JP2003286383A - ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体Info
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Abstract
き性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物およびそのポ
リプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体を提供す
る。 【解決手段】 プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)50〜90重量%、密度が0.85〜0.8
85g/cm3であるエチレンと炭素数3〜20のα−
オレフィンとの共重合体ゴム(B)5〜25重量%、お
よび、無機充填材(C)5〜25重量%からなる樹脂組
成物100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.1
〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物、お
よび、そのポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形して
得られる射出成形体。
Description
樹脂組成物およびそのポリプロピレン系樹脂組成物から
なる射出成形体に関するものである。更に詳しくは、剛
性と耐衝撃性のバランス、および、耐傷付き性に優れた
ポリプロピレン系樹脂組成物およびそのポリプロピレン
系樹脂組成物からなる射出成形体に関するものである。
車用材料に用いられている。最近は、特に内装材におい
て、剛性と耐衝撃性のバランス、および、耐傷付き性に
優れた材料が求められている。例えば、特表平8−50
6373号公報には、ポリプロピレン単独重合体、約
0.89から約0.935の範囲の密度を有する低密度
ポリエチレン、タルク、および脂肪酸アミドからなり、
改善された耐掻傷白化性を示す充填重合体組成物が記載
されている。しかし、剛性と耐衝撃性のバランスについ
て、さらなる改良が求められていた。
と耐衝撃性のバランス、および、耐傷付き性に優れたポ
リプロピレン系樹脂組成物およびそのポリプロピレン系
樹脂組成物からなる射出成形体を提供することにある。
情に鑑み、鋭意研究の結果、重量割合が一定の範囲にあ
るプロピレン−エチレンブロック共重合体、密度が特定
の範囲にあり、重量割合が一定の範囲にあるエチレンと
炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体ゴム、お
よび、重量割合が一定の範囲にある無機充填材からなる
樹脂組成物の一定の重量に対して、重量が一定の範囲に
ある脂肪酸アミドを含有するポリプロピレン系樹脂組成
物、および、重量割合が一定の範囲にあるプロピレン−
エチレンブロック共重合体、重量割合が一定の範囲にあ
るプロピレン単独重合体、密度が特定の範囲にあり、重
量割合が一定の範囲にあるエチレンと炭素数3〜20の
α−オレフィンとの共重合体ゴム、および、重量割合が
一定の範囲にある無機充填材からなる樹脂組成物の一定
の重量に対して、重量が一定の範囲にある脂肪酸アミド
を含有するポリプロピレン系樹脂組成物が、上記の課題
を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
エチレンブロック共重合体(A−1)50〜90重量
%、密度が0.85〜0.885g/cm3であるエチ
レンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体ゴ
ム(B)5〜25重量%、および、無機充填材(C)5
〜25重量%からなる樹脂組成物100重量部に対し
て、脂肪酸アミド(D)0.1〜1重量部を含有するポ
リプロピレン系樹脂組成物に係るものである。(但し、
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)、エ
チレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体
ゴム(B)および無機充填材(C)のそれぞれの重量の
合計を100重量%とする。) そして、本発明の一つは、プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体(A−1)50〜89重量%、プロピレン単
独重合体(A−2)1〜20重量%、密度が0.85〜
0.885g/cm3であるエチレンと炭素数3〜20
のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)5〜25重量
%、および、無機充填材(C)5〜25重量%からなる
樹脂組成物100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)
0.1〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成
物に係るものである。(但し、プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体(A−1)、プロピレン単独重合体(A
−2)、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと
の共重合体ゴム(B)および無機充填材(C)のそれぞ
れの重量の合計を100重量%とする。) さらに、本発明の一つは、上記のいずれかのポリプロピ
レン系樹脂組成物からなる射出成形体に係るものであ
る。
する。本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体(A−1)とは、第1セグメントとしてプロ
ピレン単独重合体部分、第2セグメントとしてプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体部分を有する共重合体で
ある。本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体(A−1)における第1セグメントであるプ
ロピレン単独重合体部分と第2セグメントであるプロピ
レン−エチレンランダム共重合体部分の、それぞれの重
量割合は、第1セグメントが95〜60重量%であり、
第2セグメントが5〜40重量%である。好ましくは、
第1セグメントが90〜65重量%であり、第2セグメ
ントが10〜35重量%である。(但し、プロピレン−
エチレンブロック共重合体(A−1)の全重量を100
重量%とする。)
ト(プロピレン単独重合体部分)の分子量分布を表わす
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)比であ
るQ値(Mw/Mn)としては、流動性や、剛性と耐衝
撃性のバランスの観点から、通常、3〜5であり、好ま
しくは3.5〜4.5である。
トのアイソタクチックペンタッド分率は、剛性や耐熱性
の観点から、通常、0.97以上であり、より好ましく
は0.98以上である。
トのエチレン含量(C2')EPは、耐衝撃性の観点から、
通常、25〜55重量%であり、より好ましくは30〜
50重量%である。(但し、第2セグメントの全重量を
100重量%とする。)
は、剛性と衝撃性のバランス、ブツ部の発生や面品質の
観点から、通常、1〜6dl/gであり、より好ましく
は2〜5.5dl/gである。
は、成形性の観点から、通常、25g/10分以上であ
り、好ましくは30g/10分以上である。
特に制限されることはなく、第1セグメントであるプロ
ピレン単独重合体部分を第1工程で製造し、第2セグメ
ントであるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分
を第2工程で製造する方法が挙げられる。そして、公知
の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造する
方法が挙げられる。公知の重合触媒としては、例えば、
チーグラー触媒やメタロセン触媒が挙げられ、公知の重
合方法としては、例えば、スラリー重合法や気相重合法
が挙げられる。
(A−2)としては、前述の本発明で用いられるプロピ
レン−エチレンブロック共重合体(A−1)の第1セグ
メントであるプロピレン単独重合体と同様のプロピレン
単独重合体を用いることができる。
20のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)で使用さ
れる炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例え
ば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテ
ン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、
1−ドデセン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。好ましくはプロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、
より好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ンである。
0.885g/cm3であり、好ましくは0.85〜
0.875g/cm3であり、より好ましくは0.85
〜0.87g/cm3である。密度が0.885g/c
m3を超えた場合、プロピレン−エチレンブロック共重
合体(A−1)に対する分散性が悪いことがあり、室温
及び低温での衝撃強度が低くなることがある。
は、衝撃強度の観点から、通常、0.3〜30g/10
分であり、好ましくは0.5〜20g/10分である。
特に制限されるものではなく、公知の重合触媒を用い
て、公知の重合方法による製造方法が挙げられる。公知
の重合触媒としては、例えば、バナジウム化合物、有機
アルミニウム化合物およびハロゲン化エステル化合物か
らなるチーグラー・ナッタ触媒系や、チタン原子、ジル
コニウム原子またはハフニウム原子に少なくとも1種以
上のシクロペンタジエニルアニオン骨格を有する基が配
位したメタロセン化合物とアルモキサンあるいはホウ素
化合物とを組み合わせた触媒系、いわゆるメタロセン触
媒系が挙げられる。公知の重合方法としては、例えば、
炭化水素化合物のような不活性有機溶媒中でエチレンと
α−オレフィンを共重合させる方法が挙げられる。
特に制限されるものではなく、例えば、タルク、マイ
カ、ワラスナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭
酸マグネシウム、クレー、アルミナ、シリカ、硫酸カル
シウム、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、けい砂、カ
ーボンブラック、酸化チタン、水酸化マグネシウム、ゼ
オライト、モリブデン、けいそう土、セリサイト、シラ
ス、水酸化カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸ソー
ダ、ベントナイト、黒鉛等が挙げられる。衝撃強度、成
形体の光沢や良好な外観を得るという観点から、好まし
くは、タルクである。
ないが、タルクの平均粒子径は、通常、10μm以下で
あり、好ましくは5μm以下である。ここでタルクの平
均粒子径とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて
水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下
法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50の
ことを意味する。
く、ポリプロピレン系樹脂との界面接着性を向上させ、
ポリプロピレン系樹脂に対する分散性を向上させるため
に、通常知られているシランカップリング剤、チタンカ
ップリング剤や界面活性剤で表面を処理して使用しても
良い。界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級
脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類等
が挙げられる。
は、一般式RCONH2(式中、Rは炭素数5〜21の
アルキル基またはアルケニル基を示す。)で表される化
合物であり、例えば、ラウリル酸アミド、ステアリン酸
アミド、オレイン酸アミド、ペヘニン酸アミド、エルカ
酸アミド等が挙げられる。好ましくは、エルカ酸アミド
である。配合量は、プロピレン−エチレンブロック共重
合体(A−1)、エチレンと炭素数3〜20のα−オレ
フィンとの共重合体ゴム(B)、および、無機充填剤
(C)からなる樹脂組成物100重量部に対して0.1
〜1重量部、または、プロピレン−エチレンブロック共
重合体(A−1)、プロピレン単独重合体(A−2)、
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合
体ゴム(B)、および、無機充填剤(C)からなる樹脂
組成物100重量部に対して0.1〜1重量部であり、
好ましくは、0.1〜0.5重量部である。
を超えた場合、成形加工時に発煙したり、成形品の表面
にブリードアウトしたりすることがあり、0.1重量部
未満の場合、本発明の目的である剛性と耐衝撃性のバラ
ンス、および、耐傷付き性が不充分なことがある。
レン系樹脂組成物は、プロピレン−エチレンブロック共
重合体(A−1)50〜90重量%と、密度が0.85
〜0.885g/cm3であるエチレンと炭素数3〜2
0のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)5〜25重
量%、および、無機充填剤(C)5〜25重量%からな
る樹脂組成物100重量部に対して、脂肪酸アミド
(D)0.1〜1重量部を含有する。
ロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)の量が
50重量%未満であるとゴム、無機充填剤の量が多いた
めに混練が困難になり、90重量%を超えると、耐衝撃
性が低くなる。共重合体ゴム(B)の量が5重量%未満
であると、樹脂組成物の耐衝撃性が不十分になり、25
重量%を超えると、樹脂組成物の剛性が不十分になる。
無機充填剤(C)の量が5重量%未満であると、樹脂組
成物の剛性が不十分になり、25重量%を超えると耐衝
撃性が不十分になる。脂肪酸アミド(D)については、
その量が0.1重量部未満では、傷付き改良効果がほと
んどなく、1重量部を超えると、ガラス霞性や耐熱変色
の問題が発生する。
(A−1)、共重合体ゴム(B)および無機充填剤
(C)の量は、好ましくは、それぞれ55〜82重量
%、8〜20重量%、および10〜25重量%である。
また、脂肪酸アミド(D)の量は、好ましくは、樹脂1
00重量部に対して0.1〜0.5重量部である。
プロピレン系樹脂組成物は、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(A−1)50〜89重量%と、プロピレ
ン単独重合体(A−2)1〜20重量%、密度が0.8
5〜0.885g/cm3であるエチレンと炭素数3〜
20のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)5〜25
重量%、および、無機充填剤(C)5〜25重量%から
なる樹脂組成物100重量部に対して、脂肪酸アミド
(D)0.1〜1重量部を含有する。
ロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)の量が
50重量%未満であるとゴム、無機充填剤の量が多いた
めに混練が困難になり、90重量%を超えると、耐衝撃
性が低くなる。プロピレン単独重合体(A−2)の量が
20重量%を超えると、樹脂組成物の耐衝撃性が不十分
になる。共重合体ゴム(B)の量が5重量%未満である
と、樹脂組成物の耐衝撃性が不十分になり、25重量%
を超えると、樹脂組成物の剛性が不十分になる。無機充
填剤(C)の量が5重量%未満であると、樹脂組成物の
剛性が不十分になり、25重量%を超えると耐衝撃性が
不十分になる。脂肪酸アミド(D)については、その量
が0.1重量部未満では、傷付き改良効果がほとんどな
く、1重量部を超えると、ガラス霞性や耐熱変色の問題
が発生する。
(A−1)、プロピレン単独重合体の量(A−2)、共
重合体ゴム(B)および無機充填剤(C)の量は、好ま
しくは、それぞれ55〜77重量%、5〜10重量%、
8〜20重量%、および10〜25重量%である。ま
た、脂肪酸アミド(D)の量は、好ましくは、樹脂10
0重量部に対して0.1〜0.5重量部である。
造方法としては、各成分を混合し、混練する方法が挙げ
られ、混練に用いられる装置としては、一軸押出機、二
軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等が挙げられ
る。混練の温度は、通常、170〜250℃であり、時
間は、通常、1〜20分である。また、各成分の混合は
同時に行なってもよく、分割して行なってもよい。
特に制限されるものではないが、例えば、次の(1)〜
(5)のような方法が挙げられる。 (1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−
1)と無機充填剤(C)を混練した後、エチレンと炭素
数3〜20のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)、
脂肪酸アミド(D)を添加する方法。 (2)予め、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)に無機充填剤(C)を高濃度に混練してマス
ターバッチとし、それを別途プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(A−1)やエチレンと炭素数3〜20の
α−オレフィンとの共重合体ゴム(B)、脂肪酸アミド
(D)で希釈しながら混練する方法。 (3)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−
1)とエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの
共重合体ゴム(B)を混練した後、無機充填剤(C)、
脂肪酸アミド(D)を添加し混練する方法。 (4)予め、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)にエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィ
ンとの共重合体ゴム(B)を高濃度に混練してマスター
バッチとし、それにプロピレン−エチレンブロック共重
合体(A−1)、無機充填剤(C)、脂肪酸アミド
(D)を添加し混練する方法。 (5)予め、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)と無機充填剤(C)、プロピレン−エチレン
ブロック共重合体(A−1)とエチレンと炭素数4〜2
0のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)、脂肪酸ア
ミド(D)をそれぞれ混練しておき、最後にそれらを合
わせて混練する方法。また、上記の(1)〜(5)の方
法において、任意にプロピレン単独重合体(A−2)を
混合しても良い。
は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、
帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可
塑剤、造核剤、気泡防止剤、架橋剤等の添加剤を配合し
ても良い。
ピレン系樹脂組成物を、公知の射出成形法によって、成
形して得られるものである。本発明の射出成形体の用途
としては、特に制限されるものではないが、例えば、自
動車用部品、電気製品・電子製品用部品、建材部品等が
挙げられ、好ましくは自動車用部品である。
明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。実施例および比較例における物性値の測定法を
以下に示した。 (1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10
分) JIS−K−6758に規定された方法に従い、測定し
た。特に断りのない限り、測定温度は230℃であり、
荷重は2.16kgであった。
た。射出成形により成形された試験片を用いた。試験片
の厚みは6.4mmであり、スパン長さ100mm、荷
重速度30mm/minの条件で曲げ弾性率を評価し
た。測定温度は23℃で行った。
m2) JIS−K−7110に規定された方法に従い、測定し
た。射出成形により成形された試験片を用いた。試験片
の厚みは3.2mmであり、成形の後にノッチ加工され
たノッチ付きの衝撃強度を評価した。測定温度は23℃
および−30℃で行った。
クトルを測定して得られるメチル基(−CH3)および
メチレン基(−CH2−)の特性吸収の吸光度を用いて
検量線法により求めた。
g) ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および
0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極
限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(198
2年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方
法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度
をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレ
ンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度13
5℃で評価した。
用いて、以下に示した条件で測定した。 GPC:Waters社製 150C型 カラム:昭和電工社製 Shodex 80 MA 2
本 サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.2wt%) 流量:1ml/min 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロルベンゼン 東洋曹達社製の標準ポリスチレンを用いて溶出体積と分
子量の検量線を作成した。検量線を用いて検体のポリス
チレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量
(Mn)を求め分子量分布の尺度としてQ値=重量平均
分子量/数平均分子量(Mw/Mn)を求めた。
(単位:%) アイソタクチック・ペンタッド分率は、A.Zambe
lliらによって、Macromolecules,
6,925(1973)に発表、記載されている方法に
従って測定した。すなわち、13C−NMRを使用して測
定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位での
アイソタクチック連鎖、換言すれば、プロピレンモノマ
ー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプ
ロピレンモノマー単位の分率を求めた。ただし、NMR
の吸収ピークの帰属に関しては、その後発刊されたMa
cromolecules,8,687(1975)に
基づいて行った。具体的には、13C−NMRスペクトル
のメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの
面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測
定した。この方法により英国NATIONAL PHY
SICAL LABORATORYのNPL標準物質
CRM No.M19−14 Polypropyle
nePP/MWD/2のアイソタクチックペンタッド分
率を測定したところ、0.944であった。
合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部
分の全ブロック共重合体に対する重量比率(X、重量
%) プロピレン−エチレンブロック共重合体において、プロ
ピレン−エチレンランダム共重合体部分の全ブロック共
重合体に対する重量比率X(重量%)は、プロピレン単
独重合体部分と全ブロック共重合体の各々の結晶融解熱
量を測定することにより、次式から計算で求めた。 X=1−(ΔHf)T/(ΔHf)P (ΔHf)T:ブロック共重合体全体の融解熱量(ca
l/g) (ΔHf)P:プロピレンホモポリマー部分の融解熱量
(cal/g)
合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部
分のエチレン含量(単位:重量%) プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピ
レン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量
は、赤外線吸収スペクトル法により全ブロック共重合体
におけるエチレン含量(重量%)で測定し、次式から計
算で求めた。 (C2')EP=(C2')T/X (C2')T:全ブロック共重合体におけるエチレン含量
(重量%) (C2')EP:プロピレン−エチレンランダム共重合体部
分のエチレン含量(重量%)
重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体
部分の極限粘度([η]EP、単位:dl/g) プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピ
レン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]
EPは、プロピレン単独重合体部分と全ブロック共重合体
の各々の極限粘度を測定することにより、次式から計算
で求めた。 [η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P [η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl
/g) [η]T:ブロック共重合体全体の極限粘度(dl/
g) なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体の第1セ
グメントであるプロピレン単独重合体部分の極限粘度
[η]Pは、その製造時に、第一工程であるプロピレン
単独重合体部分の製造後に重合槽内より取り出し、取り
出されたプロピレン単独重合体から[η]Pを求めた。
て、以下の条件で傷付き試験を行った。 (a)100mm×400mm×3mmの鏡面平板に、
先端が直径1mmの半球(材質SUS403)である傷
付き試験用の針に500gの過重をのせ、600mm/
minの速度で傷を付けた。 (b)傷付き評価方法 東京精密社製表面粗さ形状測定機(サーフコム550
A)を用いて、平板表面の傷を測定した。傷の目立ち感
を評価するため、傷の周りの盛り上がった部分から傷の
底部までの深さを0.1μmの単位で測定した。
1) 住友化学工業株式会社製 AZ564を用いた。AZ5
64のMFR(230℃)は、30g/10分であっ
た。プロピレン単独重合体部分(第1セグメント)の分
子量分布(Q値)は4.0であり、極限粘度([η]
P)は1.05dl/gであり、アイソタクチックペン
タッド分率は0.97であり、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体部分(第2セグメント)の極限粘度
([η]EP)は4.0dl/gであり、プロピレン−
エチレンブロック共重合体(BC−1)に対する重量割
合は16重量%であり、エチレン含量は45重量%であ
った。
P)が0.90dl/gであり、アイソタクチックペン
タッド分率が0.97であり、MFR(230℃)が1
20g/10分であるプロピレン単独重合体を用いた。 (2)プロピレン単独重合体(PP−2) 住友化学社製 Y501Nを用いた。分子量分布(Q
値)が4.1であり、極限粘度([η]P)が1.45
dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率が
0.97であり、MFR(230℃)が13g/10分
であった。
重合体ゴム(EOR−1〜EOR−5)を用いた。 (1)EOR−1 デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8842
(密度:0.858g/cm3、MFR(190℃):
1g/10分) (2)EOR−2 デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8200
(密度:0.870g/cm3、MFR(190℃):
5g/10分) (3)EOR−3 デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8150
(密度:0.870g/cm3、MFR(190℃):
0.5g/10分) (4)EOR−4 デュポンダウエラストマー社製 Affinity P
L1880(密度:0.901g/cm3、MFR(1
90℃):1.1g/10分) (5)EOR−5 デュポンダウエラストマー社製 Affinity P
L1140(密度:0.895g/cm3、MFR(1
90℃):1.7g/10分)
T)を用いた。(Talc−1と称する。) Talc−1の平均粒子径は、2.7μmであった。
NewS を用いた。
ピレン系樹脂組成物を次の方法で製造した。プロピレン
−エチレンブロック共重合体(BC−1)、プロピレン
単独重合体(PP−1、PP−2)、エチレン−1−オ
クテン共重合体ゴム(EOR−1〜5)、タルク(Ta
lc−1)およびエルカ酸アミド(NewS)を表1に
示した組成にして、これらをヘンシェルミキサーおよび
タンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機
(日本製鋼所社製TEX44SS−31.5BW−2V
型)を用いて、押出量30kg/hr、スクリュー回転
数900rpm、ベント吸引下で、ポリプロピレン系樹
脂組成物を製造した。得られたポリプロピレン系樹脂組
成物のMFRを測定した。その結果を表2に示した。
射出成形条件下で作製した。上記で得られたポリプロピ
レン系樹脂組成物を熱風乾燥器で120℃で2時間乾燥
後、東芝機械製IS150E−V型射出成形機を用い
て、成形温度220℃、金型冷却温度50℃、射出時間
15sec、冷却時間30secで射出成形を行った。
得られた射出成形体の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度
を測定した。その結果を表2に示した。
で作製した。上記で得られたポリプロピレン系樹脂組成
物を熱風乾燥器で120℃で2時間乾燥後、住友重機製
ネオマット515/150型射出成形機を用いて、成形
温度220℃、金型冷却温度50℃、射出時間および保
圧時間の合計が15secで、冷却時間が30secで
射出成形を行った。得られた射出成形体の傷付き試験を
行なった。その結果を表2に示した。
剛性と耐衝撃性のバランス、および、耐傷付き性に優れ
るものであることが分かる。これに対して、本発明の要
件であるエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと
の共重合体ゴム(B)の密度を満足しない比較例1およ
び2は、耐衝撃性(23℃および−30℃でのアイゾッ
ド衝撃強度)が不充分であり、本発明の要件である脂肪
酸アミドを用いなかった比較例3は、耐傷付き性が不充
分であることが分かる。
て、剛性と耐衝撃性のバランス、および、耐傷付き性に
優れたポリプロピレン系樹脂組成物およびそのポリプロ
ピレン系樹脂組成物からなる射出成形体を得ることがで
きる。
Claims (7)
- 【請求項1】プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)50〜90重量%、密度が0.85〜0.8
85g/cm3であるエチレンと炭素数3〜20のα−
オレフィンとの共重合体ゴム(B)5〜25重量%、お
よび、無機充填剤(C)5〜25重量%からなる樹脂組
成物100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.1
〜1重量部を含有することを特徴とするポリプロピレン
系樹脂組成物。 - 【請求項2】プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)50〜89重量%、プロピレン単独重合体
(A−2)1〜20重量%、密度が0.85〜0.88
5g/cm3であるエチレンと炭素数3〜20のα−オ
レフィンとの共重合体ゴム(B)5〜25重量%、およ
び、無機充填剤(C)5〜25重量%からなる樹脂組成
物100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.1〜
1重量部を含有することを特徴とするポリプロピレン系
樹脂組成物。 - 【請求項3】エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィ
ンとの共重合体ゴム(B)に用いられるα−オレフィン
が1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンである
ことを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピ
レン系樹脂組成物。 - 【請求項4】無機充填剤(C)がタルクであることを特
徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹
脂組成物。 - 【請求項5】脂肪酸アミド(D)がエルカ酸アミドであ
ることを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロ
ピレン系樹脂組成物。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロ
ピレン系樹脂組成物からなることを特徴とする射出成形
体。 - 【請求項7】自動車用部品であることを特徴とする請求
項6記載の射出成形体。
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