JP2023146519A - 熱可塑性エラストマー組成物およびその用途 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびその用途 Download PDF

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Kai Tanaka
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Abstract

【課題】機械強度に優れる成形品を得ることができ、かつ架橋して射出成形しても外観不良が起きにくい熱可塑性エラストマー組成物および当該組成物からなる成形品を提供する。【解決手段】架橋体、可塑剤(D)、および任意に結晶性オレフィン系重合体(B)を含み、前記架橋体が、重量平均分子量が350,000以上のエチレン系共重合体(A)の架橋体、ならびに前記エチレン系共重合体(A)および前記結晶性オレフィン系重合体(B)の架橋体からなる群から選択される少なくとも1種の架橋体であり、前記結晶性オレフィン系重合体(B)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が5g/10分以上であり、前記結晶性オレフィン系重合体(B)の合計量が前記エチレン系共重合体(A)100質量部に対し30質量部以上である、熱可塑性エラストマー組成物、ならびに前記組成物からなる成形体。【選択図】なし

Description

本開示は熱可塑性エラストマー組成物およびその用途に関する。
熱可塑性エラストマーの一種であるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体と結晶性オレフィン重合体との組成物を架橋してなるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、軽量でリサイクルが容易なことから、省エネルギー、省資源タイプの熱可塑性エラストマーとして、特に加硫ゴムの代替として、ドアトリムおよびインスルメントパネルなどの自動車内装用の表皮材、ホース、パイプならびにブーツなどの自動車部品などに広く使用されている。
しかし、一般的にオレフィン系熱可塑性エラストマーは加硫ゴムよりも弾性特性に劣ることから、弾性特性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーに関する検討が種々行われている。たとえば特許文献1では、オレフィン系熱可塑性エラストマーの弾性特性と機械的特性を向上させるために、熱可塑性ポリオレフィンと、重量平均分子量が500,000~3,000,000であるなどの要件を満たす所定のエチレン系共重合体ゴムと、を用いることが開示されている。
国際公開第2019/199486号
しかしながら、特許文献1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いて射出成形を行うと、得られた成形品に外観不良(特にフローマークと呼ばれる外観不良)が発生する場合があった。上記の通りオレフィン系熱可塑性エラストマーは広く用いられており、なかには良好な外観を有する成形品が得られることが強く求められる用途が存在するため、オレフィン系熱可塑性エラストマーに対する外観不良の起きにくさと機械的特性の両立は今も強く求められている。
本開示は、機械強度に優れる成形品を得ることができ、かつ射出成形しても外観不良が起きにくい熱可塑性エラストマー組成物を提供するものである。また、本開示は、当該熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品、当該熱可塑性エラストマー組成物の製造に適した重合体組成物および当該熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供するものである。
本開示は、たとえば以下の[1]~[11]に関する。
[1]
架橋体、
可塑剤(D)、および
任意に結晶性オレフィン系重合体(B)
を含み、
前記架橋体が、重量平均分子量が350,000以上のエチレン系共重合体(A)の、架橋剤(C)による架橋体、ならびに重量平均分子量が350,000以上のエチレン系共重合体(A)および結晶性オレフィン系重合体(B)の、架橋剤(C)による架橋体からなる群から選択される少なくとも1種の架橋体であり、
前記結晶性オレフィン系重合体(B)の、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定したメルトフローレートが、5g/10分以上であり、
前記結晶性オレフィン系重合体(B)の合計量が、前記エチレン系共重合体(A)100質量部に対し30質量部以上である、
熱可塑性エラストマー組成物。
[2]
前記エチレン系共重合体(A)の重量平均分子量が420,000以上である、前記[1]の熱可塑性エラストマー組成物。
[3]
前記エチレン系共重合体(A)が、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体である、前記[1]または[2]の熱可塑性エラストマー組成物。
[4]
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体が、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体である、前記[3]の熱可塑性エラストマー組成物。
[5]
前記結晶性オレフィン系重合体(B)の重量平均分子量が、400,000以下である、前記[1]~[4]のいずれかの熱可塑性エラストマー組成物。
[6]
前記架橋剤(C)が、フェノール樹脂系架橋剤である、前記[1]~[5]のいずれかの熱可塑性エラストマー組成物。
[7]
前記[1]~[6]のいずれかの熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体。
[8]
自動車部品である前記[7]の成形体。
[9]
前記自動車部品が、エアインテークホースである、前記[8]の成形体。
[10]
重量平均分子量が350,000以上のエチレン系共重合体(A)、
結晶性オレフィン系重合体(B)、
架橋剤(C)、および
可塑剤(D)
を含み、
前記結晶性オレフィン系重合体(B)の、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定したメルトフローレートが、5g/10分以上であり、
前記結晶性オレフィン系重合体(B)の量が、前記エチレン系共重合体(A)100質量部に対し30質量部以上である、重合体組成物。
[11]
前記[10]の重合体組成物を動的に熱処理する工程を含む、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
本開示によれば、機械強度に優れる成形品を得ることができ、かつ射出成形しても外観不良が起きにくい熱可塑性エラストマー組成物を提供することができる。また、本開示によれば、当該熱可塑性エラストマー組成物からなる成形品、当該熱可塑性エラストマー組成物の製造に適した重合体組成物、および当該熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供することができる。
本開示の成形体の一例であるエアインテークホースの一例を示す写真である。
以下、本開示を実施するための形態について説明する。数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。また、数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
<エチレン系共重合体(A)>
前記エチレン系共重合体(A)〔以下、「成分(A)」と呼称する場合がある。〕は、エチレンから導かれる単位を含む共重合体であり、ゲル浸透クロマトグラフィーにより後述する実施例で採用された条件下で測定される重量平均分子量(Mw)が350,000以上、好ましくは420,000以上、より好ましくは420,000~500,000の範囲にある。当該エチレン系共重合体(A)は、エチレンから導かれる単位とα-オレフィン(例えば炭素数3~20のα-オレフィン)から導かれる単位とを含むエチレン・α-オレフィン共重合体とすることができる。
Mwの上限は、特に限定はされないが、通常、1,500,000以下、好ましくは、1,000,000以下である。
Mwが350,000未満のエチレン系重合体では、組成物の機械強度が低くなってしまい好ましくない。
前記エチレン系共重合体(A)は、例えば、モノマーとして少なくともエチレンおよびα-オレフィンを共重合させることで得ることができる。当該α-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン等が挙げられる。これらの中で、柔軟性付与の観点から、炭素数3~20のα-オレフィンが好ましく、炭素数3~12のα-オレフィンがより好ましく、プロピレン、1-ブテン、1-オクテンがさらに好ましく、プロピレンがさらに好ましい。
前記成分(A)がエチレンから導かれる単位とα-オレフィンから導かれる単位とを含むエチレン・α-オレフィン共重合体である場合は、通常、エチレンから導かれる単位とα-オレフィンから導かれる単位のモル比(エチレンから導かれる単位/α-オレフィンから導かれる単位)が40/60~90/10の範囲にある。エチレンから導かれる単位とα-オレフィンから導かれる単位のモル比の下限は、好ましくは45/55、より好ましくは50/50、特に好ましくは55/45である。また、モル比の上限は、好ましくは80/20、より好ましくは75/25、さらに好ましくは70/30である。モル比が前記範囲内であることは、機械特的強度に優れた熱可塑性エラストマー組成物を得る上で好ましい。
前記成分(A)には、必要に応じて、不飽和結合を有する単量体(非共役ポリエン)を共重合させることができる。不飽和結合を有する単量体(非共役ポリエン)としては、例えば、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,5-ノルボルナジエン、1,3,7-オクタトリエン、1,4,9-デカトリエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン等のトリエンが挙げられる。これらの中でも、1,4-ヘキサジエン等の鎖状非共役ジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン等の環状非共役ジエンが好ましく、環状非共役ジエンがより好ましく、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネンがさらに好ましい。
不飽和結合を有する単量体(非共役ポリエン)は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記共重合体(A)としては、例えば、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ブテン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・1-ペンテン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・1-ヘキセン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・1-へプテン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・1-オクテン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・1-ノネン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・1-デセン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・1-ブテン・1-オクテン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・1-ブテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ペンテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ヘキセン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-へプテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-オクテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ノネン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-デセン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ブテン・1-オクテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ブテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ペンテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ヘキセン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-へプテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-オクテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ノネン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-デセン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体、エチレン・1-ブテン・1-オクテン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体などのエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体が挙げられる。
前記エチレン系共重合体(A)の一つであるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体しては、例えば、エクソンモービルケミカル社から、商品名 Vistalon(登録商標) 3666(エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体)、Lion Copolymer社から商品名 Royalene(登録商標) 694、Royalene 677(エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体)、ランクセス(LANXESS)社から商品名 Keltan(登録商標) 4869C、Keltan 5469C、Keltan 5469Q、Keltan 4969Q(エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体)などのエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体が製造、販売されている。
<結晶性オレフィン系重合体(B)>
前記結晶性オレフィン系重合体(B)は、α-オレフィンの重合体であり、通常、1種または2種以上のα-オレフィンを重合して得られるオレフィン系重合体であり、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの名称で製造、販売されているエチレンの単独重合体、エチレンと他のα-オレフィンとの重合体などのエチレン系重合体(ただしエチレンと他のα-オレフィンとの重合体については、重量平均分子量が350,000未満のものに限る。);プロピレン単独重合体(ホモPP)、プロピレンランダム共重合体(ランダムPP)、プロピレンブロック共重合体(ブロックPP)などの名称で製造、販売されているプロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα-オレフィンとの共重合体などのプロピレン系重合体;1-ブテンの単独重合体、1-ブテンと他のα-オレフィンとの共重合体などの1-ブテン系重合体;4-メチル-1-ペンテンの単独重合体、4-メチル-1-ペンテンと他のα-オレフィンとの共重合体などの4-メチル-1-ペンテン系重合体などオレフィンを含む重合体であって、結晶性の重合体である。
前記α-オレフィンとしては、好ましくは炭素数2~20のα-オレフィン、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、2-メチル-1-プロペン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、5-メチル-1-ヘキセン等が挙げられる。また、これらα-オレフィンは、1種単独でも、2種以上のα-オレフィンであってもよい。
なお、本開示において結晶性の重合体とは、下記条件下で示差走査熱量測定(DSC)を行った際に120℃以上において結晶に基づく融点を有する重合体である。
<測定条件>
試料5mg程度を専用アルミパンに詰め、示差走査熱量計により、30℃から230℃までを500℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した後、200℃から30℃までを10℃/分で降温し、30℃で更に10分間保持し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求められる結晶融解ピーク位置の温度を、融点(Tm)と定義する。なお、DSC測定時に、複数のピークが検出される場合は、最も高温側で検出されるピークを示す温度を融点とする。
これら結晶性オレフィン系重合体(B)としては、上で例示したものに限定されず、公知の結晶性オレフィン系重合体を使用することができるが、ポリプロピレンなどのプロピレン系重合体が好ましく使用できる。
〈プロピレン系重合体〉
前記プロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンとプロピレン以外のα-オレフィンとのランダム共重合体(例えば、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1-ブテンランダム共重合体)、プロピレンとプロピレン以外のα-オレフィンとのブロック共重合体(例えば、プロピレン・エチレンブロック共重合体)の中から選ばれる1種以上の重合体が特に好ましい。
前記結晶性オレフィン系重合体(B)は、MFR(JIS K7210 温度:230℃、2.16kg荷重)が、5g/10分以上であり、7g/10分以上であることが好ましく、7~70g/10分の範囲にあることがより好ましい。結晶性オレフィン系重合体(B)のMFRが5g/10分未満であると、外観不良を起きにくくする効果が得られない。
前記結晶性オレフィン系重合体(B)の重量平均分子量は、好ましくは400,000以下であり、より好ましくは350,000以下、さらに好ましくは150,000~300,000である。結晶性オレフィン系重合体(B)の重量平均分子量が当該範囲内であると、外観不良がより起きにくくなる。
<架橋剤(C)>
前記架橋剤(C)は、上記エチレン系共重合体(A)を、あるいは上記エチレン系共重合体(A)および上記結晶性オレフィン系重合体(B)を架橋し得る化合物であれば、特に限定はされず、具体的には、例えば、有機過酸化物系架橋剤、フェノール樹脂系架橋剤などが挙げられる。
〈有機過酸化物系架橋剤〉
架橋剤として用いられる有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。
これらのうち、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、なかでも、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
本開示においては、有機過酸化物は、エチレン系共重合体(A)と結晶性オレフィン系重合体(B)の合計量100質量部に対して、通常0.05~3質量部、好ましくは0.1~1質量部の割合で用いられる。
有機過酸化物による架橋処理に際し、イオウ、p-キノンジオキシム、p,p'-ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4-ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、N,N'-m-フェニレンジマレイミド、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレートのような架橋助剤、あるいはエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー;ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
前記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。
前記のような化合物は、熱可塑性エラストマー組成物の流動性を良好なものとし、かつ、加工成形の際に熱履歴による物性の変化が生じることを防ぐ点で、前記熱可塑性エラストマー組成物中、0.1~2質量%、特に0.3~1質量%の割合で用いるのが好ましい。
〈フェノール樹脂系架橋剤〉
架橋剤(C)として用いられるフェノール樹脂は、フェノール系加硫剤(phenolic curative)とも呼ばれるものであり、フェノール系硬化性樹脂(phenolic curing resin)を含む加硫剤をいい、好ましくは、米国特許第4311628号明細書に開示されているフェノール系硬化性樹脂(phenolic curing resin)及び加硫活性剤(cure activator)からなるフェノール系加硫剤系(phenolic curative system)が挙げられる。
前記の系の基本成分は、アルカリ媒体中における置換フェノール(例えば、ハロゲン置換フェノール、C1-C2アルキル置換フェノール)又は非置換フェノールとアルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドとの縮合によるか、あるいは二官能性フェノールジアルコール類(好ましくは、パラ位がC5-C10アルキル基で置換されたジメチロールフェノール類)の縮合により製造されるフェノール系硬化性樹脂である。アルキル置換フェノール系硬化性樹脂のハロゲン化により製造されるハロゲン化されたアルキル置換フェノール系硬化性樹脂が特に適している。メチロールフェノール硬化性樹脂、ハロゲン供与体及び金属化合物からなるフェノール系加硫剤系が特に推奨でき、その詳細は米国特許第3287440号及び同第3709840号各明細書に記載されている。非ハロゲン化フェノール系硬化性樹脂は、ハロゲン供与体と同時に、好ましくはハロゲン化水素スカベンジャーとともに使用される。通常、ハロゲン化フェノール系硬化性樹脂、好ましくは、2~10重量%の臭素を含有している臭素化フェノール系硬化性樹脂はハロゲン供与体を必要としないが、例えば酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素及び好ましくは酸化亜鉛のような金属酸化物のごときハロゲン化水素スカベンジャーと同時に使用される。このようなスカベンジャーの存在はフェノール系硬化性樹脂の架橋作用を促進するが、フェノール系硬化性樹脂で容易に加硫されないゴムの場合には、ハロゲン供与体及び酸化亜鉛を共用することが望ましい。ハロゲン化フェノール系硬化性樹脂の製法及び酸化亜鉛を使用する加硫剤系におけるこれらの利用は米国特許第2972600号及び同第3093613号各明細書に記載されており、その開示は前記米国特許第3287440号及び同第3709840号明細書の開示とともに参考として本明細書にとり入れるものとする。適当なハロゲン供与体の例としては、例えば、塩化第一錫、塩化第二鉄、又は塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン及びポリクロロブタジエン(ネオプレンゴム)のようなハロゲン供与性重合体が挙げられる。本明細書で使用されている「活性剤」なる用語はフェノール系硬化性樹脂の架橋効率を実質上増加させるあらゆる物質を意味し、そして金属酸化物及びハロゲン供与体を包含し、これらは単独で、又は組み合わせて使用される。フェノール系加硫剤系のより詳細に関しては、「Vulcanization and Vulcanizing Agents」(W. Hoffman, Palmerton Publishing Company)を参照されたい。
適当なフェノール系硬化性樹脂及び臭素化フェノール系硬化性樹脂などのフェノール樹脂系架橋剤は商業的に入手することができ、例えばかかるフェノール樹脂系架橋剤はSchenectady Chemicals, Inc.から商品名「SP-1045」、「CRJ-352」、「SP-1055」及び「SP-1056」として購入されうる。同様の作用上等価のフェノール系硬化性樹脂は、また他の供給者から得ることができる。
前記フェノール樹脂系架橋剤は、分解物の発生が少ないため、フォギング防止の観点から好適な架橋剤である。
前記フェノール樹脂系架橋剤の配合量は、エチレン系共重合体(A)と結晶性オレフィン系重合体(B)の合計量100質量部に対して、通常、0.5~10質量部、好ましくは0.5~7質量部、更に好ましくは1~7質量部である。
フェノール樹脂系架橋剤による架橋処理に際し、架橋助剤、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性ビニルモノマーを配合することができる。好ましくは、ZnOなどの架橋助剤を配合する。
前記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。
前記のような化合物は、得られる熱可塑性エラストマーの流動性を良好なものとし、かつ、加工成形の際に熱履歴による物性の変化が生じることを防ぐ点で、前記熱可塑性エラストマー組成物中、0.1~2質量%、特に0.3~1質量%の割合で用いるのが好ましい。
<可塑剤(D)>
前記可塑剤(D)は、特に限定されないが、通常ゴムに使用される可塑剤を用いることができる。
前記可塑剤(D)として具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油系軟化剤、トール油、サブ(ファクチス)、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸及び脂肪酸塩、ナフテン酸、パイン油、ロジン又はその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、末端変性ポリイソプレン、水添末端変性ポリイソプレン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。中でも、石油系軟化剤、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
なお、上記可塑剤(D)は、熱可塑性エラストマー組成物に添加されるいわゆる可塑剤だけでなく、熱可塑性エラストマー組成物を調製する際に上記エチレン系共重合体(A)として、油展エチレン系共重合体(A)(例えば油展EPDM、EPT)を用いる場合は油展されているオイルを含むものとする。
≪熱可塑性エラストマー組成物≫
本開示の熱可塑性エラストマー組成物は、架橋体、可塑剤(D)、および任意に結晶性オレフィン系重合体(B)を含み、前記架橋体が、エチレン系共重合体(A)の、架橋剤(C)による架橋体、ならびにエチレン系共重合体(A)および結晶性オレフィン系重合体(B)の、架橋剤(C)による架橋体からなる群から選択される少なくとも1種の架橋体であり、結晶性オレフィン系重合体(B)(すなわち、架橋された結晶性オレフィン系重合体(B)、および架橋していない遊離の結晶性オレフィン系重合体(B))の量が、当該共重合体(A)(すなわち、架橋されたエチレン系共重合体(A))100質量部に対して30質量部以上、好ましくは40質量部以上、より好ましくは40~50質量部である組成物である。
一方、結晶性オレフィン系重合体(B)の量が30質量部未満の熱可塑性エラストマー組成物では、成形体の外観不良が改良されない虞がある。
本開示の熱可塑性エラストマー組成物は、好ましくは、エチレン系共重合体(A)(すなわち、架橋されたエチレン系共重合体(A))100質量部に対して、可塑剤(D)を20~100質量部、より好ましくは20~40質量部の範囲で含む。可塑剤(D)の含有量がこの範囲内であると、外観不良がより抑えられる場合がある。
本開示の熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン系共重合体(A)に加え、結晶性オレフィン系重合体(B)、架橋剤(C)、および可塑剤(D)を上記範囲で含むことにより、機械強度に優れる成形体を得ることができる。
本開示の熱可塑性エラストマー組成物には、上記エチレン系共重合体(A)、上記結晶性オレフィン系重合体(B)、架橋剤(C)、および可塑剤(D)以外の成分、例えば、架橋助剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、補強剤、充填剤、着色剤、滑剤等の添加物を、必要に応じて、本開示の目的を損なわない範囲で配合することができる。
≪重合体組成物、および熱可塑性エラストマー組成物の製造方法≫
本開示の重合体組成物は、上記のエチレン系共重合体(A)、結晶性オレフィン系重合体(B)、架橋剤(C)、および可塑剤(D)を含み、当該結晶性オレフィン系重合体(B)の量が、当該共重合体(A)100質量部に対して30質量部以上、好ましくは40質量部以上、より好ましくは40~50質量部である組成物である。
本開示の熱可塑性エラストマー組成物は、本開示の重合体組成物を動的に熱処理することにより、重合体組成物に含まれる上記エチレン系共重合体(A)が、または上記エチレン系共重合体(A)および少なくとも一部の上記結晶性オレフィン系重合体(B)が架橋されることにより得られる。
すなわち本開示の熱可塑性エラストマー組成物は、上記エチレン系共重合体(A)および上記結晶性オレフィン系重合体(B)を上記架橋剤(C)の存在下で動的架橋させてなる架橋体、および、上記エチレン系共重合体(A)を上記架橋剤(C)の存在下で動的架橋させてなる架橋体からなる群から選択される少なくとも1種の架橋体を含むことが好ましい。
本開示において、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいい、「動的架橋する」とは、動的な熱処理により架橋を行うことをいう。
本開示における動的な熱処理は、非開放型の装置中で行うことが好ましく、また窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。熱処理の温度は、成分(A)の融点から300℃以下の範囲であり、通常、150~270℃、好ましくは170~250℃である。混練時間は、通常1~20分間、好ましくは1~10分間である。また、加えられる剪断力は、剪断速度で表すと通常10~50,000s-1、好ましくは100~10,000s-1の範囲にある。
≪熱可塑性エラストマー組成物の用途≫
本開示の成形体は、本開示の熱可塑性エラストマー組成物からなる。
本開示の熱可塑性エラストマー組成物は、公知の様々な成形法により、成形が可能である。前記成形法としては、押出成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形、真空成形、プレス成形、スタンピング成形、ブロー成形等が挙げられる。なお、ブロー成形としては、ブレスブロー成形、ダイレクトブロー成形、インジェクションブロー成形等が挙げられる。
本開示の成形体は、従来の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体よりも外観不良が発生しにくいため、従来の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体を用いることが難しい用途、例えばエアインテークホースなどの自動車部品に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本開示をさらに詳細に説明するが、本開示は何らこれらに制約されるものではない。実施例及び比較例中で使用する「部」は特に断りのない限り質量基準である。
エチレン系共重合体(A)の重量平均分子量は、以下の方法で測定した。
[重量平均分子量(Mw)]
重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーにて測定した。条件は以下の通りである。
カラム:TSKgel GMH6-HT×2+TSKgel GMH6-HTL×2
(いずれも7.5mmI.D.×30cm,東ソー社製)
カラム温度:140℃
移動相:o-ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
検出器:示差屈折計
流量:1.0mL/min.
試料濃度:0.1%(w/v)
注入量:0.4mL
サンプリング時間間隔:0.5s
カラム較正:単分散ポリスチレン(東ソー社製);#3 std set
分子量換算:PS換算/標品換算法
結晶性オレフィン系重合体(B)のメルトフローレート(MFR)は以下の方法で測定した。
[メルトフローレート(MFR)]
JIS K7210に準拠して、温度230℃で2.16kgの荷重にて測定した。
実施例および比較例では、エチレン系共重合体(A)および結晶性オレフィン系重合体(B)として、以下の重合体を用いた。
〔エチレン系共重合体(A)〕
(1)EPT-1:エクソンモービルケミカル社より市販されているエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体〔エチレン含量=64.0質量%、エチリデンノルボルネン含量=4.5質量%、ムーニー粘度〔ML(1+4)、125℃〕=52MU、Mw=460,000、油展量=75PHR(商品名 Vistalon 3666)〕。
〔結晶性オレフィン系重合体(B)〕
(1)PP-1:株式会社プライムポリマーより市販されているプロピレン単独重合体〔メルトフローレート(JIS K7210 温度:230℃、2.16kg荷重)=0.5g/10分、Mw=780,000(商品名 プライムポリプロ(登録商標) E111G)〕。
(2)PP-2:株式会社プライムポリマーより市販されているプロピレン単独重合体〔メルトフローレート(JIS K7210 温度:230℃、2.16kg荷重)=2.0g/10分、Mw=450,000(商品名 プライムポリプロ E111G)〕。
(3)PP-3:株式会社プライムポリマーより市販されているプロピレン単独重合体〔メルトフローレートJIS K7210 温度:230℃、2.16kg荷重)=9g/10分、Mw=293,000(商品名 プライムポリプロ P701J)〕。
(4)PP-4:株式会社プライムポリマーより市販されているプロピレン単独重合体〔メルトフローレート(JIS K7210 温度:230℃、2.16kg荷重)=30g/10分、Mw=220,000(商品名 プライムポリプロ J107)〕。
(5)PP-5:株式会社プライムポリマーより市販されているプロピレン単独重合体〔メルトフローレートJIS K7210 温度:230℃、2.16kg荷重)=60g/10分、Mw=180,000(商品名 プライムポリプロ S119)〕。
[熱可塑性エラストマー組成物及び成形体の物性]
下記実施例及び比較例における熱可塑性エラストマー組成物及び成形体の物性の評価方法は次の通りである。
[ショアーA硬度]
100t電熱自動プレス(ショージ社製)を用いて、得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを230℃で6分間プレス成形し、その後、室温で5分間冷却プレスして厚さ3mmのプレスシートを作製した。該シートを用いて、JIS K6253に準拠して、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。
[引張特性]
100t電熱自動プレス(ショージ社製)を用いて、得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを230℃で6分間プレス成形し、その後、室温で5分間冷却プレスして厚さ2mmのプレスシートを作製した。
上述のようにして作製された厚さ2mmのプレスシートから3号ダンベル片を打ち抜いて試験片を得て、当該試験片を用いてJIS K6301の方法に従って、下記測定温度で、下記引張特性を測定した。
測定温度:23℃
TB:引張破断強度(MPa)
EB:引張破断点伸び(%)
[外観試験]
150t射出成形機(名機製作所製)を用いて、得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを下記条件で射出成形して150mm×75mm×50mmの寸法の箱型形状の射出成形品を作製した。
シリンダー温度(C1:200℃、C2:220℃、C3:240℃、C4:240℃)
型温:40℃
上述のようにして作製された箱型成形品において、外側および内側の表面にフローマークが観察されるかどうかを評価した。表1中の記号の意味(外観試験の評価基準)は以下の通りである。
〇:表面にフローマークがない状態
×:表面にフローマークがみられる状態
[実施例1]
EPT-1 175部
PP-3 45部
カーボンブラック(PE4993 black マスターバッチ(Cabot社))
6部
架橋助剤(酸化亜鉛2種(ハクスイテック社)) 0.2部
架橋剤(フェノール樹脂系架橋剤SP-1055(Schenectady Chemicals, Inc.)) 5部
可塑剤(ダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW-100(出光興産(株)))
25部
添加剤(Irganox(登録商標)1010(BASFジャパン(株)))
0.1部
上記成分を押出機(品番KTX-46、神戸製鋼(株)製、シリンダー温度:C1:50℃、C2:50℃、C3:100℃、C4:120℃、C5:120℃、C6:120℃、C7~C8:180℃、C9~C14:220℃、ダイス温度:250℃、スクリュー回転数:400rpm、押出量:100kg/h)にて混合し、得られた混合物の動的架橋を行い、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
得られたペレットの物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
[実施例2~3、比較例1~3]
成分及びその配合量を表1に示すように変更する以外は実施例1と同様にして、実施例2~3及び比較例1~3の熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
得られたペレットの物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。

Claims (11)

  1. 架橋体、
    可塑剤(D)、および
    任意に結晶性オレフィン系重合体(B)
    を含み、
    前記架橋体が、重量平均分子量が350,000以上のエチレン系共重合体(A)の、架橋剤(C)による架橋体、ならびに重量平均分子量が350,000以上のエチレン系共重合体(A)および結晶性オレフィン系重合体(B)の、架橋剤(C)による架橋体からなる群から選択される少なくとも1種の架橋体であり、
    前記結晶性オレフィン系重合体(B)の、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定したメルトフローレートが、5g/10分以上であり、
    前記結晶性オレフィン系重合体(B)の合計量が、前記エチレン系共重合体(A)100質量部に対し30質量部以上である、
    熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 前記エチレン系共重合体(A)の重量平均分子量が420,000以上である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 前記エチレン系共重合体(A)が、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体である、請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体が、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体である、請求項3に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 前記結晶性オレフィン系重合体(B)の重量平均分子量が、400,000以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 前記架橋剤(C)が、フェノール樹脂系架橋剤である、請求項1~5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体。
  8. 自動車部品である請求項7に記載の成形体。
  9. 前記自動車部品が、エアインテークホースである、請求項8に記載の成形体。
  10. 重量平均分子量が350,000以上のエチレン系共重合体(A)、
    結晶性オレフィン系重合体(B)、
    架橋剤(C)、および
    可塑剤(D)
    を含み、
    前記結晶性オレフィン系重合体(B)の、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定したメルトフローレートが、5g/10分以上であり、
    前記結晶性オレフィン系重合体(B)の量が、前記エチレン系共重合体(A)100質量部に対し30質量部以上である、重合体組成物。
  11. 請求項10に記載の重合体組成物を動的に熱処理する工程を含む、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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