JP5380764B2 - ポリプロピレン系樹脂およびその射出発泡成形体 - Google Patents
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例えば、特開平07−138323号公報には、表面外観、耐熱性に優れた発泡体を成形性よく得ることができる発泡用プロピレン系重合体、特に押出発泡用プロピレン系重合体として、固有粘度が0.5以上1.9dl/g以下であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが6以上であるプロピレン系重合体、および、固有粘度が4.5以上9.0dl/g以下であるプロピレン系重合体とからなる発泡用プロピレン系重合体が記載されている。
また、特開平10−330560号公報には、剛性、軽量性および断熱性に優れたポリオレフィン形発泡成形用樹脂組成物および、発泡成形体として、プロピレン・α−オレフィン共重合体と、ポリエチレンと、エラストマーと、架橋剤を溶融混練して得られる結晶性ポリオレフィン系樹脂組材料に、発泡剤を配合してなる発泡成形用樹脂組成物が記載されている。
そして、特開2002−173564号公報には、溶融特性の改良された改質ポリプロピレン樹脂組成物および、この樹脂組成物から得られる発泡体として、固有粘度が25〜60dl/gの高分子量ポリエチレン(共)重合体と、固有粘度が4〜12dl/gのポリプロピレン(共)重合体とからなるポリプロピレン樹脂組成物に、ラジカル発生剤を配合して、溶融混練することにより得られる改質ポリプロピレン樹脂組成物が記載されている。
かかる状況の下、本発明の目的は、射出発泡成形体に用いた場合、成形性に優れ、優れた外観を有する射出発泡成形体が得られるポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出発泡成形体を提供することにある。
発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一は、
プロピレン単独重合体成分(A)50〜95重量%と、
エチレン−プロピレン共重合体とエチレン−ブテン−1共重合体とエチレン−オクテン−1共重合体とから選ばれる少なくとも1種のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(B1)5〜50重量%とを含有し、
メルトインデックスが40以上500g/10分未満であるポリプロピレン系樹脂組成物(ただし、ポリプロピレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とする)であって、
単独重合体成分(A)の極限粘度([η]A)が0.5以上1.4dl/g以下であり、
単独重合体成分(A)の極限粘度([η]A)に対する少なくとも1種の共重合体成分(B1)のそれぞれの極限粘度([η]B1)との比([η]B1/[η]A)が1.0以上3以下
であるポリプロピレン系樹脂組成物、および、その射出発泡成形体に係るものである。
また、成分(A)の含有量が50重量%未満の場合(共重合体成分(B1)の含有量、または、共重合体成分(B1)の含有量と樹脂成分(B2)の含有量の合計が50重量%を超えた場合)、剛性や耐熱性が低下することがある。
メルトインデックスが40g/10分未満の場合、流動性が低く、射出発泡成形において、樹脂組成物を金型内部へ充填することが困難になることがある。
500g/10分以上の場合、樹脂組成物を溶融混練して製造するときに、樹脂組成物のストランドが不安定で、樹脂組成物をペレットの形状にすることが難しくなることがある。
[η]Aが、0.5dl/g未満の場合、溶融樹脂の取り扱いが困難となり、製品として得られるプロピレン系樹脂組成物をペレットにすることが困難になることがある。また、[η]Aが1.4dl/gを超えた場合、射出発泡成形では、ポリプロピレン系樹脂組成物を狭い金型空隙に注入して行うことから、ポリプロピレン系樹脂組成物の流動性が不足し、射出発泡成形体を製造することが困難になることがある。
そして、前記のビニル芳香族化合物含有ゴムは、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
混練の温度は、通常、170〜280℃であり、混練の時間は、通常、1〜20分である。また、各成分の混練は、同時に行なっても良く、分割して行なっても良い。
(1)プロピレン単独重合体(A)とエチレン−プロピレン共重合体(B1)とエチレン−オクテン−1共重合体(B1)を、逐次、添加し混練する方法。
(2)プロピレン単独重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B1)とを混練した後、エチレン単独重合体およびビニル芳香族化合物含有ゴムからなる群から選ばれる樹脂成分(B2)を添加し混練する方法。
(3)プロピレン単独重合体(A)とエチレン単独重合体およびビニル芳香族化合物含有ゴムからなる群から選ばれる樹脂成分(B2)とを混練した後、エチレン−α−オレフィン共重合体(B1)を添加し混練する方法。
無機フィラー(C)の含有量は、単独重合体成分(A)と共重合体成分(B1)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物100重量部、または、単独重合体成分(A)と共重合体成分(B1)と樹脂成分(B2)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、通常、0.01〜50重量部であり、好ましくは1〜35重量部である。
無機フィラー(C)の含有量が50重量部を超えた場合、衝撃強度が不充分なことがあり、また、比重が大きくなり軽量な射出発泡成形体が得られないことがある。
繊維状マグネシウムオキシサルフェートの平均繊維径として、好ましくは0.3〜2.0μmであり、より好ましくは0.5〜1.0μmである。
繊維状マグネシウムオキシサルフェートの平均繊維長と平均繊維径は、走査型電子顕微鏡の画像を観察することによって、得られる値である。
無機系化学発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等が挙げられる。
有機系化学発泡剤としては、例えば、クエン酸、琥珀酸、アジピン酸、オキシベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。
圧力計が取り付けられた密閉容器を用いて、密閉容器に発泡剤を入れ、常温から250℃まで、5℃/分で昇温させて、圧力変化を測定し、下記式
(気体発生量)=(圧力変化)×(密閉容器体積)
によって、気体の発生量を算出する方法(2)が挙げられ、好ましくは方法(1)である。
化学発泡剤を、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物または無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物に添加する方法としては、射出発泡成形する時に、本発明の樹脂組成物に化学発泡剤を、そのまま添加する方法や、熱可塑性樹脂に化学発泡剤が混練され、化学発泡剤の含有量が20〜80重量%であるマスターバッチを(ただし、前記マスターバッチの全重量を100重量%とする)、本発明の樹脂組成物に添加する方法が挙げられ、好ましくは、マスターバッチを添加する方法である。
前記の凸部の高さおよび基底最小巾の測定方法は、レーザー顕微鏡を用いて、3次元解析によって行う方法である。
〔測定法〕
実施例および比較例における物性値の測定法を以下に示した。
(1)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で評価した。
[η]B=([η]Total−(1−X)[η]A)/X
[η]A:プロピレン単独重合体成分(A)の極限粘度(dl/g)
[η]Total:ブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
X:成分(B1)の重量比率
なお、単独重合体成分(A)および共重合体成分(B1)の混合物に含有され、第一工程で製造されるプロピレン単独重合体成分(A)の極限粘度([η]A)は、その製造時に、成分(A)の製造直後に重合槽内より取り出し、取り出された成分(A)の極限粘度([η]A)を求めた。
X=1−(ΔHf)Total/(ΔHf)A
(ΔHf)Total:ブロック共重合体全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf)A:プロピレン単独重合体成分(A)の融解熱量(cal/g)
JIS−K−6758に規定された方法に従い、測定した。特に断りのない限り、測定温度は230℃であり、荷重は2.16kgであった。
以下に示した条件で測定した。
GPC:Waters社製 150C型
カラム:昭和電工社製 Shodex 80 MA 2本
サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.2wt%)
流量:1ml/min
温度:135℃
溶媒:o−ジクロルベンゼン
東洋曹達社製の標準ポリスチレンを用いて溶出体積と分子量の検量線を作成した。検量線を用いて検体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め分子量分布の尺度としてMw/Mn(Q値)を求めた。
(i)過酸化物を用いて分子量が調整されている樹脂組成物 5gを、1000mlの沸騰キシレンに溶解した後、50℃まで徐冷し、次いで氷水に浸し攪拌しながら20℃まで冷却し、20℃で3時間放置した後、析出したポリマーを濾別した。析出したポリマーを60℃で減圧乾燥して20℃のキシレンに不溶なポリマー成分を回収した。
(ii)上記(i)で回収された20℃のキシレンに不溶なポリマー成分 3gについて、ソックスレー抽出器を用いて、100mlのヘプタンで6時間の抽出操作を行った。抽出操作後に残った残留物を、60℃で減圧乾燥して沸騰ヘプタンに不溶なポリマー成分を回収した。回収された沸騰ヘプタンに不溶なポリマー成分をプロピレン単独重合体(A)の抽出物とした。
(iii)上記(ii)で得られた抽出物のGPC測定を行い、Mw/Mnを求めた。
密閉容器に発泡剤1gを入れ、ガスビュレットと水準管を接続した定量管をこの密閉容器に取り付けて、常温から250℃まで、5℃/分で昇温し、発生した気体量を測定した。
バレル温度200℃、金型温度50℃で、射出発泡成形を行ない、ショートショット発生の有無から、成形性を次のとおり評価した。
良:ショートショット発生がないもの
不良:ショートショット発生があるもの
射出発泡成形によって成形された試験片を用いて、目視によって、(6−1)表面に現れる白筋、(6−2)発泡面の凹凸を観察した。
(6−1)表面に現れる白筋
半径15cmの円盤状の射出成形体を用い、次のとおりに、4段階で評価した。
4点:表面に現れる白筋が、ほとんどないもの
3点:白筋があるが、部品の外周から10cm以内の部分に集中し、
外周から10cmより内部にほとんど白筋がないもの
2点:白筋が部品の外周だけでなく全面にあるもの
1点:白筋が多く、部品色が白く変わり、実用製品として適さないもの
発泡面に発生する凹凸の有無から、成形性を次のとおり評価した。
良:発泡面に発生する凹凸がないもの
不良:発泡面に発生する凹凸があるもの
実施例および比較例において使用した原材料を以下に示した。
(A)プロピレン単独重合体成分
〔A−1〕
(1)予備重合
攪拌機付きオートクレーブにおいて、充分に脱水、脱気処理したヘキサンにトリエチルアルミニウム(以下、TEAと略す)を25mmol/L、電子供与体成分としてシクロヘキシルエチルジメトキシシラン(以下、CHEDMSと略す)をCHEDMS/TEA=0.1(mol/mol)、および特開平10−212319号公報記載の方法で製造した固体触媒成分を最終的な固体触媒成分あたりの重合体量(以下PP/catと略す)が2.5(g/g)になるように投入し、プロピレンを連続的に供給して予備重合体スラリーを得た。得られた予備重合体スラリーを製攪拌機付きオートクレーブに移送した後、十分に精製された液状ブタンを加えて10℃以下の温度に保持して保存した。
1槽でプロピレン単独重合体を重合した。リアクター内温度80℃、リアクター内圧力1.8MPaにおいて、気相部のプロピレンと水素の体積比を93.4対6.6に保持する条件下、(1)で作成した予備重合体スラリーを固体触媒成分としてTEAおよびCHEDMSを供給しながら連続気相重合を行った。各触媒成分は得られた重合体中の濃度として[TEA]=201ppm、[CHEDMS]=36ppm、PP/cat=23000(g/g)になるように供給した。少量のポリマーを回収し分析した結果、得られたポリマーの極限粘度([η]A)は0.92dl/gであった。
内容積45及び32m3の攪拌機及びジャケット付きのSUS製反応器5槽をプロピレンで十分置換し、第一槽圧力をプロピレンで0.5kg/cm2Gに調整し、n−ヘプタンを20m3張る。攪拌機起動後、トリエチルアルミニウム50モルを加え、該反応器の内温を60〜75℃に昇温したのち、プロピレンで反応圧力を4〜8kg/cm2Gに昇圧する。水素濃度を15〜17%に保つよう水素を投入後、特開平10−212319号公報記載の方法で製造した固体触媒成分を供給し重合を開始した。反応開始後、槽内の安定を確認して反応圧力を目標の4.5〜9.0kg/cm2Gまで昇圧し、気相部の水素濃度を19〜21%に保つように供給しながら重合を継続した。生成した重合スラリーは次の反応槽に抜き出され、設定した条件にて引き続き重合継続した。合計5槽の連続した反応槽にて結晶性ポリプロピレン部分(以下P部と省略する)の重合を継続した。P部のポリマーをサンプリングし分析した結果、極限粘度([η]A)は0.77dl/gであった。
A−1と同様の方法で気相部のプロピレンと水素の体積比を96.9対3.1に保持する重合した結果、得られたポリマーの極限粘度([η]A)は1.10dl/gであった。
〔B−1〕
B−1の重合
A−1を次の重合槽、第2番目の槽に移し引き続いて重合した。リアクター内温度70℃、リアクター内圧力1.4MPaにおいて、気相部のプロピレン、エチレン、水素の体積比を71.0対20.1対8.9に保持する条件下で連続的に気相重合を行った。各触媒成分は得られた重合体中の濃度として[TEA]=167ppm、[CHEDMS]=234ppm、PP/cat=4500(g/g)になるように供給した。得られたポリマーの全体の極限粘度([η]Total)は0.98dl/gであり、(B)成分の含有重量比率:Xは16重量%であった。したがって(B−1)成分の極限粘度([η]B)は1.3dl/gであった。(B−1)中のエチレン含量は38重量%であった。
B−2の重合
A−2を次の重合槽第6番目の槽に移し引き続いて重合した。プロピレン及びエチレンにより6〜8番目の反応槽の反応圧力を2〜4kg/cm2Gに昇圧しエチレン−プロピレン共重合部(以下EP部と省略する)の重合を開始し、反応温度52℃で反応圧力を2〜4kg/cm2Gに保ちながらプロピレン/エチレンの混合ガスを連続的に供給し、気相部の水素濃度が0.2〜0.4%に保たれるように調整しながらEP部の重合を継続した。生成した重合スラリーは次の反応槽に抜き出され、設定した条件にて引き続き重合継続した。合計3槽の連続した反応槽にてEP部の重合を継続した。
反応器内のポリマースラリーの全量を失活槽へ導き、未反応モノマーを分離、水で失活処理を行った後、該ポリマースラリーを遠心分離することにより固体ポリマーを回収し、ドライヤーにて乾燥して白色パウダーを得た。極限粘度([η]Total)は1.37dl/gであり、エチレン含量は3.8重量%であった。又、(A−2)部と(B−2)部の重合比は、結晶融解熱量の測定結果より計算し重量比で87/13であった。したがって(B−2)成分の極限粘度([η]B)は5.4dl/gであり、(B−2)部におけるエチレン含量は29重量%であった。
B−3の重合
A−3を次の重合槽、第2番目の槽に移し気相部のプロピレン、エチレン、水素の体積比を86.0対14.0対0.3に保持する条件下でB−1と同様に重合した。得られたポリマーの全体の極限粘度([η]Total)は1.3dl/gであり、(B)成分の含有重量比率:Xは8重量%であった。したがって(B−3)成分の極限粘度([η]B)は3.6dl/gであった。(B−3)中のエチレン含量は29重量%であった。
住友化学工業社製 エチレン−ブテン共重合体 エクセレンFX CX5502を用いた。極限粘度([η]B)は0.93dl/gであった。
三井化学社製 ポリエチレン ハイゼックス7000FPを 用いた。極限粘度([η]B)は3.1dl/gであった。
デュポンダウエラストマー社製 エチレン−オクテン共重合体 ENGAGE8150を用いた。極限粘度([η]B)は1.7dl/gであった。
A−1、B−1と同様の方法で第1番目の槽のプロピレンと水素の体積比を98.2対1.8に保持し、第2番目の槽のプロピレン、エチレン、水素の体積比を79.5対20.1対0.4とし重合した結果、得られた(A−4)と(B−7)の極限粘度はそれぞれ[η]A=1.3dl/g、[η]B=4.0dl/g、であった。この混合物に100重量部に対し、プロピレンホモポリマー92重量部と2.5ジメチル−2.5ジ(ターシャリーブチル パーオキシ)ヘキセン8重量部を混合した過酸化混合物を1.0重量部添加し、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44SS 30BW−2V型)を用いて、バレル温度250℃、押出量を50kg/hr、スクリュー回転数を350rpmで分子量調節した組成物を製造した。Mw/Mnは2.7であった。
無機充填剤としては、林化成社製タルク MWHSTを用いた。平均粒子径は2.7μmであった。
ポリプロピレン系樹脂組成物は次の方法に従って製造した。各成分を所定量、計量した。この混合物100重量部に、ステアリン酸カルシウム(共同薬品社製)0.05重量部、イルガノックス1010(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.1重量部、アデカスタブPEP−24G(旭電化工業社製)0.05重量部を加えた。以上をタンブラーミキサーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44SS 30BW−2V型)を用いて、押出量を30〜50kg/hrで、スクリュー回転数を350rpmで、ベント吸引下で混練、押出して、組成物を製造した。スクリュ−は、三条タイプのローターとニーディングディスクを有する混練ゾーン2ヶ所、各々第1フィード口、第2フィード口の次のゾーンに配置して構成した。
押し出し機より得られた溶融樹脂をストランドとして水冷槽を通し、切断してポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
〔D−1〕
三協化成社製 セルマイクMB3074を用いた。気体発生量は50ml/gであった。
実施例および比較例で用いた射出発泡成形体である部品の製造法を以下に示した。
(1)平面状部品
理論射出容量1600ccのインライン式射出機に、厚さ2mm、半径15cmの円盤状のキャビティを有しキャビティー表面が平滑な金型を取り付けた。射出成形機バレル温度200℃で約130g計量した。金型温度を50℃に保ち、溶融樹脂を金型内に約1.5秒で射出、充填した。充填完了1秒後にキャビティ厚みが増す方向に金型の開放を開始し、約2秒後にキャビティ厚みが3.6mmとなったときにキャビティの開放動作を停止した。その状態を維持したまま30秒間発泡体を冷却した後、金型を開放し、厚さ3.6mmポリプロピレン系樹脂発泡成形体を得た。
(1)と同じ成形機に厚さ2mmの長方形状のキャビティを有し、片面に凸部を持つ金型を取り付けた。凸部の高さは80ミクロンメートル、最小幅は310ミクロンメータであった。射出成形機バレル温度200℃で約280g計量した。(1)と同様に射出、発泡操作を行いポリプロピレン系樹脂発泡成形体を得た。
それぞれの金型から得られた厚さ3.6mmのポリプロピレン系樹脂射出発泡成形体の外観を観察した。
表1に実施例1〜6のポリプロピレン系樹脂組成物と発泡剤の含有量、および、その組成物を用いて得られた射出発泡成形体の成形性と外観の結果を示した。
そして、表2に比較例1〜4のポリプロピレン系樹脂組成物と発泡剤の含有量、および、その組成物を用いて得られた射出発泡成形体の成形性と外観の結果を示した。
Claims (5)
- プロピレン単独重合体成分(A)50〜95重量%と、
エチレン−プロピレン共重合体とエチレン−ブテン−1共重合体とエチレン−オクテン−1共重合体とから選ばれる少なくとも1種のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(B1)5〜50重量%とを含有し、
メルトインデックスが40以上500g/10分未満であるポリプロピレン系樹脂組成物(ただし、ポリプロピレン系樹脂組成物の全重量を100重量%とする)であって、
単独重合体成分(A)の極限粘度([η]A)が0.5以上1.4dl/g以下であり、
単独重合体成分(A)の極限粘度([η]A)に対する少なくとも1種の共重合体成分(B1)のそれぞれの極限粘度([η]B1)との比([η]B1/[η]A)が1.0以上3以下
であるポリプロピレン系樹脂組成物。 - 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物と、当該樹脂組成物100重量部に対して、無機フィラー(C)0.01〜50重量部を含有する無機フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物と、当該樹脂組成物100重量部に対して、発泡成分(D)0.01〜10重量部を含有する発泡成分含有ポリプロピレン系樹脂組成物を発泡させてなる射出発泡成形体。
- 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物と、当該樹脂組成物100重量部に対して、無機フィラー(C)0.01〜50重量部と、発泡成分(D)0.01〜10重量部とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物を、発泡させてなる射出発泡成形体。
- 発泡成分(D)が20以上200ml/g以下の気体を発生する化学発泡剤である請求項3または4に記載の射出発泡成形体。
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