JP4915067B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4915067B2 JP4915067B2 JP2005260295A JP2005260295A JP4915067B2 JP 4915067 B2 JP4915067 B2 JP 4915067B2 JP 2005260295 A JP2005260295 A JP 2005260295A JP 2005260295 A JP2005260295 A JP 2005260295A JP 4915067 B2 JP4915067 B2 JP 4915067B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- random copolymer
- weight
- copolymer rubber
- propylene
- ethylene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
例えば、特開平8−183412号公報には、良好な塗料付着性を有し、更に、離形性及び成形外観にも優れている自動車バンパとして、結晶性ポリプロピレン部とプロピレン・エチレンランダム共重合体部を含有するブロック共重合体と、エチレン・プロピレン系共重合体ゴムと、エチレン・ブテン二元共重合体ゴムと、タルクと高級脂肪酸アミドからなり、メルトフローレートが30〜40g/10分かつ曲げ弾性率が12000〜18000kg/cm2であるプロピレン系樹脂粗生物の射出成形体である自動車用バンパが記載されている。
かかる状況の下、本発明の目的は、耐衝撃性と剛性のバランスに優れ、さらに、耐傷付き性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体を提供することにある。
すなわち、本発明の一は、
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、下記のランダム共重合体ゴム(B−1)およびランダム共重合体ゴム(B−2)からなるランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)が45〜85重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)が10〜30重量%であり、無機充填材(C)が5〜25重量%であり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.05〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである。
ランダム共重合体ゴム(B−1)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
ランダム共重合体ゴム(B−2)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、プロピレン単独重合体(A−2)と、下記のランダム共重合体ゴム(B−1)およびランダム共重合体ゴム(B−2)からなるランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)が5〜84重量%であり、プロピレン単独重合体(A−2)が1〜40重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)が10〜30重量%であり、無機充填材(C)が5〜25重量%であり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.05〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである。
ランダム共重合体ゴム(B−1)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(A−2)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
ランダム共重合体ゴム(B−2)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(A−2)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
上記のポリプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体に係るものである。
本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)におけるプロピレン単独重合体部分(A−1a)とプロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A−1b)の、それぞれの重量割合は、衝撃強度や剛性の観点から、好ましくは、単独重合体部分(A−1a)が70〜95重量%であり、ランダム共重合体部分(A−1b)が5〜30重量%である。より好ましくは、単独重合体部分(A−1a)が75〜90重量%であり、ランダム共重合体部分(A−1b)が10〜25重量%である。(但し、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の全重量を100重量%とする。)
そして、重合触媒としては、例えば、チーグラー触媒やメタロセン触媒が挙げられ、重合方法としては、例えば、スラリー重合法や気相重合法が挙げられる。
プロピレン単独重合体(A−2)のアイソタクチックペンタッド分率は、剛性や耐熱性の観点から、通常、0.97以上であり、より好ましくは0.98以上である。
プロピレン単独重合体(A−2)の固有粘度([η]P)は、通常、0.7〜3dl/gであり、引っ張り破断伸びや流動性の観点から、好ましくは、0.8〜2dl/gである。
ランダム共重合体ゴム(B−2)のMFRが10g/10分未満の場合、耐傷付き性が低下することがある。
公知の重合方法としては、例えば、炭化水素化合物のような不活性有機溶媒中でエチレンとα−オレフィンを共重合させる方法が挙げられる。
また、繊維状無機充填材としては、例えば、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、チタン酸カリウム繊維、水酸化マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等が挙げられる。
好ましくは、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、繊維状マグネシウムオキシサルフェートであり、さらに好ましくは、タルク、繊維状マグネシウムオキシサルフェートである。
これらの無機充填剤は、単独で用いてもよく、少なくとも2種類を併用してもよい。
RCONH2 式(1)
(ただし、式(1)において、Rは炭素数5〜25のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
脂肪酸アミド(D)としては、例えば、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられ、好ましくは、エルカ酸アミドである。
好ましくは、ブロック共重合体(A−1)の含有量が45〜75重量%であり、ランダム共重合体ゴムゴム(B)の含有量が15〜30重量%であり、無機充填材(C)の含有量が10〜25重量%であり、(B−1)が10〜25%であり、(B−2)が5〜20%である。
脂肪酸アミド(D)の含有量は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、0.05〜1重量部であり、好ましくは、0.1〜0.5重量部である。
好ましくは、ブロック共重合体(A−1)の含有量が5〜70重量%であり、プロピレン単独重合体(A−2)の含有量が5〜40重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)の含有量が15〜30重量%であり、無機充填剤(C)の含有量が10〜25重量%であり、(B−1)の含有量が10〜25重量%であり、(B−2)の含有量が5〜20重量%である。
脂肪酸アミド(D)の含有量は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、0.05〜1重量部であり、好ましくは、0.1〜0.5重量部である。
ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量が5重量%未満の場合、耐衝撃性が低下することがあり、25重量%を超えた場合、剛性が低下することがある。
ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量が5重量%未満の場合、耐傷付き性が低下することがあり、25重量%を超えた場合、剛性が低下することがある。
ランダム共重合体ゴム(B−1)とランダム共重合体ゴム(B−2)の合計が10重量%未満の場合、耐衝撃性能が低下することがあり、30重量%を超えた場合、剛性が低下することがある。
無機充填材(C)の含有量が5重量%未満の場合、剛性が不充分なことがあり、25重量%を超えた場合、衝撃強度が不充分なことがある。
脂肪酸アミド(D)の含有量が、1重量部を超えた場合、成形加工時に発煙したり、成形品の表面にブリードアウトしたりすることがあり、0.05重量部未満の場合、耐傷付き性の改良効果が不十分なことがある。
(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B−1)とランダム共重合体ゴム(B−2)を混練した後、無機充填剤(C)および、脂肪酸アミド(D)を添加し、混練する方法。
(2)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と無機充填剤(C)を混練した後、ランダム共重合体ゴム(B−1)とランダム共重合体ゴム(B−2)と脂肪酸アミド(D)を添加し、混練する方法。
(3)脂肪酸アミド(D)とプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)を事前に混練してペレット化し、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B−1)とランダム共重合体ゴム(B−2)と無機充填材(C)とを一括に混練する方法。
また、上記の(1)、(2)または(3)の方法において、任意にプロピレン単独重合体(A−2)を添加してもよい。
本発明の射出成形体の用途としては、例えば、自動車用部品、電気製品・電子製品用部品、建材部品等が挙げられ、好ましくは自動車用部品である。
実施例および比較例における物性値の測定法を以下に示した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−6758に規定された方法に従い、測定した。測定温度は190℃もしくは、230℃であり、荷重は2.16kgで測定した。ランダム共重合体ゴムのMFRは190℃で測定し、プロピレン系樹脂組成物のMFRは230℃で測定した。
JIS−K−7203に規定された方法に従い、測定した。射出成形によって成形された試験片を用いた。試験片の厚みは6.4mmであり、スパン長さ100mm、荷重速度30mm/minの条件で曲げ弾性率を評価した。測定温度は23℃で行った。
JIS−K−7110に規定された方法に従い、測定した。射出成形によって成形された試験片を用いた。試験片の厚みは3.2mmであり、ノッチ付きの金型を用いて作成したノッチ付き試験片を用いて、IZOD衝撃強度を評価した。測定温度は23℃で行った。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で評価した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下に示した条件で測定した。
GPC:Waters社製 150C型
カラム:昭和電工社製 Shodex 80 MA 2本
サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.2wt%)
流量:1ml/min
温度:135℃
溶媒:o−ジクロルベンゼン
東洋曹達社製の標準ポリスチレンを用いて溶出体積と分子量の検量線を作成した。検量線を用いて検体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め分子量分布の尺度として、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)、すなわち、Q値を求めた。
アイソタクチック・ペンタッド分率は、A.Zambelliらによって、Macromolecules,6,925(1973)に発表、記載されている方法に従って測定した。すなわち、13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すれば、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率を求めた。ただし、NMRの吸収ピークの帰属に関しては、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて行った。
具体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定した。この方法により英国NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19−14 PolypropylenePP/MWD/2のアイソタクチックペンタッド分率を測定したところ、0.944であった。
プロピレン−エチレンブロック共重合体において、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の全ブロック共重合体に対する重量比率Xは、プロピレン単独重合体部分と全ブロック共重合体の各々の結晶融解熱量を測定することによって、次式から算出した。
X=1−(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:ブロック共重合体全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf)P:プロピレンホモポリマー部分の融解熱量(cal/g)
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量は、赤外線吸収スペクトル法により全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)で測定し、次式から算出した。
(C2')EP=(C2')T/X
(C2')T:全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)
(C2')EP:プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量(重量%)
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPは、プロピレン単独重合体部分と全ブロック共重合体の各々の極限粘度を測定することにより、次式から算出した。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η]T:ブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体の第1セグメントであるプロピレン単独重合体部分の極限粘度[η]Pは、その製造時に、第一工程であるプロピレン単独重合体部分の製造後に重合槽内より取り出し、取り出されたプロピレン単独重合体から[η]Pを求めた。
(a)傷付き評価方法(A)
上島製作所社製 特殊大型U−F引っかき試験機を用いて、以下の条件で傷付き試験を行った。100mm×400mm×3mmの鏡面平板に、先端が直径1mmの半球(材質SUS403)である傷付き試験用の針に1500gの過重をのせ、600mm/minの速度で傷を付けた。
東京精密社製表面粗さ形状測定機(サーフコム550A)を用いて、平板表面の傷を測定した。傷の目立ち感を評価するため、傷の周りの盛り上がった部分から傷の底部までの深さを0.1μmの単位で測定した。また、目視での目立ち度合いも判定した。
目立ち度合い: ○ 白化しておらず、傷目立たない。
△ 少し白化しており、傷も目立つ。
× 白化しており、かなり傷が目立つ。
100×400×3mmのシボ平板を水平から60度の角度で立てかけ、そこに図1に示した衝撃試験治具を70cmの高さから落下させ、傷を付けた。傷の目立ち度合いを目視で判定した。
目立ち度合い: ○ 白化しておらず、傷目立たない。
△ 少し白化しており、傷も目立つ。
× 白化しており、かなり傷が目立つ。
射出成形によって成形した試験片(ASTM D638に記載の1号ダンベル、中央部付近の厚さ:3.2mm,幅:13mm)の中央部付近から、厚さ3.2mm、幅10mm、奥行き5mmのブロックを切り出した。ブロックの奥行き方向は、前記ダンベル型試験片の長手方向(これは、該試験片作成時の樹脂材料の流れ方向と一致する)に一致させた。
更に、ミクロトームを使用して−50℃〜−80℃の低温において、前記ブロックの表面(これは、前記ダンベル型試験片の表面であった)から深さ約100μmまでの部分から、前記ダンベルの長手方向と厚み方向とで定義される平面に平行な面を有する厚さ約100nmの極薄切片を採取した。厚さ100nmの極薄切片の切削に先立って、1%RuO4水溶液から60℃で発生させた蒸気に前記ブロックを暴露して染色した。得られた極薄切片を透過型電子顕微鏡で観察することにより、射出成形試験片におけるゴム成分の配向状態を観察した。
(試料)
(A−1−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(BC−1)
住友化学社製 AZ864を用いた。AZ864のMFR(230℃)は、30g/10分であった。プロピレン単独重合体部分の分子量分布(Q値)は4.2であり、極限粘度([η]P)は1.05dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率は0.97であり、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度([η]EP)は2.5dl/gであり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(BC−1)に対する重量割合は20重量%であり、エチレン含量は40重量%であった。
住友化学社製WPX5343を用いた。WPX5343のMFR(230℃)は、52g/10分であった。プロピレン単独重合体部分の分子量分布(Q値)は4.2であり、極限粘度([η]P)は0.92dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率は0.97であり、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度([η]EP)は5.0dl/gであり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(BC−2)に対する重量割合は13重量%であり、エチレン含量は32重量%であった。
住友化学社製 U101E1を用いた。分子量分布(Q値)が4.2であり、極限粘度([η]P)が0.92dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率が0.97であり、MFR(230℃)が120g/10分であるプロピレン単独重合体(PP)を用いた。
住友化学社製 Y501を用いた。分子量分布(Q値)が4.2であり、極限粘度([η]P)が1.45dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率が0.97であり、MFR(230℃)が13g/10分であるプロピレン単独重合体(PP)を用いた。
デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8842(密度:0.858g/cm3、MFR(190℃):1g/10分)
(B−1−2)ランダム共重合体ゴム
デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8100(密度:0.870g/cm3、MFR(190℃):1g/10分)
(B−2−1)ランダム共重合体ゴム
住友化学社製 エクセレンFX CX5505(密度:0.870g/cm3、MFR(190℃):15g/10分)
(B−2−2)ランダム共重合体ゴム
デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8130(密度:0.864g/cm3、MFR(190℃):13g/10分)
(B−2−3)ランダム共重合体ゴム
デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8407(密度:0.870g/cm3、MFR(190℃):30g/10分)
無機充填剤としては、タルク(林化成社製 MWHST)を用いた。(Talc−1と称する。)Talc−1の平均粒子径は、2.7μmであった。
脂肪酸アミドとしては、日本精化社製 ニュートロンSを用いた。
表1に示した組成になるように各成分を配合して、これらをヘンシェルミキサーおよびタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44SS−31.5BW−2V型)を用いて、押出量30kg/hr、スクリュー回転数350rpm、ベント吸引下で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。得られたポリプロピレン系樹脂組成物のMFRを測定し、その結果を表3に示した。
物性評価用試験片は、次のとおり、射出成形によって作製した。
上記で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を熱風乾燥器で120℃、2時間乾燥した後、東芝機械製IS150E−V型射出成形機を用いて、成形温度180℃、金型冷却温度50℃、射出時間15sec、冷却時間30secで射出成形を行った。得られた射出成形体の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度を測定し、その結果を表2に示した。
これに対して、ランダム共重合体ゴム(B−2)を用いなかった比較例1は、耐傷付き性、特に、傷付き試験(B)法での傷の目立ち度合いにおいて、耐傷付き性が、不十分であることが分かる。
参考例1,2、比較例1の表層付近のゴム配向を、透過型電子顕微鏡にて観察した。その結果を図2,3,4に示した。
図中の(A)部はゴムが強く配向している部分であり、図中の(B)は配向が弱くなっている部分である。(B−2)を用いなかった比較例1では、ゴムは表層から約18μm程度の部分で配向が弱くなっており、(B−2)を使用している参考例1,2では、それぞれ、表層から、35μm、60μm程度の部分まで、ゴムが強く配向していた。
Claims (5)
- プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、下記のランダム共重合体ゴム(B−1)およびランダム共重合体ゴム(B−2)からなるランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)が45〜85重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)が10〜30重量%であり、無機充填材(C)が5〜25重量%であり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.05〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物。
ランダム共重合体ゴム(B−1)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
ランダム共重合体ゴム(B−2)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。 - プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、プロピレン単独重合体(A−2)と、下記のランダム共重合体ゴム(B−1)およびランダム共重合体ゴム(B−2)からなるランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)が5〜84重量%であり、プロピレン単独重合体(A−2)が1〜40重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)が10〜30重量%であり、無機充填材(C)が5〜25重量%であり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.05〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物。
ランダム共重合体ゴム(B−1)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
ランダム共重合体ゴム(B−2)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。 - 脂肪酸アミド(D)が、下記の式(1)で表わされる脂肪酸アミドである請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
RCONH2・・・式(1)
(ただし、式(1)において、Rは炭素数5〜25のアルキル基またはアルケニル基を表す。) - 無機充填材(C)が、タルクおよび繊維状マグネシウムオキシサルフェートからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機充填材である請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005260295A JP4915067B2 (ja) | 2004-09-15 | 2005-09-08 | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004268014 | 2004-09-15 | ||
JP2004268014 | 2004-09-15 | ||
JP2005260295A JP4915067B2 (ja) | 2004-09-15 | 2005-09-08 | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006111864A JP2006111864A (ja) | 2006-04-27 |
JP4915067B2 true JP4915067B2 (ja) | 2012-04-11 |
Family
ID=36380643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005260295A Active JP4915067B2 (ja) | 2004-09-15 | 2005-09-08 | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4915067B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20090253849A1 (en) * | 2006-06-05 | 2009-10-08 | Susumu Kanzaki | Polypropylene resin composition and injection molded item for automobile therefrom |
JP5052826B2 (ja) * | 2006-06-09 | 2012-10-17 | 住友化学株式会社 | プロピレン系樹脂組成物及びその組成物からなる成形体 |
JP5085894B2 (ja) * | 2006-07-11 | 2012-11-28 | 住友化学株式会社 | プロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
US8080607B2 (en) * | 2006-08-16 | 2011-12-20 | Dow Global Technologies Llc | Polymeric material and process for forming and using same |
US8263701B2 (en) | 2007-02-28 | 2012-09-11 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Polypropylene resin composition and molded article |
JP5081540B2 (ja) * | 2007-03-12 | 2012-11-28 | 日本ポリプロ株式会社 | プロピレン樹脂組成物およびその成形品 |
JP2009079117A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Prime Polymer:Kk | ポリプロピレン系樹脂組成物 |
DE112012004977T5 (de) * | 2011-11-30 | 2014-08-28 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Propylenpolymerzusammensetzung und Formgegenstand daraus |
CN103319781B (zh) * | 2012-03-22 | 2016-12-28 | 住友化学株式会社 | 丙烯树脂组合物及其注射成型体 |
JP6131075B2 (ja) * | 2012-03-22 | 2017-05-17 | 住友化学株式会社 | プロピレン樹脂組成物およびその射出成形体 |
JP6229384B2 (ja) * | 2012-09-13 | 2017-11-15 | 住友化学株式会社 | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
WO2021192710A1 (ja) * | 2020-03-23 | 2021-09-30 | 株式会社プライムポリマー | ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3547510B2 (ja) * | 1994-12-28 | 2004-07-28 | 三菱化学株式会社 | 自動車用バンパ |
JP3737225B2 (ja) * | 1996-11-28 | 2006-01-18 | 三井化学株式会社 | プロピレン系重合体組成物および該組成物からなるブロー成形体 |
JPH10306195A (ja) * | 1997-03-04 | 1998-11-17 | Grand Polymer:Kk | ポリプロピレン樹脂組成物 |
JPH1129690A (ja) * | 1997-05-16 | 1999-02-02 | Sumitomo Chem Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成形体 |
JP3313620B2 (ja) * | 1997-05-16 | 2002-08-12 | 日本ポリケム株式会社 | 塗装性が改良された熱可塑性樹脂組成物 |
JP4384782B2 (ja) * | 2000-04-07 | 2009-12-16 | 日本ポリプロ株式会社 | プロピレン系樹脂組成物 |
JP2002003692A (ja) * | 2000-04-18 | 2002-01-09 | Japan Polychem Corp | 耐傷付き性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物 |
JP4737848B2 (ja) * | 2001-02-26 | 2011-08-03 | 日本ポリプロ株式会社 | 自動車外装材用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる自動車用サイドモール |
JP2003055529A (ja) * | 2001-08-20 | 2003-02-26 | Japan Polychem Corp | プロピレン系樹脂組成物 |
JP2003286383A (ja) * | 2002-01-24 | 2003-10-10 | Sumitomo Chem Co Ltd | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 |
JP4300065B2 (ja) * | 2002-06-28 | 2009-07-22 | 日本ポリプロ株式会社 | 自動車用プロピレン系樹脂組成物、その製造方法及びその成形体 |
-
2005
- 2005-09-08 JP JP2005260295A patent/JP4915067B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006111864A (ja) | 2006-04-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4915067B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 | |
US8034858B2 (en) | Polypropylene resin composition and injection molded article made from the same | |
JP4205786B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成形体 | |
JP5092216B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物の製造方法、プロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 | |
US6011102A (en) | Polypropylene-based resin composition and injection molded article thereof | |
EP0739943B1 (en) | Thermoplastic resin composition and injection molded article thereof | |
US6869993B2 (en) | Polypropylene-based resin composition and injection molded article comprising the same | |
JP5085894B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 | |
EP1130055A1 (en) | Thermoplastic resin composition and injection-molded object thereof | |
CN109867900B (zh) | 用于未涂覆的防震垫的聚丙烯树脂组合物 | |
US20030176555A1 (en) | Polypropylene-based resin composition and its injection molded article | |
JP2003286383A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 | |
JP3873652B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその射出成形体 | |
JP2004307842A (ja) | ポリプロピレン樹脂組成物、その製造方法および射出成形体 | |
US6911497B2 (en) | Polypropylene resin composition, method for its production, and injection molded article | |
JP5052826B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物及びその組成物からなる成形体 | |
JP2006056971A (ja) | プロピレン系樹脂組成物の製造方法、プロピレン系樹脂組成物、およびそれからなる射出成形体 | |
JP2007092050A (ja) | プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体 | |
JP2008208303A (ja) | プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体 | |
EP3877135A1 (en) | High gloss black tpo replacing paint | |
JP5098574B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体 | |
JP5106917B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物 | |
JP2008208304A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 | |
JP2006083251A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 | |
JP2006225418A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物、それからなる成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080131 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080515 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080811 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110323 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110426 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110624 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111227 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120109 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4915067 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |