JP2008208304A - ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008208304A JP2008208304A JP2007048923A JP2007048923A JP2008208304A JP 2008208304 A JP2008208304 A JP 2008208304A JP 2007048923 A JP2007048923 A JP 2007048923A JP 2007048923 A JP2007048923 A JP 2007048923A JP 2008208304 A JP2008208304 A JP 2008208304A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- propylene
- weight
- ethylene
- resin composition
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】下記のプロピレン系重合体(A)70〜90重量%と、無機充填材(B)10〜30重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物であり、
プロピレン系重合体(A)は、プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜75重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量/重量))が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分25〜40重量%とを含有し、特定の下記要件(1)および特定の要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体であるポリプロピレン系樹脂組成物、および、該樹脂組成物からなる射出成形体。
【選択図】なし
Description
例えば、特開平9−157492号公報には、耐衝撃性、剛性及び成形性の改良を目的とする熱可塑性樹脂組成物であって、ホモプロピレン部分と、極限粘度が2〜5dl/gである低エチレン濃度のプロピレン−エチレン共重合体部分と、極限粘度が4〜6dl/gである高エチレン濃度のプロピレン−エチレン共重合体部分とからなるプロピレン−エチレンブロック共重合体と、MFR0.1〜30g/10分のエチレン−ブテン共重合体ゴムと、MFR0.1〜20g/10分のエチレン−プロピレン共重合体ゴムと、タルクからなる熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
かかる状況の下、本発明の目的は、フローマークの発生が抑制され、面衝撃特性に優れるポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供することにある。
すなわち、本発明の一は、
下記のプロピレン系重合体(A)70〜90重量%と、無機充填材(B)10〜30重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物である(ただし、ポリプロピレン系樹脂組成物の全量を100重量%とする)。
プロピレン系重合体(A)は、プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜75重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量/重量))が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分25〜40重量%とを含有し、下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体である(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)。
要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)からなり、共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aが8dl/gを超え13dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20重量%以上50重量%未満であり(ただし、成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が50重量%以上80重量%以下である(ただし、成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。
要件(2)プロピレン系重合体(A)の230℃でのメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。
下記のプロピレン系重合体(A)69〜89.9重量%と、無機充填材(B)10〜30重量%と、エラストマー(C)0.1〜1重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物である(ただし、ポリプロピレン系樹脂組成物の全量を100重量%とする)。
プロピレン系重合体(A)は、
プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜75重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量/重量))が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分25〜40重量%とを含有し、下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体である(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)。
要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)からなり、共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aが8dl/gを超え13dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20重量%以上50重量%未満であり(ただし、成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が50重量%以上80重量%以下である(ただし、成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。
要件(2)プロピレン系重合体(A)の230℃でのメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。
エラストマー(C)は、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体エラストマー(C−1)、ジエン系エラストマー(C−2)、ビニル芳香族化合物含有エラストマー(C−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種のエラストマーである。
(ただし、プロピレン系重合体(A)の全量を100重量%とし、(EP−A)と(EP−B)の合計が25〜40重量%を満たす。)
無機充填材(B)が繊維状の場合、平均繊維長は、通常5μm以上であり、平均繊維径は、通常0.2〜2μmである。好ましくは平均繊維長は10μm以上である。
オレフィン系エラストマー(C−1)は、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
オレフィン系エラストマー(C−1)の190℃のMFRは、衝撃強度の観点から、通常、0.1〜30g/10分であり、好ましくは0.5〜20g/10分である。
公知の重合方法としては、例えば、炭化水素化合物のような不活性有機溶媒中でエチレンとα−オレフィンを共重合させる方法や、溶媒を用いずにエチレン及びα−オレフィン中で共重合させる方法が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂組成物の全量を100重量%として、プロピレン系重合体(A)の含有量は70〜90重量%であり、無機充填材(B)の含有量は10〜30重量%である。好ましくは、プロピレン系重合体(A)の含有量が75〜90重量%であり、無機充填材(B)の含有量が10〜25重量%である。
ポリプロピレン系樹脂組成物の全量を100重量%として、プロピレン系重合体(A)の含有量は69〜89.9重量%であり、無機充填材(B)の含有量は10〜30重量%であり、エラストマー(C)の含有量は0.1〜1重量%である。
好ましくは、プロピレン系重合体(A)の含有量が74.5〜89.8重量%であり、無機充填材(B)の含有量が10〜25重量%であり、エラストマー(C)の含有量が0.2〜0.5重量%である。
無機充填材(B)の含有量が10重量%未満の場合、剛性が不足する場合があり、30重量%を超えた場合、耐衝撃性が低下したり、フローマークの発生の抑制が不充分な場合がある。
エラストマー(C)の含有量が1重量%を超えた場合、面衝撃特性が低下する場合がある。
(1)プロピレン系重合体(A)と無機充填材(B)を混練した後、エラストマー(C)を添加し、混練する方法。
(2)プロピレン系重合体(A)とエラストマー(C)を混練した後、無機充填材(B)を添加し、混練する方法。
また、混練時に、必要に応じて、プロピレン単独重合体(D)を添加しても良い。
本発明の射出成形体の用途としては、例えば、自動車用部品、電気製品・電子製品用部品、建材部品等が挙げられ、好ましくは自動車用部品である。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−6758に規定された方法に従い、測定した。特に断りのない限り、測定温度は230℃であり、荷重は2.16kgである。
エチレン含量は、プレスシートを作製し、赤外吸収スペクトルを測定して得られるメチル基(−CH3)およびメチレン基(−CH2−)の特性吸収の吸光度を用いて検量線法により求めた。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で評価した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下に示した条件で測定した。
GPC:Waters社製 150C型
カラム:昭和電工社製 Shodex 80 MA 2本
サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.2wt%)
流量:1ml/min
温度:135℃
溶媒:o−ジクロルベンゼン
東洋曹達社製の標準ポリスチレンを用いて溶出体積と分子量の検量線を作成した。検量線を用いて検体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め分子量分布の尺度として、Q値、すなわち、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)を求めた。
アイソタクチック・ペンタッド分率は、A.Zambelliらによって、Macromolecules,6,925(1973)に発表、記載されている方法に従って測定した。すなわち、13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すれば、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率を求める。ただし、NMRの吸収ピークの帰属は、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて行った。
具体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定した。この方法により英国NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19−14 PolypropylenePP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率を測定したところ、0.944であった。
結晶性ポリプロピレン部重合工程で生成した重合体の重量比率Xp、EP1部重合工程で生成した重合体の重量比率X1、およびEP2部重合工程で生成した重合体の重量比率X2は、下記式により算出した。
Xp=ΔH2/ΔHP
X1=(ΔHP/ΔH1−1)×ΔH2/ΔHP
X2=1−Xp−X1
ΔHP:結晶性ポリプロピレン部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
ΔH1:EP−1部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
ΔH2:EP−2部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量は、赤外線吸収スペクトル法により全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)で測定し、次式から算出した。
(C2')EP=(C2')T/X
(C2')T:全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)
(C2')EP:プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量(重量%)
第1段目の共重合体部分(EP−1)を重合した後に重合槽から取り出したサンプルを用い上記(7)と同様にして、[(C2’)EP-1](重量%)を求めた。
下記式より求めた。
[(C2’)EP-2]=((C2')T−[(C2’)EP-1]×X1)/X2
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPは、プロピレン単独重合体部分と全ブロック共重合体の各々の極限粘度を測定することにより、次式から算出した。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η]T:ブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体の第1セグメントであるプロピレン単独重合体部分の極限粘度[η]Pは、その製造時に、第一工程であるプロピレン単独重合体部分の製造後に重合槽内より取り出し、取り出されたプロピレン単独重合体から[η]Pを求めた。
第1段目の共重合体部分(EP−1)を重合した後に重合槽から取り出したサンプルの極限粘度([η](1))を測定し、上記(8)と同様に第1段目の共重合体部分(EP−1)の極限粘度[η]EP-1を求めた。
[η]EP-1=[η](1)/X(1)−(1/X(1)−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η](1):EP−1重合後のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
X(1):EP−1重合後のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−1の重量比率
第2段目に重合される共重合体部分(EP−2)の極限粘度[η]EP-2は、最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPと、第1段目の共重合体部分(EP−1)の極限粘度[η]EP-1とそれぞれの重量比率から求めた。
[η]EP-2=([η]EP・X−[η]EP-1・X1)/X2
X1:最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−1の重量比率
X2:最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−2の重量比率
(1)曲げ弾性率(単位:MPa)
JIS−K−7203に規定された方法に従い、測定した。射出成形によって成形された試験片を用いた。試験片の厚みは6.4mmであり、スパン長さ100mm、荷重速度30mm/minの条件で曲げ弾性率を評価する。測定温度は23℃で行った。
JIS−K−7110に規定された方法に従い、測定した。射出成形によって成形される試験片を用いた。試験片の厚みは6.4mmであり、ノッチ付きの衝撃強度を評価した。測定温度は23℃で行った。
レオメトリックス社(米国)製 High Rate Impact Tester(RIT−8000型)を用い射出成形された100×400×3(mm)の平板から切りだした100×100×3(mm)の平板試験片を2インチの円形保持具で固定し、直径1/2インチ(先端球面の半径1/4インチ)のインパクトプローブを用い、該インパクトプローブを速度5m/秒で試験片にあて、試験片の変形量と応力を検出し、この面積積分値を算出することによって面衝撃強度を評価した。
単位はジュール(J)で表示した。状態調整は装置に付属の恒温槽によって行った。あらかじめ所定温度に調節された恒温槽に試験片を入れ、2時間状態調整をした後に上記試験を行った。この所定温度をもって測定温度とした。今回は23℃で測定をした。
100×400×3mmの鏡面平板を用いて、目視にてフローマークを評価した。フローマークの発生位置を平板の中央部と端部で測定し、ゲートからの距離(発生位置)を測定した。
〔固体触媒成分の製造〕
本発明のプロピレン系重合体に使用する固体触媒成分は、特開2004−182876の実施例3(1)、(2)と同様にして製造した。
1.予備重合
製攪拌機付きオートクレーブにおいて、充分に脱水、脱気処理したヘキサンにトリエチルアルミニウム(以下、TEAと略す)を25mmol/L、電子供与体成分としてシクロヘキシルエチルジメトキシシラン(以下、CHEDMSと略す)をCHEDMS/TEA=0.1(mol/mol)、および特開2004−182876号公報に記載の固体触媒成分を触媒成分に含まれるTi含量で[TEA]/Ti=5となるように上記の順に仕込み、固体触媒成分あたりの重合体量比(以下PP/catと略す)が2.5(g/g)になるように5〜15℃を維持しながらプロピレンを連続的に供給して予備重合体スラリーを得た。得られた予備重合体スラリーを製攪拌機付きオートクレーブに移送した後、十分に精製された液状ブタンを加えて10℃以下の温度に保持して保存した。
5槽からなる重合槽を直列に配置し、第1、2、3槽目でプロピレン単独重合体の連続式バルク重合を行い、生成パウダーの置換が完了したところで槽内にホールドしているパウダーを第4槽目に移送し、続いてその槽でプロピレン−エチレンランダム共重合体(EP−B)を気相重合した。さらに、得られたパウダーを、プロピレン−エチレン比率を調整した5槽目に移送し、プロピレン−エチレン共重合体(EP−A)を気相重合し、P−(EP−B)−(EP−A)構造を有するブロック共重合体を得た。
(A−1)と同様の方法で、1,2,3槽目の水素濃度、4,5槽目のプロピレン/エチレン/水素の体積比率、滞留時間を調節することで、ポリプロピレン系重合体(A−2)を製造した。ただし、A−2では、4槽目と5槽目のプロピレン/エチレン/水素の体積比率を同じにして製造しており、EP−Aだけを有するプロピレン系重合体であった。
住友化学株式会社製 AZ864 を用いた。
無機充填材(B−1)としては、タルク(林化成社製 MWHST)を用いた。平均粒子径は、2.7μmであった。
デュポンダウエラストマー社製 エチレン−1−オクテン共重合体ゴムを用いた。ENGAGE8200(密度:0.87g/cm3、MFR(190℃):5g/10分)であった。
(D−1)住友化学社製 R101を用いた。 分子量分布(Q値)が4.4であり、極限粘度([η]P)が1.38dl/gであり、アイソタクチック・ペンタッド分率が0.98であり、MFR(230℃)が20g/10分であるプロピレン単独重合体。
上記の方法によって得られるプロピレン系共重合体(A)および、無機充填材(B)、エラストマー(C)、およびプロピレン単独重合体(D)を表2記載の組成比で配合し、これらをヘンシェルミキサーおよびタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44SS−31.5BW−2V型)を用いて、押出量30kg/hr、スクリュー回転数320rpm、ベント吸引下で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。得られたポリプロピレン系樹脂組成物を表2に示した。
物性評価用試験片は、次の射出成形条件下で作製する。ポリプロピレン系樹脂組成物を熱風乾燥器で120℃で2時間乾燥後、東芝機械製IS150E−V型射出成形機を用いて、成形温度180℃、金型冷却温度50℃、射出時間15sec、冷却時間30secで射出成形を行った。得られた射出成形体の評価結果を表3に示した。
高速面衝撃用試験、フローマーク外観評価として、100×400×3mmの鏡面平板を用いた。次の射出成形条件下で作製した。ポリプロピレン系樹脂組成物を熱風乾燥器で120℃で2時間乾燥後、住友重機械工業社製 SE180D C510M型射出成形機を用いて、成形温度220℃、金型冷却温度50℃、射出時間15sec、冷却時間30secで射出成形を行った。上記の評価方法(3)によって、得られる射出成形体の高速面衝撃試験を行った。また、上記の評価方法(4)によって、得られる射出成形体のフローマークの概観評価を行った。結果を表3に示した。
エラストマー(C)の添加量を満たさない比較例2は、高速面衝撃試験における破壊までの全エネルギーTEが低く、面衝撃特性に劣るものであり、フローマークの発生位置がゲートに近く、フローマークの目立つものであった。
Claims (5)
- 下記のプロピレン系重合体(A)70〜90重量%と、無機充填材(B)10〜30重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物である(ただし、ポリプロピレン系樹脂組成物の全量を100重量%とする)。
プロピレン系重合体(A)は、プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜75重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量/重量))が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分25〜40重量%とを含有し、下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体である(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)。
要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)からなり、共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aが8dl/gを超え13dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20重量%以上50重量%未満であり(ただし、成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が50重量%以上80重量%以下である(ただし、成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。
要件(2)プロピレン系重合体(A)の230℃でのメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。 - 下記のプロピレン系重合体(A)69〜89.9重量%と、無機充填材(B)10〜30重量%と、エラストマー(C)0.1〜1重量%とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物である(ただし、ポリプロピレン系樹脂組成物の全量を100重量%とする)。
プロピレン系重合体(A)は、
プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜75重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量/重量))が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分25〜40重量%とを含有し、下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体である(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)。
要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)からなり、共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aが8dl/gを超え13dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20重量%以上50重量%未満であり(ただし、成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が50重量%以上80重量%以下である(ただし、成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。
要件(2)プロピレン系重合体(A)の230℃でのメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。
エラストマー(C)は、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体エラストマー(C−1)、ビニル芳香族化合物含有エラストマー(C−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のエラストマーである。 - プロピレン系重合体(A)に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP-B)の極限粘度[η]EP-Bが2〜3.5dl/gである請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- プロピレン系重合体(A)に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)の含有量が0.1〜10重量%であり、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)の含有量が15〜39.9重量%である(ただし、プロピレン系重合体(A)の全量を100重量%とする)請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007048923A JP5098360B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007048923A JP5098360B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008208304A true JP2008208304A (ja) | 2008-09-11 |
JP5098360B2 JP5098360B2 (ja) | 2012-12-12 |
Family
ID=39784893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007048923A Active JP5098360B2 (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5098360B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009037214A1 (de) | 2008-08-13 | 2010-04-15 | Hitachi Automotive Systems, Ltd., Hitachinaka-shi | Verstellpumpe |
DE112012000138T5 (de) | 2011-03-29 | 2013-06-27 | Mazda Motor Corp. | Polypropylenbasierte Harzzusammensetzung für Kraftfahrzeugteile und Kraftfahrzeugaussenteile |
US9657165B2 (en) | 2012-03-19 | 2017-05-23 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polypropylene resin composition and molded article |
WO2024009842A1 (ja) * | 2022-07-06 | 2024-01-11 | 株式会社プライムポリマー | 樹脂組成物及びその成形体 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07157626A (ja) * | 1993-12-03 | 1995-06-20 | Tonen Corp | 熱可塑性樹脂組成物 |
JPH09157492A (ja) * | 1995-12-12 | 1997-06-17 | Tonen Chem Corp | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2002012734A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-15 | Sumitomo Chem Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
JP2003327758A (ja) * | 2002-05-15 | 2003-11-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物、その製造方法及びそれからなる射出成形体 |
JP2003327642A (ja) * | 2002-05-15 | 2003-11-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | プロピレン−エチレンブロック共重合体 |
JP2006169424A (ja) * | 2004-12-17 | 2006-06-29 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
JP2007092050A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-04-12 | Sumitomo Chemical Co Ltd | プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体 |
-
2007
- 2007-02-28 JP JP2007048923A patent/JP5098360B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07157626A (ja) * | 1993-12-03 | 1995-06-20 | Tonen Corp | 熱可塑性樹脂組成物 |
JPH09157492A (ja) * | 1995-12-12 | 1997-06-17 | Tonen Chem Corp | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2002012734A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-15 | Sumitomo Chem Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
JP2003327758A (ja) * | 2002-05-15 | 2003-11-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物、その製造方法及びそれからなる射出成形体 |
JP2003327642A (ja) * | 2002-05-15 | 2003-11-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | プロピレン−エチレンブロック共重合体 |
JP2006169424A (ja) * | 2004-12-17 | 2006-06-29 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
JP2007092050A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-04-12 | Sumitomo Chemical Co Ltd | プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009037214A1 (de) | 2008-08-13 | 2010-04-15 | Hitachi Automotive Systems, Ltd., Hitachinaka-shi | Verstellpumpe |
DE112012000138T5 (de) | 2011-03-29 | 2013-06-27 | Mazda Motor Corp. | Polypropylenbasierte Harzzusammensetzung für Kraftfahrzeugteile und Kraftfahrzeugaussenteile |
US9657165B2 (en) | 2012-03-19 | 2017-05-23 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polypropylene resin composition and molded article |
WO2024009842A1 (ja) * | 2022-07-06 | 2024-01-11 | 株式会社プライムポリマー | 樹脂組成物及びその成形体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5098360B2 (ja) | 2012-12-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5092216B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物の製造方法、プロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 | |
JP5076966B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物および成形体 | |
JP5417681B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 | |
US6759465B1 (en) | Thermoplastic resin composition and injection-molded object thereof | |
JP5228294B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物 | |
JP5247067B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる自動車用射出成形体 | |
JP6083271B2 (ja) | ポリプロピレン樹脂組成物及び成形体 | |
JP2008019346A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物 | |
JP2007092050A (ja) | プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体 | |
JP5098360B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 | |
JP5380764B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂およびその射出発泡成形体 | |
US6777497B2 (en) | Polypropylene-based resin composition, process for producing the same and injection molded article | |
JP2008208303A (ja) | プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体 | |
JP3873652B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその射出成形体 | |
JP3873708B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその射出成形体 | |
JP5098574B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体 | |
JP6229384B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 | |
JP2006225418A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物、それからなる成形体 | |
JP2007063397A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 | |
JP2006083251A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 | |
JP2008208305A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 | |
KR20050058969A (ko) | 에틸렌계 삼원 공중합체 및 프로필렌계 수지 조성물 | |
JP4038874B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成形体 | |
JP2010215747A (ja) | プロピレン系樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP2005120362A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその射出成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110915 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111025 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111226 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120105 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120828 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120910 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5098360 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |