JP5417681B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents
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例えば、特開平9−157492号公報には、耐衝撃性、剛性及び成形性の改良を目的とする熱可塑性樹脂組成物であって、ホモプロピレン部分と、極限粘度が2〜5dl/gである低エチレン濃度のプロピレン−エチレン共重合体部分と、極限粘度が4〜6dl/gである高エチレン濃度のプロピレン−エチレン共重合体部分とからなるプロピレン−エチレンブロック共重合体と、MFR0.1〜30g/10分のエチレン−ブテン共重合体ゴムと、MFR0.1〜20g/10分のエチレン−プロピレン共重合体ゴムと、タルクからなる熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
かかる状況の下、本発明の目的は、光沢が低く、剛性に優れるポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供することにある。
すなわち、本発明は、
下記のプロピレン系重合体(A)30〜90重量%と、下記のエラストマー(B)5〜20重量%と、下記のエラストマー(C)0〜15重量%と、無機充填材(D)5〜35重量%と、プロピレン単独重合体(E)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物である(ただし、プロピレン系重合体(A)の重量とエラストマー(B)の重量とエラストマー(C)の重量と無機充填材(D)の重量の合計を100重量%とする)。
プロピレン系重合体(A)は、
プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下のエチレンまたは炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレン部分60〜88重量%と、プロピレンとエチレンの重量比(プロピレン重量/エチレン重量)が75/25〜35/65であるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分12〜40重量%とを含有し、下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)、および、それからなる成形体である。
要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)からなり、共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aが4dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20重量%以上50重量%未満であり(ただし、共重合体成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上3.5dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が50重量%以上80重量%以下である(ただし、共重合体成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。
要件(2)プロピレン系重合体(A)の230℃でのメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。
エラストマー(B)は、
密度が0.85〜0.91g/cm3であり、190℃におけるMFRが0.01〜0.8g/10分であるエチレン−ブテン−1共重合体エラストマーである。
エラストマー(C)は、
密度が0.85〜0.91g/cm3であり、190℃におけるMFRが1〜15g/10分であるエチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体エラストマーである。
公知の重合方法としては、例えば、炭化水素化合物のような不活性有機溶媒中でエチレンとブテン−1を共重合させる方法や、溶媒を用いずにエチレンとブテン−1を共重合させる方法が挙げられる。
エラストマー(C−1)で用いられる炭素数4以上のα−オレフィンとしては、例えば、ブテン−1、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは1−ヘキセン、1−オクテンである。
ビニル芳香族化合物含有エラストマー(C−2)としては、例えば、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックからなるブロック共重合体、前記ブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合が水素添加されているブロック重合体等が挙げられ、好ましくはブロック共重合体の共役ジエン部分の二重結合が80%以上水素添加されているブロック重合体であり、より好ましくは85%以上水素添加されているブロック重合体である。
無機充填材(D)が繊維状の場合、平均繊維長は、通常5μm以上であり、平均繊維径は、通常0.2〜2μmである。好ましくは平均繊維長は10μm以上である。
プロピレン系重合体(A)の重量とエラストマー(B)の重量と無機充填材(D)の重量の合計を100重量%として、
プロピレン系重合体(A)の含有量は45〜90重量%であり、エラストマー(B)の含有量は5〜20重量%であり、無機充填材(D)の含有量は5〜35重量%である。
好ましくは、プロピレン系重合体(A)の含有量が50〜85重量%であり、エラストマー(B)の含有量が5〜15重量%であり、無機充填材(D)の含有量が10〜35重量%である。
プロピレン系重合体(A)の重量とエラストマー(B)の重量とエラストマー(C)の重量と無機充填材(D)の重量の合計を100重量%として、
プロピレン系重合体(A)の含有量は30〜89重量%であり、エラストマー(B)の含有量は5〜20重量%であり、エラストマー(C)の含有量は1〜15重量%であり、無機充填材(D)の含有量は5〜35重量%である。
好ましくは、プロピレン系重合体(A)の含有量が40〜80重量%であり、エラストマー(B)の含有量が5〜15重量%であり、エラストマー(C)の含有量が5〜10重量%であり、無機充填剤(D)の含有量が10〜35重量%である。
エラストマー(B)の含有量が5重量%未満の場合、光沢を下げる効果が不十分な場合があり、20重量%を超えた場合、引張り破断伸びが低下することがある。
エラストマー(C)の含有量が15重量%を超えた場合、剛性が低下することがある。
無機充填材(D)の含有量が5重量%未満の場合、剛性が不充分なことがあり、35重量%を超えた場合、衝撃強度が不充分なことがある。
(1)プロピレン系重合体(A)とエラストマー(B)を混練した後、無機充填剤(D)を添加し、混練する方法。
(2)プロピレン系重合体(A)と無機充填剤(D)を混練した後、エラストマー(B)を添加し、混練する方法。
また、上記の(1)または(2)の方法において、任意にエラストマー(C)を添加してもよい。また、混練時に、必要に応じて、プロピレン単独重合体(E)を添加しても良い。
本発明の射出成形体の用途としては、例えば、自動車用部品、電気製品・電子製品用部品、建材部品等が挙げられ、好ましくは自動車用部品である。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−6758に規定された方法に従い、測定した。特に断りのない限り、測定温度は230℃であり、荷重は2.16kgである。
エチレン含量は、プレスシートを作製し、赤外吸収スペクトルを測定して得られるメチル基(−CH3)およびメチレン基(−CH2−)の特性吸収の吸光度を用いて検量線法により求めた。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で評価した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下に示した条件で測定した。
GPC:Waters社製 150C型
カラム:昭和電工社製 Shodex 80 MA 2本
サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.2wt%)
流量:1ml/min
温度:135℃
溶媒:o−ジクロルベンゼン
東洋曹達社製の標準ポリスチレンを用いて溶出体積と分子量の検量線を作成した。検量線を用いて検体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め分子量分布の尺度として、Q値、すなわち、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)を求めた。
アイソタクチック・ペンタッド分率は、A.Zambelliらによって、Macromolecules,6,925(1973)に発表、記載されている方法に従って測定した。すなわち、13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すれば、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率を求める。ただし、NMRの吸収ピークの帰属は、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて行った。
具体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定した。この方法により英国NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19−14 PolypropylenePP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率を測定したところ、0.944であった。
結晶性ポリプロピレン部重合工程で生成した重合体の重量比率Xp、EP1部重合工程で生成した重合体の重量比率X1、およびEP2部重合工程で生成した重合体の重量比率X2は、下記式により算出した。
Xp=ΔH2/ΔHP
X1=(ΔHP/ΔH1−1)×ΔH2/ΔHP
X2=1−Xp−X1
ΔHP:結晶性ポリプロピレン部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
ΔH1:EP−1部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
ΔH2:EP−2部重合工程後の重合体の融解熱量(J/g)
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量は、赤外線吸収スペクトル法により全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)で測定し、次式から算出した。
(C2')EP=(C2')T/X
(C2')T:全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)
(C2')EP:プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量(重量%)
第1段目の共重合体部分(EP−1)を重合した後に重合槽から取り出したサンプルを用い上記(7)と同様にして、[(C2’)EP-1](重量%)を求めた。
下記式より求めた。
[(C2’)EP-2]=((C2')T−[(C2’)EP-1]×X1)/X2
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPは、プロピレン単独重合体部分と全ブロック共重合体の各々の極限粘度を測定することにより、次式から算出した。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η]T:ブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体の第1セグメントであるプロピレン単独重合体部分の極限粘度[η]Pは、その製造時に、第一工程であるプロピレン単独重合体部分の製造後に重合槽内より取り出し、取り出されたプロピレン単独重合体から[η]Pを求めた。
第1段目の共重合体部分(EP−1)を重合した後に重合槽から取り出したサンプルの極限粘度([η](1))を測定し、上記(8)と同様に第1段目の共重合体部分(EP−1)の極限粘度[η]EP-1を求めた。
[η]EP-1=[η](1)/X(1)−(1/X(1)−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η](1):EP−1重合後のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
X(1):EP−1重合後のプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−1の重量比率
第2段目に重合される共重合体部分(EP−2)の極限粘度[η]EP-2は、最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体のプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPと、第1段目の共重合体部分(EP−1)の極限粘度[η]EP-1とそれぞれの重量比率から求めた。
[η]EP-2=([η]EP・X−[η]EP−1・X1)/X2
X1:最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−1の重量比率
X2:最終的に得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体全体に対するEP−2の重量比率
(1)曲げ弾性率(単位:MPa)
JIS−K−7203に規定された方法に従い、測定した。射出成形によって成形された試験片を用いた。試験片の厚みは6.4mmであり、スパン長さ100mm、荷重速度30mm/minの条件で曲げ弾性率を評価する。測定温度は23℃で行った。
JIS Z8741鏡面光沢度測定方法における60度鏡面光沢測定方法に従い、測定した。試験片の厚みは3mmであり、株式会社 村上色彩研究所製 Gloss−Meter GM−3Dを用いて光沢を測定した。
〔固体触媒成分の製造〕
本発明のプロピレン系重合体に使用する固体触媒成分は、特開2004−182876の実施例3(1)、(2)と同様にして製造した。
[予備重合]
内容積3Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム30.0ミリモル、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン3.0ミリモルと上記固体触媒成分16gを添加し、オートクレーブ内の温度を約10℃に保ちながらプロピレン16gを約30分かけて連続的に供給して予備重合を行った後、予備重合スラリーを内容積200Lの攪拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタン80Lを加えて、予備重合触媒成分のスラリーとした。
内容積40L(液レベル18L)/200L(液レベル50L)/200L(液レベル50L)攪拌気付きベッセルタイプ反応器3槽(前段)および1m3/1m3の攪拌機付き流動床気相反応器を2槽(後段)、合計5槽を直列に配置し、第1槽〜3槽において結晶性ポリプロピレン部分を重合し、第4槽および第5槽においてプロピレン−エチレンランダム共重合体部分(第4槽でEP−B部、第5槽でEP−A部を重合した)を重合するプロセスで、各槽の生成ポリマーを失活することなく下流槽に連続的に移送し、連続的に重合する方法で実施した。
第1〜3槽目において、重合温度73/70/67(℃)、重合圧力4.6/4.0/3.8(MPa)、供給するプロピレン(C’3)量を25/15/0(Kg/H)、また供給する水素(H2)量を、300/70/0(NL/h)とし、1槽目にはトリエチルアルミニウムを40(mmol/h)、シクロヘキシルエチルジメトキシシランを6(mmol/h)および上記予備重合体スラリーを固体触媒成分として1.03(g/h)で供給し、連続重合を行った(重合時間0.3/0.5/0.5(時間))。
排出された生成ポリマーは失活することなく後段4槽目の流動床気相反応器に連続的に供給した。重合温度を70(℃)、重合圧力を1.6(MPa)、気相部の水素濃度を6.5(vol%)、エチレン濃度を42.2(vol%)を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を連続的に供給した条件下に、24(mmol/h)のテトラエトキシシラン(TES)を供給しながら連続重合を2.8時間継続した。
排出された生成ポリマーは失活することなく後段5槽目の流動床気相反応器に連続的に供給した。重合温度を70(℃)、重合圧力を1.4(MPa)、気相部の水素濃度を0.20(vol%)、エチレン濃度を28.6(vol%)を保持するようにプロピレン、エチレンおよび水素を連続的に供給した条件下に、連続重合を2.5時間継続した。結果、プロピレン−エチレンブロック共重合体が得られた。重合活性は21.9(kg/h)であった。重合条件とプロピレン−エチレンブロック共重合体の分析結果を表1に示した。
(A−1)と同様の方法で、1,2,3槽目の水素濃度、4,5槽目のプロピレン/エチレン/水素の体積比率、滞留時間を調節することで、ポリプロピレン系重合体(A−2)を製造した。ただし、A−2では、4槽目と5槽目のプロピレン/エチレン/水素の体積比率を同じにして製造しており、EP−Aだけを有するプロピレン系重合体であった。
(A−1)と同様の方法で、1,2,3槽目の水素濃度、4,5槽目のプロピレン/エチレン/水素の体積比率、滞留時間を調節することで、ポリプロピレン系重合体(A−3)を製造した。
三井化学社製 エチレン−1−ブテン共重合体ゴム : タフマー A0250(密度:0.86g/cm3、MFR(190℃):0.2g/10分)
三井化学社製 エチレン−1−ブテン共重合体ゴム : タフマー A4050(密度:0.863g/cm3、MFR(190℃):4g/10分)
無機充填材としては、タルク(林化成社製 MWHST)を用いた。平均粒子径は、2.7μmであった。
(E−1)住友化学社製 Z101Aを用いた。 分子量分布(Q値)が4.2であり、極限粘度([η]P)が1.34dl/gであり、アイソタクチック・ペンタッド分率が0.98であり、MFR(230℃)が22g/10分であるプロピレン単独重合体。
上記の方法によって得られるプロピレン−エチレン共重合体(A)および、エラストマー(B)、エラストマー(C)、無機充填材(D)、およびプロピレン単独重合体(E)を表2記載の組成比で配合し、これらをヘンシェルミキサーおよびタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44SS−31.5BW−2V型)を用いて、押出量30kg/hr、スクリュー回転数320rpm、ベント吸引下で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。得られたポリプロピレン系樹脂組成物を表2に示した。
物性評価用試験片は、次の射出成形条件下で作製する。ポリプロピレン系樹脂組成物を熱風乾燥器で120℃で2時間乾燥後、東芝機械製IS150E−V型射出成形機を用いて、成形温度180℃、金型冷却温度50℃、射出時間15sec、冷却時間30secで射出成形を行った。得られた射出成形体の評価結果を表3に示した。
Claims (5)
- 下記のプロピレン系重合体(A)30〜90重量%と、下記のエラストマー(B)5〜20重量%と、下記のエラストマー(C)0〜15重量%と、無機充填材(D)5〜35重量%と、プロピレン単独重合体(E)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物(ただし、プロピレン系重合体(A)の重量とエラストマー(B)の重量とエラストマー(C)の重量と無機充填材(D)の重量の合計を100重量%とする)。
プロピレン系重合体(A)は、結晶性ポリプロピレン部分60〜88重量%とプロピレン−エチレンランダム共重合体部分12〜40重量%とを含有し、
前記結晶性ポリプロピレン部分が、プロピレン単独重合体または、プロピレンと含有量が1モル%以下であるエチレンまたは炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体である結晶性ポリプロピレンであり(ただし、結晶性ポリプロピレン部分の全量を100モル%とする)、
前記プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のプロピレンとエチレンの重量比(プロピレン/エチレン(重量/重量))が75/25〜35/65であり、
下記要件(1)および要件(2)を満足するプロピレン−エチレンブロック共重合体である(ただし、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全量を100重量%とする)。
要件(1)プロピレン−エチレンランダム共重合体部分が、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)からなり、共重合体成分(EP−A)の極限粘度[η]EP-Aが4dl/g以上8dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-A]が20重量%以上50重量%未満であり(ただし、成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが0.5dl/g以上3.5dl/g以下、エチレン含有量[(C2’)EP-B]が50重量%以上80重量%以下である(ただし、成分(EP−B)の全量を100重量%とする)。
要件(2)プロピレン系重合体(A)の230℃でのメルトフローレート(MFR)が5〜120g/10分である。
エラストマー(B)は、
密度が0.85〜0.91g/cm3であり、190℃におけるMFRが0.01〜0.8g/10分であるエチレン−ブテン−1共重合体エラストマーである。
エラストマー(C)は、
密度が0.85〜0.91g/cm3であり、190℃におけるMFRが1〜15g/10分であるエチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体エラストマーである。 - プロピレン系重合体(A)に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)のエチレン含有量[(C2’)EP-A]が25〜45重量%であり(ただし、成分(EP−A)の全量を100重量%とする)、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)のエチレン含有量[(C2’)EP-B]が50〜65重量%である(ただし、成分(EP−B)の全量を100重量%とする)請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- プロピレン系重合体(A)に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)の極限粘度[η]EP-Bが2〜3.5dl/gである請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- プロピレン系重合体(A)に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−A)の含有量が5〜15重量%であり、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(EP−B)の含有量が10〜25重量%である(ただし、プロピレン系重合体(A)の全量を100重量%とする)請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
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