JP5369417B2 - 樹脂組成物及び樹脂製品 - Google Patents

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本発明は、樹脂組成物及びこの樹脂組成物を成形してなる樹脂製品に関するものである。
現在、ポリプロピレン樹脂からなる自動車の内外装用の樹脂製品は、製品肉厚が2mm以上のものが主流である。例えば、インストゥルメントパネルは3mm程度、バンパーは2.5〜3.5mm、その他の内装製品は2.2〜3mmのものが多い。従って、これらの樹脂製品に用いられるポリプロピレン樹脂組成物の物性としては、流動性として、230℃、21.2Nにおけるメルトフローレート(MFR)が30g/10分以下、及び、剛性として、23℃における曲げ弾性率が2500MPa以下でも十分対応することができている。
しかし、最近、特に自動車用内外装樹脂製品の分野においては、コストダウン等の観点から、更なる薄肉化の要請がある。これらの樹脂製品の薄肉化を図るには、上記物性のポリプロピレン樹脂組成物では、対応することができなかった。
なお、ポリプロピレン樹脂組成物の剛性等の物性を向上させたものが特許文献1〜8に記載されているが、これらのポリプロピレン樹脂組成物でも、ポリプロピレン樹脂からなる自動車の内外装用の樹脂製品の薄肉化に十分対応することができないと考えられる。
特開平8−302108号公報 特開平9−87481号公報 特開平7−33919号公報 特開平9−71712号公報 特開平10−324725号公報 特開平11−189700号公報 特開平9−124857号公報 特開平8−134288号公報
一方、ポリプロピレン樹脂組成物の剛性及び耐衝撃性を向上させる手段として、微粉状(平均粒径:約1μm未満)のタルクを混合することが有効な手段であることは知られている。しかし、粉状のタルクは、塊状等の形で産出したタルクを粉砕・分級の工程を繰り返して得られることから、粒径が小さくなればそれだけ粉砕・分級の工程の繰り返しが多くなり、単価が高いものとなっている。従って、自動車用内外装樹脂製品のような実用品に添加できる量には、コストの面から限界があった。
そこで、本発明は、タルクの種類(粒径)を検討し、流動性、剛性及び耐衝撃性を向上させることで、ポリプロピレン樹脂からなる自動車の内外装用の樹脂製品の薄肉化に対応できる樹脂組成物及びこの樹脂組成物からなる樹脂製品を提供することを目的とする。
A.樹脂組成物
上記目的を達成するため、本発明の樹脂組成物は、
ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが60〜120g/10分であり、かつ、ISO179に準拠して測定したシャルピー衝撃強度が3kJ/m以上のエチレン−プロピレンブロック共重合体30〜55質量%と、
ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが10g/10分以上であり、かつ、ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が2000MPa以上のホモポリプロピレン樹脂5〜25質量%と、
エラストマー8〜20質量%と、
レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が7μm以下であるタルク23〜37質量%とからなり、
前記タルクが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)3質量%以上を意図的に含ませてなるものであり、
ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が2800〜3068MPaであり、
かつ、ISO180に準拠して測定した23℃におけるアイゾット衝撃強度が15〜26.8kJ/m であり、
かつ、ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが30〜41.2g/10分である。
ここで、タルクに用いられている平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定されたタルクの粒径の平均粒径D50の値である。
ここで、タルク(A)3質量%以上を意図的に含ませてなるタルクとは、タルク(A)の樹脂組成物中の配合量、すなわち、樹脂組成物の全体量に対するタルク(A)の量が3質量%以上となるように意図して含ませているタルクである。
また、樹脂組成物は、成形体の補強部位を除く部位の肉厚を2mm未満で成形できることが好ましい。
B.樹脂製品
上記目的を達成するために、本発明の樹脂製品は、上記樹脂組成物を成形してなる。
本発明における各要素の態様を以下に例示する。
1.エチレン−プロピレンブロック共重合体(b−PP)
エチレン−プロピレンブロック共重合体としては、特に限定はされないが、ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレート(MFR)が、60g/10分未満では樹脂組成物の流動性が悪くなり、120g/10分を超えると樹脂組成物の耐衝撃性が悪くなる。好ましくは、80〜110g/10分である。ISO179に準拠して測定したシャルピー衝撃強度が、3kJ/m未満では樹脂組成物の耐衝撃性が悪くなる。好ましくは、3.5kJ/mである。
配合量としては、32〜55質量%であることが好ましい。
2.ホモポリプロピレン樹脂(h−PP)
ホモポリプロピレン樹脂としては、特に限定はされないが、ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレート(MFR)が、10g/10分未満では樹脂組成物の流動性が悪くなる。好ましくは、12g/10分以上である。ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が、2000MPa未満では樹脂組成物の剛性が悪くなる。好ましくは、2300MPa以上である。
配合量としては、5〜20質量%であることが好ましい。
3.エラストマー
エラストマーとしては、特に限定はされないが、一種若しくは二種以上のエチレン−αオレフィン共重合体ゴム又はスチレン系熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
また、エラストマーの配合量としては、10〜20質量%であることが好ましい。
また、エラストマーが一種若しくは二種以上のエチレン−αオレフィン共重合体ゴムである場合のエラストマーの配合量、すなわち、一種若しくは二種以上のエチレン−αオレフィン共重合体ゴムの樹脂組成物中の配合量は10〜18質量%であることが好ましい。より好ましくは、10〜13質量%である。
また、エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーである場合のエラストマーの配合量、すなわち、スチレン系熱可塑性エラストマーの樹脂組成物中の配合量は8〜15質量%であることが好ましい。より好ましくは、8〜13質量%である。
3−1.エチレン−αオレフィン共重合体ゴム
エチレン−αオレフィン共重合体ゴムとしては、特に限定はされないが、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBM)、エチレン−オクテン共重合体ゴム(EOM)又はエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)であることが好ましい。また、ISO667に準拠して測定したロータの形状L形、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)100℃)が、20〜75であることが好ましい。このムーニー粘度が20未満では樹脂組成物の剛性・耐衝撃性が悪くなる。より好ましくは、30〜75 ML(1+4)100℃ である。
3−2.スチレン系熱可塑性エラストマー
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定がされないが、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体ゴム(SEBS)であることが好ましい。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体ゴムとしては、特に限定はされないが、含まれているスチレン(ポリスチレンも含む)の量、すなわち、スチレン成分の含有量が、15〜30質量%であることが好ましい。15質量%未満では樹脂組成物の剛性が悪くなり、30質量%を超えると樹脂組成物の耐衝撃性が悪くなる。
4.タルク
タルクの配合量が、23質量%未満では樹脂組成物の剛性が悪くなり、37質量%を超えると樹脂組成物の耐衝撃性及び流動性が悪くなる。より好ましくは、25〜35質量%である。
また、タルクとしては、特に限定はされないが、配合されるタルクの種類(平均粒径)によって、樹脂組成物の剛性、耐衝撃性、流動性等の物性が変化することから、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が、7μm以下である。レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が、7μm以下のタルクとしては、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満のいわゆるナノタルクであるタルク(A)、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm以上4μm未満であるタルク(B)、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が4μm以上7μm以下であるタルク(C)等が例示できる。
樹脂組成物の剛性及び耐衝撃性が向上することから、タルクは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)を3質量%以上を意図的に含ませている。
樹脂組成物の剛性及び耐衝撃性が向上することから、タルクは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)のみからなることが好ましい。
樹脂組成物の剛性及び耐衝撃性を維持しながら、樹脂組成物の流動性の向上やコストの低減が図れることから、タルクは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm以上4μm未満であるタルク(B)とからなる混合タルクであり、タルク(A)の量であるa質量%、すなわち、タルク(A)の樹脂組成物中の配合量であるa質量%が、混合タルクの量であるt質量%、すなわち、混合タルクの樹脂組成物中の配合量であるt質量%との関係において、a≧−0.2t+11.0であることが好ましい。また、タルク(A)の量であるa質量%とタルク(B)の量であるb質量%、すなわち、タルク(B)の樹脂組成物中の配合量であるb質量%とを足したものが、混合タルクの量であるt質量%となる(a+b=t)。
樹脂組成物の剛性及び耐衝撃性を維持しながら、樹脂組成物の流動性の向上やコストの低減が図れることから、タルクは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が4μm以上7μm以下であるタルク(C)とからなる混合タルクであり、タルク(A)の量であるa質量%、すなわち、タルク(A)の樹脂組成物中の配合量であるa質量%が、混合タルクの量であるt質量%、すなわち、混合タルクの樹脂組成物中の配合量であるt質量%との関係において、a≧0.3t+12.5であることが好ましい。また、タルク(A)の量であるa質量%とタルク(C)の量であるc質量%、すなわち、タルク(C)の樹脂組成物中の配合量であるc質量%とを足したものが、混合タルクの量であるt質量%となる(a+c=t)。
樹脂組成物の剛性及び耐衝撃性を維持しながら、樹脂組成物の流動性の向上やコストの低減が図れることから、タルクは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm以上4μm未満であるタルク(B)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が4μm以上7μm以下であるタルク(C)とからなる混合タルクであり、タルク(A)の量であるa質量%、すなわち、タルク(A)の樹脂組成物中の配合量であるa質量%が、混合タルクの量であるt質量%、すなわち、混合タルクの樹脂組成物中の配合量であるt質量%との関係において、a≧−0.3t+15.5であり、かつ、タルク(C)の量であるc質量%、すなわち、タルク(C)の樹脂組成物中の配合量であるc質量%が、混合タルクの量であるt質量%との関係において、c≦0.5t−7.5であることが好ましい。また、タルク(A)の量であるa質量%とタルク(B)の量であるb質量%、すなわち、タルク(B)の樹脂組成物中の配合量であるb質量%とタルク(C)の量であるc質量%とを足したものが、混合タルクの量であるt質量%となる(a+b+c=t)。従って、c質量%は、t質量%からa質量%とb質量%とを引いたものであり(c=t−a−b)、言い換えれば、a質量%とb質量%とを足したものが、t質量%からc質量%を引いたものである(a+b=t−c)。
5.その他の添加剤
本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、着色剤、分散剤、難燃剤等の添加剤を、配合することができる。
6.成形方法
上記樹脂組成物を用いて樹脂製品を成形する方法としては、特に限定はされないが、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形等が例示できる。
7.樹脂製品の用途
樹脂製品の用途としては、特に限定はされないが、バンパー、カウルルーバ等の自動車の外装製品や、インストゥルメントパネル、フロントピラー、コンソール、センタクラスタ、デッキサイドトリム等の自動車の内装製品等が例示できる。
8.成形体の補強部位を除く部位
補強部位とは、成形体の全体の厚さを増すことなく必要な強度をだすために、成形体(樹脂製品)の用途や形状等に応じた要所要所に設けられる補強リブ、厚肉部等をいう。よって、成形体の補強部位を除く部位とは、この補強部位を除く、成形体の部位である。
成形体の補強部位を除く部位の厚さは、成形体(樹脂製品)の用途や形状等によっても異なるが、例えば自動車用内外装樹脂製品の場合には2mm未満とすることが好ましく(より好ましくは1.8mm以下)、また、本発明の樹脂組成物であればその厚さを実現可能である。例えば、バンパー、インストゥルメントパネルでは同部位の厚さを1.6〜1.9mmとし、ドアトリム等のその他の内装樹脂製品では同部位の厚さを1.0〜1.7mmとする等である。また、内外装製品の用途によっては同部位の厚さを1.0mm以下とすることも可能である。
本発明によれば、タルクの種類(粒径)を検討し、流動性、剛性及び耐衝撃性を向上させることで、ポリプロピレン樹脂からなる自動車の内外装用の樹脂製品の薄肉化に対応できる樹脂組成物及びこの樹脂組成物からなる樹脂製品を提供する
ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが60〜120g/10分であり、かつ、ISO179に準拠して測定したシャルピー衝撃強度が3kJ/m以上のエチレン−プロピレンブロック共重合体32〜55質量%と、
ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが10g/10分以上であり、かつ、ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が2000MPa以上のホモポリプロピレン樹脂5〜20質量%と、
エラストマー10〜13質量%と、
レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm以上4μm未満であるタルク(B)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が4μm以上7μm以下であるタルク(C)とからなる混合タルク23〜37質量%とからなり、
タルク(A)の量であるa質量%が、混合タルクの量であるt質量%との関係において、a≧−0.3t+15.5であり、
かつ、タルク(C)の量であるc質量%が、混合タルクの量であるt質量%との関係において、c≦0.5t−7.5であり、
ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が2800MPa以上であり、
かつ、ISO180に準拠して測定した23℃におけるアイゾット衝撃強度が15kJ/m以上であり、
かつ、ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが30g/10分以上である樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物は、図1に示すような、インストゥルメントパネル10等に用いられるものである。
本発明の実施例として、下記の表1、2に示す23種類の配合で物性の測定を行った。また、比較例として、下記の表2に示す14種類の配合で物性の測定を行った。各表の配合の欄における各原料成分の配合量の単位は質量%である。
本発明の実施例又は比較例の原料成分には、物性が異なる5種類のエチレン−プロピレンブロック共重合体(b−PP)、物性が異なる3種類のホモポリプロピレン樹脂(h−PP)、エチレン−αオレフィン共重合体ゴムはエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM)とエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBM)とエチレン−オクテン共重合体ゴム(EOM)とエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体ゴム(SEBS)、平均粒径が異なる4種類(0.7μm、2.5μm、4.4μm、6.2μm)のタルクを用いた。
また、各実施例の平均粒径0.7μmのタルク(A)を含む混合タルク中における、タルク(A)の量(a質量%)と混合タルクの量(t質量%)との関係を、図2(平均粒径2.5μmのタルク(B)との混合タルク)、図3(平均粒径4.4μm又は6.2μmのタルク(C)との混合タルク)、図4(平均粒径2.5μmのタルク(B)と平均粒径4.4μmのタルク(C)との混合タルク)に示す。なお、図4は、混合タルクの量(t質量%)から平均粒径4.4μmのタルク(C)の量(c質量%)を引いたもの(a+b質量%)と混合タルクの量(t質量%)との関係も示している。各図(図2〜4)において、■は、a質量%とt質量%との関係を表し、▲は、a+b質量%とt質量%との関係を表す。直線は混合タルクの量、破線はタルク(A)の含有量の下限、一点差線はタルク(A)とタルク(B)との合計含有量の下限(直線と一点鎖線との間がタルク(C)の含有範囲)を示す。
Figure 0005369417
Figure 0005369417
各試料は二軸スクリュ押出機を用いて混合した。
特に平均粒径が1μm未満であるタルク(A)を多く配合する試料については、タルク(A)の粒径(平均粒径)が小さいことで、嵩が大きく(嵩密度が小さい)、比表面積が大きいため、混合しにくいことから、L/Dが大きい二軸スクリュ押出機を用い、タルク(A)の配合量の約半分を二回に分けてサイドフィードにより配合した。
例えば、実施例14については、樹脂等の原料成分(エチレン−プロピレンブロック共重合体32質量%とホモポリプロピレン樹脂20質量%とエチレン−オクテン共重合体ゴム13質量%)と共に、平均粒径0.7μmであるタルク(A)15質量%をL/Dが80の二軸スクリュ押出機に投入(元込め)し、混合途中にタルク(A)を各10質量%ずつ二回に分けて、サイドフィードにより投入し、混合した。
本発明の実施例及び比較例のそれぞれの物性は以下のようにして測定した。
(1)メルトフローレート(MFR)
ISO1133に準拠して、試験温度が230℃、試験荷重が21.2Nの条件で測定を行った。
(2)曲げ弾性率
ISO178に準拠して、測定を行った。
(3)アイゾット衝撃強度
ISO180に準拠して、深さ2mmのノッチを設けた試験片を使用、温度23℃の条件で測定を行った。
本発明の実施例又は比較例に用いた5種類のエチレン−プロピレンブロック共重合体(b−PP)の物性(メルトフローレート(MFR)とシャルピー衝撃強度)を次の表3に示す。
Figure 0005369417
本発明の実施例又は比較例に用いた3種類のホモポリプロピレン樹脂(h−PP)の物性(メルトフローレート(MFR)と曲げ弾性率)を次の表4に示す。
Figure 0005369417
本発明の実施例又は比較例に用いた各原料成分の物性の測定条件を以下に示す。
(a)メルトフローレート(MFR)
ISO1133に準拠し、試験温度が230℃、試験荷重が21.2Nである。
(b)曲げ弾性率
ISO178に準拠した。
(c)シャルピー衝撃強度
ISO180に準拠し、深さ2mmのノッチを設けた試験片を使用した。
(d)ムーニー粘度
ISO667に準拠し、ロータの形状がL形、予熱時間が1分、ロータの回転時間が4分、試験温度が100℃である。
(e)平均粒径
レーザー回折散乱式粒度分布測定法により粒径を測定し、平均粒径D50を求めた。
以上の結果より、全ての実施例は、ポリプロピレン樹脂からなる自動車の内外装用の樹脂製品の薄肉化に対応できる樹脂組成物に要求される、高流動性(高いMFR)、高剛性(高い曲げ弾性率)及び高耐衝撃性(高いアイゾット衝撃強度)を確保することができた。
また、平均粒径0.7μmのタルク(A)と他の平均粒径(2.5μm、4.4μm、6.2μm)のタルクとからなる混合タルクを用いた実施例2〜12、22については、高流動性、高剛性及び高耐衝撃性を確保しながら、コストを下げることができた。
本実施例の樹脂組成物を用いて、補強部位を除く部位の肉厚を1.0mmとした、デッキサイドトリム、インストゥルメントパネル、バンパー等を次の成形条件で成形することができた。
・射出成形機:東芝社の商品名「IS1800」
・金型温度:25℃(油温)
・成形温度:200〜240℃
・射出圧力:射出時、1650kgf/cm(162MPa)
保持時、850kgf/cm(83.3MPa)
・射出時間:15秒
・冷却時間:25秒
また、これらの樹脂製品は、製品としての性能(サーマルショック、剛性感、落球衝撃)を満たすことができた。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
本発明の実施例のインストゥルメントパネルの斜視図である。 タルク(A)の量と混合タルクの量との相関を示すグラフである。 タルク(A)の量と混合タルクの量との相関を示すグラフである。 タルク(A)の量又はタルク(C)の量と混合タルクの量との相関を示すグラフである。
符号の説明
10 インストゥルメントパネル

Claims (10)

  1. ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが60〜120g/10分であり、かつ、ISO179に準拠して測定したシャルピー衝撃強度が3kJ/m以上のエチレン−プロピレンブロック共重合体30〜55質量%と、
    ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが10g/10分以上であり、かつ、ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が2000MPa以上のホモポリプロピレン樹脂5〜25質量%と、
    エラストマー8〜20質量%と、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が7μm以下であるタルク23〜37質量%とからなり、
    前記タルクが、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)3質量%以上を意図的に含ませてなるものであり、
    ISO178に準拠して測定した曲げ弾性率が2800〜3068MPaであり、
    かつ、ISO180に準拠して測定した23℃におけるアイゾット衝撃強度が15〜26.8kJ/m であり、
    かつ、ISO1133に準拠して測定した230℃、21.2Nにおけるメルトフローレートが30〜41.2g/10分である樹脂組成物。
  2. 前記タルクが、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)のみからなる請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記タルクが、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm以上4μm未満であるタルク(B)とからなる混合タルクであり、
    前記タルク(A)の量であるa質量%が、前記混合タルクの量であるt質量%との関係において、a≧−0.2t+11.0である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 前記タルクが、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が4μm以上7μm以下であるタルク(C)とからなる混合タルクであり、
    前記タルク(A)の量であるa質量%が、前記混合タルクの量であるt質量%との関係において、a≧0.3t+12.5である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 前記タルクが、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm未満であるタルク(A)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が1μm以上4μm未満であるタルク(B)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した平均粒径が4μm以上7μm以下であるタルク(C)とからなる混合タルクであり、
    前記タルク(A)の量であるa質量%が、前記混合タルクの量であるt質量%との関係において、a≧−0.3t+15.5であり、
    かつ、前記タルク(C)の量であるc質量%が、前記混合タルクの量であるt質量%との関係において、c≦0.5t−7.5である請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 前記エラストマーが一種若しくは二種以上のエチレン−αオレフィン共重合体ゴム又はスチレン系熱可塑性エラストマーである請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記エチレン−αオレフィン共重合体ゴムが、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−オクテン共重合体ゴム又はエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムであり、かつ、ISO667に準拠して測定したロータの形状L形、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、100℃におけるムーニー粘度が20〜75である請求項6記載の樹脂組成物。
  8. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体である請求項6記載の樹脂組成物。
  9. 成形体の補強部位を除く部位の肉厚を2mm未満で成形できる請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形してなる樹脂製品。
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