JPH09176406A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

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JPH09176406A
JPH09176406A JP7335488A JP33548895A JPH09176406A JP H09176406 A JPH09176406 A JP H09176406A JP 7335488 A JP7335488 A JP 7335488A JP 33548895 A JP33548895 A JP 33548895A JP H09176406 A JPH09176406 A JP H09176406A
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JP
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propylene
ethylene
resin composition
polypropylene resin
polypropylene
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JP7335488A
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English (en)
Inventor
Ryoji Mori
亮 二 森
Norio Kaneshige
重 則 男 兼
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】剛性および耐衝撃性に優れるとともに、特に射
出成形性に優れ、フローマークが目立ちにくく外観に優
れた射出成形品を製造することができるポリプロピレン
系樹脂組成物、およびこれからなる射出成形品。 【解決手段】(a) 極限粘度[η]が0.5〜1.5dl/g
であるプロピレン系重合体;94〜1重量%と、(b)
[η]が2.0〜11dl/gであるプロピレン系重合
体;1〜94重量%と、(c) エチレン・α−オレフィン
ランダム共重合体;5〜50重量%と、(d) 無機充填
材;0〜25重量%とからなるポリプロピレン系樹脂組
成物、およびこれからなる射出成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、剛性および耐衝撃性に優
れるとともに、特に射出成形性に優れ、フローマークが
目立ちにくく外観に優れた射出成形品を形成することが
できるポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成形
品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリプロピレンは、剛性、硬度お
よび耐熱性などに優れており、射出成形、カレンダー成
形、押出成形などの種々の成形方法によって容易に所望
形状にすることができ、しかも安価であるので従来より
広範な用途たとえば、家電製品のハウジング、フィルム
用途、容器用途、自動車内装用途、フェンダー、バンパ
ー、サイドモール、マッドガード、ミラーカバーなどの
自動車外装用途、一般雑貨用途などに広く利用されてい
る。
【0003】またこのような種々用途に応じて、ポリプ
ロピレンにポリエチレンあるいはゴム成分たとえばポリ
イソブチレン、ポリブタジエン、非晶性あるいは低結晶
性エチレン・プロピレン共重合体(EPR)などを配合
し、耐衝撃性を改善したポリプロピレン組成物も知られ
ている。またゴム成分の配合により低下する剛性を補う
ために、ポリプロピレンに、ゴム成分とともにタルクな
どの無機充填材を添加したポリプロピレン組成物も知ら
れている。
【0004】ところでこのようなポリプロピレンあるい
はポリプロピレン組成物を成形特に射出成形する際に
は、樹脂を溶融状態で射出するので、得られる射出成形
品には通常、溶融樹脂の流れ方向にしたがってフローマ
ークがついている。射出成形品たとえば自動車内外装部
品などにおいて、このフローマークが目立つと、外観が
劣るのでその商品価値が低下してしまうという問題点が
あった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであり、剛性および耐衝撃性に優れると
ともに、特に射出成形性に優れ、フローマークが目立ち
にくく外観に優れた射出成形品を製造することができる
ポリプロピレン系樹脂組成物、およびこのポリプロピレ
ン系樹脂組成物からなる射出成形品を提供することを目
的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成
物は、(a) 135℃デカリン中の極限粘度[η]が0.
5〜1.5dl/gであるプロピレン系重合体;94〜1
重量%と、(b) 135℃デカリン中の極限粘度[η]が
2.0〜11dl/gであるプロピレン系重合体;1〜9
4重量%と、(c) エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体;5〜50重量%と、(d) 無機充填材;0〜25
重量%とからなることを特徴としている。本発明に係る
射出成形品は、上記のようなポリプロピレン系樹脂組成
物からなり、自動車内外装部品、家電製品などの用途に
好適に用いることができる。
【0007】
【発明の具体的説明】本発明に係るポリプロピレン系樹
脂組成物は、極限粘度の異なる少なくとも2種のプロピ
レン系重合体(a) およびプロピレン系重合体(b) と、
(c) エチレン・α−オレフィンランダム共重合体と、必
要に応じて(d) 無機充填材とから形成される。以下本発
明に係るポリプロピレン系樹脂組成物を形成する各成分
について説明する。
【0008】プロピレン系重合体 本発明では、プロピレン系重合体としてプロピレン系重
合体(a) とプロピレン系重合体(b) とが用いられる。こ
れらプロピレン系重合体(a) とプロピレン系重合体(b)
とは、互いに異なる特定範囲の極限粘度[η]を有して
おり、具体的に、(a) プロピレン系重合体の極限粘度
[η]は、0.5〜1.5dl/g、好ましくは0.7〜1.
5dl/g、さらに好ましくは0.9〜1.5dl/gであ
り、(b) プロピレン系重合体の極限粘度[η]は、2.
0〜11dl/g、好ましくは2.0〜10dl/g、さら
に好ましくは2.0〜8.0dl/gである。
【0009】上記の極限粘度[η]は、135℃デカリ
ン中で測定される値である。本発明では、プロピレン系
重合体(a) の極限粘度[η]と、プロピレン系重合体
(b) の極限粘度[η]との差が0.6〜10dl/g好ま
しくは0.6〜9.0dl/gさらに好ましくは0.6〜8.
0dl/gとなるように選択して用いることが好ましい。
【0010】また本発明では、上記のようなプロピレン
系重合体(a) および/またはプロピレン系重合体(b)
を、それぞれ2種以上用いてもよい。上記のようなプロ
ピレン系重合体(a) およびプロピレン系重合体(b) は、
特定範囲の極限粘度[η]を有していること以外は特に
限定されない。
【0011】このようなプロピレン系重合体は、具体的
にはホモポリプロピレンであってもよく、プロピレンと
他のα−オレフィンとの共重合体であってもよく、また
この共重合体はブロック共重合体であってもランダム共
重合体であってもよい。
【0012】このプロピレンブロック共重合体は、たと
えば高結晶性のポリプロピレン成分(64℃デカン不溶
成分)と、ゴム成分(64℃デカン可溶成分)とから形
成されていることが好ましく、64℃デカン可溶成分を
5〜25重量%好ましくは5〜20重量%の量で含有し
ていることが好ましい。
【0013】この64℃n-デカン可溶成分は、プロピレ
ンブロック共重合体中のゴム成分であり、具体的にはエ
チレン・プロピレン重合体またはアタクティックポリプ
ロピレンであることが好ましい。
【0014】なおプロピレンブロック共重合体の64℃
デカン可溶成分含量は、試料(プロピレン重合体)5g
を、沸騰デカン200cc中に5時間浸漬して溶解した
後、64℃まで冷却して、析出した固相をG4ガラスフ
ィルターで濾過した後、乾燥して測定した固相重量から
逆算して求めることができる。
【0015】上記のようなプロピレンブロック共重合体
としては、具体的には、ホモポリプロピレン成分とエチ
レン・プロピレン共重合体成分(ゴム成分)とからなる
プロピレンブロック共重合体が挙げられる。このエチレ
ン・プロピレン共重合体成分は、エチレン、プロピレン
以外のα−オレフィン、たとえば1-ブテン、1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、
1-ドデセン、1-ヘキサデセン、4-メチル-1-ペンテンな
どのα−オレフィン、ビニルシクロペンテン、ビニルシ
クロヘキサン、ビニルノルボルナンなどのビニル化合
物、酢酸ビニルなどのビニルエステル、無水マレイン酸
などの不飽和有機酸またはその誘導体などから導かれる
単位を含有していてもよい。
【0016】また本発明で用いられるプロピレン系重合
体は、たとえば3-メチル-1-ブテン、3,3-ジメチル-1-
ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-メチル-1- ヘキセ
ン、3,5,5-トリメチル-1- ヘキセン、ビニルシクロペン
テン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなど
の単独重合体または共重合体をたとえば予備重合により
形成される予備重合体として含有していてもよく、この
ような予備重合体を少量たとえば1ppm 〜3重量%程度
の量で含んでいると、結晶化速度が大きくなるため好ま
しい。
【0017】本発明では、プロピレン系重合体として、
ホモポリプロピレン、プロピレンブロック共重合体が好
ましく用いられる。特にプロピレン系重合体(a) として
は、少なくともプロピレンブロック共重合体を用いるこ
とが好ましく、具体的にプロピレンブロック共重合体の
みを用いるか、プロピレンブロック共重合体とホモポリ
プロピレンとを併用することが好ましい。またプロピレ
ン系重合体(b) としては、ホモポリプロピレンを用いる
ことが好ましい。
【0018】本発明で用いられるプロピレン系重合体
(a) のメルトフローレート(MFR;ASTM D12
38,230℃、2.16kg荷重下)は、20〜100
0g/10分であることが好ましく、20〜500g/10
分であることがより好ましい。
【0019】またプロピレン系重合体(b) のメルトフロ
ーレートは、0.001〜10g/10分であることが好
ましく、0.01〜10g/10分であることがより好ま
しい。上記のようなプロピレン系重合体は、従来公知の
触媒を用いて種々の方法により製造することができる
が、たとえば立体規則性触媒を用いて製造することがで
きる。具体的にはたとえば、ハロゲン含有マグネシウム
化合物、チタン化合物および多価カルボン酸エステルな
どの電子供与性化合物を接触させることにより得られる
チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電子供与性化合
物を含む固体状チタン触媒成分と、有機金属化合物、さ
らに必要に応じて電子供与性化合物とから形成される触
媒の存在下に、プロピレンを重合させるかまたはプロピ
レンと他のオレフィンとを共重合させることにより、プ
ロピレン系重合体を製造することができる。
【0020】また有機金属化合物としては、有機アルミ
ニウム化合物が好ましく、具体的に、トリアルキルアル
ミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキル
アルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジ
ハライドなどが挙げられる。なお有機金属化合物は、使
用するチタン触媒成分の種類に合わせて適宜選択するこ
とができる。
【0021】電子供与性化合物としては、窒素原子、リ
ン原子、硫黄原子、ケイ素原子あるいはホウ素原子など
を有する有機化合物を使用することができ、好ましくは
これら原子を有するエステル化合物およびエーテル化合
物などが挙げられる。
【0022】このような触媒はさらに共粉砕等の手法に
より活性化されてもよく、また触媒成分には、必要に応
じて前記3-メチル-1-ブテンなどのオレフィン類が前重
合されていてもよい。
【0023】なお前述したような3-メチル-1-ブテン重
合体を予備重合体として含む予備重合触媒を用いたプロ
ピレン系重合体の製造方法はたとえば特開平2−272
045号公報に開示されており、本発明もこの公報に開
示された技術を利用することができる。
【0024】(c) エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体 本発明で用いられるエチレン・α−オレフィンランダム
共重合体(c) は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレ
フィンとのランダム共重合体であって、エラストマー状
物であることが望ましい。
【0025】このエチレン・α−オレフィンランダム共
重合体(c) は、エチレンから導かれる単位を60〜90
モル%の量で、炭素数3〜10のα−オレフィンから導
かれる単位を10〜40モル%の量で含有していること
が望ましい。
【0026】このようなα−オレフィンとしては、たと
えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、
1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-ヘ
キサドデセン、4-メチル-1-ペンテンなどが挙げられ
る。
【0027】これらのうちでも、炭素数4〜10のα−
オレフィンが好ましい。また本発明で用いられるエチレ
ン・α−オレフィンランダム共重合体(c) は、本発明の
特性を損なわない範囲であれば、必要に応じて他の重合
性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。
【0028】このような他の重合性モノマーとしては、
たとえばスチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシク
ロヘキサン、ビニルノルボルナンなどのビニル化合物
類、酢酸ビニルなどのビニルエステル、無水マレイン酸
などの不飽和有機酸またはその誘導体、共役ジエン類、
1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-
ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-
1,6-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキ
サジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネ
ン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボル
ネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデ
ン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル
-2-ノルボルネン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボル
ネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネ
ン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどの非共役
ポリエン類などが挙げられる。
【0029】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体(c) は、このような他の重合性モノマーから導かれる
単位を、通常10モル%以下好ましくは5モル%以下よ
り好ましくは3モル%以下の量で含有していてもよい。
【0030】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体(c) は、炭素数3〜20のから導かれる単位を2種以
上含有していてもよく、また他の重合性モノマーから導
かれる単位を2種以上含有していてもよい。
【0031】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィンランダム共重合体(c) のメルトフローレート(MF
R:ASTM D1238;230℃、2.16kg荷重
下)は、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05
〜50g/10分であることが望ましい。
【0032】エチレン・α−オレフィンランダム共重合
体(c) の極限粘度[η](135℃、デカリン中で測
定)は、1〜5dl/gであることが好ましい。またガラ
ス転移点Tgは−50℃以下であることが好ましく、密
度は0.860〜0.900g/cm3 であることが好まし
い。
【0033】本発明では、エチレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体(c) としては、具体的には、エチレン・
プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンラン
ダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダ
ム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、
エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが挙げら
れ、これらのうちでも、エチレン・1-ブテンランダム共
重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネ
ンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共
重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体などが
好ましく用いられる。
【0034】上記のようなエチレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体(c) は、前記プロピレン系重合体との相
溶性に優れており、これら各成分からは剛性に優れると
ともに耐衝撃性にも優れ、しかも流動性にも優れたポリ
プロピレン系樹脂組成物を形成することができる。
【0035】本発明では、エチレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体を2種以上併用してもよい。本発明で用
いられるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体
(c) は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロ
セン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造する
ことができる。
【0036】(d) 無機充填材 上記のような各成分からポリプロピレン系樹脂組成物を
形成する際には、必要に応じて無機充填材を用いること
ができる。
【0037】無機充填材として、具体的には、微粉末タ
ルク、カオリナイト、焼成クレー、バイロフィライト、
セリサイト、ウォラスナイトなどの天然珪酸または珪酸
塩、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウムなどの炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウムなどの水酸化物、酸化亜鉛、亜鉛華、酸
化マグネシウムなどの酸化物、含水珪酸カルシウム、含
水珪酸アルミニウム、含水珪酸、無水珪酸などの合成珪
酸または珪酸塩などの粉末状充填剤、マイカなどのフレ
ーク状充填剤、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チ
タン酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィ
スカー、セピオライト、PMF(Processed Mineral Fi
ber)、ゾノトライト、チタン酸カリ、エレスタダイト
などの繊維状充填剤、ガラスバルン、フライアッシュバ
ルンなどのバルン状充填剤などを用いることができる。
【0038】本発明では、これらのうちでもタルクが好
ましく用いられ、特に平均粒径0.01〜10μmの微
粉末タルクが好ましく用いられる。なおタルクの平均粒
径は、液相沈降方法によって測定することができる。
【0039】また本発明で用いられる無機充填材特にタ
ルクは、無処理であっても予め表面処理されていてもよ
い。この表面処理に例としては、具体的には、シランカ
ップリング剤、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、不飽和有機
酸、有機チタネート、樹脂酸、ポリエチレングリコール
などの処理剤を用いる化学的または物理的処理が挙げら
れる。このような表面処理が施されたタルクを用いる
と、ウェルド強度、塗装性、成形加工性にも優れたポリ
プロピレン組成物を得ることができる。
【0040】上記のような無機充填材は、2種以上併用
してもよい。また本発明では、このような無機充填材と
ともに、ハイスチレン類、リグニン、再ゴムなどの有機
充填剤を用いることもできる。
【0041】ポリプロピレン系樹脂組成物 本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、上記のよ
うな(a) プロピレン系重合体を、94〜1重量%、好ま
しくは80〜1重量%、さらに好ましくは70〜1重量
%の量で、(b) プロピレン系重合体を、1〜94重量
%、好ましくは1〜80重量%、さらに好ましくは1〜
70重量%の量で、(c) エチレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体を、5〜50重量%、好ましくは5〜40
重量%、さらに好ましくは10〜40重量%の量で、
(d) 無機充填材を0〜25重量%の量で含有している。
【0042】上記のような各成分から形成される本発明
に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、耐熱性および剛
性に優れるとともに、耐衝撃性特に低温での耐衝撃性に
も優れている。さらにポリプロピレン系樹脂組成物は、
特定範囲の極限粘度となるようにそれぞれ選択された2
種のプロピレン系重合体から形成されており、優れた成
形性特に射出成形性を示すことができる。
【0043】本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物
は、上記のような各成分に加えて本発明の目的を損なわ
ない範囲であれば、必要に応じて、他の樹脂類、他のエ
ラストマー、各種添加剤などを含有していてもよい。
【0044】たとえば他の樹脂類としては、熱可塑性樹
脂または熱硬化性樹脂を用いることができ、具体的に
は、ポリ1-ブテンなどのα-オレフィン単独重合体また
はα-オレフィン共重合体、α-オレフィンとビニルモノ
マーとの共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレン
などの変性オレフィン重合体、ナイロン、ポリカーボネ
ート、ABS、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフ
ェニレンオキサイド、石油樹脂、フェノール樹脂などを
用いることができる。
【0045】他のエラストマーとしては、前記(c) 以外
のオレフィン系エラストマーすなわちオレフィンを主成
分とする非晶性弾性共重合体、スチレン系熱可塑性エラ
ストマーおよび共役ジエン系ゴムなどを挙げることがで
きる。
【0046】また添加剤としては、核剤、酸化防止剤、
塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害防
止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、
過酸化物などの流れ性改良剤、ウェルド強度改良剤など
を用いることができる。
【0047】本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物
は、上記のような各成分を同時に、または逐次的にたと
えばヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラー
ブレンダー、リボンブレンダーなどに装入して混練した
後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミ
キサーなどで溶融混練することによって得られる。
【0048】これらのうちでも、多軸押出機、ニーダ
ー、バンバリーミキサーなどの混練性能に優れた装置を
使用すると、各成分がより均一に分散された高品質のポ
リプロピレン系樹脂組成物を得ることができて好まし
い。
【0049】本発明では、上記のようにポリプロピレン
系樹脂組成物を調製する時には、各成分を優れた分散性
で混練することができる。本発明に係るポリプロピレン
系樹脂組成物は、公知の成形方法を特に限定することな
く採用して種々の形状の成形品に成形することができ
る。
【0050】これらのうちでも、射出成形品に成形する
ことが好ましい。ポリプロピレン系樹脂組成物の射出成
形は、通常200〜250℃の樹脂温度で、また得られ
る射出成形品の形状にもよるが通常800〜1400kg
/cm2 の射出圧で射出成形される。
【0051】本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物
は、射出成形時の流動性などの成形性に優れている。特
に本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物からはフロ
ーマークの目立ちにくい外観に優れた射出成形品を得る
ことができる。
【0052】このような本発明に係るポリプロピレン系
樹脂組成物の射出成形品は、広範な用途に利用すること
ができ、たとえばハウジング、洗濯槽などの家電用途、
一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム、インフレーショ
ンフィルムなどのフィルム用途、カレンダー成形、押出
成形などによるシート用途、バッグ、レトルト容器など
の容器用途、たとえばトリム、インパネ、コラムカバー
などの自動車内装用途、フェンダー、バンパー、サイド
モール、マッドガード、ミラーカバーなどの自動車外装
用途、一般雑貨用途などに好適に利用することができ
る。
【0053】上記のうちでも、剛性、耐熱性および耐衝
撃性のいずれにも優れ、外観にも優れている特性を有効
に利用しうる用途たとえばフェンダー、バンパー、サイ
ドモール、マッドガード、ミラーカバーなどの自動車内
外装部品として好適に用いることができる。
【0054】
【発明の効果】本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成
物は、剛性、耐熱性に優れるとともに耐衝撃性にも優れ
ている。また本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物
は、成形性特に射出成形性に優れており、フローマーク
の目立たない射出成形品を形成することができる。
【0055】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0056】なお下記実施例において、各物性は以下の
ようにして測定した。 (1)メルトフローレート(MFR):ASTM C1
238に準拠して、230℃、2.16kg荷重条件下で
測定した。 (2)曲げ弾性率(FM) ASTM C790に準拠
して、厚さ1/8インチの試験片を用いて、スパン間5
1mm、曲げ速度20mm/分の条件下で測定した。 (3)アイゾット衝撃強度(IZ) ASTM D25
6に準拠して、厚さ1/4インチの試験片(後ノッチ)
を用いて、23℃で測定した。
【0057】(4)外観 射出成形された角板(タテ30cm×ヨコ12cm×厚さ2
mm)の外観(フローマーク)の良し悪しを目視により判
断した。 ◎…フローマークなしあるいは極めて目立ちにくい ○…フローマーク目立ちにくい △…フローマークやや目立つ ×…フローマーク目立つ
【0058】
【実施例1〜3】表1に示すような各成分を200℃で
溶融混練して得られたポリプロピレン系樹脂組成物を調
製した。ポリプロピレン系樹脂組成物のMFRを表1に
示す。得られたポリプロピレン系樹脂組成物を、樹脂温
度200℃、射出圧1000kg/cm2 、金型温度40℃
の条件下で射出成形した。得られた射出成形品の曲げ試
験、耐衝撃強度、外観を評価した。結果を表1に示す。
【0059】
【比較例1〜2】実施例1において、表1に示すような
各成分からなる組成物に代えた以外は、実施例1と同様
にして射出成形した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】(a) プロピレン系重合体 (a-1) ブロックPP…プロピレンブロック共重合体
(極限粘度[η]=1.3dl/g、64℃デカン可溶成
分=10.3重量%) (a-2) ホモPP…ホモポリプロピレン(極限粘度
[η]=1.0dl/g) (a-3) ホモPP…ホモポリプロピレン(極限粘度
[η]=1.6dl/g) (b) プロピレン系重合体 (b-1) ホモPP…ホモポリプロピレン(極限粘度
[η]=2.0dl/g) (b-2) ホモPP…ホモポリプロピレン(極限粘度
[η]=3.0dl/g) (c) エチレン・α−オレフィンランダム共重合体 (c-1) EBR…エチレン・1-ブテンランダム共重合体
(極限粘度[η]=2.3dl/g、エチレン/ブテン組
成比(モル比)=82/18) (c-2) EPT…エチレン・プロピレン・エチリデンノル
ボルネン共重合体(極限粘度[η]=2.6dl/g、ヨ
ウ素価=7、エチレン/プロピレン組成比(モル比)=
80/20) (d) 無機充填材 平均粒径2.5μmのタルク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 135℃デカリン中の極限粘度[η]
    が0.5〜1.5dl/gであるプロピレン系重合体;94
    〜1重量%と、 (b) 135℃デカリン中の極限粘度[η]が2.0〜1
    1dl/gであるプロピレン系重合体;1〜94重量%
    と、 (c) エチレン・α−オレフィンランダム共重合体;5〜
    50重量%と、 (d) 無機充填材;0〜25重量%とからなるポリプロピ
    レン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組
    成物からなる射出成形品。
  3. 【請求項3】射出成形品が自動車内外装部品であること
    を特徴とする請求項2に記載の射出成形品。
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