JP4915067B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体に関するものである。更に詳しくは、耐衝撃性と剛性のバランスに優れ、さらに、耐傷付き性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体に関するものである。
従来から、ポリプロピレン系樹脂は自動車用材料に用いられているおり、最近は、特に自動車内装材には、耐衝撃性と剛性のバランスに加えて、さらに、耐傷付き性に優れる材料が求められている。
例えば、特開平8−183412号公報には、良好な塗料付着性を有し、更に、離形性及び成形外観にも優れている自動車バンパとして、結晶性ポリプロピレン部とプロピレン・エチレンランダム共重合体部を含有するブロック共重合体と、エチレン・プロピレン系共重合体ゴムと、エチレン・ブテン二元共重合体ゴムと、タルクと高級脂肪酸アミドからなり、メルトフローレートが30〜40g/10分かつ曲げ弾性率が12000〜18000kg/cm2であるプロピレン系樹脂粗生物の射出成形体である自動車用バンパが記載されている。
特開平8−183412号公報
上記の公報に記載のポリプロピレン系樹脂組成物においても、耐衝撃性と剛性のバランスに加えて、さらに、耐傷付き性を改良することが求められていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、耐衝撃性と剛性のバランスに優れ、さらに、耐傷付き性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体を提供することにある。
本発明者等は、かかる実情に鑑み、鋭意研究の結果、本発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成されるに至った。
すなわち、本発明の一は、
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、下記のランダム共重合体ゴム(B−1)およびランダム共重合体ゴム(B−2)からなるランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)が45〜85重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)が10〜30重量%であり、無機充填材(C)が5〜25重量%であり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.05〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである。
ランダム共重合体ゴム(B−1)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
ランダム共重合体ゴム(B−2)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
また、本発明の一は、
プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、プロピレン単独重合体(A−2)と、下記のランダム共重合体ゴム(B−1)およびランダム共重合体ゴム(B−2)からなるランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)が5〜84重量%であり、プロピレン単独重合体(A−2)が1〜40重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)が10〜30重量%であり、無機充填材(C)が5〜25重量%であり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.05〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである。
ランダム共重合体ゴム(B−1)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(A−2)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
ランダム共重合体ゴム(B−2)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(A−2)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
そして、本発明の一は、
上記のポリプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体に係るものである。
本発明によれば、耐衝撃性と剛性のバランスに優れ、さらに、耐傷付き性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる射出成形体を得ることができる。
本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とは、プロピレン単独重合体部分(A−1a)とプロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A−1b)からなる共重合体である。
本発明で用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)におけるプロピレン単独重合体部分(A−1a)とプロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A−1b)の、それぞれの重量割合は、衝撃強度や剛性の観点から、好ましくは、単独重合体部分(A−1a)が70〜95重量%であり、ランダム共重合体部分(A−1b)が5〜30重量%である。より好ましくは、単独重合体部分(A−1a)が75〜90重量%であり、ランダム共重合体部分(A−1b)が10〜25重量%である。(但し、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)の全重量を100重量%とする。)
ブロック共重合体(A−1)における単独重合体部分(A−1a)のアイソタクチックペンタッド分率は、剛性や耐熱性の観点から、通常、0.97以上であり、より好ましくは0.98以上である。
ブロック共重合体(A−1)におけるランダム共重合体部分(A−1b)のエチレン含量((C2')EP)は、耐衝撃性や引っ張り破断伸びの観点から、通常、25〜55重量%であり、より好ましくは30〜50重量%である。(但し、ランダム共重合体部分(A−1b)の全重量を100重量%とする。)
ブロック共重合体(A−1)のエチレン含量(C2')は、耐衝撃性の観点から、通常、2〜20重量%であり、より好ましくは4〜15重量%であり、さらに好ましくは、6〜12重量%である。
また、ランダム共重合体部分(A−1b)の固有粘度([η]EP)は、剛性と衝撃性のバランス、ブツ部の発生を抑制するという観点や面品質を改良するという観点から、通常、1〜7dl/gであり、より好ましくは2〜6dl/gである。
ブロック共重合体(A−1)の230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、通常、0.3〜150g/10分であり、流動性や引っ張り破断伸びの観点から、好ましくは、0.5〜100g/10分であり、さらに好ましくは、10〜60g/10分である。
ブロック共重合体(A−1)の製造方法としては、例えば、プロピレン単独重合体部分(A−1a)を第1工程で製造し、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分(A−1b)を第2工程で製造する方法が挙げられる。
そして、重合触媒としては、例えば、チーグラー触媒やメタロセン触媒が挙げられ、重合方法としては、例えば、スラリー重合法や気相重合法が挙げられる。
本発明で用いられるプロピレン単独重合体(A−2)とは、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)におけるプロピレン単独重合体(A−1a)と同様のプロピレン単独重合体を用いることができる。
プロピレン単独重合体(A−2)のアイソタクチックペンタッド分率は、剛性や耐熱性の観点から、通常、0.97以上であり、より好ましくは0.98以上である。
プロピレン単独重合体(A−2)の固有粘度([η]P)は、通常、0.7〜3dl/gであり、引っ張り破断伸びや流動性の観点から、好ましくは、0.8〜2dl/gである。
本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(B)は、下記のランダム共重合体ゴム(B−1)およびランダム共重合体ゴム(B−2)からなるランダム共重合体ゴム(B)である。
本発明で用いられるランダム共重合体ゴム(B−1)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムである。
本発明で用いられるゴム(B−2)は、ランダム共重合体ゴム(B−2)は、密度が0.85〜0.885g/cm3であり、190℃におけるメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムである。
ランダム共重合体ゴム(B−1)および(B−2)に用いられる、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン等が挙げられ、好ましくは、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1であり、これらは単独で用いてもよく、少なくとも2種のα−オレフィンを併用してもよい。
ランダム共重合体ゴム(B−1)および(B−2)としては、例えば、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体ゴム、エチレン−ヘキセン−1ランダム共重合体ゴム、エチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴム等が挙げられ、好ましくは、エチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴム、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体ゴム、エチレン−ヘキセン−1ランダム共重合体ゴムである。さらに好ましくは、エチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴム、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体ゴムである。また、これらのランダム共重合体ゴムは単独で用いても良く、少なくとも2種類を併用しても良い。
ランダム共重合体ゴム(B−1)の密度は、0.85〜0.885g/cm3であり、好ましくは、0.855〜0.870g/cm3である。0.885g/cm3を超えた場合は、耐衝撃性が低下することがある。
ランダム共重合体ゴム(B−1)の190℃でのメルトフローレート(MFR)は5g/10分以下である。好ましくは、0.3〜3g/10分である。
ランダム共重合体ゴム(B−2)の密度は、0.85〜0.885g/cm3であり、好ましくは、0.855〜0.880g/cm3である。0.885g/cm3を超えた場合は、耐衝撃性が低下することがある。
ランダム共重合体ゴム(B−2)の190℃でのメルトフローレート(MFR)は10g/10分以上である。好ましくは、12〜50g/10分である。
ランダム共重合体ゴム(B−2)のMFRが10g/10分未満の場合、耐傷付き性が低下することがある。
ランダム共重合体ゴム(B−1)および(B−2)の製造方法としては、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法による製造方法が挙げられる。公知の重合触媒としては、例えば、バナジウム化合物、有機アルミニウム化合物およびハロゲン化エステル化合物からなるチーグラー・ナッタ触媒系や、チタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子に少なくとも1種以上のシクロペンタジエニルアニオン骨格を有する基が配位したメタロセン化合物とアルモキサンあるいはホウ素化合物とを組み合わせた触媒系、いわゆるメタロセン触媒系が挙げられる。
公知の重合方法としては、例えば、炭化水素化合物のような不活性有機溶媒中でエチレンとα−オレフィンを共重合させる方法が挙げられる。
本発明で用いられる無機充填剤(C)は、非繊維状無機充填材、繊維状無機充填材、または、これらの混合物である。例えば、非繊維状無機充填材として、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、クレー、アルミナ、シリカ、硫酸カルシウム、けい砂、カーボンブラック、酸化チタン、水酸化マグネシウム、ゼオライト、モリブデン、けいそう土、セリサイト、シラス、水酸化カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸ソーダ、ベントナイト、黒鉛等が挙げられる。
また、繊維状無機充填材としては、例えば、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、チタン酸カリウム繊維、水酸化マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等が挙げられる。
好ましくは、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、繊維状マグネシウムオキシサルフェートであり、さらに好ましくは、タルク、繊維状マグネシウムオキシサルフェートである。
これらの無機充填剤は、単独で用いてもよく、少なくとも2種類を併用してもよい。
非繊維状無機充填材の平均粒子径は、通常、10μm以下であり、好ましくは5μm以下である。ここで非繊維状無機充填材の平均粒子径とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水またはアルコールの分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
繊維状無機充填材の平均繊維径は0.2〜1.5μmであり、平均繊維長は5〜30μmであり、アスペクト比は10〜50である。
無機充填材(C)は、無処理のまま使用しても良く、ポリプロピレン系樹脂との界面接着性を向上させ、ポリプロピレン系樹脂に対する分散性を向上させるために、通常知られているシランカップリング剤、チタンカップリング剤や界面活性剤等で表面を処理して使用しても良い。界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類等が挙げられる。
本発明で用いられる脂肪酸アミド(D)は、炭素数5以上の脂肪酸アミドであり、好ましくは、下記の式(1)で表される脂肪酸アミドである。
RCONH2 式(1)
(ただし、式(1)において、Rは炭素数5〜25のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
脂肪酸アミド(D)としては、例えば、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられ、好ましくは、エルカ酸アミドである。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物が、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、ランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物である場合、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)の含有量は45〜85重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)の含有量は10〜30重量%であり、無機充填材(C)の含有量は5〜25重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)に含有される(B−1)は5〜25重量%であり、(B−2)は5〜25重量%である。
好ましくは、ブロック共重合体(A−1)の含有量が45〜75重量%であり、ランダム共重合体ゴムゴム(B)の含有量が15〜30重量%であり、無機充填材(C)の含有量が10〜25重量%であり、(B−1)が10〜25%であり、(B−2)が5〜20%である。
脂肪酸アミド(D)の含有量は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、0.05〜1重量部であり、好ましくは、0.1〜0.5重量部である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物が、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、プロピレン単独重合体(A−2)と、ランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物である場合、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)の含有量は5〜84重量%であり、プロピレン単独重合体(A−2)の含有量は1〜40重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)の含有量は10〜30重量%であり、無機充填材(C)の含有量は5〜25重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)に含有される(B−1)は5〜25重量%であり、(B−2)は5〜25重量%である。
好ましくは、ブロック共重合体(A−1)の含有量が5〜70重量%であり、プロピレン単独重合体(A−2)の含有量が5〜40重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)の含有量が15〜30重量%であり、無機充填剤(C)の含有量が10〜25重量%であり、(B−1)の含有量が10〜25重量%であり、(B−2)の含有量が5〜20重量%である。
脂肪酸アミド(D)の含有量は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、0.05〜1重量部であり、好ましくは、0.1〜0.5重量部である。
ブロック共重合体(A−1)の含有量が5重量%未満の場合、衝撃強度が不充分なことがあり、84重量%を超えた場合、耐衝撃性や耐傷付き性が低下することがある。
ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量が5重量%未満の場合、耐衝撃性が低下することがあり、25重量%を超えた場合、剛性が低下することがある。
ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量が5重量%未満の場合、耐傷付き性が低下することがあり、25重量%を超えた場合、剛性が低下することがある。
ランダム共重合体ゴム(B−1)とランダム共重合体ゴム(B−2)の合計が10重量%未満の場合、耐衝撃性能が低下することがあり、30重量%を超えた場合、剛性が低下することがある。
無機充填材(C)の含有量が5重量%未満の場合、剛性が不充分なことがあり、25重量%を超えた場合、衝撃強度が不充分なことがある。
脂肪酸アミド(D)の含有量が、1重量部を超えた場合、成形加工時に発煙したり、成形品の表面にブリードアウトしたりすることがあり、0.05重量部未満の場合、耐傷付き性の改良効果が不十分なことがある。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法としては、各成分を混練する方法が挙げられ、混練に用いられる装置としては、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等が挙げられる。混練の温度は、通常、170〜250℃であり、時間は、通常、1〜20分である。また、各成分の混練は同時に行なってもよく、分割して行なってもよい。
各成分を分割して混練する方法としては、例えば、次の(1)、(2)、(3)の方法が挙げられる。
(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B−1)とランダム共重合体ゴム(B−2)を混練した後、無機充填剤(C)および、脂肪酸アミド(D)を添加し、混練する方法。
(2)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と無機充填剤(C)を混練した後、ランダム共重合体ゴム(B−1)とランダム共重合体ゴム(B−2)と脂肪酸アミド(D)を添加し、混練する方法。
(3)脂肪酸アミド(D)とプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)を事前に混練してペレット化し、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B−1)とランダム共重合体ゴム(B−2)と無機充填材(C)とを一括に混練する方法。
また、上記の(1)、(2)または(3)の方法において、任意にプロピレン単独重合体(A−2)を添加してもよい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、架橋剤の添加剤を配合しても良い。
本発明の射出成形体は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を、射出成形法によって、成形して得られるものである。
本発明の射出成形体の用途としては、例えば、自動車用部品、電気製品・電子製品用部品、建材部品等が挙げられ、好ましくは自動車用部品である。
本発明のプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体は、成形体表層付近においてゴム成分が強く配向する。前記ゴム成分の配向は、成形品を樹脂流動方向に切断し、その断面を透過型電子顕微鏡観察することにより調べることができる。前記ゴム成分は、表面から、数十μm〜数百μmの深さまで強く配向する。本発明で得られる成形体は、ランダム共重合体ゴム(B−2)のMFRが10g/10分以上であるため、成形体の表面から30μm以上まで、前記ゴム成分が強く配向している。
本発明において、ゴム成分が強く配向している状態とは、透過型電子顕微鏡写真において観察される成形体表層付近に存在するゴム成分の多くが、樹脂流動方向に細長く伸びている状態であり、通常、ゴム成分の樹脂流動方向の長さが5μm以上、ゴム成分の厚みが0.5μm以下に、細長く伸びている状態である。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例における物性値の測定法を以下に示した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−6758に規定された方法に従い、測定した。測定温度は190℃もしくは、230℃であり、荷重は2.16kgで測定した。ランダム共重合体ゴムのMFRは190℃で測定し、プロピレン系樹脂組成物のMFRは230℃で測定した。
(2)曲げ弾性率(単位:MPa)
JIS−K−7203に規定された方法に従い、測定した。射出成形によって成形された試験片を用いた。試験片の厚みは6.4mmであり、スパン長さ100mm、荷重速度30mm/minの条件で曲げ弾性率を評価した。測定温度は23℃で行った。
(3)IZOD衝撃強度(単位:KJ/m2
JIS−K−7110に規定された方法に従い、測定した。射出成形によって成形された試験片を用いた。試験片の厚みは3.2mmであり、ノッチ付きの金型を用いて作成したノッチ付き試験片を用いて、IZOD衝撃強度を評価した。測定温度は23℃で行った。
(4)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度135℃で評価した。
(5)分子量分布(Q値)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下に示した条件で測定した。
GPC:Waters社製 150C型
カラム:昭和電工社製 Shodex 80 MA 2本
サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.2wt%)
流量:1ml/min
温度:135℃
溶媒:o−ジクロルベンゼン
東洋曹達社製の標準ポリスチレンを用いて溶出体積と分子量の検量線を作成した。検量線を用いて検体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め分子量分布の尺度として、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)、すなわち、Q値を求めた。
(6)アイソタクチックペンタッド分率
アイソタクチック・ペンタッド分率は、A.Zambelliらによって、Macromolecules,6,925(1973)に発表、記載されている方法に従って測定した。すなわち、13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すれば、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率を求めた。ただし、NMRの吸収ピークの帰属に関しては、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて行った。
具体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定した。この方法により英国NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19−14 PolypropylenePP/MWD/2のアイソタクチックペンタッド分率を測定したところ、0.944であった。
(7)プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の全ブロック共重合体に対する重量比率(X)
プロピレン−エチレンブロック共重合体において、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の全ブロック共重合体に対する重量比率Xは、プロピレン単独重合体部分と全ブロック共重合体の各々の結晶融解熱量を測定することによって、次式から算出した。
X=1−(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:ブロック共重合体全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf)P:プロピレンホモポリマー部分の融解熱量(cal/g)
(8)プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量(単位:重量%)
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量は、赤外線吸収スペクトル法により全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)で測定し、次式から算出した。
(C2')EP=(C2')T/X
(C2')T:全ブロック共重合体におけるエチレン含量(重量%)
(C2')EP:プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン含量(重量%)
(9)プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度([η]EP、単位:dl/g)
プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]EPは、プロピレン単独重合体部分と全ブロック共重合体の各々の極限粘度を測定することにより、次式から算出した。
[η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P
[η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl/g)
[η]T:ブロック共重合体全体の極限粘度(dl/g)
なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体の第1セグメントであるプロピレン単独重合体部分の極限粘度[η]Pは、その製造時に、第一工程であるプロピレン単独重合体部分の製造後に重合槽内より取り出し、取り出されたプロピレン単独重合体から[η]Pを求めた。
(10)耐傷付き性試験
(a)傷付き評価方法(A)
上島製作所社製 特殊大型U−F引っかき試験機を用いて、以下の条件で傷付き試験を行った。100mm×400mm×3mmの鏡面平板に、先端が直径1mmの半球(材質SUS403)である傷付き試験用の針に1500gの過重をのせ、600mm/minの速度で傷を付けた。
東京精密社製表面粗さ形状測定機(サーフコム550A)を用いて、平板表面の傷を測定した。傷の目立ち感を評価するため、傷の周りの盛り上がった部分から傷の底部までの深さを0.1μmの単位で測定した。また、目視での目立ち度合いも判定した。
目立ち度合い: ○ 白化しておらず、傷目立たない。
△ 少し白化しており、傷も目立つ。
× 白化しており、かなり傷が目立つ。
(b)傷付き試験方法(B)
100×400×3mmのシボ平板を水平から60度の角度で立てかけ、そこに図1に示した衝撃試験治具を70cmの高さから落下させ、傷を付けた。傷の目立ち度合いを目視で判定した。
目立ち度合い: ○ 白化しておらず、傷目立たない。
△ 少し白化しており、傷も目立つ。
× 白化しており、かなり傷が目立つ。
(11)試験片断面の透過型電子顕微鏡観察
射出成形によって成形した試験片(ASTM D638に記載の1号ダンベル、中央部付近の厚さ:3.2mm,幅:13mm)の中央部付近から、厚さ3.2mm、幅10mm、奥行き5mmのブロックを切り出した。ブロックの奥行き方向は、前記ダンベル型試験片の長手方向(これは、該試験片作成時の樹脂材料の流れ方向と一致する)に一致させた。
更に、ミクロトームを使用して−50℃〜−80℃の低温において、前記ブロックの表面(これは、前記ダンベル型試験片の表面であった)から深さ約100μmまでの部分から、前記ダンベルの長手方向と厚み方向とで定義される平面に平行な面を有する厚さ約100nmの極薄切片を採取した。厚さ100nmの極薄切片の切削に先立って、1%RuO4水溶液から60℃で発生させた蒸気に前記ブロックを暴露して染色した。得られた極薄切片を透過型電子顕微鏡で観察することにより、射出成形試験片におけるゴム成分の配向状態を観察した。
実施例1,2、参考例1,2および比較例1
(試料)
(A−1−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(BC−1)
住友化学社製 AZ864を用いた。AZ864のMFR(230℃)は、30g/10分であった。プロピレン単独重合体部分の分子量分布(Q値)は4.2であり、極限粘度([η]P)は1.05dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率は0.97であり、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度([η]EP)は2.5dl/gであり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(BC−1)に対する重量割合は20重量%であり、エチレン含量は40重量%であった。
(A−1−2)プロピレン−エチレンブロック共重合体(BC−2)
住友化学社製WPX5343を用いた。WPX5343のMFR(230℃)は、52g/10分であった。プロピレン単独重合体部分の分子量分布(Q値)は4.2であり、極限粘度([η]P)は0.92dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率は0.97であり、プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度([η]EP)は5.0dl/gであり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(BC−2)に対する重量割合は13重量%であり、エチレン含量は32重量%であった。
(A−2−1)プロピレン単独重合体(PP−1)
住友化学社製 U101E1を用いた。分子量分布(Q値)が4.2であり、極限粘度([η]P)が0.92dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率が0.97であり、MFR(230℃)が120g/10分であるプロピレン単独重合体(PP)を用いた。
(A−2−2)プロピレン単独重合体(PP−2)
住友化学社製 Y501を用いた。分子量分布(Q値)が4.2であり、極限粘度([η]P)が1.45dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率が0.97であり、MFR(230℃)が13g/10分であるプロピレン単独重合体(PP)を用いた。
(B−1−1)ランダム共重合体ゴム
デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8842(密度:0.858g/cm3、MFR(190℃):1g/10分)
(B−1−2)ランダム共重合体ゴム
デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8100(密度:0.870g/cm3、MFR(190℃):1g/10分)
(B−2−1)ランダム共重合体ゴム
住友化学社製 エクセレンFX CX5505(密度:0.870g/cm3、MFR(190℃):15g/10分)
(B−2−2)ランダム共重合体ゴム
デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8130(密度:0.864g/cm3、MFR(190℃):13g/10分)
(B−2−3)ランダム共重合体ゴム
デュポンダウエラストマー社製 ENGAGE8407(密度:0.870g/cm3、MFR(190℃):30g/10分)
(C)無機充填剤
無機充填剤としては、タルク(林化成社製 MWHST)を用いた。(Talc−1と称する。)Talc−1の平均粒子径は、2.7μmであった。
(D)脂肪酸アミド
脂肪酸アミドとしては、日本精化社製 ニュートロンSを用いた。
〔ポリプロピレン系樹脂組成物〕
表1に示した組成になるように各成分を配合して、これらをヘンシェルミキサーおよびタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44SS−31.5BW−2V型)を用いて、押出量30kg/hr、スクリュー回転数350rpm、ベント吸引下で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。得られたポリプロピレン系樹脂組成物のMFRを測定し、その結果を表3に示した。
〔物性評価用試験片〕
物性評価用試験片は、次のとおり、射出成形によって作製した。
上記で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を熱風乾燥器で120℃、2時間乾燥した後、東芝機械製IS150E−V型射出成形機を用いて、成形温度180℃、金型冷却温度50℃、射出時間15sec、冷却時間30secで射出成形を行った。得られた射出成形体の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度を測定し、その結果を表2に示した。
傷付き試験用平板は、次の射出成形条件下で作製した。上記で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を熱風乾燥器で120℃で2時間乾燥後、住友重機製ネオマット515/150型射出成形機を用いて、成形温度220℃、金型冷却温度50℃、射出時間および保圧時間の合計が15secで、冷却時間が30secで射出成形を行った。得られた射出成形体の傷付き試験を行なった。その結果を表2に示した。
表1
Figure 0004915067
表2
Figure 0004915067
本発明の要件を満足する実施例1,2は、耐衝撃性と剛性のバランスに優れ、さらに、耐傷付き性に優れるものであることが分かる。
これに対して、ランダム共重合体ゴム(B−2)を用いなかった比較例は、耐傷付き性、特に、傷付き試験(B)法での傷の目立ち度合いにおいて、耐傷付き性が、不十分であることが分かる。
〔透過型電子顕微鏡観察による、表層付近のゴム配向の確認〕
参考例1,2、比較例1の表層付近のゴム配向を、透過型電子顕微鏡にて観察した。その結果を図2,3,4に示した。
図中の(A)部はゴムが強く配向している部分であり、図中の(B)は配向が弱くなっている部分である。(B−2)を用いなかった比較例1では、ゴムは表層から約18μm程度の部分で配向が弱くなっており、(B−2)を使用している参考例1,2では、それぞれ、表層から、35μm、60μm程度の部分まで、ゴムが強く配向していた。
衝撃試験治具の略図である。 実施例1の射出成形体の表面付近の断面の透過電子顕微鏡写真である。 実施例3の射出成形体の表面付近の断面の透過電子顕微鏡写真である。 比較例1の射出成形体の表面付近の断面の透過電子顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、下記のランダム共重合体ゴム(B−1)およびランダム共重合体ゴム(B−2)からなるランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)が45〜85重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)が10〜30重量%であり、無機充填材(C)が5〜25重量%であり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.05〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物。
    ランダム共重合体ゴム(B−1)は、密度が0.85〜0.885g/cmであり、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
    ランダム共重合体ゴム(B−2)は、密度が0.85〜0.885g/cmであり、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
  2. プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、プロピレン単独重合体(A−2)と、下記のランダム共重合体ゴム(B−1)およびランダム共重合体ゴム(B−2)からなるランダム共重合体ゴム(B)と、無機充填材(C)と、脂肪酸アミド(D)を含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計を100重量%として、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)が5〜84重量%であり、プロピレン単独重合体(A−2)が1〜40重量%であり、ランダム共重合体ゴム(B)が10〜30重量%であり、無機充填材(C)が5〜25重量%であり、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)とプロピレン単独重合体(A−2)とランダム共重合体ゴム(B)と無機充填材(C)との合計100重量部に対して、脂肪酸アミド(D)0.05〜1重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物。
    ランダム共重合体ゴム(B−1)は、密度が0.85〜0.885g/cmであり、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが5g/10分以下であるエチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−1)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
    ランダム共重合体ゴム(B−2)は、密度が0.85〜0.885g/cmであり、190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが10g/10分以上であるエチレン−オクテン−1ランダム共重合体ゴムであり、ランダム共重合体ゴム(B−2)の含有量は5〜25重量%である(但し、(A−1)と(B)と(C)の合計を100重量%とする)。
  3. 脂肪酸アミド(D)が、下記の式(1)で表わされる脂肪酸アミドである請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
    RCONH・・・式(1)
    (ただし、式(1)において、Rは炭素数5〜25のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
  4. 無機充填材(C)が、タルクおよび繊維状マグネシウムオキシサルフェートからなる群から選ばれる少なくとも1種の無機充填材である請求項1〜のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる射出成形体。
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