さらに破断伸びに優れた自動車バンパーなど
に用いることができる成形体を形成しうるプロピレン重
合体組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】プロピレン重合体は、強度、耐熱
性、成形加工性および耐薬品性に優れ、かつ経済性にも
優れており、通常フィラーを配合して補強して家電機器
部品、自動車部品、建材などの用途に広く利用されてい
る。
【0003】このようなプロピレン重合体には、家電機
器部品、自動車部品などの用途においてより一層向上さ
れた低温衝撃強度が要求され、たとえば、プロピレン重
合体にエチレン・プロピレン系共重合ゴム(EPR)を
配合することによって耐衝撃性を付与している。
【0004】このようなプロピレン重合体に、エチレン
・プロピレン系共重合ゴムを多量に添加すると低温衝撃
強度を充分に付与することができるが、剛性および表面
硬度が低下する傾向にある。このような物性バランスの
低下を防ぐため、プロピレン重合体に配合するエチレン
・プロピレン系共重合ゴムの組成を変化させたり、充填
剤を添加したりするなど種々の試みがなされている。た
とえば、、特開昭62−256856号公報には、プロ
ピレンとエチレンブロック共重合体と、エチレン・α−
オレフィンランダム共重合体とタルクまたは炭酸カルシ
ウムとからなり、耐衝撃性、剛性、塗装性などに優れた
ポリプロピレン組成物が開示されている。
【0005】ところでこのようなポリプロピレン組成物
から形成される自動車バンパー用部品では、耐衝撃性に
は優れているが成形時や輸送時にバンパー表面に傷がつ
き不良品になることがあり、プロピレン重合体組成物に
はさらに優れた表面硬度、耐傷付き性が求められてい
る。
【0006】本発明者らは、プロピレン重合体が本来有
する優れた特性を損なうことなく、耐衝撃性に優れると
ともに表面硬度および耐傷付き性にも優れ、さらに寸法
精度にも優れた成形体を形成しうるプロピレン重合体組
成物について鋭意研究した結果、プロピレン系ブロック
共重合体、特定のエチレン・プロピレン系三元共重合ゴ
ムおよび特定のエチレン・ブテン-1共重合ゴム、さらに
タルクを特定の割合で配合して得られるプロピレン重合
体組成物が、プロピレン重合体が本来有する優れた特性
を損なうことなく低温衝撃強度に優れるとともに、高剛
性で表面硬度にも優れ特に破断点伸びに優れて、優れた
靱性を発現し、耐傷付き性に優れた成形体を形成しうる
ことを見出して本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上述したようにプロピレン重
合体が本来有する優れた特性を損なうことなく、高剛性
で表面硬度にも優れしかも破断点伸びに優れるとともに
耐傷付き性にも優れ、混練性よく寸法精度に優れた成形
体を形成して自動車バンパー用部品などの用途に有用に
利用することができるプロピレン重合体組成物を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るプロピレン重合体組成物
は、 [A]プロピレン系ブロック共重合体;60〜70重量%、 [B]エチレン・プロピレン系三元共重合ゴム;13〜17重量%、 [C]エチレン・ブテン-1共重合ゴム;10〜17重量%、および [D]タルク;7重量%〜15重量% とからなり、かつ [A]プロピレン系ブロック共重合体は、エチレンから
誘導される構成単位を2〜15モル%の量で含有すると
ともに、常温n−デカン可溶分が5重量%以上10重量
%未満であり、メルトフローレート(MFR;230
℃、2.16Kg荷重で測定)が30〜50[g/10
分]であり、 [B]エチレン・プロピレン系三元共重合ゴムは、エチ
レンから誘導される構成単位を70〜92モル%の量で
含有し、エチレンおよびプロピレン以外の重合性コモノ
マーから誘導される構成単位を含有し、メルトフローレ
ート(MFR;230℃、2.16Kg荷重で測定)が
0.1〜2.0[g/10分]であり、 [C]エチレン・ブテン-1共重合ゴムは、エチレンから
誘導される構成単位を85〜95モル%の量で含有し、
メルトフローレート(MFR;230℃、2.16Kg
荷重で測定)が1.0〜10.0[g/10分]である
ことを特徴としている。
【0009】本発明に係るプロピレン重合体組成物は、
プロピレン重合体が本来有する優れた特性を損なうこと
なく高剛性で表面硬度に優れ、特に破断点伸びに優れて
高い靱性を発現し、耐傷付き性に優れた成形体を形成す
ることができ、自動車バンパー用部品などの用途に有用
に利用することができる。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るプロピレン重
合体組成物について具体的に説明する。まず、本発明に
係るプロピレン重合体組成物を形成する成分について説
明する。
【0011】[A]プロピレン系ブロック共重合体 本発明で用いられるプロピレン系ブロック共重合体
[A]は、エチレンから誘導される構成単位を2〜15
モル%の割合で、好ましくは4〜10モル%の割合で含
有している。また、常温n−デカン可溶分を5重量%以
上10重量%未満、好ましくは7重量%以上10重量%
未満の割合で含有している。
【0012】なお、上記のようなエチレンから誘導され
る構成単位の含有量は、赤外線分光法、NMR分光法な
どの常法によって測定される値であり、常温n-デカン可
溶分は、試料2gを沸騰n-デカン500g中に5時間浸
漬して溶解した後、室温まで冷却して、析出した固相を
G4型ガラスフィルターで濾過し、乾燥した後測定した
固相重量から逆算した値である。
【0013】さらに、このプロピレン系ブロック共重合
体[A]では、ASTM D1238に準拠して測定し
たメルトフローレート(MFR;230℃、2.16K
g荷重で測定)が30〜50[g/10分]である。
【0014】上記のようなプロピレン系ブロック共重合
体[A]は、通常の立体規則性触媒を用いて製造するこ
とができる。たとえば、ハロゲン含有チタン化合物触媒
成分あるいは担体に担持させた遷移金属化合物触媒成分
と有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下に、
プロピレンおよびエチレンをたとえば二段重合させて得
られる。具体的には、まずプロピレン単独で重合させ、
引き続いてプロピレンとエチレンとを共重合させること
によって、プロピレン系ブロック共重合体を製造するこ
とができる。このような触媒はさらに、必要に応じて電
子供与体を含有していてもよく、共粉砕等の手法により
活性化されていてもよい。具体的な製造方法は、たとえ
ば本出願人による特開昭52−98045号、特公昭5
7−26613号公報に詳細が記載されている。
【0015】本発明では、プロピレン系ブロック共重合
体[A]は、エチレンから誘導される構成単位が2〜1
5モル%の割合で含有し、常温n−デカン可溶分が5重
量%以上10重量%未満であり、メルトフローレートが
30〜50[g/10分]である限りは、全体がプロピ
レン系ブロック共重合体であってもよく、またプロピレ
ン系ブロック共重合体とポリプロピレンとの混合物であ
ってもよい。
【0016】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体[A]は、本発明の目的を損なわない範囲であ
れば、他の重合性モノマーから誘導される構成単位を含
有していてもよい。
【0017】このようなモノマーとしては、具体的にた
とえば、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、4-メチル
-1-ペンテンなどのα−オレフィン、酢酸ビニルなどの
ビニルエステル、無水マレインなどの不飽和有機酸また
はその誘導体などを挙げることができる。
【0018】これら他の重合性モノマーが含有される場
合には、プロピレン系ブロック共重合体[A]は、エチ
レン、プロピレンおよびこれら他の重合性モノマーの三
元系共重合体であってもよく、またこの三元系共重合体
とこれら他の重合性モノマーを含まないプロピレン系ブ
ロック共重合体との混合物であってもよい。
【0019】本発明ではプロピレン重合体として、プロ
ピレン系ブロック共重合体[A]を用いており、特に上
記のようなプロピレン系ブロック共重合体[A]を用い
ると、耐衝撃性、剛性など機械的強度のバランスに優
れ、耐熱性および成形性に優れるとともに、加工寸法安
定性に優れた成形体を形成しうるプロピレン重合体組成
物が得られるようになる。
【0020】本発明に係るプロピレン重合体組成物は、
このようなプロピレン系ブロック共重合体[A]を60
〜70重量%の割合で含有している。
【0021】[B]エチレン・プロピレン系三元共重合
ゴム 本発明で用いられるエチレン・プロピレン系三元共重合
ゴム[B]は、エチレンから誘導される構成単位を70
〜92モル%、好ましくは75〜85モル%の割合で含
有している。なお、このようなプロピレンから誘導され
る構成単位の含有量は、赤外線分光法、NMR分光法な
どの常法によって測定される値である。
【0022】このエチレン・プロピレン系三元共重合ゴ
ム[B]では、ASTM D1238に準拠して測定したメルト
フローレート(MFR;230℃、2.16Kg荷重で測定)が0.1
〜2.0[g/10分]、好ましくは0.1〜1.0[g/10分]
である。
【0023】さらにエチレン・プロピレン系三元共重合
ゴム[B]は、エチレンおよびプロピレン以外の重合性
コモノマーから誘導される構成単位を含有している。
【0024】このようなコモノマーとしては、具体的に
たとえば、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチ
ル-1-ペンテンなどのα−オレフィン、エチリデンノル
ボルネン、ジシクロペンタジエン、ブタジエンなどのジ
エンを挙げることができる。
【0025】エチレン・プロピレン系三元共重合ゴム
[B]は、組成物を形成するに際して行われる混練に支
障がなければ、ペレット状、クラム状、ベール状などい
かなる形状で供されてもよい。
【0026】本発明に係るプロピレン重合体組成物は、
上記のような特定のエチレン・プロピレン系三元共重合
ゴム[B]を13〜17重量%の割合で含有している。
【0027】[C]エチレン・ブテン-1共重合ゴム 本発明で用いられるエチレン・ブテン-1共重合ゴム
[C]は、エチレンから誘導される構成単位を85〜9
5モル%、好ましくは88〜92モル%の割合で含有し
ている。なおこのようなブテン-1から誘導される構成単
位の含有量は、赤外線分光法、NMR分光法などの常法
によって測定される値である。
【0028】このエチレン・ブテン-1共重合ゴムでは、
ASTM D1238に準拠して測定したメルトフロー
レート(MFR;230℃、2.16Kg荷重で測定)
は、1.0〜10.0[g/10分]、好ましくは1.0
〜8.0[g/10分]である。
【0029】さらにエチレン・ブテン-1共重合ゴム
[C]は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、上
述したような重合性コモノマーから誘導される構成単位
を含有していてもよい。
【0030】本発明に係るプロピレン重合体組成物は、
このようなエチレン・ブテン-1共重合ゴムを10〜17
重量%の量で含有している。 [D]タルク 本発明で用いられるタルクでは、平均粒径が通常、0.
2〜10μm、好ましくは0.2〜5μmであることが
望ましい。
【0031】このタルクは、無処理であっても予め表面
処理されていてもよい。この表面処理としては、具体的
にはたとえば、シランカップリング剤、高級脂肪酸、脂
肪酸金属塩、不飽和有機酸、有機チタネート、樹脂酸、
ポリエチレングリコールなどの処理剤を用いる化学的ま
たは物理的処理を挙げることができる。
【0032】このように表面処理されたタルクを用いる
と、ウエルド強度、塗装性、成形加工性にも優れた組成
物が得られるようになる。なおタルクの平均粒径は、液
相沈降方式の光透過法によって測定される。
【0033】本発明では、このようなタルクのうち、ア
スペクト比(縦または横のいずれかの長さと厚みの比を
示す)の平均値が3以上、特に4以上であるタルクが好
ましく用いられる。
【0034】本発明に係るプロピレン重合体組成物で
は、タルク[D]は、7重量%〜15重量%、好ましく
は10〜15重量%の量で含有されている。本発明に係
るプロピレン重合体組成物が上記タルクを上記特定量で
タルクを含有していると、プロピレン重合体組成物は剛
性と低温衝撃強度とにバランスよく優れ、この組成物か
ら形成される成形体は特に寸法安定性および塗装性に優
れて外観に優れるようになる。
【0035】本発明に係るプロピレン重合体組成物は、
上記のような[A]プロピレン系ブロック共重合体、
[B]エチレン・プロピレン系三元共重合ゴム、[C]
エチレン・ブテン-1共重合ゴムおよび[D]タルクを用
いて、一般的に広く用いられている組成物の混練方法に
より調製される。混練には、たとえば、一軸押出機、二
軸押出機、二軸混練機、バンバリーミキサー、ロール、
ニーダーなどの混練装置を用いることができる。
【0036】本発明に係る組成物は、通常、上記成分を
押出機などの混練装置で混練した後、混練物をペレット
状に成形することによって調製される。上記調製に際し
て各成分を装置に添加する順序は限定されず、同時でも
よく別々でもよい。また、予め[B]、[C]ゴム成分
およびタルクを高濃度に含有するマスターバッチ混練物
を得て、このマスターバッチを[A]プロピレン系ブロ
ック共重合体で希釈しながらブレンドコンパウンディン
グしたり、成形したりして本発明に係る組成物を得ても
よい。
【0037】上記各成分は混練性がよく、容易に混練さ
れて組成物を形成しうる。本発明に係るプロピレン重合
体組成物は、上述したようにプロピレン系ブロック共重
合体に、特定のエチレン・プロピレン系三元共重合ゴム
と、特定のエチレン・ブテン-1共重合ゴムが特定量で配
合されて形成されている。
【0038】このような本発明に係るプロピレン重合体
組成物は、従来のプロピレン重合体またはプロピレン重
合体−エチレン・プロピレン系共重合ゴム組成物が有す
る剛性および低温衝撃強度を損なうことなく、しかも表
面硬度に優れている。特に本発明に係るプロピレン重合
体組成物は、従来のプロピレン重合体またはゴム配合プ
ロピレン重合体組成物では得られなかった破断点伸びに
優れており、耐傷付き性に優れている。このように本発
明に係るプロピレン重合体組成物は二種のゴム成分を含
有しており、これらのゴムでは、[B]エチレン・プロ
ピレン系三元共重合ゴムは、通常メルトフローレートが
かなり小さく、[C]エチレン・ブテン-1共重合ゴムは
上述したようにゴムとしては比較的メルトフローレート
が大きい。本発明に係る組成物は、このような特定二種
のゴムの組み合わせを含有することによって、表面硬度
が向上されるともに破断点伸びも向上され、優れた耐傷
付き性が付与されている。
【0039】本発明に係るプロピレン重合体組成物は、
上述した成分とともに、本発明の目的を損なわない範囲
で他の成分を含有してもよい。このような他の成分とし
ては熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を挙げることがで
き、具体的には、ポリエチレン、ポリブテン-1などのα
−オレフィン単独重合体、α−オレフィン共重合体、α
−オレフィンとビニルモノマーとの共重合体、無水マレ
イン酸変性ポリプロピレン等の変性オレフィン重合体、
ナイロン、ポリカーボネート、ABS、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンオキサイド、石油樹
脂、フェノール樹脂などを挙げることができる。
【0040】さらに、以下のようなゴム類、ラテックス
を挙げることができる。ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、1,2-ポリブタジエンアクリロニトリル・ブタジエン
ゴム、ポリイソブチレン、スチレン・ブタジエンゴム、
スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、ス
チレン・イソブチレン・スチレンブロック共重合体。
【0041】スチレン・ブタジエン・スチレンブロック
共重合体の水素添加物、スチレン・イソブチレン・スチ
レンブロック共重合体の水素添加物を挙げることもでき
る。またさらに、各種添加剤を配合することもできる。
このような添加剤としては、具体的には、フェノール
系、イオウ系、リン系などの酸化防止剤、滑剤、帯電防
止剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、
気泡防止剤、難燃剤、架橋剤、過酸化物などの流れ性改
良剤、ウエルド強度改良剤、核剤などを挙げることがで
きる。本発明に係る組成物は、このような添加物を配合
することによって物性バランス、耐久性、塗装性、印刷
性、耐傷付き性および成形加工性を向上されうる。
【0042】
【発明の効果】上述したように、本発明に係るプロピレ
ン重合体組成物は、プロピレン重合体に、特定の二種の
ゴム成分およびタルクを特定量で配合して形成されてい
る。
【0043】このようなプロピレン重合体組成物は、剛
性および低温衝撃強度にバランスよく優れるとともに表
面硬度に優れており、特に優れた破断点伸びを有してい
る。このような組成物から形成される成形体は、従来の
プロピレン重合体組成物に比して優れた靱性を発現して
耐傷付き性に優れるとともに寸法安定性および外観にも
優れており特に自動車バンパー用途に有用である。本発
明に係る組成物から形成される自動車バンパーでは、成
形時および輸送時に傷がつきにくく、傷による不良率を
低下させることができる。
【0044】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例により限定されるものではな
い。
【0045】なお、下記実施例において、各物性は以下
のようにして測定した。 (1)メルトフローレート(MFR) ASTM D1238に準拠した。
【0046】条件; 230℃、2.16kg(ペレッ
ト) (2)破断点伸び(EL) 引張試験;ASTM D638に準拠した。
【0047】引張速度;50mm/min (3)曲げ弾性率(FM) ASTM D790に準拠した。測定雰囲気;23℃ 試験片 12.7(幅)×6.4(厚さ)×127
(長さ) スパン間 100mm 曲げ速度 2mm/分 (4)衝撃強度(ノッチ付アイゾット衝撃強度;IZ) ASTM D256に準拠した。
【0048】温度 −30℃ 試験片 12.7(幅)×6.4(厚さ)×64(長
さ) (5)ロックウェル硬度(HR) ASTM D785に準拠した。
【0049】Rスケール 試験片 120(縦)×130(横)×3.0(厚
さ)を2枚重ね (6)低温脆化温度(BTc) ASTM D 746に準拠して測定した。 (7)熱変形温度(HDT) ASTM D648に準拠した。
【0050】試験片 12.7(厚さ)×6.4
(幅)×127(長さ) 試験荷重 4.6kg/cm2
【0051】
【実施例1〜4】二軸押出機を用いて、200℃で混練
造粒し、表1に示す組成物を得た。得られたペレットを
用いて射出成形機にて物性評価用ASTM試験片を作成
し、上記の物性を測定した。
【0052】なお、表1に示す組成物を調製する際に用
いた各成分の物性は以下のとおりである。 [A]プロピレン系ブロック共重合体 ブロックPP−A MFR:45(g/10分) 常温n-デカン可溶分:7.4重量% エチレンから誘導される構成単位:4.2モル% ブロックPP−B MFR:45(g/10分) 常温n-デカン可溶分:11.0重量% エチレンから誘導される構成単位:10.4モル% ホモPP−C MFR:40(g/10分) エチレンから誘導される構成単位:0モル% [B]エチレン・プロピレン系三元共重合ゴム EPT エチレンから誘導される構成単位:80モル%を含有する エチレン・プロピレン・エチルノルボルネン共重合体 MFR:0.2(g/10分) 沃素価:10 [C]エチレン・ブテン-1共重合ゴム EBR−1 エチレンから誘導される構成単位:88モル%を含有する エチレン・ブテン-1共重合体 MFR:2.4(g/10分) EBR−2 エチレンから誘導される構成単位:88モル%を含有する エチレン・ブテン-1共重合体 MFR:7.2(g/10分) EBR−3 エチレンから誘導される構成単位:90モル%を含有する エチレン・ブテン-1共重合体 MFR:35.0(g/10分)
【0053】
【比較例1〜4】表1に示すプロピレン重合体組成物を
調製し、これを実施例1と同様にして物性を測定した。
【0054】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野 村 孝 夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 西 尾 武 純 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 岩 井 久 幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−43942(JP,A) 特開 昭64−66263(JP,A) 特開 平4−300935(JP,A) 特開 平5−5051(JP,A) 特開 平5−98123(JP,A) 特開 平5−86256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 53/00 C08L 23/08 - 23/22 C08K 3/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]プロピレン系ブロック共重合体;60〜70重量%、 [B]エチレン・プロピレン系三元共重合ゴム;13〜17重量%、 [C]エチレン・ブテン-1共重合ゴム;10〜17重量%、および [D]タルク;7重量%〜15重量% とからなり、かつ [A]プロピレン系ブロック共重合体は、エチレンから
    誘導される構成単位を2〜15モル%の量で含有すると
    ともに、常温n-デカン可溶分が5重量%以上10重量%
    未満であり、メルトフローレート(MFR;230℃、
    2.16Kg荷重で測定)が30〜50[g/10分]
    であり、 [B]エチレン・プロピレン系三元共重合ゴムは、エチ
    レンから誘導される構成単位を70〜92モル%の量で
    含有し、エチレンおよびプロピレン以外の重合性コモノ
    マーから誘導される構成単位を含有し、メルトフローレ
    ート(MFR;230℃、2.16Kg荷重で測定)が
    0.1〜2.0[g/10分]であり、 [C]エチレン・ブテン−1共重合ゴムは、エチレンか
    ら誘導される構成単位を85〜95モル%の量で含有
    し、メルトフローレート(MFR;230℃、2.16
    Kg荷重で測定)が1.0〜10.0[g/10分]で
    あることを特徴とするプロピレン重合体組成物。
JP26077891A 1991-10-08 1991-10-08 プロピレン重合体組成物 Expired - Lifetime JP2945189B2 (ja)

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