JP2007092050A - プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記(1)および(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体と、繊維状無機充填材と、非繊維状無機充填材と、エラストマーとを含有するプロピレン系樹脂組成物および該樹脂組成物からなる射出成形体。
(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)からなり、
EP−Aの極限粘度が1.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量が20重量%以上50重量%未満であり、
EP−Bの極限粘度が0.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量が50重量%以上80重量%以下である。
(2)230℃でのメルトフローレートが5〜120g/10分である。
【選択図】なし
Description
例えば、特開平9−157492号公報には、耐衝撃性、剛性及び成形性の改良を目的とする熱可塑性樹脂組成物であって、ホモプロピレン部分と、低エチレン濃度のプロピレン−エチレン共重合体部分と、高エチレン濃度のプロピレン−エチレン共重合体部分とからなるプロピレン−エチレンブロック共重合体と、MFR0.1〜30g/10分のエチレン−ブテン共重合体ゴムと、MFR0.1〜20g/10分のエチレン−プロピレン共重合体ゴムと、タルクからなる熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
かかる状況の下、本発明の目的は、比重が小さく、剛性、耐衝撃性に優れるプロピレン系樹脂組成物、その製造方法および、該樹脂組成物からなる射出成形体を提供することにある。
すなわち、本発明は、
下記のプロピレンブロック重合体(A)35〜91重量%と、繊維状無機充填材(B)3〜15重量%と、非繊維状無機充填材(C)3〜20重量%と、オレフィン系エラストマーおよび/またはビニル芳香族化合物含有エラストマー(D)3〜30重量%とを含有するプロピレン系樹脂組成物(ただし、該樹脂組成物の全量を100重量%とする)、および、該樹脂組成物からなる射出成形体に係るものである。
プロピレンブロック重合体(A)は、
プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜85重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン重量/エチレン重量)が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分15〜40重量%とを含有し、下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体である(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)。
要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)からなり、共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aが1.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20重量%以上50重量%未満(ただし、成分(EP−A)の全量を100重量%とする)であり、共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が50重量%以上80重量%以下である(ただし、成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。
要件(2)プロピレンブロック重合体(A)の230℃でのメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。
プロピレン重合体(E)と繊維状無機充填材(B)とを、プロピレン重合体(E)と繊維状無機充填材(B)の重量比((E)/(B))を3/7〜7/3にして、溶融混練して樹脂組成物(MB)を得る第1工程と、第1工程で得られた樹脂組成物(MB)に、さらにプロピレンブロック重合体(A)と非繊維状無機充填材(C)とオレフィン系エラストマーおよび/またはビニル芳香族化合物含有エラストマ−(D)とを加えて溶融混練して樹脂組成物を得る第2工程とからなる上記のプロピレン系樹脂組成物の製造方法に係るものである。
また、繊維状無機充填材(B)のアスペクト比は、通常、10以上であり、好ましくは10〜30である。
そして、繊維状無機充填材(B)の平均繊維径として、好ましくは、0.2〜1.5μmである。
オレフィン系エラストマー(D−1)は、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
オレフィン系エラストマー(D−1)の190℃のMFRは、衝撃強度の観点から、通常、0.1〜30g/10分であり、好ましくは0.5〜20g/10分である。
公知の重合方法としては、例えば、炭化水素化合物のような不活性有機溶媒中でエチレンとα−オレフィンを共重合させる方法や、溶媒を用いずにエチレン及びα−オレフィン中で共重合させる方法が挙げられる。
重量比((E)/(B))が3/7未満の場合(すなわち、(E)が過少で、(B)が過多である場合)、(B)が多すぎて、混練ができなくなることがある。重量比((E)/(B))が7/3を超えた場合(すなわち、(E)が過多で、(B)が過少である場合)、(B)の量が不足し、剛性の改良効果が小さいことがある。
混練に用いられる装置としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等が挙げられ、好ましくは一軸押出機、二軸押出機である。
溶融混練するときの樹脂の温度は、通常、170〜250℃であり、溶融混練の時間は、通常30秒〜10分である。
(1)プロピレンブロック重合体(A)と、非繊維状無機充填材(C)と、エラストマー(D)とを溶融混練した後、第1工程で得られたペレットである樹脂組成物(MB)を添加し、溶融混練する方法。
(2)第1工程で得られたペレットである樹脂組成物(MB)と、プロピレンブロック重合体(A)と、非繊維状無機充填材(C)とを溶融混練した後、エラストマー(D)を添加し、溶融混練する方法。
(3)第1工程で得られたペレットである樹脂組成物(MB)と、プロピレンブロック重合体(A)と、エラストマー(D)とを溶融混練した後、非繊維状無機充填材(C)を添加し、溶融混練する方法。
(4)予め、プロピレンブロック重合体(A)にエラストマー(D)を高濃度に溶融混練してマスターバッチとし、第1工程で得られたペレットである樹脂組成物(MB)と非繊維状無機充填材(C)とを添加し、溶融混練する方法。
本発明の射出成形体の用途としては、例えば、自動車用部品、電気製品・電子製品用部品、建材部品等が挙げられ、好ましくは自動車用部品である。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−6758に規定された方法に従い、測定した。特に断りのない限り、測定温度は230℃であり、荷重は2.16kgである。
エチレン含量は、プレスシートを作製し、赤外吸収スペクトルを測定して得られるメチル基(−CH3)およびメチレン基(−CH2−)の特性吸収の吸光度を用いて検量線法により求めた。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で評価した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下に示した条件で測定した。
GPC:Waters社製 150C型
カラム:昭和電工社製 Shodex 80 MA 2本
サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.2wt%)
流量:1ml/min
温度:135℃
溶媒:o−ジクロルベンゼン
東洋曹達社製の標準ポリスチレンを用いて溶出体積と分子量の検量線を作成する。検量線を用いて検体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め分子量分布の尺度として、Q値、すなわち、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)を求めた。
アイソタクチック・ペンタッド分率は、A.Zambelliらによって、Macromolecules,6,925(1973)に発表、記載されている方法に従って測定した。すなわち、13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すれば、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率を求めた。ただし、NMRの吸収ピークの帰属は、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて行う。
結晶性ポリプロピレン部重合工程で生成した重合体の重量比率Xp、EP1部重合工程で生成した重合体の重量比率X1、およびEP2部重合工程で生成した重合体の重量比率X2は、下記式により算出した。
Xp=ΔH2/ΔHP
X1=(ΔHP/ΔH1−1)×ΔH2/ΔHP
X2=1−Xp−X1
ΔHP:結晶性ポリプロピレン部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
ΔH1:EP−1部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
ΔH2:EP−2部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量は、赤外線吸収スペクトル法により全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)で測定し、次式から算出した。
(C2')EP=(C2')T/X
(C2')T:全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)
(C2')EP:プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量(重量%)
第1段目の共重合体部分(EP−1)を重合した後に重合槽から取り出したサンプルを用い上記(7)と同様にして、[(C2’)EP-1](重量%)を求めた。
下記式より求めた。
[(C2’)EP-2]=((C2')T−[(C2’)EP-1]×X1)/X2
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPは、プロピレン単独重合体部分と全ブロック共重合体の各々の極限粘度を測定することにより、次式から算出した。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η]T:ブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体の第1セグメントであるプロピレン単独重合体部分の極限粘度[η]Pは、その製造時に、第一工程であるプロピレン単独重合体部分の製造後に重合槽内より取り出し、取り出されたプロピレン単独重合体から[η]Pを求めた。
第1段目の共重合体部分(EP−1)を重合した後に重合槽から取り出したサンプルの極限粘度([η](1))を測定し、上記(8)と同様に第1段目の共重合体部分(EP−1)の極限粘度[η]EP-1を求める。
[η]EP-1=[η](1)/X(1)−(1/X(1)−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η](1):EP−1重合後のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
X(1):EP−1重合後のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−1の重量比率
第2段目の共重合体部分(EP−2)の極限粘度[η]EP-2は、最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPと、第1段目の共重合体部分(EP−1)の極限粘度[η]EP-1とそれぞれの重量比率から求める。
[η]EP-2=([η]EP・X−[η]EP−1・X1)/X2
X1:最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−1の重量比率
X2:最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−2の重量比率
樹脂組成物をキシレンにてソックスレー抽出し、抽出されずにのこった固形成分を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影する。得られたSEM写真の繊維状無機充填材の長さを無作為で50個以上抽出して測定し、平均繊維長を求めた。
(1)曲げ弾性率(FM、単位:MPa)
JIS−K−7203に規定された方法に従い、測定した。射出成形によって成形される試験片を用いた。試験片の厚みは6.4mmであり、スパン長さ100mm、荷重速度30mm/minの条件で曲げ弾性率を評価した。測定温度は23℃で行った。
JIS−K−7110に規定された方法に従い、測定した。射出成形によって成形される試験片を用いた。試験片の厚みは3.2mmであり、ノッチ付きの衝撃強度を評価する。測定温度は23℃で行った
JIS−K−7112に規定された方法に従い、測定する。水中置換法による測定を23℃で行った。
(A)プロピレンブロック重合体
〔固体触媒成分の製造〕
本発明のプロピレン系重合体に使用する固体触媒成分は、特開2004−182876号公報の実施例3(1)、(2)と同様にして製造した。
1.予備重合
製攪拌機付きオートクレーブにおいて、充分に脱水、脱気処理したヘキサンにトリエチルアルミニウム(以下、TEAと略す)を25mmol/L、電子供与体成分としてシクロヘキシルエチルジメトキシシラン(以下、CHEDMSと略す)をCHEDMS/TEA=0.1(mol/mol)、および特開2004−182876号公報に記載の固体触媒成分を触媒成分に含まれるTi含量で[TEA]/Ti=5となるように上記の順に仕込み、固体触媒成分あたりの重合体量比(以下PP/catと略す)が2.5(g/g)になるように5〜15℃を維持しながらプロピレンを連続的に供給して予備重合体スラリーを得た。得られた予備重合体スラリーを製攪拌機付きオートクレーブに移送した後、十分に精製された液状ブタンを加えて10℃以下の温度に保持して保存した。
5槽からなる重合槽を直列に配置し、第1、2、3槽目でプロピレン単独重合体の連続式バルク重合を行い、生成パウダーの置換が完了したところで槽内にホールドしているパウダーを第4槽目に移送し、続いてその槽でプロピレン−エチレンランダム共重合体(EP−B)を気相重合した。さらに、得られたパウダーを、プロピレン−エチレン比率を調整した5槽目に移送し、プロピレン−エチレン共重合体(EP−A)を気相重合し、P−(EP−B)−(EP−A)構造を有するブロック共重合体を得た。
得られたポリマーの分析結果を表1に示した。得られたポリマーの全体の極限粘度[η]Tは1.62dl/gであり、EP−B含量は28.7重量%、EP−A含量は6.9重量%であり、EP−B中のエチレン含量は58.7重量%、EP−A中のエチレン含量は32.5重量%であった。EP−Bの極限粘度[η]EP-Bは2.8dl/g、EP−Aの極限粘度[η]EP-Aは3.4dl/gであった。
(A−1)と同様の方法で、第1、2、3槽目の水素濃度、第4、5槽目のプロピレン/エチレン/水素の体積比率、滞留時間を調節することで、ポリプロピレン系重合体(A−2)を製造した。
(A−1)と同様の方法で、第1、2、3槽目の水素濃度、第4、5槽目のプロピレン/エチレン/水素の体積比率、滞留時間を調節することで、ポリプロピレン系重合体(A−3)を製造した。ただし、A−3では、4槽目と5槽目のプロピレン/エチレン/水素の体積比率を同じにして製造しており、EP−Aだけを有するプロピレン系重合体であった。
住友化学社製 AZ564を用いた。
(A−1)と同様の方法で、第1、2、3槽目の水素濃度、第4、5槽目のプロピレン/エチレン/水素の体積比率、滞留時間を調節することで、ポリプロピレン系重合体(A−5)を製造した。
(B−1)宇部マテリアルズ社製のモスハイジA(繊維状マグネシウムオキシサルフェート)を用いた。平均繊維径0.5μm、平均繊維長10μm、平均アスペクト比20であった。
〔マスターバッチの製造方法〕
分子量分布(Q値)が4.1であり、極限粘度([η]P)が0.80dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率が0.99であり、MFR(230℃)が300g/10分である粉末状のプロピレン単独重合体(E−1) 50重量部、宇部マテリアルズ社製モスハイジA50重量部、および日本精化社製 エルカ酸アミド NewS 1重量部を計重機からフィードし、2軸混練押出し機(神戸製鋼社製4FCM)を用いて混練した。スクリューはフルフライト形状であり、L/D=18.5であり、スクリュー回転数は36rpm、吐出量は180kg/hであった。2軸混練機にて溶融混練後、続いて、大阪精機社製120mm単軸押出し機により、ペレット化して(B−2)を得た
非繊維状無機充填材としては、タルク(林化成社製 MWHST)を用いた。平均粒子径は、2.7μmであった。
デュポンダウエラストマー社製 エチレン−1−オクテン共重合体ゴム : ENGAGE8842(密度:0.858g/cm3、MFR(190℃):1g/10分)
(E−1)分子量分布(Q値)が4.1であり、極限粘度([η]P)が0.80dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率が0.99であり、MFR(230℃)が300g/10分である粉末状のプロピレン単独重合体
上記の方法によって得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)および、エラストマー(D)、非繊維状無機充填材(C)、繊維状無機充填材(B)、および、プロピレン単独重合体(E)を表2記載の組成比で配合し、これらをヘンシェルミキサーおよびタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44SS−31.5BW−2V型)を用いて、押出量30kg/hr、スクリュー回転数320rpm、ベント吸引下で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。得られたポリプロピレン系樹脂組成物を表2に示した。
物性評価用試験片は、次の射出成形条件下で作製した。ポリプロピレン系樹脂組成物を熱風乾燥器で120℃で2時間乾燥後、東芝機械製IS150E−V型射出成形機を用いて、成形温度180℃、金型冷却温度50℃、射出時間15sec、冷却時間30secで射出成形を行った。得られた射出成形体の評価結果を表3に示した。
Claims (7)
- 下記のプロピレンブロック重合体(A)35〜91重量%と、繊維状無機充填材(B)3〜15重量%と、非繊維状無機充填材(C)3〜20重量%と、オレフィン系エラストマーおよび/またはビニル芳香族化合物含有エラストマー(D)3〜30重量%とを含有するプロピレン系樹脂組成物(ただし、該樹脂組成物の全量を100重量%とする)。
プロピレンブロック重合体(A)は、
プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜85重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン重量/エチレン重量)が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分15〜40重量%とを含有し、下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体である(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)。
要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)からなり、共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aが1.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20重量%以上50重量%未満(ただし、成分(EP−A)の全量を100重量%とする)であり、共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が50重量%以上80重量%以下である(ただし、成分(EP−B)の全量を100重量%とする)
要件(2)プロピレンブロック重合体(A)の230℃でのメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。 - 繊維状無機充填材(B)が、平均繊維径が0.2〜1.5μmであり、平均繊維長が7〜20μmであり、アスペクト比が10〜30である繊維状マグネシウムオキシサルフェートである請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物であって、該樹脂組成物中において繊維状無機充填材(B)の平均繊維長が3μm以上であるプロピレン系樹脂組成物。
- プロピレンブロック重合体(A)に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aが4dl/g以上、8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が25〜45重量%であり(ただし、成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上3dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が50〜65重量%である(ただし、成分(EP−B)の全量を100重量%とする)請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体。
- プロピレン重合体(E)と繊維状無機充填材(B)とを、プロピレン重合体(E)と繊維状無機充填材(B)の重量比((E)/(B))を3/7〜7/3にして、溶融混練して樹脂組成物(MB)を得る第1工程と、第1工程で得られた樹脂組成物(MB)に、さらにプロピレンブロック重合体(A)と非繊維状無機充填材(C)とオレフィン系エラストマーおよび/またはビニル芳香族化合物含有エラストマ−(D)とを加えて溶融混練して樹脂組成物を得る第2工程とからなる請求項1〜3のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
- 第1工程で得られた樹脂組成物(MB)の含有量を5〜30重量%とし、第2工程で加えられるプロピレンブロック重合体(A)の含有量を20〜89重量%とし、非繊維状無機充填材(C)の含有量を3〜20重量%とし、オレフィン系エラストマーおよび/またはビニル芳香族化合物含有エラストマー(D)の含有量を3〜30重量%とする請求項5に記載のプロピレン系樹脂組成物の製造方法(ただし、プロピレン系樹脂組成物の全量を100重量%とする)。
- 第1工程で得られる樹脂組成物(MB)をペレットとして製造し、第2工程で該ペレットを用いる請求項5または6に記載のプロピレン系樹脂組成物の製造方法。
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